JP2840190B2 - マグネット駆動ポンプ - Google Patents

マグネット駆動ポンプ

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JP2840190B2
JP2840190B2 JP2786194A JP2786194A JP2840190B2 JP 2840190 B2 JP2840190 B2 JP 2840190B2 JP 2786194 A JP2786194 A JP 2786194A JP 2786194 A JP2786194 A JP 2786194A JP 2840190 B2 JP2840190 B2 JP 2840190B2
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cylindrical
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和夫 大森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性、耐摩耗性、耐
浸透性、耐熱性が優れ、外部への液の漏洩がないマグネ
ット駆動ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】マグネット駆動ポンプは、密閉されたキ
ャンの内部に従動マグネットを設け、キャンの外側に設
けた駆動マグネットを回転させることにより従動マグネ
ットを追従させて回転させ、これによりインペラーを回
転させるようにしたものである。このようなマグネット
駆動ポンプは外部駆動機構を液側から完全に分離するこ
とができるので、腐食性の液体やスラリー等を輸送する
ために使用されており、特に接液部を全てセラミックス
製としたマグネット駆動ポンプは広く使用されている。
【0003】この種のセラミックス製のマグネット駆動
ポンプの従来例が、図3に示されている。この図3はド
イツ特許公開第3413930 号公報に記載されたものであ
る。図3の例では、インペラー100 と一体となったスリ
ーブ102 がエンドカバー103 の内周に固定された軸受10
4 により支承されており、エンドカバー103を越えて延
びるスリーブ102 の先端に従動マグネット105 が埋設さ
れた従動マグネットカバー109 が嵌合されて、かつネジ
止めされている。またインペラー100の入口側は軸受106
によりケーシング107 に支承されている。ところが図
3に示されたような従来のマグネット駆動ポンプには、
次のような多くの問題点が残されていた。
【0004】 大流量、高揚程、濃スラリー液、高粘
性液などの軸動力が大きい用途の場合、駆動力を増加さ
せるためにマグネット部分の軸方向寸法を増大させると
回転部分全体の軸方向寸法が増大し、キャン108 等の軸
方向寸法も大となって大幅なコストアップとなる。 インペラー100 は左右2か所の軸受104 、106 によ
り支承されているので、両方の軸受のセンターを一致さ
せるために高度の加工精度が求められる。 スラリーを輸送する場合にスラリーが軸受104 、10
6 の内部に入り込み、耐摩耗性が低下するおそれがあ
る。 従動マグネット105 の従動マグネットカバー109 へ
の埋設方法として、従動マグネットカバー109 と従動マ
グネット105 を接着した後、従動マグネットカバーの開
口部を別の円板状のセラミック材料により液密に封止さ
せる場合、従動マグネットカバー109 と従動マグネット
105 の間に存在する樹脂の収縮によりセラミックスが破
損するおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、キャン等の寸法を大幅に増加させる
ことなくマグネット部分の軸方向寸法を増大させること
ができ、また軸受の芯出しが容易、確実であって軸受の
損耗を低減させることができるマグネット駆動ポンプを
提供することを第1の目的とするものである。また本発
明の第2の目的は、耐スラリー性が高いマグネット駆動
ポンプを提供することである。更に本発明の第3の目的
は、従動マグネットを樹脂で接着するときのセラミック
スの破損を防止できるマグネット駆動ポンプを提供する
ことである。更に本発明の第4の目的は、ポンプの組
立、分解時に駆動マグネットをキャンの外面に当てて損
傷することを防止できるマグネット駆動ポンプを提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、インペラーを収納したケーシン
