JP2859844B2 - マイクロホン - Google Patents
マイクロホンInfo
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- JP2859844B2 JP2859844B2 JP8052110A JP5211096A JP2859844B2 JP 2859844 B2 JP2859844 B2 JP 2859844B2 JP 8052110 A JP8052110 A JP 8052110A JP 5211096 A JP5211096 A JP 5211096A JP 2859844 B2 JP2859844 B2 JP 2859844B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体中または固体
表面の伝搬音を収音するマイクロホンに関する。 [発明の概要]この発明は、固体中または固体表面の伝
搬音を収音するマイクロホンに関するもので、固体から
マイクロホンのケースに伝わる振動音を受音するため、
密閉ケース内にコンプライアンス、質量、機械抵抗で構
成される機械共振素子を封入し、共振のQと共振周波数
を変化させることにより、受音感度を上昇させ、また受
音周波数範囲の調整を可能にしたものである。
表面の伝搬音を収音するマイクロホンに関する。 [発明の概要]この発明は、固体中または固体表面の伝
搬音を収音するマイクロホンに関するもので、固体から
マイクロホンのケースに伝わる振動音を受音するため、
密閉ケース内にコンプライアンス、質量、機械抵抗で構
成される機械共振素子を封入し、共振のQと共振周波数
を変化させることにより、受音感度を上昇させ、また受
音周波数範囲の調整を可能にしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、固体中または固体表面に設置し
て、固体中または固体表面の伝搬音を収音する方法に
は、ロッシェル塩等の有機塩系の結晶またはチタン酸バ
リウムやジルコン酸チタン酸鉛等の磁器圧電体を、振動
する固体に密着させてその機械的歪みを電気信号に変換
する方法がある。
て、固体中または固体表面の伝搬音を収音する方法に
は、ロッシェル塩等の有機塩系の結晶またはチタン酸バ
リウムやジルコン酸チタン酸鉛等の磁器圧電体を、振動
する固体に密着させてその機械的歪みを電気信号に変換
する方法がある。
【0003】また、空気伝搬音を収音する目的で作られ
た動電型、電磁型または静電型マイクロホンを固体に密
着させて振動音を収音する方法もある。
た動電型、電磁型または静電型マイクロホンを固体に密
着させて振動音を収音する方法もある。
【0004】図12は従来の空中音収音用のマイクロホ
ンで、動電(ムービングコイル)型の構造を示す縦断面
図である。このマイクロホン1は円筒形状を成してお
り、上端が開口し、下端が閉口した筺体2と、この筺体
2の内部に取り付けられた断面凸状の鉄心3と、この鉄
心3の凸部に挿着された形で筺体2の内部に取り付けら
れた永久磁石4と、この永久磁石4の上面に積層された
磁性体5と、この磁性体5の上端の外側に端部が固定さ
れた振動膜6と、鉄心3の凸部の周囲を前後(図では上
下)に移動できるようにして振動膜6の内側に連結され
たコイル7とから構成されている。コイル7からは2本
のリード線8が引き出されている。
ンで、動電(ムービングコイル)型の構造を示す縦断面
図である。このマイクロホン1は円筒形状を成してお
り、上端が開口し、下端が閉口した筺体2と、この筺体
2の内部に取り付けられた断面凸状の鉄心3と、この鉄
心3の凸部に挿着された形で筺体2の内部に取り付けら
れた永久磁石4と、この永久磁石4の上面に積層された
磁性体5と、この磁性体5の上端の外側に端部が固定さ
れた振動膜6と、鉄心3の凸部の周囲を前後(図では上
下)に移動できるようにして振動膜6の内側に連結され
たコイル7とから構成されている。コイル7からは2本
のリード線8が引き出されている。
【0005】音波の圧力変化により振動膜6が筺体2に
対して振動すると、振動膜6に連結されたコイル7が永
久磁石4により作られる磁界中で振動し、これによって
コイル7に電気信号が発生する。振動膜6は空気中の微
小な圧力変化を高感度で検出するために面積を広くとっ
てある。
対して振動すると、振動膜6に連結されたコイル7が永
久磁石4により作られる磁界中で振動し、これによって
コイル7に電気信号が発生する。振動膜6は空気中の微
小な圧力変化を高感度で検出するために面積を広くとっ
てある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の収音方法にあっては、次のような問題点があっ
た。
た従来の収音方法にあっては、次のような問題点があっ
た。
【0007】(イ)圧電素子の振動周波数に対する出力
電圧特性が一様でなく、また感度が低いため、放送で使
用できる程度に周波数特性を一様にすると共に感度を上
昇させるには専用の増幅器、すなわち増幅器内部で素子
に対する補正を行った増幅器が必要であった。
電圧特性が一様でなく、また感度が低いため、放送で使
用できる程度に周波数特性を一様にすると共に感度を上
昇させるには専用の増幅器、すなわち増幅器内部で素子
に対する補正を行った増幅器が必要であった。
【0008】(ロ)上記専用の増幅器を挿入しても、出
力信号の信号対雑音比(所謂S/N比)が低下してしま
うことがあった。
力信号の信号対雑音比(所謂S/N比)が低下してしま
うことがあった。
【0009】(ハ)空気伝搬音を収音する振動受音素子
を空気中で固体表面に接触させて固体伝搬音を収音する
場合、空気伝搬音も拾うために固体伝搬音だけを収音す
ることは難しい。
を空気中で固体表面に接触させて固体伝搬音を収音する
場合、空気伝搬音も拾うために固体伝搬音だけを収音す
ることは難しい。
【0010】(ニ)空気伝搬音を収音するマイクロホン
の構造は空気伝搬音を平坦な周波数特性で収音するよう
に設計されているため、固体伝搬音を収音したときに忠
実度の低い再生音質となることがある。また、振動受音
素子を空気伝搬音を拾わない目的で密閉した場合、ケー
ス内に密閉された空気の影響により、さらに音質が悪く
なることがある。
の構造は空気伝搬音を平坦な周波数特性で収音するよう
に設計されているため、固体伝搬音を収音したときに忠
実度の低い再生音質となることがある。また、振動受音
素子を空気伝搬音を拾わない目的で密閉した場合、ケー
ス内に密閉された空気の影響により、さらに音質が悪く
なることがある。
【0011】(ホ)静電型マイクロホン素子を低温下で
使用した場合、S/N比が著しく低下し、目的とする音
の収音に使用できなくなることがある。
使用した場合、S/N比が著しく低下し、目的とする音
の収音に使用できなくなることがある。
【0012】(ヘ)固体振動音収音において、収音場所
は空気中に限らず、例えば水中や氷中などがあるが、空
気伝搬音を収音するマイクロホンはそのままでは水中や
氷中では使用できない。
は空気中に限らず、例えば水中や氷中などがあるが、空
