JP2818307B2 - 電動サーボモータ式調速機の制御装置 - Google Patents

電動サーボモータ式調速機の制御装置

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JP2818307B2
JP2818307B2 JP2406320A JP40632090A JP2818307B2 JP 2818307 B2 JP2818307 B2 JP 2818307B2 JP 2406320 A JP2406320 A JP 2406320A JP 40632090 A JP40632090 A JP 40632090A JP 2818307 B2 JP2818307 B2 JP 2818307B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水車等の水力機械の水
口を開閉制御する電動サーボモータ式調速機の制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】調速機は、水車の回転速度および出力を
調整するため、水車に対する流量を制御する装置であ
る。この場合、流量の制御は水口に設けられたガイドベ
ーンの開度を調節することによって行われる。一般にガ
イドベーンはリンク機構を介してガイドリングに機械的
に結合され、さらに、このガイドリングはロッド、ピン
等を介して一対のサーボモータに機械的に結合されてい
る。そして、これら一対のサーボモータの駆動力によっ
て、ガイドリングが所定の範囲内で回動せしめられ、こ
れによってガイドベーンの開度が調節されるようになっ
ている。
【0003】ところで、サーボモータには油圧式のもの
と、電動式のものとがある。このうち、油圧式のものを
採用する場合には、圧油装置、圧油タンク、配管、弁
類、油中異物除去用フィルタ等を設置しなければなら
ず、装置全体が大型化、複雑化する。また、フィルタで
除去しきれなかった油中異物の蓄積によってアクチュエ
ータの正常動作が妨げられる等の不具合を生じる他、油
の河川流出防止等の環境問題にも注意を払わなければな
らなくなっている。このため、最近は電動式サーボモー
タが次第に多く採用されるようになってきた。
【0004】図10は電動式サーボモータとして交流サー
ボモータを用いた調速機の従来の制御装置の構成を示す
ブロック図である。同図において、ガイドベーン1には
リンク機構2を介してガイドリング3が結合されてお
り、このガイドリング3は一対の操作ロッド4およびピ
ン5を介して一対の駆動装置6に結合されている。
【0005】駆動装置6はそれぞれ、交流サーボモータ
としての三相誘導モータ7と、この三相誘導モータ7の
回転運動をボールねじ等を用いて直線運動に変換する運
動変換器8と、三相誘導モータ7の回転速度を検出する
レゾルバ、ポテンショメータ、エンコーダあるいはタコ
ジェネレータ等の速度検出器9と、ガイドベーン1の開
度を検出する開度検出器10とで構成されている。
【0006】三相誘導モータ7を駆動するために、ベク
トル制御回路11を付帯する電力変換器12が設けられ、三
相誘導モータ7に供給される三相交流電流が電流検出器
13によって検出されるようになっている。この電流検出
器13の電流検出信号および前述の磁束検出器14の磁束検
出信号はベクトル制御のためのフィードバック値として
ベクトル制御回路11に加えられる。一方、調速機レギュ
レータ29は、開度検出器10によって検出されたガイドベ
ーン開度、出力指令、水車回転速度指令、および、速度
検出器30によって検出された水車回転速度に基づいて、
三相誘導モータ7の回転速度指令ωR と、磁束指令Φ*
とを出力する。
【0007】そこで、片方(以下、A側と言う)の三相
誘導モータ7に対応するベクトル制御回路11は、この三
相誘導モータ7の回転速度検出値ωA と調速機レギュレ
ータ29の回転速度指令ωR との偏差に対応する補正回転
速度指令と、調速機レギュレータ29の磁束指令Φ* と、
フィードバック値としての電流検出器13の電流検出信号