グの端面にエンドカバーを設け、このエンドカバーに取
り付けられたキャンの外部に駆動マグネットを、またそ
の内部にインペラーを回転させる従動マグネットを取り
付けたマグネット駆動ポンプにおいて、エンドカバーの
中心部にキャンの底方向に向かって筒状部を延設し、こ
の筒状部の内周の軸受によりインペラーのシャフトを回
転自在に支承するとともに、このシャフトの先端に取り
付けられた従動マグネット組立体を上記筒状部の外側を
包むようにケーシング方向に筒状に張り出させ、かつエ
ンドカバーの筒状部の外径と従動マグネット組立体の内
径をケーシング方向に拡大する形状としたことを特徴と
するものである。
【0007】なお、従動マグネット組立体が、筒状本体
と従動マグネットとマグネットカバーとからなり、従動
マグネットが軸方向端面に非接着性シートを介在させて
筒状本体に接着されているものとしておくことが好まし
い。更に、駆動マグネットの筒状部の外径とスタンドの
内径に段差を設け、ジャッキボルトによって駆動マグネ
ットをそのベアリングユニットとともに軸方向に移動さ
せる場合に、筒状部の大径側とスタンドの内径の小径側
とを摺動させるようにしておくことが好ましい。
【0008】
【作用】このように構成された本発明のマグネット駆動
ポンプは、インペラーのシャフトを回転自在に支承する
エンドカバーの筒状部と、このシャフトの先端に取り付
けられた従動マグネット組立体とを軸線方向の同一断面
位置に設置することができるので、キャン等の寸法を大
幅に増加させることなくマグネット部分の軸方向寸法を
増大させることができる。またこの構造によって、エン
ドカバーの筒状部が受ける曲げモーメントを減少させ、
強度設計が容易となる。また本発明のマグネット駆動ポ
ンプは、インペラーのシャフトをエンドカバーの筒状部
内周の軸受だけで支承しているため、軸受の芯出しが容
易、確実であって軸受の損耗を低減させることができ
る。
【0009】更に本発明においては、エンドカバーの筒
状部の外径と従動マグネット組立体の内径をケーシング
方向に拡大する形状としたので、この隙間の部分でスラ
リーを分離し、軸受へのスラリーの侵入を防止して軸受
の保護を図ることができる。更に従動マグネットを軸方
向端面に非接着性シートを介在させて筒状本体に接着す
ることにより、樹脂の硬化時におけるセラミックス端面
の引き割りが防止される。更に駆動マグネットの筒状部
の外径とスタンドの内径に段差を設け、ジャッキボルト
によって駆動マグネットをそのベアリングユニットとと
もに軸方向に移動させる場合に、筒状部の大径側とスタ
ンドの内径の小径側とを摺動させるようにしたことによ
り、ポンプの組立、分解時に駆動マグネットをキャンの
外面に当てて損傷することを防止することができる。
【0010】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例によって更に詳
細に説明する。図1は実施例のマグネット駆動ポンプの
中央縦断面図である。全体の構成は大別して、ケーシン
グ10、エンドカバー20、キャン30、駆動マグネット40、
従動マグネット50、シャフト60、軸受70、インペラー80
とからなるものである。また本実施例では接液部は全て
セラミックスにより構成されているが、グラスライニン
グまたはセラミックコーティングされた金属材料あるい
は弗素樹脂などのプラスチック材料により構成すること
も可能である。
【0011】「ケーシング10」ケーシング10はインペラ
ー80を収納した渦巻き室11を備えた部分であり、吸引口
12と吐出口13とを備えている。ケーシング10はセラミッ
クス製本体14と、金属製カバー15とをセメントまたは樹
脂16により接着した構造のものであり、これによって外
部からの衝撃に対してセラミックス製本体14の破損を防
止するとともに、ケーシング内に高温液、低温液が導入
された場合に、一般に熱膨張率が異なるセラミックス材
料と金属材料の間に発生する歪を前記セメントまたは樹
脂により緩衝させ、セラミックスの破損を防止すること
ができる。また渦巻き室11の下部には、ポンプ内部の液
を排出したり、温度・圧力センサーを取付けたり、ポン
プ内の液の置換をするためのフラッシング孔として使用
できる孔17が設けられている。
【0012】「エンドカバー20」 エンドカバー20は、ケーシング10の端面を封止する部材
であり、セラミックス製本体21と金属製カバー22とを軸
方向に緩衝材23を介して26として示す部分でセメントま
たは樹脂により接合し、外部からの衝撃に対してセラミ
