JP2852117B2 - 土壌汚染物質の二相真空抽出方法及び装置 - Google Patents

土壌汚染物質の二相真空抽出方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、土壌から化学汚染物質を除去する方法及び
装置に関し、特に、液相及び気相の汚染物質を除去する
のに真空を利用するようなプロセスに関する。本発明
は、土壌から揮発性有機コンパウンドを除去し、連
続的に且つ同時に、処理された土壌の回復を行い、そし
て、地下水と懸濁又は溶解汚染物質とを揚水するため
の方法及び装置に関する。
汚染物質は、不連続の物質として、並びに地下水及び
土壌ガスと混在して及び/又はそれらに溶解して、地下
の土壌内に液相又は気相の形で存在する。本発明による
方法及び装置によって処理するかかる汚染物質は、地表
面と地下水面との間に存在する通気帯(非飽和層)に、
通気帯と地下水面との境界面に、そして、地下水面下方
の飽和層において発見される。
(従来技術) 多くの商工業施設において、或いは廃物処理及び廃棄
場所において、土壌及び地下水は、懸濁化学物質若しく
は水溶性化学物質、又はそれらの双方によって汚染され
る。
種々の技術が、土壌汚染物質の除去及び汚染土壌の回
復のために使用されてきている。1つの共通の技術は、
井戸穴の穿孔と土壌のオフサイト処理とを含んでいる。
他の技術として、原位置で、汚染された土壌に水を飽和
させ、汚染物質を水によって土壌からゆっくりと漉し出
し、しかる後、この汚染された水を除去する。
真空抽出によって、土壌から揮発性有機汚染物質を除
去するための技術も、また提供されている。例えば、米
国特許第4、323、122号においては、地下水面のレベル
に設けられた井戸穴に真空を付与するという技術が提供
されている。この場合、例えば、水よりも軽いガソリン
等の汚染物質は地下水面上に浮遊し層を形成すると共
に、地下水面のレベル又はその付近に位置する液体に真
空を付与すればその液体を抽出できるという前提にたっ
ている。
他の技術は、地下水面上の土壌(通気帯)に通気を行
い、土壌中の汚染物質を蒸発させ、しかる後、気相の汚
染物質を抽出する可能性について提案している。即ち、
従来の真空抽出システムは、真空を付与して通気帯の清
浄を行うべくデザインされたもので、空気を土壌を通し
て、さらに地下水面より下方には延びていないスクリー
ンを有する井戸を通して抽出する。そのような従来のプ
ロセスにおいて、処理を必要とする地下水は、別の揚水
井戸からポンプにより汲み上げて除去する。水が真空抽
出井戸に流れ込むような場合には、井戸内に又は地表面
に第二の液体ポンプを設置し、第二の導管を通して水を
除去することが示唆されている。
(発明が解決しようとする課題) 即ち、従来は、揚水井戸を所定の位置に真空抽出井戸
とは別個に且つ離れて設置することが必要であり、真空
発生装置に加えて水ポンプが必要となる。二相真空抽出
を採用した本発明によれば、単一の真空装置が、井戸ケ
ーシングによって構成される単一の導管を通して、水及
び土壌ガス内の汚染物質を除去する。
(課題を解決するのための手段) 本発明は、汚染物質が典型的に通気帯及び地下水面の
下方に存在するような土壌から汚染物質を二相真空抽出
する方法及び装置に関する。
本発明の汚染物質抽出装置は、地下の汚染領域から揮
発性の汚染物質を抽出する装置であって、地表面から下
方に地下水面の下方の位置まで延びる抽出井戸であっ
て、この抽出井戸が孔付き汲上げパイプを備え、この汲
上げパイプの少なくとも幾らかの孔が地下水面の下方に
位置する抽出井戸と、地表面から少なくとも通気帯内に
下方に延び且つ抽出井戸から離れている少なくとも一つ
の空気注入井戸と、抽出井戸のまわりの減圧帯を形成
し、抽出井戸内に土壌ガスと同伴液体を吸引し、さら
に、これらの土壌ガスと同伴液体を共通二相流れとして
地表面に搬送する真空手段であって、この真空手段が孔
付き汲上げパイプと流体が移動できるように通じている
