JP2854475B2 - 高精度3軸磁力計を用いた地下電磁誘導探査法 - Google Patents

高精度3軸磁力計を用いた地下電磁誘導探査法

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JP2854475B2 JP32117892A JP32117892A JP2854475B2 JP 2854475 B2 JP2854475 B2 JP 2854475B2 JP 32117892 A JP32117892 A JP 32117892A JP 32117892 A JP32117892 A JP 32117892A JP 2854475 B2 JP2854475 B2 JP 2854475B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良された高精度3軸
磁力計を用いた地下電磁誘導探査法による地下亀裂確認
法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、金属鉱床探査を代表として、垂直成
分磁力計を用いた坑井内電磁誘導探査法が知られてい
る。この探査には、一本の坑井(モノホール)に発信
器、受信器を吊り下ろし、発信器から可聴周波数帯域の
電磁波を発射し、地下における反射波を受信器で補足
し、これを解析して地下構造を確認する方法(いわば、
「モノホールタンデム型探査」とでも称される。)や、
一本の坑井(モノホール)に受信機を吊り下ろす一方、
数十メートルないし数百メートル四方の発信アンテナを
複数個地表に配置し、各々の地表からの可聴周波数帯域
の電磁波を、前記モノホール内の受信器で補足し、この
受信信号を解析して、地下構造を解析する方法(いわ
ば、「モノホール坑内型探査」とでも称する。)、また
は、一本の坑井(モノホール)に受信器を配置する一
方、これとは別途に地表に受信器をそれぞれ配置し、さ
らに、この坑井内に電解質溶液(電解質トレーサ)を投
入し、自然磁場または外界からの電磁波によって生じる
可聴周波数帯域を利用し、坑井内の受信器の磁場変動
と、該受信器と地表に配置した前記受信器とのコヒーレ
ンシーをとり、その結果を解析する方法(いわば、「モ
ノホールトレーサ型探査」とでもいう。)、あるいは、
近接する二本の坑井のそれぞれに可聴周波数帯域の電磁
波を発射し、それを受信する受信器を備え、地下を透過
する電磁波を解析する方法(いわば、「クロスホール電
磁誘導法」とでも称する。)等の地下亀裂確認法が知ら
れている。
【0003】
【従来技術上の問題点】しかしながら、これらの坑井内
電磁誘導探査法に用いられるこの種の磁力計に関して
は、1nTオーダーの精度のものであり、石油、地熱等
の深部探査に用いるためには、十分なものではなかっ
た。
【0004】
【問題点解決のための手段】そこで、本願発明者は、外
径3.5インチのツール内部に格納できる単軸型の小型
コイル単体の感度を向上させ、SN比に強い水平磁場磁
力計とすると共に、複数のコイルをアレイ式に連結し、
全体としての感度を向上させ、SN比の強い水平磁場磁
力計を改良し、この改良に係る3軸磁力計(以下、「タ
ンデム型3軸磁力計」という。)を用いて、前記モノホ
ール型およびクロスホール型探査法において、地下電磁
誘導探査を実施して、高精度に地下構造の解析を行うこ
ととした。
【0005】すなわち、地下電磁誘導探査法3軸磁力計
において、上記アレイ式水平磁場センサを用いたX、Y
成分磁力計については、上記アレイ式垂直磁力計を挟ん
で上下に2組のアレイ式水平磁力計を配置し、X、Y成
分磁力計のクロスカップリングを改善し、また、Z成分
垂直磁力計を上記のようにアレイ式垂直磁力計とするこ
とにより垂直磁力計単体の感度、SN比を向上させると
共に、これらの配置構成を通じて、3成分磁力計全体の
クロスカップリング、感度、ノイズレベルを調整して、
3軸磁力計の感度を向上させ、SN比を上げ、これによ
って、上記モノホール型およびクロスホール型地下電磁
誘導探査を高精度に実施できるようにしたものである。
【0006】具体的には、全長3インチの複数の単軸イ
ンダクションコイル(以下、「コイルエレメント」と称
する。)を水平方向に直交する方向X軸方向、Y軸方向
に交互に組合せて配列した3軸磁力計を用いて、それぞ
れモノホールおよびクロスホールにおいて、高精度な地
下電磁誘導探査を可能としたものである。
【0007】また、坑井内検層プローブから地表にデー
タを伝送するに際し、最良の伝送方式を選定すると共
に、地表からツールへ制御命令を送信する際の送信方式
に関し、マルチプレクシング(信号多重化)のため総合
したチャンネル数を確保できるようにし、また、これに
伴う坑井内電子装置において、同期検波回路、アナログ
/デジタル変換器、制御用マイクロプロセッサを適宜適
切なものとした。
【0008】
【作用】本発明では、全長3インチの複数のコイルエレ
メントを水平方向に直交するX軸方向およびY軸方向に
交互に複数組合せたアレイ式とし、水平コイルの感度を
高めると共に、これら複数の水平コイルと垂直コイルの
相互干渉によるノイズ増加を防止するために、垂直磁力
計を挟んで上下対称に、X軸成分、Y軸成分の和を得る
ようにした3軸磁力計を用いて、高精度な地下電磁誘導
探査を可能ならしめ、さらに、3軸磁力計からの信号を
伝送する伝送系の同期検波回路、アナログ/デジタル変
換器、制御用マイクロプロセッサについて、適宜、適切
なものを組み込み使用し、坑井内で検出した測定データ
の減衰を少なくして、高精度に地表に伝送し、地下電磁
誘導探査を高精度に行わしめ、地下の亀裂確認を容易な