ックス製本体21を保護し、更にキャン30の組立時に発生
する軸方向のスラスト力に対応させている。またこの金
属製カバー22をケーシング10の金属製カバー15と金属ど
うしで芯出しして結合し、セラミックスどうしで芯出し
した場合の破損のおそれをなくしている。
【0013】セラミックス製本体21には渦巻き室11の高
圧部の液をキャン30の内部に導くための連通孔24が複数
個形成されている。これらの連通孔24によって導かれた
液は、後述するベアリングを潤滑する。これらの連通孔
24は渦巻き室11側の開口位置がキャン30側の開口位置よ
りも外側にあるようにしておくことが、渦巻き室11のよ
り高圧の部分の液をキャン30の内部に導くことができる
ためと、以下に示す理由により好ましい。これらの連通
孔24のうちの一つの連通孔24a はエンドカバー20の最上
位置に開孔させ、ポンプ起動時にポンプ内の気体を外部
に排出させる。またこれらの連通孔24のうちの他の一つ
の連通孔24b はエンドカバー20の最下位置に開孔させ、
ポンプ起動時に渦巻き室11からキャン30内に液を導いて
軸受部分を完全に液により潤滑するとともに、ポンプ分
解時にキャン30内の液を渦巻き室11に排出するようにな
っている。
【0014】エンドカバー20の中心部には、キャン30の
底方向に向かって筒状部25が延設されている。この筒状
部25の内周に軸受70が設けられており、この軸受70によ
りインペラー80のシャフト60を回転自在に支承してい
る。この筒状部25の外径はケーシング10の方向に拡大す
るテーパ形状となっており、ポンプ運転時に後述する従
動マグネット50のセラミックス製の筒状本体52の間に発
生する旋回流により液中のスラリーを遠心力により分離
して液体部分のみを軸受70に導くことができる。
【0015】「キャン30」 キャン30はセラミックス製の有底円筒状のもので、その
入口部の外周に金属製フランジ31を接着し、エンドカバ
ー20にガスケット32を介して取り付けたものである。金
属製フランジ31は複数本のネジ33によってエンドカバー
20の金属製カバー22に固定されているが、図1の下側に
示すようにジャッキボルト33a をねじ込むことによっ
て、キャン30をエンドカバー20から分解できるようにし
てある。
【0016】図2に拡大して示したように、キャン30の
入口部の内側端部にはリング状の突起34を設け、液中の
スラリーが旋回してガスケット32を損耗させることを防
止している。突起34とエンドカバーのセラミックス製本
体21の軸方向の隙間は、ガスケットのクリープを考慮し
最少とするのが良い。このガスケット32は圧力による座
屈を避けるために、外周部は金属製カバー22の内径によ
り保持させてある。なお、エンドカバー20とケーシング
10との間に設けられたガスケット28もこれと同様の構造
として座屈を防止するとともに、スラリーによる損耗を
防止するため流速の速い渦巻き室11より隔離された部分
に設置してある。
【0017】「駆動マグネット40」 駆動マグネット40は、ベアリングユニット41に支承され
る軸42にキャン30の外周に延びる筒状部43をスナップリ
ング44等により固着し、この筒状部43の内面に複数に分
割されたマグネット片45を接着したものである。軸42を
モータ等によって回転させることにより駆動マグネット
40は容易に回転されるが、液密度が大きい場合には慣性
モーメントが大きくなる従動側がこれに追従して容易に
回転することができず、マグネットカップリングが離脱
してしまうおそれがある。このため筒状部43の重量を大
きくしてモーターの回転部、シャフトなどの駆動側の慣
性モーメントを大きくし、これを防止することが好まし
い。
【0018】マグネットカップリングの伝達トルクが大
きい場合にはマグネットどうしの軸方向および径方向の
吸着力も強く、駆動マグネット40を分解することが容易
ではない。このため、ベアリングユニット41にスタンド
47の端面と先端が接するジャッキボルト48を設けてお
き、このジャッキボルト48をねじ込むことにより駆動マ
グネット40をベアリングユニット41とともに軸線方向に
抜き出すことができるようにしてある。また図1のよう
に駆動マグネット40の筒状部43の外径とスタンド47の内
に段差46を設け、分解・組立時にジャッキボルト48に
よって駆動マグネット40をそのベアリングユニット41と
ともに軸方向に移動させる場合に、筒状部43の大径側と
スタンド47の内径の小径側とを摺動させ、駆動マグネッ
トの内面がキャン30の外面に当たり損傷することを防止