真空手段と、この共通流れを受け入れ且つこの共通流れ
を別々のガス流れと液体流れに分離する手段と、このガ
ス流れを受け入れ且つこのガス流れから残留液体を抽出
する手段と、ガス流れと液体流れから残留液体を受け取
る手段と、この残留液体から汚染物質を抽出する手段
と、を有することを特徴としている。
また、本発明の汚染物質抽出装置は、地下水面とその
上方の通気帯とを有する地下の汚染領域から汚染物質を
抽出する装置であって、地表面から下方に地下水面の下
方の位置まで延びる孔付き汲上げパイプであって、この
汲上げパイプの少なくとも幾らかの孔が地下水面の下方
に位置する汲上げパイプと、抽出井戸のまわりの減圧帯
を形成し、抽出井戸内に土壌ガスと同伴液体を吸引し、
さらに、これらの土壌ガスと同伴液体を共通二相流れと
して地表面に搬送する真空手段であって、この真空手段
が上記孔付き汲上げパイプと流体が移動できるように通
じている真空手段と、共通流れを受け入れ且つこの共通
流れを別々のガス流れと液体流れに地上で分離する手段
と、を有することを特徴としている。
さらに、本発明の汚染物質の二相抽出方法は、地下の
汚染領域から汚染物質を二相抽出する方法であって、汚
染領域は地下水面とその上方の通気帯とを有し、汚染物
質が通気体内で地下水面の下方に存在する汚染物質の二
相抽出方法において、汚染領域の所定の位置に井戸穴を
穿設する工程と、孔付き汲上げパイプの少なくと幾らか
の孔が地下水面の下方に位置するように、井戸穴に孔付
き汲上げパイプを挿着する工程と、土壌ガス及び同伴液
体を孔付き汲上げパイプ内に吸引し且つ共通流れとして
地表面にガス及び液体の双方を搬送するように、孔付き
汲上げパイプに真空を付与する工程と、共通流れから、
主として液体であると主としてガス状である流れとを形
成する工程と、分離された液体流れと気体流れを別々に
処理する工程と、を有することを特徴としている。
(作用) 処理された水は土壌に戻されるか、或いは従来方法に
よって処分される。本発明の一実施例(発明を実施する
うえでのベストモードを構成する)によれば、井戸ケー
シングは地下水面下方から非飽和層(通気帯)内まで上
方に延びる孔(スクリーン)付として形成されている。
非飽和層とは、自然の地下水面上方に位置する自然の通
気帯、又は揚水井戸を通しての地下水の汲み上げによる
局地的地下水面の低下によって生じる拡張された“人工
的”通気帯を含む。スクリーンが通気帯内にまで延びる
ようにしてスクリーンを設置し、それにより、通気帯内
の汚染物質を含む土壌ガスを真空発生機の影響下で井戸
内に抽出できるようにする。ガスは液体を包含してお
り、従って、両相は共通流体として一緒に地表面に搬送
されることが分かっている。地表面において、二相は、
蒸気−液体分離容器、例えば、遠心分離器、ノックアウ
ト容器、その他の適当な装置によって分離される。分離
後、両相は、別々に、更に処理を行って汚染物質を除去
するための適当なシステムに送られる。汚染物質除去プ
ロセスとしては、過、吸収、空気ストリッピング、沈
降、凝集、降水、スクラッビング等がある。
他の実施例においては、処理井戸は、たとえ水の汲上
げによって局地的地下水面の低下があるような場合であ
っても、スクリーンが常に地下水面下に位置するように
構成することもできる。そのような構成では、地表面に
搬送される流体は液相が主として存在することになる。
それでも、地表面における液相−気相分離及び別個の相
処理は必要であり、これにより、真空装置の吸入側にお
ける乱流及び圧力低下に対応する。
本発明に係る土壌汚染物質の二相真空抽出方法及び装
置は、必要とされる装置を減少させ且つ地下水回収率を
向上させることにより、従来の土壌/地下水回復真空抽
出技術を改善している。従来技術と異なって、複数の揚
水井戸及び抽出井戸とは別個のポンプは必要としない。
単一の真空装置が、単一の導管を用いて、液相及び気相
の両相の汚染物質を除去する役割を果たす。
(実施例) 以下、図面を用いて、本発明の土壌汚染物質の二相真
