JP2837640B2 - 補聴器 - Google Patents

補聴器

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JP2837640B2
JP2837640B2 JP7075667A JP7566795A JP2837640B2 JP 2837640 B2 JP2837640 B2 JP 2837640B2 JP 7075667 A JP7075667 A JP 7075667A JP 7566795 A JP7566795 A JP 7566795A JP 2837640 B2 JP2837640 B2 JP 2837640B2
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真一 坂本
朋子 大石
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/50Customised settings for obtaining desired overall acoustical characteristics
    • H04R25/505Customised settings for obtaining desired overall acoustical characteristics using digital signal processing

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は補聴器に関し、特に使用
環境の環境音に応じて出力音(補聴音)の音量、音質等
の音響的特性を調整可能な補聴器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、補聴器においては、その使用者
の聴力やその使用環境に応じて出力音の音量、音質等の
各種の音響的特性(これは、増幅器特性、増幅特性等と
も称される。)を適正に調整する必要がある。そこで、
使用環境の環境音に応じて、例えば騒音の低周波成分の
レベルに応じて低音増幅度を変化させたり、騒音の高周
波成分に応じて高音増幅度を変化させる等の所謂環境音
適応装置(騒音抑制装置)を備えるようにしている。
【0003】この種の環境音適応装置としては、例え
ば、予め補聴器に内蔵した騒音抑制特性をスイッチに
て選択するようにしたもの(所謂Sスイッチ)、補聴
器への入力音(環境音)の音圧レベル又は音圧レベルと
その持続時間に応じて周波数特性(音質)及び音量を自
動的に変化させるようにしたもの(所謂ANS、特公昭
52−50646号公報、米国特許第4,025,72
1号参照)、ANSと同様に補聴器への入力音(環境
音)の高周波帯域の音圧レベルに応じて高周波帯域の利
得を自動的に変化させるようにしたもの(所謂Kアン
プ、米国特許第5,131,046号参照)、補聴器
への入力音を高中低の3つの周波数帯域に分割し、それ
ぞれの周波数帯域の音圧レベルに応じて、高中低の3つ
の周波数帯域の利得を自動的に変化させるようにしたも
の(Scand Audiol 8:121-126)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、うるさ
さの感覚は騒音の低周波数成分とレベルと高周波成分の
レベルの組合わせや、音圧レベルとその持続時間の組合
わせによりより総合的に決定されるので、上述した従来
の補聴器における環境音適応装置にあっては、次のよう
な不都合がある。
【0005】すなわち、所謂Sスイッチの場合には、
騒音抑制用特性が一つだけであるので、環境音の周波数
特性に対して補聴器が最適な周波数特性になるとは限ら
ない。また、音量の調整は行われないので、騒音レベル
に応じて使用者が自ら音量調節器を操作しなければなら
ない。つまり、音質と音量を別個にしかも手動で調整す
るために、複数の音響的パラメータの組合わせに応じた
調整ができない。
【0006】また、所謂ANSの場合には、音圧レベ
ル対周波数特性及び/又は音量の関係が予め決められて
いるので、環境騒音の周波数特性及び/又は音圧レベル
の組合わせに対して補聴器が最適な周波数特性及び/又
は音圧レベルになるとは限らない。所謂Kアンプの場
合には、特定の周波数帯域のレベルだけで周波数特性を
決定するので、すべての環境騒音に対して最適な周波数
特性になるとは限らない。入力音を3つの周波数帯域
に分割するものの場合、それぞれの周波数帯域のレベル
だけに基づいて利得を決定するので、低/高周波数成分
のレベルの組合わせによって総合的に決定されるうるさ
さの感覚に対して最適な周波数特性になるとは限らな
い。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、使用者の感覚に近い出力音の音響的特性が得られ
る補聴器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め請求項1の補聴器は、環境音に応じて出力音の音響的