気伝搬音を収音するマイクロホンはそのままでは水中や
氷中では使用できない。
【0013】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、専用の増幅器が不要でかつS/N比
の低下がなく、さらに固体伝搬音を水中や氷中でも確実
に収音することができるマイクロホンを提供することに
ある。
あり、その目的は、専用の増幅器が不要でかつS/N比
の低下がなく、さらに固体伝搬音を水中や氷中でも確実
に収音することができるマイクロホンを提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明によるマイクロホンは、気密性
のある筺体と、この筺体内に支持され、コイルが取り付
けられた非磁性材料からなる振動体と、この振動体を前
記筐体内に支持する支持体と、前記筐体の振動により前
記コイルから信号電圧が発生するように前記筺体内に固
定された磁石とを備え、前記振動体の質量と前記支持体
の硬さによる機械共振周波数が可聴周波数帯域になるよ
うに該質量と硬さが調整されてなるものである。
に、請求項1記載の発明によるマイクロホンは、気密性
のある筺体と、この筺体内に支持され、コイルが取り付
けられた非磁性材料からなる振動体と、この振動体を前
記筐体内に支持する支持体と、前記筐体の振動により前
記コイルから信号電圧が発生するように前記筺体内に固
定された磁石とを備え、前記振動体の質量と前記支持体
の硬さによる機械共振周波数が可聴周波数帯域になるよ
うに該質量と硬さが調整されてなるものである。
【0015】この構成によれば、筺体を固体に接触させ
ることによってその固体からの振動で筺体が振動する。
筺体が振動することにより、磁石が振動して磁界が振動
する。振動体とコイルは、慣性により静止しようとし、
磁石とコイルは相対的に振動することになる。これによ
り静止しようとするコイルが振動する磁石による磁界中
で相対的に振動することになり、コイルに信号電圧が発
生する。
ることによってその固体からの振動で筺体が振動する。
筺体が振動することにより、磁石が振動して磁界が振動
する。振動体とコイルは、慣性により静止しようとし、
磁石とコイルは相対的に振動することになる。これによ
り静止しようとするコイルが振動する磁石による磁界中
で相対的に振動することになり、コイルに信号電圧が発
生する。
【0016】請求項2記載の発明によるマイクロホン
は、気密性のある筺体と、この筺体内に弾性体を介して
支持された磁性材料からなる振動体と、この筐体の振動
により巻回されたコイルから信号電圧が発生するように
前記筺体内に固定された磁石とを備え、前記振動体の質
量と前記弾性体の硬さによる機械共振周波数が可聴周波
数帯域になるように該質量と硬さが調整されてなるもの
である。
は、気密性のある筺体と、この筺体内に弾性体を介して
支持された磁性材料からなる振動体と、この筐体の振動
により巻回されたコイルから信号電圧が発生するように
前記筺体内に固定された磁石とを備え、前記振動体の質
量と前記弾性体の硬さによる機械共振周波数が可聴周波
数帯域になるように該質量と硬さが調整されてなるもの
である。
【0017】この構成によれば、筺体を固体に接触させ
ることによってその固体からの振動で筺体が振動する。
筺体が振動することにより磁石が振動して磁界が振動す
る。振動体が慣性により静止しようとし、これにより振
動体が振動する磁石による磁界中で相対的に振動するこ
とになり、コイルに信号電圧が発生する。
ることによってその固体からの振動で筺体が振動する。
筺体が振動することにより磁石が振動して磁界が振動す
る。振動体が慣性により静止しようとし、これにより振
動体が振動する磁石による磁界中で相対的に振動するこ
とになり、コイルに信号電圧が発生する。
【0018】請求項3記載の発明によるマイクロホン
は、気密性のある筺体と、この筺体内に支持された振動
体と背極とからなるコンデンサとを備え、コンデンサの
振動体の質量と硬さによる機械共振周波数が可聴周波数
帯域になるように該質量と硬さが調整されてなるもので
ある。
は、気密性のある筺体と、この筺体内に支持された振動
体と背極とからなるコンデンサとを備え、コンデンサの
振動体の質量と硬さによる機械共振周波数が可聴周波数
帯域になるように該質量と硬さが調整されてなるもので
ある。
【0019】この構成によれば、筺体を固体に接触させ
ることによってその固体からの振動で筺体が振動する。
筺体が振動することにより背極が振動し、これにより慣
性により静止しようとする振動体と背極との間の静電容
量が変化して、信号電圧が発生する。
ることによってその固体からの振動で筺体が振動する。
筺体が振動することにより背極が振動し、これにより慣
性により静止しようとする振動体と背極との間の静電容
量が変化して、信号電圧が発生する。
【0020】請求項4記載の発明によるマイクロホン
は、振動体に貫通する空気抵抗低減用の穴を開けたもの
である。
は、振動体に貫通する空気抵抗低減用の穴を開けたもの
である。
【0021】この構成によれば、振動体に貫通する穴を
開けることにより、振動体が振動して生ずる振動体前後
の気圧差による空気抵抗の影響を受けなくなる。
開けることにより、振動体が振動して生ずる振動体前後
の気圧差による空気抵抗の影響を受けなくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
施の形態について説明する。
【0023】<実施の形態1>図1は本発明に係るマイ
クロホンの実施の形態1の構成を示す縦断面図である。
この実施の形態1のマイクロホン10は動電(ムービン
グコイル)型と呼ばれるものである。
クロホンの実施の形態1の構成を示す縦断面図である。
この実施の形態1のマイクロホン10は動電(ムービン
グコイル)型と呼ばれるものである。
【0024】マイクロホン10は、円筒形状を成してお
り、密閉した筺体11と、この筺体11の内部に取り付
けられた断面凸状の鉄心12と、この鉄心12の凸部1
2Aに挿着された形で筺体11の内部に取り付けられた
永久磁石13と、この永久磁石13上に積層された磁性
体14と、この磁性体14の上端の外周側に端部が固定
され、中央部には穴15Aが開けられた振動板(振動
体)15と、鉄心12の凸部12Aの周囲を前後(図で
は上下)に移動できるようにして連結部材17を介して
振動板15の穴15Aの内側開口端に取り付けられたコ
イル16と、振動板15の穴15Aの外側開口端に取り
付けられた非磁性体、例えば真鍮のリング(重り)18
と、コイル16から引き出されたリード線19とから構
成されている。振動板15にはポリエステル等の樹脂が
好適であるが、これに限定されるものではない。また、
真鍮のリング18はコイル16の直径と同じ大きさに形
成されている。
り、密閉した筺体11と、この筺体11の内部に取り付
けられた断面凸状の鉄心12と、この鉄心12の凸部1
2Aに挿着された形で筺体11の内部に取り付けられた
永久磁石13と、この永久磁石13上に積層された磁性
体14と、この磁性体14の上端の外周側に端部が固定