空抽出方法及び装置について詳細に説明する。
第1図を参照すると、本発明に係る二相真空抽出処理
システム10が概略的に図示されている。第1図におい
て、揮発性汚染物質源12は、通気帯(非飽和層)の土壌
16内に吸収された又は懸濁された汚染物質からなる円錐
状部分14を形成する。円錐状部分14を作り上げる汚染物
質は、地下水面18に向って下方に浸透又は過される。
水よりも軽く且つ溶解しない汚染物質20は、地下水面上
に浮遊する。一方、可溶性汚染物質及び水よりも軽い自
由相汚染物質は、地下水面18下方の水柱22内に向って下
方に浸透し、水よりも重い自由汚染物質24は、不透水層
26内に向って下方に浸透する。
後述する抽出井戸28は、円錐状部分14の領域内から通
気帯、さらに地下水面18の下方まで延びている。抽出井
戸28から離れて、後述する複数の空気導入井戸30が穿設
されている。空気導入井戸30は、円錐状部分14の周縁に
沿って離間して設置することが最も好ましい。円錐状部
分14及び抽出井戸28に対する空気導入井戸30の数及び間
隔は、円錐状部分14のサイズ、汚染物質及び処理される
べき土壌の透水性に依存する。
抽出井戸28に関連して、真空抽出システム32が設置さ
れている。真空抽出システム32により除去されたガス
は、許容環境規制値以内であればそのまま位置34から環
境に排気され、或いは消却、凝縮器の通過、顆粒状活性
炭素による過、その他の要素36による処理をさらに行
なわれる。要素36は、抽出ガスから汚染物質を除去する
役割を果たす。このプロセスによって抽出された水は、
従来の金属除去システム、揮発性有機コンパウンド除去
システム、その他の浄化工程を行うことによって処理さ
れる。処理され且つ浄化された水は、この段階で十分に
清浄されていれば、位置38において下水に、又は直接地
中に戻すことができる。汚染物質は、最終的な破壊又は
さらに行われる処理のためにドラム缶40に貯蔵される。
第3図を参照して、抽出井戸28について詳細に説明す
る。図示された実施例においては、抽出井戸28は、汲上
パイプ44を挿着する細長い井戸穴42を有している。汲上
パイプ44は、無孔の上側部分46と有孔(スクリーン状)
の下側部分48とを有している。1つの実施例において
は、汲上パイプ44は直径4インチ(10cm)のPVC製で底
部が閉塞されており、またスクリーンは0.010インチ
(0.25mm)の孔からなっている。1つの実施例において
は、汲上パイプ44は長さ約20フィート(6.19m)で、下
側の15フィート(4.57m)はスロット付き下側部分48か
らなっており、また上側の5フィート(1.52m)は無孔
の上側部分46からなっている。汲上パイプ44の上端はコ
ンクリート製の床又はデッキに接続されており、適当な
パイプ取付手段52が設けられている。このパイプ取付手
段52により、汲上パイプ44は真空抽出システム32(第3
図において図示されていない)の残りの部分に流体的に
接続可能となっている。汲上パイプ44の上側部分46はベ
ントナイトセメント等の低透水性のグラウト54によっ
て、また、グラウト54の下方はベントナイトシール56に
よって取囲まれている。汲上パイプ44のスロット付き下
側部分48及び上側部分46の一部を取囲む井戸穴42の領域
には、周囲の土壌から汲上パイプ44内にガス及び液体が
容易に流れ込むように、微細な砂が詰め込まれている。
本発明の好ましい実施例においては、抽出井戸28は、ス
クリーン状の下側部分48が地下水面の下方から通気帯内
まで上方に延びるように構成されている。スクリーン状
の下側部分48が延在する通気帯は、自然な地下水面18の
上方の領域又は拡張された人工的通気帯である。この人
工的通気帯は、抽出井戸28を通して地下水を長期間汲上
げることにより、第3図において参照番号18′として示
されているように、地下水面が局地的に低下することに
よって発生する。上述したように、汲上パイプ44のスク
