JP2843954B2 - 核融合炉 - Google Patents

核融合炉

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JP2843954B2
JP2843954B2 JP4230771A JP23077192A JP2843954B2 JP 2843954 B2 JP2843954 B2 JP 2843954B2 JP 4230771 A JP4230771 A JP 4230771A JP 23077192 A JP23077192 A JP 23077192A JP 2843954 B2 JP2843954 B2 JP 2843954B2
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修 本島
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、核融合炉に関し、特
に輻射エネルギを回収して効率を向上できる核融合炉に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は例えば「核融合研究開発の現状」
(原子力研究所発行、1991年度版)に記載された従
来の核融合炉の一例を示す一部破断斜視図である。この
核融合炉はITERと呼ばれているトカマク型の装置で
あり、現在、日本、米国、ヨーロッパとソ連が共同で研
究開発を行っていて、原子力研究所が日本の中心になる
研究機関である。上記従来の核融合炉は、一番内側に高
温プラズマ1があり、その外側にブランケット2、超電
導コイル3、排気ポート4、支持構造物5などから構成
されている。ここで、図中、装置の大きさがわかるよう
に人間6が同時に示されている。
【0003】図5は例えば「第3.1.2図、核融合発電炉
のしくみ」(核融合研究開発の現状、p.24、原子力
研究所発行、1991年度版)に示された核融合発電炉
の概念図であり、図において7は高温プラズマ1を高温
に維持するプラズマ加熱装置、8は排気ポート4を介し
てプラズマの存在する領域を超高真空に排気する超高真
空ポンプ、9は熱交換器、10は熱交換器9に接続され
たタービン発電機である。
【0004】つぎに、上記従来の核融合炉の動作につい
て説明する。まず、排気ポート4を介してプラズマの存
在する領域を超高真空ポンプ8により超高真空に維持す
るとともに、ブランケット2には熱交換器9を介して冷
却水が流通されている。そこで、超電導コイル3によっ
て強磁場が発生され、この強磁場によって核融合反応を
生じるような高温プラズマ1が閉じ込められる。この高
温プラズマ1は、プラズマ加熱装置7によって高温に維
持される。ブランケット2に流入された冷却水は、高温
プラズマ1中での核融合反応エネルギと熱交換されて高
温水となって流出し、熱交換器9を通じ、最終的にター
ビン発電機10を駆動する。この結果、反応によって発
生する核エネルギが、電気エネルギとして取り出され
る。
【0005】したがって、核融合炉として働くために
は、発生する核エネルギがこの炉を維持し、プラズマを
加熱するために使われるエネルギよりも大きくなくては
ならない。このための条件は、プラズマ温度と密度に閉
じ込め時間をかけた値によって得られるパラメータのグ
ラフで示すことができて、これを図6に示す。ここで、
図6は「核融合研究開発の現状」(原子力研究所発行、
1991年度版)のp.25の「第3.1.3図、トカマク
型核融合関連のプラズマ特性の進展」を引用している。
図6には、入力パワーと出力パワーとがバランスする条
件である臨界プラズマ条件、および外部から加熱を行わ
なくてもプラズマが自分で高温を維持する条件である自
己点火条件と言われる領域が示されている。
【0006】これらの条件は英国のローソンが発案した
もので、核反応によって発生するエネルギが直接プラズ
マを加熱するが、プラズマから輻射によって失われる光
のエネルギは閉じ込めることができないとして上記条件
を求めている。この失われる輻射エネルギはプラズマパ
ラメータによって決まり実際の融合炉では大きな値に
なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の核融合炉の設計
にあたっては、プラズマのパラメータについて図6に示
すような条件が必要であり、このために長い閉じ込め時
間、高い密度、高い温度が必要とされてきた。これは技
術上困難な事柄であり、現在この問題を解決するために
多くの努力が払われてきているが、解決にはいたってい
ない。さらに、プラズマからの輻射エネルギは加熱エネ
ルギを無駄にしている。このために、核融合炉の経済性
が悪くなるなどの課題があった。
【0008】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、核融合炉の経済性を改善し、合
理的な経済的な核融合炉を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る核融合炉
は、ブランケットと、該ブランケット内に核融合反応を
生じる高温プラズマを閉じ込める超電導コイルと、該高
温プラズマから発生する光・輻射エネルギを電気エネル
ギに変換する光ー電気変換器とを備えたものである。
【0010】
【作用】この発明においては、光ー電気変換器が、本来
閉じ込めることができず高温プラズマから輻射によって
失われてしまう輻射エネルギを回収することができ、核
融合炉の経済性を改善できる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1. 図1はこの発明の実施例1を示す核融合炉の要部断面図
であり、図において図4に示した従来の核融合炉と同一
または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略す
る。図において、11は光ー電気変換器としての太陽電
池であり、この太陽電池11は高温プラズマ1に面する