らしめるというものである。
【0009】
【実施例】高精度な3軸磁力計を使用した地下電磁誘導
探査法の実施例を図面により説明する。
【0010】本実施例として、高精度な3軸磁力計を使
用した貯留層モニタリングの「クロスホール型地下トレ
ーサ電磁誘導探査法」を行った。
【0011】貯留層モニタリングとして地下流体の流動
現象を扱う場合、地下流体の移動に伴い、地下の物性値
(この場合、比抵抗)に何らかの変化が生じた場合が、
物理探査法が最も意味を有する。したがって、最も効果
的に地下の比抵抗を変化させる方法は、人工的に地下と
異なる比抵抗をもつ流体を地下に注入する方法である。
【0012】本実施例においては、電解質溶液たる電磁
トレーサを用いて、上記クロスホール配置の調査井間に
これを注入した。
【0013】図1は、電解質溶液を注入した「クロスホ
ール型地下トレーサ電磁誘導探査法」を示すもので、高
精度3軸磁力計を備えた受信器80、81を吊り下ろす
二本の坑井82、83と、電解質溶液84を注入する注
入坑井85の坑井配置からなり、該注入坑85から、電
解質溶液を地下流体86に注入し、その流動現象の補足
を試みる概念図である。
【0014】この方法によれば、近接する二本の坑井8
2、83のそれぞれに可聴周波数帯域の電磁波を発射
し、それを受信する高精度3軸磁力計を備えた受信器8
0、81により、地下を透過する電磁波を解析するとい
うものである。すなわち、信号の発信源(発振コイル)
(図示外)と受信点(3軸磁力計)80、81の位置関
係を段階的に変化させて計測する測定方式(移動ソース
方式)である。
【0015】このような移動ソースの配置方法として
は、図1に示すようなクロスホール配置により、地表に
発信源を配置して所定の測定を行った。なお、この実施
例に使用したセンサとしては、後述の高精度3軸磁力計
を用いた。
【0016】この探査方法においては、比抵抗異常体の
電磁誘導により生じる2次場は、注入前と注入後の測定
電磁場の差として表わされるため、異常体の検出のため
には、この差が注入前の電磁場応答の大きさと比較し
て、測定装置に対して十分検出可能な大きさであること
が必要となる。
【0017】また、受信点を降下させる坑井88以外に
発信源を降下させる別の坑井87を用いて計測するた
め、図2に示すようなモデルを用いた。このモデルで
は、電解質溶液を注入する別途の坑井(図2では図示せ
ず)を設けて、この坑井から、電解質溶液を地下流体8
9に注入し、その流動現象の補足を試みた。
【0018】すなわち、坑口が200m離れた深度10
00mの2本の垂直坑井87、88のうちの片側87に
降下した垂直磁場ダイポール(VMD)90をソースと
して、もう一方の垂直坑井88において受信器91によ
り3成分の磁場を測定した。また、検出する異常体すな
わち電解質溶液(電解トレーサ)の比抵抗を1Ω・mと
し、両垂直坑井87、88の中間の深度(500m)の
地下流体89に注入されているとし、さらに、該電解質
溶液は、均質な母岩(50Ω・m)中で水平に広がり、
厚さ1m×横50m×縦50mの矩形状に滞留するもの
とし、VMDソース90の発生する磁場モーメントは、
3000A・m2として、周波数領域1〜1×105z
を計測計算を行った。
【0019】ソース90が深度500mに位置する場合
のレシーバ側の垂直磁場(2次場)の大きさ[nT]を
周波数と測定深度に対する分布を図3に示す。図中の縦
軸は、レシーバ深度[m]を、横軸は、周期[sec]
を示す。また、図3の上の分布図は2次磁場の同相成分
を、下の分布図は2次磁場の離相成分を示す。
【0020】次に、垂直磁場(2次場)の絶対値の最大
値を周波数に対してプロットしたものを図4に示す。さ
らに、図4上に地表電磁探査に用いる可聴周波数領域用
誘導磁力計(米国EMI社製型番BFー6)のノイズス
ペクトル密度[nT√Hz]を重ねた。ここで、コント
ロールソース方式の電磁誘導法においてソースの位相が
既知であれば、信号系は周期関数とみなせるため、フー
リエ変換はデルタ関数として扱える。この場合、磁力計
のノイズレベルに周波数依存性はなくなり、ノイズスペ
クトル密度と計算結果は直接比較できる。
【0021】この結果において、数10〜数1000
[Hz]付近では、検出される2次磁場の大きさは、磁
力計のノイズレベルに比較して十分に大きく検出可能な
ことがわかる。
【0022】一方、1次磁場に対する2次磁場の分解能
を検討するため、同じ計算結果での1次磁場に対する2
次磁場の比[%]を周波数に対してプロットしたものを
図5に示す。図5においては、高周波数側は、スキン深
度に達しており、数値の意味がないため、この図には示
していない。この図5から知り得るように、100[H
z]付近より低周波数側では、この分解能が数%以下と
なり、徐々に測定が困難になることが知り得る。また、
もし、電解トレーサたる電解質溶液により誘導される2
次磁場を1次磁場から分解する上での分解能の限界を5
%と仮定すると、このモデル条件では、300[Hz
から数1000[Hz]の範囲での測定ができることが
知り得る。
【0023】また、この結果をより有効に検証するた
め、次のようなモデルを用いてイメージ解析を行った。
このため、佐々木(1990)によるモデル計算を用い
たインバージョン技術方法を採用した。数値計算プログ
ラムとしては、Newmanet al.(1986)
による水平多層中の3次元比抵抗異常体の時間領域電磁
応答を扱う計算プログラムを周波数領域に展開したEM
3D(Newmanand Pellerin, 19
90)を基本にして、これにインバージョンアルゴリズ