と、磁束検出器14の磁束検出信号とに基づいて、電流指
令値iUA **,iVA **,iWA **を演算して電力変換器12に
与える。同様に、もう片方(以下、B側と言う)の三相
誘導モータ7に対応するベクトル制御回路11は、この三
相誘導モータ7の回転速度検出値ωB と調速機レギュレ
ータ29の回転速度指令ωR との偏差に対応する補正回転
速度指令と、調速機レギュレータ29の磁束指令Φ*と、
フィードバック値としての電流検出器13の電流検出信号
と、磁束検出器14の磁束検出信号とに基づいて、電流指
令値iUB **,iVB **,iWB **を演算して電力変換器12に
与える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、一対
の電動サーボモータによってガイドリングを回動させる
場合、これらの電動サーボモータの分担負荷を均一化さ
せる必要がある。かかる分担負荷を均一化させる技術
は、直流サーボモータあるいは小型の交流サーボモータ
を対象として各種提案されてはいる。しかし、これらの
技術は大型の交流サーボモータには適用し難く、一対の
交流サーボモータが同時動作しないときにレーシング状
態を誘発する恐れがあった。このことを図11および図12
を参照し、交流サーボモータとして三相誘導モータ7を
用いた場合を例にして説明する。
【0009】図11は三相誘導モータ7の回転速度ωとト
ルクTとの関係を示した線図である。ここで、一対の三
相誘導モータ7の回転速度をωA ,ωB とし、この時の
トルクをTA ,TB とする。また、回転速度指令を
ωR 、この時のトルクをTとする。いま、負荷状態が一
定であったとすれば、この時点で2T=TA +TB が成
立していると考えられる。しかしながら、ωB <ωR
ωA であれば、図10に示したベクトル制御回路11は、そ
れぞれ三相誘導モータ7の回転速度ωA ,ωB を回転速
度指令ωR に一致させるべく三相誘導モータ7のトルク
を制御する。
【0010】このとき、一対の三相誘導モータ7が同時
に動作せず、例えば、A側の三相誘導モータ7が先に動
作して回転速度がωA からωR に減速されて、そのトル
クがTA からTに増大したとする(ステップ)。これ
によりガイドリング3に作用する回転力も増大する。一
方、ガイドリング3の開度が変わらない限り、ガイドリ
ング3に作用する水圧不平衡力とガイドベーン開閉機構
部各部での摩擦力との合力がガイドリング3に作用して
発生する反抗力は不変である。このため、回動力が反抗
力に打ち勝ってガイドリング3が回動して、ガイドベー
ン1は図12(a) に示すように開動作するか、あるいは、
図12(b) に示すように閉動作する。
【0011】このガイドベーン1の開度は開度検出器10
で検出される。調速機レギュレータ29はこの検出開度と
設定開度とを比較し、その差が所定値より大きいとすれ
ば、設定開度に戻すべくガイドリング3が回転した方向
とは逆の方向の閉または開動作指令を出力すると共に、
この動作指令に合う回転速度指令ωR ′を発生してベク
トル制御回路11に与える。そして、ベクトル制御回路11
が出力する電流指令により電力変換器12はそれぞれ三相
誘導モータ7に駆動電流を供給する。この時、B側の三
相誘導モータ7が先に動作して回転速度がωB から
ωR ′に増速され、そのトルクがTB からTB ′に減少
したとする(ステップ)。
【0012】これによりガイドリング3に作用する回転
力も減少する。従って、ガイドリング3に作用する荷重
のバランスが崩れ、ガイドリング3は上述の方向とは逆
の方向に回動する。よって、ガイドベーン1は図12(a)
に示すように閉動作するか、あるいは、図12(b) に示す
ように開動作する。以下同様な動作(ステップ、ステ
ップ)を繰返すとレーシング状態に陥る。
【0013】このようにレーシング状態に陥ると、定常
運転時に一定負荷で水車を運転することができなくな
り、良質な電力供給、あるいは、安定した電力供給がで
きなくなる。このため、中容量乃至大容量の水車発電機
に使用する調速機に、交流サーボモータを適用し難いと
