JP2848188B2 - 単独及び協調制御機能を有する制御システム - Google Patents

単独及び協調制御機能を有する制御システム

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JP2848188B2
JP2848188B2 JP5115578A JP11557893A JP2848188B2 JP 2848188 B2 JP2848188 B2 JP 2848188B2 JP 5115578 A JP5115578 A JP 5115578A JP 11557893 A JP11557893 A JP 11557893A JP 2848188 B2 JP2848188 B2 JP 2848188B2
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    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単独及び協調制御機能
を有する制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】各々異なる制御対象を制御する制御装置
がある。制御対象間での相互作用があるとき、それらの
制御対象における制御変数は互いに干渉を起こす。すな
わちある制御対象が制御され対応する制御変数が増加ま
たは減少すると、他の制御対象における制御変数もその
影響を受けて変動を起こす。
【0003】このことは、特開昭63−235898号公報の3
頁上部左欄16行から同頁上部右欄1行に説明されてい
る。
【0004】特開昭63−235898号公報は、このような問
題を抑制するために、複数の制御装置を多変数協調制御
装置により複数の単独制御装置を制御することが記載さ
れている。この単独制御装置の例として、再循環制御装
置及び圧力制御装置をあげている。特開平1−240897 号
公報号の図5にも、複数のローカル制御装置(単独制御
装置)を多変数協調制御装置で制御することを示してい
る。
【0005】また、特開平1−240897 号公報の図4は、
2つの単独制御装置及び2つの協調制御装置を設け、一
方の単独制御装置の目標値u1 に加算する信号を出力す
る一方の協調制御装置に、他方の単独制御装置の出力を
入力することを記述する。他方の協調制御装置も、一方
の単独制御装置の出力を入力し、他方の単独制御装置の
目標値に加算される信号を出力する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの制御系では、
例えば、協調制御装置に異常が生じた場合には、他の2
つの単独制御装置による制御にもその影響が伝わり、各
制御対象の制御応答が劣化する可能性がある。
【0007】特開昭63−235898号公報及び特開平1−240
897 号公報の図5は、多変数協調制御装置に異常が生じ
た場合には、多変数協調制御装置からの出力を入力する
2つの単独制御装置もその影響を受けやすい。
【0008】特開平1−240897 号公報の図4は、上記一
方の協調制御装置が異常になった場合には、その出力を
入力する上記一方の単独制御装置、この単独制御装置の
出力を入力する上記他方の協調制御装置、及びこの協調
制御装置の出力を入力する上記他方の単独制御装置が、
上記一方の協調制御装置の異常の影響を受けやすい。こ
のため、協調制御装置に異常が生じた場合には、複数の
制御対象の制御応答が劣化する可能性がある。
【0009】本発明の目的は、1つの協調制御装置に異
常が生じた場合でも複数の制御対象の制御応答を改善で
きる単独及び協調制御機能を有する制御システムを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、複数の制
御モジュールを備え、前記各々の制御モジュールが、自
モジュールの制御対象における制御変数の測定値を入力
する単独制御装置と、他モジュールの制御対象における
制御変数の測定値を入力する協調制御装置とを備え、前
記単独制御装置の出力及び前記協調制御装置の出力に基
づいて該当する制御対象を制御することによって達成さ
れる。
【0011】
【作用】複数の制御モジュールが、単独制御装置の出力
及び協調制御装置の出力に基づいて該当する制御対象を
制御するので、1つの協調制御装置が異常になっても、
この協調制御装置が含まれる制御モジュールでは単独制
御装置が機能し、他の制御モジュールでは単独制御装置
及び協調制御装置が機能しているので、各々の制御モジ
ュールによる該当する制御対象の制御を継続できる。更
に、各々の制御モジュールにおいて、単独制御装置が自
モジュールの制御対象における制御変数の測定値を入力
し、協調制御装置が他モジュールの制御対象における制
御変数の測定値を入力するので、正常な制御モジュール
における単独制御装置及び協調制御装置の作用によっ
て、各制御他相性における制御変数変化の相互干渉を抑
制できる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例である単独及び協調制御機能
を有する制御システム(以後、単に制御システムとい
う)の概要を、以下に説明する。
【0013】本実施例の制御システムは、複数の制御装
置モジュールを有する。簡単のために、2つの制御装置
モジュールを有する制御システムを例にとって、図1に
より、本実施例の制御システムの概要を説明する。本実
施例の制御システム1は、制御装置モジュール2及び2
Aを有する。制御装置モジュール2は、単独制御装置
3,協調制御装置4,調整装置5及び合成装置6を有す
る。制御装置モジュール2Aは、単独制御装置3A,協
調制御装置4A,調整装置5A及び合成装置6を有す
る。
【0014】制御装置モジュール2及び2Aは、それそ
れ別々の制御対象8及び8を制御する。すなわち、制
御装置モジュール2は制御対象8を制御し、制御装置モ
ジュール2Aは異なる制御対象8Aを制御する。制御対
象8及び8は、同じ種類であるが別々のものである。
制御対象物8を制御した結果として得られる制御変数x
i (例えば、流体の流量)は、センサ7によって検出さ
れ、制御装置モジュール2に入力される。制御対象物8
Aを制御した結果として得られる制御変数xj(例え
ば、異なる部分での流体の温度)は、センサ7によっ
て検出され、制御装置モジュール2Aに入力される。x
i 及びxj は、通常、ベクトル量である。本実施例は、
制御対象8及び8が互いに異なる種類のものである場
合にも適用できる。
【0015】ここで、本実施例の制御システムの詳細な
構成について説明する。まず、制御装置モジュール2の
構成を説明する。単独制御装置3は、制御変数xi の目
標値ri及びセンサ7によって測定された制御変数xi
の値(制御変数xiの測定値)を入力し、単独制御信号
iiを出力する。この制御変数xi の測定値は、自モジ
ュールにおける制御変数xi の測定値である。制御装置
モジュール2から見れば、制御装置モジュール2が自モ
ジュールであり、制御装置モジュール2Aが他モジュー
ルである。単独制御装置3は、(数1)の関数を演算し
て得られる単独制御信号uiiを出力する。(数1)に
は、目標値ri が記載されていないが、実際には含まれ
ている(後述の(数4)及び(数5)参照)。なお、サ
フィックスのi、jは1以上で、最大値が制御装置モジ
ュールの数である整数である。
【0016】
【数1】 uii=fii(xi) …(数1) ここで、関数fii( )は、単独制御則を表す関数であ
る。例えば、単独制御装置3がPID制御を行うもので
あれば、単独制御則は、(数2)のように表される。
【0017】
【数2】
【0018】ここで、K1は比例のゲイン、K2は微分
のゲイン及びK3は積分のゲインを示し、sはラプラス
演算子を示す。
【0019】協調制御装置4は、他モジュール(制御装
置モジュールA)の制御変数xjの測定値(センサ
Aで測定)及び他モジュールにおける制御変数xj に対
する目標値rj を取り込み、(数3)の協調制御則uij
を演算して得られる協調制御信号ui を出力する。目標
値rj は、制御装置モジュールAにおいて、単独制御
装置3Aに入力される。
【0020】
【数3】
【0021】ここで、fij( )は協調制御則を表す関
数であり、制御変数xj毎に定義されている。複数の他
モジュールが存在する場合(制御装置モジュールが3以
上ある場合)には、協調制御装置4は、各々の他モジュ
ールから入力する複数のxj のそれぞれに対するf
ij(xj)の和をとって協調制御信号uiを得る。
【0022】合成装置6は、単独制御信号uii及び協調
制御信号ui を状況に応じて様々に設定できる寄与率で
合成し、制御装置モジュール2の出力である制御信号U
i を出力する。合成装置6において制御信号Ui を得る
合成の方法としては、単に加算する、あるいは重み付き
の和をとることで実現できる。しかし、他モジュールで
ある制御装置モジュール2Aによって制御対象8Aを制
御した結果として得られる制御変数xj の変化が自モジ
ュールである制御装置モジュール2による制御対象8の
制御変数xi に大きく影響する場合には、合成装置6に
おいて、協調制御信号ui の割合を増やすように、単独
制御信号uii及び協調制御信号ui を合成することも効
果的である。
【0023】調整装置5は、入力した制御変数xi に基
づいて、他モジュールに基づく制御対象8Aの制御によ
る制御変数xj の変化の影響を打ち消して制御対象8の
制御変数xi が良好になるように協調制御装置4を調整
する。このようにゲインを調節された協調制御装置4
は、他モジュールの制御による自モジュールの制御対象
への悪影響を打ち消す制御信号、すなわち協調制御信号
を出力する。調整装置5は、具体的には、協調制御装置
4のゲインを調節する。この調整装置5におけるゲイン
の調節を、図2により説明する。ステップ9は、ゲイン
の変化幅を選択する。ゲイン変化幅を選択する手法とし
ては、後述するようなランダム探索がある。このランダ
ム探索は、ゲイン変化幅をランダムに変化させるもので
ある。選択されたゲイン変化幅に基づいて新しいゲイン
を決め、協調制御装置4のゲインをその新しいゲインに
調節する(ステップ10)。ステップ11では、ゲイン
が調節された協調制御装置4で得られた協調制御信号u
iを反映した制御信号Uiに基づいた制御対象8の制御応
答が改善されたかを判定する。制御応答が改善されない
場合は、ステップ9〜11の処理を繰返す。制御応答が
改善された場合は、ステップ9で既に選択されているゲ
イン変化幅に基づいたステップ10の処理を実行する。
この処理によっても、協調制御装置4のゲインは、更に
更新された新しいゲインに調節される。
【0024】上記の制御応答改善の判定には、いくつか
の手法がある。第1の手法は、自モジュールの制御変数
i及び目標値riに基づいて、協調制御装置4のゲイン
に調節による制御応答改善を判定するものである。この
判定を、利己的協調判定と称する。図2のステップ11
は、利己的協調判定によって制御応答改善を判定する。
利己的協調判定によりゲインが調節された協調制御装置
4の出力である協調制御信号ui を反映した制御を、利
己的協調制御という。
【0025】第2の手法は、自モジュールの制御変数x
i及び目標値ri、及び他モジュールの制御変数xj及び
目標値rjに基づいて、協調制御装置4のゲインに調節
による制御応答改善を判定するものである。この判定
を、公益的協調判定と称する。図3のステップ11A
は、公益的協調判定によって制御応答改善を判定する。
なお、図3は、調整装置5で実行される処理手順の他の
例である。図3のステップ9及び10は、図2のそれら
と同じ処理を実行する。公益的協調判定によりゲインが
調節された協調制御装置4の出力である協調制御信号u
i を反映した制御を、公益利己的協調制御という。図3
の処理手順を適用した制御システム1A(本発明の他の
