JP2863757B2 - 電気的経皮薬剤アプリケータ - Google Patents

電気的経皮薬剤アプリケータ

Info

Publication number
JP2863757B2
JP2863757B2 JP4061518A JP6151892A JP2863757B2 JP 2863757 B2 JP2863757 B2 JP 2863757B2 JP 4061518 A JP4061518 A JP 4061518A JP 6151892 A JP6151892 A JP 6151892A JP 2863757 B2 JP2863757 B2 JP 2863757B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
patient
skin
applicator
reservoir
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4061518A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06181994A (ja
Inventor
シバリス ダン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DORATSUGU DERIBARII SHISUTEMUZU Inc
Original Assignee
DORATSUGU DERIBARII SHISUTEMUZU Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DORATSUGU DERIBARII SHISUTEMUZU Inc filed Critical DORATSUGU DERIBARII SHISUTEMUZU Inc
Priority to JP4061518A priority Critical patent/JP2863757B2/ja
Publication of JPH06181994A publication Critical patent/JPH06181994A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2863757B2 publication Critical patent/JP2863757B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrotherapy Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に、電気泳動又は、
電気浸透のような電動現象の原理に従い、血流に乗せて
薬剤を全身的に分配すべく、その薬剤を患者に導入する
電気的経皮薬剤アプリケ−タ−に関し、更に具体的に
は、各種中和物質を患者に皮膚から導入し、あるいは、
この中和物質を患者の皮膚内部に電気的に誘導し、治療
薬剤の導入時間を延ばし、その結果、電気的経皮薬剤ア
プリケーターの有用性を増大させる各種の内因性化合物
を形成するためのものに関する。人間又は、動物の皮膚
に電流を通じ、薬剤を経皮導入する装置の例としては以
下の米国特許明細書を参照することができる。 385,556 486,902 588,479 2,493,155 2,267,162 2,784,715 3,163,166 3,289,671 3,547,107 3,677,268 4,008,721 4,141,359 4,239,046 4,243,052 4,325,367 4,367,745 4,419,019 4,474,570 4,406,658 4,314,554 4,166,457 4,238,052 4,290,878 4,164,226 4,362,645 4,273,135
【0002】
【従来の技術】以下の外国特許明細書に経皮薬剤導入装
置が引用又は、開示されている。 EPA No.0060452 DE No.290202183 DE No.3225784 EPA No.0058920 UK No.2104388従って、電流を用い、経
皮に薬剤を導入する構成は公知な技術でない事は明白で
ある。従って、実験、開発を目的にした装置を除けば、
現段階に於て、医療専門家や一般人は、このような電気
を応用した経皮薬剤アプリケーターを商業的な手順で求
め、利用することはできない。経皮薬剤適用パッチ、特
に、電気エネルギーを活用した経皮薬剤導入パッチに
は、印加電流に対し定常状態にあり、さらに、当該装置
の薬剤貯蔵器内部の薬剤濃度が定常な状態にあるにも拘
らず、経時的に薬剤導入速度が減衰するという問題があ
る。この現象は幾つかの科学ジャーナル、例えば、Ne
wYork化学アカデミーによる年史(1987)、ペ
ージ38ー47に掲載されたChien氏その他による
論文、”生体の於けるインシュリンの経皮導入”に報告
されている。
【0003】前記論文によれば、電流を用い、実験動物
にインシュリンを経皮に導入し始めてからの時間に対す
る血液グルコース・レベルの変化が記録される。ここで
は二、三のパラメターを変化させる。例えば、完全に波
形が連続した直流電流の場合と比較し、パルス化直流電
流には実験動物に見られる血液グルコース・レベルの降
下に大きな効果があり、レベル降下の持続にも優れた効
果のあることが報じられている。経皮導入するインシュ
リンの実際量は測定されない。実際量の測定よりはむし
ろ、血液グルコース・レベルを下げるインシュリン薬剤
の効果が測定されている。降下量と降下持続時間とに関
し、測定した血液グルコース・レベルの降下に際し用い
るDCパルスの或る一つ繰り返し速度は、他のパルス繰
り返し速度よりも大きな効果のあることが確認されてい
る。矩形波には、正弦波または、台形波よりも優れた効
果のあることが実証されている。
【0004】前記論文の著者は、電気的に皮膚を等価回
路と見なして、並列抵抗と並列容量に対比させている。
ひとたび電荷が付与されると、これ以上印加電流を受付
なくなる容量を有する皮膚にDC電流による電荷付与
(充電)が行われるため、薬剤の導入量に限界が生じる
と、著者は理論付けをしている。定常電流よりはDCパ
ルスを用いることにより、皮膚容量から電荷放出(放
電)を行い得る時間が与えられるため、後続のパルスに
従い、皮膚は付加電流を受電することができ、皮膚容量
の充電が行われ、薬剤の導入が達成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デュー
ティ・サイクルは、好ましいパルス繰り返し速度時に変