ようにブランケット2の内壁面12に配設され、最終的
には電力網に接続されている。なお、ここでは超電導コ
ル等は省略されている。
【0012】つぎに、上記実施例1の動作について説明
する。高温プラズマ1からの輻射光は、ブランケット2
の内壁面12に配設された太陽電池11に到達する。太
陽電池11では、輻射光の光エネルギを電気エネルギに
変換し、電力網を介して電気エネルギとして出力され
る。
【0013】なお、上記実施例1の他の動作は、図4、
図5に示した従来の核融合炉と同様の動作する。
【0014】このように、上記実施例1によれば、ブラ
ンケット2の内壁面12に高温プラズマ1に面するよう
に太陽電池11を配設しているので、本来閉じ込めるこ
とができずプラズマから輻射によって失われてしまう光
のエネルギを太陽電池11を介して回収することがで
き、核融合炉の経済性を改善できるとともに、高温プラ
ズマ1の閉じ込めという困難な問題を緩和できるという
効果がある。
【0015】実施例2.上記実施例1では、高温プラズ
マ1に面するようにブランケット2の内壁面12に太陽
電池11を配設するものとしているが、この実施例2で
は、図2に示すように、高温プラズマ1に面しないよう
に太陽電池11を排気ポート4の内壁面に配設し、高温
プラズマ1からの輻射光を反射して太陽電池11に導く
鏡14をブランケット2の壁面に配設するものとしてい
る。
【0016】ここで、核融合炉では、燃料に重水素の
み、あるいは重水素と三重水素が使われ、核反応によっ
てプラズマから高速の中性子13が発生する。この高速
の中性子13は、現在使用されている太陽電池11に良
くない影響を与える。
【0017】上記実施例2では、高温プラズマ1からの
輻射光が鏡14により太陽電池11に導かれ、輻射エネ
ルギは電気エネルギに変換され、核融合炉の経済性が改
善される。さらに、太陽電池11には高速の中性子13
が飛来せず、太陽電池11の特性の劣化が防止され、長
寿命化が図られる。
【0018】実施例3.上記実施例1では、光ー電気変
換器として太陽電池11を用いるものとしているが、こ
の実施例3では、図3に示すように、光ー電気変換器と
して異種の金属15、16間に絶縁物17を挟み込んだ
構造の光ー電気変換素子を用いるものとしている。な
お、図中、光、荷電粒子の飛来方向を矢印で示してい
る。
【0019】上記実施例3における光ー電気変換素子で
は、高温プラズマ1からの光、荷電粒子などが異種の金
属15、16にあたり、金属15、16から電子が放出
される。このため金属15、16間に電位が生じ、金属
15、16を電気的に接続することにより、電気エネル
ギを外部に回収することができる。ここで、本実施例で
は、主に金属15に光、荷電粒子があたっており、これ
が電子を放出するので、金属15が正に帯電する。
【0020】この電子が放出される割合は、金属15、
16の性質、高温プラズマ1からの光、荷電粒子などの
強さ、分布などによって決まり、構造を適宜設計するこ
とにより、効率的に電気エネルギを取り出すことができ
る。また、太陽電池11は主に1〜10eVの光エネル
ギを電気エネルギに変換するものであるが、高温プラズ
マ1からの輻射エネルギはより高いエネルギの領域にあ
ることから、上記実施例1、2に比べて輻射エネルギの
回収効率を向上できる。さらに、光ー電気変換素子は太
陽電池11のように半導体でなく金属で構成されている
ので、高温プラズマ1から発生する高速の中性子13に
対して強く、長寿命化が図られるとともに設置場所の制
約もない。
【0021】なお、上記実施例3では、光ー電気変換素
子は異種の金属15、16間に絶縁物17を挟み込んだ
ものとして説明しているが、光ー電気変換素子はこれに
限定されるものではなく、原理上電位差を生じるもので
あればよい。
【0022】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、ブラン
ケットと、該ブランケット内に核融合反応を生じる高温
プラズマを閉じ込める超電導コイルと、該高温プラズマ
から発生する光・輻射エネルギを電気エネルギに変換す
る光ー電気変換器とを備えているので、本来閉じ込める
ことができず高温プラズマから輻射によって失われてし
まう輻射エネルギを回収することができ、核融合炉の経
済性を改善でき、合理的な経済的な核融合炉が得られる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す核融合炉の要部断面
図である。
【図2】この発明の実施例2を示す核融合炉の要部断面
図である。
【図3】この発明の実施例3を示す核融合炉における光
ー電気変換素子の構成図である。
【図4】従来の核融合炉の一例を示す一部破断斜視図で
ある。
【図5】従来の核融合炉を用いた核融合発電炉の一例を
示す概念図である。
【図6】トカマク型核融合関連のプラズマ温度と密度に
閉じ込め時間をかけた値によって得られるパラメータと
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 高温プラズマ 2 ブランケット 3 超電導コイル 11 太陽電池(光ー電気変換器) 15 金属(光ー電気変換器) 16 金属(光ー電気変換器) 17 絶縁物(光ー電気変換器)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブランケットと、前記ブランケット内に
    核融合反応を生じる高温プラズマを閉じ込める超電導コ
    イルと、前記高温プラズマから発生する光または荷電粒
    子が入射する位置に設けられていて当該光または荷電粒
    子のエネルギを電気エネルギに変換する光−電気変換器
    とを備えたことを特徴とする核融合炉。
JP4230771A 1992-08-31 1992-08-31 核融合炉 Expired - Lifetime JP2843954B2 (ja)

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