され、中央部には穴15Aが開けられた振動板(振動
体)15と、鉄心12の凸部12Aの周囲を前後(図で
は上下)に移動できるようにして連結部材17を介して
振動板15の穴15Aの内側開口端に取り付けられたコ
イル16と、振動板15の穴15Aの外側開口端に取り
付けられた非磁性体、例えば真鍮のリング(重り)18
と、コイル16から引き出されたリード線19とから構
成されている。振動板15にはポリエステル等の樹脂が
好適であるが、これに限定されるものではない。また、
真鍮のリング18はコイル16の直径と同じ大きさに形
成されている。
【0025】図2は図1のA−A線断面図であり、振動
板15の下側に磁性体14が配置されており、また振動
板15の穴15Aの外側開口端に真鍮のリング18が取
り付けられている。また振動板15の穴15Aを通して
鉄心12の凸部12Aが露出している。
板15の下側に磁性体14が配置されており、また振動
板15の穴15Aの外側開口端に真鍮のリング18が取
り付けられている。また振動板15の穴15Aを通して
鉄心12の凸部12Aが露出している。
【0026】このマイクロホン10は固体振動音を収音
するものであり、筺体11を収音対象としての振動する
固体に接触させることによってその固体からの振動で筺
体11が振動する。筺体11が振動すると、永久磁石1
3が振動して磁界が振動する。振動板15とコイル16
は慣性により静止しようとするため、永久磁石13とコ
イル16は相対的に振動することになり鎖交磁束が変化
する。その結果、コイル16に信号電圧が発生する。
するものであり、筺体11を収音対象としての振動する
固体に接触させることによってその固体からの振動で筺
体11が振動する。筺体11が振動すると、永久磁石1
3が振動して磁界が振動する。振動板15とコイル16
は慣性により静止しようとするため、永久磁石13とコ
イル16は相対的に振動することになり鎖交磁束が変化
する。その結果、コイル16に信号電圧が発生する。
【0027】固体振動音を収音する場合、振動板15は
コイル16を支持するだけの目的で存在し、すなわち空
気の振動をコイル16に伝達する必要がないので、空中
音収音用のマイクロホン1(図12参照)のように受音
感度を上げるために面積を広くする必要はない。むしろ
筺体11内で振動する際に空気より受ける抵抗を減らす
ために面積は狭い方が望ましい。また振動板15とコイ
ル16の慣性力を増して感度を上げるには振動する部分
の質量が通常の空気中で使用するマイクロホン1の場合
よりも大きい方が望ましい。このようなことから、振動
板15の中央部分に穴15Aを開けており、また質量を
増加させるための真鍮のリング18を付加している。
コイル16を支持するだけの目的で存在し、すなわち空
気の振動をコイル16に伝達する必要がないので、空中
音収音用のマイクロホン1(図12参照)のように受音
感度を上げるために面積を広くする必要はない。むしろ
筺体11内で振動する際に空気より受ける抵抗を減らす
ために面積は狭い方が望ましい。また振動板15とコイ
ル16の慣性力を増して感度を上げるには振動する部分
の質量が通常の空気中で使用するマイクロホン1の場合
よりも大きい方が望ましい。このようなことから、振動
板15の中央部分に穴15Aを開けており、また質量を
増加させるための真鍮のリング18を付加している。
【0028】《実施の形態1の効果》この実施の形態1
では、筺体11を気密性のあるものとし、また振動板1
5に穴15Aを開け、さらに振動板15に重りとしての
真鍮のリング18を設けると共に振動体15の硬さを調
整して機械的な共振周波数が可聴周波数帯域内になるよ
うにした。これにより、以下に示す効果が得られる。
では、筺体11を気密性のあるものとし、また振動板1
5に穴15Aを開け、さらに振動板15に重りとしての
真鍮のリング18を設けると共に振動体15の硬さを調
整して機械的な共振周波数が可聴周波数帯域内になるよ
うにした。これにより、以下に示す効果が得られる。
【0029】(イ)圧電素子を使用したマイクロホンに
比べてノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要と
しない。また、動電型であるので低温下での使用が可能
になる。 (ロ)外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、
また水中や氷中での使用が可能になる。 (ハ)振動板15に開けた穴15Aにより、振動板前後
の気圧差による空気抵抗の影響を受けないので、感度の
低下を抑制できる。 (ニ)振動板15における質量と硬さを適宜調整するこ
とで、固体伝搬音を収音するのに十分な低域から高域ま
で均一な収音が可能になる。 (ホ)振動板15に穴15Aを開ける作業および重りと
しての真鍮のリング18を取り付ける作業はいたって簡
単であり、かつ材料費も安価であることから、簡単に固
体振動音を収音するマイクロホンを製作することができ
る。
比べてノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要と
しない。また、動電型であるので低温下での使用が可能
になる。 (ロ)外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、
また水中や氷中での使用が可能になる。 (ハ)振動板15に開けた穴15Aにより、振動板前後
の気圧差による空気抵抗の影響を受けないので、感度の
低下を抑制できる。 (ニ)振動板15における質量と硬さを適宜調整するこ
とで、固体伝搬音を収音するのに十分な低域から高域ま
で均一な収音が可能になる。 (ホ)振動板15に穴15Aを開ける作業および重りと
しての真鍮のリング18を取り付ける作業はいたって簡
単であり、かつ材料費も安価であることから、簡単に固
体振動音を収音するマイクロホンを製作することができ
る。
【0030】《変形例》なお、コイル16とリング18
を振動板15で筺体11に支える構造であれば、コイル
16の材質や形状などはどのようなものでも構わない。
また、リング18は真鍮製のものでなくても構わない。
を振動板15で筺体11に支える構造であれば、コイル
16の材質や形状などはどのようなものでも構わない。
また、リング18は真鍮製のものでなくても構わない。
【0031】<実施の形態2>図3は本発明に係るマイ
クロホンの実施の形態2の構成を示す縦断面図である。
この実施の形態2のマイクロホン20は電磁型の一種で
あるマグネチック型と呼ばれるものである。
クロホンの実施の形態2の構成を示す縦断面図である。
この実施の形態2のマイクロホン20は電磁型の一種で
あるマグネチック型と呼ばれるものである。
【0032】マイクロホン20は、円筒形状を成してお
り、密閉した筺体21と、この筺体21の内部に取り付
けられた断面凹状の磁性体22と、この磁性体22の中
央部に取り付けられた円柱状の永久磁石23と、この永
久磁石23の上方に僅かな空隙を隔ててその周辺がバネ
(弾性体)24で支持された振動板(振動体)25と、
永久磁石23の周囲に巻回されたコイル26と、このコ