リーンの下側部分48を設けたことにより、土壌ガス(気
相)は、液相を包含しつつ真空抽出システム32によって
作り出される真空の下で井戸内に吸引される。従って、
液相及び気相の両相は、一緒に地表面に搬送される。上
述したように、地表面において、これら両相は、分離さ
れ別々に処理される。
代わりに、下側部分48が完全に浸漬するように、即ち
真空抽出システム32の影響下で帯水層から水を抽出した
後であっても、下側部分48が自然の又は実際の地下水面
下に位置するように、抽出井戸28を構成することができ
る。後者の場合、地表面まで搬送される流体は、液相が
大部分を占めることとなる。
第4図を参照する、空気導入井戸30の一例が図示され
ている。空気導入井戸30は、パイプ60を挿着する井戸穴
58からなっている。1つの実施例におけるパイプ60は直
径4インチ(10cm)のPVC製で底部が閉塞されており、
またスクリーンは0.010インチ(0.25mm)の孔からなっ
ている。パイプ60の上端縁は、地表面64まで延びるセメ
ント製カラー62によって取囲まれている。所望によって
選択的に注入井戸を覆う又はカバーするため、適当なキ
ャップ又はカバー68がカラー62に関連して提供されてい
る。井戸穴58内のパイプ60の中間部は、パイプ60と井戸
穴58との間に気密シールを提供するベントナイトスラリ
72によって取囲まれている。パイプ60のスロット付き下
側部分74は、気体が透過可能なように詰め込まれた砂76
によって取囲まれている。明らかなように、パイプ60
は、円錐状部分14を取囲む領域に容易に空気を注入させ
ることができる。
第2図を参照して、真空抽出システム32並びに抽出さ
れた物質を処理するプロセス及び装置について詳細に説
明する。第2図を参照すると、電動モータ80によって駆
動される真空ポンプ78は、パイプ82、ノックアウト容器
84及びパイプ86を介して抽出井戸28に流体的に接続され
ている。ノックアウト容器84は従来周知のものとするこ
とができる。
ノックアウト容器84は抽出井戸28から排出された二相
流体を分離し、それらが次の適当なプロセスを受け得る
ようにする役割を果たす。この点に関し、液状の流体を
過工程及びストリッピング工程を通して導くためのパ
イプ88が、ノックアウト容器84に関連して設けられてい
る。図示された実施例では、この過工程は、並列設置
されたバッグフィルタ90、92によって提供されている。
これらバッグフィルタ90、92は、従来法のように、交互
に又は同時に使用可能である。遮断バルブ(図面の理解
のし易さのために省略されている)によって、バッグフ
ィルタ90、92は分離されており、各バッグごとに除去、
清掃、交換可能となっている。バッグフィルタ90、92の
負荷を示すため、その吸入側及び排出側に適当な圧力ゲ
ージを設置することができる。1つの実施例において
は、バッグフィルタ90、92として、150psi(10.5kg/c
m2)で222gpm(840/分)の通過が可能である、ロー
ズデール プロダクツ社製の50ミクロンのナイロンフィ
ルタを使用した。他の同様な分離技術及び装置も使用可
能である。
耐蝕性を有するポンプ、好ましくは単段順送りキャビ
ィティ(ネジ)型のポンプ94は、ノックアウト容器84の
液相の流体を吸引しつくす役割を果たす。適当なポンプ
の一例として、ペンシルバニア州エクソンのネッツ社の
ネモ ポンプ事業部製モデルNe−30Aがある。他の適当
な装置も、また使用可能である。
図示された実施例では、液相はポンプ94からパイプ96
を通って空気ストリッパアセンブリ98に送られる。この
空気ストリッパアセンブリ98の機能は、流水から揮発性
有機コンパウンドを除去することである。空気ストリッ
パアセンブリ98に関連して設置されたブロワ100は空気
ストリッパアセンブリ98のハウジングを通して暖かい空
気を供給し、揮発性有機コンパウンドを換気口102を通
して大気に又は他の処理施設(図示されていない)に搬
送する。搬送ポンプ104は、他の処理のために空気スト