ムを組み込んだ均一空間ないの矩形状比抵抗異常体を扱
うプログラムで、解法は積分法によるものを用いた(Z
hou(1990)による計算プログラムSHEET
S)。また、インバージョンの手法としては、Cons
table(1990)によるOccam’sインバー
ジョンの方法による収束を試みた。
【0024】このモデルとして、クロスホール断面は、
坑口が200[m]離れた2本の垂直坑井(深度100
0[m])93、94の片側93にVMDソース95を
配置し、もう一方の垂直坑井94の3軸磁場を計測す
る。
【0025】このようなクロスホール断面をターゲット
の比抵抗異常体を中心にX軸、Y軸両方向に十文字状に
配置したときの、ソース坑93のVMDソース95は、
100、300、500、700、900[m]のそれ
ぞれの深度に単独に配置して、レシーバ坑94の0〜1
000[m]間100[m]毎に3軸磁場を計測するも
のとした。
【0026】地下のモデルは、3層の水平層[表層(0
〜300[m]):100[Ω・m]、中間層(300
〜800[m]):50[Ω・m]、基盤層(800
[m]〜):500[Ω・m]]の中間層内に注入され
た電解質トレーサによる矩形状の比抵抗異常体(厚さ1
0[m]×横80[m]×縦80[m])のモデルとし
た。
【0027】すなわち、インバージョンにあたっては、
図6に示すように、この比抵抗異常体を中心とした横1
60[m]×縦160[m]の範囲を横8個×縦8個の
立方体セル(厚さ10[m]×横20[m]×縦20
[m])に分割してある。
【0028】また、この実施例に用いたソースとレシー
バの組み合わせを図7に示す。なお、坑井配置その他は
図6と同じであるので符号は省略する。また、モデルパ
ラメータを表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】計算は、理論モデル(1[Ω・m]の一様
な比抵抗をもつ80[m]×80[m]×10[m]の
立方体)に対して行った。コンバージョンテストに用い
た計算値は、2つのクロスホール、3つの周波数、5つ
のソース深度、10個のレシーバ点における3成分磁場
(2次磁場)である。その結果を図8に示す。図8の上
側が、理論モデルによるものである。そして、図8の下
側の図が、高精度3軸磁力計を使用した場合の図6に示
す測定計算結果である。
【0031】また、上記第1の実施例においては、クロ
スホール型地下トレーサ電磁誘導探査の実施例を示した
が、これは、一本の坑井(モノホール)に受信器を配置
する一方、これとは別途に地表に受信器をそれぞれ配置
し、さらに、この坑井内に電解質溶液(電解質トレー
サ)を投入し、自然磁場または外界からの電磁波によっ
て生じる可聴周波数帯域を利用し、坑井内の受信器の磁
場変動と、該受信器と地表に配置した前記受信器とのコ
ヒーレンシーをとり、その結果を解析して、地下構造を
解析するようにした「モノホール型地下トレーサ電磁誘
導探査」であってもよいものである。
【0032】また、上記第1および第2の実施例におい
ては、地下トレーサとして電解質溶液を地下に注入し
て、かつ、近接する二本の坑井の一方に可聴周波数帯域
の電磁波を発射し、他方の坑井に、それを受信する受信
器を備え、地下を透過する電磁波を解析する「クロスホ
ール型地下電磁誘導探査法」を行ったが、これは、一本
の坑井(モノホール)に発信器および前記高精度な3軸
磁力計よりなる受信器を吊り下ろし、発信器から可聴周
波数帯域の電磁波を発射し、地下における反射波を受信
器で補足し、これを解析する「モノホールタンデム型電
磁誘導探査法」としても、よいものであり、また、地下
トレーサとしての電解質溶液の注入がなくても、後述の
高精度3軸磁力計を用いて地下構造の解析を行うことが
できるものである。
【0033】この場合、地下において電磁誘導を誘起せ
しめる使用周波数として、可聴周波数帯域(数Hz〜数
万Hz)を使用し、測定方式として、周波数領域におけ
る(マルチ周波数)を使用し、測定センサとして、後述
の3軸磁力計を使用することとする。
【0034】また、同様に、他の実施例として、一本の
坑井(モノホール)に高精度の3軸磁力計を配置した受
信機を吊り下ろす一方、数十メートル四方の発信アンテ
ナを地表に配置し、この地表からの可聴周波数帯域の電
磁波を、前記モノホール内の受信器で補足するようにし
た「モノホール坑内型地下電磁誘導探査」も地下構造の
解析として検討できる。この場合も、前述したように地
下トレーサとしての電解質溶液を地下に注入してもよい
が、該電解質溶液に注入を行わなくても高精度な地下構
造の解析が可能となるものである。
【0035】次に、これらの実施例に使用される3軸磁
力計について説明する。図9は、3軸磁力計の実施例の
全体概略断面図であり、中心に直径25mmφ、長さ4
57mmの外径寸法を有し、μメタルコア11、11,
180回巻回された単一パイ巻き線(コイル)12、フ
ィードバック巻き線13からなる垂直磁力計が配置さ
れ、これら1組の単一パイ巻き線12およびフィードバ
ック巻き線13の両端には、仕切板14が、介在され
て、全体として、16個の単一パイ巻き線(コイル)1
2およびフィードバック巻き線13と、17個の仕切板
14から構成される垂直磁力計部2と、その両端にコア
3、#33AWG GAGE(0.2mmφ)の導線を
5000回巻いた主巻き線(メインコイル)4、フィー
ドバック巻き線(コイル)5、テフロンコイル端6、静
電シールド7、巻き線ターミナル8、巻き線端9、およ
び該主巻き線4、その他を前記コア3に係止するセット
ねじ10からなる二組のアレイ式水平磁力計用コイルエ