いう問題があった。
【0014】この発明は上記の問題点を解決するために
なされたもので、中容量乃至大容量の水車発電機に使用
する調速機についても、交流サーボモータを使用するこ
とのできる電動サーボモータ式調速機の制御装置を得る
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガイドベーン
を開閉制御するガイドリングに対をなして取付けられた
操作ロッドをそれぞれ駆動する交流サーボモータ毎に設
けられ、この交流サーボモータに電力を供給する電力変
換器と、前記交流サーボモータの回転速度を検出する速
度検出手段と、前記交流サーボモータに対する回転速度
指令と前記速度検出手段の回転速度検出値との偏差に基
づく補正回転速度指令を入力し、前記交流サーボモータ
をベクトル制御するための電流指令を演算して前記電力
変換器に与えるベクトル制御回路とを備えた電動サーボ
モータ式調速機の制御装置において、前記回転速度指令
および回転速度検出値にそれぞれ対応するトルクの差分
を所定の整数で等分し、得られたトルク変分に対応する
回転速度変分を演算し、この回転速度変分に従って前記
回転速度検出値から前記回転速度指令値まで階段状に変
化する補正回転速度指令を演算して前記ベクトル制御回
路に与える回転速度比較演算手段を備えたことを特徴と
するものである。
【0016】ここで、前記回転速度比較演算手段は、前
記交流サーボモータの回転速度を個別に検出した二つの
回転速度検出値を入力し、これらの回転速度検出値に対
応するトルクの差分を前記整数の2倍の整数で等分し、
得られたトルク変分に対応する回転速度変分を、前記二
つのベクトル制御回路に対する前記補正回転速度指令の
演算に共用することもできる。
【0017】
【作用】この発明においては、一対の交流サーボモータ
の各回転速度の間に回転速度指令が存在する状況では、
一方の軸力は階段状に増大され、他方の軸力は階段状に
減少することになるが、この回転速度指令の変分はトル
クの差分を基準にして決められるので、軸力の増分と減
分とが相拮抗し、一対の交流サーボモータの回転速度の
変化の前後で、交流サーボモータから受けるガイドリン
グの偶力モーメントは変化しない。
【0018】従って、ガイドリングは回動せず、ガイド
ベーンの開度も変化しないので、水車の負荷出力を変化
させることなく交流サーボモータの回転速度を調速機レ
ギュレータからの回転速度指令に一致させることができ
ると共に、一対の交流サーボモータの分担するトルクを
均一にすることができる。この結果、中容量乃至大容量
の水車発電機に使用する調速機についても、交流サーボ
モータを使用することができる。
【0019】また、二つの回転速度検出値を入力し、こ
れらの回転速度検出値に対応するトルクの差分を前記整
数の2倍の整数で等分し、得られたトルク変分に対応す
る回転速度変分を、二つのベクトル制御回路に対する補
正回転速度指令の演算に共用するようにすれば、交流サ
ーボモータのトルク一回転速度特性が直線的でない場合
でも、一対の交流サーボモータの負荷分担を均一化でき
る。
【0020】
【実施例】以下、この発明を実施例によつて説明する。
図1はこの発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
り、図10と同一の符号を付したものはそれぞれ同一の要
素を示す。ここでは、速度検出器9でそれぞれ検出した
一対の三相誘導モータ7の検出回転速度ωA ,ωB と、
調速機レギュレータ29から出力される回転速度指令ωR
とを入力して、一対のベクトル制御回路11に対する補正
回転速度指令ωAm,ωBmを出力する回転速度比較演算器
16を付加した点が図10と異なっている。なお、この回転
速度比較演算器16に関係する動作を説明するために、特
願平2-28750号として提案したベクトル制御回路11の詳
細な構成を併せて示してある。
【0021】このベクトル制御回路11はA側の三相誘導
モータ7に対応するものと、B側の三相誘導モータ7に
対応するものとが全く同一の構成になっている。ここ
