JP2851263B2 - ノイズレベル検出方法とその装置、画像処理装置 - Google Patents

ノイズレベル検出方法とその装置、画像処理装置

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JP2851263B2
JP2851263B2 JP7280021A JP28002195A JP2851263B2 JP 2851263 B2 JP2851263 B2 JP 2851263B2 JP 7280021 A JP7280021 A JP 7280021A JP 28002195 A JP28002195 A JP 28002195A JP 2851263 B2 JP2851263 B2 JP 2851263B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データのノイ
ズレベル検出方法とその装置、及び画像処理装値に関わ
り、特にノイズ成分を除去して目的とする図形を良好な
コントラストで表示するのに好適なノイズレベル検出方
法とその装置、及び画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばMRI画像やX線CT画像、あ
るいはエミッションCT画像のような医用画像では、対
象物を表す情報はその大部分が濃度の中間レベル付近に
集まっており、一方、ローレベルには撮像時などに混入
したノイズ成分が多く集中している。このような画像を
観察するには、ノイズの多いローレベルの成分をすべて
レベル“0”に置き換え、残りの部分の濃度を拡大する
ことにより、対象物図形のコントラストを上げ、こうし
て表示手段に表示して観察を行う。また、撮像画像のハ
イレベル部分にも同様にノイズが含まれていることがあ
るから、その場合にはハイレベル部分のノイズも除去す
るとより鮮明な画像が得られる。
【0003】このような画像データの処理を行う場合、
どのレベルより小さい成分をカットするか、またどのレ
ベルより大きい成分をカットするかを表すローカットレ
ベル及びハイカットレベルを定める必要があり、この2
つのカットレベルを組にしたものがウインドウレベルと
よばれる。もしこれらのカットレベルが適切に選ばれて
いないと、コントラストの改善が不十分であったり、あ
るいは対象物の情報が一部失われるという問題が生じ
る。しかもそれらの適切なレベルは一般に図形ごとに異
なっている。
【0004】図5は、上記ローカットレベルの従来の決
定法の説明図である。同図は横軸が画素の濃度、縦軸が
その画素濃度が撮像画像の画面上に現れる頻度をとった
ヒストグラムの例を示すもので、中間レベルより右より
の山が主に観察したい対象物のレベルを表している。そ
して左よりの高い山は主に雑音成分である。そこでほぼ
中間レベルにある極小点(例えば図5のh0)を求め、
その極小点をローカットレベルとする方法が用いられて
いた。
【0005】また、ニューラルネットワークを利用した
方法が、“ニューラルネットワークを用いた表示ウイン
ドウの自動設定”(川崎他、日本磁気共鳴学会雑誌 VO
L.15,Suppl. P.285)として提案されている。これは、
画像の特徴量を算出し、それをニューラルネットワーク
に学習させることによりウインドウレベルの自動設定を
行えるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のヒストグラムを
利用する方法では、ヒストグラムの極小値が、図5の矢
印で示したように、多数現れ、対象に応じて経験的に決
定する必要がある。また、計算機処理でヒストグラムの
包絡線をなめらかにする処理を行い、極小点を1点に絞
ることもできるが、この方法によると、観察対象図形の
辺縁部のノイズを含むようなローカットレベルになって
しまうことが多く、計算機処理だけでは十分なコントラ
ストが得られない。例えば、実際に良好なコントラスト
で対象図形を観察できるレベルをカットアンドトライで
求めてみると、それは図5のhで示したように、h0
りも大きいところにあることが多い。このため手作業に
よりローカットレベルの試行錯誤的な修正を必要として
いた。しかし、近年のように、多数の画像データが短時
間に取得できるようになってくると、手作業で処理して
いたのでは能率が悪いという問題があった。
【0007】また、ニューラルネットを利用する方法で
は、多数の画像データについて特徴量を計算するととも
に、それらの画像の適切なレベルを手作業で決定し、そ
の結果をニューラルネットワークに学習させておく必要
がある。しかも対象図形が別の物体であると、同一のニ
ューラルネットワークで学習・処理するのは難しいか
ら、対象画像の種類に応じて別のネットワークを用いて
学習させておく必要がある。
【0008】本発明の目的は、対象図形の種類に関係な
