JP2856661B2 - 濃度変換装置 - Google Patents

濃度変換装置

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JP2856661B2 JP5320095A JP32009593A JP2856661B2 JP 2856661 B2 JP2856661 B2 JP 2856661B2 JP 5320095 A JP5320095 A JP 5320095A JP 32009593 A JP32009593 A JP 32009593A JP 2856661 B2 JP2856661 B2 JP 2856661B2
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像データの濃度変換装
置に関するものであり、特に、カメラ、スキャナーから
送られて来る画像データの濃度補正を行う濃度変換装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】画像処理の分野において画像認識を行な
う場合に、光源の位置、光の強度によっては画像の認識
が困難な場合が存在し、これを補正するために種々の方
法が提案されている。
【0003】たとえば、「特開平5−61972,階調
変換装置」では、従来の濃度変換技術として、次のよう
な方法で入力画像に対する濃度変換関数を決定してい
る。すなわち、まず入力画像から濃度値のデータ点を複
数個抽出し、次に抽出した画素の濃度値とその画素の濃
度値の変換後の値とを一組として横軸に入力濃度値、縦
軸に出力濃度値をとったグラフを作成し、さらにグラフ
上の各点を通る自然スプライン補間関数などを求め、そ
の関数を濃度変換関数として採用する。この方法では一
枚の入力画像に対して濃度変換関数を一義的に決定して
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】入力画像に対して一義
的に濃度変換関数を決定した場合、画像に対して横軸に
濃度値、縦軸に画素数をとった濃度値ヒストグラムを作
成したときに、その分布がある入力濃度値領域に集中す
るような画像に対しては効果を示すが、濃度値ヒストグ
ラムの分布が一様になっていた場合には逆に画像のコン
トラスト情報を壊してしまう。
【0005】本発明は図9に示すように観察者が光源の
影響を全く意識せず装置自身が光源の画像に対する影響
を認識、判断して光源の影響が常に観測者にとって最適
であるように画像の濃度を補正する。(a)は、画像の
コントラストが連続的に変化している場合であり、
(b)は、画像のコントラストが不連続的に変化してい
る場合である。
【0006】本発明はこのような従来の問題点を解決す
るため、画像のコントラスト情報を保ちつつなおかつ光
源の位置、強度の影響を補正する濃度変換装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明による濃度変
換装置は、入力画像からサンプル点を複数個選択し、前
記サンプル点と前記サンプル点を中心とする周りの画素
の濃度値を抽出する画像入力部と、前記サンプル点の特
徴量を計算し、また同時に濃度変換関数決定方式を判定
する特徴量抽出部と、前記サンプル点に対する濃度変換
関数を生成する濃度変換関数発生部と、前記サンプル点
の前記濃度変換関数を使用して前記サンプル点以外の濃
度変換関数を決定する濃度変換関数変換部と、前記濃度
変換関数変換部において決定された濃度変換関数を使用
して前記入力画像に対する濃度変換を行う演算部を具備
することを特徴とする。
【0008】また、前記濃度変換関数変換部が濃度変換
関数決定方式を判定する判定信号を使用して濃度変換関
数を動的に、もしくは加算的に変化させて前記サンプル
点以外の濃度変換関数を決定してもよい。
【0009】第2の発明による濃度変換装置は、入力画
像からサンプル点を複数個選択し、前記サンプル点と前
記サンプル点を中心とする周りの画素の濃度値を抽出す
る画像入力部と、前記サンプル点の画素の濃度値よりサ
ンプル点の再構成を行うかどうか判定し、その判定に基
づいてサンプル点を追加し、領域分割を行い、サンプル
点の再構成を行うサンプル再構成部と、前記サンプル点
の特徴量を計算する特徴量抽出部と、前記サンプル点に
対する濃度変換関数を生成する濃度変換関数発生部と、