レメント1をそれぞれ両端に10個、合計20個、それ
ぞれ直交して配置し、全体として、全長1575mm長
の長さに構成したものである。
【0036】また、当該3軸磁力計のケーブル接続側に
は、地上との伝達ケーブルの接続用メイン出力コネクタ
15が配置され、それぞれ前記水平磁力計用エレメント
1の全体および垂直磁力計部2と接続され、それぞれ計
測された水平、垂直のX、Y、Zの各方向の磁場成分を
地上装置へ伝達する。
【0037】このように配置構成された3軸磁力計は、
前記アレイ式水平磁力計用コイルエレメント1が、複数
集合配置されて、上部水平磁力計用コイルエレメント部
100または下部水平磁力計用コイルエレメント部20
0を構成する。
【0038】前記上部水平磁力計用コイルエレメント部
100または下部水平磁力計用コイルエレメント部20
0の具体的配置は、該3軸磁力計が坑井内に吊り下げら
れたときに、X方向、Y方向の水平2方向の磁場成分の
測定が可能なように、互いに直交して配置構成される。
すなわち、各X軸方向に配列されたX軸アレイエレメン
トX1、X2、X3、X4、X5は、電気的には、それぞれ
直列に接続され、各Y軸方向に配列されるY軸アレイエ
レメントY1、Y2、Y3、Y4、Y5は、それぞれ、X軸
と直交する方向に配列され、かつ、これらのY軸アレイ
エレメントY1、Y2、Y3、Y4、Y5は、電気的に直列
に接続されている。
【0039】次に、本実施例に使用するBH35二重ア
レイ式3軸磁力計の電気的接続構成を説明する。
【0040】本実施例に使用する3軸磁力計は、Xおよ
びY成分の測定が可能なものであり、その電気的接続構
成は、図11ないし図13に示される。
【0041】図11は、BH35二重アレイ式センサの
結線概略図であり、X、Yの直交する二種類の水平直交
配列からなる水平配列センサX1、X2およびY1、Y
2と、垂直センサZを含む全センサシステムの結線図で
ある。
【0042】上述したように、各コイルエレメントを構
成する二重アレイ式センサは、固有のフィードバック巻
線5を有する各コイルエレメント1からなり、これらの
巻線5は、並列に接続されている。すなわち、X1およ
びY1は、共通のシールド線を有し、該受信システム
は、一または二のコネクタに連なり、各々が、一つのユ
ニットとして組み込まれている三つの構成からなる。
【0043】すなわち、図11においては、X1、Y
1は、受信ユニットの下部に設けられる直交した二種類
のアレイ式水平センサ1、1からなる下部水平磁力計用
コイルエレメント200であり、それぞれA、Bの各メ
インコイルおよびA、Bの各フィードバックコイルから
なり、それぞれコイルの開始端(START端)、同終
端(END端)およびシールド端(SHIELD端)に
接続されたコネクタ端子21を有する。
【0044】この下部の二種類のアレイ式水平センサX
1、Y1のうち、X1のBMAINは、Hx1のメインコイ
ルの出力端子であり、Y1のAFEEDは、Hy1のフィ
ードバックコイルの出力端子である。
【0045】同様に、X1のBFEEDは、Hx1のフィ
ードバックコイルの出力端子であり、Y1のAMAIN
は、Hy1フィードバックコイルの出力端子である。
【0046】このX方向、Y方向の直交した二種類のア
レイ式水平センサ1、1は、コネクタ20を介して、結
合シールド線31、32、33、34に接続される。
【0047】また、前記下部水平磁力計用コイルエレメ
ント部200と並列して前記垂直センサ部2が配置され
る。
【0048】この垂直センサ部2には、垂直Z方向のメ
インコイル出力Hzを出力する一種類のCメインコイル
(CMAIN)および同垂直Z方向の一種類のフィード
バックコイルの出力Hzを出力する同Cフィードバック
コイル(CFEED)のそれぞれの開放端、終端および
シールド端が、それぞれ前記下部水平磁力計用コイルエ
レメント部200に接続された結合シールド線31、3
2、33、34と共にコネクタ21に接続される。
【0049】このコネクタ21は、他方を別の結合シー
ルド線35、36、37、38、39、40に接続さ
れ、また、この結合シールド線35、36、37、3
8、39、40と並列に上部水平磁力計用コイルエレメ
ント部100の二種類の直交するD、Eの各コイルのメ
インコイルおよびフィードバックコイルが接続されてい
る。
【0050】すなわち、このコネクタ21を介した上部
水平磁力計用コイルエレメント部100は、下部水平磁
力計用コイルエレメント部200と同様にX2、Y2は、
受信ユニットの上部に設けられる直交した二組のアレイ
式水平センサ1、1からなる上部水平磁力計用コイルエ
レメント100であり、それぞれD、Eの各メインコイ
ルおよびD、Eの各フィードバックコイルからなり、そ
れぞれコイルの開始端(START端)、同終端(EN
D端)およびシールド端(SHIELD端)を有する。
【0051】この上部の二組のアレイ式水平センサ
2、Y2のうち、X2のEMAINは、Hx2のメインコ
イルの出力端子であり、Y2のDFEEDは、Hy2のフ
ィードバックコイルの出力端子であり、同様に、X2
EFEEDは、Hx2のフィードバックコイルの出力端子
であり、Y2のDMAINは、Hy2フィードバックコイ
ルの出力端子である。
【0052】これらのD、Eのそれぞれのコイルの開始
端(START端)、同終端(END端)およびシール
ド端(SHIELD端)および前記コネクタ21に接続
された結合シールド線25、36、37、38、39、
40は、シールド端を共通にし、接地される。
【0053】また、A、B、C、D、Eの各種類のエレ
メントコイルの出力トータルは、接続用メイン出力コネ
