JP2855094B2 - 質量流量計変換器 - Google Patents

質量流量計変換器

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JP2855094B2 JP19325495A JP19325495A JP2855094B2 JP 2855094 B2 JP2855094 B2 JP 2855094B2 JP 19325495 A JP19325495 A JP 19325495A JP 19325495 A JP19325495 A JP 19325495A JP 2855094 B2 JP2855094 B2 JP 2855094B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質量流量計変換器
に関し、より詳細にはコリオリ流量計から出力され、質
量流量に比例した位相差をもった一対の正弦波信号を各
々入力し、該正弦波信号に含まれた低周波雑音成分を取
り除く回路構成をもった質量流量計変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】コリオリ流量計は、周知のように、質量
流量mの流体が流れるフローチューブを両端支持して支
持点まわりに角速度ωで正弦波振動を与えたとき、フロ
ーチューブに質量流量mと角速度ωのベクトル積に比例
したコリオリの力Fが作用することを利用したもので、
コリオリの力Fを計測して質量流量を求める原理に基づ
いている。すなわち、フローチューブは、このコリオリ
の力により変形され、フローチューブの支持点からの対
称位置にはコリオリの力に比例した位相差が生ずるの
で、この位相差をフローチューブの対称点が基準線を通
過する時間差ΔTとして検出して質量流量mを求めるこ
とができる。更に、角速度ωを支持点まわりの固有振動
数ω0に選ぶことにより、固有振動数ω0から流体の密度
ρを計測することができる。従って、時間差ΔTの計測
精度は、質量流量の計測精度を決定する重要な計測対象
である。従来の時間差ΔTの計測には、一例として特開
平6−109515号公報による質量流量測定方法が開
示されている。
【0003】図4は、従来の質量流量計変換回路で、図
中、21,21´はコイル、22,22´は積分回路
部、23,23´は増幅器、24,24´は比較器、2
5は読み取り回路である。
【0004】図4に示した質量流量計変換回路は、コリ
オリ流量計のフローチューブに取り付けられた各々のセ
ンサが、例えば、磁石とコイルとからなる速度変換形の
ものであり、センサのコイル21,21´に発生した位
相の異なる正弦波信号を時間差ΔTの矩形波に変換処理
し時間差ΔTに比例した質量流量を求めるための回路で
ある。コイル21,21´には、各々速度信号を位置信
号に変換するための積分器部22,22´と、積分器2
2,22´から出力された正弦波位置信号を飽和レベル
で増幅し台形波信号に変換する増幅器23,23´と、
出力された位相差をもった各々の前記台形波信号から位
相差に比例した時間差ΔTをもった矩形波信号に変換す
るため、台形波信号のバイアスライン(+a),(−
a)に対応して定められた参照電圧Va,Vbと比較す
る比較器24,24´とが接続されており、比較器2
4,24´には各々増幅器23,23´から出力された
矩形波信号から時間差ΔTを求め、時間差ΔTに比例し
た質量流量を出力する読み取り回路25が接続されてい
る。
【0005】しかし、前記時間差ΔTは微小であり最大
質量流量においても、数μsから100μsのオーダで
あり、これらの時間差ΔTの大きさはコリオリ流量計の
構造により定まる。時間差ΔTの計測精度は質量流量の
計測精度となるので、前記正弦波信号に雑音成分が重畳
されることは時間差ΔTの計測精度を低下させるので雑
音成分を含ことは、計測上、許されない。しかし、前記
正弦波信号には、コリオリ流量計の取り付け配管等によ
る低周波の外部雑音やコリオリ流量計や電気回路要素か
らのドリフト等の極低周波の雑音が含まれている。この
雑音を除去するため前記特開平6−109515号公報
の前記積分回路部22,22´では、積分の入出力間に
低域フィルタが接続され低周波成分を負帰還して積分器
の出力に含まれる前記雑音成分を取り除いている。
【0006】図5は、従来の積分回路部を説明するため
の図であり、図中31,32は演算増幅器(以後、OP
アンプと記す)である。
【0007】図5に示した積分回路部22,22′は、
端子33から入力された正弦波速度信号を正弦波位置信
号に変換するための抵抗R31とコンデンサC31およびO
Pアンプ31からなる積分器と、積分器から出力された