で、ベクトル制御回路11は、検出器14が検出した磁束を
ベクトルに変換するベクトル変換器25と、そのベクトル
を単位ベクトルである磁束の方向とベクトルの大きさで
ある磁束の大きさに分離するベクトルアナライザ26とを
備えている。また、補正回転速度指令によりトルク指令
を演算する速度設定器17と、演算されたトルク指令と検
出磁束とからトルク成分電流指令を演算するトルク成分
電流調節器18と、検出磁束と磁束指令とから補正磁束指
令を演算する磁束選定器19と、この補正磁束指令から磁
束成分電流指令を演算する磁束成分電流調節器20とを備
えている。
【0022】さらに、磁束成分電流指令および前記トル
ク成分電流指令を一次電流ベクトルに変換するベクトル
変換器21と、これらの一次電流ベクトルに単位ベクトル
を乗算するベクトル乗算器22と、ここで得られたベクト
ルを3相に変換する2相3相変換器23と、得られた各相
電流指令を電流検出器13によって検出された電流値とを
比較し、その差が零になるような電流指令値を演算する
電流調節器24とを備えている。
【0023】上記のように構成された本実施例のうち、
最初にベクトル制御回路11の動作を説明し、次いで、回
転速度比較演算器16の動作を説明する。
【0024】調速機レギュレータ29からの三相誘導モー
タ7に対する磁束指令Φ* と、回転速度比較演算器16の
補正回転速度指令ωAm,ωBmとが、一対のベクトル制御
回路11に加えられる。
【0025】このとき、A側のベクトル制御回路11にお
いては、速度設定器17は補正回転速度指令ωAm * からト
ルク指令TA * を演算する。トルク成分電流調節器18は
このトルク指令TA * とベクトルアナライザ26から出力
される磁束検出値ΦA とに基づいて、トルク成分電流指
令iTA * を演算する。一方、磁束設定器19は磁束指令Φ
* と磁束検出値ΦA とに基づいて補正磁束指令を演算
し、磁束成分電流調節器20がこれを受けて磁束成分電流
指令iMA * を出力する。そして、トルク成分電流指令i
TA * と磁束成分電流指令iMA * とがベクトル変換器21に
加えられ、ここで回転する磁束座標上での次式に示す直
流量の一次電流ベクトルに変換される。
【0026】
【数1】 この一次電流ベクトルはベクトル乗算器22にて単位ベク
トルθA と乗算され、次式に示す静止座標軸上での交流
量の一次電流ベクトルに変換される。
【0027】
【数2】 この電流ベクトルは2相3相変換器23によって3相に変
換され、各相の電流指令値iUA * ,iVA * ,iWA * が求
められる。電流調節器24はこのiUA * ,iVA * ,iWA *
と、電流検出器13によって検出された電流検出値iUA
VA,iWAとを比較して、偏差が零になるような電流指
令値iUA **,iVA **,iWA **を演算して電力変換器12に
加える。
【0028】また、B側のベクトル制御回路11におい
て、設定器17が補正回転速度指令ωBmを用いトルク指令
B * を演算する。トルク成分電流調節器18はこのトル
ク指令TB * とベクトルアナライザ26から出力される磁
束検出値ΦB とに基づいて、トルク成分電流指令iTB *
を演算する。一方、磁束設定器19は磁束指令Φ* と磁束
検出値ΦB とに基づいて補正磁束指令を演算し、磁束成
分電流調節器20がこれを受けて磁束成分電流指令iMB *
を出力する。そして、トルク成分電流指令iTB * と磁束
成分電流指令iMB * とがベクトル変換器21に加えられ、
ここで回転する磁束座標上での直流量の一次電流ベクト
ルiB * =iMB * ω+iTB * ωに変換される。
【0029】この一次電流ベクトルはベクトル乗算器22
にて単位ベクトルθB と乗算され、次式に示す静止座標
軸上での交流量の一次電流ベクトルに変換される。
【0030】
【数3】 この電流ベクトルは2相3相変換器23によって3相に変
換され、各相の電流指令値iUB * ,iVB * ,iWB * が求
められる。電流調節器24はこれらの電流指令値iUB *