クタ15を介して、同軸ケーブル41〜50からなる検
層ケーブル60で地上装置に接続される。
【0054】上記を詳述すれば、最初のセクションは、
各10個のエレメントからなる直交する二つの水平アレ
イ式センサからなり(図9参照)、前記二つのアレイ式
センサは、センサの物理的大きさを最小にするため、互
いに網目状にを形成され、各コイルエレメント1は、直
交するアレイ式水平磁力計用コイルエレメント1の間で
の静電クロスカップリングを防止するため、シールド線
で結線された静電遮蔽7で遮蔽される。
【0055】すなわち、アレイ式水平磁力計用コイルエ
レメント1の巻線から終段ののコネクタへ連なる結線
は、接地ループが生じないように、特殊な手段で遮蔽さ
れ、これは、全ての遮蔽を開放された一端で開放するこ
とによってなされ、単一のコネクタ内の結合が、この最
初のセクションの終端が終端となるように構成される。
【0056】第2のセクションとして、垂直センサを含
み、最初のセクションからの全結線が、センサ表面を走
行する遮蔽ケーブル手段によって受信機本体の先端に向
って延びる構成を有する。第2のセクションは、最初の
二つの水平アレイ式センサと垂直センサの結合からなる
コネクタで接続される構成からなる。
【0057】第3の(上部)セクションは、第1のセク
ションが行ったと同じように二つの直交するアレイセン
サからなり、全ての5つのセンサに接続されるコネクタ
で終わりとなる。
【0058】さらに、全ケーブルは、単一の終端遮蔽で
完全に遮蔽される。
【0059】なお、本実施例に使用された3軸磁力計の
3つの受信システムからなる受信機ケース本体は、ポリ
カーボネイトプラスチック材質からなり、この材質の物
は、温度変化に対する高い寸法安定性を示し、容易に機
械仕上げができ、また、透明であるので、組立に際し、
配線検査を可能にする。
【0060】5台一組の増幅器受信システムに接続され
るこれらの増幅器の回路図は図12および図13に示さ
れる。
【0061】これらの増幅器は、4つの配列および垂直
センサが、正しく測定可能なように若干の変更が加えら
れている以外は、前記標準BF6に使用されたものであ
る。
【0062】また、図12は、本実施例において使用さ
れる水平センサユニットの増幅回路図であり、図13
は、同水平センサユニットの増幅回路図である。
【0063】本実施例に使用される3軸磁力計おいて、
その垂直センサユニットの増幅回路図は、同じ形のもの
を使用した。すなわち、メインコイルからの出力は、オ
ペアンプOPA111に入力され、DC TRIMによ
り、バイアス調整の下で第1段の増幅がされる。
【0064】第1段の増幅がされた後は、アンプLM3
56で第2段の増幅がされ、その結果が計算結果信号と
共にキャリブレーション用シグナル入力端子に接続され
たフィードバックコイルに帰還され(図11では、CF
EEDとして表されている。)、それと共に、もう一方
の第2段増幅の出力は、ゲイン調整の後、アンプLT1
012によってさらに増幅されて出力され、検層ケーブ
ル60を通じて地上に送られる。
【0065】図13の増幅回路においては、A、B、
D、Eの各メインコイルからのXおよびYの直交する水
平二方向の水平磁場成分Hx1〜HxnおよびHy1〜Hyn
出力は、図12の増幅回路同様、オペアンプOPA11
1に入力され、DC TRIMのバイアス調整の下で第
1段目の増幅がされ、第1段の増幅がされた後は、図1
2の増幅回路と同様にアンプLM356で第2段の増幅
がされ、その結果が、図12の回路と同様に、キャリブ
レーション用シグナル入力端子に接続された各フィード
バックコイルに帰還され(同様に、図11では、A F
EED、B FEED、D FEED、E FEEDと
して表されている。)、それと共に、もう一方の第2段
目の増幅アンプ(LM365)の出力は、ゲイン調整の
後、アンプLT1012によってさらに増幅されて、各
エレメントコイルのトータルの水平二方向成分として出
力され、検層ケーブル60を通じて地上に送られる。
【0066】この実施例に使用される3軸磁力計は、次
のような特徴を有する。
【0067】1)二つの配列から二つの信号が集計され
ると、均一磁界の自然対数の√2の要素によって感度が
上昇し、この構成の水平センサは、受信システムの中心
で中心を持つことになり、したがって、垂直センサの中
心と一致することになる。
【0068】2)地表で5つの信号の解析が可能となる
ので、送信磁界の水平勾配もまた計測することができ
る。
【0069】上記の構成の3軸磁力計(水平2方向、垂
直1方向)について、水平磁場磁力計、すなわち、内径
3.5インチのツール内部に格納できる単軸型の小型コ
イル単体の感度を向上し、SN比に強い水平磁場磁力計
とすると共に、複数の上記コイルをアレイ式に連結した
全体の感度を向上させ、連結した全体においてもSN比
の強い水平磁場磁力計となる。
【0070】次に、本実施例に使用する3軸磁力計につ
いて、坑井内の検層システムから地表までのデータ伝送
系の改善のために、その検討を行った。
【0071】本実施例に使用される3軸磁力計のデータ
伝送方式は、周波数領域を扱うため、データ伝送系、特
に、磁力計と地上を結ぶ検層ケーブルにおける信号の減
衰を考慮して、坑井内で信号を増幅して地表まで時系列
データとして伝送する(アナログ転送)か、あるいは坑
井内でデータ処理を行い、周波数に対するスペクトルで
伝送する(デジタル転送)かを決定した。
【0072】坑井内から地表までは、検層ケーブルを用
いてデータを送信する。したがって、検層ケーブルの伝
送特性を知ることは、データの送信レート(周波数)を