リッパアセンブリ98の液溜め槽から、パイプ106を通し
て、液体を搬送する。搬送ポンプ104は、空気ストリッ
パアセンブリ98に関連して設置された低レベルスイッチ
108に応答して遮断することができる。空気ストリッパ
アセンブリ98に関連して設置された高レベルスイッチ11
0は、空気ストリッパアセンブリ98内の高水面に応答し
てポンプ94を制御する。空気ストリッパアセンブリ98
は、従来周知のオフシェルフ型ユニットとすることがで
きる。
望むならば、空気ストリッパアセンブリ98は省略する
ことができ、その場合、パイプ96の流水はパイプ120の
流水に併合される。1つのパイロット設備においては、
地下水とパイプ96の流水との間における揮発性有機コン
パウンドの濃度の減少は極めて大きく、約98.7%である
ことが分かった。そのような場合、空気ストリッパアセ
ンブリ98は不必要となる。抽出中に空気と水とを親密に
混合することにより(地下水を低圧空気流内に抽出する
場合)、揮発性有機コンパウンドは溶液から揮発するこ
とができ、その場合、後の空気ストリッピングは不要と
なる。
空気ストリッパアセンブリ98を不要とすることは、ま
た、揮発性有機コンパウンドを含む空気の総量を減少さ
せる。空気の排出を制限しなければならないような場合
には、これは大きな利点となる。付加的な空気ストリッ
ピングを行わない二相真空抽出プロセスの他の利点は、
蒸気/液体の混合及びそれらの分離を行う圧力が低いこ
とにより、従来の空気ストリッピングの場合に劣らず、
水の酸素含有量を少なくできることである。溶解してい
る酸素のレベルが低いと、装置の下流側における腐敗及
び汚れが少なくなることが期待される。
第2図を再び参照して、ノックアウト容器84からの気
相流体の処理を説明する。
上述したように、真空ポンプ78の影響下で、抽出井戸
28からの二相流体から分離された蒸気は、パイプ82を通
って真空ポンプ78に吸引される。図示された実施例で
は、真空ポンプ78は液封型のもので、一般的な上水の供
給を受ける上水管112が設置されている。上水管112に
は、空気ストリッパアセンブリ98の高レベルスイッチ11
0に応答するソレノイド作動バルブ114が設置されてい
る。
真空ポンプ78は気体/液体分離器116を吸引してお
り、その蒸気相は、パイプ118を通して、大気又は他の
適当な処理施設に搬送される。気体/液体分離器116の
液体流体の大部分はパイプ120を通って液溜め槽122に送
られ、パイプ106を介して空気ストリッパアセンブリ98
から送られた液体と併合される。気体/液体分離器116
の一部又は全部の液体流体は、管124を通って吸引さ
れ、真空ポンプ78に上水を供給している上水管112内の
流れに合流される。
低レベルスイッチ128によって制御されているポンプ1
26は液溜め槽122から液体を吸引し、それをパイプ130を
通して次の処理施設に送り出している。図示された実施
例では、液体は、粒状の活性炭素を含む2段のキャニス
タ132、134を通過せしめられる。他の汚染物質除去プロ
セス又は技術も、使用可能である。処理された水は、パ
イプ136を通過して排出されるが、この水が十分な清浄
度を有しているため土壌又は下水にさらに処理を行うこ
となく戻される。
上述したように、本発明の二相真空抽出の主たる利点
は、地下水の生産率を従来の単相流による生産率に比べ
て飛躍的に増大することができることである。上述した
ように、抽出井戸28及び真空抽出システム32を用いで地
下に真空を付与することにより、帯水層上の空気及び土
壌ガスの掃引という流体力学的効果によって、また、汲
上パイプ44内の人工的低圧(水圧)の形成によって、水
は土壌から吸引される。汲上パイプ44内の低圧力により
流体システム中に低いポイントができ、従って、周囲の
土壌内の水は容易に汲上パイプ44内に流れ込む。
従来のポンプに比較して地下水の生産率を人工的に増
加することは、自然による回復が遅い場合における土壌