則的な状況が発生し、従来技術によるテストと同じ電流
印加レベルで変化する。デューティ・サイクルが拡大す
ればするほど、即ち、電流OFF時間に対する電流ON
時間の比が大きくなればなるほど、より多量のインシュ
リンが経皮導入され、血液グルコース・レベルに関し測
定した効果はインシュリンの増加量に対応し、更に好ま
しいものとなり、効果の持続性が延長されるものと考え
られる。予測に反し、デューティ・サイクルが1対1の
比から8対1の比の方向に拡大すると、降下期間は多
少、延長されるが、血液グルコース・レベルの降下は増
大するどころか、縮小する。
【0006】要約すると、薬剤導入のために長時間に亙
り電流を印加すると、即ち、経皮な手段で薬剤を導入す
る際に消費する電気エネルギーが増大すると、血液グル
コース・レベル低減効果に関して行われる測定の際に見
られるように、薬剤導入量が減少すると思われる。
【0007】前文に公開した実験結果によれば、従来技
術による経皮薬剤導入アプリケーターや、電流を用い、
皮膚から各種薬剤を導入する従来の方法に伴う問題が明
確に示される。即ち、導入した薬剤の薬効性は、その期
間が充分ではなく、薬剤導入速度は導入用電流の印加時
間が長くなると低下することが提示されている。全身的
に導入される薬剤の導入量と薬効性の持続期間に関し、
薬剤導入技術を改善した電気的経皮薬剤アプリケータ
と、その方法が必要とされる。
【0008】
【課題を解決するための手段】一般的に、本発明によれ
ば、患者の血流に改善した流量をもって薬剤を導入する
電気的経皮薬剤アプリケーターが提供される。この薬剤
アプリケーターは、治療を目的に患者の循環器系に主要
薬剤を導入する機能の他に、薬剤導入流を促進し、より
長時間に亙り、又、電流を応用し、従来可能と考えられ
たものよりも大きな数量をもって、主要薬剤を全身的に
導入し得る役割を果たし、治療を目的にせぬ中和剤を貯
蔵器から患者の皮膚を介し導入する機能を具備する。
【0009】中和剤を皮膚部に導入し、これと平行し、
あるいは単独に、特定な電気信号波形を皮膚に印加する
ことで、薬剤導入流を電気化学的に改善した電気的経皮
薬剤アプリケーターの構造は、本特許出願者本人の上述
公知の現象を評価した結果に基づくものである。
【0010】しかし、皮膚容量への電荷の付与は、電流
印加時間を長くし、電流値を増加させた時に生じる薬剤
導入機能の低下に関与する主要な原因であるとは考えら
れない。インシュリンの投与効率は、皮膚組織内部での
導入インシュリンの吸収と分解により、その一部が損な
われる。人体の皮膚内部に電流を通じ、解離した水構成
元素イオンを導入し、或る種の薬剤を導き入れると、あ
るいは、これらを単独に行うと、哺乳動物の生体細胞に
見られるマイナス極性の実効表面電荷値の降下に関わる
一連の事象が発生する。
【0011】この一連の事象の内で最も重要なものであ
る前記生体細胞に発生するマイナス極性電荷値の減少
は、血栓を形成する、即ち、毛細血管内部の血流を停止
させることになる血液凝固をもたらす雪崩状凝固プロセ
スの引金になる。経皮薬剤アプリケーターから電流を通
じると、薬剤導入が行われる部位で、アプリケーター用
貯蔵器近傍の皮膚の細胞のマイナス電荷を減少させ、部
分的な血流停止のみならず、患者循環器系への薬剤の流
入停止ともなる血液凝固を毛細血管の内部に発生させる
傾向がある。皮膚組織内部の毛細血管内に凝固血液が存
在すると、局部から経皮に導入した薬剤は全身的な薬効
性を発揮することはない。
【0012】又、特に、皮膚の内部に通じた電流による
陽極(+)領域では、小さな血管、特に動脈の急激な収
縮が生じるため、このような血管への血流は、完全に中
断される。従って、血液が凝固した場合のように、小さ
な血管が収縮すると、経皮薬剤アプリケーターから皮膚
の内部に導入された薬剤は循環器系内部への流入が妨げ
られる。
【0013】皮膚の内部にアプリケーター用貯蔵器から
薬剤を導入し、血管循環器系にこの薬剤を流入させる際
の重要な要素である電気浸透現象は、皮膚内部の細胞壁
に存在する固定したマイナス電荷の影響を受ける。電流
波形が一様な微小電流を通じることで、あるいは、皮膚
の内部に水構成元素イオンの発生させることにより生じ
るマイナス実効電荷の低減は電気浸透の進行を妨げる。
【0014】既に述べたように、血液の凝固、血管の収
縮、及び低下した電気浸透効果がそれぞれ、共働作用的
に複合すると、主要薬剤の系統的な経皮導入、特に、電
源を装備した構成の経皮薬剤アプリケーターからの導入
速度は低下するか、0速度になり、薬剤導入は完全に停
止する。この現象は前記アプリケーターから皮膚を介
し、局部の皮膚組織内に薬剤を連続導入する場合ににも
発生する。
【0015】電流の印加、又は導入した薬剤により生じ
る皮膚内部の細胞壁におけるマイナス電荷の低減に対処
するため、本発明によるもので、電気化学的に薬剤導入
流量を改善した電気的経皮薬剤アプリケータは、治療を
目的にする主要薬剤の他に、細胞表面のマイナス電荷を
増大させるため、公知、複数種の中和剤を皮膚の内部に
導入する方式を採用している。なお以下説明中におい
て、説明の便宜のため中和剤が血管拡張剤である場合を
含めて説明するが、本発明の対象となる中和剤には血管
拡張剤は含まれないものである。
【0016】細胞表面のマイナス電荷は、通常、この細
胞表面に於ける血液の凝固を禁ずる基本要素なるものと
して認められている。マイナス電荷(クーロン反発力)
は又、血小板凝固メカニズムの一部であるとも考えられ
ている。更に、このマイナス電荷を克服することは、血
液凝固(血栓症)の際の雪崩反応の一部であるフィブリ
ン形成を重要な見地に立脚したものである。理論に拘束
することなく取り上げた、前記血液凝固の各原因につい
て、少なくとも、動物の血液に接触する生来の組織面ま
たは、人工的な組織面にマイナス電荷を与えると、血液
凝固や血栓の形成を防止する上で、効果のあることは知
られている。
【0017】サルチル酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩、ス
ルホン酸塩、クロロスルホン酸塩、燐酸塩、グルコネー
ト、林檎酸塩、クエン塩酸、フタル酸塩、または、硫酸
塩のような成分を有する動物細胞に適合する陰イオン部
分での反応又は、陰イオン部分の吸収により細胞表面の
マイナス電荷を増強することができる。細胞表面上に結
合させた、あるいは、細胞表面内部に吸収させた以上の
ようなイオン部分は動物血液の付着性を抑制し、流動血
液の凝固防止を促進する。