イル26から引き出されたリード線27とから構成され
ている。バネ24の周辺は筺体21の内部で、磁性体2
2の上端から僅か上方に取り付けられている。また、振
動板25は磁性材料で作られており、その中央部には小
径の穴25Aが開けられている。
り、密閉した筺体21と、この筺体21の内部に取り付
けられた断面凹状の磁性体22と、この磁性体22の中
央部に取り付けられた円柱状の永久磁石23と、この永
久磁石23の上方に僅かな空隙を隔ててその周辺がバネ
(弾性体)24で支持された振動板(振動体)25と、
永久磁石23の周囲に巻回されたコイル26と、このコ
イル26から引き出されたリード線27とから構成され
ている。バネ24の周辺は筺体21の内部で、磁性体2
2の上端から僅か上方に取り付けられている。また、振
動板25は磁性材料で作られており、その中央部には小
径の穴25Aが開けられている。
【0033】図4は図3のB−B線断面図であり、中央
部に穴25Aが開けられた振動板25が永久磁石23の
上方に位置し、その周辺がリング状のバネ24で支持さ
れている。
部に穴25Aが開けられた振動板25が永久磁石23の
上方に位置し、その周辺がリング状のバネ24で支持さ
れている。
【0034】このマイクロホン20は固体振動音を収音
するものであり、筺体21を収音対象としての振動する
固体に接触させることによってその固体からの振動で筺
体21が振動する。筐体21が振動すると、永久磁石2
3とコイル26が振動して磁界が振動する。振動板25
は慣性により静止しようとするため、永久磁石23と振
動板25は相対的に振動し磁束が変化する。その結果、
コイル26に信号電圧が発生する。
するものであり、筺体21を収音対象としての振動する
固体に接触させることによってその固体からの振動で筺
体21が振動する。筐体21が振動すると、永久磁石2
3とコイル26が振動して磁界が振動する。振動板25
は慣性により静止しようとするため、永久磁石23と振
動板25は相対的に振動し磁束が変化する。その結果、
コイル26に信号電圧が発生する。
【0035】振動板25が筺体21の中で振動すること
で筺体21内の空気から弾性力を受けて感度が低下する
ことになるが、振動板25の穴25Aが振動板25の両
側の圧力差を減少させて弾性力を減らすので、感度の低
下が抑制される。また、振動板25の慣性力を増して感
度を上げるには振動板25の質量が通常の空気中で使用
するマイクロホン1(図12参照)の場合よりも大きい
方が望ましいので、質量を増加させるために振動板25
を重くしている。
で筺体21内の空気から弾性力を受けて感度が低下する
ことになるが、振動板25の穴25Aが振動板25の両
側の圧力差を減少させて弾性力を減らすので、感度の低
下が抑制される。また、振動板25の慣性力を増して感
度を上げるには振動板25の質量が通常の空気中で使用
するマイクロホン1(図12参照)の場合よりも大きい
方が望ましいので、質量を増加させるために振動板25
を重くしている。
【0036】《実施の形態2の効果》この実施の形態2
では、筺体21を気密性のあるものとし、また振動板2
5に穴25Aを開け、さらに振動板25の質量および振
動板25を筺体内で支えるバネ24の硬さを調整して機
械的な共振周波数が可聴周波数帯域内になるようにし
た。これにより、以下に示す効果が得られる。
では、筺体21を気密性のあるものとし、また振動板2
5に穴25Aを開け、さらに振動板25の質量および振
動板25を筺体内で支えるバネ24の硬さを調整して機
械的な共振周波数が可聴周波数帯域内になるようにし
た。これにより、以下に示す効果が得られる。
【0037】(イ)圧電素子を使用したマイクロホンに
比べてノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要と
しない。また、電磁型であるので低温下での使用が可能
になる。 (ロ)外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、
また水中や氷中での使用が可能になる。 (ハ)振動板25に開けた穴25Aにより、振動板前後
の気圧差による空気抵抗の影響を受けないので、感度の
低下を抑制できる。 (ニ)振動板25の質量とバネ24の硬さを適宜調整す
ることで、固体伝搬音を収音するのに十分な低域から高
域まで均一な収音が可能になる。 (ホ)振動板25に穴25Aを開ける作業およびバネ2
4に振動板25を取り付ける作業はいたって簡単であ
り、かつ材料費も安価であることから、簡単に固体振動
音を収音するマイクロホンを製作することができる。
比べてノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要と
しない。また、電磁型であるので低温下での使用が可能
になる。 (ロ)外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、
また水中や氷中での使用が可能になる。 (ハ)振動板25に開けた穴25Aにより、振動板前後
の気圧差による空気抵抗の影響を受けないので、感度の
低下を抑制できる。 (ニ)振動板25の質量とバネ24の硬さを適宜調整す
ることで、固体伝搬音を収音するのに十分な低域から高
域まで均一な収音が可能になる。 (ホ)振動板25に穴25Aを開ける作業およびバネ2
4に振動板25を取り付ける作業はいたって簡単であ
り、かつ材料費も安価であることから、簡単に固体振動
音を収音するマイクロホンを製作することができる。
【0038】<実施の形態3>図5は本発明に係るマイ
クロホンの実施の形態3の構成を示す縦断面図である。
上記実施の形態1のマイクロホン10ではコイル16の
周辺を振動板15で支持し、実施の形態2のマイクロホ
ン20では振動板(振動体)25の周辺をバネ24で支
持するようにした場合であったが、振動板31の支持部
分は筺体11、21の何処に接続しても良い。なお、こ
の図において、図1と共通する部分には同一の符号を付
している。
クロホンの実施の形態3の構成を示す縦断面図である。
上記実施の形態1のマイクロホン10ではコイル16の
周辺を振動板15で支持し、実施の形態2のマイクロホ
ン20では振動板(振動体)25の周辺をバネ24で支
持するようにした場合であったが、振動板31の支持部
分は筺体11、21の何処に接続しても良い。なお、こ
の図において、図1と共通する部分には同一の符号を付
している。
【0039】マイクロホン30は、コイル16が連結さ
れた非磁性の振動板31を複数(図では3本)の機械的
なバネ32(弾性体)で筺体11の上端部の内側から吊
り下げている。コイル16に対して筺体11が振動する
と、筺体11に固定された永久磁石13が作る磁界によ
り、コイル16に起電力が発生して信号電圧を取り出す
ことができる。この原理は実施の形態1と同様であり、
当然他の機械電気変換でも可能である。
れた非磁性の振動板31を複数(図では3本)の機械的
なバネ32(弾性体)で筺体11の上端部の内側から吊
り下げている。コイル16に対して筺体11が振動する
と、筺体11に固定された永久磁石13が作る磁界によ