VB * ,iWB * と、電流検出器13によって検出された電
流検出値iUB,iVB,iWBとを比較することにより、偏
差が零になるような電流指令値iUB **,iVB **,iWB **
を演算して電力変換器12に加える。
【0031】次に、回転速度比較演算器16の動作を、図
2乃至図6に示す三相誘導モータ7のトルク速度曲線を
も参照して説明する。
【0032】図2に示すトルク速度特性曲線上のa点で
トルクが最大となる。このトルクは一般に停動トルクと
称され、当然、これよりも低い範囲で回転速度制御がな
されなければならない。一般に安定運転できるのはこの
a点より回転速度の大きい範囲、つまり、すべりの小さ
い範囲である。従って、過渡時でない水車一定負荷運動
時には、この安定範囲にあるように三相誘導モータ7の
回転速度が調速機レギュレータ29によって選定される。
【0033】いま、一対の三相誘導モータ7によるガイ
ドベーン1の開閉動作の直後に、分担負荷が不均一にな
ったと仮定する。この状態での三相誘導モータ7のトル
クをTA ,TB とし、調速機レギュレータ29からの回転
速度指令ωR に対応する三相誘導モータ7のトルクをT
とすると、2T=TA +TB の関係がある。
【0034】一対の三相誘導モータ7としては、通常、
同一形状、同一容量のものを使用するが、これら三相誘
導モータ7の回転速度−トルク特性は完全には一致せ
ず、微少の誤差を生じる。具体的には、A側の三相誘導
モータ7の回転速度−トルク特性は図3に、B側の三相
誘導モータ7の回転速度−トルク特性は図4にそれぞれ
示した関係にあったとする。図2は、図3および図4に
示した特性曲線の中間特性を示し、この特性曲線で議論
しても実際上は支障がないと考えられる。本実施例にお
ける回転速度比較演算器16はこの考え方に従ったもの
で、以下、図5の特性曲線を用いて説明する。
【0035】一対の三相誘導モータ7によるガイドベー
ン1の開閉動作の直後に、分担負荷が不均一になった状
態での実回転速度ωA ,ωB が与えられると、回転速度
比較演算器16はそれぞれωA に対応するトルクTA と、
ωB に対応するトルクTB を演算する。これらのトルク
の間でTA >TB の関係があれば、TA −T=T−TB
となるので、回転速度比較演算器16はこの差分TA −T
およびT−TB をそれぞれn(n≧1の整数)等分し、
トルクの変分ΔTA =(TA −T)/n、および、ΔT
B =(T−TB )を求める。
【0036】続いて、回転速度比較演算器16は現在のト
ルクTA から階段状に減少するトルクTA −mΔT
A (m=1,2,3,…,n)および現在のトルクTB
から階段状に増大するトルクTB +mΔTB (m=1,
2,3,…,n)を演算する。さらに、回転速度比較演
算器16はこれらのトルクに対応して階段状に変化する補
正回転速度指令ωAm * =ωA +mΔωA (ωA1,ωA2
ωA3,…,ωAn-1,ωR )およびωBm * =ωB +mΔω
B (ωB1,ωB2,ωB3,…,ωBn-1,ωR )を演算し、
このうちωAm * をA側の磁束設定器19に、ωBm * をB側
の磁束設定器19にそれぞれ加える。
【0037】この結果、三相誘導モータ7のトルクがそ
れぞれTA * =TA −mΔTA 、および、TB * =TB
−mΔTB に補正される。これらの補正トルクの和は
【0038】
【数4】 となる。これは、一対の三相誘導モータ7に発生するト
ルクの和は、トルク指令変更の前後で殆ど不変であるこ
とを意味する。
【0039】従って、一対の三相誘導モータ7の発生す
る軸力の和もトルク変更前後で不変となり、ガイドリン
グ3に作用する偶力モーメントの変化も起こらず、ガイ
ドベーン1の開度も変化しない。ここで、ωA ,ωB
ωR との差が大きい程、一対の三相誘導モータ7の負荷
アンバランスが大きいので、nとして大きい整数をと
り、階段的に変動する補正回転速度指令はタイマ等で指
令発生間隔を決めることになる。指令発生間隔が短くと
もベクトル制御は即応性に優れているため、補正に要す
る時間は短くて済む。
