JP2862835B2 - 木造住宅の延命化方法 - Google Patents

木造住宅の延命化方法

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JP2862835B2 JP8178457A JP17845796A JP2862835B2 JP 2862835 B2 JP2862835 B2 JP 2862835B2 JP 8178457 A JP8178457 A JP 8178457A JP 17845796 A JP17845796 A JP 17845796A JP 2862835 B2 JP2862835 B2 JP 2862835B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造住宅等の湿気を
計測し、湿気の高い場所の改修作業を行う木造住宅の延
命化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、日本の家屋は木材を主体にし
た建築が多く、これらの木材は高温多湿になると害虫に
よる被害、あるいは腐朽菌による被害が発生しやすく、
これらの被害を防ぐためには家屋の通気性を良くして乾
燥した状態に保つことが必要であった。そこで、床下の
通気性を良くするために、床と地面の間に基礎を形成し
て床を地面から離し、基礎の側面に換気口を形成し、換
気口からの空気が床下を通り抜るようにして、乾燥した
状態を保持できるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の換気口は、換気口の位置、大きさ、換気能力、周囲
の環境等により不十分な換気状態である場合が多く、こ
のような状態であることは発見されにくく、シロアリに
よる被害、腐朽菌による被害が知らないうちに発生する
という問題点があった。また、浴槽、洗面所、流し等、
あるいは上下水道の配管の部分は、漏水しやすく、気付
かないうちに、シロアリによる被害、腐朽菌による被害
が進行するという問題があった。本発明はかかる従来の
問題点を解決するためになされたものであって、その目
的とするところは、換気効率の悪い場所、漏水等によっ
て発生する湿った場所を早期に発見し、その対策をとる
ことによって、シロアリによる被害、腐朽菌による被害
を防止することのできる木造住宅の延命化方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を解決するため
の手段として本発明の木造住宅の延命化方法では、湿度
計によって換気口から排出される空気の湿度を計測する
工程と、湿度計によって換気口に入り込む空気の湿度を
計測する工程と、前記換気口から排出される空気の湿度
と、前記換気口に入り込む空気の湿度の差を計測し、該
湿度の差が所定値を越えた場合に、その空気の通過した
部分を含水率計によって計測する工程と、前記含水率計
の計測値が所定を越えた部分の含水率増加要因除去作業
を行う工程とを有している。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の木造住宅の延命化
方法について説明する。本発明の木造住宅の延命化方法
によって住宅の湿度を点検する場合には、湿度計によっ
て換気口に入り込む空気の湿度(建物周辺の湿度)、及
び、それぞれの換気口から排出される空気の湿度を計測
する。次に、前記換気口に入り込む空気の湿度と、前記
換気口から排出される空気の湿度を比較する。この湿度
を比較することによって、床下がどの程度湿った状態で
あるかを検知することができる。すなわち、床下がかな
り湿った状態の場合、換気口から排出される空気の湿度
は、換気口に入り込む空気の湿度より非常に高くなり、
反対に、床下が乾燥した状態の場合、換気口から排出さ
れる空気の湿度と、換気口に入り込む空気の湿度の差は
小さくなる。
【0006】前記湿度を比較し、換気口から排出される
空気の湿度が高い場合、床下に漏水等が発生しているこ
とがあり、この場合は含水率計によって床下の床、地
面、基礎等の含水率を計測し、湿度の高い部分を特定す
る。そして、湿度の高い部分の原因を究明し、換気口の
位置、大きさ、換気能力、周囲の環境等に問題がある場
合、または漏水等の発生がある場合はその改修を行う。
このように、湿度計によって建物全体の湿気の異常を早
期に発見できると共に、含水率計によって湿気の発生場
所を特定し、早期に含水率増加要因除去作業を行うこと
ができる。尚、含水率計としては測定対象物に電極を当
接させて、電極間の導通状態から測定対象物の含水率を
測定する電気式含水率計を使用するが、他の構成による
ものであっても良い。
【0007】湿度を計測する場合には、建物まわりの温
度、湿度は、東西南北の日照条件や地形、建物の形状に
よって差があり、床下に流れる空気の状況に違いが見ら
れるので、建物側面に沿ってそれぞれ計測する。また、
風は通常、日光の当たる暖かい南側から北側に流れると
いわれているが、地形や庭木の配置、塀の形状等によっ
て各建物ごとに違いが見られる。また、含水率を計測す
る場合には、含水率計を用いて窓枠、柱、畳下地、壁、
土台、大引、束等を計測する。
【0008】前記湿度計による計測結果の判断基準とし
ては、換気口から排出される空気の湿度(%)から、換
気口に入り込む空気の湿度(%)を引いた数値(%)が
15%以下であれば正常な換気状態と判断される。床下
にコンクリートを打設したベタ基礎等ではこの値とな
る。しかし、16〜20%であれば、カビなど腐朽菌が
発生していることがしばしばある危険な状態であり、換
気能力不足が主な原因で、換気口を増やすか、換気扇等
により換気口の通気量を増やさなければならない状態で
ある。そして、21%以上であれば、地形又は、基礎の
形状に問題があり、通気の入口側の換気口のそばに池や
川がある場合、もともと湿地帯を造成した宅地である場
合などが考えられ、一番多いのが床下の地面の高さより
建物の回りの地面が高い場合に見られる状態である。
【0009】また、換気口のうち1カ所または隣接して
いる2カ所が他の換気口に比べて高い値を示した場合
は、何らかの原因で漏水している状態であり、含水率計
を使用して漏水の場所を特定する。そして、湿度の差が