前記サンプル点の前記濃度変換関数を使用して前記サン
プル点以外の濃度変換関数を決定する濃度変換関数変換
部と、前記濃度変換関数変換部において決定された濃度
変換関数を使用して前記入力画像に対する濃度変換を行
う演算部とを具備することを特徴とする。
【0010】
【作用】第1の発明によれば、画像入力部において、濃
度階調のある入力画像からサンプル点を複数個選択し、
その各サンプル点自身とそのサンプル点を中心とする周
りの画素の濃度値を抽出する。特徴量抽出部において、
そのサンプル点における特徴量を計算し、また同時にサ
ンプル点における特徴量で濃度変換方式を判定する。濃
度変換関数発生部において、特徴量抽出部からの各サン
プル点毎の特徴量で各サンプル点毎の濃度変換関数を生
成する。濃度変換変換関数変換部において、入力画像に
おけるサンプル点でない画素に対する濃度変換関数を、
近傍の与えられた各サンプル点の濃度変換関数を用いて
決定する。演算部において、濃度変換変換関数変換部に
おいて決定された濃度変換関数を使用して入力画像に対
する濃度変換を行なう。
【0011】第2の発明によれば、画像入力部は、入力
画像からサンプル点を複数個選択し、その各サンプル点
自身とそのサンプル点を中心とする周りの画素の濃度値
を出力する。サンプル点再構成部は、新しいサンプル点
を作成し、領域分割を行ってサンプル点の再構成を行
う。特徴量抽出部は、そのサンプル点における特徴量を
計算する。濃度変換関数発生部は、各サンプル点毎の特
徴量で各サンプル点毎の濃度変換関数を生成する。濃度
変換変換関数変換部は、入力画像におけるサンプル点以
外の画素に対する濃度変換関数を、近傍の与えられた各
サンプル点の濃度変換関数を用いて決定する。演算部
は、濃度変換変換関数変換部において決定された濃度変
換関数を使用して入力画像に対する濃度変換を行なう。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図1に示す。画像入力部1
は入力画像からサンプル点を複数選択し、その選ばれた
各サンプル点自身とそのサンプル点を中心とするその周
りから得られる画素の濃度値21を特徴量抽出部2に渡
す。特徴量抽出部2は濃度値21値を用いて各サンプル
点単位で特徴量24を計算する。また特徴量24によっ
て濃度変換方式を判定してその判定信号23と各サンプ
ル点の特徴量24を濃度変換関数発生部3に渡す。濃度
変換関数発生部3は判定信号23、特徴量24を元にサ
ンプル点毎の濃度変換関数を作成し、濃度変換関数変換
部4に濃度変換関数データ25を渡す。濃度変換関数変
換部4は各サンプル点の濃度変換関数を用いて、サンプ
ル点以外の画素を含めた全ての画素に対する濃度変換関
数を求め、その濃度変換関数データ26を演算部5に渡
す。演算部5は画像入力部1から渡される画像データ2
2を、濃度変換関数データ26を使用し変換し濃度変換
後画像データ27として変換画像出力部6に渡す。
【0013】次に各部を詳細に説明する。画像入力部1
は入力画像からサンプル点を複数選択し、その各サンプ
ル点自身の濃度値、その周囲から得られる濃度値21を
特徴量抽出部2に渡し、また演算部に画像データ22を
渡す。
【0014】特徴量抽出部2を図3にしたがって説明す
る。特徴量抽出部2は、画像入力部1から濃度値21を
受け取り、特徴量24計算し、出力する特徴量計算回路
41と、特徴量24の任意のしきい値から濃度変換関数
の変換方式を判定し、判定信号23を出力する濃度変換
関数決定法判定回路42とから構成される。
【0015】上記した構成にて成る特徴量抽出部2は以
下のように動作する。特徴量抽出部2は画像入力部1か
ら濃度値21を受取る。特徴量抽出部2は受け取った濃
度値21値を用いてサンプル点毎に濃度値の最大値、最
小値、平均値を特徴量計算回路41で計算し、特徴量2
4とし出力する。また各サンプル点の間には3つのサン
プル点の組み合せが予め全てのサンプル点において決定
されている。この3つのサンプル点の組みの決定方式は
図6(a)に示す三角形を形成する組み合せであり、こ
れを濃度変換関数変更三角領域71という。濃度変換関
数変換三角領域71は図6(b)に示すように入力画像
全体を被うように構成され、全体を濃度変換関数変換三
角網領域72という。それぞれの濃度変換関数変換三角
領域71の濃度変換関数決定方式は、濃度変換関数決定