32位置の正弦波位置信号に含まれる低周波雑音成分を
削減するためのコンデンサC32、抵抗R33のローパスフ
ィルタとOPアンプ32からなる負帰回路からなってい
る。
【0008】積分器は抵抗R31がOPアンプ31の反転
入力P31に、反転入力P31とOPアンプ31の出力との
間にコンデンサC31が接続されている。負帰還回路のロ
ーパスフィルタはOPアンプ32の非反転入力に接続さ
れ、反転入力は出力端と接続され低インピーダンス出力
が得られるバッファーを構成し、低周波雑音成分は抵抗
34を介してOPアンプ31の反転入力P31に接続され
ている。また、バッファー出力した低周波雑音成分は抵
抗R20を介し増幅器23の非反転入力に接続されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した構成をもつ従
来の積分回路部22、22´は積分器を構成するOPア
ンプ31の反転入力P31には、積分抵抗R31、コンデン
サC31帰還抵抗R34の各々の一端が接続されて反転入力
31の電位は一定に保たれているので、積分抵抗R31
介して入力された低周波雑音成分の電流の一部は帰還抵
抗R34に流れる。この結果、低周波雑音成分は積分抵抗
31と帰還抵抗R34との比で分圧されて入力されるので
出力P32でも完全に削減することができない。また、抵
抗R20を介して図4に示す増幅回路23の非反転入力に
ローパスフィルタの出力を接続しても積分器の出力P32
の出力信号と必ずしも同一位相とはならず、低周波雑音
成分を除くことは極めて困難で、低周波雑音を除去する
ことができなかった。従来の回路では、その結果、分時
間差ΔTの計測精度も低下し、雑音から逃れることがで
きない。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した第1
の発明は、両端支持されたフローチューブを一定の周波
数・振幅で加振し、出力された該フローチューブに作用
するコリオリの力に比例した位相差をもつ一対の正弦波
速度信号を各々積分し、得られた正弦波位置信号に含ま
れる低周波雑音成分を負帰還し、正弦波位置信号を出力
する積分回路部を有し、出力された各々の前記正弦波位
置信号から前記位相差を検出し、該位相差に比例した質
量流量を求める質量流量計変換器において、前記積分回
路部は、反転入力に入力した前記正弦波速度信号を積分
し前記正弦波位置信号を出力する第1積分器と、前記正
弦波位置信号に含まれる前記低周波雑音成分のみを通過
する低域増幅器に接続され、前記低周波雑音成分を積分
する第2積分器とからなり、該第2積分器の出力を前記
第1積分器の非反転入力に入力するようにして、該第1
積分器から出力される低周波雑音成分を限りなく零に近
づけるようにすることである。請求項2に記載した第2
の発明は、前記第1の発明の積分回路部において、前記
低域増幅器の出力を前記第1積分器の反転入力に負帰還
し、前記第1積分器の反転入力に入力する低周波雑音成
分を削減したあと、第1の発明に記載した積分回路部の
効果を加えることにより、更に低周波雑音を零に近づけ
る。請求項3に記載の第3の発明は、前記第2の発明に
おいて、前記積分回路部の正弦波位置信号出力を、前記
正弦波位置信号を台形波信号に変換する次段の増幅器の
反転入力に入力することにより、該増幅器の非反転入力
端子に前記低域増幅器を通過した所定低周雑音成分を入
力し前記第2の発明による低周波雑音成分を、更に削減
する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による質量流量計
変換器の第1の実施の形態を説明するための回路ブロッ
クで、図中、1はセンサのコイル、2,3,4,5,6
は演算増幅器(OPアンプ)、7,8はコンパレータ、
9は位相コントロール部、10は第1積分回路部であ
る。
【0012】図1に示す回路ブロックは、コリオリ流量
計のフローチューブから出力される一対のセンサ信号か
らコリオリの力に比例した位相差信号を求め質量流量信
号を出力する質量流量計変換器において、一方側のセン
サのコイル1から出力される信号の信号処理回路に関す
るもので、フローチユーブ(図示せず)に設けられたセ
ンサのコイル1から出力される微小な正弦波速度信号
を、抵抗R2とR1との比で定まる所定レベルに増幅する
OPアンプ2を有する増幅器と、出力された正弦波速度
信号を正弦波位置信号に変換し、且つ正弦波位置信号に
含まれる低周波の外部雑音や極低周波のドリフト等の低
周波雑音成分を略零にするため積分回路部10と、低周
波雑音成分が除かれた正弦波位置信号を能動領域で増幅
して零レベルに対称な波高値をもった台形波信号を出力