16%以上になった場合には床下に何らかの異常が発生
したことが考えられるので、空気の通過した部分の含水
率を計測し、湿度の高い部分を特定すると共に、その原
因を究明し、漏水の発生であればその補修、換気能力不
足であれば、新たな換気口の形成、換気口の拡大、換気
扇の設置等、周囲の環境に問題があれば、その整備等の
対策をとることができる。
【0010】尚、含水率を計測する場合には床下収納
庫、畳下地等を外して、柱、床、畳下地、壁、土台、大
引、束等を計測する。また、木材の含水率については、
大気中で乾燥させた場合の木材含水率は概ね15%内外
であり、この15%内外であれば通常の乾燥している状
態と判断され、含水率が17〜19%では注意を要する
状態、20%以上ではシロアリなどの被害を受けやすい
状態、30%以上では腐朽菌が繁殖しやすい状態と判断
される。
【0011】
【実施例】次に、本発明を適用した計測結果を図面に基
づいて説明する。図1は第1実施例にかかる木造住宅の
延命化方法を示す説明図、図2は第1実施例にかかる住
宅の湿度と温度の状態を示す説明図、図3は第2実施例
にかかる木造住宅の延命化方法を示す説明図、図4は第
2実施例にかかる住宅の湿度と温度の状態を示す説明図
である。
【0012】第1実施例にかかる住宅Aは図1に示すよ
うに、1階北側にキッチン、トイレ、浴室、床の間があ
り、南側に居間、玄関等がある2階建て木造住宅であ
り、北側床下に4個の換気口、南側に3個の換気口、東
西にそれぞれ1個づつの換気口が設けられ、北側の4個
の換気口には換気扇が設置されて、南側から入って来た
空気は、北側に排出されるようになっている。
【0013】前記第1実施例の住宅の温度、湿度を計測
したデータが図2であり、屋外、床下、キッチン、屋外
北側、和室のそれぞれの温度、湿度データと、図1にお
ける番号部分の含水率データが記載されている。第1実
施例の住宅では、屋外の湿度は50%、温度34℃で、
南側の換気口から湿度50%の空気が入り、北側の換気
口から湿度76%〜79%の空気が排出されている。よ
って湿度差は26%〜29%であり、かなり湿った状態
であると判断される。前記高い湿度差に基づき、含水率
を計測すると、トイレ床の含水率が高く、浴室のタイル
目地のひび割れから漏水していることがわかり、また、
湿度差が大きいことから地形と床高を調べた結果、床下
の地形が建物まわりより低くなっていることが判明し
た。この場合、防湿処理して土間コンクリートを打つ
か、まわりの地面を掘り下げることによって解決する。
【0014】第2実施例にかかる住宅Bは図3に示すよ
うに、1階北東側にキッチン、洗面所、浴室等があり、
南西側に居間、玄関等がある2階建て木造住宅であり、
北東側床下に3個の換気口、南西側に2個の換気口、西
側に1個の換気口が設けられ、北東側から入って来た空
気は、南西側に排出されるようになっている。前記住宅
は、北東側が空き地になっていて2m程高い位置に建て
られているので、風の道に面し北東側の換気口から高い
湿度の空気含が入り、暖かく乾いた南側に逆に流れると
ういう現象が起きている。
【0015】前記第2実施例の住宅の温度、湿度を計測
したデータが図4であり、屋外、床下、キッチンのそれ
ぞれの温度、湿度データと、図3における番号部分の含
水率データが記載されている。第2実施例の住宅では、
屋外の湿度は42%〜52%、温度32℃〜36℃で、
北東側の換気口から湿度51%の空気が入り、南西側の
換気口から62%〜68%の空気が排出されている。よ
って湿度差は11%〜17%であり、ほぼ良好な状態と
判断できるが、屋外から高い湿度の空気が進入するの
で、効率のよい換気と快適性を求めるならば強制換気扇
の取付が望ましい。
【0016】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の実施
例においては建物の床下について説明したが、床下に限
らず、屋根裏、壁内、室内等に適用することも可能であ
る。また、湿度、含水率の判断基準としては、本実施例
において説明した数値以外の判断基準を適用することも
可能である。
【0017】
【発明の効果】以上、説明してきたように、本発明の木
造住宅の延命化方法においては、湿度計によって床下の
湿度を計測するので、湿気の異常を検知できると共に、
含水率を計測することにより、湿気の発生する場所を特
定することができ、漏水を早期に発見することができ
る。さらには、竣工後間もない新築の木造住宅でも床下
の換気能力の不足や漏水も早期に発見することができ、
新築後何年も経た住宅や、周囲が建て込んで換気条件が
変わった住宅に関しても同様に、悪化し腐る前に処置す
ることが可能となるため、補修コストが軽減でき、木造
住宅がもつ本来の耐久性能を維持し、寿命を延ばすこと
ができる。また、この方法で計測調査する場合、計器類
は軽くて危険はないし、作業に手間取ることもないので
コストがかからなくてすむと同時に、適切な処理を取る
ことによって耐用年数が延びて経済的に負担が軽くなる
等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例にかかる木造住宅の延命化方法を示
す説明図である。
【図2】第1実施例にかかる住宅の温度と湿度の状態を
示す説明図である。
【図3】第2実施例にかかる木造住宅の延命化方法を示
す説明図である。
【図4】第2実施例にかかる住宅の温度と湿度の状態を
示す説明図である。
【符号の説明】
A 住宅 B 住宅

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿度計によって換気口から排出される空
    気の湿度を計測する工程と、 湿度計によって換気口に入り込む空気の湿度を計測する
    工程と、 前記換気口から排出される空気の湿度と、前記換気口に
    入り込む空気の湿度の差を計測し、該湿度の差が所定値
    を越えた場合に、その空気の通過した部分を含水率計に
    よって計測する工程と、 前記含水率計の計測値が所定値を越えた場所の含水率増
    加要因除去作業を行う工程とを有したことを特徴とする
    木造住宅の延命化方法。
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