実施例)は、図4に示す構成を有する。
【0026】制御システム1Aは、単独制御装置3,協
調制御装置4,調整装置5A1 及び合成装置6を備えた
制御装置モジュール2A1 、及び単独制御装置3A,協
調制御装置4A,調整装置5A2及び合成装置6を備え
た制御装置モジュール2A2を有する。調整装置5A
1は、自モジュールの制御変数xi及び目標値ri 、及び
他モジュールの制御変数xj及び目標値rjを入力し、図
3の処理手順を実行する。調整装置5A2も、調整装置
5A1と同様な処理を実行する。
【0027】利己的協調制御は、各制御装置モジュール
毎の独立性が高く、実現が容易であるというメリットが
ある。公益的協調制御は、各制御装置モジュール毎の独
立性が低下するが、1つの制御装置モジュール内で単独
制御装置及び協調制御装置が故障してもこれらの制御装
置によって制御されていた制御変数の制御を正常な制御
装置モジュールによってある程度確保することができ
る。
【0028】上記の利己的協調判定の具体的な判定法の
1つに、一定の時間区間内の制御偏差(例えば、(xi
−ri ))の二乗積分値を評価し、減少していれば改善
したと判定する方法である。利己的協調判定の具体的な
他の判定法は、一定の時間区間内の制御応答を伝達関数
にフィッティングし、結果として得られる固有値の値を
もって改善を判定することである。この場合には、最も
実軸に近い固有値の実部の値(通常負である)が減少し
ていれば改善されたと判断する。後者の他の判定法で
は、調整装置5及びは、制御変数xi を入力する。従
って、利己的協調判定を行う場合は、少なくとも制御変
数xi の測定値を必要とする。
【0029】上記の公益的協調判定の具体的な方法とし
ては、両者の制御偏差(例えば、(xi−ri)及び(x
j−rj))の二乗積分値の重み付き和を用いて制御応答
改善を判定する方法がある。
【0030】制御装置モジュール2Aの単独制御装置3
Aに記憶されている単独制御則を表す関数が単独制御装
置3のその関数と異なっており、制御装置モジュール2
Aの協調制御装置4Aに記憶されている協調制御則を表
す関数が協調制御装置4のその関数と異なっているが、
制御装置モジュール2Aの構成は、制御装置モジュール
2の構成と実質的に同じである。制御装置モジュール2
Aの単独制御装置3A,協調制御装置4A,調整装置5
A及び合成装置6の機能は、制御装置モジュール2の単
独制御装置3,協調制御装置4,調整装置5及び合成装
置6の機能と同じである。特に、調整装置5Aは、入力
した制御変数xj に基づいて、他モジュール(制御装置
モジュール2)に基づく制御対象8の制御による制御変
数xi の変化の影響を打ち消して制御対象8Aの制御変
数xj が良好になるように協調制御装置4を調整する。
【0031】本実施例は、2つの制御装置モジュールに
おいて、協調制御装置の出力が単独制御装置に入力され
ず、逆に単独制御装置の出力も協調制御装置に入力され
ず、単独制御装置及び協調制御装置の出力に基づいて、
該当するそれぞれの制御対象を制御できる。このため、
1つの協調制御装置が異常になっても、各々の制御対象
の制御を継続できる。1つの制御装置モジュールでは単
独制御装置及び協調制御装置が正常に機能しているの
で、両制御対象の制御変数の変化に相互干渉が生じる場
合でも、その制御装置モジュールは、該当する制御対象
に対して、他モジュールの制御変数を考慮した協調制御
を反映することができる。このため、両制御対象におけ
る制御変数の変化に対する相互干渉を抑制できる。
【0032】このような本実施例の制御システム1は、
協調制御装置が各制御装置モジュールに設けられている
ので、制御装置モジュール2及び2Aのうちの一方の制
御装置モジュールによる制御によって該当する制御対象
の制御変数の変化が他方の制御装置モジュールの制御対
象の制御変数に影響を与え、他方の制御装置モジュール
による該当する制御対象の制御が一方の制御装置モジュ
ールの制御対象の制御変数に影響を与える相互干渉が生
じた場合でも、制御装置モジュール2及び2Aの制御対
象8及び8Aを適切に制御できる。制御システム1は、
各制御装置モジュールにおいて、他モジュールが制御す
る制御対象における制御変数の測定値を自モジュールの
協調制御装置に入力しているので、複数の制御対象にお
ける制御変数の変化が互いに干渉する事象が生じた場合
でも、極めて短時間に各制御対象におけるそれぞれの制
御変数を、各制御対象の制御により最適な状態に調節で
きる。本実施例の制御システム1は、複数の制御対象
が、或る制御対象における制御変数の変化と他の制御対
象における制御変数の変化が互いに干渉するシステムを
構成する複数の制御対象の制御に適用される。本実施例
は、2つの制御装置モジュールに、自モジュールの制御
対象8における制御変数の測定値を入力する単独制御装
置と、他モジュールの制御対象における制御変数の測定
値を入力する協調制御装置を備えているので、両制御対
象を、各制御装置モジュールの単独制御装置及び協調制
御装置により、直接的にまたは制御変数を介して間接的
に制御できる。このため、両制御変数をより短時間に適
切に制御できる。
【0033】特に、制御システム1は、各制御装置モジ
ュールが自モジュールの制御対象における制御変数の測
定値を入力して単独制御信号uiiを出力する単独制御装
置と他モジュールの制御対象における制御変数の測定値
を入力して協調制御信号uiを出力する協調制御装置を
有するので、各制御装置モジュールにおいて、自モジュ
ールの制御対象に対する単独制御信号uiiを、他モジュ
ールの制御対象における制御変数の変化の影響を考慮し
た協調制御信号ui によって補正することができる。合
成装置は、単独制御信号uiiを協調制御信号ui によっ
て補正する補正装置であるともいえる。このように、単
独制御信号uiiを協調制御信号ui によって補正するこ
とによって、各制御装置モジュールは、自モジュールの
制御対象に対する単独制御の機能を確保でき、複数の制
御対象における制御変数の変化が互いに干渉する事象が
生じた場合でも、極めて短時間に各制御対象におけるそ
れぞれの制御変数を、各制御対象の制御により適切な状
態に調節できる。
【0034】協調制御装置及び合成装置は、大きく見る
と、協調機能を有する、すなわち協調という観点から補
正する補正装置であるとも言える。この補正装置は、他
モジュールの制御対象における制御変数に基づいて自モ
ジュールの単独制御信号を、他モジュールの制御による
悪影響を打ち消すように、補正する。
【0035】本実施例では単独制御装置の出力と協調制
御装置の出力を合成装置で合成しているので、各制御装
置モジュールは、協調制御装置が故障しても単独制御装
置で該当する制御対象を制御することができる。
【0036】各制御装置モジュールは、他の制御装置に
相当する他の制御装置モジュール内で加工された情報を
入力して協調制御を行うのではなく、他の制御装置モジ
ュールに入力される制御変数の測定値を入力して協調制
御を行うので、短時間に協調制御を反映することができ
る。このため、複数の制御対象において該当する制御変
数の変化が干渉する過渡状態においても、該当する制御
対象の制御応答がそれだけ早くなり、早く適切な制御状
態にすることができる。
【0037】また、各制御装置モジュールは、情報が特
定された上記の加工された情報ではなく未加工である生
の制御変数の測定値を入力しているので、これによって
も該当する制御対象の制御応答を改善できる。
【0038】本実施例は、各制御装置モジュールが単独
制御装置及び協調制御装置を有するので、該当する制御
対象の関係に対応して、各制御装置モジュールを単独制
御モード、及び単独制御及び協調制御の併用モードに簡
単に切替えることができる。すなわち、複数の制御対象
が制御変数の変化による相互干渉を生じない関係にある
時には、該当する各制御装置モジュールは、単独制御装
置より該当する制御対象を制御する(単独制御モー
ド)。複数の制御対象が制御変数の変化による相互干渉
を生じる関係にある時には、該当する各制御装置モジュ
ールは、単独制御装置及び協調制御装置の各出力に基づ
いて該当する制御対象を制御する(単独制御及び協調制
御の併用モード)。このような制御モードの切替は、各
制御装置モジュールの協調制御装置が相手側の制御対象
における制御変数を入力することにより必然的に生じ
る。この理由は、その制御変数が変化したときに、これ
を入力する協調制御装置が協調制御信号を出力するから
である。特に、単独制御モードと、単独制御及び協調制
御の併用モードとを切替るための装置を別途設ける必要
はない。このため、各制御装置モジュールの構成も単純
である。
【0039】各制御装置モジュールは調節装置によって
協調制御装置のゲインを調節するので、予め想定できな
い、複数の制御対象における制御変数の変化が互いに干
渉する様々な形態及び干渉の度合いに対しも、各制御対
象に対して協調制御を反映した適切な制御を行うことが
できる。これによって、予め想定できない、複数の制御
対象における制御変数の変化が互いに干渉する様々な場
合において、各制御対象におけるそれぞれの制御変数を
適切な状態に調節できる。特に、調節装置は自モジュー
ルの制御変数の測定値を入力しているので、協調制御装
置のゲインを短時間で最適化できる。特に、複数の制御
対象における制御変数の変化が互いに干渉しない状態か
ら、それらの制御変数の変化が互いに干渉する状態に初
めて移行したときには、協調制御装置のゲインが、その
移行による悪影響を打ち消すように、該当する調節装置
により調節される。一旦、ゲインが調節されると、複数
の制御対象における制御変数の変化が互いに干渉しない
状態に再びなった後に、再び、それらの制御変数の変化
が同じ程度に互いに干渉する状態になったときには、ゲ
インが調節された協調制御装置は、前に調節されたゲイ
ンを用いて上記の悪影響を打ち消す協調制御信号を出力
する。
【0040】本実施例は、各制御装置モジュールの単独
制御装置及び協調制御装置は、互いに別のセンサで測定
された測定値を入力する。特に、各制御装置モジュール
の単独制御装置は自モジュールが制御する制御対象にお
ける制御変数の測定値を、それらの各協調制御装置は、
他モジュールが制御する制御対象における制御変数の測
定値を、それぞれ入力する。このような構成により、各
制御装置モジュールの独立性が確保され、かつ他モジュ
ールの制御による悪影響を打ち消すような協調制御を自
モジュールで行うことができる。上記の調整装置を設け
ることにより、その悪影響を打ち消すように、協調制御
装置のゲインを調節できる。
【0041】これらの効果は、図4の制御ステム1A
においても得られる。
【0042】本発明の他の実施例である制御システム1
を図5に基づいて説明する。本実施例は、図1の制御
システム1の構成に3つめの制御装置モジュール2B及
びセンサ7Bを付加し、制御装置モジュール2,2A及
び2Bをループ状に接続したものである。制御装置モジ
ュール2Bは、制御装置モジュール2及び2Aと同じ構
成を有し、制御対象8Bを制御する。
【0043】3つのモジュール間の情報の伝送により、
制御装置モジュール2の協調制御装置4はセンサ7A及
び7Bにて検出された制御変数x2,x3の各測定値、
及び制御装置モジュール2A及び2Bの目標値r2,r
3を入力する。制御装置モジュール2Aの協調制御装置
4Aはセンサ7及び7Bにて検出された制御変数x1,
の各測定値、及び制御装置モジュール2及び2Bの
目標値r1,r3を入力する。制御装置モジュール2B
の協調制御装置4B(図示せず)はセンサ7及び7Aに
て検出された制御変数x1,x2の各測定値、及び制御
装置モジュール2及び2Aの目標値r1,r2を入力す
る。協調制御装置4(図示せず)は、協調制御信号u1
(=f12(x2)+f13(x3))を出力する。サフィッ
クスのjが2であるf12(x2)は、制御装置モジュー