【0040】なお、整数nは、三相誘導モータ7の回転
速度の変動が微少で、かつ、調速機レギュレータ29に内
臓する不感帯回路が動作しないように選定するか、ある
いは、ガイドベーン1の不動帯(開動作または閉動作か
ら、逆に閉動作または開動作させるに要する回転速度の
大きさと定格回転速度の比)の範囲に入るように選定す
る。これにより、レーシングを誘発せずに済む。また、
一対の三相誘導モータ7が同時動作しないとしても、先
行機に続いて後行機が所定の動作を終えるので、次の動
作への移行が可能となり、このような動作を繰返すこと
によって短時間で一対の三相誘導モータ7の負荷分担の
均一化が可能となる。
【0041】上記実施例では、三相誘導モータ7のトル
クTA ,TB と、回転速度指令ωR に対応する三相誘導
モータ7のトルクTとの間に2T=TA +TB の関係が
ある場合について説明したが、図6の特性曲線で示すよ
うに、
【0042】
【数5】 の関係にあるときには、次のような手法を採用する。
【0043】最初に、TA ,TB に対して中間トルクT
0 =(TA +TB )/2を定義する。いま、TA >TB
であったとするこれらのトルクTA ,TB の差分TA
B を2n(n≧1の整数)等分し、トルク変分ΔT=
(TA −TB )/2nを演算する。
【0044】次に、このΔTを用いて補正トルク指令T
A * =TA −mΔT,TB * =TB +mΔT(m=1,
2,3,…,n)を演算する。続いて、この補正トルク
指令に対応する三相誘導モータ7の補正回転速度指令ω
Am * =ωA +mΔω(ωA1,ωA2,ωA3,…,ωAn-1
ωR )およびωBm * =ωB −mΔωB (ωB1,ωB2,ω
B3,…,ωBn-1,ωR )を演算し、このうちωAm * をA
側の磁束設定器19に、ωBm * をB側の磁束設定器19にそ
れぞれ加える。
【0045】このようにすれば、三相誘導モータ7のト
ルク一回転速度の特性曲線のうち、直線的でない部分を
用いることを前提として回転速度指令ωR を発生する状
況にも対応できる。
【0046】なお、図1に示した実施例では、単一の回
転速度比較演算器16によって一対の三相誘導モータ7に
対する補正回転速度指令を演算したが、この代わりに、
図7に示すように、三相誘導モータ7毎に補正回転速度
指令を演算する回転速度比較演算器16aを設けて、それ
ぞれ補正回転速度指令ωAm * ,ωBm * を演算するように
しても、上述したと同様な動作をさせることができる。
【0047】また、上記各実施例では、磁束検出器14の
出力をベクトル変換器25に与え、さらに、ベクトルアナ
ライザ26を用いて単位ベクトルおよび磁束を求めたが、
磁束検出器14を除去してもこれと同様なベクトル制御を
することができる。
【0048】図8は磁束検出器14を用いない実施例を示
す。この場合、ベクトル制御回路11aは、トルク指令T
A *,TB * と磁束指令Φ* とに基づき、モータ定数を
用いて、すべり周波数指令ωSA,ωSBを演算するすべり
演算器27と、このすべり周波数指令ωSA,ωSBと速度検
出器9の回転速度検出値ωA ,ωB とを加算し、得られ
た値から磁束の予測位置を示す単位ベクトルを発生する
ベクトル発振器28とを含んで構成されている。
【0049】この図8において、調速機レギュレータ29
からの三相誘導モータ7に対する回転速度指令ωR と、
速度検出器9の回転速度検出値ωA ,ωB とが回転速度
比較演算器16に入力されると、回転速度比較演算器16は
その偏差に応じた補正回転速度指令ωAm * ,ωBm * を出
力して速度設定器17に加える。速度設定器17は補正回転
速度指令ωAm * ,ωBm * からトルク指令TA * ,TB *
を演算する。そして、トルク成分電流調節器18はこれの
トルク指令に従った直流量のトルク成分電流指令
TA * ,iTB * を求める。
【0050】一方、調速機レギュレータ29からの磁束指
令Φ* が、磁束設定器19を介して、磁束成分電流調節器
20に入力されると、この磁束成分電流調節器20は誘導モ