形成に極めて有利である。抽出井戸28の周囲の地下水捕
獲領域のサイズを増大することに加えて、上述した二相
真空抽出処理システム10のオペレーションは、自然の地
下水面を押し下げ、それによって、二相真空抽出処理シ
ステム10によって作られる蒸気抽出機構によって清浄さ
れる通気帯の体積を増大させる。本発明による方法及び
装置の明白な利点は、処理時間の短縮と全汚染物質除去
作業のコストの削減である。
1つのパイロット設備における4ケ月間の試験期間全
部に亘って、二相真空抽出処理システム10のオペレーシ
ョンにより、局地的に地下水面を12フィート(3.66m)
以上低下させ、抽出井戸28の隣接した位置における圧力
を18インチHg(457mmHg)以上低下させた。この井戸か
らの地下水の生産量は3.3gpm(12.5/分)で、従来の
ポンプを使っての同じ井戸から生産量に比べて、0.3gpm
(1.14/分)だけ増大した。直径4インチ(10cm)、
有孔部分長さ20フィート(61.0m)の汲上パイプ44を使
用しているこの施設において、汚染物質TCE及び1、2
−DCEの1日当りの平均流量は気相において約4.4ポンド
(2.00Kg)であった。同時に、汚染物質TCE及び1、2
−DCEは、3.3gpm(12.5//分)で揚水した時に、回収
された地下水から1日当り23ポンド(10.4Kg)除去され
た。
空気導入井戸30の周囲からサンプリングした土壌は、
揮発性有機コンパウンドの濃度が3.44X104から3.65X102
に減少したことを示した。この減少は、5〜7フィート
(1.52〜2.13m)の深さの位置で観測された。高負荷の
帯水層における地下水面は自然の地下水面よりも0.1〜
9.37フィート(0.30〜28.6m)低下し且つ抽出井戸28の
周囲の円錐状影響圏の半径は約100フィート(30.5m)で
あったが、これも二相真空抽出処理システム10の影響を
示す証拠である。基盤(ベッドロック)帯水層の低下
は、同期間内においては無視できるものであった。高負
荷の帯水層における影響圏は、自然の地下水流の半径方
向横方向に約200フィート(61.0m)、下方向に125フィ
ート(38.1m)まで延びていた。
本発明は、その精神を逸脱することなく、種々の形態
に変形及び修正が可能である。
(発明の効果) 上述したように、本発明の土壌汚染物質の二相抽出方
法及び装置によれば、処理時間の短縮と全汚染物質除去
作業のコストの削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る土壌の汚染領域から汚染物質を
除去する土壌汚染物質の二相真空抽出方法及び装置を説
明するための概略的な断面図である。 第2図は、二相真空抽出によって土壌から除去された物
質を処理するための装置を示す説明図である。 第3図は、第1図の装置に使用可能な抽出井戸の側断面
図である。そして、 第4図は、本発明において使用される空気導入井戸の側
断面図である。 10……二相真空抽出処理システム 12……揮発性汚染物質源 14……円錐状部分 16……土壌 18……地下水面 20……汚染物質 22……水柱 24……自由汚染物質 26……不透水層 28……抽出井戸 30……空気導入井戸 32……真空抽出システム 40……ドラム缶 42……細長い井戸穴 44……汲上パイプ 46……上側部分 48……下側部分 52……パイプ取付手段 54……グラウト 56……ベントナイトシール 58……井戸穴 60……パイプ 62……セメント製カラー 64……地表面 68……カバー 72……ベントナイトスラリ 74……スロット付き下側部分 76……砂 78……真空ポンプ 80……電動モータ 82、86……パイプ 84……ノックアウト容器 90、92……バッグフィルタ 98……空気ストリッパアセンブリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーヴン アール モロー アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 19040 ハットボロ リン アベニュー 2715 (72)発明者 ダイアン ジェイ ウォーカー アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 19403 ノーリスタウン ディフォード プレイス 5023エイ (72)発明者 エリック ツィンマーマン アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 19426 カレッジヴィル イースト フ ィフス アベニュー 74 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21B 43/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地下の汚染領域から揮発性の汚染物質を抽
    出する装置であって、 地表面から下方に地下水面の下方の位置まで延びる抽出
    井戸であって、この抽出井戸が孔付き汲上げパイプを備
    え、この汲上げパイプの少なくとも幾らかの孔が地下水
    面の下方に位置する抽出井戸と、 地表面から少なくとも通気帯内に下方に延び且つ上記抽
    出井戸から離れている少なくとも一つの空気注入井戸
    と、 上記抽出井戸のまわりの減圧帯を形成し、上記抽出井戸
    内に土壌ガスと同伴液体を吸引し、さらに、これらの土
    壌ガスと同伴液体を共通二相流れとして地表面に搬送す
    る真空手段であって、この真空手段が上記孔付き汲上げ
    パイプと流体が移動できるように通じている真空手段
    と、 この共通流れを受け入れ且つこの共通流れを別々のガス
    流れと液体流れに分離する手段と、 このガス流れを受け入れ且つこのガス流れから残留液体
    を抽出する手段と、 上記ガス流れと液体流れから残留液体を受け取る手段
    と、 この残留液体から汚染物質を抽出する手段と、 を有することを特徴とする汚染物質抽出装置。
  2. 【請求項2】地下水面とその上方の通気帯とを有する地
    下の汚染領域から汚染物質を抽出する装置であって、 地表面から下方に地下水面の下方の位置まで延びる孔付
    き汲上げパイプであって、この汲上げパイプの少なくと
    も幾らかの孔が地下水面の下方に位置する汲上げパイプ
    と、 上記抽出井戸のまわりの減圧帯を形成し、上記抽出井戸
    内に土壌ガスと同伴液体を吸引し、さらに、これらの土
    壌ガスと同伴液体を共通二相流れとして地表面に搬送す
    る真空手段であって、この真空手段が上記孔付き汲上げ
    パイプと流体が移動できるように通じている真空手段
    と、 共通流れを受け入れ且つこの共通流れを別々のガス流れ
    と液体流れに地上で分離する手段と、 を有することを特徴とする汚染物質抽出装置。
  3. 【請求項3】地下の汚染領域から汚染物質を二相抽出す
    る方法であって、汚染領域は地下水面とその上方の通気
    帯とを有し、汚染物質が通気帯内で地下水面の下方に存
    在する汚染物質の二相抽出方法において、 汚染領域の所定の位置に井戸穴を穿設する工程と、 孔付き汲上げパイプの少なくとも幾らかの孔が地下水面
    の下方に位置するように、上記井戸穴に孔付き汲上げパ
    イプを挿着する工程と、 土壌ガス及び同伴液体を上記孔付き汲上げパイプ内に吸
    引し且つ共通流れとして地表面にガス及び液体の双方を
    搬送するように、上記孔付き汲上げパイプに真空を付与
    する工程と、 上記共通流れから、主として液体である流れと主として
    ガス状である流れとを形成する工程と、 分離された液体流れと気体流れを別々に処理する工程
    と、 を有することを特徴とする汚染物質の二相抽出方法。
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