している。
【0019】「従動マグネット50」 従動マグネット50は、インペラー80のシャフト60に固定
されたセラミックス製の筒状本体52の外周に接着された
ものである。筒状本体52にはガスケット53a 、53b を介
してセラミックス製のマグネットカバー54が焼き嵌めさ
れており、従動マグネット50がその内部に液密に封入さ
れている。このようにして構成された従動マグネット組
立体は、エンドカバー20の筒状部25の外側を包むように
ケーシング10の方向に筒状に張り出たものであり、その
内径は前記したエンドカバー20の筒状部25の外径と同様
に、ケーシング方向に拡大する形状となっている。
【0020】従動マグネット50を筒状本体52に接着する
場合、従動マグネット50の内面よりはみ出た樹脂が筒状
本体52のフランジ部55と従動マグネット50の端部との間
に流入し、硬化とともに収縮した樹脂が従動マグネット
50と筒状本体52のフランジ部55を引っ張ってフランジ部
55を破損するおそれがある。これを防止するために本実
施例では図2に示すように、非接着性シート56をこの部
分に介在させ、流入した樹脂が軸方向の力を及ぼさない
構成としている。非接着性シート56の材料としては、接
着剤が付着しない材料であれば良く耐熱性の点よりも弗
素樹脂製が好ましい。また、シートの厚みは高温液の移
送時に熱膨張し、前記フランジ部55を膨圧破壊すること
を防止するために0.2 mm以下が好ましい。
【0021】従動マグネット50の接着はその全長にわた
り行うのではなく、従動マグネット50の端部より従動マ
グネット50の内径の1/8 以上接着しない部分を設けるこ
とが好ましい。接着時に加熱硬化を行わせる際、従動マ
グネット50が筒状本体52に対して焼き嵌め状態になり、
端部接着部で応力集中を生じ易い。また従動マグネット
50が軸線方向に長い場合には、筒状本体52と従動マグネ
ット50との熱膨脹差により軸方向に引張応力を発生させ
る。しかし上記のように非接着部分を設けておけばこれ
らの問題を回避することができる。さらに従動マグネッ
ト50の端部より従動マグネット50の内径の1/8 以上の部
分に、薄い紙や弗素樹脂等からなる非接着性のシートを
挿入しておくことが好ましい。
【0022】従動マグネット50の前記非接着性シートを
挿入した端部に対し、他方の端部においても焼き嵌めさ
れたマグネットカバー54が従動マグネット50の端部に当
接し、冷却に伴い軸方向に収縮する場合に、マグネット
カバー54の内面の端部と従動マグネット50の端部とが接
触して破損するおそれを防止するため、弾性材料からな
るシート57を挿入しておくことが好ましい。なおこの筒
状本体52にも軸線方向の貫通孔58を複数個形成してお
き、筒状本体52の左右の圧力差によって従動マグネット
50にスラスト力が生ずることを防止している。
【0023】セラミックス製筒状本体52の内面は、前記
の様にエンドカバー20の筒状部25の外径と同様にケーシ
ング方向に拡大するテーパ形状となっており、ポンプ運
転時に発生する旋回流により液中のスラリーを遠心力に
よりキャン入口側に排出するため、セラミックス製筒状
本体52の内面とエンドカバー20の筒状部25の間は2 〜8
mmに設定するのが良い。2 mmより小さい場合は液中のス
ラリーとセラミックス製筒状本体52およびエンドカバー
20の筒状部25の間の相対速度が大となり摩耗が発生し、
8 mmより大であればスラリー粒子に与えられる旋回流の
速度が低下し、効果的に液中のスラリーが分離されな
い。またセラミックス製の筒状本体52の内面は軸方向に
配設された直線状の溝やインペラの回転方向と逆方向の
ネジ( インペラの回転方向がキャンよりケーシングを見
て時計方向であれば左ネジ) を設置することが、スラリ
ーを効果的に分離できさらに好ましい。セラミックス製
筒状本体52とエンドカバー20の筒状部25の間で分離され
たスラリー粒子はキャン30の入口部と底部の圧力差によ
りマグネットカバー54とキャン30の隙間より後述する絞
り孔67、シャフトの貫通孔61を通過し、ンペラー80の
ケージング吸引口12へ接続された部分へ排出される。
【0024】「シャフト60」 インペラー80のシャフト60は、エンドカバー20の筒状部
25に設けられた軸受70に支承されている。このシャフト
60の端部に上記した従動マグネット50が取り付けられて
いるため、従動マグネット50が回転するとインペラー80
が渦巻き室11の内部で回転することとなる。このシャフ
ト60の中心にホンプの吸引口12とキャン30の底部とを連
通させる貫通孔61を設けておく。
【0025】シャフト60とインペラー80との接続部は、
図1に示すようにポリゴン形状(おむすび型)とし、全
体で接触するようにすることが好ましい。しかしキーを
利用して接続することもできる。シャフト60とインペラ
ー80との軸方向接触面にはセラミックスどうしが接触し
た場合に液の移送に伴い発生する微振動によるフレッチ
ング損耗を防止するために、弗素樹脂等からなるシート
62を介在させることが好ましい。なおシャフト60とイン
ペラー80とを一体に成形することもできるが、実施例の
ように回転部分を分割することによって各部品の不釣り
合いの修正が容易となるとともに、インペラー80、シャ
フト60、従動マグネット50のいずれかが損傷した場合で
も当該部品の交換のみで修復でき、高価なセラミックス
部品の交換費用を低減できる。
【0026】このシャフト60には、軸スリーブ63とスラ
ストワッシャー64とが嵌合され、さらにその先端部に前
記した従動マグネット組立体が嵌合されている。そして
シャフト60のキャン30側の端部に形成されたネジ65にキ
ャップナット66を嵌めて全体を固定している。このキャ
ップナット66には絞り孔67を形成し、貫通孔61を通じて
インペラー80のケーシングの吸引孔12に接続された部分
へ循環する液量を規制している。この絞り孔67の寸法
は、各部の圧力の測定を行い回転部の軸方向スラスト力
が最少となるように決定される。インペラー80は、図1
の様にクローズド型とすることが、軸方向のギャップ調
整が不要となり構造が簡単となり好ましいが、オープン
型インペラーでもよいものである。
【0027】「軸受70」 実施例では軸受70は2つに分割されており、それぞれ弾
性材からなるパッキン71によってエンドカバー20の筒状
部25に取り付けられている。このような構成を取ること
によって、セラミックスどうしの接触により発生するフ
レッチング損耗や、液中のスラリー粒子がセラミックス
部品の間に介在する状態でスラリー粒子が振動すること
により発生する損耗を防止している。なおスラリーを扱
わない場合には、パッキン71を省略することもできる。
また、前記エンドカバー20の材質を耐摩耗性や摺動特性
のよい炭化珪素、アルミナで構成した場合、軸受70を省
略しエンドカバー20の内面とシャフト60を直接摺動させ
てもよい。この軸受70の端面と内面にはそれぞれ流体通
路72、73が形成されている。流体通路72は放射型、流体
通路73は螺旋型または軸方向の通路とする。これらの流
体通路72、73を通り軸受70を潤滑した液はインペラー80
の裏羽根81により渦巻き室11に導かれる。
【0028】この実施例では軸受70は軸スリーブ63と摺
動する構造となっているが、シャフト60と軸スリーブ63
とを一体に製造することもできる。しかし摺動する部分
は定期的な交換が必要となるため、実施例の構造とする
方が好ましい。また軸受70自体も一体に製造することも
できるが、分解・組立の容易さの点から2つに分割する
方がよい。なお、本発明では図示のように従動マグネッ
ト50の軸方向の中心を軸受70のキャン底部側の端面より
もインペラー80に近い側とすることができ、これによっ
て軸受70の負荷バランスを良くすることができる。
【0029】「作動」 このように構成された実施例のマグネット駆動ポンプを
使用するには、軸42をモータ等によって回転させ、キャ
ン30の外側で駆動マグネット40を回転させる。すると駆
動マグネット40とマグネットカップリングされている従
動マグネット50がキャン30の内部で回転し、インペラー
80が渦巻き室11の内部で回転する。これにより液は吸引
口12から吸引され、吐出口13から吐出されることとな
る。また液の一部はエンドカバー20の連通孔24からキャ
ン30の内部に流入し、従動マグネット組立体の貫通孔58
およびキャン30と従動マグネット組立体のマグネットカ
バー54の間を通じキャン30の底部に流入し、シャフト60
の貫通孔61を通じて渦巻き室11へ戻る循環を繰り返す。
このとき、軸受70は液によって潤滑されスムーズに回転
する。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明はエンド
カバー20の中心部にキャン30の底方向に向かって筒状部
25を延設し、この筒状部25の内周の軸受70によりインペ
ラー80のシャフト60を回転自在に支承するとともに、こ
のシャフト60の先端に取り付けられた従動マグネット組
立体を上記筒状部25の外側を包むようにケーシング方向
に筒状に張り出させた構成を採用したことにより、従動
マグネット50と軸受70とを軸線方向にオーバーラッ
せることができる。このため大流量、高揚程、濃スラリ
ー液、高粘性液などの軸動力が大きい用途の場合、キャ
ン30の寸法を大幅に増加させることなく従動マグネット
50の軸方向寸法を大きくして駆動力を増加させることが
できる。
【0031】また図3に示した従来品のように2か所の
軸受でシャフト60を支持する構造ではないため、軸受70
の芯出しが容易・確実となり軸受70の損耗が防止できる
とともに、軸受70の負荷バランスを良くすることができ
る。
【0032】更に本発明では、エンドカバー20の筒状部
25の外径と従動マグネット組立体の内径をケーシング方
向に拡大する形状としたので、ポンプ運転時に従動マグ
ネット50のセラミックス製の筒状本体52の間に発生する
旋回流により液中のスラリーを分離して軸受70へのスラ
リーの進入を防止することができるとともに、筒状部25
の曲げモーメントに対する強度設計が最適となり、筒状
部25の先端部を比較的細径とすることができるので、従
動マグネット50の直径を大きくする必要もなくなる。
【0033】更に請求項のように、従動マグネット組
立体が、筒状本体52と従動マグネット50とマグネットカ
バー54とからなり、従動マグネット50が軸方向端面に非
接着性シート56を介在させて筒状本体52に接着したとい
う構成を採用すれば、接着時の樹脂の硬化収縮による端
部接着部における応力集中や、熱膨脹差による軸方向の
引張応力を緩和し、セラミック部品の引き割りが防止さ
れることとなる。
【0034】更に請求項のように、駆動マグネット40
の筒状部43の外径とスタンド47の内径に段差46を設け、
ジャッキボルト48によって駆動マグネット40をそのベア
リングユニット41とともに軸方向に移動させる場合に、
筒状部43の大径側とスタンド47の内径の小径側とを摺動
させるようにしておけば、駆動マグネット部分の分解が
容易に行えるうえ、組立・分解時に駆動マグネットをキ
ャンの外面に当てて損傷することを防止できる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す中央縦断面図である。
【図2】本発明の実施例の部分拡大断面図である。
【図3】従来例を示す中央縦断面図である。
【符号の説明】
10 ケーシング、20 エンドカバー、25 筒状部、30
キャン、40 駆動マグネット、50 従動マグネット、52
筒状本体、54 マグネットカバー、56 非接着性シー
ト、60 シャフト、70 軸受、80 インペラー
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04D 13/02 F04D 7/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インペラーを収納したケーシングの端面
    にエンドカバーを設け、このエンドカバーに取り付けら
    れたキャンの外部に駆動マグネットを、またその内部に
    インペラーを回転させる従動マグネットを取り付けたマ
    グネット駆動ポンプにおいて、エンドカバーの中心部に
    キャンの底方向に向かって筒状部を延設し、この筒状部
    の内周の軸受によりインペラーのシャフトを回転自在に
    支承するとともに、このシャフトの先端に取り付けられ
    た従動マグネット組立体を上記筒状部の外側を包むよう
    にケーシング方向に筒状に張り出させ、かつエンドカバ
    ーの筒状部の外径と従動マグネット組立体の内径をケー
    シング方向に拡大する形状としたことを特徴とするマグ
    ネット駆動ポンプ。
  2. 【請求項2】 従動マグネット組立体が、筒状本体と従
    動マグネットとマグネットカバーとからなり、従動マグ
    ネットが軸方向端面に非接着性シートを介在させて筒状
    本体に接着されている請求項1に記載のマグネット駆動
    ポンプ。
  3. 【請求項3】 駆動マグネットの筒状部の外径とスタン
    ドの内径に段差を設け、ジャッキボルトによって駆動マ
    グネットをそのベアリングユニットとともに軸方向に移
    動させる場合に、筒状部の大径側とスタンドの内径の小
    径側とを摺動させるようにした請求項1に記載のマグネ
    ット駆動ポンプ。
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