【0018】凝固防止剤、抗血小板物質、あるいは抗線
維素物質として公知の特定薬剤を表に記載する。ヘパリ
ン、(mucosaccharide sulfon-atesを含む混合物)、サ
ルチル酸塩、プロタミン硫酸塩、カリウム・アミノ安息
香酸塩及び、硝酸塩ナトリウム源であるニトロプルシド
が前記物質に該当する。これらの物質は直接、薬効を発
揮する薬剤であるばかりでなく、動物血液に接触する細
胞面や人工組織面上のマイナス電荷を増強する作用剤で
もある。化学薬品は組織表面に化学的に結合させたり、
吸収させたり、あるいは組織表面内部に吸収させること
ができる。
【0019】細胞表面のマイナス電荷を増強したり、血
小板の形成や動物血液の凝固を防止する作用を有する別
種の物質は動物または人間の新陳代謝により形成され
る。このような生化学的な物質には、プロスタシリン
(prostacyclin)、トロンボモデュリン(thrombomodul
in)、Ecto−ADPアーゼ、ウロキナーゼ、組織プ
ラズミノージン・アクチベータ(TPA),ストレプト
キナーゼ、抗トロンビンIII,蛋白C,蛋白S,プロスタ
グランジンI2,プロスタグランジンE1 硫化グリコーサ
ミノグリカンス(sulfated glycosam-inoglycans)、ニ
トログリセリンを含むN−アセチルシステイン、ニクマ
ロン、ホスファチジル・イノシトール、親水性ガングリ
オシドGM−1、サイクリックGMP、s−ニトロチオ
ール、ドデカペプチド・ガンマFIB、400−411
グアノシン31 、51 −モノフォスフェート、以上物質
の新陳代謝前駆体と、その反応生成物がある。
【0020】上記以外の血管拡張剤にはキニンとヒスタ
ミンがある。このような物質が経皮薬剤導入アプリケー
ターの貯蔵器に含まれていると、その物質は皮膚の内部
に入り、主要薬剤が皮膚内部に導入されると同時に細胞
に対し反応する。細胞表面のマイナス電荷を増強した状
態に維持すれば、局部血管内部に於ける血流の閉塞は軽
減されるか、防止され、そのため、皮膚組織内部に導入
された薬剤は更に、全身系の液流にも導入されるように
なる。特殊なケースに於ては二様の役割を果たすことが
あるが、一般に、中和物質には治療上の価値をもたぬの
が普通である。
【0021】細胞表面マイナス電荷の増強状態の維持
は、プラス電荷を持つ薬剤貯蔵器から電気浸透による薬
剤導入をする場合、この方式の薬剤導入に先立ち、各細
胞表面にマイナス電荷を、同時または交互に予備付加す
ることで達成しえると考えられる。電荷の予備付加電圧
レベルと電荷放出電圧レベルは電子手段によりモニター
され、プリセット限界値に維持される。一極性の電圧を
主要薬剤の導入に用い、逆極性の電圧で中和物質を導入
する場合、主要薬剤と中和物質を同時導入する構成で
も、交互導入する構成でもよい。
【0022】血栓または、血小板の形成、即ち、アプリ
ケーター/皮膚インターフェースに隣接する血管内部で
発生する血液凝固を防止するため、抗血栓剤を予備調整
剤としてアプリケーター・貯蔵器から導入するか、薬剤
導入期間に亙り、薬剤導入と同時に、あるいは、薬剤導
入とは交互に導入する構成がとられる。このような中和
物質には、例えば、ヘパリンやアスピリンが含まれる。
アプリケーター/皮膚・インターフェース近傍の血管の
収縮または絞窄に対処するため、血管拡張剤を貯蔵器に
用いることができる。ニトログリセリンは、このような
拡張薬の一つである。
【0023】血管の拡張を維持するため、一日に最大二
時間までの繰り返し期間に亙り、刺激性の感覚を与え得
る強度に於て、パルス幅が0.3ms、周波数が80H
zという特定の矩形波電気パルスを断続的に、又は連続
的に印加することができる。
【0024】
【0025】
【0026】本発明の目的と、技術的長所は明細書から
その一部は明らかになる。従って、本発明は二、三の段
階と、この段階の内の一つ、または複数段階の他の各段
階に対する関係とから成り、構造、構成要素の複合、及
び上記の各段階等、詳細に開示した以下の説明及び本発
明の技術範囲に於て引用したすべての事項の実施に適し
た個々のパーツの配列に関する特徴を備えた装置を特許
請求の各項に記載する。具体的には、患者の皮膚から該
患者の血流に加える一種又は複数種の治療薬と、患者の
細胞表面のマイナス電荷を増大させる血管拡張剤以外の
中和剤とを保持する貯蔵器手段と、直流電源を帰電電極
を該電源の一極性を示す一方の電源ターミナルに接続
し、逆極性を示す電源ターミナルを該貯蔵器に接続し、
さらに、該貯蔵器手段と該帰電電極を該患者の皮膚に当
てると、電気的な直列回路を形成し、又、該患者に対す
るインターフェースをも形成し;該患者に投与しようと
する薬剤の種類に従い選択的に適用する電気泳動現象と
電気浸透現象を含む個々の電動プロセスに従い、皮膚か
ら該患者の血流中に一種類又は、複数種の治療薬を加え
るため、それぞれ異なる動作サイクルで該電気的な回路
を操作し、同時に、患者の血管壁及び血液細胞のマイナ
ス表面電荷密度を電気的又は、電気化学的に維持し、少
なくとも、電気的経皮薬剤アプリケーターを該患者の皮
膚に固定する部位に於ける細胞表面のマイナス電荷を増
大させる手段とから成ることを特徴とする長時間に亙
り、該患者の血流に少なくとも一種類の薬剤を導入する
該電気的経皮薬剤アプリケーターとして構成されてい
る。また請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発
明において、該貯蔵器手段の保持する中和剤は、陰イオ
ン部分、凝固防止剤、坑血小板物質及び又は坑線維素物
質を含むことを特徴として構成されている。また請求項
3記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、該
電気的な回路をそれぞれ異なる動作サイクルで操作する
該手段は該電源と、これに直列に配した該貯蔵器手段と
の間に接続した電流調整装置とから成り、長時間に亙
り、患者の血流に少なくとも一種類の薬剤を導入するも
のであることを特徴として構成されている。また請求項
4記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、該
電気的な回路をそれぞれ異なる動作サイクルで操作する
該手段は極性反転をするスイッチ手段から成り、長時間
に亙り、患者の血流に少なくとも一種類の薬剤を導入す
るものであることを特徴として構成されている。また請
求項5記載の本発明は、請求項1記載の本発明におい
て、該電気的な回路をそれぞれ異なる動作サイクルで操
作する該手段は、一動作サイクル時に、該回路に電位の
