JP2837910B2 - エマルション型液膜法を利用する貴金属微粒子の製造方法 - Google Patents
エマルション型液膜法を利用する貴金属微粒子の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、エマルション型液膜法を利用する貴金属
(Au,Pt,Pd,Rh,Ir)の微粒子あるいは超微粒子の製造方
法に関する。
(Au,Pt,Pd,Rh,Ir)の微粒子あるいは超微粒子の製造方
法に関する。
従来技術 貴金属コロイド粒子の製造方法のうち、金コロイドの
製造方法に関しては、金塩を含む水溶液に強い還元剤を
添加し、これを加熱することにより得られることが知ら
れていた。現在、電子工業及び化学工業で利用される貴
金属微粒子の大部分は貴金属塩水溶液からの化学的沈殿
法により製造されている。また有機相中に金属塩を溶媒
抽出し、それを直接水素還元する方法も提案されてい
る。
製造方法に関しては、金塩を含む水溶液に強い還元剤を
添加し、これを加熱することにより得られることが知ら
れていた。現在、電子工業及び化学工業で利用される貴
金属微粒子の大部分は貴金属塩水溶液からの化学的沈殿
法により製造されている。また有機相中に金属塩を溶媒
抽出し、それを直接水素還元する方法も提案されてい
る。
発明が解決しようとする課題 近年、電子工業における貴金属粒子の需要が増大し、
粒子および形状の制御された貴金属微粒子の提供が望ま
れていたが、従来の方法ではこの要求に答えるには種々
の工夫が必要であり、新たな製造方法の開発が望まれて
いた。
粒子および形状の制御された貴金属微粒子の提供が望ま
れていたが、従来の方法ではこの要求に答えるには種々
の工夫が必要であり、新たな製造方法の開発が望まれて
いた。
課題を解決するための手段 本発明者らは、エマルション型液膜法を応用すること
により、粒度および形状の制御された貴金属粒子を得る
ことができることを見いだし、本発明を完成するに至っ
たものである。
により、粒度および形状の制御された貴金属粒子を得る
ことができることを見いだし、本発明を完成するに至っ
たものである。
ここにエマルション型液膜法とは、1968年に、米国の
Liにより提案された方法であって、芳香族炭化水素や鎖
状炭化水素の分離を目的として開発された溶剤抽出法の
一種であって、少量の抽出剤で速い抽出速度が得られる
ことを特徴とする方法である。
Liにより提案された方法であって、芳香族炭化水素や鎖
状炭化水素の分離を目的として開発された溶剤抽出法の
一種であって、少量の抽出剤で速い抽出速度が得られる
ことを特徴とする方法である。
本発明は、このエマルション型液膜法を利用し、外部
水相中に含まれる貴金属イオンをエマルションの連続相
を構成する有機相中に抽出し、さらに内部水相中に逆抽
出することにより、貴金属を濃縮・回収し、その微粒子
を製造する方法を提供するものである。
水相中に含まれる貴金属イオンをエマルションの連続相
を構成する有機相中に抽出し、さらに内部水相中に逆抽
出することにより、貴金属を濃縮・回収し、その微粒子
を製造する方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、金属イオンの抽出剤、および水
不溶の有機溶剤を含む有機相、並びに還元剤を含む水相
とを、界面活性剤の存在下で混合して得られる油中水滴
型エマルションを、貴金属塩水溶液を加えることによ
り、エマルション中の油中水滴内に貴金属粒子を生成さ
せる貴金属粒子の製造方法を提供するものである。
不溶の有機溶剤を含む有機相、並びに還元剤を含む水相
とを、界面活性剤の存在下で混合して得られる油中水滴
型エマルションを、貴金属塩水溶液を加えることによ
り、エマルション中の油中水滴内に貴金属粒子を生成さ
せる貴金属粒子の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、内部水相中に含まれる貴金属イオン
をエマルションの連続相を構成する有機相中に抽出し、
さらに還元剤を含む水溶液中に逆抽出することにより貴
金属を回収し、その微粒子を製造する方法を提供するも
のである。