決定する上で重要である。
【0073】検層ケーブル間での各種の雑音混入を想定
した場合、坑井内で測定データを増幅・数値化(デジタ
ル化)した上で、検層ケーブルを通じて地表に伝送する
ことが精度向上の上から望ましい。
【0074】したがって、伝送径については、デジタル
転送を採用することとして坑井内の電子回路構成を選定
した。
【0075】このように坑井内で計測されたデータを測
定器内部で増幅・デジタル化して地表に送信するため
に、信号のマルチプレクシング(信号多重化)をするこ
とが好ましい。
【0076】このマルチプレクシングに際し、坑井内で
測定される磁場データとそれ以外に送信する情報は下記
のとおりである。
【0077】(1)磁場(x成分)同相 (2)磁場(x成分)離相 (3)磁場(y成分)同相 (4)磁場(y成分)離相 (5)磁場(z成分)同相 (6)磁場(z成分)離相 (7)発信コイルの電流値 (8)x軸(絶対軸)に対する偏角 (9)y軸(絶対軸)に対する偏角 (10)z軸(絶対軸)に対する偏角 (11)電子装置内温度 (12)コイル部温度=坑内温度(温度補正用)
【0078】この12種類のデータを送信する標準的な
マルチプレクサは、16チャンネルである。
【0079】したがって、4チャンネルを、将来、他の
データを追加した場合の予備と考えて、16チャンネル
のマルチプレクシングを行えるように構成した。
【0080】また、このような坑井内でのデジタル化の
ために、坑井内装置に同期検波回路とアナログ/デジタ
ル変換器・制御用マイクロプロセッサを使用した。
【0081】同期検波回路(Synchrounous
Detection, S.D.)については、MF
Tによる人工交流磁場の変動を計測できる、3軸成分各
成分から同期検波装置で測定信号の振幅と位相が求めら
れるものでなければならないから、その構成は、次のよ
うなものでなければならない。
【0082】すなわち、検出される2次磁場の信号は、
同相成分(1次磁場と同位相になる成分)と離相成分
(1次磁場と90゜の位相差をもつ成分)に分けて考え
ることができ、本実施例装置では、1次磁場(信号源)
の周波数と位相が既知である点を利用して、周波数と位
相が既知の信号の振幅を測定するロックイン増幅器(l
ockーin amplifer)の1種を用いて、信
号を同相成分と離相成分に分離して測定する方式を採用
した。
【0083】同期検波回路は、同調増幅器(ロックイン
増幅)と位相敏感検波器(ヘテロダイン変換)を組合せ
て用いる。
【0084】具体的には、狭帯域で高い増幅度の同調増
幅器を用いてヘテロダイン変換した後に時定数の長い低
域通過フィルタを通すことにより微弱信号を検出する。
【0085】その概念図を図20に示す。
【0086】図20に示した概念図の内容を概念的に数
式で示すと、入力信号Asin(ωt+э)(Aは、振
幅、ωは角速度、эは、位相)に対して、同周期のコサ
イン波を掛合わせて、次式で表される。
【0087】
【数1】
【0088】さらに、2×2πωの周波数を除去するよ
うな低域通過フィルタを通すことで、次式のように表す
ことができる。
【0089】
【数2】
【0090】したがって、この式により、同相成分が分
離できる。
【0091】同様に、離相成分では、同周期のサイン波
を掛け合わせて、次式により表すことができる。
【0092】
【数3】
【0093】さらに、2ωtの周波数を除去するような
低域通過フィルタを通すことにより、その結果は次式で
表される。
【0094】
【数4】
【0095】したがって、これにより、離相成分が分離
できる。
【0096】最終段の機器の低周波数領域を補正する受
信電子装置を構成し直す等の再検討を行い、10Hz
りさらに低い周波数領域での伝送を検討した。
【0097】このより低い周波数領域での伝送では、同
期検知モードは使用せずに、高解像度のアナログからデ
ジタルコンバータを用いてデータ採取が可能であった。
【0098】さらに、このことは、多くのまたは少しの
変更もハードウエアに加えることなく、単に受信ソフト
ウエアを変更することによって時間領域や周波数領域機
器として機能する構成を容易に変更し、加えて、矩形波
や、三角波、正弦波、疑似乱数的二値信号のような使用
される種々の伝送波形全てのサンプルされた時点をソフ
トウエアで実行することにより、積み重ねられる多くの
柔軟な結果を通して、従来から連続してサンプリングさ
れたものを使用することに対し、それに追加できるとい
うメリットがある。
【0099】この装置は、信頼性、精密性および低電力
消費の受信電子装置部品であり、低電力消費は、この機
器の高温度型の発熱を最小にするのに、最良のものと認
められる。
【0100】同期検知の代りにサンプルされた時間領域
処理に変更することは、受信電子装置の多くの再設計に
必須のものである。
【0101】
【発明の効果】この結果から明らかなように、本実施例
にかかる地下電磁探査方法によれば、外径3.5インチ
のツール内部に格納できる単軸型の小型コイル単体の感
度を向上させ、SN比に強い水平磁場磁力計とすると共
に、複数のコイルをアレイ式に連結し、全体としての感
度を向上させ、SN比の強い水平磁場磁力計を改良し、
この改良に係る3軸磁力計(以下、「タンデム型3軸磁
力計」という。)を用いて、前記モノホ−ル型およびク
ロスホ−ル型探査法において、地下電磁誘導探査を実施
して、可聴周波数帯域の磁場変化を捕捉させるようにし
たので、遠方100mから1000mに達する領域まで
、高精度に地下構造の解析を行うことができ、また
全長3インチの複数の単軸インダクションコイル(以