り、コイル16に起電力が発生して信号電圧を取り出す
ことができる。この原理は実施の形態1と同様であり、
当然他の機械電気変換でも可能である。
【0040】振動板31が筺体11の中で振動すると筺
体11内の空気から弾性力を受けて感度が低下すること
になるが、振動板31に穴(図示略)を開けて、この穴
によって振動板31の両側の圧力差を減少させて弾性力
を減らすようにすれば感度の低下を抑制することができ
る。また、振動板31の慣性力を増して感度を上げるに
は、振動板31の質量が通常の空気中で使用するマイク
ロホン1(図12参照)の場合よりも大きい方が望まし
いので、質量を増加させるために振動板31を重くして
いる。この場合、図5では振動板31をバネ32により
吊り下げるようにしている。
体11内の空気から弾性力を受けて感度が低下すること
になるが、振動板31に穴(図示略)を開けて、この穴
によって振動板31の両側の圧力差を減少させて弾性力
を減らすようにすれば感度の低下を抑制することができ
る。また、振動板31の慣性力を増して感度を上げるに
は、振動板31の質量が通常の空気中で使用するマイク
ロホン1(図12参照)の場合よりも大きい方が望まし
いので、質量を増加させるために振動板31を重くして
いる。この場合、図5では振動板31をバネ32により
吊り下げるようにしている。
【0041】この実施の形態3では、筺体11を気密性
のあるものとし、また振動板31をバネ32により筺体
11内に吊り下げるようにし、さらに振動板31の質量
およびバネ32の硬さを調整して機械的な共振周波数が
可聴周波数帯域内になるようにした。これにより、以下
に示す効果が得られる。
のあるものとし、また振動板31をバネ32により筺体
11内に吊り下げるようにし、さらに振動板31の質量
およびバネ32の硬さを調整して機械的な共振周波数が
可聴周波数帯域内になるようにした。これにより、以下
に示す効果が得られる。
【0042】(イ)圧電素子を使用したマイクロホンに
比べてノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要と
しない。また、動電型であるので低温下での使用が可能
になる。
比べてノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要と
しない。また、動電型であるので低温下での使用が可能
になる。
【0043】(ロ)外気を遮断できるので、空気伝搬音
を収音せず、また水中や氷中での使用が可能になる。
を収音せず、また水中や氷中での使用が可能になる。
【0044】(ハ)振動板31に開けた穴により、振動
板前後の気圧差による空気抵抗の影響を受けないので、
感度の低下を抑制できる。
板前後の気圧差による空気抵抗の影響を受けないので、
感度の低下を抑制できる。
【0045】(ニ)振動板31の質量とバネ32の硬さ
を適宜調整することで、固体伝搬音を収音するのに十分
な低域から高域まで均一な収音が可能になる。
を適宜調整することで、固体伝搬音を収音するのに十分
な低域から高域まで均一な収音が可能になる。
【0046】(ホ)振動板31に穴を開ける作業はいた
って簡単であり、かつ材料費も安価であることから、簡
単に固体振動音を収音するマイクロホンを製作すること
ができる。
って簡単であり、かつ材料費も安価であることから、簡
単に固体振動音を収音するマイクロホンを製作すること
ができる。
【0047】《変形例》なお、コイル16と振動板31
をバネ32で筺体11に支える構造であれば、コイル1
6の材質や形状などはどのようなものでも構わない。
をバネ32で筺体11に支える構造であれば、コイル1
6の材質や形状などはどのようなものでも構わない。
【0048】<実施の形態4>図6は本発明に係るマイ
クロホンの実施の形態4の構成を示す縦断面図である。
この実施の形態4のマイクロホン40は静電型(コンデ
ンサ型)と呼ばれるものである。
クロホンの実施の形態4の構成を示す縦断面図である。
この実施の形態4のマイクロホン40は静電型(コンデ
ンサ型)と呼ばれるものである。
【0049】機械電気変換には、低温化で使用する場合
を除き静電型を採用することも当然可能である。この図
に示すマイクロホン40は、密閉された筺体41の内部
に電極についた金属製の振動板(振動体)42と、この
振動板42と絶縁された背極43とが僅かな距離隔てて
筺体41に固定されている。振動板42と背極43とに
よってコンデンサが形成されており、その容量変化が信
号電圧となる。
を除き静電型を採用することも当然可能である。この図
に示すマイクロホン40は、密閉された筺体41の内部
に電極についた金属製の振動板(振動体)42と、この
振動板42と絶縁された背極43とが僅かな距離隔てて
筺体41に固定されている。振動板42と背極43とに
よってコンデンサが形成されており、その容量変化が信
号電圧となる。
【0050】固体振動音を収音する場合、筺体41は接
触した固体からの振動を受けて振動し、背極43も同時
に振動する。振動板42と重り44は、慣性により静止
しようとし、これにより振動板42と背極43との間の
距離が変化して静電容量が変化する。その結果、信号電
圧が発生する。
触した固体からの振動を受けて振動し、背極43も同時
に振動する。振動板42と重り44は、慣性により静止
しようとし、これにより振動板42と背極43との間の
距離が変化して静電容量が変化する。その結果、信号電
圧が発生する。
【0051】振動板42が筺体41の中で振動すると筺
体41内の空気から弾性力を受けて感度が低下すること
になるが、振動板42に穴42Aを開けて、この穴42
Aによって振動板42の両側の圧力差を減少させて弾性
力を減らすようにすれば感度の低下を抑制することがで
きる。この場合、さらに背極43にも複数の穴45を開
けるようにすると更に効果的である。
体41内の空気から弾性力を受けて感度が低下すること
になるが、振動板42に穴42Aを開けて、この穴42
Aによって振動板42の両側の圧力差を減少させて弾性
力を減らすようにすれば感度の低下を抑制することがで
きる。この場合、さらに背極43にも複数の穴45を開
けるようにすると更に効果的である。
【0052】また、振動板42の慣性力を増して感度を
上げるには、振動板42の質量が通常の空気中で使用す
るマイクロホン1(図12参照)の場合よりも大きい方
が望ましいので、質量を増加させるために振動板に重り
44を付加している。
上げるには、振動板42の質量が通常の空気中で使用す
るマイクロホン1(図12参照)の場合よりも大きい方
が望ましいので、質量を増加させるために振動板に重り
44を付加している。
【0053】一方、静電型とした場合は出力インピーダ
ンスが大きくなるので、インピーダンス変換回路46を
設けている。
ンスが大きくなるので、インピーダンス変換回路46を
設けている。
【0054】《実施の形態4の効果》この実施の形態4
では、筺体41を気密性のあるものとし、また振動板4
4と背極43とを対向させ、振動板42に穴42Aを開
けると共に重り44を設け、背極43に複数の穴45を