く、かつ特別な学習の準備なしに、短時間で効率よくロ
ーカットレベル、及び必要な場合にハイカットレベルを
自動決定できるようにしたノイズレベル検出方法とその
装置、及び画像処理装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像データの
画素値であるレベルと、該レベルに関連づけられて画素
ごとに定められた関連量とを成分とする2次元のサンプ
ルデータを生成し、前記レベルの最大値と順次減少する
ように可変設定されるサーチレベルとの間のレベルを有
する前記サンプルデータに対して、その説明変数を前記
関連量とし目的変数を前記レベルとする回帰直線とその
適合性を表す指数を算出し、該算出した指数が前記サー
チレベルの減少に伴って前記適合性を最もよくする極値
を与える前記サーチレベルの値を検出してノイズレベル
とすることを特徴とするノイズレベル検出方法を開示す
る。
【0010】また、本発明は、画像データの画素値であ
るレベルと、該レベルに関連づけられて画素ごとに定め
られた関連量とを成分とする2次元データをサンプルデ
ータとするか、あるいは前記2次元データのレベル成分
が等しい関連量の平均値または中間値と当該レベルとを
成分とする2次元データをサンプルデータとして生成す
るためのサンプルデータ生成手段と、前記サンプルデー
タの、与えられたレベル範囲にそのレベル成分が入って
いる前記サンプルデータに対して、その説明変数を前記
関連量とし目的変数を前記レベルとする回帰直線とその
適合性を表す指数を算出するための指数算出手段と、前
記レベルの最大値と順次減少するように可変設定したサ
ーチレベルとを前記指数算出手段に与え、該指数算出手
段により算出された前記指数が前記サーチレベルの減少
に伴って前記適合性を最もよくする極値を与える前記サ
ーチレベルの値をノイズレベルとして検出するためのノ
イズレベル検出手段と、を備えたことを特徴とするノイ
ズレベル検出装置を開示する。
【0011】また、本発明は、前記ノイズレベル検出装
置と、該ノイズレベル検出装置で検出されたノイズレベ
ルより小さいレベルを有する画素レベルをすべて最小の
ローレベルとするための画像データカット手段と、前記
ノイズレベルより大きい画素レベルを前記ノイズレベル
よりも小さく設定したレベルと最大のハイレベルとの間
のレベルに線形拡大するためのレベル拡大手段と、を備
えたことを特徴とする画像処理装置を開示する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明になるノイズレベル自動設定方法
を用いて画像処理・表示を行うシステムの例を示すブロ
ック図である。同図において、撮像装置101は、例え
ばエミッションCT装置であり、これにより得られた撮
像データは図示しないインタフェースを介していったん
画像メモリ102へ格納される。サンプルデータ生成手
段103は、画像メモリ102に格納された画像データ
から、後述のAIC算出手段105によるAIC(情報
量規準)算出に用いるサンプルデータを生成し、これを
サンプルデータメモリ104へ格納する。第1及び第2
カットレベル検出手段106及び107は、AIC算出
手段105により算出されたAICが極小または最小と
なるレベルを求めることによって、カットレベルを検出
する。画像データカット手段108は、上記検出された
カットレベルに従って、画像メモリ102の撮像データ
に対するカット処理を実行し、このカット処理されたデ
ータはレベル拡大手段109でレベル拡大されて表示手
段110に表示される。また、カット処理された画像デ
ータまたはその後レベル拡大された画像データは、処理
データメモリ111へ必要に応じて格納される。
【0013】以下、各部分の詳細を説明する。まず、サ
ンプルデータ生成手段103の処理は次のようである。
今、撮像データは、エミッションCT画像あるいはMR
I画像のように、対象物体の断面(これをx,y面とす
る)を、その断面と直交する方向(これをz軸とする)
に少しづつ移動させながら撮像したデータであるとす
る。ここで書く座標値は離散値で与えられ、通常
【数1】0≦x≦Sx−1,0≦y≦Sy−1,0≦z
≦Sz−1 のように整数値で表される。この各点(x,y,z)が
1つの画素に対応し、上記の撮像データはこの各画素に
おけるレベル(濃度)f(x,y,z)で与えられると
する。ただし本発明はこのような3次元画像データのみ
を対象とするものではなく、通常のカメラ撮像による画
像データのような2次元の画像データでもよい。その場
合はz方向は1つの値のみをとるものとすればよい。
【0014】さて、上記のような撮像データに対して、
【数2】u=f(x,y,z), v1=(f(x+Δ,y+Δ,z)−u)/u*10
0, v2=(f(x+Δ,y−Δ,z)−u)/u*10