法判定回路42において、特徴量24の任意のしきい値
によっていずれの変換方式を選択したかの判定信号23
を出力する。濃度変換関数変換三角領域71での濃度変
換関数決定方式は図3(b)に示す2つの関数を加算す
る加算方式、図3(c)に示す関数を動的に変化させる
動的濃度変換関数変換方式の2方式である。
【0016】濃度変換関数発生部3を図4にしたがって
説明する。濃度変換関数発生部3は基本となる濃度変換
関数31、特徴量24、及び、判定信号23からサンプ
ル点毎の濃度変換関数を作成し、入出力濃度値の組み合
わせを濃度変換関数データ25として出力する濃度変換
関数変換回路から構成される。
【0017】上記した構成にて成る濃度変換関数発生部
3は以下のように動作する。濃度変換関数発生部3は図
2に示すような基本となる濃度変換関数31を一つ有す
る。図2のa,b,c,dは図2の基本となる濃度変換
関数31のそれぞれの特異点の入力濃度値で、それぞれ
の出力濃度値がa′,b′,c′,d′である。出力濃
度値a′,b′,c′,d′を定数として、入力濃度値
a,b,c,dを変数とすることにより図2の基本とな
る濃度変換関数31は、無数の濃度変換関数を表すこと
が出来る。基本となる濃度変換関数31は例えば以下の
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)式で表され
る。
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】
【数3】
【0021】
【数4】
【0022】
【数5】
【0023】ここで、a’、b’、c’、d’は任意の
定数の出力濃度値であり、a、b,c,dは各サンプル
点における特徴量によって決まる入力濃度値である。ま
た、(1)式は入力濃度がa以下で成り立ち、(2)式
は入力濃度がa以上b以下で成り立つ。(3)式は入力
濃度がb以上c以下で成り立ち、(4)式は入力濃度が
c以上d以下で成り立つ。(5)式は入力濃度がd以上
で成り立つ。
【0024】濃度変換関数変換回路51は、特微量抽出
部2から与えられる判定信号23、特微量24と基本と
なる濃度変換関数31とを入力として、以下の(6)、
(7)、(8)、(9)式を使用してa,b,c,dを
求め、これらの入力濃度値と図2の濃度変換の出力濃度
値a′,b′,c′,d′の入出力濃度値の組み合せ
(a,a′),(b,b′),(c,c′),(d,
d′)を濃度変換関数データ25として出力する。
【0025】
【数6】
【0026】
【数7】
【0027】
【数8】
【0028】
【数9】
【0029】濃度変換関数変換部4を図5にしたがって
説明する。濃度変換関数変換部4は、濃度変換関数デー
タ25から最小単位濃度変換関数変換曲面81を作成す
る最小単位濃度変換関数変換曲面作成回路61と、3つ
のサンプル点の濃度変換関数を変換して、サンプル点以
外の注目している画素の濃度変換関数を決定する濃度変
換関数作成回路62とから構成される。
【0030】上記した構成にて成る濃度変換関数変換部
4は以下のように動作する。図5における最小単位濃度
変換関数変換曲面作成回路61には、濃度変換関数デー
タ25が入力される。またサンプル点には特徴量抽出部
2と同様の組み合わせで濃度変換関数変換三角領域71
が決定される。その濃度変換関数変換三角領域71が、
変換関数変換方式として図3(c)に示した動的方式を
選択する場合、その3つのそれぞれのサンプル点の入力
画像に対するX座標,Y座標,濃度変換関数データ25
の入力濃度値、それぞれをX軸,Y軸,Z軸として、サ
ンプルの組み合せごとに濃度変換関数データ25の入力
濃度値a,b,c,dそれぞれについて4枚の最小単位
濃度変換関数変換曲面81を作成する。その最小単位濃
度変換関数変換曲面81の作成方法について図6にした
がって説明する。図6(a)に示すサンプル点i,サン
プル点j,サンプル点kは入力画像に対する座標(X
i,Yi)、(Wj,Yj)、(Xk,Yk)と濃度変
換関数データ25にあたる入出力濃度値((ai,a′
i),(bi,b′i),(ci,c′i),(di,
d′i))、((aj,a′j),(bj,b′j),
(cj,c′j),(dj,d′j))、((ak,
a′k),(bk,b′k),(ck,c′k),(d
k,d′k))を持っている。次に座標と濃度変換関数