印加が行われぬ期間を変化させる手段から成り、長時間
に亙り、患者の血流に少なくとも一種類の薬剤を導入す
るものであることを特徴として構成されている。また請
求項6記載の本発明は、請求項1記載の本発明におい
て、該電気的な回路をそれぞれ異なる動作サイクルで操
作する該手段は、該貯蔵器手段と該帰電極相互間を選択
的に短絡する手段から成り、長時間に亙り、患者の血流
に少なくとも、一種類の薬剤を導入するものであること
を特徴として構成されている。
【0027】
【実施例】図2に記載する本発明による電気的経皮薬剤
アプリケーターには、懸濁液、例えば、本発明者が先に
引用した特許の内のいずれか一つに開示した(引用例と
して)ゲル18の内部に分散させた主要薬剤14と、中
和剤16を保持したレザバー12が含まれる。貯蔵器1
2の表面20は、使用者の皮膚23の表面22にセット
し、例えば、接着剤(図示省略)により所定位置に保持
される。
【0028】電極24を貯蔵器12の別な面26に接続
し、ついで、電流調整装置30と単極スイッチ32とを
介し、この電極を直流電源28に接続する。皮膚に直
接、接触する帰電電極36を介し、直流電源28の別な
ターミナルを皮膚表面に接続し、例えば接着剤(図示省
略)により、所定の位置に保持する。単極スイッチ34
は電極36と直流電源28との間に配する。
【0029】以下に更に詳しく述べているように、中和
剤16は血管、たとえば、毛細血管の局部に対し作用す
るが、先に引用した各シベイル特許に記載されているよ
うに主要薬剤は全身的に体内の循環系に導入される。図
1と図2は便宜上、図示を簡略化した皮膚23であると
理解し、図2には又、一般的な構成の電気的経皮薬剤ア
プリケーターが系統的に示されている。本出願書を提出
した発明者が先に挙げた文献には更に詳細な説明が記載
されている。ゲル18、主要薬剤14、及び中和剤16
は、これら物質が洩れぬような方法で、貯蔵器12に保
持されている。皮膚表面22から直接、電極36まで流
れる電流を短絡することはない。図示のごとく、スイッ
チ32、34を閉じると、電極24にはプラス電位が印
加され、電極36にはマイナス電位が現れ、電流は直流
電源28から電流調整装置30を介し、電気的に直列な
電極24、貯蔵器12と、皮膚表面22に流れる。矢印
38で示すように、直流電流は皮膚23の内部に流れ、
次いで、皮膚表面22に戻り、更に、スイッチ34から
直流電源28のマイナス極性ターミナルに帰還する。電
極24に印加した電源28のプラス電位と電流により、
主要薬剤14と中和剤16は貯蔵器12と皮膚表面22
相互間のインターフェース内に誘導される。
【0030】図1には、人間の皮膚が簡略化して提示さ
れており、これには毛髪小胞44及び発汗腺46と、身
体深部に於ける毛細血管40、各種の腺等により分割さ
れる表皮42である外層が含まれる。電気的経皮薬剤ア
プリケーターに於ては、小量の薬剤は、矢印43で示す
ように、直接、表皮内に導入されるが、薬剤14は又、
シャントとして機能する毛髪小胞44と発汗腺46から
容易に皮膚の内部にも進入する。皮膚の内部に導入され
た薬剤14は各種の電動プロセス、例えば、電気泳働、
電気浸透、イオン泳動等により、全身性の循環系に分散
される。或る種の薬剤と中和剤を使用する場合、経皮薬
剤アプリケータの適用に備え、毛髪小胞と発汗腺の密度
の大きな、あるいは、該密度の小さな皮膚部分を選択す
ることが望ましい。
【0031】主要薬剤14と中和剤16を皮膚組織内部
に導入するために、図2に記載するものとは逆な極性が
必要な場合、図2のスイッチ32、34を破線で示す各
位置に移動し、これにより、電極24にマイナス電位を
印加し、帰電電極36にプラス電位を印加する。主要薬
剤14と中和剤16を皮膚の内部に導入するため、各物
質にそれぞれ極性の異なる電圧を印加する必要がある場
合、スイッチ32、34の位置を周期的に変化させて、
交番する直流電位を印加し、電極32、34に印加され
る電位の極性を周期的に反転させる。交互に配したスイ
ッチ32、34の動作タイミングは使用している主要薬
剤14と中和剤16の適用条件に合うように決める。主
要薬剤14と中和剤16の導入条件に最も適するもの
で、それぞれ等しい、あるいは、互いに異なる誘導時間
を規定することができる。
【0032】上述のごとく、Chien氏、他による研
究報告を認識すると、薬剤の導入過程では、電極24、
36に電位を印加せぬ幾つかの期間を組み入れることが
望ましく、又、薬剤導入のための電位の印加が行われぬ
このような期間に電極24、36相互間を短絡させ、薬
物導入のための電位の印加が行われる期間に皮膚の内部
に蓄積された電荷が存在するならば、この電荷を容易に
放出させ得るようにすることが望ましい。
【0033】図2に於て破線で示すスイッチ48は電極
24、36相互間に接続し、このスイッチが閉ると、前
記二つの電極は短絡される。例えば、極性反転、薬物導
入用電位の印加が行われぬ期間、電極短絡期間等を含む
複合動作サイクルが望まれるもので、本発明による電気
的経皮薬剤アプリケーターに於ては、図2に破線で示す
制御装置50を用い、必要なプログラムに従い、スイッ
チ32ー35、37、48の開閉を自動制御している。
【0034】図2には電源28が記載されているが、他
の図に於いては、便宜上、電源として直流バッテリーと
しての電源には、直流バッテリーからの電圧を、規制値
電流を供給できるよう制御した電圧に変換する回路装置
を含む構成にしており、各電極は直流バッテリーに直
接、接続せずに、電圧発生装置の出力部に接続している
ものと理解する。更に、電気機械的構成のスイッチとし
て図2に系統的に図解した各スイッチは、前文に引用し
た本発明者による個々の発明の明細書に記載しているよ
うに、電気的経皮薬剤アプリケーターに頻繁に採用され
る微細電流を特に考慮して、ソリッド・ステートスイッ
チにすることができる。
【0035】先に述べた本発明によるアプリケーターの
複合動作サイクルはマイクロ・チップを用いて自動制御
することができる。貯蔵器に添加する各種中和剤16は
経皮薬剤アプリケーター10に隣接する部位の皮膚内部
に血液の循環を維持しようとする一つ、又はそれ以上の
効果を発揮すべく作用するため、皮膚の内部に導入され
た主要薬剤14は治療のため、血流によって全身的な循
環系に運ばれる。一般的には、中和剤16には、毛細管
壁を含む血管壁を取り囲む筋肉を弛緩させ、より大きな
血流断面積が得られ、よりスムーズな血流を維持するよ
うに作用する血管拡張剤を含めることができる。血管、