0, v3=(f(x−Δ,y+Δ,z)−u)/u*10
0, v4=(f(x−Δ,y−Δ,z)−u)/u*100 とおく。ここで例えばΔ=2とすると、v1〜v4は、
画面位置(x,y,z)におけるレベル傾斜のレベルu
に対する比を表す量である。そこでサンプルデータ生成
手段103では、画面上のすべての位置(x,y,z)
について値の組(u,vk),k=1〜4を求め、これ
をサンプルデータとする。(数2)のx±Δ、y±Δ等
は対象図形の周辺部では意味を持たないから、周辺部の
x,y方向のΔ画素を除いた画素位置(x,y,z)の
集合をGと書き、
【数3】G={(x,y,z)|Δ≦x≦Sxー1ー
Δ,Δ≦y≦Syー1ーΔ,0≦z≦Sz−1)} に対して(数2)の計算を行うものとすると、サンプル
データの個数Nは
【数4】 N=4・|G|=4(Sxー2Δ)(Sy−2Δ)Sz となり、このN個の値の組がサンプルデータメモリ10
4へ格納されることになる。
【0015】u−v平面上に上記のサンプルデータをプ
ロットしていくと,図3に示すような分布が得られる。
ただし、各サンプルデータは同図の斜線部内に分布し、
同一点に複数のサンプルデータが重なっている場合も少
なくない。この分布は、人間頭部の断面のエミッション
CT画像から生成したサンプルデータの例で、Sx=S
y=64、Sz=10、従ってサンプルデータの個数は
約16万個である。この図で、目的とする形状のエッジ
の部分では比較的大きな濃度勾配(v方向の大きな値)
が現れるが、それがレベル(u軸方向)のほぼ中央部に
見られるピーク部分を形成している。また、レベルの低
いところにはノイズ成分が多く、濃度勾配は広く分布す
るが、これが図3の低レベル部分に現れている。
【0016】なお、サンプルデータとしては、その個数
を減らして以後の処理を高速化することも可能である。
(数2)によりサンプルデータを生成すると、(数4)
で示したように、サンプルデータの個数Nはほぼ画素数
の4倍になり、これは少なくない値である。そこで、A
ICを算出するのに必要な時間を短縮したいときには、
各レベル値uごとに、図3の縦方向の値v(すなわちレ
ベル値がuのサンプルデータのv値)の平均値あるいは
中間値を代表値vRとして算出し、サンプルデータを
(u,vR)とする。このように各レベルごとのサンプ
ルデータを1点とし、その個数をレベルの値の個数程度
としても、近似的に望ましいカットレベルを算出するこ
とができる。
【0017】次に、AIC算出手段105について説明
する。今、K個のサンプルデータ(Xh,Yh),h=1
〜Kが与えられたとき、これを表す回帰モデルを
【数5】Y=a+bX+ε とする。ここで
【数6】Wh=a+bXh Qk= Σh(Yh−Wh2 とおくと、(数5)のa,bはQkを最小とするように
定められる。ただしΣhh=1〜Kについての和を表
すものとする。ここで、
【数7】A=Σhh,B=Σhh,C=Σhh 2, D=Σhhh,E=ΣhKC−A2 とおくと、Qkを最小にするa,bは
【数8】a=(BC−AD)/E, b=(KD−AB)/E で与えられる。さらにこれらの係数a,bに対して(数
6)から求めたQkは残差平方和と呼ばれる。また、ε
は誤差項である。
【0018】(数5)のモデルの妥当性をはかるAIC
(情報量規準)は、上記の残差平方和Qkを用いて次式
で定義される;
【数9】 AIC=Klog(Qk/K)+2・(パラメータの個数) =Klog(Qk/K)+4 ただしパラメータというのは、回帰モデルの係数のこと
であり、その個数は今の場合a,bの2個である。また
(数9)の右辺第1項は、誤差項εが正規分布に従うも
のとしたときのサンプルデータに対する最大対数尤度
【数10】MLL=−(K/2)log(Qk/K) に−2を乗じた量である。そしてこのAICが小さいほ
ど、回帰モデルはよいモデルであると判定される。(情
報量規準については、例えば鈴木“先を読む統計学−
「情報量規準」とは何か”,ブルーバックスB−85
5,1994,4,第4刷参照)
【0019】上記のAICの意味は次のようである。す
なわち、一般に(数5)のように1つの独立変数(説明
変数という)Xで従属変数(目的変数という)Yを与え
るモデルよりも、パラメータを勝手に追加し、より多く
の説明変数X1,X2,・・・により目的変数Yを表すモ
デルを用いると、このモデルに対する残差平方和は必ず
小さくなる傾向がある。このことから、残差平方和の大
小だけではモデルの良否を判定できないことになり、
(数9)で示されたようなパラメータの個数も考慮した
AICがモデルの妥当性をより正確に判定できる基準と
されている。
【0020】さて、AIC算出手段105は、第1また
は第2カットレベル検出手段106または107によ
り、レベル範囲(XL,XU)を与えられると、サンプル