データ25の入力濃度値を、濃度変換関数データ25の
入力濃度値各要素毎に(10)式に代入し、3元連立方
程式を解く。それにより濃度変換関数データ25の入力
濃度値各要素毎の(10)式の係数A,B,C,Dが求
まり、最小単位濃度変換関数変換曲面81が求められ
る。
【0031】
【数10】
【0032】X: 注目画素のX座標 Y: 注目画素のY座標 Z: 注目画素の濃度変換関数の基本濃度値(図2に
おけるa,b,c,dの入力濃度値にあたる) A,B,C,D: 任意の最小単位濃度変換関数曲面に
対する係数 例として濃度値26の(ax,a′x)(x=i,j,
k)に対しての最小単位濃度変換関数変換曲面を決定す
る場合の3元連立方程式を(11)、(12)、(1
3)式に示す。また他の濃度値においても同様の計算を
行なう。
【0033】
【数11】
【0034】
【数12】
【0035】
【数13】
【0036】次に変換関数変換方式として図3(c)に
示した動的方式を選択している場合、濃度変換関数作成
回路62において、各画素の濃度変換関数は各最小単位
濃度変換関数変換曲面内での、その曲面の3つのサンプ
ル点と、サンプル点以外の注目している画素との距離に
より、3つのサンプル点の濃度変換関数を変換して注目
している画素の濃度変換関数を決定する。その決定方法
を図7にしたがって説明する。図7(a)に示す最小濃
度変換関数変換曲面81においては図7(b),
(c)、(d)に示す様に3つのサンプル点i,j,k
の各濃度変換関数が決定されている。図4の濃度変換関
数作成回路62において図2におけるグラフの入出力濃
度値の組み合せである(a,a′),(b,b′),
(c,c′),(d,d′)を、現在注目している最小
単位濃度変換関数変換曲面内の画素の画像に対する座標
とで決定した各要素毎の(10)式の係数A,B,C,
Dを(10)式に代入してその座標における図2におけ
るグラフの入出力濃度値の組み合せである(a,
a′),(b,b′),(c,c′),(d,d′)を
決定し、その画素の濃度変換関数を生成する。三点を三
角形の頂点とした場合、サンプル点iとサンプル点jの
辺上での濃度変換関数の変化は図8(a)〜(c)で示
すように動的に変化して行くことになる。
【0037】変換関数変換方式として図3(b)に示し
た加算方式が選択されている場合、濃度変換関数作成回
路62においてサンプル点の濃度変換関数を図3の変換
関数変換方式(1)の図の様に加算を行ない、また濃度
変換関数それぞれの入力濃度値の範囲が重なっていると
ころは、重なりの範囲の両端の値を使用して一次関数で
補間し、入力濃度値の範囲が重なっていない場合におい
ても同様の処理をして、濃度変換関数を決定してから濃
度変換を行なう。
【0038】また基本となる濃度変換関数31は任意で
あり、その用途にあった濃度変換関数を使用するのがよ
い、処理についても各最小単位濃度変換関数変換曲面ご
とに並列処理を行なうことで、より高速化をはかること
ができる。
【0039】次に、第2の実施例について説明する。
【0040】第1の実施例は濃度変換関数を画像全体に
対して一義的に決定するのではなく、入力画像の明るさ
に応じていくつかの局所的領域に分割し、それぞれの領
域ごとに最適な濃度変換関数を求めて、動的に濃度補正
を行っている。
【0041】この技術では注目している画素の濃度は、
データサンプル点の濃度から線型補間して求めているた
めに濃度が不連続に変化している領域では誤差が大きく
なること、および濃度が不連続に変化している領域では
上記の「特開平5−61972、階調変換装置」と同様
データサンプル点をどのように設定すればよいかについ
ては検討されていないという問題がある。
【0042】また、データサンプル点があらかじめ決定
されているという前提で処理を行っているため、明るさ
が急激に変化している領域では濃度変換関数の誤差が大
きくなるという問題があった。
【0043】したがって、明るさの変化量に依存してデ
ータサンプル点の増減を行って濃度計算のための領域分
割を変更し、濃度変換の精度を向上させることが課題で
ある。
【0044】入力画像に対してサンプル点の座標、他の
サンプル点との「組合せ」をあらかじめ決められた方法
で設定する。ここで、各サンプル点の「組合せ」とは図
10(a)に示されるように3つのサンプル点から構成
される三角形領域である。入力画像全体は、図10