特性を調整可能な補聴器において、前記環境音に基づい
てファジィ推論にて前記音響的特性を決定する特性決定
手段を備えた。
【0009】請求項2の補聴器は、上記請求項1の補聴
器において、前記音響的特性が音量及び/又は音質であ
る構成とした。
【0010】請求項3の補聴器は、環境音に応じて出力
音の音響的特性を調整可能な補聴器において、前記環境
音の少なくとも2つの音響的パラメータを算出する環境
音分析手段と、この環境音分析手段で算出した前記少な
くとも2つの音響的パラメータの組合わせに基づいて前
記音響的特性を決定する特性決定手段とを備えた。
【0011】請求項4の補聴器は、上記請求項3の補聴
器において、前記環境音分析手段が、前記環境音の周波
数成分を複数の帯域に分割し、各帯域の平均パワーの比
率及び/又は差分を算出する手段を備え、特性決定手段
が、前記環境音分析手段で算出した各帯域の平均パワー
の比率及び/又は差分に基づいて前記音響的特性を決定
する手段を備えている構成とした。
【0012】請求項5の補聴器は、上記請求項3又は4
の補聴器において、前記分析手段が、環境音の音圧レベ
ル及び/又はその持続時間を算出する手段を備え、前記
特性決定手段が前記環境音の音圧レベル及び/又はその
持続時間に基づいて前記音響的特性を決定する手段を備
えている構成とした。
【0013】請求項6の補聴器は、上記請求項3乃至5
のいずれかの補聴器において、前記特性決定手段がファ
ジィ推論にて前記音響的特性を決定する構成とした。
【0014】
【作用】請求項1の補聴器は、環境音に基づいてファジ
ィ推論にて出力音の音響的特性を決定する特性決定手段
を備えたので、人間の感覚に近い音響的特性を決定する
ことができる。
【0015】請求項2の補聴器は、上記請求項1の補聴
器において、音響的特性が音量及び/又は音質である構
成としたので、人間の感覚に近い音量及び/又は音質を
決定することができる。
【0016】請求項3の補聴器は、環境音に応じて出力
音の音響的特性を調整可能な補聴器において、環境音の
少なくとも2つの音響的パラメータを算出する環境音分
析手段と、この環境音分析手段で算出した少なくとも2
つの音響的パラメータの組合わせに基づいて音響的特性
を決定する特性決定手段とを備えたので、特に環境音の
複数の音響的パラメータの組合わせにより総合的に決定
される補聴器使用者のうるささの感覚に対してより適切
な音響的特性を決定できる。
【0017】請求項4の補聴器は、上記請求項3の補聴
器において、環境音分析手段が、環境音の周波数成分を
複数の帯域に分割し、各帯域の平均パワーの比率及び/
又は差分を算出する手段を備え、特性決定手段が、環境
音分析手段で算出した各帯域の平均パワーの比率及び/
又は差分に基づいて音響的特性を決定する手段を備えて
いる構成としたので、補聴器使用者のうるささの感覚に
対してより適切な音響的特性を決定できる。
【0018】請求項5の補聴器は、上記請求項3又は4
の補聴器において、分析手段が、環境音の音圧レベル及
び/又はその持続時間を算出する手段を備え、特性決定
手段が環境音の音圧レベル及び/又はその持続時間に基
づいて音響的特性を決定する手段を備えている構成とし
たので、補聴器使用者のうるささの感覚に対してより適
切な音響的特性を決定できる。
【0019】請求項6の補聴器は、上記請求項3乃至5
のいずれかの補聴器において、特性決定手段がファジィ
推論にて音響的特性を決定する構成としたので、より一
層人間の感覚に近い最適な音響的特性を決定することが
できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。なお、以下の実施例においては、「音響的特
性」として「音量」、「音質」(周波数特性)を例にし
て説明することとし、「音量」及び「音質」の両者を示
すときには「音響特性」と称する。図1は本発明を適用
した補聴器の全体的な機能を示すブロック図、図2は図
1の各部の詳細を示すブロック図である。
【0021】この補聴器は、外部音(環境音を含む)を
集音するマイクロフォン1と、このマイクロフォン1で
集音した外部音に応じたマイクロフォン信号を設定され
た増幅特性(音響特性)に応じて増幅する増幅器2と、
この増幅器2で増幅された信号を補聴音として出力する
イヤホン3を備えると共に、増幅器2の増幅特性を環境
音に応じて調整するためにマイクロフォン信号に基づい
て環境音を分析する環境音分析手段Aと、この環境音分
析手段Aの分析結果に基づいて音響特性を決定する特性
決定手段Bとを備えている。
【0022】ここで、環境音分析手段Aは、環境音の周
波数成分を複数の帯域(バンド)に分割して各バンドの
周波数特性を算出するFFT分析部Cと、各バンド内の
平均パワーを算出するバンド内平均パワー算出部D1〜
Dnと、各バンド内平均パワー算出部D1〜Dnの算出
結果に基づいて各バンド内平均パワーのレベル差分(各