データ
【数11】(u,vk),k=1〜4,(x,y)∈G の内で、
【数12】XL≦u≦XU を満たすサンプルデータのすべてを対象として(従って
(数12)を満たすuを有したサンプルデータの個数が
(数9)のサンプル数Kになる)、前述したAICを算
出し、この算出結果を第1または第2カットレベル検出
手段106または107へ返す。
【0021】次に、第1カットレベル検出手段106
は、図2に示すフローに従って第1カットレベルCL1
を算出する。このためにまず、画像メモリ102内の撮
像データを調べ、第1カットレベルCL1をサーチする
レベル範囲uL〜uUを決定する(ステップ201)。こ
こでは、全画素中の最大レベルumaxをuL、最小レベル
minをuuとする。
【0022】次に、適当に定めたサーチステップδu
対して
【数13】XL=uU−δu,XU=umax としてこれをAIC算出手段105へ送り、このとき算
出されたAICを受け取る(ステップ202)。以後は
XUは一定であるが、XLはステップ203〜207のル
ープを回るごとに変化し、以後、このXLをサーチレベ
ルと呼ぶことにする。
【0023】ついでこのXLをXL−δuで置き換え(ス
テップ203)、この置き換えた結果のサーチレベルX
Lが
【数14】XL≧uL を満しているかを調べる(ステップ204)。もし(数
14)が満たされていなければ、カットレベルCL1は
求められなかったことを表示手段110に表示して(ス
テップ209)、処理を終了する。また、(数14)が
満たされていれば、ステップ202で求めたAICをA
IC0へ代入し(ステップ205)、上記置き換えたサ
ーチレベルXLと(数13)のXUをAIC算出手段10
5へ送ってAICを算出し(ステップ206)、ついで
【数15】AIC>AIC0 が満たされているかを調べる(ステップ207)。(数
15)の条件が満たされていないときはステップ203
へ戻り、ここでサーチレベルXLをδuだけ小さくして再
びAICを求め、(数15)の比較を行うステップ20
3〜206の処理を繰り返す。この繰り返しの途中で
(数14)の条件が常に満たされており、かつ(数1
5)の条件が満たされると、そのときのサーチレベルX
Lを第1カットレベルCL1として処理を終了する(ス
テップ208)。
【0024】以上の第1カットレベル検出手段106の
動作は、撮像データから定めたサーチ範囲uL〜uUの間
でサーチレベルXLを徐々にδuづつ小さくしながら、X
Lと撮像データの最高レベルXU=umaxとの間にそのレ
ベル成分が入る(数11)のサンプルデータの回帰モデ
ルに対するAICを求め、このAICが極小となったと
きのサーチレベルXLを第1カットレベルとするもので
ある。この処理の考え方は、レベルuがumax付近だけ
のサンプルデータは、多くのノイズを含んでいるが、サ
ンプルデータXLを小さくしていくに従って対象図形の
相関の大きいサンプルデータが多くなり、回帰モデルの
適合性が少しづつよくなり、これに伴って求められるA
ICが漸減していくこと、さらにこの傾向はサーチレベ
ルXLが対象図形を表すレベル範囲よりもさらに低下し
てくると、ノイズ分が徐々に増加して、相関が小さいサ
ンプルデータが増加し始め、AICも増加傾向に転じ
る、というものである。こうして、図2のフローにより
求められたAICを極小とするサーチレベルは、ほぼ対
象図形を表しているレベル範囲の下限に近い値、すなわ
ちローカットレベルと考えられる。
【0025】図3には、上記のようにして算出されたロ
ーカットレベルCL1が示されている。また、同図の直
線L1は、上記のようにして求められた第1カットレベ
ルCL1からumaxの間の回帰直線を示しており、また
直線L2は、第1カットレベルCL1以下のレベルuを
成分とするサンプルデータに対して求められた回帰直線
である。ただしこれは前述のように、サンプルデータを
図3のuの各値におけるv値の平均値を用いて、少ない
個数のサンプルデータによって計算した例である。ま
た、同図のレベルu0以下は後述のように、あらかじめ
サンプルデータから除去された部分である。
【0026】以上のようにしてローカットレベルが求ま
ると、これだけで図1の画像データカット手段108以
下の処理を行えるが、撮像データの最高レベルumax
近にもノイズが含まれている場合には、第2カットレベ
ル検出手段107により第2カットレベルCL2、すな
わちハイカットレベルを求めておく。この第2カットレ
ベル検出手段の動作フローは図4に示されている。これ
は、図2の動作と原理的には同じであるが、ステップ4
01でサーチ範囲をCL1〜uU(=umax)とし、サー
チレベルを上端のXUとしてレベルCL1からδuづつ大
きい方へ変化させている点が異なっている。この場合