(b)に示されるようにこのように定義された三角形領
域で被覆される。
【0045】濃度変換関数は、各サンプル点に対して定
義された変換関数であり、その関数形状は人の目の特
性、および当該サンプル点の近傍の画素の濃度分布の統
計(最大値、最小値、平均値など)から定義されるもの
である。濃度変換関数の決め方については後述する。
【0046】いま、三つのサンプル点i,j,kの濃度
変換関数をFi,Fj,Fkとし、またFi,Fj,F
kを決定する基本となる濃度関数をFxと定義する。基
本となる濃度関数Fxの例として図2に示す。
【0047】このとき、出力濃度値doutに対して式
(14)が成立する場合の入力濃度値をdi,dj,d
kとすると、三角領域内部の任意の点pのdoutに対
する入力濃度値dpはdi,dj,dkより線型補間し
て求められる。そして、これをdout全ての範囲で行
うことにより点pにおける濃度変換関数Fpか求まる。
最後に点Pの濃度がnであるとすると、点pの出力濃度
はFp(n)となる。
【0048】
【数14】
【0049】第2の実施例による濃度変換装置の構成図
を図11に示す。画像入力部1は入力画像から、あらか
じめ画像に対する座標、他のサンプル点との「組合せ」
が決定しているサナプル点を複数選択し、その選ばれた
各サンプル点自身とそのサンプル点を中心とするその周
辺画素から得られる濃度値21をサンプル点再構成部7
に渡す。サンプル点再構成7は濃度値21値を用いて
「組合せ」の再構成を行うかの判定を行い、再構成を行
うのであれば新しいサンプル点を作成し、再構成前のサ
ンプル点の「組合せ」によって形成される領域内で領域
分割を行い、新しく「組合せ」を構成する。そしてその
再構成データ28を特徴量抽出部2に渡す。特徴量抽出
部2は各サンプル点の特徴量24を計算し、濃度変換関
数発生部3に渡す。濃度変換数発生部3は特徴量24を
元にサンプル点毎の濃度変換関数を作成し、濃度変換関
数変換部4に濃度変換関数データ25を渡す。濃度変換
関数変換部4は、濃度変換関数データ25を用いて、サ
ンプル点以外の画素を含めた全ての画素に対する濃度変
換関数を求め、その濃度変換関数データ26を演算部5
に渡す。演算部5は画像入力部1から渡される画像デー
タ22を、濃度変換関数データ26を使用し変換し濃度
変換後画像データ27として変換画像出力部6に渡す。
【0050】次に各部の詳細について説明する。画像入
力部1は、あらかじめ設定された各サンプル点について
その座標、他のサンプル点との「組合せ」情報により、
入力画像を三角領域に分割する。つぎに、各サンプル点
とその近傍画素の濃度値21をサンプル点再構成部7に
渡し、また演算部に画像データ22を渡す。
【0051】サンプル点再構成部7について、図12を
用いてそのアルゴリズムを示す。
【0052】ステップ1:まだ処理していない三角形領
域を選択する ここで三角形領域を構成するサンプル点をi,j,kと
する。
【0053】ステツプ2:サンプル点の濃度平均値をそ
れぞれni,nj,nkとしたとき |ni−nj|+|nj−nk|+|nk−ni|>C
onst ならば、図12(b)、(c)に示すように三角形の辺
上に新しいサンプル点qを追加して三角形を細分割する
か、あるいは、図12(d)、(e)に示すように三角
形の内部に新しいサンプル点qを追加して三角形を細分
割する。
【0054】|ni−nj|+|nj−nk|+|nk
−ni|≦Const ならば、つぎの三角形領域に進む。
【0055】このように全ての三角形領域においての領
域分割を行い、図12(c),(e)に示すように新し
く出来たサンプル点を含む「組合せ」ごとのサンプル点
とその近傍画素の濃度値28を特徴量抽出部2渡す。
【0056】特徴量抽出部2について説明する。特徴量
抽出部2はサンプル点再構成部7から濃度値28を受取
り、サンプル点毎に濃度値の最大値、最小値、平均値を
計算し、特徴量24とし濃度変換関数発生部3に出力す
る。
【0057】濃度変換関数発生部3を図13にしたがっ
て説明する。濃度変換関数発生部3において基本となる
濃度関数Fxを図2で示される関数とした場合、図2の
a,b,c,dを濃度関数Fxについての区分入力濃度
値mdx(x=i,j,k)、それぞれの出力濃度値が
定数のa′,b′,c′,d′mdoutと定義する
と、濃度関数Fxは、無数の濃度変換関数を表すことが