ル2Aによる協調制御則を表す関数である。サフィック
スのjが3であるf13(x3)は、制御装置モジュール
2Bによる協調制御則を表す関数である。協調制御装置
4A(図示せず)は、協調制御信号u2(=f21(x
1)+f23(x3))を出力する。サフィックスのjが1
であるf21(x1)は、制御装置モジュール2Bによる
協調制御則を表す関数である。協調制御装置4Bは、協
調制御信号u3(=f31(x1)+f32 (x2))を
出力する。
【0044】本実施例も、図1の実施例と同じ効果を生
じる。
【0045】図6は、情報伝送の他の形態を適用した本
発明の他の実施例である制御システム1Cの構成を示
す。本実施例では、各制御装置モジュール2,2A及び
2Bの情報は、放送手段12を介して他の制御装置モジ
ュール伝えられる。放送手段12は、制御システムを
構成している制御装置モジュールの数を認識している。
このため、放送手段12は、1つの制御装置モジュール
から出力された情報を他の制御装置モジュールに伝え
る。
【0046】本実施例も、図1の実施例と同じ効果を生
じる。更に、本実施例は、図5の実施例に比べて、各制
御装置モジュール間の通信の頻度を減少させる効果があ
る。また、放送手段12自身が各制御装置モジュールの
制御対象における制御変数を検出する機能を有する場合
は、各制御装置モジュール間の通信量を減らせるばかり
でなく、或る制御装置モジュールが故障してもこの制御
装置モジュールの制御対象における制御変数を他の制御
装置モジュールが参照できるという利点がある。
【0047】図7に示す他の実施例である制御システム
1Dは、図6の制御システム1Cの情報伝送形態を変え
たものである。制御装置モジュール2Aの協調制御装置
4A(図示せず)は制御変数x1及びx3の各測定値を入
力する。制御装置モジュール2の協調制御装置4(図示
せず)、及び制御装置モジュール2Bの協調制御装置4
B(図示せず)は制御変数x2 の測定値を入力する。し
かし、協調制御装置4は制御変数x3 の測定値を入力せ
ず、協調制御装置4Bは制御変数x1 の測定値を入力し
ない。これは、制御対象8と制御対象8Bとにおける制
御変数の変化の相互干渉が制御対象8Aを介して起きて
いるためであり、協調制御装置4及び4Bが制御対象8
Aにおける制御変数x2 の測定値を入力することによっ
て良好な制御応答を保つことが可能であるからである。
【0048】図5に示す制御システム1Bにおける制御
装置モジュールの使用形態を図8に示した。制御装置モ
ジュール2Cは、図1の制御装置モジュール2と同じ構
成を有する。この制御装置モジュール2Cは、自モジュ
ールの制御対象における制御変数x4 の測定値を入力し
ない、すなわちスタンドアローンで動作する。制御装置
モジュール2,2A及び2Bは、制御対象8C及び自モ
ジュールの制御対象以外の制御対象における制御変数を
入力することによって協調制御を開始する。しかし、制
御装置モジュール2Cは、制御対象8Cに対して単独制
御のみを実施する。もし、制御装置モジュール2が制御
装置モジュール2A及び2Bから切り離された場合に
は、制御装置モジュールはスタンドアローンで動作し、
制御対象8に対して単独制御のみを実施する。このよう
に図1の各制御装置モジュールは、使用形態に応じて、
単独制御と協調制御との併用制御、及び単独制御のみの
制御を実行することができる。
【0049】図9は、図6に示す制御システム1Cにお
ける制御装置モジュールの使用形態を示している。この
ような使用形態でも、図8と同様なことが言える。
【0050】化学プラント等で良く用いられるタンクの
水位制御に適用した本発明の他の実施例である制御シス
テム1Eを、図10に示す。
【0051】まず、制御システム1Eの制御の対象とな
る装置の構成を説明する。2つのタンク13及び15が
配管17によって接続される。バルブ18が、配管17
に設けられる。タンク13には排出口14が設けられ、
タンク15にも排出口16が設けられる。ポンプ19か
ら吐出される水がタンク13内に供給される。バルブ1
8が閉じているとき、この水は排出口14からタンク1
3外に排出される。ポンプ20から吐出される水は、タ
ンク15内に供給され、バルブ18が閉じているときに
排出口16を通ってタンク13外に排出される。7D1
及び7D2は水位計である。ポンプ19及び20は、液
体流量調節装置である。ポンプ19及び20は、ポンプ
19及び20からそれぞれ吐出された水をタンク13及
び15に導く水供給装置(図16においてポンプ19及
び20の下側から、吐出口を有して下方に伸びる配管)
に設けられる。
【0052】制御システム1Eは、単独制御装置3
1 ,協調制御装置4D1 ,調整装置5D1 及び合成装
置6D1を備えた制御装置モジュール2D1、及び単独制
御装置3D2 ,協調制御装置4D2,調整装置5D2及び
合成装置6D2 を備えた制御装置モジュール2D2を有
する。制御装置モジュール2D1及び2D2 は、図1の
制御装置モジュール2及び2Aと、制御関数が異なるだ
けであり実質的に同じ構成及び機能を有する。
【0053】単独制御装置3D1は、(数4)で表わさ
れる単独制御則f11(x1)を記憶する。
【0054】
【数4】
【0055】ここで、f11(x1)は前述した(数1)
でfii(xi)と表わしたものと同等の単独制御則を表
わす。また、K1,K2,K3は単独制御ゲインであ
り、r1は水位x1の制御目標値であり、sはラプラス演
算子である。
【0056】単独制御装置3D2は、(数4)で表わさ
れる単独制御則f22(x2)を記憶する。
【0057】
【数5】
【0058】ここで、右辺のK6,K7,K8は単独制
御ゲインであり、r2は水位x2の制御目標値である。
【0059】協調制御装置4D1に記憶される、(数
3)に示すfij(xj)に相当する協調制御則は、次式
のf12(x2)で表される。
【0060】
【数6】 u1=f12(x2)=K4・(x2−r2)+K5・s・x2 …(数6) ここで、K4,K5は協調制御ゲインである。
【0061】また、協調制御装置4D2は、次式の協調
制御則f21(x1)を記憶する。
【0062】
【数7】 u2=f21(x1)=K9・(x1−r1)+K10・s・x1 …(数7) ここで、K9,K10は協調制御ゲインである。
【0063】制御装置モジュール2D1 は、タンク13
内の水位を制御するために制御対象であるポンプ19の
回転数を制御する。制御装置モジュール2D2 は、タン
ク15内の水位を制御するために制御対象であるポンプ
20の回転数を制御する。まず、バルブ18が閉じてい
る状態の制御について説明する。このとき、制御装置モ
ジュール2D1及び2D2は、互いにスタンドアローンで
動作する。単独制御装置3D1 は、水位計7D1で検出
された制御変数である水位x1の測定値を入力してf
11(x1)を演算して得られた単独制御信号u11を出力す
る。合成装置6D1は、(数8)の演算により制御信号
1を出力する。この制御信号U1は、
【0064】
【数8】 U1=u11+u1=f11(x1)+f12(x2) …(数8) 協調制御装置4D1から協調制御信号u1が出力されない
ので、単独制御信号u11に等しい。ポンプ19の回転数
は、単独制御信号u11によって制御される。
【0065】単独制御装置3D2は、水位計7D2から出
力された水位x1 の測定値を入力してf22(x2)を演
算して得られた単独制御信号u22を出力する。合成装置
6D2は、(数9)の演算により制御信号U2 を出力す
る。ポンプ20の回転数は、協
【0066】
【数9】 U2=u22+u2=f22(x2)+f21(x1) …(数9) 調制御装置4D2から協調制御信号u2が出力されないの
で、単独制御信号u22によって制御される。
【0067】次に、バルブ18が開いた場合の制御につ
いて説明する。このとき、両タンクは物理的な相互作用
を持ち、水位x1の変化と水位x2の変化は相互に干渉す
る。この干渉の結果、各制御装置モジュールがスタンド
アローンで動作していたときの単独制御のみでは、図1
1のように、両タンクの水位の制御応答に大きな振動が
発生し、水位x1及びx2を適切に制御できなくなる。
【0068】しかし、バルブ18が初めて開いた場合で
バルブ18の開度が全開の場合には、調整装置5D1
作用によって協調制御装置4D1の協調制御則の関数の
各ゲインを調節し、調整装置5D2の作用によって協調
制御装置4D2の協調制御則の関数の各ゲインを調節す
る。協調制御装置のゲインの調節操作を調整装置5D1
を例に取って説明する。この調整装置5D1 におけるゲ
イン調節操作を、図13により説明する。図13の処理
は、図2の処理を適用したものである。ステップ9A
は、協調制御装置4D1 における制御関数のゲインK4
及びK5を僅かに変化させる変化幅ΔK4及びΔK5を
選択する。変化幅ΔK4及びΔK5は、ランダム探索に
よって選択される。ステップ10Aでは、選択された変
化幅ΔK4及びΔK5を用いてステップ10Aに示され
た演算式により新たなゲインK4及びK5を演算する。
バルブ18が初めて開く前は、ゲインK4及びK5の初
期値は「0」である。更に、協調制御装置4D1 の各ゲイ
ンを演算によって得られた新しいゲインに調節する。ス
テップ11Bの制御応答の改善の判定は、入力した制御
変数x1及び目標値r1を用いて一定の時間区間内の制御
偏差(xi−ri)の二乗積分値を評価し、二乗積分値が減
少していれば制御応答が改善したと判定する。ステップ
11Bの判定が「No」の場合は、ステップ9Aにより新
たな変化幅ΔK4及びΔK5を再選択する。ステップ1
1Bの判定が「Yes」の場合、すなわち水位x1 の制御
応答が改善された場合には、ステップ10Aにおいて、
同じ変化幅ΔK4及びΔK5で増加させた新たなゲイン
K4及びK5を演算により求める。これらのゲインK4
及びK5に協調制御装置4D1の各ゲインを調節する。
【0069】調整装置5D2による協調制御装置4D2
ゲインの調節操作は、水位x2 の制御応答を改善するよ
うに行われ、調整装置5D1による協調制御装置4D1
ゲインの調節操作と実質的に同じである。
【0070】バルブ18が初めて開いた場合(バルブ1
8の開度全開)において調整装置5D1及び5D2の作用
によって協調制御装置4D1及び4D2の関数の各ゲイン
を調節し、協調制御装置4D1及び4D2による協調制御
を前述の単独制御と併用する本実施例によれば、両タン
クにおいてバルブ18が開したときに水位x1 及びx2
の変化が相互に干渉した場合であっても、図12に示す
ようには水位x1及びx2 に対する制御応答が改善され
る。すなわち、本実施例では、制御応答は、バルブが開
いたときに一旦振動的になるものの、バルブ開と同時に
協調制御装置4D1及び4D2のゲインが調整され、協調
制御装置4D1及び4D2による協調制御が働くので、短
時間で再び矩形歯状のきれいな制御応答に回復する。
【0071】バルブ18が初めて開いた場合でバルブ1
8の開度が全開の場合に、一旦、協調制御装置4D1
び4D2のゲインが調整されると、それ以降にバルブ1
8の開度が全閉になって、再度、バルブ18の開度が全
開になった場合には、前述したように、水位x1の変化
と水位x2の変化とは相互に干渉しようとする。しか
し、バルブ18の開度が全開になった場合については、
前述したように、調整装置5D1及び5D2により協調制
御装置4D1及び4D2のゲインが調節済みであるので、
再度、バルブ18の開度が全開になったときには協調制
御装置4D1 及び4D2 のゲインの調節は行われない。
すなわち、バルブ18の開度が、再度、全開になったと
きには、それに併せて調節済みのゲインを有する協調制
御装置4D1及び4D2 の各協調制御信号を反映した制御
信号U1及びU2を用いた制御が直ちに行われる。
【0072】しかし、バルブ18が全閉の状態になった
後にバルブ18の開度が全開とは異なる1/2だけ開い
た場合には相互干渉が全開時のその度合いと異なるの