開け、さらに重り44の質量および振動板42の硬さを
調整して機械的な共振周波数が可聴周波数帯域内になる
ようにした。これにより、以下に示す効果が得られる。
では、筺体41を気密性のあるものとし、また振動板4
4と背極43とを対向させ、振動板42に穴42Aを開
けると共に重り44を設け、背極43に複数の穴45を
開け、さらに重り44の質量および振動板42の硬さを
調整して機械的な共振周波数が可聴周波数帯域内になる
ようにした。これにより、以下に示す効果が得られる。
【0055】(イ)圧電素子を使用したマイクロホンに
比べてノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要と
しない。 (ロ)外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、
また水中での使用が可能になる。 (ハ)振動板42に開けた穴により、振動板前後の気圧
差による空気抵抗の影響を受けないので、感度の低下を
抑制できる。 (ニ)重り44の質量と振動板42の硬さを適宜調整す
ることで、固体伝搬音を収音するのに十分な低域から高
域まで均一な収音が可能になる。 (ホ)振動板42に穴42Aを開ける作業および重り4
4を取り付ける作業並びに背板43に穴45を開ける作
業はいたって簡単であり、かつ材料費も安価であること
から、簡単に固体振動音を収音するマイクロホンを製作
することができる。
比べてノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要と
しない。 (ロ)外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、
また水中での使用が可能になる。 (ハ)振動板42に開けた穴により、振動板前後の気圧
差による空気抵抗の影響を受けないので、感度の低下を
抑制できる。 (ニ)重り44の質量と振動板42の硬さを適宜調整す
ることで、固体伝搬音を収音するのに十分な低域から高
域まで均一な収音が可能になる。 (ホ)振動板42に穴42Aを開ける作業および重り4
4を取り付ける作業並びに背板43に穴45を開ける作
業はいたって簡単であり、かつ材料費も安価であること
から、簡単に固体振動音を収音するマイクロホンを製作
することができる。
【0056】<実施の形態の解析結果>次に、上記実施
の形態1、2について等価回路を示し、解析した結果を
用いて説明する。
の形態1、2について等価回路を示し、解析した結果を
用いて説明する。
【0057】(a)穴を開ける前のマイクロホンの振動
系の等価回路 変換機構は動電型または電磁型であるので、振動速度
(コイルまたは振動板と磁石との相対速度)に比例した
起電力が得られる。
系の等価回路 変換機構は動電型または電磁型であるので、振動速度
(コイルまたは振動板と磁石との相対速度)に比例した
起電力が得られる。
【0058】図7は穴を開ける前のマイクロホンの振動
系の構造図である。この図に示す各符号の意味は以下の
通りである。
系の構造図である。この図に示す各符号の意味は以下の
通りである。
【0059】M:筺体と磁石の質量 sd :弾性体の硬さ m:弾性体に支持される質量 S:振動板の実効面積 w1 、w2 :振動板前後の空間の容積 F:外力 VM :筺体と磁石の振動速度 Vm :コイルまたは振動板の振動速度 この図7の等価回路は図8のように表わすことができ
る。
る。
【0060】この図におけるコンプライアンスc1 、c
2 は次式のようになる。 c1 =w1 /ρ・ c2 c2 =w2 /ρ・ c2
2 は次式のようになる。 c1 =w1 /ρ・ c2 c2 =w2 /ρ・ c2
【0061】なお、周知の如くコンプライアンスとは、
力学的振動系を電気回路に類似させるときの電気容量に
対応する量のことである。
力学的振動系を電気回路に類似させるときの電気容量に
対応する量のことである。
【0062】図8の等価回路はさらに図9のように表わ
すことができる。
すことができる。
【0063】ここで、s1 、s2 は空間の容積w1 、w
2 により振動板に作用する等価スティフネスである。 s1 =S2 ・ ρ・ c2 /w1 s2 =S2 ・ ρ・ c2 /w2
2 により振動板に作用する等価スティフネスである。 s1 =S2 ・ ρ・ c2 /w1 s2 =S2 ・ ρ・ c2 /w2
【0064】動電型のマイクロホンは筺体に磁器回路が
固定されており、振動板とコイルとが筺体に対して振動
する。また、電磁型のマイクロホンでは筺体に磁器回路
とコイルとが固定されており、振動板が筺体に対して振
動する。したがって、マイクロホンの出力は振動板と筺
体の相対速度(等価回路ではVM −Vm )に比例するこ
とになる。しかるにVM −Vm の特性がこのマイクロホ
ンの応答特性を表わす。
固定されており、振動板とコイルとが筺体に対して振動
する。また、電磁型のマイクロホンでは筺体に磁器回路
とコイルとが固定されており、振動板が筺体に対して振
動する。したがって、マイクロホンの出力は振動板と筺
体の相対速度(等価回路ではVM −Vm )に比例するこ
とになる。しかるにVM −Vm の特性がこのマイクロホ
ンの応答特性を表わす。
【0065】等価回路によりVM を基準とした時の応答
特性は数式1に示すようになる。
特性は数式1に示すようになる。
【0066】
【数1】 また、このときの共振周波数f0 は数式2に示すように
なる。
なる。
【0067】
【数2】 (b)穴を開けた後のマイクロホンの振動系の等価回路 図10は振動板に穴を開けた後のマイクロホンの振動系
の等価回路を示す図である。振動板に穴を開けることに
より、振動板前後の空間の容積が振動板に対してスティ
フネスとして作用しなくなるため、その等価回路と応答
特性は数式3に示すようになる。
の等価回路を示す図である。振動板に穴を開けることに
より、振動板前後の空間の容積が振動板に対してスティ
フネスとして作用しなくなるため、その等価回路と応答
特性は数式3に示すようになる。
【0068】
【数3】 また、このときの共振周波数f0 ´は数式4に示すよう
になる。
になる。
【0069】
【数4】 図11は数式1、数式3よりその特性を計算した概略を
示す図である。この図において、振動板に穴を開け、さ
らに重りを付加した場合はCv1で示す特性となる。ま
た、振動板に穴を開けた場合はCv2で示す特性となる。
また、振動板に穴を開けない場合はCv3で示す特性とな
る。
示す図である。この図において、振動板に穴を開け、さ
らに重りを付加した場合はCv1で示す特性となる。ま
た、振動板に穴を開けた場合はCv2で示す特性となる。
また、振動板に穴を開けない場合はCv3で示す特性とな
る。
【0070】これらの特性から解るように、振動板に穴
を開けることにより、振動板前後の空間による影響を受
けなくなり、f0 が低い周波数に移行し、より低い周波
数からの収音が可能になる。
を開けることにより、振動板前後の空間による影響を受
けなくなり、f0 が低い周波数に移行し、より低い周波