出来、濃度関数Fxは(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)式で表される。濃度変換関数変換回路4
1は、特徴量抽出部2から与えられる特徴量24とFx
とを入力として、(6)、(7)、(8)、(9)式を
使用して三つのサンプル点i,j,kの濃度変換関数F
i,Fj,Fkを求め、Fi,Fj,Fkを表す入力濃
度値(mdi,mdj,mdk)の「組合せ」をDin
とし、出力濃度値mdoutと対にして、これらを濃度
変換関数データ25として出力する。
【0058】濃度変換関数変換部4を図5にしたがって
説明する。図5における最小単位濃度変換関数変換曲面
作成回路61には、((mdi,mdj,mdk),m
dout)である濃度変換関数データ25が入力され
る。図14に示すように、その濃度変換関数変換三角領
域11について、i,j,kの入力画像に対する座標を
(Xi,Yi)、(Xi,Yj)、(Xk,Yk)とし
てX軸、Y軸の値、濃度変換関数データ25の(md
i,mdj,mdk)をZ軸の値として、それぞれをm
doutの4つの値に関してXYZ空間にプロットしそ
の3点を通る平面を最小単位濃度変換関数変換曲面13
とする。この場合は4枚作成する。その最小単位濃度変
換関数変換曲面13の作成方法について説明する。i,
j,kは(Xi,Yi)、(Xj,Yj)、(Xk,Y
k)と((mdi,mdj,mdk),mdout)を
持っている。次に座標と(mdi,mdj,mdk)
を、mdoutに関して(10)式に代入し、3元連立
方程式を解く。それによりmodoutに関して(1
0)式の係数A,B,C,Dが求まり、最小単位濃度変
換関数変換曲面13が求められる。
【0059】例として(ax,a′)(x=i,j,
k)に対しての最小単位濃度変換関数変換曲面13を決
定する場合の3元連立方程式を(11)、(12)、
(13)式に示す。また他の濃度値においても同様の計
算を行なう。
【0060】濃度変換関数作成回路62において、最小
単位濃度変換関数変換曲面内の各画素の濃度変換関数
は、その曲面の3つのサンプル点と、サンプル点以外の
注目している画素との距離により、3つのサンプル点の
濃度変換関数を変換して注目している画素の濃度変換関
数を決定する。その決定方法を図7,図8にしたがって
説明する。最小濃度変換関数変換曲面13は図7の様に
三つのサンプル点i,j,kの各濃度変換関数が決定さ
れている。また、((mdi,mdj,mdk),md
out)と、係数A,B,C,Dを(10)式に代入し
てその画素における入力濃度値を決定し、濃度変換関数
を生成する。三点を三角形の頂点とした場合、サンプル
点1とサンプル点2の辺上での濃度変換関数の変化は図
8に示すように動的に変化して行くことになる。
【0061】また基本となる濃度変換関数12は任意で
あり、その用途にあった濃度変換関数を使用するのがよ
い。処理についても各最小単位濃度変換関数変換曲面ご
とに並列処理を行なうことで、より高速化をはかること
ができる。
【0062】
【発明の効果】第1の発明による濃度変換装置は、入力
画像からサンプル点を複数個選択し、前記サンプル点と
前記サンプル点を中心とする周りの画素の濃度値を抽出
する画像入力部と、前記サンプル点の特徴量を計算し、
また同時に濃度変換関数決定方式を判定する特徴量抽出
部と、前記サンプル点に対する濃度変換関数を生成する
濃度変換関数発生部と、前記サンプル点の前記濃度変換
関数を使用して前記サンプル点以外の濃度変換関数を決
定する濃度変換関数変換部と、前記濃度変換関数変換部
において決定された濃度変換関数を使用して前記入力画
像に対する濃度変換を行う演算部を具備するので、画像
のコントラスト情報を保ちつつなおかつ光源の位置、強
度の影響を補正する濃度変換装置を提供する。
【0063】第2の発明による濃度変換装置は、入力画
像からサンプル点を複数個選択し、前記サンプル点と前
記サンプル点を中心とする周りの画素の濃度値を抽出す
る画像入力部と、前記サンプル点の画素の濃度値よりサ
ンプル点の再構成を行うかどうか判定し、その判定に基
づいてサンプル点を追加し、領域分割を行い、サンプル
点の再構成を行うサンプル再構成部と、前記サンプル点
の特徴量を計算する特徴量抽出部と、前記サンプル点に
対する濃度変換関数を生成する濃度変換関数発生部と、