特に、薬剤アプリケーター10を当てる部位の皮膚内部
に於ける毛細血管内に生じる血小板の堆積と、血液凝固
を軽減すべく作用するため、中和剤16は抗血栓剤とし
て分類される。
【0036】上記の両機能を有する単独の中和剤を貯蔵
器12に用いたり、両機能を複合して果たし得る複数種
の中和剤を採用したり、一方の機能のみを有する一種類
のみの中和剤を貯蔵器12に含めることができる。中和
剤16は又、皮膚内部に導入すると、血液凝固を遅延、
防止、あるいは排除させたり、血管の拡張を促し、血液
の循環を改善すべく作用する物質が体内で生成されるよ
うな誘導作用を持つ物質にすることができる。主要薬剤
と中和剤は、薬学的に相互作用をせぬもので、同一物質
の変異体、例えば、ニトログリセリンとイソソルビド・
ジニトレートでもよい。中和物質は主要薬剤分子を構成
する元素の一部から成る物質とすることができる。特
に、主要薬剤分子に属するスルフォン化グループ、燐化
グループ、及びカーボキシル化グループは当該アプリケ
ータを装着する皮膚部位の細胞壁のマイナス電荷特性を
望ましい状態に強化をする上で有効な物質である。
【0037】目的とする治療上の効果を有する主要薬剤
として、全身的な経皮導入には不適切なものとして公知
な物質も、薬効作用はアプリケーターを装着する対象エ
リヤに限定され、一般の中和剤は全身的な効果を期待し
て用いられぬため、通常の中和剤として使用ができる。
従って、薬剤を中和剤として用いることは、このような
薬剤に対し、経皮薬剤アプリケーターには治療上の薬効
性を期待し得ぬとする従来技術の理論とは完全に矛盾す
る。中和剤は局所剤としてだけ作用するものと規定され
る。例えば、硝酸塩をニトログリセリンとして用いる場
合、中和剤の流速を調整し、アプリケーター装着部位に
於ける血液循環を改善しながら、血清中に検出し得るレ
ベルにまで中和剤を導入せぬようにすることができる。
中和剤の全身的な効果や薬学的効果は皆無または、皆無
に等しい。更に明確に言うと、中和剤は、これを中和機
能に限定して用いるならば、経皮導入に於ては無視し得
るものと規定される。中和剤は、ニトログリセリンのよ
うな角質層の内部に選択的に導入し得る特性を有する物
質であるが、電動現象による主要薬剤の導入は皮膚、シ
ャント、発汗腺及び皮脂腺とを介して行われる。このよ
うな場合、角質層は、前記アプリケーター・貯蔵器に予
め保持した中和剤がアプリケーターから放出され尽くし
ても、この中和剤を蓄える貯蔵部として機能すると考え
られる。
【0038】中和剤として使用される公知の血管拡張
剤、及び中和剤16として又血管拡張機能をも合わせ持
ち、血液凝固を軽減あるいは排除する作用をも有する物
質としても用いることのできる公知の抗血栓剤を以下に
記載する。 心血管薬剤(血管拡張剤) 商品名 一般名(種名) Cerespan 塩酸パパベリン Cyclospasmol cyclandelate Ethatab 塩酸エタベリン Lipo-Nicin 6種薬剤による混合物:ニコチン酸、niacinami- de, アスコルビン酸、チアミン塩化水素 リボフラビン、ピリドクシン Pavabid 塩酸パパベリン Theo-24 テオフィリン Vasodilan 塩酸 isoxsuprine Cardilate 四硝酸エリトリチル 商品名 一般名(種名) Iso-bid イソソルビド・ジニトレート Isordil イソソルビド・ジニトレート Nitro-Bid ニトログリセリン Nitroglyn ニトログリセリン Nitrol(軟膏) ニトログリセリン(軟膏) Nitrospan ニトログリセリン Nitrostat ニトログリセリン/ポリエチレン・グリコール Peritrate 四硝酸塩ペンタエリトリトール Persantine dipryidamole Sorbitrate イソソルビド・ジニトレート 商品名 一般名(種名) Tridil ニトログリセリン Arlidin 塩酸ニリドリン Aprosokine Hcl 塩酸ヒドララジン Arfonad カンシル酸トリメタファン Dibenzyline 塩酸フェノキシベンザミン Esimil 硫酸グアネチジン/塩酸 Hyperstat ジアゾキシド Ismelin 第一硫酸グアネチジン Loniten minoxidil Nico-400 ニトログリセリン Priscoline Hcl 塩酸トラゾリン Serpasil レセルピン 抗凝血剤 Calciparine calcium heparin Coumadin sodium warfarin(propanol-2 clathrate) Heparin,Na sodim heparin Protamine protamine sulfate sulfate 抗線維剤 Potaba アミノ安息香酸カリウム 抗血小板物質 Aspirin サリチル酸と、その誘導体及び塩類のようなサリチル酸塩 その他 フラボノイド類(例えば、リボフラビン)と、そのフェノール 分解生成物、又はフェノール化合物 カルシトニン・ゲン関連ペプチド(CGRP) ニトロプルシド プロスタシリン ストレプトキナーゼ Activase recombinant alteplase
【0039】上記リストは決して完全なものではない
が、それでも、本発明の実施に適した各種の薬剤は概略
網羅されている。その上、本発明では、特定の特性を有
し、本出願書に記載した望ましい効果を発揮するもの
で、中和剤であれば如何なる種類であっても、その使用
が考えられる。主要薬剤14を第一貯蔵器12’に含
め、中和剤16を貯蔵器12”に保持させた構成で、本
発明に電気的経皮アプリケーター10’のもう一つの実
施例を図3に記載する。各貯蔵器に於ては、主要薬剤、
中和剤ともゲル18に懸濁させている。直流電源28か
ら電流調整装置30を介し受電するため、電極24、5
2は並列に接続する。図に記載しているように、直流電
源バッテリーからの電流は電流調整装置30を介し、電
極24、52に流れ、関連する貯蔵器12’、12”か
ら皮膚23の表面内部に達する。皮膚の内部に流れた
(矢印38の方向)電流は帰電電極36と、更に、直流
電源28に戻る。
【0040】特種な主要薬剤14と中和剤16に適合さ
せるため、直流電源28の極性を切り替える設備を図2
に示すように設け、全ての電極24、52をスイッチ4
8により直接、帰電電極36に接続する短絡回路も含め
ることができる。スイッチ33、35、37を操作する
ことにより、一方の貯蔵器を機能させながら、他の貯蔵
器を選択的に機能解除させることができる。経皮薬剤ア
プリケーター10’を動作させるための周期動作サイク