数からの収音が可能になる。
【0071】実際にそれぞれの未知数に数値を入れて計
算すると、外形が30mm×40mm程度のマイクロホ
ンではf0 が約2kHzとなり、それ以下の周波数では
1オクターブあたり12dBで出力が低下する。このた
め、低域の収音がほとんどできない。そこで振動板に穴
を開けることにより、f0 ´が200Hz程度となり、
さらに振動板の質量mを増加することにより、f0 を1
00Hz程度に設定することが可能になる。これによ
り、低域からの収音が可能になる。
算すると、外形が30mm×40mm程度のマイクロホ
ンではf0 が約2kHzとなり、それ以下の周波数では
1オクターブあたり12dBで出力が低下する。このた
め、低域の収音がほとんどできない。そこで振動板に穴
を開けることにより、f0 ´が200Hz程度となり、
さらに振動板の質量mを増加することにより、f0 を1
00Hz程度に設定することが可能になる。これによ
り、低域からの収音が可能になる。
【0072】したがって、本発明の構造を用いた場合の
方が20Hzから1000Hzの周波数で感度が約10
dB高く、感度を増加させるに有効であることが検証さ
れた。
方が20Hzから1000Hzの周波数で感度が約10
dB高く、感度を増加させるに有効であることが検証さ
れた。
【0073】このように、本発明では、専用の増幅器が
不要でかつS/N比の低下がなく、さらに固体伝搬音を
水中や氷中でも確実に収音することができるマイクロホ
ンの提供が可能になる。
不要でかつS/N比の低下がなく、さらに固体伝搬音を
水中や氷中でも確実に収音することができるマイクロホ
ンの提供が可能になる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、気密性のある筺体内に揺動自在に取り付けたコ
イルを有する振動体と、筺体内に固定した磁石とを備
え、振動体の質量と硬さによる機械共振周波数が可聴周
波数帯域になるように該質量と硬さを調整したものであ
るので、以下に示す効果が得られる。
よれば、気密性のある筺体内に揺動自在に取り付けたコ
イルを有する振動体と、筺体内に固定した磁石とを備
え、振動体の質量と硬さによる機械共振周波数が可聴周
波数帯域になるように該質量と硬さを調整したものであ
るので、以下に示す効果が得られる。
【0075】圧電素子を使用したマイクロホンに比べ
てノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要としな
い。また、動電型であるので低温下での使用が可能にな
る。 外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、また
水中や氷中での使用が可能になる。 振動体の質量と硬さを適宜調整することで、固体伝搬
音を収音するのに十分な低域から高域まで均一な収音が
可能になる。 振動体の質量を調整することはいたって簡単であり、
かつ重りを付加するような場合でもその材料費が安価で
あることから、簡単に固体振動音を収音するマイクロホ
ンを製作することができる。
てノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要としな
い。また、動電型であるので低温下での使用が可能にな
る。 外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、また
水中や氷中での使用が可能になる。 振動体の質量と硬さを適宜調整することで、固体伝搬
音を収音するのに十分な低域から高域まで均一な収音が
可能になる。 振動体の質量を調整することはいたって簡単であり、
かつ重りを付加するような場合でもその材料費が安価で
あることから、簡単に固体振動音を収音するマイクロホ
ンを製作することができる。
【0076】請求項2の発明によれば、気密性のある筺
体内に弾性体を介して揺動自在に支持した磁性材料から
なる振動体と、筺体内に固定すると共にコイルを巻回し
た磁石とを備え、振動体の質量と弾性体の硬さによる機
械共振周波数が可聴周波数帯域になるように該質量と硬
さを調整したものであるので、以下に示す効果が得られ
る。
体内に弾性体を介して揺動自在に支持した磁性材料から
なる振動体と、筺体内に固定すると共にコイルを巻回し
た磁石とを備え、振動体の質量と弾性体の硬さによる機
械共振周波数が可聴周波数帯域になるように該質量と硬
さを調整したものであるので、以下に示す効果が得られ
る。
【0077】圧電素子を使用したマイクロホンに比べ
てノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要としな
い。また、電磁型であるので低温下での使用が可能にな
る。 外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、また
水中や氷中での使用が可能になる。 振動体の質量と弾性体の硬さを適宜調整することで、
固体伝搬音を収音するのに十分な低域から高域まで均一
な収音が可能になる。 振動体の質量を調整することはいたって簡単であり、
かつ重りを付加するような場合でもその材料費が安価で
あることから、簡単に固体振動音を収音するマイクロホ
ンを製作することができる。
てノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要としな
い。また、電磁型であるので低温下での使用が可能にな
る。 外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、また
水中や氷中での使用が可能になる。 振動体の質量と弾性体の硬さを適宜調整することで、
固体伝搬音を収音するのに十分な低域から高域まで均一
な収音が可能になる。 振動体の質量を調整することはいたって簡単であり、
かつ重りを付加するような場合でもその材料費が安価で
あることから、簡単に固体振動音を収音するマイクロホ
ンを製作することができる。
【0078】請求項3の発明によれば、気密性のある筺
体内に揺動自在に取り付けた振動体と背極とからなるコ
ンデンサを備え、コンデンサの振動体の質量と硬さによ
る機械共振周波数が可聴周波数帯域になるように該質量
と硬さを調整したものであるので、以下に示す効果が得
られる。
体内に揺動自在に取り付けた振動体と背極とからなるコ
ンデンサを備え、コンデンサの振動体の質量と硬さによ
る機械共振周波数が可聴周波数帯域になるように該質量
と硬さを調整したものであるので、以下に示す効果が得
られる。
【0079】圧電素子を使用したマイクロホンに比べ
てノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要としな
い。 外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、また
水中での使用が可能になる。 振動体の質量と硬さを適宜調整することで、固体伝搬
音を収音するのに十分な低域から高域まで均一な収音が
可能になる。 振動体の質量を調整することはいたって簡単であり、
