JP2828374B2 - 微粒子の2次元凝集形成方法 - Google Patents
微粒子の2次元凝集形成方法Info
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Description
形成方法に関するものである。さらに詳しくは、この発
明は、エレクトロニクス、バイオマテリアル、セラミッ
ク、金属材料等の諸野において新たな機能性材料の創製
と、宇宙空間等の重力の存在しない場における微粒子の
凝集過程において有用な微粒子の2次元凝集形成方法に
関するものである。
の物質や微小粒子の存在構造を制御する技術として各種
の方法が知られている。たとえば、原子、分子レベルで
面方向に2次元的に構成する方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、電気メッキ、LB膜形成法など
が知られている。また、微粒子(たん白質、酸化物、金
属、ラテックス、ポリマー)を2次元的に展開し、これ
を組織制御して構成する方法としては、微粒子エマルジ
ョンを平面に塗布する方法(スピンコート法など)や、
微粒子を粉末として平面に散布する方法(噴霧法な
ど)、分散媒から気液界面、液々界面に微粒子を析出す
る方法等が知られている。これらの微粒子による組織構
成方法は、各種センサー、磁気記録媒体、電子デバイ
ス、触媒、その他の応用において大変に重要なものであ
る。
に、かつ迅速に形成および制御することはそれほど簡単
なことではない。そして実際に、そのための方法として
これまでに試みられているものには重大な欠点がある。
たとえば前記の微粒子の組織構成方法では、そのうちの
塗布法は膜厚の制御が難しく、完全に平坦な2次元膜を
形成することができない。また、散布法は膜厚制御は容
易であるが、膜厚に必ずむらができてしまうという欠点
が避けられない。さらに、析出法の場合には粒子一層の
2次元膜を作ることも可能であるが、やはりむらの問題
が避けられない。このように、微粒子を一粒子の層で、
規則正しく凝集させて一様に並べる技術はこれまでに確
立されていない。
事情に鑑みてなされたものであり、従来の方法の欠点を
解消し、一粒子の層を規則正しく凝集させて一様に並
べ、かつ、この凝集を迅速に行うことのできる新しい高
精度、高効率な微粒子の2次元凝集形成方法を提供する
ことを目的としている。
するものとして、微粒子の液状分散媒体を基板上に展開
して液体薄膜を形成し、液状分散媒体の液厚を減少制御
し、液厚を粒子径サイズと同等かそれより小さくし、表
面張力を用いて微粒子を2次元で凝集させることを特徴
とする微粒子の凝集形成方法を提供する。この発明にお
ける微粒子の凝集過程には、核生成過程と成長過程の二
つの過程が存在すると考えられる。
が、主に微粒子間の引力とこの発明の発明者が存在を明
らかにした横毛管力:lateral capillary force (横液
浸力:lateral immersion force )によるものと考えら
れる。この横毛管(横液浸)力について説明すると、従
来より知られている垂直方向(重力とつり合う)の毛細
管力とは区別される力である。基板表面の粒子に液体の
表面張力として作用する垂直方向の力は、単一粒子にお
いては浮力と基板からの抗力とつり合い、横方向の力は
生じない。しかし、この垂直方向からの力のつり合い
は、粒子が近接すると非対称性を生じ、水平方向への残
余の力が生まれる。
る。すなわち、図1に例示したように、液状分散媒体
(I)に分散した微粒子(A)(B)を表面平坦な基板
(III)に供給し、液状分散媒体(I)の厚み(d)を
微粒子(A)(B)の粒径程度、特にその粒径以下にま
で制御すると、微粒子(A)(B)には、大きな吸引力
(F)が作用し、微粒子の結晶核を形成する。この吸引
力(F)を横毛管(横液浸)力と呼ぶことができる。
毛管(横液浸)力は、微粒子(A)(B)と液状分散媒
体(I)との液面接触角(θ1 〜θ4 )、液状分散媒体
(I)の十分遠方での厚さ(d)、および微粒子(A)
(B)の距離(l)と半径(γ1 ,γ2 )、そして液状
分散媒体(I)と媒体(II)の界面張力(液状分散媒体
(I)が空気の時は表面張力)、液状分散媒体(I)と
媒体(II)の密度差に依存することが理論的に予測され
る。また横毛管力は極めて長距離的な力で、毛管定数(C
apillary Constant)で決まる力の到達範囲内では、微粒
子間の距離(l)の逆数に比例すると推定される。この
ような長距離故に相当遠方の微粒子間にも引力が作用す
る。
程、引力が強く核形成のための凝集も高速化する。以上
のような横毛管力により、表面平坦基板上に微粒子の結
晶核が生成される。一方、成長過程における微粒子の凝
集は図2に例示したように、蒸発や液圧の変化にともな
う微粒子の液状分散媒体(I)内に生じる層流にも依存
する。もちろん、この成長過程においても、微粒子間の
引力や横毛管力も作用していることは言うまでもない。
状分散媒体(I)を蒸発させる場合、液状分散媒体
(I)が微粒子と同程度以下の厚さになると、前述の核
生成過程で生じた微粒子の結晶核(C0 )付近の蒸発量
が増える。すると、減少した分散液体の分だけまわりか
ら液体が流れ込む。つまり、微粒子の結晶核(C0 )へ
毛細管現象で流れ込み、液状分散媒体内に液体の層流が
生成される。この層流の速度分布(α1 ,α2 )は基板
(III )との摩擦のため液状分散体の表面付近が最も速
く、基板に近づくにしたがい遅くなり、これにより、液
状分散溶媒中に速度勾配ができ、微粒子(D1 〜D4 )
に回転力(β1 〜β4 )が生じる。つまり、微粒子は回
転力β1 〜β4 と並進力γ1 〜γ4 の両方の力を受け、
基板上を転がるようにして結晶核(C0 )に向かって凝
集する。この回転力β1 〜β4 と並進力γ1 〜γ4 は微
粒子が基板(III )と吸着しても、それを剥す力として
働き凝集を容易にする。この凝集は、その規模が充分大
きくなっても、凝集域周辺で上記の横毛管力と層流が作
用する状況が存在する限り、また微粒子が供給される限
り継続されることになる。
層流には限界的な厚さがあり、それは表面から約1mm
である。したがって、微粒子の大きさは1mm以下が望
ましい。なお、この発明における微粒子、液状分散媒体
の種類については特に制限はなく、たとえばその代表的
なものとして、次の表1のものを例示することができ
る。
分散媒体の速度分布(2)は、表面付近が遠いので、大
きい微粒子の方が小さい微粒子より速い。この性質を利
用して、たとえば、中心部に大きな径をもつ微粒子、円
周部に小さな径をもつ微粒子を形成する凝集体を形成す
ることも可能となる。また、この発明は、無重力状態に
おいても例えば横毛管(横液浸)力や流体力は働き、重
力作用による凝集が望めない宇宙空間でも有効な凝集の
手段となる。
粒子は特有パターンとして固定することや、凝集した微
粒子に、化学的修飾、あるいはレーザー等の光による加
工、修飾等を施すことにより、さらに機能性に優れた膜
構造に変換することができる。また、凝集微粒子層に多
層化を施すこともできる。たとえばセンサー、光学薄
膜、触媒膜等をはじめとして、エレクトロニクス、バイ
オマテリアル、セラミック、金属、ポリマー等の諸分野
の新しい機能材料の創製に、さらには、新しい物理・化
学処理プロセス、計測方法等への応用も可能となる。
て詳しく説明する。
m、平均粒径1.70μmのポリスチレンラテックス粒
子についてその凝集形成を行った。図3は、その凝集過
程を示したものである。すなわち、ガラスプレート上に
上記ポリスチレンラテックス粒子の蒸留水分散液を展開
し、蒸留水を蒸発させた。液厚1.20μmの状態にお
いて、核結晶の形成が確認され、その直後、急速にポリ
スチレンラテックス粒子の凝集が開始され、最密充填の
2次元粒子一重層が形成された。図3(a)(b)は、
ラテックス粒子が水中に浮遊している状態を示し、図3
(c)は、ラテックス粒子が水面上に顔を出して迅速な
凝集を開始した状態を示している。一様で、一粒子層か
らなる凝集層が迅速に形成される。
ての水銀表面に、精密な微粒子凝集を形成した例を示し
ている。そしてこの図4は、ポリスチレンラテックスと
して、最大粒径60nm、最小粒径50nm、平均粒径
55nmの2次元粒子一重層を示すもので、中心付近が
径の大きな微粒子であり、周辺が径の小さな微粒子によ
り構成されかつ全体としてきれいな円状に配列してい
る。
し、あるいは、他の表面に転写して固定することがで
き、これによてパターニングはより容易となる。
り、微粒子液状分散媒体の厚みを蒸発により制御するこ
とにより、迅速に一粒子の層を規則正しく一様に並べ、
微粒子の2次元凝集を可能とし、さらに、微粒子の凝集
における粒径制御が可能となる。
作用での結晶核生成過程を説明した概念図である。
生成作用を説明した概念図である。
での浮遊状態と、凝集過程を示した写真像図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 微粒子の液状分散媒体を基板表面に展開
して液体薄膜を形成し、液状分散媒体の液厚を減少制御
し、液厚を粒子径サイズと同等かそれより小さくし、表
面張力により微粒子を2次元で凝集させることを特徴と
する微粒子の2次元凝集形成方法。 - 【請求項2】 液状分散媒体を構成する液成分を蒸発さ
せて面方向の液の流れを誘起し、その流れにのせて微粒
子を集積する請求項1の微粒子の2次元凝集成形方法。 - 【請求項3】 粒径の異なる微粒子を粒径により凝集パ
ターン制御する請求項1の微粒子の2次元凝集形成方
法。 - 【請求項4】 微粒子の液状分散媒体を基板表面に展開
して液体薄膜を形成し、液状分散媒体の液厚を減少させ
て制御し、微粒子を2次元で凝集させ、得られた凝集微
粒子を固定することを特徴とする微粒子の2次元凝集制
御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29897392A JP2828374B2 (ja) | 1991-11-08 | 1992-11-09 | 微粒子の2次元凝集形成方法 |
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JPH06277501A JPH06277501A (ja) | 1994-10-04 |
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JP2006224231A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | National Institute For Materials Science | 表面非修飾金属ナノ微粒子の単層アレイ構造体の作製法 |
JP2007005427A (ja) * | 2005-06-22 | 2007-01-11 | Canon Inc | 回路パターン形成方法および回路基板 |
US7306895B2 (en) | 2003-04-21 | 2007-12-11 | Fujifilm Corporation | Pattern forming method, image forming method, fine particle adsorption pattern forming method, conductive pattern forming method, pattern forming material and planographic printing plate |
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1992
- 1992-11-09 JP JP29897392A patent/JP2828374B2/ja not_active Expired - Fee Related
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