ルが含まれる場合、制御装置50を用いスイッチ32、
34、48(図2参照)を制御することができる。
【0041】図4に本発明の更にもう一つの実施例であ
る電気的経皮薬剤アプリケーター10’を記載する。本
実施例の場合、貯蔵器12’は直流電源28の一方のタ
ーミナルに接続し、貯蔵器12”は直流電源28の別な
一方のターミナルに接続する。このため、これら二つの
貯蔵器12’、12”の極性は常に逆である。この構成
は、主要薬剤14を一極性電位の印加により皮膚表面2
2の内部に導入し、逆極性電位の印加をもって皮膚表面
22の内部に中和剤を導入する場合に便利である。この
ようにして、主要薬剤14と中和剤16は連続して導入
され、必要に応じ、同時に導入することもできる。
【0042】電極24、52相互間に設け、スイッチ4
8を含む短絡回路を用い、電圧の印加が行われぬ期間
に、皮膚に電荷が存在すれば、その電荷を除去すること
ができる。スイッチ48から短絡等をさせる必要のある
期間であるON/OFF期間を制御するため、上述した
図4の構成に制御装置50を使用することができる。帰
電電極36(破線で指示)を用い、スイッチ48が開放
しており、同時に又、スイッチ47、54も開放状態に
あり、スイッチ39が閉状態にある時に、前記回路から
貯蔵器12’を除去することができる。このようにし
て、貯蔵器12’から の主要薬剤14の導入を中断さ
せておき、中和剤16の導入を継続することができる。
同様に、帰電電極36を用い、中和剤16の導入を中断
させておき、主要薬剤14の導入が必要な場合、中和剤
を保持する貯蔵器12”を除去することができる。この
場合、スイッチ47は閉になり、スイッチ38、48、
49は開であり、スイッチ54は閉になる。
【0043】図2に記載する電気的経皮薬剤アプリケー
ター10は、例えば、ゲルに懸濁させた状態で薬剤と中
和剤とを保持するものとして説明した。しかし、本発明
に電気的経皮薬剤アプリケーターの個々の実施例に於て
は、各貯蔵器は、使用する特定な物質に適合するマトリ
ックス、液体、ペースト等の構成にすることができる。
図2には又、貯蔵器12に於て見られる薬剤14と中和
剤16の一般的、無作為、自然な均等分布が記載されて
いる。貯蔵器は、一方の物質が他種物質に対し断然大き
な複合比を示し得る構成にするこができる、と理解す
る。貯蔵器に用いる幾つかの種類の薬剤等の物質の貯蔵
器に於ける分布は均等でなく、無作為的な分布でもよ
い。薬剤13を一つの層内に配し、中和剤16を別層に
配し、皮膚表面22から個々の層までの距離を別々にす
る。特定な適用条件に従い決められるように、薬剤層、
中和剤層の一方を皮膚から近くに配することができる。
各層に薬剤14と中和剤16を配する特定な構成条件に
適合し得るよう、様々な複合比に従い、二、三種の物質
を複数層にわたり配し、複合物質構成を達成することが
できる。各層の厚さを異なるものにし、一方の層に含ま
れる物質を他層の物質の導入を禁ずる流出抑制剤として
作用させることができる。各種中和剤毎に二、三層を用
意し、相互の重ね順を変えて貯蔵器に配することができ
る。
【0044】本発明の引用実施例に於ては、皮膚角質層
内における毛細血管の閉塞を、例えば、ニトログリセリ
ンのような活性血管拡張剤を用い避けたり、禁じたりす
ることがきる。W.H.Rorer社(19034、ペ
ンシルバニヤ州、フート.ワシントン)からはNITR
OL軟膏なる商品名で2%濃度の治療用軟膏を求めるこ
とができる。ニトログリセリンは筋肉を弛緩させて、ス
ムーズにし、特に、小さな血管を弛緩させるので、動脈
及び毛細血管を拡張させることは、公知の事柄であるた
め、本出願人自身に対し、既に交付された各合衆国特許
の明細書に記載されている別構成の従来技術に経皮アプ
リケーターを使用する場合、準治療のための投与量約
0.001−0・2%の範囲に亙り0.2%ニトログリ
セリンを原則的に適用する上で、便利である。従って、
中和剤層を皮膚面に接触させる構成では、主要薬剤は、
この中和剤層を通過し、皮膚内部に導入される。必要に
応じ、軟膏の主要体は普通、経皮薬剤アプリケーターに
使用する親水性接着剤に干渉せぬようにするため、ポリ
ビニール・ピロリドンや中和ポリアクリル酸等のような
親水性ポリマーにすることができる。
【0045】別な引用実施例の場合、本発明の経皮薬剤
アプリケーターをセットした患者身体の領域に対する血
管閉塞時の中和作用を抑制するため、安定化した血管拡
張剤を使用することができる。この構成はニトログリセ
リンのような血管拡張剤に代えてポリマー・スタビライ
ザーを使用することで達成することがきる。このような
ポリマー・スタビライザーとはポリエチレン・グリコー
ルであるが、これ以外のスタビライザでも、同じような
特性を持つものであれば、本発明の実施に適していると
言うことができる。公知のごとく、分子量3350のポ
リエチレン・グリコールはニトログリセリンの泳動性を
低下させるように作用する(合衆国特許第3,789,
119号を参照)。本発明に於ては、これに電解性パッ
チをセットする部位の内部組織の血管の拡張を局限する
ため、例えば、5,000−20,000の範囲に亙る
大きな分子量のものが一般に用いられると思われる。勿
論、拡散定数に従い決定されるが、分子量が約3,00
0−30,000の範囲に亙る別種の良性ポリマーも使
用することができる。
【0046】図5−8に於てDで指示した主要薬剤とC
で指示した中和剤を個別貯蔵器に配した構成のそれぞれ
異なる実施例を前記の各図に記載する。図5に於ては、
中和剤貯蔵器60は、皮膚表面22にアプリケーターを
装着する場合、矢印で示す電流が流れる方向に沿い、薬
剤貯蔵器62と交番に作用させている。例示の便宜上、
個々の貯蔵器は電気制御ユニット68の一方のターミナ
ルに系統的に並列接続してあり、電流は貯蔵器60、6
2から皮膚表面22に流れ、図5にRで示す帰電電極7
0まで流れる。アプリケーター66を装着した皮膚には
貯蔵器62からの主要薬剤が導入され、同時に、上流方
向(図5に於て、左から右)から中和剤貯蔵器60の内
部を流れる電流は中和剤を運び、薬剤貯蔵器62を当て
た皮膚部位の血管に対する予備調整装置のように作用す
る。従って、中和剤と主要薬剤は皮膚の同一部位に於
て、同時に作用する。
【0047】図5−8は、それぞれ当該アプリケーター
を系統的に解説している。複数の貯蔵器等から成り、電
極反転機能、ON/OFF電圧印加機能、電極相互間短
絡機能とを備えた直列構成装置で、図2−4に関し既に