も、対象図形のデータよりもノイズが増えてくると、次
第に減少していたAICが増大に転じることから、ハイ
カットレベルとしての第2カットレベルが求められると
いうものである。
【0027】第1及び第2カットレベルが決まると(第
2カットレベルを求めなかったときはCL2=uUとす
る。今の場合はuU=umax)、図1の画像データカット
手段108は撮像データの各画素レベルを調べ、それが
u<CL1となる画素のレベルをすべてuminとし、ま
たu>CL2となる画素のレベルをすべてumaxとす
る。
【0028】さらにレベル拡大手段109は、画像デー
タカット手段108の処理対象とならなかった撮像デー
タの画素レベル、すなわちCL1〜CL2の間にあった
画素レベルを、uhL〜uhUへ線形拡大する。ただし、u
min≦uhL≦CL1,CL2≦uhU≦umaxである。例え
ば各画素が8ビットの256レベル(u=f(x,y)
=0〜255)で表され、umin=0,umax=255,
CL1=100,CL2=200であったとすると、こ
のCL1,CL2の間の画素のレベルをuhL=50,u
hU=250の間に線形写像により拡大する。このように
することによって、対象図形部分のみが良好なコントラ
ストでかつ多くのノイズ成分が除去されて表示される。
しかも、このために必要な処理の自動化が容易で、きわ
めて効率のよい正確な図形処理を行える効果がある。
【0029】なお、以上の説明では、第1カットレベル
検出手段におけるサーチ範囲を簡単のためuL=umin
U=umaxとした。しかし例えば、対象画像はほぼ同一
で少しの変化しかなく、また撮像系やその撮像条件も固
定していて、画素レベルの低い部分、例えば0〜umax
/10までのレベルはノイズとしてあらかじめサンプル
データから除去してもよいときは、uL=umax/10と
して図2の処理を行うようにする。こうすると、(数
1)から明らかなように、分母uが0を含む小さい値の
時にv1〜v4が計算できなかったり極端に大きくなっ
て、以後の計算処理精度に影響するのを防止できる。さ
らに除去した分だけサンプルデータの生成処理も必要な
くなるから、処理効率が向上する。また、ノイズとして
あらかじめ撮像データから除去する境界のレベルを、図
5で説明したヒストグラムから求めるようにしてもよ
い。例えば図5のh1で示したような、小レベル部分の
最初のピークの右端に現れる極小点を上記の除去レベル
とするようにしてもよい。更にこのような事前のデータ
除去は、ハイレベルのノイズの場合も同様である。図3
のu0以下のレベルのデータは、この意味であらかじめ
除去したものである。
【0030】また、サンプルデータの生成に際しては、
(数2)においてΔ=2としたが、この値は2に限った
ものではなく、対象に応じて適当に選べばよい。例えば
対象図形の周辺部におけるレベル勾配が緩やかで、Δ=
4程度にした方がサンプルデータが特徴をよく表してい
ると考えられる場合は、そのような値を選べばよい。ま
た、レベルの傾斜を(x,y)面の斜め4方向について
求めてサンプルデータを生成しているが、これを同じく
(x,y)面の縦、横方向としたり、あるいは縦横斜め
の内の一部の方向のレベル勾配に特徴がある図形の時
は、その方向のみを取り出してサンプルデータを生成す
るようにすることもできる。更にz軸方向の傾斜に特徴
があるときは、この方向の勾配も取り入れてサンプルデ
ータを生成すればよい。また、これらのサンプルデータ
の生成において、Δの値を各方向で変え、より対象図形
の特徴が捉えられるようにすることも有効である。
【0031】また、第1及び第2カットレベル検出手段
の動作において、サーチレベルを徐々に移動して最初に
現れたAICの極小点を図2のステップ207あるいは
図4のステップ407で検出するものとしたが、対象と
する撮像データによっては、望ましいカットレベルに到
達する前にAICの小さな(谷の浅い)極小値が現れる
場合がある。このような場合には、図2あるいは図4の
フローでは適切なカットレベルが検出できないので、処
理方法の変更が必要になる。
【0032】その1つは、図2のステップ207あるい
は図4のステップ407において、あらかじめ定めた定
数α>0に対して
【数16】AIC>AIC0+α を判定条件とする方法である。すなわち、サーチレベル
の変化δuに対してAICがα以上の大きさで増加に転
じたときにその点をカットレベルとする方法であって、
AICの小さな変化を無視することでより正確な判断を
可能とするものである。
【0033】もう1つのカットレベルの決定方法は、図
2及び図4と同様な処理によるが、極小点に達したとき
のサーチレベルをカットレベルとする代わりに、uL
Uの間の全体にわたってサーチレベルをδuづつ変化さ
せてそのたびにAICの算出・記憶を行い、それから記