かつ重りを付加するような場合でもその材料費が安価で
あることから、簡単に固体振動音を収音するマイクロホ
ンを製作することができる 請求項4の発明によれば、上記振動体に貫通する穴を開
けたものであるので、振動板前後の気圧差による空気抵
抗の影響を受けないので、感度の低下を抑制できる。ま
た、振動板に穴を開ける作業はいたって簡単であること
から、簡単に固体振動音を収音するマイクロホンを製作
することができる。
てノイズが少なくなり、また専用の増幅器を必要としな
い。 外気を遮断できるので、空気伝搬音を収音せず、また
水中での使用が可能になる。 振動体の質量と硬さを適宜調整することで、固体伝搬
音を収音するのに十分な低域から高域まで均一な収音が
可能になる。 振動体の質量を調整することはいたって簡単であり、
かつ重りを付加するような場合でもその材料費が安価で
あることから、簡単に固体振動音を収音するマイクロホ
ンを製作することができる 請求項4の発明によれば、上記振動体に貫通する穴を開
けたものであるので、振動板前後の気圧差による空気抵
抗の影響を受けないので、感度の低下を抑制できる。ま
た、振動板に穴を開ける作業はいたって簡単であること
から、簡単に固体振動音を収音するマイクロホンを製作
することができる。
【図1】本発明に係るマイクロホンの実施の形態1の構
成を示す縦断面図である。
成を示す縦断面図である。
【図2】図1のAA線断面図である。
【図3】本発明に係るマイクロホンの実施の形態2の構
成を示す縦断面図である。
成を示す縦断面図である。
【図4】図3のBB線断面図である。
【図5】本発明に係るマイクロホンの実施の形態3の構
成を示す縦断面図である。
成を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係るマイクロホンの実施の形態4の構
成を示す縦断面図である。
成を示す縦断面図である。
【図7】本発明に係るマイクロホンの実施の形態1、2
における振動板に穴を開ける前のマイクロホンの振動系
の構造図である。
における振動板に穴を開ける前のマイクロホンの振動系
の構造図である。
【図8】本発明に係るマイクロホンの実施の形態1、2
における振動板に穴を開ける前のマイクロホンの振動系
の等価回路図である。
における振動板に穴を開ける前のマイクロホンの振動系
の等価回路図である。
【図9】図8の等価回路を簡略化した等価回路である。
【図10】本発明に係るマイクロホンの実施の形態1、
2における振動板に穴を開けた後のマイクロホンの振動
系の等価回路図である。
2における振動板に穴を開けた後のマイクロホンの振動
系の等価回路図である。
【図11】振動板の穴の有無と重りを付加した各場合に
おける応答特性を示す図である。
おける応答特性を示す図である。
【図12】従来の動電型のマイクロホンの構成を示す縦
断面図である。
断面図である。
10、20、30、40 マイクロホン 11、21、41 筺体 13、23 永久磁石 15、25、31、42 振動板 15A、25A、42A 穴 16、26 コイル 18 リング 24、32 弾性体 43 背極 44 重り
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04R 9/00
Claims (4)
- 【請求項1】 気密性のある筺体と、 この筺体内に支持され、コイルが取り付けられた非磁性
材料からなる振動体と、 この振動体を前記筐体内に支持する支持体と、 前記筐体の振動により前記コイルから信号電圧が発生す
るように前記筺体内に固定された磁石と、を備え、 前記振動体の質量と前記支持体の硬さによる機械共振周
波数が可聴周波数帯域になるように該質量と硬さが調整
されてなることを特徴とするマイクロホン。 - 【請求項2】 気密性のある筺体と、 この筺体内に弾性体を介して支持された磁性材料からな
る振動体と、 この筐体の振動により巻回されたコイルから信号電圧が
発生するように前記筺体内に固定された磁石と、を備
え、 前記振動体の質量と前記弾性体の硬さによる機械共振周
波数が可聴周波数帯域になるように該質量と硬さが調整
されてなることを特徴とするマイクロホン。 - 【請求項3】 気密性のある筺体と、 この筺体内に支持された振動体と背極とからなるコンデ
ンサと、を備え、 前記コンデンサの振動体の質量と硬さによる機械共振周
波数が可聴周波数帯域になるように該質量と硬さが調整
されてなることを特徴とするマイクロホン。 - 【請求項4】 前記振動体に貫通する空気抵抗低減用の
穴を開けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
に記載のマイクロホン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8052110A JP2859844B2 (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | マイクロホン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8052110A JP2859844B2 (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | マイクロホン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09247797A JPH09247797A (ja) | 1997-09-19 |
JP2859844B2 true JP2859844B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=12905734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8052110A Expired - Fee Related JP2859844B2 (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | マイクロホン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2859844B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112954557B (zh) * | 2021-03-01 | 2023-03-28 | 潍坊歌尔微电子有限公司 | 麦克风和电子设备 |
CN216253235U (zh) * | 2021-09-28 | 2022-04-08 | 曹钰坤 | 一种振膜和音圈的悬挂装置及设有该悬挂装置的扬声器 |
-
1996
- 1996-03-08 JP JP8052110A patent/JP2859844B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09247797A (ja) | 1997-09-19 |
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