する抵抗R7,R8,R9、OPアンプ6からなる増幅器
および出力された台形波信号から所定レベルの波高値を
もった矩形波信号に変換するコンパレータ7,8および
位相コントロール部9とからなっている。
【0013】第1積分回路部10は、抵抗R3,コンデ
ンサC1およびOPアンプ3からなる時定数R31の第
1積分器、および、第1積分器の出力P2から、低周波
雑音成分に対応して定められた抵抗R5,コンデンサC2
のローパスフィルタ,バッファアンプを構成するOPア
ンプ4からなる低域増幅器と、該低域増幅器を通過した
低周波雑音成分を抵抗R6,帰還コンデンサC3を有する
第2積分器のOPアンプ5の反転入力P3に入力して積
分し、第1積分器のOPアンプ3の非反転入力に入力す
る負帰還回路とからなっている。
【0014】次に、図1に示した第1積分回路部10の
詳細および動作について説明する。センサのコイル1か
ら出力された正弦波速度信号は、入力抵抗R1、帰還抵
抗R2、OPアンプ2からなる増幅器により所定レベル
に増幅され、抵抗R3,コンデンサC1、OPアンプ3か
らなる積分器の反転入力P1に入力する。すなわち抵抗
3の他端はOPアンプ3の反転入力端P1に接続され、
更に、反転入力P1とOPアンプ3の出力P2との間にコ
ンデンサC1が接続される。OPアンプ3の出力端P2
は、入力信号と90°位相が進んだ正弦波位置信号およ
び低周波雑音成分が重畳されて出力される。
【0015】OPアンプの出力端P2の出力信号は、一
方、抵抗R7を介して帰還抵抗R8,OPアンプ6からな
る台形波信号増幅器に入力され、他方、抵抗R5,コン
デンサC2のローパスフィルタを介して低周波雑音成分
が取り出され、OPアンプ4の非反転入力に入力する。
OPアンプはバッファー回路で反転入力と出力とが接続
されている。バッファー回路によりインピーダンス変換
され、出力された低周波雑音成分は、R6,C3,OPア
ンプ5からなる第2積分器に接続される。
【0016】第2積分器の抵抗R6の他端は、OPアン
プ5の反転入力P3に接続され、反転入力P3とOPアン
プ5の出力端P4との間にはコンデンサC3が接続され、
第2積分器の出力端P4は、第1積分器の非反転入力に
接続される。この結果第1積分器のOPアンプ3の反転
入力と、非反転入力との間では、反転入力に入力される
低周波雑音成分と、R52のローパスした低周波雑音成
分と第2積分器を介して出力された低周波雑音成分が打
ち消され、出力端P2に出力される低周波雑音成分が略
零となるように制御される。
【0017】この結果、従来のローパスされた低周波増
幅器の出力を第1積分器の反転入力P1に電流帰還され
る場合と比べ、出力端P2における低周波雑音成分は無
視できる程度に削減することが可能となる。しかし、さ
らなる削減を計り、限りなく零近傍へ近づけ、より安定
した特性を得るには、下記に述べる手段を付加すること
で実現できる。
【0018】図2は、本発明による質量流量計変換器の
第2の実施の形態を説明するための積分回路部の回路ブ
ロックであり、図中、11は、第2積分回路部であり、
図1と同様の作用する部分には、図1の場合と同じ参照
番号を付してある。
【0019】図2に示した第2積分回路部11は、図1
に示した第1積分回路部10による低周波雑音成分の電
圧負帰還に加えて、バッファー増幅器であるOPアンプ
4を通過した低周波雑音成分を抵抗R10を介して第1積
分器の反転入力端P1に電流負帰還したもので、抵抗R
10を介して入力端P1に帰還される低周波雑音成分の電
流は、抵抗R3を介して入力される低周波雑音成分の電
流に対し積分コンデンサC1とで分流した分流成分とな
るものであるから、低周波成分の電圧負帰還に対し、電
流負帰還が加わった2次遅れ系の制御が加わり、出力端
2に含まれる低周波雑音成分は、分流された分だけ小
さなものとなり、この小さい低周波雑音成分に対し更
に、第2積分器による削減が加わり、重畳効果により、
第1積分回路部10に対しより効果的低周波雑音成分を
取り除くことができる。
【0020】図3は、本発明による質量流量計変換器の
第3の実施の形態を説明するための積分回路部の回路ブ
ロックであり、図中、12は第3積分回路部であり、図
1と同様の作用をする部分には、図1の場合と同じ参照
番号を付してある。
【0021】図3に示した第3積分回路は、図2に示し
た第2積分回路部11の回路に加えて低域増幅器のOP
アンプ4を通過した低周波雑音成分を、次段の台形波増
幅器の非反転入力に、更に抵抗R9,コンデンサC4から
なるローパスフィルタを介して入力したもので、第1積
分器の出力P2に含まれ台形波増幅器の反転入力に入力