憶しているAICの最小値を与えるサーチレベルをカッ
トレベルとする方法である。この方法によると、やはり
正確なカットレベルを検出できる。
【0034】さらに、カットレベル検出の基準量として
AICを用いるものとしたが、本発明の場合、回帰モデ
ルのパラメータ数は、サーチレベルを動かしても常に2
の一定値である。従って、(数9)(数10)から明ら
かなように、AICの極小を求めることは(数10)の
最大対数尤度MLLの極大を求めることと等価である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、比較的簡単な処理によ
り、撮像データのノイズレベルを正確に求めることがで
き、その自動化も容易であるという効果がある。そして
このノイズレベルの決定方法を用いて、医用画像などの
ノイズ除去、コントラスト改善の処理を行えば、自動処
理によって効率よく観察しやすい画像が得られる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるノイズレベル検出方法を用いた画
像処理装置の例を示すブロック図である。
【図2】図1の第1カットレベル検出手段の動作を示す
フローチャートである。
【図3】サンプルデータの分布と回帰直線の例を示す図
である。
【図4】図1の第2カットレベル検出手段の動作を示す
フローチャートである。
【図5】従来のノイズレベル検出方法の説明図である。
【符号の説明】
103 サンプルデータ生成手段 105 AIC算出手段 106 第1カットレベル検出手段 107 第2カットレベル検出手段 108 画像データカット手段 109 レベル拡大手段 110 表示手段 111 処理データメモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06T 5/00 - 5/50 G06T 1/00 H04N 1/40 - 1/409

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データの画素値であるレベルと、該
    レベルに関連づけられて画素ごとに定められた関連量と
    を成分とする2次元のサンプルデータを生成し、 前記レベルの最大値と順次減少するように可変設定され
    るサーチレベルとの間のレベルを有する前記サンプルデ
    ータに対して、その説明変数を前記関連量とし目的変数
    を前記レベルとする回帰直線とその適合性を表す指数を
    算出し、 該算出した指数が前記サーチレベルの減少に伴って前記
    適合性を最もよくする極値を与える前記サーチレベルの
    値を検出してノイズレベルとすることを特徴とするノイ
    ズレベル検出方法。
  2. 【請求項2】 画像データの画素値であるレベルと、該
    レベルに関連づけられて画素ごとに定められた関連量と
    を成分とする2次元データを生成し、更に該2次元デー
    タのレベル成分が等しいものの関連量の平均値または中
    間値とそのレベル値とを成分とする2次元サンプルデー
    タを生成し、 前記レベルの最大値と順次減少するように可変設定され
    るサーチレベルとの間のレベルを有する前記サンプルデ
    ータに対して、その説明変数を前記関連量とし目的変数
    を前記レベルとする回帰直線とその適合性を表す指数を
    算出し、 該算出した指数が前記サーチレベルの減少に伴って前記
    適合性を最もよくする極値を与える前記サーチレベルの
    値を検出してノイズレベルとすることを特徴とるノイズ
    レベル検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のノイズレベル
    検出方法において、前記関連量を、各画素におけるレベ
    ルの勾配を表す量としたことを特徴とするノイズレベル
    検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のノイズレベル検出方法
    において、各画素における前記レベルの勾配を表す量
    は、当該画素から1つまたは複数の方向のレベルの勾配
    を表す量であることを特徴とするノイズレベル検出方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のノイズレベル検出方法
    において、各画素における前記レベルの勾配を表す量
    は、1つの平面内の縦、横方向がともに2画素づつ離れ
    た4つの画素のレベルと当該画素レベルとの差を当該画
    素レベルで割った値に比例する量としたことを特徴とす
    るノイズレベル検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載のノイズレベル