説明した電気制御装置を図5−8に示す各装置にも等し
く使用することができる。図6、7、8には単独の薬剤
貯蔵器Dと中和剤貯蔵器Cを備えたアプリケーターが記
載されている。各実施例に於て、個々の貯蔵器は電気的
に接続しているため、中和剤は薬剤貯蔵器を当てる皮膚
部位に於ける血管に対する予備調整装置のように作用す
る。図5−8に関し、各主要薬剤貯蔵器Dと各中和剤貯
蔵器C相互の相対位置は使用した特定物質に適合するよ
うに相互に変えることができる。
【0048】前文に引用した各発明に示された別種の構
成も、主要薬剤の導入に関連し、中和剤を利用する条件
にも適合させることができる。従って、前文の説明から
明らかになるものの内、既に説明した本発明の各目的は
効率よく達成され得ることが理解され、前記方法の実施
及び、本発明の原理と技術範囲から逸脱せずに形成した
構造にある変更、修正を加え得るため、本明細書に含ま
れ、付属図面に記載されたすべての事柄は本発明を説明
するために引用したものであり、従って、本発明はこの
引用例に限定されるものではないと、解釈せねばならな
い。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、治療を目的に患者の循
環系に主要薬剤を導入し、薬剤の導入流を改善し、更
に、電流を用いた従来技術のみより可能と考えられた量
よりも、長時間に亙りはるかに大量の主要薬剤を系統的
に導入し得るような作用を持つという効果がある。ま
た、治療のために用いられる中和剤を、主要薬剤が含ま
れる同一の貯蔵器から、あるいは、別な貯蔵器から導入
する構成を有する本発明の電気的経皮薬剤アプリケータ
ーを用い、患者の血流に改善した流量をもって薬剤の導
入が行われるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】経皮薬剤導入のための各導入経路が示されてい
る人間皮膚の断面図である。
【図2】主要薬剤と中和剤とを保持した一個の貯蔵器が
含まれる本発明に係る電気的経皮薬剤アプリケーターを
示す説明図である。
【図3】並列に配した複数の貯蔵器が含まれ、一方の貯
蔵器には主要薬剤が保持され、他の貯蔵器には中和剤が
保持されている本発明に係る電気的経皮薬剤アプリケー
ターを示す説明図である。
【図4】電気的に直列に配した二つの貯蔵器が含まれる
本発明に係る電気的経皮薬剤アプリケーターを示す説明
図である。
【図5−8】本発明に係る実施例の交互に配した複数の
貯蔵器と、回路構成を示す説明図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−79004(JP,A) 特開 昭60−188176(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61N 1/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の皮膚から該患者の血流に加える一
    種又は複数種の治療薬と、患者の細胞表面のマイナス電
    荷を増大させる血管拡張剤以外の中和剤とを保持する貯
    蔵器手段と、 直流電源を帰電電極を該電源の一極性を示す一方の電源
    ターミナルに接続し、逆極性を示す電源ターミナルを該
    貯蔵器に接続し、 さらに、該貯蔵器手段と該帰電電極を該患者の皮膚に当
    てると、電気的な直列回路を形成し、又、該患者に対す
    るインターフェースをも形成し; 該患者に投与しようとする薬剤の種類に従い選択的に適
    用する電気泳動現象と電気浸透現象を含む個々の電動プ
    ロセスに従い、皮膚から該患者の血流中に一種類又は、
    複数種の治療薬を加えるため、それぞれ異なる動作サイ
    クルで該電気的な回路を操作し、同時に、患者の血管壁
    及び血液細胞のマイナス表面電荷密度を電気的又は、電
    気化学的に維持し、少なくとも、電気的経皮薬剤アプリ
    ケーターを該患者の皮膚に固定する部位に於ける細胞表
    面のマイナス電荷を増大させる手段とから成ることを特
    徴とする長時間に亙り、該患者の血流に少なくとも一種
    類の薬剤を導入する該電気的経皮薬剤アプリケーター。
  2. 【請求項2】 該貯蔵器手段の保持する中和剤は、陰イ
    オン部分、凝固防止剤、坑血小板物質及び又は坑線維素
    物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気的経
    皮薬剤アプリケータ。
  3. 【請求項3】 該電気的な回路をそれぞれ異なる動作サ
    イクルで操作する該手段は該電源と、これに直列に配し
    た該貯蔵器手段との間に接続した電流調整装置とから成
    り、長時間に亙り、患者の血流に少なくとも一種類の薬
    剤を導入するものであることを特徴とする請求項1記載
    の電気的経皮薬剤アプリケーター。
  4. 【請求項4】 該電気的な回路をそれぞれ異なる動作サ
    イクルで操作する該手段は極性反転をするスイッチ手段
    から成り、長時間に亙り、患者の血流に少なくとも一種
    類の薬剤を導入するものであることを特徴とする請求項
    1に記載の電気的経皮薬剤アプリケーター。
  5. 【請求項5】 該電気的な回路をそれぞれ異なる動作サ
    イクルで操作する該手段は、一動作サイクル時に、該回
    路に電位の印加が行われぬ期間を変化させる手段から成
    り、長時間に亙り、患者の血流に少なくとも一種類の薬
    剤を導入するものであることを特徴とする請求項1記載
    の電気的経皮薬剤アプリケーター。
  6. 【請求項6】 該電気的な回路をそれぞれ異なる動作サ
    イクルで操作する該手段は、該貯蔵器手段と該帰電極相
    互間を選択的に短絡する手段から成り、長時間に亙り、
    患者の血流に少なくとも、一種類の薬剤を導入するもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の電気的経皮薬
    剤アプリケーター。
JP4061518A 1992-02-17 1992-02-17 電気的経皮薬剤アプリケータ Expired - Fee Related JP2863757B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4061518A JP2863757B2 (ja) 1992-02-17 1992-02-17 電気的経皮薬剤アプリケータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4061518A JP2863757B2 (ja) 1992-02-17 1992-02-17 電気的経皮薬剤アプリケータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06181994A JPH06181994A (ja) 1994-07-05