下、「コイルエレメント」と称する。)を水平方向に直
交する方向X軸方向、Y軸方向に交互に組合せて配列し
た3軸磁力計を用いて、それぞれモノホ−ルおよびクロ
スホ−ルにおいて、高精度な地下電磁誘導探査を可能に
することができる。
【0102】また、アレイ式水平磁場センサを用いた
X、Y成分磁力計において、上記アレイ式垂直磁力計を
挟んで上下に2組のアレイ式水平磁力計を配置し、X、
Y成分磁力計のクロスカップリングを改善し、また、Z
成分垂直磁力計を上記のようにアレイ式垂直磁力計とす
ることにより垂直磁力計単体の感度、SN比を向上させ
ると共に、これらの配置構成を通じて、3成分磁力計全
体のクロスカップリング、感度、ノイズレベルを調整し
て、3軸磁力計の感度を向上させ、SN比を上げ、これ
によって、上記モノホール型およびクロスホール型地下
電磁誘導探査を高精度に実施できるようにしたので、石
油、地熱等の深部探査を十分に行うことができる。
【0103】さらに、本発明では、水平磁場磁力計を内
径3.5インチのツール内部に格納できる単軸型の小型
コイル単体を、その感度を向上させ、SN比に強い水平
磁場磁力計ユニットとして構成すると共に、上記コイル
エレメントをアレイ式に複数個連結し、全体としてもコ
イル感度を向上させると共に、垂直磁力計についても、
感度を向上させ、SN比の大きい垂直磁力計を達成し、
さらに、この垂直磁力計を複数個と、また、前記水平コ
イルエレメントを複数個組み込んで、かつ、この複数個
からなる水平コイルエレメントを前記垂直磁力計の両端
に配置し、X、Y成分磁力計のクロスカップリングを調
整し、さらに、Z成分磁力計単体の感度、SN比を向上
させ、3成分磁力計全体のクロスカップリング、感度、
ノイズレベルを校正して、3軸磁力計全体として、感度
の向上、SN比が向上させた高感度、高精度なアレイ式
3軸磁力計(水平2方向、垂直1方向)を用いて、クロ
スホールまたはモノホール型電磁誘導探査法を実施でき
るので、極端に大きい、あるいは小さい異常値セルを作
ることなく、安定した収束性を示す地下解析を行うこと
ができる3軸磁力計を用いたので、クロスホール型地下
探査を始めとする種々の地下探査において、一通りの解
が自動的に得られることから、解析に錯誤が起こりにく
いという利点があり、従来にない優れた精度で地下トレ
ーサ探査やこれを用いない探査においても、高精度に地
下構造の解析を行うことができる。
【0104】また、地下誘導探査法アレイ式3軸磁力計
からのデータ伝送装置において、坑井内検層プローブか
ら地表にデータを伝送するに際し、最良の伝送方式を選
定すると共に、地表からツールへ制御命令を送信する際
の送信方式に関し、マルチプレクシング(信号多重化)
のため総合したチャンネル数を確保できるようにし、ま
た、これに伴う坑井内電子装置の同期検波回路、アナロ
グ/デジタル変換器、制御用マイクロプロセッサを適宜
適切なものに構成したので、極めてデータ減衰の少ない
データ伝送系を達成することができ、クロスホール型地
下探査を始めとする種々の地下探査法において、優れた
効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、電解質溶液を注入した「クロスホール
型地下トレーサ電磁誘導探査法」を示す図である。
【図2】図2は、受信点を降下させる坑井88以外に発
信源を降下させる別の坑井87を用いて計測するための
モデル図である。
【図3】図3は、ソース90が深度500mに位置する
場合のレシーバ側の垂直磁場(2次場)の大きさ[n
T]を周波数と測定深度に対する分布図である。
【図4】図4は、垂直磁場(2次場)の絶対値の最大値
を周波数に対してプロットした図である。
【図5】図5は、1次磁場に対する2次磁場の比[%]
を周波数に対してプロットした図である。
【図6】図6は、電解質溶液が注入された地下の比抵抗
異常体を中心として横160[m]×縦160[m]の
範囲を横8個×縦8個の立方体セル分割して表わしたモ
デル図である。
【図7】図7は、この実施例に用いたソースとレシーバ
の組み合わせ図である。
【図8】図8は、理論モデルに対して行ったコンバージ
ョン結果図である。
【図9】図9は、本発明に係る3軸磁力計の実施例の全
体概略断面図である。
【図10】図10は、前記アレイ式水平磁力計用コイル
エレメント1が、複数集合配置されて構成される上部水
平磁力計用コイルエレメント部100または下部水平磁
力計用コイルエレメント部200の該略図である。
【図11】図11は、本発明の実施例の二重アレイ式セ
ンサの電気的接続構成図である。
【図12】図12は、本実施例において使用される垂直
センサユニットの増幅回路図である、
【図13】図13は、同水平センサユニットの増幅回路
図である。
【図14】図14は、10個のコイルエレメントのアレ
イによるトータル感度を測定するための試験装置概要図
である。
【図15】図15は、本実施例の水平成分測定装置の他
の例である。
【図16】図16は、図14に示した装置を用いて、発
生した磁場をソレノイドコイルにより測定してその測定
結果のキャリブレーションによって得た磁場10Hz
3000Hzの周波数帯域でアンプリチュードと位相の
特性図である。
【図17】図17は、水平・垂直両磁力計の対周波数で
のノイズレベル分布図である。
【図18】図18は、検層ケーブル試験装置を示す図で
ある。
【図19】図19は、図18に示した装置により求めら
れた入力信号と伝達関数(V2/V1)をスペクトル分析
器を用いて測定した結果図である。
【図20】図20は、同期検波回路(SD)の概念図で
ある。
【図21】図21は、本実施例に係る受信装置のチャン