    検出方法において、前記指数を、情報量規準または最大
    対数尤度としたことを特徴とするノイズレベル検出方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載のノイズレベル
    検出方法において、あらかじめ定めたレベルより小さい
    レベル成分を有するサンプルデータは生成しないように
    したことを特徴とするノイズレベル検出方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の1つに記載のノイズレベ
    ル検出方法において、 前記検出したノイズレベルと順次増大するように可変設
    定されるサーチレベルとの間のレベルを有する前記サン
    プルデータに対して、その説明変数を前記関連量とし目
    的変数を前記レベルとする回帰直線とその適合性を表す
    指数を算出し、 該算出した指数が前記サーチレベルの増大に伴って前記
    適合性を最もよくする極値を与える前記サーチレベルの
    値を検出してハイノイズレベルとすることを特徴とする
    ノイズレベル検出方法。
  9. 【請求項9】 画像データの画素値であるレベルと、該
    レベルに関連づけられて画素ごとに定められた関連量と
    を成分とする2次元データをサンプルデータとするか、
    あるいは前記2次元データのレベル成分が等しい関連量
    の平均値または中間値と当該レベルとを成分とする2次
    元データをサンプルデータとして生成するためのサンプ
    ルデータ生成手段と、 前記サンプルデータの、与えられたレベル範囲にそのレ
    ベル成分が入っている前記サンプルデータに対して、そ
    の説明変数を前記関連量とし目的変数を前記レベルとす
    る回帰直線とその適合性を表す指数を算出するための指
    数算出手段と、 前記レベルの最大値と順次減少するように可変設定した
    サーチレベルとを前記指数算出手段に与え、該指数算出
    手段により算出された前記指数が前記サーチレベルの減
    少に伴って前記適合性を最もよくする極値を与える前記
    サーチレベルの値をノイズレベルとして検出するための
    ノイズレベル検出手段と、 を備えたことを特徴とするノイズレベル検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のノイズレベル検出装
    置において、前記ノイズレベル検出手段により検出され
    たノイズレベルと、順次増大するように可変設定したサ
    ーチレベルとを前記指数算出手段に与え、該指数算出手
    段により算出された前記指数が前記サーチレベルの減少
    に伴って前記適合性を最もよくする極値を与える前記サ
    ーチレベルの値をハイノイズレベルとして検出するため
    のハイノイズレベル検出手段を付加したことを特徴とす
    るノイズレベル検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のノイズレベル検出装
    置と、 該ノイズレベル検出装置で検出したノイズレベルより小
    さいレベルを有する画素レベルをすべて最小のローレベ
    ルとするための画像データカット手段と、 前記ノイズレベルより大きい画素レベルを前記ノイズレ
    ベルよりも小さく設定したレベルと最大のハイレベルと
    の間のレベルに線形拡大するためのレベル拡大手段と、 を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載のノイズレベル検出
    装置と、 該ノイズレベル検出装置で検出されたノイズレベルより
    小さいレベルを有する画素値をすべて最小のローレベル
    とし、さらに前記ノイズレベル検出装置により検出され
    たハイノイズレベルより大きいレベルを有する画素レベ
    ルをすべて最大のハイレベルとするための画像データカ
    ット手段と、 前記ノイズレベルとハイノイズレベルとの間の値を有す
    る画素レベルを、前記ノイズレベルよりも小さく設定し
    た第1のレベルと前記ハイノイズレベルよりも大きく設
    定した第2のレベルとの間のレベルに線形拡大するため
    のレベル拡大手段と、 を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  13. 【請求項13】請求項11または12に記載の画像処理
    装値において、前記レベル拡大手段により線形拡大され
    た画像データを格納するための記憶手段を付加したこと
    を特徴とする画像処理装置。
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