前記サンプル点の前記濃度変換関数を使用して前記サン
プル点以外の濃度変換関数を決定する濃度変換関数変換
部と、前記濃度変換関数変換部において決定された濃度
変換関数を使用して前記入力画像に対する濃度変換を行
う演算部とを具備するので、対象となる画像に対する濃
度の明部領域、暗部領域どちらの領域に対しても同じ様
なコントラストが得られ、なおかつ各領域の境界では滑
らかに変化し画像全体としてみた場合、光源による位置
の影響、光源の光の強度による影響を補正したコントラ
ストが一様な画像が得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】基本となる濃度変換関数の説明図である。
【図3】特徴量抽出部の詳細図である。
【図4】濃度変換関数発生部の詳細図である。
【図5】濃度変換関数変換部の詳細図である。
【図6】濃度変換関数変換領域の説明図である。
【図7】動的濃度変換関数変換方式の説明図である。
【図8】サンプル点iとサンプル点jの間の濃度変換関
数の変化の様子を示す図である。
【図9】光源の位置、光の強度による画像の乱れの補正
処理を説明する図である。
【図10】「組合せ」の説明図である。
【図11】第2の実施例を示す構成図である。
【図12】サンプル点再構成部の説明図である。
【図13】濃度変換関数発生部の詳細図である。
【図14】最小単位濃度変換関数変換曲面の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 画像入力部 2 特徴量抽出部 3 濃度変換関数発生部 4 濃度変換関数変換部 5 演算部 6 変換画像出力部 21 各サンプル点自信の値とその周囲から得られた濃
度値 22 画像濃度値 23 濃度変換方式の判定信号 24 各サンプル点特徴量 25 濃度変換関数データ 26 濃度変換関数データ 27 濃度変換後画像データ 31 基本となる濃度変換関数 41 特徴量計算回路 42 濃度変換関数決定法判定回路 51 濃度変換関数変換回路 61 最小単位濃度変換関数変換曲面作成回路 62 濃度変換関数作成回路 71 濃度変換関数変換三角領域 72 濃度変換関数変換三角網領域 81 最小単位濃度変換関数変換曲面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像からサンプル点を複数個選択
    し、前記サンプル点と前記サンプル点を中心とする周り
    の画素の濃度値を抽出する画像入力部と、前記サンプル
    点の特徴量を計算し、また同時に濃度変換関数決定方式
    を判定する特徴量抽出部と、前記サンプル点に対する濃
    度変換関数を生成する濃度変換関数発生部と、前記サン
    プル点の前記濃度変換関数を使用して前記サンプル点以
    外の濃度変換関数を決定する濃度変換関数変換部と、前
    記濃度変換関数変換部において決定された濃度変換関数
    を使用して前記入力画像に対する濃度変換を行う演算部
    とを具備することを特徴とする濃度変換装置。
  2. 【請求項2】 前記濃度変換関数変換部が濃度変換関数
    決定方式を判定する判定信号を使用して濃度変換関数を
    動的に、もしくは加算的に変化させて前記サンプル点以
    外の濃度変換関数を決定する請求項1に記載の濃度変換
    装置。
  3. 【請求項3】 入力画像からサンプル点を複数個選択
    し、前記サンプル点と前記サンプル点を中心とする周り
    の画素の濃度値を抽出する画像入力部と、前記サンプル
    点の画素の濃度値よりサンプル点の再構成を行うかどう
    か判定し、その判定に基づいてサンプル点を追加し、領
    域分割を行い、サンプル点の再構成を行うサンプル再構
    成部と、前記サンプル点の特徴量を計算する特徴量抽出
    部と、前記サンプル点に対する濃度変換関数を生成する
    濃度変換関数発生部と、前記サンプル点の前記濃度変換
    関数を使用して前記サンプル点以外の濃度変換関数を決
    定する濃度変換関数変換部と、前記濃度変換関数変換部
    において決定された濃度変換関数を使用して前記入力画
    像に対する濃度変換を行う演算部とを具備することを特
    徴とする濃度変換装置。
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