で、調整装置は自モジュールが制御する制御対象におけ
る制御変数を入力して、対応する協調制御装置のゲイン
を調節し直す。このように、調整装置は、複数の制御対
象における相互干渉の度合いが協調制御装置のゲインを
調節した以前の時点と異なる場合に、協調制御装置のゲ
インを再度調節する。
【0073】本実施例の制御システム1Eは、図1の制
御システム1と同様な作用及び効果も生じる。
【0074】制御システム1Eにおいて、一例として図
14に示すように協調制御装置4D1が故障した場合を想
定する。故障した協調制御装置4D1 を含む制御装置モ
ジュール2D1は、単独制御装置3D1による単独制御の
みに移行し、水位x1 の制御を単独に実施する。制御装
置モジュール2D2は、2台の制御装置(単独制御装置3
2及び協調制御装置4D2)が健全であるので、単独制
御及び協調制御により水位x2を制御する。調整装置5
2のステップ11Bは利己的協調判定を行っており協
調制御装置4D2で利己的協調制御が行われるので、協
調制御装置4D1が故障した場合には水位x1の制御に対
して協調制御が行われないため、水位x1の制御応答は
水位x2のそれに比べて劣化せざるを得ない。
【0075】図15に示す他の実施例である制御システ
ム1E1 は、制御装置モジュール2D3及び2D4を有
し、公益的協調制御を行う図4の制御システム1Aを両
タンクの水位x1及びx2の制御に適用したものである。
制御装置モジュール2D3 及び2D4は、図14の制御
装置モジュール2D1及び2D2の調整装置5D1及び5
2 を公益的協調判定を行う調整装置5D3及び5D4
替えたものである。協調制御装置4D1及び4D2は公益
的協調制御を行う。従って、図15のように、制御装置
モジュール2D3内の単独制御装置3D1及び協調制御装
置4D1 が故障した場合でも、協調制御装置4D2によ
りタンク13内の水位x1の制御が或る程度確保でき
る。本実施例は、図1の実施例と同様な作用及び効果も
得ることができる。
【0076】物体の位置決め装置に適用した本発明の他
の実施例である制御システム1Fを図16に示す。
【0077】物体の位置決め装置は、2つのサーボシリ
ンダ21及び27を組み合わせて構成される。サーボシ
リンダ21は、シリンダ22,シリンダ22内に設けら
れたモータ23,右端がシリンダ22外に突出しシリン
ダ22内を移動するピストン25を有する。ピストン2
5の軸心部にネジ孔26が形成されている。モータ23
の回転軸24は、ネジ棒であり、ネジ孔26と係合して
いる。サーボシリンダ27は、シリンダ及びピストンの
寸法が異なるがサーボシリンダ21と実質的に同じ形状
を有する。サーボシリンダ27は、シリンダ2,シリ
ンダ2内に設けられたモータ29,右端がシリンダ2
外に突出しシリンダ2内を移動するピストン31を
有する。ピストン31の軸心部にネジ孔32が形成され
ている。モータ29の回転軸30は、ネジ棒であり、ネ
ジ孔32と係合している。サーボシリンダ21のピスト
ン25の右端は、サーボシリンダ27のシリンダ28
に、例えば、着脱可能に取り付けられる。
【0078】シリンダ28及びピストン31の長さは、
シリンダ22及びピストン25のそれよりも短い。ま
た、回転軸30に形成されたネジ及びネジ孔32のネジ
のピッチは、回転軸24に形成されたネジ及びネジ孔2
6のネジのそれよりも小さい。ピストン25及び31
は、モータ23及び29の回転によってシリンダ2
28内を左右に動く。シリンダ28は、ピストン25
の動き追従して左右に動く。ピストン32の右端に接
触している物体33は、ピストン25及び31の動きに
追従して左右に動き、制御システム1Fによる制御によ
って所定位置に位置決めされる。サーボシリンダ21は
物体位置の粗調整を行い、サーボシリンダ27は物体位
置の微調整を行う。
【0079】制御システム1Fは、制御装置モジュール
2F1及び2F2を有する。制御装置モジュール2F1
び2F2の制御対象は、モータ23及び29である。回
転角度変位検出器7F1 はモータ23の回転角度の変位
量を検出し制御装置モジュール2F1に伝える。回転角
度変位検出器7F2はモータ29の回転角度の変位量を
検出し制御装置モジュール2F2に伝える。回転角度変
位検出器7F1はシリンダ25の右端の位置を実質的に
検出し、回転角度変位検出器7F2 はシリンダ31の右
端の位置を実質的に検出する。
【0080】制御システム1Fの詳細な構成を、図18
により説明する。制御システム1Fは、単独制御装置3
1,協調制御装置4F1,調整装置5F1,合成装置6
1及び位置演算装置34を備えた制御装置モジュール
2F1、及び単独制御装置3F2,協調制御装置4F2
調整装置5F2,合成装置6F2 及び位置演算装置35
を備えた制御装置モジュール2F2を有する。
【0081】位置演算装置34は、回転角度変位検出器
7F1 によって検出されたモータ23の回転角度の変位
量x1を、シリンダ28の移動方向における位置x1に変
換し、回転角度の変位量x1 に基づいてシリンダ28の
単位時間あたりの移動率x2(=d(x1)/dtを演算す
る。位置x1及び移動率x2が、検出器7F1 によって検
出されたモータ23の実質的な制御変数であり、単独制
御装置3F1 ,調整装置5F1及び協調制御装置4F2
伝えられる。位置演算装置35は、回転角度変位検出器
7F2によって検出されたモータ29の回転角度の変位
量x3を、物体33の移動方向における位置x3に変換
し、回転角度の変位量x3に基づいて物体33の単位時
間あたりの移動率x4(=d(x3)/dtを演算する。位
置x2 及び移動率x4が、検出器7F2によって検出され
たモータ29の実質的な制御変数であり、単独制御装置
3F2,調整装置5F2及び協調制御装置4F1 に伝えら
れる。合成装置6F1の出力である制御信号U1はモータ
23の駆動を制御し、合成装置6F2の出力である制御
信号U2はモータ29の駆動を制御する。
【0082】制御システム1Fは、位置演算装置34及
び35を設けた点を除いて図1の実施例と同じ構成であ
り、同じ作用を奏する。
【0083】図17は、図16に示す2つのサーボシリ
ンダ21及び27を組み合わせて構成される物体の位置
決め装置の力学的なモデルを示している。ピストン25
の慣性がm1,アクチュエータであるモータ23の発生
する力がF1、及びサーボシリンダ21の変位がx1,そ
の粘性がk1、及びその剛性がb1 であり、ピストン3
1の慣性がm2,アクチュエータであるモータ29の発
生する力がF2,サーボシリンダ21の変位がx2,その
粘性がk2、その剛性がb2である。
【0084】制御装置モジュール2F1は、力F1を制御
出力とし、変位x1 を制御変数として、制御対象である
慣性m1を制御する。制御装置モジュール2F2も、同様
に、力F2を制御出力とし、変位x2を制御変数として、
制御対象である慣性m2 を制御する。
【0085】後述する図24がサーボシリンダ21とサ
ーボシリンダ27とが分離した状態を示すが、図16は
それらが結合された状態、すなわちサーボシリンダ21
に関係する制御変数の変化がサーボシリンダ27に関係
する制御変数の変化に影響する。まず、図24の状態で
は、サーボシリンダ21及び27に関係する各制御変数
の変化が相互に影響を与えないので、制御装置モジュー
ル2F1 の単独制御装置3F1によるモータ23の駆動
制御が、制御装置モジュール2F2の単独制御装置3F
2 によるモータ29の駆動制御が、それぞれ独立になさ
れる。図25は、図24の状態でのサーボシリンダシス
テムの力学的なモデルを示す。図24から図16の状態
に変化した場合を想定する。図16の場合は、2つのサ
ーボシリンダが直列に連結された状態であり、上記した
ように各々の制御変数の変化に相互干渉が生じる。すな
わち、直列に結合された2台のサーボシリンダに力学的
な相互作用が発生する。この場合、図1の実施例で述べ
たような調整装置による協調制御装置のゲインの調節が
行われ、ゲイン調節がなされた協調制御則を用いた制御
が必要になる。
【0086】或る制御装置モジュールで制御される制御
対象における状態変数をxi とするとき、自モジュール
の単独制御装置は(数10)の単独制御則の関数を演算
して単独制御信号uiiを得る。
【0087】
【数10】 uii=−gii …(数10) ここでgi は単独制御ゲインベクトルである。一方、上
記の自モジュールに対して他モジュールである制御装置
モジュールで制御される制御対象における状態変数をx
j とするとき、協調制御装置は(数11)に示す協調制
御則の関数を演算し協調制御信号uiを得る。
【0088】
【数11】 uij=−gjj …(数11) ここでgj は協調制御ゲインベクトルである。
【0089】調整装置の調整アルゴリズム(図2参照)
は、このゲインベクトルgj を調整して、自モジュール
の制御応答に関する協調制御装置の評価関数をオンライ
ンで最適化するものである。調整に当たってはゲインの
増分をランダムに変化させて結果をみるランダム探索を
用いる(ステップ9)。ここでゲインの増分の選択には
乗法的方法をとることにした。これはゲインベクトルの
各要素のオーダーが事前に予測し難いためである。例え
ば、乗法的方法では0.1も10.0も共通にゲインを1
0%増加させることはできるが、加法的方法を用いた場
合には0.1 に対する前者のゲイン増分を0.01に、
10.0に対するゲイン増分を1.0 に設定しなければ
ならず、ゲイン増分の決定が煩雑になる。また、ゲイン
を一定比率で増加または減少させ続けることで、比較的
速やかに大きなレンジでの調整ができる。但し、正
(負)の初期値から始めると負(正)の値にはならない
という問題がある。そこで、ゲインベクトルの各要素を
正負2つのゲインパラメータの差として定義し、これら
の(ベクトルgj の要素数の2倍の数の)ゲインパラメ
ータPn(nは添字)を各々1.0に初期設定しておい
て、別々に乗法的調整を行うことにした。探索アルゴリ
ズムは次の通りである。
【0090】(1)評価時間幅Tを設定する。kを評価
回数を示すステップとすると、評価値V(k)は時刻
(t−T)〜tの時間区間内におけるxi の制御応答か
ら計算する。ゲインパラメータの更新も同期して行う。
尚、評価値は小さいほど良いものとする。初期値として
適当な最小評価値VoptとそのときのゲインパラメータP
n−optを記録しておく。
【0091】(2)今回の評価ステップkにおける評価
値V(k)がVoptよりも小さければ、Voptとゲインパラメ
ータPn−opt を現在のPn(k)とV(k)の値に更新し、
さらにゲインパラメータを前回と同じ割合だけ増減して
n(k+1)を生成する。もし図2のステップ11の判
定で制御応答が改善されていなければ、再度、各ゲイン
パラメータを各々独立に、ある範囲内のランダムな割合
で増減する。すなわち、区間[−d,d]の範囲内での
乱数を発生し、その値を増減率としてPn を変更する。
【0092】この増減率の変動幅dは評価関数値Vに依
存して定める。例えば、制御装置モジュールをスタンド
アローンで使用した時の制御応答における評価関数値を
目安とする。この目安と同じ値にまで制御応答が改善さ
れたらゲインの増減率がゼロとなるようにし、それより
も大きいときに増減率が比例して拡大するように設定す
る。またdには上限値(例えば0.2 )を定める。
【0093】本実施例の制御システム1Fを適用した物
体の位置決め装置の全体システムの制御変数(状態変
数)はx1,x2=d(x1)/dt,x3,x4=(x3)/d
tであるので、物体の位置決め装置が図24の状態(分
離時)にあるときの状態方程式は、(数12)のように
なる。
【0094】
【数12】
【0095】また、物体の位置決め装置が図24の状態
(結合時)にあるときの状態方程式は、(数13)のよ
うになる。
【0096】
【数13】
【0097】分離していた物体の位置決め装置の2つの
サーボシリンダが結合されたことで上記のように状態方
程式に大きな違いが生じ、これが制御特性の劣化につな
がる。
【0098】(数12)及び(数13)に示される各変
数の値として、以下の値、m1=m2=1,k1=9,k2
=4,b1=b2=0.1 を用いた。更に偏差積分の状態
変数x5=(x1の偏差の積分値)、x6=(x3の偏差の
積分値)を追加して定義すると、制御装置モジュール2
1の単独制御装置3F1で単独制御信号u11を得るため
に演算される単独制御則は、(数14)で示される。
【0099】
【数14】
【0100】ここで、P0=19,P1=6,P2=4
で固定されている。(数14)はPID制御と等価であ
る。
【0101】次に、制御装置モジュール2F1の協調制
御装置4F1で協調制御信号u1 を得るために演算され
る協調制御則u12は、制御装置モジュール2F2 から通
知される変数x3,x4,x6 を用いて(数15)のよう
に表わされる。
【0102】
【数15】
【0103】さて、上記の協調制御パラメータP3から
P8はランダム探索により初期値である1.0からより
適切な値にオンラインで変化して行く。調整装置5F1
で実行される図2のステップ11の応答性の改善判定に
用いられる評価関数V1 は(数16)のように表わされ
る。
【0104】
【数16】
【0105】すなわち、制御装置モジュール2F1 の利
己的な制御応答を改善するために制御装置モジュール2
2 から通知される制御変数を用いている。P3〜P8
を調整する際のランダム探索における増減率の変動幅d
1 は、物体の位置決め装置のサーボシリンダ21及び2
7が図24のように分離しているときの評価値0.25を用
いて(数17)のように定めた。
【0106】
【数17】 d1(k)=min{2.0(V1(k)−0.25),0.2} …(数17) 制御装置モジュール2F2の単独制御装置3F2,協調制
御装置4F2 及び調整装置5F2 に用いられる制御則及
び調整アルゴリズムは、同様に、以下の式で表される。
単独制御装置3F2 に用いられるPIDに相当する単独
制御則は、(数18)で表される。
【0107】
【数18】
【0108】ここで、P10=23,P11=6,P1
2=4で固定されている。
【0109】協調制御装置4F2 での演算に用いられる
協調制御則は、(数19)で表される。
【0110】
【数19】
【0111】調整装置5F2 で用いられる制御装置モジ
ュール2F2 の評価関数は、(数20)で表される。
【0112】
【数20】
【0113】P13〜P18を調整する際のランダム探
索における増減率の変動幅d2 は、サーボシリンダ21
及び27が図24のように分離しているときの評価値
0.3を用いて(数21)のように定めた。
【0114】
【数21】 d2(k)=min{2.0(V2(k)−0.30),0.2} …(数21) 以上のように構成された各制御装置モジュールを用いた
制御応答を図19及び20に示す。これらの図の制御応
答は、目標値が周期10秒の矩形波状に与えられたサー
ボシリンダ21の変位x1及びサーボシリンダ27の変
位x3の応答をプロットしている。図19は、従来の単
独制御だけの場合の制御応答である。従来の単独制御だ
けの場合は、サーボシリンダ21及び27を図24のよ
うに分離した状態のまま使用し、各々のサーボシリンダ
21及び27を上記のように構成した単独制御装置だけ
をそれぞれ用いてここに制御した場合に相当する。図2
0の制御応答は、単独制御装置及び協調制御装置を有す
る本実施例の制御システム1Fを機能させたときのもの
である。いずれの場合も、時刻50秒においてサーボシ
リンダ21及び27の分離使用の状態からこれらの結合
使用の状態に変化した場合のものである。
【0115】サーボシリンダ21及び27の力学的な相
互干渉の結果、図19に示す従来の単独制御(PID制
御に相当)だけによる制御の場合ではサーボシリンダ2
1及び27の結合時から制御応答が劣化している。しか
し、本実施例の制御システム1Fを機能させた場合は、
図20に示すように、制御システム1Fの単独制御装置
及び協調制御装置が働き、一度劣化した制御応答が改善
されている。調整装置での制御応答の応答の評価及び協
調制御装置のゲイン調整のための時間幅Tは5秒であ
り、制御応答は目標値として与えられる矩形波と同期し
ている。図21には協調制御装置4F1 のゲインの一例
として(数15)における(P6−P5)を、及び図2
2には協調制御装置4F2 のゲインの一例として(数1
9)における(P16−P15)をそれぞれプロットして
ある。時刻50秒から変化が始まり、150秒付近で
は、ほぼ一定値に収束している。
【0116】また、サーボシリンダ21及び27が分離
と結合を繰り返した場合を想定したときの制御応答を図
26および図27に示す。図26はサーボシリンダ21
の変位x1の制御応答を示す。図27はサーボシリンダ
27の変位x3の制御応答を示す。最初の結合時に協調
制御装置のゲインが調整されてしまうと、その後の分離
と再結合に際しては直ちに良好な応答を維持できる。
【0117】図23は、本実施例における効果を示す制
御応答グラフを示す。本実施例の制御応答波形に明かな
改善が見られるが、これを更に定量的に検討するために
物体の位置決め装置全システムの固有値を調べてみる。
この全システムは6次系であるから、6つの固有値があ
る。図23は、サーボシリンダ21及び27が分離して
いる状態(時刻50秒未満)、サーボシリンダ21及び
27との結合初期(時刻50秒)及び150秒経過後の
3種類の全システムの固有値を描いてある。固有値の半
数は複素共役根であるから、図23の上半分を見ればよ
い。図23中の矢印に示すような時間経過をたどって、
各固有値が変位している。図23から明らかなことはサ
ーボシリンダ21及び27の分離状態におけるPID制
御の固有値が、システムの相互作用開始により一旦大き
く変化し、次に協調制御則の自己組織化によってまた元
の値の近傍に戻ってきていることである。
【0118】以上述べた本実施例の制御システム1F
は、図1の実施例と同様な作用及び効果も得ることがで
きる。
【0119】本発明の制御システムを原子力プラントの
1つである沸騰水型原子炉プラントに適用した他の実施
例を、図28及び図29に基づいて説明する。まず、図
28により沸騰水型原子炉プラントの概要を説明する。
原子炉40内で発生した蒸気は、蒸気加減弁49を設け
た主蒸気配管47を通ってタービン44に導かれる。こ
の蒸気は復水器45で凝縮され水になる。この水は、冷
却水として給水ポンプ50で昇圧され、給水配管51を
通って原子炉40に戻される。46はタービン44に連
結される発電機である。再循環ポンプ42は、モータ4
3によって駆動され、原子炉40に内蔵された炉心に冷
却水を供給する。このような沸騰水型原子炉プラント
は、再循環流量制御装置2G1及び圧力制御装置2G2
有する。再循環流量制御装置2G1は、流量計7G1によ
って測定された炉心に供給される冷却水流量(炉心流
量)に基づいて、モータ43の回転数を制御することに
よって再循環ポンプ42から吐出される再循環流量を制
御することによって、炉心流量を制御する。炉心流量が
増加すると原子炉出力は上昇し、逆にその量が減少する
と原子炉出力は低下する。このように再循環流量制御装
置2G1 は原子炉出力、すなわち炉心流量を制御する。
圧力制御装置2G2は、圧力計7G2で測定された主蒸気
圧力に基づいて、蒸気加減弁49の開度を制御し、原子
炉圧力を所定値に制御する。
【0120】本実施例の制御システム1Gを図29によ
り説明する。制御システム1Gは、単独制御装置である
単独流量制御装置3G1 ,協調制御装置4G1 ,調整装
置5G1 及び合成装置6G1 を含む制御装置モジュール
である再循環流量制御装置2G1 、及び単独制御装置で
ある単独流量制御装置3G2,協調制御装置4G2,調整
装置5G2及び合成装置6G2を含む制御装置モジュール
である圧力制御装置2G2を備える。流量計7G1によっ
て測定された炉心流量(制御変数x1 )は、単独流量制
御装置3G1,調整装置5G1及び協調制御装置4G2
それぞれ入力される。合成装置6G1から出力される制
御信号U1に基づいてモータ43の回転数が制御され
る。また、圧力計7G2 によって測定された主蒸気圧力
(制御変数x2)は、単独流量制御装置3G2,調整装置
5G2及び協調制御装置4G1にそれぞれ入力される。合
成装置6G2から出力される制御信号U2に基づいてモー
タ43の回転数が制御される。本実施例は、再循環ポン
プ42の変わりにインターナルポンプを用いてもよい。
再循環ポンプ42及びインターナルポンプは、炉心に冷
却水を供給する装置であると言える。
【0121】このような沸騰水型原子炉プラントにおい
ては、蒸気加減弁49の開度を変えないで、再循環流量
制御装置2G1 により炉心流量を増加させ原子炉出力を
増加させると、原子炉40内で発生する蒸気量が増大し
原子炉圧力が増加する。原子炉圧力の増加は炉心内のボ
イドをつぶして原子炉出力を更に増大させる。このよう
なことを避けるために、圧力制御装置2G2 により蒸気
加減弁49の開度を調節して原子炉圧力を減少させ所定
値に保持する。また、炉心流量を一定にした状態で、圧
力制御装置2G2 により蒸気加減弁49の開度を増加さ
せると、原子炉圧力が低下し、これにより炉心内のボイ
ド量が増加するので原子炉出力が減少する。従って、原
子炉出力が一定に保持できなくなるので、再循環流量制
御装置2G1 により炉心流量を増加させ原子炉出力を増
加させる必要が生じる。このように再循環流量制御装置
2G1による炉心流量の制御により、圧力制御装置2G2
によって制御される制御変数x2 である主蒸気圧力が変
化する。逆に、圧力制御装置2G2により主蒸気圧力を
制御すると、再循環流量制御装置2G1によって制御さ
れる制御変数x1 である炉心流量が変化する。炉心流量
及び主蒸気圧力の変化は相互に干渉する。
【0122】再循環流量制御装置2G1は図1の制御装
置モジュール2の機能を有し、圧力制御装置2G2は図
1の制御装置モジュール2Aの機能を有する。すなわ
ち、再循環流量制御装置2G1 における単独流量制御装
置3G1,協調制御装置4G1,調整装置5G1及び合成
装置6G1のそれぞれは、上記制御装置モジュール2に
おける単独制御装置3,協調制御装置4,調整装置5及
び合成装置6のうちの対応する装置と実質的に同様に機
能する。また、圧力制御装置2G2 における単独流量制
御装置3G2,協調制御装置4G2,調整装置5G2及び
合成装置6G2のそれぞれも、上記制御装置モジュール
2Aにおける単独制御装置3A,協調制御装置4A,調
整装置5A及び合成装置6Aのうちの対応する装置と実
質的に同様に機能する。従って、上記のような相互干渉
が生じる場合でも、図16の実施例と同様に、各々の制
御変数の制御応答を短時間に改善することができる。
【0123】調整装置2G1及び22は、沸騰水型原子炉
プラントが初めて運転を開始したときに、再循環流量制
御装置2G1及び圧力制御装置2G2が初めて機能すると
きに、協調制御装置4G1及び4G2のゲインを調節す
る。それ以外の場合は、例えば、原子炉の負荷追従運転
で部分負荷運転を行うときに単独流量制御装置3G1
対する炉心流量の目標値r1を変えた場合において、調
整装置2G1及び22は、協調制御装置4G1及び4G2
ゲインを調節する。その目標値r1 の変更は、沸騰水型
原子炉プラントの統括制御装置によって自動的に(また
は操作版により手動で)行われる。
【0124】本実施例の制御システム1Gは、図1の実
施例と同様な作用及び効果も得ることができる。
【0125】空調システムに適用した本発明の他の実施
例である制御システム1Hを図30及び図31により以
下に説明する。この空調システムは、2つの空調機52
A及び52Bを1つの部屋内に設置したものである。
【0126】空調機52Aは、部屋内の図示した箇所に
設置した温度センサ7H1 で測定された温度T1に基づ
いて設定温度r1 (目標値)になるように制御されてい
る。また、空調機52Bは、部屋内の別の箇所に設置し
た温度センサ7H2 で測定された温度T2に基づいて設
定温度r2 (目標値)になるように制御されている。同
じ部屋内で近くに設置された空調機52A及び52B
は、空調機52A及び52Bから部屋内に吐出された空
気流により相互に干渉が生じる。
【0127】例えば、設定温度r1と設定温度r2とが等
しく、温度T1が設定温度r1 になっており、温度T2
が温度T1よりもかなり低い温度になっているとする。
空調機52A及び52Bがそれぞれ単独で制御されてい
た場合、空調機52Aは同じ出力を保ち、空調機52B
は加熱を開始する。この場合、温度T2は設定温度r2
に向けて上昇するが、温度T1も共に上昇してしまう。
このような温度の相互干渉を考えると、温度T2が低く
なったときには、空調機52Aの熱出力をむしろ抑える
ことが適切な制御である。
【0128】空調制御装置2H1 及び熱媒体を圧縮する
コンプレッサ53Aが、空調機52A内に設けられる。コ
ンプレッサ53Aから吐出された熱媒体は、空調機52
A内に設置されたパイプ内を循環する。
【0129】空調制御装置2H1を含む制御システム1
Hは、空調制御装置2H2も有する。この空調制御装置
2H2、及び空調制御装置2H2によって制御されるコン
プレッサ53Bは、空調機52B内に設けられる。空調
制御装置2H1 は、コンプレッサ53Aを制御する。
【0130】空調制御装置2H1 及び2H2 の構成は、
図31に示される。空調制御装置2H1 は、単独制御装
置である単独流量制御装置3H1,協調制御装置4H1
調整装置5H1及び合成装置6H1を含む制御装置モジュ
ールである。空調制御装置2H2 は、単独制御装置であ
る単独流量制御装置3H2,協調制御装置4H2,調整装
置5H2及び合成装置6H2を含む制御装置モジュールで
ある。温度センサ7H1 によって測定された温度T1
(制御変数x1)は、単独流量制御装置3H1,調整装置
5H1 及び協調制御装置4H2にそれぞれ入力される。
合成装置6H1から出力される制御信号U1 に基づいて
コンプレッサ53Aの回転数が制御される。温度センサ
7H1によって測定された温度T2(制御変数x2)は、
単独流量制御装置3H2,調整装置5H2及び協調制御装
置4H1 にそれぞれ入力される。合成装置6H2から出
力される制御信号U2に基づいてコンプレッサ53Aの
回転数が制御される。コンプレッサ53A及び53Bの
回転数に対応して空調機52A及び52B内の熱媒体の温
度が変化し、空調機52A及び52Bからそれぞれ吐出
される空気流の温度が変化する。
【0131】単独温度制御装置3H1は、温度T1の測
定値とそれの設定温度r1との偏差を入力して、この偏
差をゼロにするようにコンプレッサ53Aの回転数を制
御する。また、協調制御装置4H1は、温度T2の測定
値と単独温度制御装置3H2に対する設定温度r2とを入
力し、温度T2の測定値と設定温度r2との偏差の関数
として定義される協調制御則に従い、コンプレッサ53
Aの回転数を制御する。協調制御装置4H1に記憶され
ている協調制御則のゲインは、調整装置5H1によって
前述したように調節される。一方、空調制御装置2H2
の単独温度制御装置3H2は温度センサ7H2で測定され
た温度T2と設定温度r2 との偏差を用いてこの偏差を
ゼロにするようにコンプレッサ53Bの回転数を制御す
る。協調制御装置4H2は、温度T1の測定値と単独温
度制御装置3H1 に対する設定温度rとを入力し、温
度T1と設定温度rとの偏差の関数として定義され
る協調制御則に従い、コンプレッサ53Bの回転数を制
御する。協調制御装置4H2 の協調制御則は調整装置5
2 によって前述のように調節される。調整装置5H1
及び5H2 による協調制御装置4H1及び4H2のゲイン
の調節は、同じ部屋内における空調機の設置台数が変わ
ったとき、及び空調機の設定温度を変更したとき等にな
される。
【0132】空調制御装置2H1 における単独温度制御
装置3H1,協調制御装置4H1,調整装置5H1及び合
成装置6H1のそれぞれは、前述の制御装置モジュール
2における単独制御装置3,協調制御装置4,調整装置
5及び合成装置6のうちの対応する装置と実質的に同様
に機能する。また、空調制御装置2H2 における各装置
それぞれも、前述した制御装置モジュール2A内の対応
する装置と実質的に同様に機能する。従って、上記のよ
うな相互干渉が生じる場合でも、図16の実施例と同様
に、各々の制御変数の制御応答を短時間に改善すること
ができる。
【0133】この実施例によれば、同一室内に何台の空
調機を設置しても、その相互干渉に適した協調的制御が
自動的になされる。また、任意の空調機の停止、及び故
障に関しても温度の測定結果へ他の空調制御装置に入力
できれば、前述の公益的協調制御を用いる(図3の処理
を調整装置で実行させる)ことによって或る空調制御装
置機能の欠損をカバーできる。
【0134】本実施例の制御システム1Hは、図1の実
施例と同様な作用及び効果も得ることができる。
【0135】図32及び図33は、部屋内に設置された
2つの音響装置54A及び54Bを制御する制御システ
ム1Iを示している。音響装置54Aは、制御装置モジ
ュールである音響制御装置2I1 ,アンプ55A及びス
ピーカ56を有する。音響装置54Bも、制御装置モジ
ュールである音響制御装置2I2 ,アンプ55B及びス
ピーカ56を有する。
【0136】制御システム1Iは、単独制御装置である
単独音場制御装置3I1 ,協調制御装置4I1,調整装
置5I1及び合成装置6I1を含む音響制御装置2I1
及び単独制御装置である単独音場制御装置3I2,協調
制御装置4I2,調整装置5I2及び合成装置6I2を音
響制御装置2I2を備える。センサ7I1 によって測定
された音響エネルギーである音場P1(制御変数x1
は、単独音場制御装置3I1,調整装置5I1及び協調制
御装置4I2にそれぞれ入力される。合成装置6I1
ら出力される制御信号U1 に基づいてアンプ55Aが制
御され、増幅率及び移送シフト量が調節される。これに
よって、制御された条件にマッチした音声が音響装置5
4Aのスピーカ56から出力される。センサ7I2 によ
って測定された音場P2(制御変数x2)は、単独音場制
御装置3I2,調整装置5I2及び協調制御装置4I1
それぞれ入力される。合成装置6I2から出力される制
御信号U2 に基づいてアンプ55Aが制御される。これ
によって、制御された条件にマッチした音声が音響装置
54Bのスピーカ56から出力される。
【0137】音響制御装置54Aは、図示した箇所に設
置したセンサ7I1 で測定された音場に基づいて音響装
置54Aから出力される音声の音場を目標値r1 になる
ように制御する。一方、音響制御装置54Bは、図示し
た別の箇所に設置したセンサ7I2 で測定された音場に
基づいて音響装置54Bから出力される音声の音場を目
標値r2 になるように制御する。同じ室内で近くに設置
された両音響装置において相互干渉が生じる。例えば、
音場P1が所望の値であり、音場P2がそれよりもかな
り低い値であるとする。両音響装置が単独で制御されて
いた場合、音響制御装置2I1は同じ出力を保ち、音響
制御装置2I2は出力を増大する。すると、音場P2は
所定の値に向けて上昇するが、音場P1も共に上昇して
しまう。このような相互干渉を考えると、音場P2が低
いときには、音響制御装置2I1 の出力をむしろ抑える
ことが必要である。
【0138】音響制御装置2I1の単独音場制御装置3
I1は、音場P1を入力して、この値を目標値r1にす
るようにアンプ55Aの増幅率や位相シフト量を制御す
る。協調制御装置4I1は、他モジュールに対する制御
変数であるP2の値を入力し、P2の関数として定義さ
れる協調制御則に従い、アンプ55Aの増幅率及び位相
シフト量を制御する。調整装置5I1は、音場P1に基
づいて、協調制御装置4I1の協調制御則のゲインを適
切に調節する。一方、音響制御装置2I2の単独音場制
御装置3I2は、音場P2の値を入力して、この値が目
標値r2になるようにアンプ55Bの増幅率及び位相シ
フト量を制御する。協調制御装置4I2は音場P1の値
を入力し、P1の関数として定義される協調制御則に従
い、アン55Bの増幅率及び位相シフト量を制御す
る。調整装置5I1は、音場P1に基づいて、協調制御
装置4I1の協調制御則のゲインを適切に調節する。
【0139】本実施例によれば、同一室内に何台の音響
装置を設置しても、その相互干渉に適した協調的制御が
自動的になされる。また、任意の音響装置の停止及び故
障に関しても音場の測定結果さえ他の音場制御装置に入
力できれば、前述の公益的協調制御を用いる(図3の処
理を調整装置で実行させる)ことによって或る音響制御
装置機能の欠損をカバーできる。
【0140】本実施例の制御システム1Iは、図1の実
施例と同様な作用及び効果も得ることができる。
【0141】照明システムに適用した本発明の他の実施
例である制御システム1Jを図34及び図35に示す。
制御システム1Jは、照明強度制御装置2J1及び2J2
を有する。上記の照明システムは、2つの照明装置57
A及び57Bを1つの部屋内に設けたものである。各照
明装置は、1つの部屋の天井に設けられた蛍光灯の半分
を含んでいる。
【0142】照明装置57Aは、照明強度制御装置2J
1,照明強度調節器58A及び蛍光灯59Aを含む。照
明装置57Bは、照明強度制御装置2J2,照明強度調
節器58B及び蛍光灯59Bを含む。
【0143】照明強度制御装置2J1は、単独制御装置
である単独照明制御装置3J1,協調制御装置4J1,
調整装置5J1及び合成装置6J1を備える。照明強度
制御装置2Jは、単独制御装置である単独照明制御装
置3J2,協調制御装置4J2,調整装置5J2及び合
成装置6J2備える。照度計7J1によって測定され
た照度R1(制御変数x1)は、単独音場制御装置3J
1,調整装置5J1及び協調制御装置4J2にそれぞれ
入力される。合成装置6J1から出力される制御信号U
1に基づいて照明強度調節器58Aが制御され、蛍光灯
59Aに印加される電圧が調節される。これによって、
蛍光灯59Aの明るさが調節される。照度計7J2によ
って測定された照度R2(制御変数x2)は、単独音場
制御装置3J2,調整装置5J2及び協調制御装置4J
1にそれぞれ入力される。合成装置6J2から出力され
る制御信号U2に基づいて照明強度調節器58Bが制御
される。これによって、蛍光灯59Bの明るさが調節さ
れる。
【0144】照明装置57Aは、図示した位置に設けら
れた照度計7J1 にて測定された照度R1に基づいて、
この値を一定に保つように制御される。一方、照明装置
57Bは、図示した位置に設けられた照度計7J2 にて測
定された照度R2に基づいて、この値をやはり一定に保
つように制御される。同じ室内の近くに設置された両照
明装置には相互干渉が生じる。例えば、照度R1が所望
の値であったとして、照度R2がそれよりもかなり低い
値になっていたとする。両照明装置がそれぞれ単独で制
御されている場合、照明装置57Aでは蛍光灯59Aが
同じ明るさを保ち、照明装置57Bでは蛍光灯59Bが
明るさを増加させる。すると、照度R2は所定の値に向
けて上昇するが、照度R1も共に上昇してしまう。この
ような相互干渉を考えると、照度R2が低くなったとき
には、照明装置57Aの蛍光灯59Aの明るさをむしろ
抑えることが必要である。
【0145】照明強度制御装置2J1の単独照明制御装
置3J1は、入力した照度R1とこの目標値r1との偏差
に基づいて、照度R1を目標値r1になるように照明強
度調節器58Aを制御する。協調制御装置4J1は、照
明強度制御装置2J2の制御対象である蛍光灯59Bに
よる照度R2の関数として定義される協調制御則に従
い、単独照明制御装置3J1 による照明強度調節器58
Aの調節を補正する。調整装置5J1は、協調制御装置
4J1の協調制御則のゲインを調節する。一方、照明強
度制御装置2J2 の単独照明制御装置3J2 は、入力し
た照度R12この目標値r2 との偏差に基づいて、照度
R2を目標値r2 になるように照明強度調節器58Bを
制御する。協調制御装置4J2は、照明強度制御装置2
1の制御対象である蛍光灯59Aによる照度R1の関
数として定義される協調制御則に従い、単独照明制御装
置3J2による照明強度調節器58Bの調節を補正す
る。
【0146】本実施例によれば、同一室内に何台の照明
装置を設置しても、それらの相互干渉に適した協調的制
御が自動的になされる。また、任意の照明装置の停止及
び故障に関しても照度の測定結果さえ他の照明強度制御
装置に入力できれば、前述の公益的協調制御を用いるこ
とによって或る照明強度制御装置の欠損をある程度カバ
ーできる。
【0147】本実施例は、図1に示す実施例と同様な作
用及び効果を得ることができる。
【0148】本発明の他の実施例である制御システム1
Kを図36により説明する。
【0149】制御システム1Kは、制御装置モジュール
2K1及び制御装置モジュール2K2を備える。制御装置
モジュール2K1及び制御装置モジュール2K2は、制御
対象が異なるが、実質的に同じ機能を有する。これらの
制御装置モジュールは、制御システムにおいて、新たな
制御対象及びこれを制御する新たな制御装置モジュール
が追加されたとき、及び制御対象及びこれを制御する制
御装置モジュールが切り離されたとき、協調制御装置内
の制御関数をそれに応じて増減できる機能を有する。
【0150】各々の制御装置モジュールの構成を、制御
装置モジュール2K1 を例に取って説明する。制御装置
モジュール2K1 は、単独制御装置3K1 ,協調制御装
置4K1 ,調整装置5K1及び合成装置6K1を有する。
協調制御装置を除き、制御装置モジュール2Kに含まれ
る各装置は、図1に示す制御装置モジュール2に含まれ
る各装置と機能的に実質的に同じである。単独制御装置
3K1 及び協調制御装置4K1の各出力信号を合成する
合成装置6K1の出力である制御信号Ui は、制御対象
8Kを制御する。7K1 はセンサである。
【0151】本実施例に含まれる協調制御装置4K
1 は、制御関数生成手段61,制御関数消去手段60及
び制御演算手段62を含む。制御関数生成手段61及び
制御関数消去手段60は、他モジュールから送信されて
くる通信メッセージを解読し、かつ通信メッセージに含
まれている制御変数の通知部分を調べる手段(通信メッ
セージ解読手段)を有する。
【0152】制御関数生成手段61は、図示されていな
いが、通信メッセージ解読手段により新しい他モジュー
ルに対する制御変数xj が含まれていると解読されたと
き、判定手段Aが新しい他モジュールに対する制御変数
j が繰返し入力されているかを判定し、繰返し入力さ
れている場合には作成手段でその制御変数xj に対する
制御関数fij(xj)を作成する。作成された制御関数
ij(xj)は、制御演算手段62のメモリ(図示せ
ず)に記憶される。制御演算手段62内の制御関数の数
が変化したことが、制御演算手段62から調整装置5K
1 に伝えられる。この時、調整装置5K1 は、制御演算
手段62にもともと記憶されている制御関数及び新たに
追加された制御関数のゲインを、自モジュールの制御変
数xi に基づいて調節する。
【0153】制御関数消去手段60は、図示していない
が、通信メッセージ解読手段,判定手段B及び消去手段
を備える。判定手段Bは、通信メッセージ解読手段で解
読した他モジュールに対する制御変数xj のうち、一定
期間以上に渡って途絶えている制御変数xjが存在する
かを判定する。この制御変数xjが存在する場合には、
消去手段は、制御演算手段62に記憶されている制御関
数のうち、該当する制御関数を消去する。制御演算手段
62内の制御関数の数が変化したことが、制御演算手段
62から調整装置5K1に伝えられる。この時、調整装
置5K1は、制御変数xiを用いて制御演算手段62に残
っている全制御関数のゲインを調節する。制御演算手段
62は、入力した他モジュールの制御変数を用いてゲイ
ンが調節された制御関数の演算を行い、協調制御信号u
i(制御関数が複数ある場合には、入力した制御変数毎に
対応する制御関数の演算を行い、その後、各制御関数の
演算結果を加えて得られる協調制御信号ui)を出力す
る。
【0154】本実施例は、制御システムにおいて、新た
な制御対象及びこれを制御する新たな制御装置モジュー
ルが追加された状態、及び制御対象及びこれを制御する
制御装置モジュールが切り離された状態に応じて、制御
システムを構成する各制御装置モジュールの協調制御装
置内の制御関数を、自動的に増減できる。従って、制御
対象及びこれを制御する制御装置モジュールの追加及び
切り離し後の制御システムにおいても、自モジュールの
協調制御装置は、各他モジュールが制御する各制御対象
における制御変数の測定値に基づいて、協調制御信号を
出力することができる。
【0155】例えば、制御装置モジュール2K1 がスタ
ンドアローンで動作し、単独制御装置3K1 による制御
対象8Kの単独制御を行っていたとする。ここで、制御
装置モジュール2K2 、及び制御装置モジュール2K2
により制御される制御対象8k1 が新たに付加されて制
御システム1Kが構成されたとする。制御対象8Kと制
御対象8k1 は、これらの制御対象における制御変数の
変化が互いに影響しあうように設置されている。関数生
成手段61は、新たな制御変数xj が存在すると判定す
るので、この制御変数xjに対応する制御関数f
ij(xj)を作成し、制御関数fij(xj)を演算制御手
段62に記憶させる。調節装置5K1は、制御関数の数
の変化の通知を受けるので、制御変数xiにより制御関
数fij(xj)のゲインを調節する。演算制御手段62
は、制御変数xj 及び制御装置モジュール2K2の単独
制御装置に対する目標値r2に基づいて、ゲインが調節
された制御関数fij(xj)の演算を行い、協調制御信
号uiを出力する。合成装置6K1 は、協調制御信号
i、及び単独制御装置3K1の出力である単独制御信号
iiを合成して制御信号Uiを出力する。制御対象8K
は、制御信号Uiに基づいて制御される。
【0156】また、制御装置モジュール2K1及び制御
装置モジュール2K2を備える制御システム1Kから、
制御装置モジュール2K2 を切離し、更に制御対象8K
と制御対象8k1 がそれぞれの制御変数の変化が互いに
影響しあう関係を解消するように分離されたことを想定
する。このとき、協調制御装置4K1 の制御関数消去手
段60の機能により、演算制御手段62内の制御関数f
ij(xj)が消去される。元々、演算制御手段62は制御
関数fij(xj)だけを記憶していたので、演算制御手段
62から協調制御信号uiが出力されず、制御装置モジ
ュール2K1は、単独制御装置3K1 の出力によるスタ
ンドアローンの動作を実行する状態に簡単に移行する。
【0157】このように、本実施例は、制御対象及びこ
れを制御する制御装置モジュールの追加及び切り離しを
容易に行え、それに対応して協調制御装置内の制御関数
の数を簡単に変更でき、変更後交互の制御関数を考慮し
て制御対象に対して協調制御を反映することができる。
【0158】本実施例の制御システム2Kは、図1の実
施例と同様な作用及び効果も得ることができる。
【0159】前述した通信メッセージ解読手段を制御関
数生成手段61及び制御関数消去手段60から取り出
し、協調制御装置4K1 内に独立して設けることも可能
である。この場合は、通信メッセージ解読手段の出力を
制御関数生成手段及び制御関数消去手段に伝える。
【0160】本発明の他の実施例である制御システム1
Lを図37により説明する。
【0161】制御システム1Lは、制御装置モジュール
2L1及び制御装置モジュール2Lを備える。制御装
置モジュール2L及び制御装置モジュール2L2は、
制御対象が異なるが、実質的に同じ機能を有する。
【0162】各々の制御装置モジュールの構成を、制御
装置モジュール2L1 を例に取って説明する。制御装置
モジュール2L1 は、単独制御装置3L1 ,協調制御装
置4L1 ,調整装置5L1及び合成装置6L1を有する。
協調制御装置を除き、制御装置モジュール2Lに含まれ
る各装置は、図1に示す制御装置モジュール2に含まれ
る各装置と機能的に実質的に同じである。単独制御装置
3K1 及び協調制御装置4K1の各出力信号を合成する
合成装置6K1の出力である制御信号Ui は、制御対象
8Lを制御する。7L1 はセンサである。
【0163】本実施例に含まれる協調制御装置4L
1は、図36に示した協調制御手段4K1の構成に相関判
定手段63を追加し、制御関数生成手段61及び制御関
数消去手段60から通信メッセージ解読手段をそれぞれ
取り除いたものである。相関判定手段63は、一定時間
内における自モジュールの制御変数xi と他モジュール
の制御変数xj との相関を調べ、これらに相関がある場
合には制御関数生成手段61を動作させ、その相関がな
い場合には制御関数消去手段60を動作させる。その相
関に応じて、演算制御手段62内の制御関数が、制御関
数生成手段61または制御関数消去手段60により増減
される。
【0164】本実施例は、図36の実施例と同様な作用
効果を得ることができる。
【0165】本発明の他の実施例である制御システム1
Mを図38に基づいて以下に説明する。本実施例は、図
1の実施例の制御装置モジュール2及び2Aに待機系の
単独制御部を有する制御装置64M1 及び64M2 を設
けたものである。制御システム1Mは、制御装置モジュ
ール2M1 及び2M2 を有する。制御装置モジュール2
1 は、単独制御装置3M1 ,調整装置5M1 ,合成装
置6M1 ,協調制御装置64M1,切替装置66A、及
び切替制御装置67M1を備える。制御装置モジュール
2M2は、単独制御装置3M2,調整装置5M2,合成装
置6M2,協調制御装置64M2,切替装置66B、及び
切替制御装置67M2を備え、制御装置モジュール2M1
と同じ機能を有する。
【0166】協調制御装置64M1は、協調制御部4M1
及び待機系の単独制御部65M1 を有する。協調制御部
4M1 は、図1の実施例の協調制御装置4と同じ様に機
能する。単独制御部65M1は、単独制御装置3M1が故
障した場合のバックアップのために設けられている。切
替装置67M1は、通常、合成装置6M1に接続されてい
る。切替制御装置67M1は、単独制御装置6M1の出力
を入力し、単独制御装置6M1 の異常の有無を判定し、
単独制御装置6M1 が異常状態になったとき切替装置6
7M1 を単独制御部65M1 に接続する。この操作によ
り、協調制御部4M1による制御が停止される。単独制
御装置6M1が異常状態になったとき、制御対象8は、
単独制御部65M1によって制御されるだけである。
【0167】本実施例は、単独制御装置6M1が故障し
てもこの機能を単独制御部65M1で代行することがで
きる。本実施例は、図1の実施例と同様な作用及び効果
も得ることができる。
【0168】図39に示す本発明の他の実施例である制
御システム1Nは、図38の実施例を改良したものであ
る。すなわち、1つの制御装置モジュール内の単独制御
機能及び協調制御機能が消失しても、これらの機能を代
行する単独制御機能及び協調制御機能を発揮できる仕組
みをその制御装置モジュールに設けたものである。
【0169】制御システム1Nは、制御装置モジュール
2N1 及び2N2 を備える。制御装置モジュール2N1
は、制御装置70A及び70B,調整装置5N1 ,合成
装置6N1,切替装置66A及び69A、及び切替制御
装置67M1 及び68N1を備える。制御装置70A
は、単独制御装置70A2及び協調制御装置70A1を有
する。制御装置70Bは、単独制御装置70B2 及び協
調制御装置70B1 を有する。制御装置モジュール2N
2 は、制御装置71A及び71B,調整装置5N2,合
成装置6N2 ,切替装置66B及び69B、及び切替制
御装置67M2 及び68N2 を備える。制御装置71A
は、単独制御装置71A2 及び協調制御装置71A1
有する。制御装置71Bは、単独制御装置71B2 及び
協調制御装置71B1を有する。制御装置70B及び7
1Bは待機系の制御装置である。
【0170】制御装置モジュール2N1及び2N2は同じ
機能を有するので、制御装置モジュール2N1 によりそ
れらの機能を説明する。
【0171】通常は、制御装置70Aの、協調制御装置
70A1 が切替装置69Aにより合成装置6N1に接続
され、単独制御装置70A2が切替装置66Aにより合
成装置6N1に接続されている。切替制御装置68N1
より協調制御装置70A1 の異常が検出されたときに
は、切替制御装置68N1 の機能により、切替装置69
Aは待機系の協調制御装置70B1 と合成装置6N1
を接続する。切替制御装置68M1により単独制御装置
70A2の異常が検出されたときには、切替制御装置6
8M1の機能により、切替装置66Aは待機系の単独制
御装置70B2と合成装置6N1 とを接続する。調整装
置5N1は、協調制御装置70A1及び協調制御装置70
1のゲインを調節することができる。
【0172】本実施例によれば、常用系の協調制御装置
70A1及び単独制御装置70A2が異常になっても、待
機系の協調制御装置70B1及び単独制御装置70B2
よって制御対象8を制御することができる。
【0173】本実施例は、図1の実施例と同様な作用及
び効果を得ることができる。
【0174】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、1つ
の協調制御装置が異常になっても、この協調制御装置が
含まれる制御モジュールでは単独制御装置が機能し、他
の制御モジュールでは単独制御装置及び協調制御装置が
機能しているので、各々の制御モジュールによる該当す
る制御対象の制御を継続できる。更に、正常な制御モジ
ュールにおける、自モジュールの制御対象における制御
変数の測定値を入力する単独制御装置、及び他モジュー
ルの制御対象における制御変数の測定値を入力する協調
制御装置の作用によって、各制御対象における制御変数
の変化の相互干渉を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である制御システムの構成図
である。
【図2】図1の調整装置の処理手順を示す説明図であ
る。
【図3】図2の処理手順の他の実施例の説明図である。
【図4】本発明の他の一実施例である制御システムの構
成図である。
【図5】本発明の他の一実施例である制御システムの構
成図である。
【図6】本発明の他の一実施例である制御システムの構
成図である。
【図7】本発明の他の一実施例である制御システムの構
成図である。
【図8】図5の実施例の一使用形態を示す説明図であ
る。
【図9】図6の実施例の一使用形態を示す説明図であ
る。
【図10】タンクの水位制御に適用した本発明の他の一
実施例である制御システムの構成図である。
【図11】従来の単独制御だけの場合における制御応答
を示す説明図である。
【図12】図10の実施例における制御応答を示す説明
図である。
【図13】図10に示す調整装置における処理手順を示
す説明図である。
【図14】図10の実施例において1つの協調制御装置
が故障した場合の状態を示す説明図である。
【図15】公益的協調制御を適用した本発明の他の一実
施例である制御システムの構成図である。
【図16】物体の位置決め装置に適用した本発明の他の
一実施例である制御システムの構成図である。
【図17】図16の物体の位置決め装置の力学的なモデ
ルを示す説明図である。
【図18】図16の制御システムの詳細構成図である。
【図19】従来の単独制御だけの場合における制御応答
を示す説明図である。
【図20】図18の制御システムによる制御応答を示す
説明図である。
【図21】図18の協調制御装置のゲイン(P6−P5)
の調節による変化を示す説明図である。
【図22】図18の協調制御装置のゲイン(P6−P5)
の調節による変化を示す説明図である。
【図23】図16の実施例の効果を示す制御応答グラフ
の説明図である。
【図24】図16のサーボシリンダ21とサーボシリン
ダ27とが分離した状態を示す。
【図25】図24の状態での力学的なモデルを示す説明
図である。
【図26】図16の2つのサーボシリンダの分離及び結
合が繰返されたときの制御変数x1 の変化を示す説明図
である。
【図27】図16の2つのサーボシリンダの分離及び結
合が繰返されたときの制御変数x3 の変化を示す説明図
である。
【図28】沸騰水型原子炉プラントに適用した本発明の
他の一実施例である制御システムの構成図である。
【図29】図28の制御システムの詳細構成図である。
【図30】空調システムに適用した本発明の他の一実施
例である制御システムの構成図である。
【図31】図30の制御システムの詳細構成図である。
【図32】音響システムに適用した本発明の他の一実施
例である制御システムの構成図である。
【図33】図32の制御システムの詳細構成図である。
【図34】照明システムに適用した本発明の他の一実施
例である制御システムの構成図である。
【図35】図34の制御システムの詳細構成図である。
【図36】本発明の他の一実施例である制御システムの
構成図である。
【図37】本発明の他の一実施例である制御システムの
構成図である。
【図38】本発明の他の一実施例である制御システムの
構成図である。
【図39】本発明の他の一実施例である制御システムの
構成図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1E1 ,1F,1
G,1H,1I,1J,1K,1L,1M,1N…制御
システム、2,2A,2A1 ,2A2 ,2B,2D1
2D2 ,2D3 ,2D4 ,2F1 ,2F2 ,2K1 ,2
2 ,2L1 ,2L2,2M1,2M2,2N1,2N2
制御装置モジュール、2G1 …再循環制御装置、2G2
…圧力制御装置、2H1,2H2…空調制御装置、2
1,2I2…音響制御装置、2J1,2J2…照明強度制
御装置、3,3A,3D1 ,3D2 ,3F1,3F2…単
独制御装置、4,4A,4D1,4D2,4F1,4F2
協調制御装置、5,5A,5A1,5A2,5D1,5
2,5F1,5F2…調整装置、6,6D1,6D2,6
1,6F2…合成装置、7,7A…センサ、7D1,7
2…水位計、7F1,7F2…回転角変位検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木伏 春夫 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 エネルギー研究 所内 (56)参考文献 特開 昭60−43703(JP,A) 特開 平6−138907(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05B 11/32 G05B 7/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の制御モジュールを備え、前記各々の
    制御モジュールが、自モジュールの制御対象における制
    御変数の測定値を入力する単独制御装置と、他モジュー
    ルの制御対象における制御変数の測定値を入力する協調
    制御装置とを備え、前記単独制御装置の出力及び前記協
    調制御装置の出力に基づいて該当する制御対象を制御す
    る単独及び協調制御機能を有する制御システム。
  2. 【請求項2】前記単独制御装置の出力を前記協調制御装
    置の出力に基づいて補正する補正装置を有し、この補正
    装置の出力に基づいて該当する制御対象を制御する請求
    項1記載の単独及び協調制御機能を有する制御システ
    ム。
  3. 【請求項3】前記単独制御装置の出力と前記協調制御装
    置の出力とを合成する合成装置を有し、この合成装置の
    出力に基づいて該当する制御対象を制御する請求項1記
    載の単独及び協調制御機能を有する制御システム。
  4. 【請求項4】前記各々の制御モジュールが、自モジュー
    ルの制御対象における制御変数の測定値を入力し前記協
    調制御装置のゲインを調節する調整装置を備えている請
    求項1,2または3項の単独及び協調制御機能を有する
    制御システム。
  5. 【請求項5】前記調整装置は、変更したゲインを求める
    手段と、この変更したゲインに基づく制御対象の制御応
    答の改善を、前記自モジュールの制御対象における制御
    変数の測定値に基づいて判定する判定手段とを有する請
    求項4の単独及び協調制御機能を有する制御システム。
  6. 【請求項6】前記協調制御装置が、前記他モジュールの
    制御対象に対する制御変数の測定値に基づいて、制御関
    数により前記協調制御装置の出力を得る演算手段と、他
    モジュールの制御対象に対する制御変数の測定値に基づ
    いて、前記演算手段内の前記制御関数を増減させる手段
    とを備えた請求項1記載の単独及び協調制御機能を有
    る制御システム。
  7. 【請求項7】前記制御関数増減手段は、前記他モジュー
    ルの制御対象に対する制御変数の測定値の入力が途絶え
    たときに、前記演算手段内におけるこの制御変数に関す
    る制御関数を削除する手段と、新たな他モジュールの制
    御対象に対する制御変数の測定値が繰返し入力されてい
    るときに、この制御変数に関する制御関数を作成し、こ
    の制御関数を前記演算手段内に記憶させる手段とを備え
    た請求項6記載の単独及び協調制御機能を有する制御シ
    ステム。
  8. 【請求項8】前記協調制御装置が、前記他モジュールの
    制御対象に対する制御変数の測定値に基づいて、制御関
    数により前記協調制御装置の出力を得る演算手段と、他
    モジュールの制御対象に対する制御変数の測定値に基づ
    いて、前記演算手段内の前記制御関数を増減させる手段
    と、自モジュールの制御対象に対する制御変数と他モジ
    ュールの制御対象に対する制御変数との相関が所定値以
    上あるとき、前記制御関数増減手段に、制御関数の増加
    を支持する手段を有する請求項1記載の単独及び協調制
    御機能を有する制御システム。
  9. 【請求項9】前記協調制御装置が、前記他モジュールの
    制御対象に対する制御変数の測定値に基づいて、制御関
    数により前記協調制御装置の出力を得る演算手段と、他
    モジュールの制御対象に対する制御変数の測定値に基づ
    いて、前記演算手段内の前記制御関数を増減させる手段
    とを備えた請求項4記載の単独及び協調制御機能を有す
    る制御システム。
  10. 【請求項10】前記協調制御装置が、前記他モジュール
    の制御対象に対する制御変数の測定値に基づいて、制御
    関数により前記協調制御装置の出力を得る演算手段と、
    他モジュールの制御対象に対する制御変数の測定値に基
    づいて、前記演算手段内の前記制御関数を増減させる手
    段と、自モジュールの制御対象に対する制御変数と他モ
    ジュールの制御対象に対する制御変数との相関が所定値
    以上あるとき、前記制御関数増減手段に、制御関数の増
    加を支持する手段を有する請求項4記載の単独及 び協調
    制御機能を有する制御システム。
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