バンド内平均パワーの比率でもよい。)P1〜Pnを算
出する差算出部Eと、環境音の音圧レベルLを算出する
音圧レベル算出部Fと、環境音の持続時間Tを算出する
持続時間算出部Gとを備えている。また、特性決定部B
は、環境音分析手段Aからの各バンド内平均パワーのレ
ベル差分P1〜Pn、音圧レベルL、持続時間Tに基づ
いてファジイ推論で出力音の最適な音質F1〜Fn及び
音量Vを決定するファジィ推論部Hを備えている。
【0023】そこで、上述したような機能を有する補聴
器の具体的実施例について図3以降を参照して説明す
る。図3は本発明に係る補聴器の全体ブロック図であ
り、この補聴器は、図1で説明した同様なマイクロフォ
ン1、増幅器2及びイヤホン3を備えると共に、マイク
ロフォン1からの信号をA/D変換するA/D変換器4
と、このA/D変換器4でデジタル化されたマイクロフ
ォン1からの信号(環境音信号)を取込んで分析し、こ
の分析結果に基づいて増幅器2の音響特性を決定する環
境音分析手段A及び特性決定手段Bを兼ねたマイクロコ
ンピュータ等からなる制御部5を備えている。
【0024】以上のように構成した補聴器の作用につい
て図4以降をも参照して説明する。先ず、図4を参照し
て、制御部5による環境音分析処理について説明する
と、マイクロフォン1からの信号をA/D変換器4で変
換して環境音信号とし、この環境音信号のデータ列をデ
ータ列を予め定めた短い時間LD(sec)の長さで区切
って切出す(この短い時間LDで区切られた部分を「フ
レーム」と称する。)。なお、このフレームの切出し
は、例えばフレームメモリを複数に領域に分割して、A
/D変換器12からの環境音信号を時間LD毎にフレー
ムメモリの分割した複数の領域に順次格納し、各領域に
格納したデータを順次読み出すことによって行うことが
できる。
【0025】その後、切出したフレームの平均パワー
(フレーム内平均パワー)Pを算出する。この平均パワ
ーPは、サンプリング周波数をf(Hz)、「LD×
f」で得られる値をn(サンプル数)としたとき、P=
(x0 2+x1 2+x3 2……xn2)/nの演算を行うことに
よって算出する。そして、このフレームの平均パワーP
の算出を所定回数、即ち予め定めた複数のフレームにつ
いて行う。
【0026】そして、得られた複数のフレームの平均パ
ワーPの時間的変化から環境音(入力音)の音圧レベル
Lを算出した後、持続時間Tを算出する。
【0027】その後、環境音の周波数特性を算出するた
めに切出した複数のフレームについてFFT分析を行っ
て、その平均スペクトルを算出して、これを環境音の周
波数特性とする。そこで、FFT分析によって得られた
スペクトル(周波数成分)を低域、中域、高域の3帯域
に分割し、低域パワー、中域パワー及び高域パワーを求
めて、音響特性の決定に必要な中低域差Lp及び中高域
差Hpを算出する。ここで、Lp,Hpは、 Lp=(低域のパワー)−(中域のパワー) Hp=(高域のパワー)−(中域のパワー) で算出する。
【0028】次に、図5乃至図17を参照して上記の分
析結果に基づいて音響特性を決定する特性決定処理につ
いて説明する。この特性決定処理では、図5に示すよう
に、前述した環境音分析処理で得られた中低域差Lp及
び中高域差Hpを読出して、ファジー推論によってLP
F(ローパスフィルタ)の周波数特性及びHPF(ハイ
パスフィルタ)の周波数特性を決定し、次いで環境音分
析処理で得られた音圧レベル及び持続時間Tを読出し、
ファジィ推論によって音量(ボリウムV)を決定して、
これらの周波数特性LPF、HPF及びボリウムVを増
幅器2へ送出する。
【0029】そこで、ファジー推論による周波数特性の
決定について説明すると、ファジー推論のルール及びメ
ンバーシップ関数は環境音分析処理で算出する中低域差
Lp及び中高域差Hpから構成している。また、周波数
特性の操作はLPF、HPFの遮断周波数、遮断特性を
変更することによって行っているので、ファジー推論の
ルール及びメンバーシップ関数は、LPF用及びHPF
用の2種類を設定している。各ファジー推論からは図6
及び図7に示すような遮断周波数、遮断特性の係数Rが
出力される。
【0030】ここで、LPF用のファジー推論のルール
は、次のようにしている。 ルール1:IF Lp=大きい AND Hp=大きい THEN R=大きい ルール2:IF Lp=小さい AND Hp=大きい THEN R=やや大きい ルール3:IF Lp=大きい AND Hp=小さい THEN R=やや小さい ルール4:IF Lp=小さい AND Hp=小さい THEN R=小さい これは、例えばルール1は、「もし、Lpが大きく、且
つHpが大きい場合には、Rを大きくする」という意味
であり、ルール2、3、4についても同様である。
【0031】また、HPF用のファジー推論のルール