をエマルションの連続相を構成する有機相中に抽出し、
さらに還元剤を含む水溶液中に逆抽出することにより貴
金属を回収し、その微粒子を製造する方法を提供するも
のである。
すなわち、本発明は金属イオンの抽出剤、および水不
溶の有機溶剤を含む有機相、並びに貴金属塩を含む水相
とを界面活性剤の存在下で混合して得られる油中水滴型
エマルションを、還元剤を含む水溶液に加えることによ
り、この水溶液中に貴金属粒子を生成させる貴金属粒子
の製造方法をも提供する。
溶の有機溶剤を含む有機相、並びに貴金属塩を含む水相
とを界面活性剤の存在下で混合して得られる油中水滴型
エマルションを、還元剤を含む水溶液に加えることによ
り、この水溶液中に貴金属粒子を生成させる貴金属粒子
の製造方法をも提供する。
本発明において抽出剤とは、本来、有機相中に不溶の
金属イオンあるいはその錯体を溶解可能とするものをい
い、例えば金属イオンと有機錯体を形成する錯化剤や電
気的に中性な金属錯体を溶解する有機溶剤等が使用でき
る。
金属イオンあるいはその錯体を溶解可能とするものをい
い、例えば金属イオンと有機錯体を形成する錯化剤や電
気的に中性な金属錯体を溶解する有機溶剤等が使用でき
る。
本発明においては、金属イオンは塩化物錯体を形成し
ており、例えば、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジ
エチレングリコールジブチルエーテル(DBC)等の中性
抽出剤あるいは3級オクチルアミン(TOA)等の塩基性
抽出剤の使用が望ましい。
ており、例えば、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジ
エチレングリコールジブチルエーテル(DBC)等の中性
抽出剤あるいは3級オクチルアミン(TOA)等の塩基性
抽出剤の使用が望ましい。
本発明において還元剤とは、金属イオンあるいはその
錯体の還元電位より低い還元電位をもち、定量的に還元
可能な水溶性の物質をいう。例えば、金に対しては、亜
硫酸、ホルマリン、しゅう酸、塩化第一鉄、硫酸第一鉄
等の水溶液が好適に使用でき、例えはPtやPdに対して
は、水素化ホウ素カリウムのアルカリ性水溶液や、ホル
マリン等の低級アルデヒドのアルカリ性水溶液が好適に
使用できる。
錯体の還元電位より低い還元電位をもち、定量的に還元
可能な水溶性の物質をいう。例えば、金に対しては、亜
硫酸、ホルマリン、しゅう酸、塩化第一鉄、硫酸第一鉄
等の水溶液が好適に使用でき、例えはPtやPdに対して
は、水素化ホウ素カリウムのアルカリ性水溶液や、ホル
マリン等の低級アルデヒドのアルカリ性水溶液が好適に
使用できる。
最終的に貴金属の微粒子が生成される水相、すなわ
ち、還元剤を含んでいる水相に、適当な塩を添加するこ
とにより、有機相から貴金属イオンの逆抽出が促進され
る場合がある。ただし効果的な塩の種類は還元剤の種類
により相違する。例えば、塩基性抽出剤を用いた場合に
は、NaOH,KOH等の塩基性の塩の添加が好ましくまた、中
性抽出剤を用いた場合には、純水のみでも十分な逆抽出
能力を示すので、塩を添加する必要はない。
ち、還元剤を含んでいる水相に、適当な塩を添加するこ
とにより、有機相から貴金属イオンの逆抽出が促進され
る場合がある。ただし効果的な塩の種類は還元剤の種類
により相違する。例えば、塩基性抽出剤を用いた場合に
は、NaOH,KOH等の塩基性の塩の添加が好ましくまた、中
性抽出剤を用いた場合には、純水のみでも十分な逆抽出
能力を示すので、塩を添加する必要はない。
上記の、貴金属イオンの逆抽出を促進するために添加
される塩を、本明細書においては、以下、「逆抽出剤」
と呼ぶ。上述のように、これらは必要に応じて添加され
るのであり、本発明の必須構成要件ではない。
される塩を、本明細書においては、以下、「逆抽出剤」
と呼ぶ。上述のように、これらは必要に応じて添加され
るのであり、本発明の必須構成要件ではない。
エマルション中の内部水滴粒の大きさは使用する界面
活性剤の種類や量、乳化時のホモジナイザーの撹拌速
度、有機相と内部水相の体積比、温度などにより制御し
うるが、通常の安定性を有するエマルションとしては0.
5〜3μm程度の範囲内で、比較的粒度の揃った油中水
滴型のエマルションが得られる。この内部水滴中に十分
な還元力を有する還元剤が存在すれば、内部水滴中の逆
抽出された貴金属イオンは還元され金属状態になる。こ
の際、エマルションの内部水相液滴径は比較的均一であ
ることから、生成する金属の粒度の均一性も良好である
ことが予測される。また貴金属粒子の粒度および形状は
外部水相中の貴金属イオン濃度、エマルション中の内部
水相液滴径、抽出剤の種類と濃度、逆抽出剤の種類と濃
度、内部水相/有機相/外部水相の体積比、温度などに
影響される。
活性剤の種類や量、乳化時のホモジナイザーの撹拌速
度、有機相と内部水相の体積比、温度などにより制御し
うるが、通常の安定性を有するエマルションとしては0.
5〜3μm程度の範囲内で、比較的粒度の揃った油中水
滴型のエマルションが得られる。この内部水滴中に十分
な還元力を有する還元剤が存在すれば、内部水滴中の逆
抽出された貴金属イオンは還元され金属状態になる。こ
の際、エマルションの内部水相液滴径は比較的均一であ
ることから、生成する金属の粒度の均一性も良好である
ことが予測される。また貴金属粒子の粒度および形状は
外部水相中の貴金属イオン濃度、エマルション中の内部
水相液滴径、抽出剤の種類と濃度、逆抽出剤の種類と濃
度、内部水相/有機相/外部水相の体積比、温度などに
影響される。
貴金属微粒子の製造は、内部水相として貴金属塩水溶
液を採用してエマルションを調製し、これを還元剤を含
有する外部水相と接触させることによってもなしうる。
この場合、得られる粒子サイズの均一性において若干劣
るが、本発明の目的を達成し得る。
液を採用してエマルションを調製し、これを還元剤を含
有する外部水相と接触させることによってもなしうる。
この場合、得られる粒子サイズの均一性において若干劣
るが、本発明の目的を達成し得る。
本法はこのような観点からエマルション型液膜法を利
用して各種粒度種および形状をもつ比較的粒度分布の良
い微粒子を調製しようとするものである。この方法は室
温で適用できるものであるが、抽出反応および還元反応
を促進させ、したがって貴金属微粉末の生産能を向上さ
せる方法として液の加熱が有効である。ただし必要以上
の加熱はエマルションの不安定化を招くものであり、適
当な程度に留めることが必要である。
用して各種粒度種および形状をもつ比較的粒度分布の良
い微粒子を調製しようとするものである。この方法は室
温で適用できるものであるが、抽出反応および還元反応
を促進させ、したがって貴金属微粉末の生産能を向上さ
せる方法として液の加熱が有効である。ただし必要以上
の加熱はエマルションの不安定化を招くものであり、適
当な程度に留めることが必要である。
本法の適用の一例を挙げれば次の通りである。すなわ
ちMIBKおよびソルビタンモノオレエート(商品名Span 8
0)をそれぞれ抽出剤および界面活性剤として使用し、
これにケロシンを加えて有機相とし、内部水相には亜硫
酸水、蓚酸水溶液、ホルマリン水溶液または塩化第一鉄
水溶液、あるいはそれらに塩酸や苛性ソーダなどの酸ま
たはアルカリを添加した液を用いてホモジナイザーによ
り高速で撹拌化させエマルションを調製する。このエマ
ルションを塩化金酸を含有する外部水相に加えて撹拌ま
たは振とうすると、内部水相中に固体微粒子が生成され
るのが肉眼的にも観察される。上記の反応で得られた固
体の元素分析ではAu以外の存在は認められなかった。
ちMIBKおよびソルビタンモノオレエート(商品名Span 8
0)をそれぞれ抽出剤および界面活性剤として使用し、
これにケロシンを加えて有機相とし、内部水相には亜硫
酸水、蓚酸水溶液、ホルマリン水溶液または塩化第一鉄
水溶液、あるいはそれらに塩酸や苛性ソーダなどの酸ま
たはアルカリを添加した液を用いてホモジナイザーによ
り高速で撹拌化させエマルションを調製する。このエマ
ルションを塩化金酸を含有する外部水相に加えて撹拌ま
たは振とうすると、内部水相中に固体微粒子が生成され
るのが肉眼的にも観察される。上記の反応で得られた固
体の元素分析ではAu以外の存在は認められなかった。
もし上例で1%MIBK,5%Span 80,0.1%H2SO3水溶液を
用い、有機相と内部水相の体積比1:1で撹拌速度12,000r
pmで5分間乳化し、得たエマルションを10倍量の0.1gAu
/のHAuCl4水溶液に加え、振とう速度200rpmで5分間
処理したところ0.2〜1.0μmの粒状Au粉末が得られる。
これに対し有機相中のMIBK濃度を10%、内部水相を0.1M
FeCl2−0.1M HCl、外部水相を0.01gAu/HAuCl4−1MHC
lに変えることにより、太さ0.01〜0.02μmの糸状Au粒
子が得られた。また10%MIBK−5%Span80−ケロシンか
ら成る有機相と0.1M H2SO3−0.1M NaOHからなる内部水
相、0.01gAu/HAuCl4−1MHClからなる外部水相を用い
て得られるAu粒子は径0.02〜0.04μmの超微粒子であ
り、さらに有機相として10%MIBK〜5%Span80−ケロシ
ンを用い、内部水相として0.1M HCHO−0.5M NaOH、外部
水相として0.1gAu/HAuCl4−1M HClを用いると長径0.0
2〜0.2μmで廻転楕円体のAu微粒子が得られる。
用い、有機相と内部水相の体積比1:1で撹拌速度12,000r
pmで5分間乳化し、得たエマルションを10倍量の0.1gAu
/のHAuCl4水溶液に加え、振とう速度200rpmで5分間
処理したところ0.2〜1.0μmの粒状Au粉末が得られる。
これに対し有機相中のMIBK濃度を10%、内部水相を0.1M
FeCl2−0.1M HCl、外部水相を0.01gAu/HAuCl4−1MHC
lに変えることにより、太さ0.01〜0.02μmの糸状Au粒
子が得られた。また10%MIBK−5%Span80−ケロシンか
ら成る有機相と0.1M H2SO3−0.1M NaOHからなる内部水
相、0.01gAu/HAuCl4−1MHClからなる外部水相を用い
て得られるAu粒子は径0.02〜0.04μmの超微粒子であ
り、さらに有機相として10%MIBK〜5%Span80−ケロシ
ンを用い、内部水相として0.1M HCHO−0.5M NaOH、外部
水相として0.1gAu/HAuCl4−1M HClを用いると長径0.0
2〜0.2μmで廻転楕円体のAu微粒子が得られる。
本発明に使用できる貴金属塩としては、水溶性の塩で
あれば特に制限はなく、有機相中の希釈剤として例えば
ケロシン、ベンゼン、トルエン等の水と不溶の有機溶媒
であれば使用可能であるが、危険防止の観点からは着火
点が高い方が望ましく、また分相性の観点からは水との
密度差の大きなものの使用が望まれる。使用しうる抽出
剤は金属の種類およびその抽出種の性状、すなわち陽イ
オンであるか陰イオンであるか、あるいは中性種である
かにより、それぞれ適当な陽イオン、陰イオンおよび中
性抽出剤を選ぶ必要があり、その選択は還元速度、した
がって貴金属粒子の粒度にも大きく影響する。界面活性
剤の選択巾は大きいが、この試薬は主としてエマルショ
ンの安定性に影響する。内部水相はまた外部水相に用い
る逆抽出剤は用いる抽出剤により、酸からアルカリまで
大きく変化しうる。また、還元剤は貴金属の抽出種の還
元反応を支配するものであり、原理的には貴金属の還元
に対し十分な駆動力を示すものであれば使用できるが、
実際には還元速度面からの選択が、得られる粒子の形状
および粒度に大きく影響するので、目的に応じた選択を
しなければならない。
あれば特に制限はなく、有機相中の希釈剤として例えば
ケロシン、ベンゼン、トルエン等の水と不溶の有機溶媒
であれば使用可能であるが、危険防止の観点からは着火
点が高い方が望ましく、また分相性の観点からは水との
密度差の大きなものの使用が望まれる。使用しうる抽出
剤は金属の種類およびその抽出種の性状、すなわち陽イ
オンであるか陰イオンであるか、あるいは中性種である
かにより、それぞれ適当な陽イオン、陰イオンおよび中
性抽出剤を選ぶ必要があり、その選択は還元速度、した
がって貴金属粒子の粒度にも大きく影響する。界面活性
剤の選択巾は大きいが、この試薬は主としてエマルショ
ンの安定性に影響する。内部水相はまた外部水相に用い
る逆抽出剤は用いる抽出剤により、酸からアルカリまで
大きく変化しうる。また、還元剤は貴金属の抽出種の還
元反応を支配するものであり、原理的には貴金属の還元
に対し十分な駆動力を示すものであれば使用できるが、
実際には還元速度面からの選択が、得られる粒子の形状
および粒度に大きく影響するので、目的に応じた選択を
しなければならない。
実施例1. 1%MIBKおよび5%Span80をケロシン溶液からなる有
機相と等体積の0.1M H2SO3水溶液(内部水相)をホモジ
ナイザーにより回転速度12,000rpmの下で5分間乳化し
てエマルションを調製し、その10ccをエマルションの10
倍の体積の濃度0.1gAu/のHAuCl4を含む1M HCl水溶液
(外部水相)に加えて撹拌速度200rpmで5分間かきまぜ
るとAu(III)イオンはエマルションを構成する有機相
に抽出され、その後、内部水相へ移りそこで金属Auに還
元される。反応後、エマルションを分相、破壊して取り
出した内部水相中のAu粒子の電子顕微鏡写真を第1図に
示す。この写真に見られるように0.2〜1.0μmのAu粒子
が生成される。
機相と等体積の0.1M H2SO3水溶液(内部水相)をホモジ
ナイザーにより回転速度12,000rpmの下で5分間乳化し
てエマルションを調製し、その10ccをエマルションの10
倍の体積の濃度0.1gAu/のHAuCl4を含む1M HCl水溶液
(外部水相)に加えて撹拌速度200rpmで5分間かきまぜ
るとAu(III)イオンはエマルションを構成する有機相
に抽出され、その後、内部水相へ移りそこで金属Auに還
元される。反応後、エマルションを分相、破壊して取り
出した内部水相中のAu粒子の電子顕微鏡写真を第1図に
示す。この写真に見られるように0.2〜1.0μmのAu粒子
が生成される。
実施例2. 1%DBCおよび0.5%Span80を含むケロシン溶液と等体
積の0.1M(COOH)2水溶液を、実施例1と同様に乳化し
て得たエマルションをその10倍の体積の濃度0.1gAu/
のHAuCl4の1M HCl水溶液に加えて、実施例1と同様に抽
出還元し、得られたAu粒子を取り出し撮影した電子顕微
鏡写真を第2図に示す。0.1〜0.3μmの粒状Au粒子の生
成が認められる。
積の0.1M(COOH)2水溶液を、実施例1と同様に乳化し
て得たエマルションをその10倍の体積の濃度0.1gAu/
のHAuCl4の1M HCl水溶液に加えて、実施例1と同様に抽
出還元し、得られたAu粒子を取り出し撮影した電子顕微
鏡写真を第2図に示す。0.1〜0.3μmの粒状Au粒子の生
成が認められる。
実施例3. 10%MIBKと5%Span80を含むケロシン溶液と等体積の
0.1M FeCl2−0.1M HCl水溶液からなる内部水相を、実施
例1と同様の方法で乳化して得たエマルションをその10
倍の体積の濃度0.01gAu/HAuCl4の1M HCl水溶液に加え
て、実施例1と同様に抽出還元した。得られたAu粒子の
電子顕微鏡写真を第3図に示すが、太さ0.01〜0.02μm
の糸状粒子の生成がみられる。
0.1M FeCl2−0.1M HCl水溶液からなる内部水相を、実施
例1と同様の方法で乳化して得たエマルションをその10
倍の体積の濃度0.01gAu/HAuCl4の1M HCl水溶液に加え
て、実施例1と同様に抽出還元した。得られたAu粒子の
電子顕微鏡写真を第3図に示すが、太さ0.01〜0.02μm
の糸状粒子の生成がみられる。
実施例4. 10%MIBKと5%Span80を含むケシロン溶液および等体
積の0.1M H2SO3−0.1M NaOH水溶液を実施例1と同様の
方法で乳化し、得られたエマルションをその10倍の体積
の濃度0.01gAu/のHAuCl4の1M HCl水溶液に加えて、実
施例1と同様に抽出・還元した。得られたAu粒子の電子
顕微鏡写真を第4図に示す。粒度0.02μm以下の超微粒
子が得られた。
積の0.1M H2SO3−0.1M NaOH水溶液を実施例1と同様の
方法で乳化し、得られたエマルションをその10倍の体積
の濃度0.01gAu/のHAuCl4の1M HCl水溶液に加えて、実
施例1と同様に抽出・還元した。得られたAu粒子の電子
顕微鏡写真を第4図に示す。粒度0.02μm以下の超微粒
子が得られた。
実施例5. 0.02MのTNOA(第3級n−オクチルアミン)−5%Spa
n80を含むケロシン溶液と等体積の0.2MNaBH4−0.2M NaO
H水溶液を実施例1と同様の方法で乳化して得たエマル
ションをその10倍の体積の濃度0.1gPt/のH2PtCl6の2M
HCl水溶液に加えて、実施例1と同様に抽出・還元し
た。第5図は得られたPt超微粒子の集合体であり、その
粒度は極めて小さいことはこの写真からも明らかであ
る。
n80を含むケロシン溶液と等体積の0.2MNaBH4−0.2M NaO
H水溶液を実施例1と同様の方法で乳化して得たエマル
ションをその10倍の体積の濃度0.1gPt/のH2PtCl6の2M
HCl水溶液に加えて、実施例1と同様に抽出・還元し
た。第5図は得られたPt超微粒子の集合体であり、その
粒度は極めて小さいことはこの写真からも明らかであ
る。
実施例6 10%MIBK−5%Span80を含むケロシン溶液と等体積の
0.1gAu/のHAuCl4の1M HCl水溶液とを、実施例1と同
様の方法で乳化して得たエマルションを、それと同体積
の0.1M HCHO−0.1M NaOH水溶液に加えて、撹拌速度200r
pmで10分間かきまぜると、Au(III)の中性塩素錯体
は、エマルションを構成する有機相に抽出され、その後
外部水相へ移り、そこで金属Auに還元された。反応後、
外部水溶中のAu粒子を採取した。
0.1gAu/のHAuCl4の1M HCl水溶液とを、実施例1と同
様の方法で乳化して得たエマルションを、それと同体積
の0.1M HCHO−0.1M NaOH水溶液に加えて、撹拌速度200r
pmで10分間かきまぜると、Au(III)の中性塩素錯体
は、エマルションを構成する有機相に抽出され、その後
外部水相へ移り、そこで金属Auに還元された。反応後、
外部水溶中のAu粒子を採取した。
得られたAu超微粒子の集合体の写真を第6図に示す。
0.05μm以下の粒子径のAu粒子の生成が認められる。
0.05μm以下の粒子径のAu粒子の生成が認められる。
第1〜6図は、それぞれ実施例1から6により得られた
粒子構造の写真である。
粒子構造の写真である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−243213(JP,A) 特表 昭57−500324(JP,A) Inst Chem Eng Sym p Ser No.88 pp.257−265 (1984) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 9/24 B01J 13/00
Claims (2)
- 【請求項1】金属イオンの抽出剤、および水不溶の有機
溶剤を含む有機相、並びに還元剤を含む水相とを、界面
活性剤の存在下で混合して得られる油中水滴型エマルシ
ョンを、貴金属塩水溶液に加えることにより、エマルシ
ョン中の油中水滴内に貴金属粒子を生成させる貴金属粒
子の製造方法。 - 【請求項2】金属イオンの抽出剤、および水不溶の有機
溶剤を含む有機相、並びに貴金属塩を含む水相とを、界
面活性剤の存在下で混合して得られる油中水滴型エマル
ションを、還元剤を含む水溶液に加えることにより、こ
の水溶液中に貴金属粒子を生成させる貴金属粒子の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5047590A JP2837910B2 (ja) | 1990-03-01 | 1990-03-01 | エマルション型液膜法を利用する貴金属微粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5047590A JP2837910B2 (ja) | 1990-03-01 | 1990-03-01 | エマルション型液膜法を利用する貴金属微粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03253506A JPH03253506A (ja) | 1991-11-12 |
JP2837910B2 true JP2837910B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=12859924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Inst Chem Eng Symp Ser No.88 pp.257−265(1984) |
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