ネル マルチプレクサの構成概略図である。
【図22】図22は、理想的16ビットコンバータの波
形とCS5102コンバータの実測反応波形との比較図
である。
【符号の説明】
1・・・アレイ式水平磁力計用コイルエレメント 2・・・垂直磁力計 3・・・コア 4・・・主巻き線 5・・・フィードバック巻線 6・・・テフロンコイル端 7・・・静電遮蔽 8・・・巻線ターミナル 9・・・巻線端 10・・・セットねじ 11・・・μメタルコア 12・・・単一パイ巻き線 13・・・フィードバック巻き線 14・・・仕切板 15・・・接続用メイン出力コネクタ 19・・・出力端 20・・・コネクタ 21・・・コネクタ 31〜40・・・結合シールド線 41〜50・・・同軸ケーブル 60・・・検層ケーブル 71・・・5成分電子装置 72・・・スペクトル分析器 73・・・テスト磁界測定用参照コイル 74・・・送信機および送信コイル 80、81・・・受信器 82、83・・・坑井 84・・・電解質溶液 85・・・注入坑井 86・・・地下流体 87、88・・・坑井 89・・・地下流体 90・・・垂直磁場ダイポール(VMD)ソース 91・・・受信器 93、94・・・垂直坑井 95・・・VMDソース95 100・・・上部水平磁力計用コイルエレメント部 200・・・下部水平磁力計用コイルエレメント部 BH35・・・受信センサ H・・・磁場 OPA111・・・オペアンプ LM356・・・第2段増幅オペアンプ LT1012・・・第3段増幅オペアンプ R・・・受信コイル S・・・感度 T・・・送信コイル V・・・標準プロトコール X・・・X軸アレイエレメント Y・・・Y軸アレイエレメント Z・・・垂直センサ μ・・・実行透磁率
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−205787(JP,A) 特開 昭64−69979(JP,A) 特表 平2−504071(JP,A) 特公 昭62−39946(JP,B2) 物理探査学会「図解 物理探査」第3 刷(平成4−6−1)p.76 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01V 3/08 G01R 33/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定点に掘削された複数の坑井のうちの
    一本の坑井(モノホ−ル)内から電解質を含んだ粒状体
    (電解質トレ−サ)を投入して該坑井に開口した地下亀
    裂に流入させ、この電解質トレーサに、前記1本の坑井
    に近接して掘削された坑井内または前記受信器が吊り下
    ろされた坑井と同じ坑井内に吊り下ろされ、あるいは、
    該測定坑近辺の地表に配置された数十メートルないし数
    百メートル四方の発信アンテナを有する発信器から可聴
    周波数帯域の電磁波を発射し、これを、前記測定坑井内
    に吊り下ろされる中心に配置されたμメタルコア、単一
    パイ巻き線(コイル)、フィードバック巻き線からな
    り、前記単一パイ巻き線と前記フィードバック巻き線の
    1組の両端は、仕切板が、介在し、全体として、それぞ
    れ16個の単一パイ巻き線(コイル)およびフィードバ
    ック巻き線とで、全体として17個の仕切板から構成さ
    れ垂直磁力計コイルエレメントと、その両端に配置され
    たそれぞれ10組のコイルコア、主巻き線(メインコイ
    ル)、フィードバック巻き線(コイル)、テフロンコイ
    ル端、静電シールド、巻き線ターミナル、巻き線端、前
    記主巻き線他を前記コイルコアに係止するセットねじと
    からなるアレイ式水平コイルエレメントを有する3軸磁
    力計を具備する受信器により捕捉し、その比抵抗変化を
    検出することにより、地下亀裂状態を確認することを特
    徴とする地下電磁誘導探査法。
  2. 【請求項2】 測定点に掘削された複数の坑井のうちの
    一本の坑井(モノホ−ル)内から電解質を含んだ粒状体
    (電解質トレ−サ)を投入して該坑井に開口した地下亀
    裂に流入させ、この電解質トレーサが自然磁場または外
    界からの電磁波によって生じる可聴周波数帯域の磁場変
    動を捕捉させ、これを該坑井内に吊り下ろされる中心に
    配置されたμメタルコア、単一パイ巻き線(コイル)、
    フィードバック巻き線からなり、前記単一パイ巻き線と
    前記フィードバック巻き線の1組の両端は、仕切板が、
    介在し、全体として、それぞれ16個の単一パイ巻き線
    (コイル)およびフィードバック巻き線とで、全体とし
    て17個の仕切板から構成され垂直磁力計コイルエレメ
    ントと、その両端に配置されたそれぞれ10組のコイル
    コア、主巻き線(メインコイル)、フィードバック巻き
    線(コイル)、テフロンコイル端、静電シールド、巻き
    線ターミナル、巻き線端、前記主巻き線他を前記コイル
    コアに係止するセットねじとからなるアレイ式水平コイ
    ルエレメントを有する3軸磁力計を具備する受信器と、
    この受信器と同一プローブ内に設けられた伝送装置およ
    びこの受信器とは別途に地表に配置される受信器とによ
    り、坑井内の受信器の可聴周波数帯域の磁場変動と地表
    に配置した前記受信器とのコヒ−レンシ−をとることに
    よって地下亀裂状態を確認する地下電磁誘導探査法。
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