は、次のようにしている。 ルール1:IF Lp=大きい AND Hp=大きい THEN R=大きい ルール2:IF Lp=大きい AND Hp=小さい THEN R=やや大きい ルール3:IF Lp=小さい AND Hp=大きい THEN R=やや小さい ルール4:IF Lp=小さい AND Hp=小さい THEN R=小さい
【0032】さらに、メンバーシップ関数については、
LPF用の中低域差Lpに関するメンバーシップ関数を
図8に、LPF用の中高域差Hpに関するメンバーシッ
プ関数を図9に、HPF用の中低域差Lpに関するメン
バーシップ関数を図10に、HPF用の中高域差Hpに
関するメンバーシップ関数を図11に、係数Rに関する
メンバーシップ関数を図12にそれぞれ示している。
【0033】これらに基づいて図13を参照してファジ
ー推論の具体例を説明する。この推論例は、中低域差L
pが「小さく」、中高域差Hpが「やや大きい」場合の
LPFの推論例である。同図(a)に示すように、ルー
ル1は、上述したように「IFLp=大きい AND Hp
=大きい THEN R=大きい」であり、このときの中低
域差Lpの適合度はa1、中高域差Hpの適合度はb1
となる。比率(係数)Rの「大きい」に対する適合度w
1は、適合度a1とb1の代数積(a1×b1)とな
り、係数Rの「大きい」に関するメンバーシップ関数
を、ピークがw1となるように押し縮めた面積(斜線を
施して示す部分)として算出する。同図(b)、
(c)、(d)に示すようにルール2、3、4に対して
も同様な操作を行って、w1,w2,w3、w4から算
出した面積を加算すると、同図(e)に示すようにな
る。そこで、この面積の重心を求めると、矢印で示す値
となってこの値がLPFの係数Rとして得られる。
【0034】次に、ファジィ推論による音量(ボリウム
V)の決定について説明する。ファジー推論のルール及
びメンバーシップ関数は、音圧レベルL及び持続時間T
から構成する。
【0035】ここで、ファジー推論のルールは、例えば
次のようにする。 ルール1:IF L=大きい AND T=長い THEN V=小さい ルール2:IF L=大きい AND T=短い THEN V=やや小さい ルール3:IF L=小さい AND T=長い THEN V=やや大きい ルール4:IF L=小さい AND T=短い THEN V=大きい
【0036】また、メンバーシップ関数については、音
圧レベルLに関するメンバーシップ関数を図14に、持
続時間Tに関するメンバーシップ関数を図15に、ボリ
ウムVに関するメンバーシップ関数を図16にそれぞれ
示している。
【0037】これらに基づいて図17を参照してファジ
ー推論の具体例を説明する。この推論例は、音圧レベル
Lが「大きく」、持続時間Tが「長い」場合の推論例で
ある。同図(a)に示すように、ルール1は上述したよ
うに「IF L=大きい ANDT=長い THEN V=小さ
い」であり、このときの音圧レベルLの適合度はa1、
持続時間Tの適合度はb1となる。ボリウムV「小さ
い」に対する適合度w1は、適合度a1とb1の代数積
(a1×b1)となり、ボリウムVの「小さい」に関す
るメンバーシップ関数を、ピークがw1となるように押
し縮めた面積(斜線を施して示す部分)として算出す
る。ルール2、3、4に対しても同様な操作を行って、
w1,w2,w3、w4から算出した面積を加算する
と、同図(e)に示すようになる。そこで、この面積の
重心を求めると、矢印で示す値となってこの値がボリウ
ムVとして得られる。
【0038】このようにこの補聴器においては、ファジ
ー推論によって音響特性を決定しているので、より使用
者の感覚に近い音量及び音質等の音響的特性(増幅器特
性)を得ることができる。また、環境音の複数の音響的
特性に基づいて補聴器の音響的特性を決定しているの
で、総合的なうるささの感覚に対して最適な適応をする
ことができるようになる。
【0039】なお、上記実施例においては、音響的特性
として音量及び音質(周波数特性)を例にして説明した
が、これら以外の音響的特性を調整する場合にも同様に
適用することができ、また調整する音響的特性は1つで
あってもよい。さらに、環境音の分析処理や特性決定処
理は、上記実施例のもの限られず、一般的な処理を行う
ことも当然可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の補聴器
によれば、環境音に基づいてファジィ推論にて出力音の
音響的特性を決定するようにしたので、人間の感覚に近
い音響的特性を決定することができる。
【0041】請求項2の補聴器によれば、上記請求項1
の補聴器において、音響的特性が音量及び/又は音質で
ある構成としたので、人間の感覚に近い音量及び/又は
音質を決定することができる。
【0042】請求項3の補聴器によれば、環境音の少な
くとも2つの音響的パラメータを算出し、算出した少な
くとも2つの音響的パラメータの組合わせに基づいて音
響的特性を決定するようにしたので、特に環境音の複数
の音響的パラメータの組合わせにより総合的に決定され
る補聴器使用者のうるささの感覚に対してより適切な音
響的特性を決定できる。
【0043】請求項4の補聴器によれば、環境音の周波
数成分を複数の帯域に分割し、各帯域の平均パワーの比
率及び/又は差分を算出し、算出した各帯域の平均パワ
ーの比率及び/又は差分に基づいて音響的特性を決定す
るようにしたので、補聴器使用者のうるささの感覚に対
してより適切な音響的特性を決定できる。
【0044】請求項5の補聴器によれば、上記請求項3
又は4の補聴器において、環境音の音圧レベル及び/又
はその持続時間を算出し、算出した環境音の音圧レベル
及び/又はその持続時間に基づいて音響的特性を決定す
るようにしたので、補聴器使用者のうるささの感覚に対
してより適切な音響的特性を決定できる。
【0045】請求項6の補聴器によれば、上記請求項3
乃至5のいずれかの補聴器において、ファジィ推論にて
音響的特性を決定するようにしたので、より一層人間の
感覚に近い最適な音響的特性を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した補聴器の全体的な機能を示す
ブロック図
【図2】図1の要部の詳細を示すブロック図
【図3】図1の本発明に係る補聴器の全体ブロック
【図4】制御部による環境音分析処理を示すフロー図
【図5】制御部による特性決定処理を示すフロー図
【図6】特性決定処理におけるLPFの遮断周波数、遮
断特性の比率の説明に供する説明図
【図7】同じくHPFの遮断周波数、遮断特性の比率の
説明に供する説明図
【図8】特性決定処理におけるファジィ推論による周波
数特性の決定の説明に供するLPF用の中低域差Lpに
関するメンバーシップ関数の説明図
【図9】同じくLPF用の中高域差Hpに関するメンバ
ーシップ関数の説明図
【図10】同じくHPF用の中低域差Lpに関するメン
バーシップ関数の説明図
【図11】同じくHPF用の中高域差Hpに関するメン
バーシップ関数の説明図
【図12】同じく係数(比率)Rに関するメンバーシッ
プ関数の説明図
【図13】周波数特性に関するファジィ推論の具体例の
説明に供する説明図
【図14】特性決定処理におけるファジィ推論によるボ
リウムの決定の説明に供する音圧レベルLに関するメン
バーシップ関数の説明図
【図15】同じく持続時間Tに関するメンバーシップ関
数の説明図
【図16】同じくボリウムVに関するメンバーシップ関
数の説明図
【図17】ボリウムに関するファジィ推論の具体例の説
明に供する説明図
【符号の説明】
1…マイクロフォン、2…増幅器、3……イヤホン、4
…A/D変換器、5…制御部。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環境音に応じて出力音の音響的特性を調
    整可能な補聴器において、前記環境音に基づいてファジ
    ィ推論にて前記音響的特性を決定する特性決定手段を備
    えたことを特徴とする補聴器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の補聴器において、前記
    音響的特性が音量及び/又は音質であることを特徴とす
    る補聴器。
  3. 【請求項3】 環境音に応じて出力音の音響的特性を調
    整可能な補聴器において、前記環境音の少なくとも2つ
    の音響的パラメータを算出する環境音分析手段と、この
    環境音分析手段で算出した前記少なくとも2つの音響的
    パラメータの組合わせに基づいて前記音響的特性を決定
    する特性決定手段とを備えていることを特徴とする補聴
    器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の補聴器において、前記
    環境音分析手段が、前記環境音の周波数成分を複数の帯
    域に分割し、各帯域の平均パワーの比率及び/又は差分
    を算出する手段を備え、前記特性決定手段が、前記環境
    音分析手段で算出した各帯域の平均パワーの比率及び/
    又は差分に基づいて前記音響的特性を決定する手段を備
    えていることを特徴とする補聴器。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の補聴器において、前記
    分析手段が、環境音の音圧レベル及び/又はその持続時
    間を算出する手段を備え、前記特性決定手段が前記環境
    音の音圧レベル及び/又はその持続時間に基づいて前記
    音響的特性を決定する手段を備えていることを特徴とす
    る補聴器。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれかに記載の補聴
    器において、前記特性決定手段がファジィ推論にて前記
    音響的特性を決定することを特徴とする補聴器。
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