JP2863757B2 true JP2863757B2 (ja) 1999-03-03

Family

ID=13173395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4061518A Expired - Fee Related JP2863757B2 (ja) 1992-02-17 1992-02-17 電気的経皮薬剤アプリケータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2863757B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IE64873B1 (en) * 1990-03-15 1995-09-20 Becton Dickinson Co Method and composition for iontophoresis

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06181994A (ja) 1994-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5088977A (en) Electrical transdermal drug applicator with counteractor and method of drug delivery
Phipps et al. Iontophoretic delivery model inorganic and drug ions
Kanikkannan Iontophoresis-based transdermal delivery systems
Banga et al. Iontophoresis and electroporation: comparisons and contrasts
JP2939550B2 (ja) イオントフォレーゼ電極
US6512950B2 (en) Methods for delivering agents using alternating current
US5540669A (en) Iontophoretic drug delivery system and method for using same
Amsden et al. Transdermal delivery of peptide and protein drugs: an overview
US5668170A (en) Composition and method enhancing transdermal electrotransport agent delivery
US5215520A (en) Method for delivering an active substance topically or percutaneously
Prausnitz Reversible skin permeabilization for transdermal delivery of macromolecules
PT100720A (pt) Dispositivo para a administracao de farmacos por via transdermica e processo de tratamento
EP0793517B1 (en) Device for enhancing electrotransport agent delivery
US5954684A (en) Iontophoretic drug delivery system and method for using same
US6375990B1 (en) Method and devices for transdermal delivery of lithium
Parasrampuria et al. Percutaneous delivery of proteins and peptides using iontophoretic techniques
CA2568625A1 (en) System and method for transdermal delivery of an anticoagulant
EP0555510B1 (en) Electrical transdermal drug applicator with counteractor
JP2863757B2 (ja) 電気的経皮薬剤アプリケータ
Zakzewski et al. Iontophoretically enhanced transdermal delivery of an ACE inhibitor in induced hypertensive rabbits: preliminary report
CA2060994C (en) Electrical transdermal drug applicator with counteractor and method of drug delivery
IL100794A (en) Electrical transdermal drug applicator with counteractor
IE920197A1 (en) Electrical transdermal drug applicator with counteractor and¹method of drug delivery
EP3434255A1 (en) Iontophoresis method, composition and kit for delivering n-acetyl-3-trifluoromethyl-phenyl-(valine-glycine) through the skin
Gratieri et al. Iontophoresis in penetration enhancement

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081218

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees