JP2847839B2 - ポリエチレンの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンの製造方法

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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な触媒によりポリエチレンを製造する
方法に関するものである。さらに詳しくは、ポリエチレ
ンの融点以上の温度条件下において触媒活性の高い新規
触媒を用いてエチレンを重合またはエチレンとα−オレ
フィンを共重合することを特徴とするポリエチレンの製
造方法に関するものである。
一般にチーグラー型触媒によって重合されたエチレン
の重合体およびエチレン−α−オレフィン共重合体は通
常0.880〜0.975g/cm3の幅広い密度を有し、フィルム,
成型品など広範囲な用途に使われている。
〔従来の技術〕
エチレンをチーグラー型触媒を用いてポリエチレンの
融点以上の温度で重合する方法としては、溶液重合法と
高温高圧重合法が知られている。一般に不活性溶媒中で
行う溶液重合法では、溶液粘度の低下および重合熱除去
の容易さ等から重合温度は、より高い方が好ましい。同
様に高温高圧法においても重合温度と供給原料の温度差
が大きい程、エチレンと転化率が良くなるために重合温
度が高い程、経済的利益が大きくなる。一方、これらの
高温領域における重合では、一般に重合温度を高めるこ
とによって触媒活性や活性持続性が低下する。触媒活性
が低いとポリマー中の触媒残渣量が多くなり、プロセス
機器の腐食,ポリマーの着色やゲル発生の原因となりや
すい。従来、高温重合に使用可能な触媒として数多くの
提案がなされている。例えば、ハロゲン化チタンとハロ
ゲン基を含有するアルキルアルミニウム化合物及び有機
マグネシウム化合物を組合わせた触媒系が特公昭47−13
72で提示された。しかし、この触媒系では触媒活性が満
足しうるとは言いがたく、さらに触媒活性の向上が望ま
れている。
また、エチレンとα−オレフィンの共重合により得ら
れる共重合体の基本的物性はエチレン連鎖中に導入され
るコモノマーの量およびその分布で決定される。すなわ
ち短鎖分岐の数や分布は、結晶化度、結晶化速度、球晶
構造および融点のような重合体の基本的性質な大きな影
響を与える。ひいては、実用物性の点からいっても、環
境応力抵抗、フィルム強度、柔軟性、成形性などの多く
の面で影響を与えることになる。
以上のことから、共重合体における短鎖分岐の数およ
びその分布を制御することは実用物性改善のためにも非
常に重要である。
共重合体における分岐度分布はコモノマーとの共重合
反応性および分子量調節剤(特に、水素)による連鎖移
動のしやすさなどの因子に大きく左右されるものと思わ
れるが、従来より一般に用いられている有機アルミニウ
ム化合物(例えば、トリアルキルアルミニウム)−三塩
化チタン系および有機アルミニウム化合物−四塩化チタ
ン系のような触媒系により得られるエチレンとα−オレ
フィンとの共重合体の短鎖分岐度分布については、その
制御方法が明らかでなかったため、融点、結晶化速度な
どの重合体の基本的性質を大きく変化させることは不可
能であった。
さらに、共重合におけるコモノマーの反応性は、前記
分岐度分布と密接な関係があると思われるが、特に、炭
素数が4以上のα−オレフィンとの共重合の場合、コモ
ナマーの転化率の大小は、製造コストに大きな比重を占
める。
しかしながら、前記の先行技術の触媒系についてエチ
レンとα−オレフィンとの共重合触媒としての性能を検
討してみると、得られるポリマーの分岐度分布の制御性
およびコモノマーとの反応性については、満足すべきも
のとはいえず、それら共重合性能をコントロールする方
法の開発が強く望まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、ポリエチレンの融点より高い温度領
域において、すなわち溶液重合または高温高圧重合に
て、触媒除去工程を必要としないほど高活性で、活性持
続性およびコモノマー反応性に優れ、なおかつ得られる
ポリエチレンの分岐度分布を制御できる触媒系を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の要旨は、遷移金属化合物および有機金属化合
物からなる触媒の存在下、重合体の融点以上の反応温度
でエチレンを重合、またはエチレンと少なくとも1種の
α−オレフィンを共重合するにあたって、(A)成分と
して、 (I)ジハロゲン化マグネシウムと (II)三ハロゲン化チタンを共粉砕して得られる固体成
分を、懸濁状態下さらに、 (III)一般式Ti(OR5nX2 4-n(式中、R5は1〜20個の
炭素原子を有する炭化水素基を表わし、X2はハロゲン原
子を表わし、nは0≦n≦4なる数を表わす)で表され
るハロゲン化チタン化合物で処理して得られる固体触媒
成分と、 (B)成分として、 (a)一般式AlR1 3(式中R′は1〜20個の炭素原子を
有するアルキル基を表す)で示される有機アルミニウム
化合物、 (b)一般式AlR2 jX1 3-j(式中、R2は1〜20個の炭素原
子を有するアルキル基を表し、X1はハロゲン原子を表
し、jは0<j≦2なる数を表す)で示される有機アル
ミニウム化合物と、 (c)一般式AlR3 k(OR43-k(式中、R3およびR4は1
〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表し、kは1≦
k≦2なる数を表す)で示される有機アルミニウム化合
物、またはアルミノキサン、 で示される群のうち少なくとも2種の混合物、からなる
触媒系を用いることを特徴とするポリエチレンの製造方
法にある。
〔作用〕
本発明において使用される反応剤である前記(I)の
ジハロゲン化マグネシウムは、無水のものであって代表
例としては塩化マグネシウム,臭化マグネシウムおよび
ヨウ化マグネシウムがあげられ、特に塩化マグネシウム
が好ましい。
前記(II)の反応剤である三ハロゲン化チタンとして
は、三フッ化チタン、三塩化チタン、三臭化チタン、三
ヨウ化チタンなどがあげられる。なかでも三塩化チタン
が好適である。三塩化チタンは四塩化チタンを水素ある
いはアルミニウムで還元したもの、またジエチルアルミ
ニウムクロリドのような有機アルミニウム化合物で還元
したものなどであって1/3モルのAlCl3が付加したものも
使用できる。
また、前記(III)の反応剤であるハロゲン化チタン
化合物としては、 一般式Ti(OR5nX2 4-nで示されるチタン化合物が用い
られる。該一般式においてR5は1〜20個の炭素原子を有
する炭化水素基を表わし、X2はハロゲン原子を表わし、
nは0≦n<4なる数を表わす。R5は直鎖または分岐鎖
アルキル基,シクロアルキル基,アリールアルキル基,
アリール基およびアルキルアリール基から選ばれること
が好ましい。
上記ハロゲン化チタン化合物は、単独または2種以上
の混合物として使用することができる。ハロゲン化チタ
ン化合物の具体例としては、例えば、四塩化チタン,三
塩化エトキシチタン,三塩化プロポキシチタン,三塩化
ブトキシチタン,三塩化フェノキシチタン,二塩化ジエ
トキシチタン,塩化トリエトキシチタンなどがあげられ
る。なかでも四塩化チタンが好適に使用される。
本発明における反応剤(I)、(II)の共粉砕は、2
成分を同時に共存させて行ってもよいし、二段階に分け
て行っても何ら差し支えない。共粉砕処理は通常、ボー
ルミル,振動ミルまたは衝撃ミルなどを用いて不活性ガ
ス雰囲気中で行われる。共粉砕の最適条件はボールの種
類および充填率,回転速度,粉砕温度,粉砕時間等によ
って変化するが、このような条件は当業者の実験によっ
て容易に定められるものである。
共粉砕終了後の固体成分を反応剤(III)のハロゲン
化チタン化合物で処理する際の溶媒としては、例えばク
ロロホルム,四塩化炭素,1,1−ジクロルエタン,1,2−ジ
クロルエタン,1,1,1−トリクロルエタン,1,1,2,2−テト
ラクロルエタン,1−クロルプロパン,tert−ブチルクロ
リド,モノクロルベンゼンなどがあげられる。固体成分
と反応剤(III)との処理は、通常、溶媒の沸点以下の
温度にて行われる。
触媒成分(A)を構成する各反応剤の使用量は本発明
の効果が認められるかぎり任意であるが、一般的には三
ハロゲン化チタン1モルに対して、ジハロゲン化マグネ
シウム20モル以下が好ましい。また、反応剤(III)と
して使用するハロゲン化チタン化合物は、反応剤(I)
のジハロゲン化マグネシウム1モルに対して、0.02〜10
0モル、好ましくは、0.05〜50モルの範囲である。反応
剤(III)として、懸濁状態化、ハロゲン化チタン化合
物で処理することにより、重合活性の向上や共重合性の
改良に効果がみられる。
本発明において使用される触媒成分(B)としては、
(a)一般式AlR1 3(式中R1は1〜20個の炭素原子を有
するアルキル基を表す)で示される有機アルミニウム化
合物、(b)一般式AlR2 jX1 3-j(式中、R2は1〜20個の
炭素原子を有するアルキル基を表し、X1はハロゲン原子
を表し、jは0<j≦2なる数を表す)で示される有機
アルミニウム化合物と、(c)一般式AlR3 k(OR43-k
(式中、R3およびR4は1〜20個の炭素原子を有するアル
キル基を表し、kは1≦k≦2なる数を表す)で示され
る有機アルミニウム化合物、またはアルミノキサン、で
示される群のうち少なくとも2種の混合物があげられ
る。
上記(a)の一般式AlR1 3で表される有機アルミニウ
ム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,
トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウ
ム,トリイソブチルアルミニウム,トリヘキシルアルミ
ニウム,トリオクチルアルミニウム,トリデシルアルミ
ニウム等のトリアルキルアルミニウムがあげられる。
上記(b)の一般式AlR2 jX1 3-jで表される有機アルミ
ニウム化合物の具体例としては、ジエチルアルミニウム
モノクロライド,ジイソプロピルアルミニウムモノクロ
ライド,ジイソブチルアルミニウムモノクロライド,エ
チルアルミニウムセスキクロライド,エチルアルミニウ
ムジクロライド,ジエチルアルミニウムモノブロマイ
ド,ジイソプロピルアルミニウムモノブロマイド等のア
ルキルアルミニウムハライドがあげられる。
上記(c)の一般式AlR3 k(OR43-kで表される有機
アルミニウム化合物の具体例としては、ジメチルアルミ
ニウムエトキシド,ジエチルアルミニウムエトキシド,
ジエチルアルミニウムプロポキシド,ジエチルアルミニ
ウムブトキシド,ジエチルアルミニウムフェノキシド,
エチルアルミニウムジエトキシド等のアルキルアルミニ
ウムアルコキサイド等があげられる。また、上記(c)
のアルミノキサンとしては、酸素原子や窒素原子を介し
て2以上のアルミニウムが結合したアルミノキサン化合
物、例えばテトラメチルアルミノキサンやポリメチルア
ルミノキサンのような多量体などを使用することもでき
る。
上記成分(B)として使用する有機アルミニウム化合
物(a)、(b)、(c)のうち少なくとも2種の混合
物の使用量の合計は、触媒成分(A)中に含まれるチタ
ン1グラム原子に対して1〜1000モル、好ましくは1〜
100モルの範囲である。有機アルミニウム化合物
(a)、(b)、(c)は、いかようにも組み合わせる
事ができるが、(b)/(a)=0.1〜0.9およびまたは
(c)/(a)=0.1〜0.9の範囲にすることが好まし
い。成分(B)を2種以上の混合物にすることによっ
て、重合活性の向上や共重合性の改良効果がもたらされ
る。
本発明の重合は、エチレンの単独重合またはエチレン
と少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合である。
エチレンとの共重合に用いられるα−オレフィンとして
は、炭素数3〜20のものが好ましく、具体例としては、
プロピレン,1−ブテン,1−ヘキセン,4−メチル−1−ペ
ンテン,1−オクテン,1−デセン等およびそれらの混合物
が用いられる。
エチレンの重合は生成重合体の融点以上、好ましくは
130〜300℃の温度範囲で行われるものであり、重合媒体
としては不活性溶媒または単量体自身が用いられる。
不活性用溶媒を使用する溶液重合においては、重合溶
媒としてヘキサン,ヘプタン,オクタン,ノナン,デカ
ン,ウンデカン,ドデカンの等の脂肪族炭化水素および
その混合物,ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化水素,
シクロヘキサン,メチルシクロキサン等の脂環式炭化水
素などが使用される。重合圧力は1〜200kg/cm2、好ま
しくは10〜50kg/cm2であり、滞留時間は10分〜6時間、
好ましくは20分〜3時間の範囲である。
また、重合媒体として単量体自身が用いられる高温高
圧重合においては、一般にエチレンの高圧ラジカル重合
装置などが使用でき、重合圧力200〜2500kg/cm2、好ま
しくは400〜1500kg/cm2、滞留時間5〜600秒、好ましく
は10〜150秒の範囲で行われる。
また、本発明において、重合体の分子量は反応温度の
調節によっても制御しうるが、重合帯域に水素を存在さ
せることによって容易に制御できる。水素の量は、重合
条件や所望とするエチレン重合体の分子量等によって適
宜調節することが必要である。
〔発明の効果〕
発明の効果は、第1に遷移金属当りおよび固体触媒当
りの重合活性が極めて高く、触媒除去を目的とする脱灰
工程の不要な重合体が得られることである。高活性であ
るため、製品の着色,着臭などの心配がなく、ポリマー
の精製も不要となり極めて経済的である。
本発明の第2の効果は、触媒の熱安定性が優れている
ことがある。従って、高温においても比較的活性の寿命
が長い。
本発明の第3の効果は、得られる共重合体の分岐度分
布の広狭を制御できる点にある。従って、用途に応じて
共重合体の基本的性質である結晶化度、結晶化速度、結
晶構造等を調節できる。
本発明の第4の効果は、α−オレフィン(コモノマ
ー)に対する共重合性が良好であるから、コモノマーの
重合転化率が他の触媒系に比べて高い。(共重合するα
−オレフィンの使用量が少量で済む。) 〔実施例〕 以下に本発明を実施例により示すが、本発明はその要
旨を超えない限りこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。
実施例中、MIはメルトインデックスを表わし、JIS
K−6760に基づき、190℃,荷重2.16kgの条件下で測定
したものである。密度は、JIS K−6760に従い測定し
た。重合活性は、固体触媒成分(A)1g当たりの重合体
生成量(kg)、および固体触媒成分(A)中の遷移金属
成分1g当たりの重合体生成量(kg)を表わす。
短鎖分岐数は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−I
R)により1378cm-1付近に現れるメチル基に由来するピ
ークより定量した。
短鎖分岐度分布は、ガラスビーズ(直径約0.1mmφ)
を充填したカラム(外径3/8インチ×100mm)に、ポリマ
ー10gをオルトジクロルベンゼン20mlに溶かした溶液の
一部をコーティングし、次に、カラム温度を連続的に上
昇させ、結晶性の低いもの、ないしメチル分岐の多いも
のから順に溶出させ、溶出物を赤外検出器に導きメチル
分岐分布(結晶性分布)曲線を得るTREF法を用いて測定
した。
実施例1 〔固体触媒成分(A)の調製〕 直径4mmφのステンレスボールが1.2kg入った内容積42
0mlのステンレス製ポットに、無水塩化マグネシウム
(市販の無水塩化マグネシウムを予め400℃にて2時間
真空乾燥したもの)10.3g、および四塩化チタンを金属
アルミニウムで還元して得られた三塩化チタン (TiCl3・1/3AlCl3)8.6gを窒素雰囲気下で封入し、振
動ミルで12時間共粉砕した。粉砕後得られた固体成分の
うち5.0gを取り出し、四塩化チタン57ml、1,2−ジクロ
ルエタン57mlを含むヘプタン溶液中、90℃で2時間反応
させた。反応後、生成物にヘキサンを加え遊離するチタ
ン化合物が検出されなくなるまで、充分に洗浄操作を行
い固体触媒成分(A)を得た。得られた固体触媒成分
(A)1.0gを炭素数10〜11のイソパラフィンを主成分と
する溶媒(出光石油科学社製IP−1620)100mlに分散し
て触媒スラリーを調製した。
〔エチレンとα−オレフィンの共重合〕
内容積1のステンレススチール製誘導撹拌機付オー
トクレーブを窒素置換し、IP−1620を600mlおよび1−
ブテン20mlを加え撹拌しながら180℃に昇温した。溶媒
と1−ブテンの蒸気圧で系内は2,6kg/cm2Gになるが、エ
チレンを全圧22.6kg/cm2Gになるまで張り込み、あらか
じめ調製しておいた触媒スラリー1.0mlと、触媒成分
(B)としてトリエチルアルミニウム0.07mmolとジエチ
ルアルミニウムクロライド0.07mmolとの混合物を投入し
重合を開始した。エチレンを連続的に導入し全圧を一定
に保ちながら20分間重合を行ったところ、101gのポリマ
ーを得た。触媒当りの重合活性は10.1kg/g触媒であっ
た。遷移金属成分当たりの活性は155kg/gTiに相当し
た。MIは、2.3g/10分、密度は0.917g/cm3であった。
又、エチル分岐数は1000C当り18個であった。さらに、T
REF法により生成ポリマーの短鎖分岐分布を求めたとこ
ろ、溶出温度30℃から110℃の範囲でブロードな分布曲
線を示した。
実施例2〜6 実施例1で得られた固体触媒成分(A)を用い、触媒
成分(B)として使用する有機アルミニウム化合物の種
類を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様
の条件でエチレンとα−オレフィンの共重合を実施し
た。結果は表1に示したが、得られたポリマーのTREF法
による短鎖分岐度分布は、実施例1とほぼ同様に、溶出
温度30℃から100℃の範囲でブロードな分布曲線を示し
た。
実施例7〜9 実施例1で得られた固定触媒成分(A)を使用し、実
施例7,8では実施例1で用いた触媒成分(B)の有機ア
ルミニウム化合物の比率を、また、実施例9では実施例
6で用いた触媒成分(B)の有機アルミニウム化合物の
比率を、それぞれ表1に示すように変更した以外は、実
施例1と同様の条件でエチレンとα−オレフィンの共重
合を実施した。結果は表1に示したが、実施例7,8で得
られたポリマーのTREF法による短鎖分岐度分布は、溶出
温度40℃から100℃の範囲で、40℃から75℃付近の割合
が実施例1に比較してやや少ないもののブロードな分布
曲線を示した。また、実施例9で得られたポリマーのTR
EF法による短鎖分岐度分布は、溶出温度30℃から100℃
の範囲でブロードな分布曲線を示した。
比較例1 直径4mmφのステンレスボールが1.2kg入った内容積42
0mlのステンレス製ポットに、無水塩化マグネシウム
(市販の無水塩化マグネシウムを予め400℃にて2時間
真空乾燥したもの)10.3g、および四塩化チタンを金属
アルミニウムで還元して得られた三塩化チタン (TiCl3・1/3AlCl3)8.6gを窒素雰囲気下で封入し、振
動ミルで12時間共粉砕した。粉砕後得られた固体成分1.
0gを炭素数10〜11のイソパラフィンを主成分とする溶媒
(出光石油科学社製IP−1620)100mlに分散して触媒ス
ラリーを調製した。
実施例1と同様の重合装置を用い、得られた触媒スラ
リー1.0mlと、触媒成分(B)としてトリエチルアルミ
ニウム0.14mmolを用いる以外は、実施例1と同様の条件
で投入し重合を行なった。結果は表1に示した。短鎖分
岐度分布は、溶出温度50℃から100℃の範囲90℃付近に
鋭いピークを有するシャープなパターンを示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における触媒調製図(フローチャー
ト)を示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−131588(JP,A) 特開 昭54−21486(JP,A) 特開 昭52−18784(JP,A) 特開 昭52−22080(JP,A) 特開 昭52−32985(JP,A) 特開 昭52−47885(JP,A) 特開 昭52−57279(JP,A) 特開 昭52−65592(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/64 - 4/658 C08F 10/00 - 10/14 C08F 110/00 - 110/14 C08F 210/00 - 210/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属化合物および有機金属化合物から
    なる触媒の存在下、重合体の融点以上の反応温度でエチ
    レンを重合、またはエチレンと少なくとも1種のα−オ
    レフィンを共重合するにあたって、 (A)成分として、 (I)ジハロゲン化マグネシウムと (II)三ハロゲン化チタンを共粉砕して得られる固体触
    媒成分を、懸濁状態下さらに、 (III)一般式Ti(OR5nX2 4-n(式中、R5は1〜20個の
    炭素原子を有する炭化水素基を表わし、X2はハロゲン原
    子を表わし、nは0≦n<4なる数を表わす)で表され
    るハロゲン化チタン化合物で処理して得られる固体触媒
    成分と、 (B)成分として、 (a)一般式AlR1 3(式中、R1は1〜20個の炭素原子を
    有するアルキル基を表す)で示される有機アルミニウム
    化合物、 (b)一般式AlR2 jX1 3-j(式中、R2は1〜20個の炭素原
    子を有するアルキル基を表し、X1はハロゲン原子を表
    し、jは0<j≦2なる数を表す)で示される有機アル
    ミニウム化合物と、 (c)一般式AlR3 k(OR43-k(式中、R3およびR4は1
    〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表し、kは1≦
    k≦2なる数を表す)で示される有機アルミニウム化合
    物、またはアルミノキサン、 で示される群のうち少なくとも2種の混合物、からなる
    触媒系を用いることを特徴とするポリエチレンの製造方
    法。
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