され低周波雑音と同位相の低周波雑音成分を台形波増幅
器の非反転入力に入力して図2に示した第2積分回路部
11に対し、より効果的に低周波雑音を取り除くことが
できることは当然のことである。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、以下に示す効果がある。 請求項1に対応する効果:正弦波速度信号を反転入力に
入力し正弦波位置信号に変換する第1積分器の出力には
正弦波位置信号の他に低周波雑音成分が含まれている。
この低周波雑音成分を取り除くため、従来はローパスフ
ィルタを介して低周波雑音成分のみを取り出し、バッフ
ァー回路を介して第1積分器の反転入力に負帰還してい
た。これに対してローパスフィルタを有し、バッファー
回路である低域増幅器から出力された低周波雑音成分を
第2積分器により積分して第1積分器の非反転入力に負
帰還したので、第1積分器の出力からは、低周波雑音成
分が効果的に取り除かれ、低周波雑音による位相誤差の
ない質量流量に比例した高精度の位相差信号が取り出し
可能となる。 請求項2に対応する効果:請求項1の第1積分回路部に
対し、ローパスフィルタのバッファ回路から第1積分器
の反転入力端に電流帰還したので、電圧帰還に対し、さ
らに電流帰還の加わった2次遅れ系の制御が実現でき、
第1積分器に含まれる低周波雑音成分には、請求項1に
比して極めて小さくなり、請求項1の発明に係る積分回
路部の効果を更に高めることができる。 請求項3に対応する効果:請求項2の積分回路部に対
し、更に、ローパスフィルタのバッファ回路からローパ
スフィルタを介し低周波雑音成分を次段の台形波増幅器
の非反転入力に入力することにより、請求項2の第2積
分回路部よりも、同相ノイズに対して更に効果的に低周
波雑音成分を取り除くことが可能となり、安定した位相
差信号が得られる。この結果、小さい時間差ΔT信号し
か得られないコリオリ流量計でも安定した高精度の質量
流量が求められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による質量流量計変換器の第1の実施
の形態を説明するための回路ブロックである。
【図2】 本発明による質量流量計変換器の第2の実施
の形態を説明するための積分回路部の回路ブロックであ
る。
【図3】 本発明による質量流量計変換器の第3の実施
の形態を説明するための積分回路部の回路ブロックであ
る。
【図4】 従来の質量流量計変換回路である。
【図5】 従来の積分器の回路を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1…センサのコイル、2,3,4,5,6…演算端幅器
OPアンプ、7,8…コンパレータ、9…位相コントロ
ール部、10…第1積分回路部、11…第2積分回路
部、12…第3積分回路部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端支持されたフローチューブを一定の
    周波数・振幅で加振し、出力された該フローチューブに
    作用するコリオリの力に比例した位相差をもつ一対の正
    弦波速度信号を各々積分し、得られた正弦波位置信号に
    含まれる低周波雑音成分を負帰還し、正弦波位置信号を
    出力する積分回路部を有し、出力された各々の前記正弦
    波位置信号から前記位相差を検出し、該位相差に比例し
    た質量流量を求める質量流量計変換器において、前記積
    分回路部は、反転入力に入力した前記正弦波速度信号を
    積分し前記正弦波位置信号を出力する第1積分器と、前
    記正弦波位置信号に含まれる前記低周波雑音成分のみを
    通過する低域増幅器に接続され、前記低周波雑音成分を
    積分する第2積分器とからなり、該第2積分器の出力を
    前記第1積分器の非反転入力に入力し、該第1積分器か
    ら出力される低周波雑音成分を限りなく零に近づけるよ
    うにしたことを特微とする質量流量計変換器。
  2. 【請求項2】 前記積分回路部において、前記低域増幅
    器の出力を前記第1積分器の反転入力に負帰還したこと
    を特徴とする請求項1に記載の質量流量計変換器。
  3. 【請求項3】 前記積分回路部の前記第1積分器から出
    力される前記正弦波位置信号を反転入力に入力し、台形
    波信号に変換する増幅器の非反転入力端子に前記低域増
    幅器を通過した所定低周雑音成分を入力したことを特徴
    とする請求項2記載の質量流量計変換器。
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