ータの定数を用いて磁束成分電流指令iMA * ,iMB *
もとめる。これらの電流指令(iTA * ,iMA * )、(i
TB * ,iMB * )がベクトル変換器21に入力され、ここ
で、次に示す回転する磁束座標上での直流量の一次電流
ベクトルに変換される。
【0051】
【数6】 これらの一次電流ベクトルはベクトル乗算器22によって
磁束位置を示す単位ベクトルと乗算されて次に示す静止
座標上での交流量の一次電流ベクトルに変換される。
【0052】
【数7】 この時、トルク指令TA * ,TB * と磁束指令Φ* とに
基づき、すべり演算器27は、モータ定数を用いて、すべ
り周波数指令ωSA,ωSBを演算する。また、ベクトル発
振器28はこのすべり周波数指令ωSA,ωSBと速度検出器
9の回転速度検出値ωA ,ωB とを加算し、得られた値
を積分して磁束の予測位置、すなわち、
【0053】
【数8】 を示すように単位ベクトルε j θ A ,ε j θ B を発生
し、これらがベクトル乗算器22での演算に供される。
【0054】以下、上述したと同様に、2相3相変換器
23によって3相に変換され、各相の電流指令値が求めら
れる。また、電流調節器24は電流指令値と電流検出値と
の偏差が零になるようにした電流指令値iUA **
VA **,iWA **、または、iUB **,iVB **,iWB **を演
算して電力変換器12に加える。
【0055】かくして、図8に示した実施例において
も、図1に示した実施例と同様の動作をさせることがで
きる。
【0056】なおまた、図8に示した実施例では、単一
の回転速度比較演算器16によって一対の三相誘導モータ
7に対する補正回転速度指令を演算したが、この代わり
に、図9に示すように、三相誘導モータ7毎に補正回転
速度指令を演算する回転速度比較演算器16aを設けて、
それぞれ補正回転速度指令ωAm * ,ωBm * を演算するよ
うにしても、上述したと同様な動作をさせることができ
る。
【0057】さらに、上記各実施例では回転速度比較演
算器16または16aを、調速機レギュレータ29の外部に設
けたが、これらを調速機レギュレータ29の内部に設けて
もよいことは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、こ
の発明によれば、回転速度比較演算手段を設けて、トル
ク電流が一対の誘導モータ間で均一になる制御を採用す
ることにより、一対のサーボモータが発生する操作力の
同一化が可能となり、これにより、中容量乃至大容量の
水車発電機に使用する調速機についても、交流サーボモ
ータを使用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成を示すブロック図。
【図2】この発明の実施例の動作を説明するために、回
転速度とトルクとの関係を示した線図。
【図3】この発明の実施例の動作を説明するために、回
転速度とトルクとの関係を示した線図。
【図4】この発明の実施例の動作を説明するために、回
転速度とトルクとの関係を示した線図。
【図5】この発明の実施例の動作を説明するために、回
転速度とトルクとの関係を示した線図。
【図6】この発明の実施例の動作を説明するために、回
転速度とトルクとの関係を示した線図。
【図7】この発明の他の実施例の構成を示すブロック
図。
【図8】この発明のもう一つ他の実施例の構成を示すブ
ロック図。
【図9】この発明のさらに他実施例の構成を示すブロッ
ク図。
【図10】従来の電動サーボモータ式調速機の制御装置
の構成を示すブロック図。
【図11】従来の電動サーボモータ式調速機の制御装置
の動作を説明するために、回転速度とトルクとの関係を
示した線図。
【図12】従来の電動サーボモータ式調速機の制御装置
の動作を説明するために、ガイドベーン開度と時間との
関係を示した線図。
【符号の説明】
1 ガイドベーン 3 ガイドリング 7 三相誘導モータ 9 速度検出器 10 開度検出器 11 ベクトル制御回路 11a ベクトル制御回路 12 電力変換器 13 電流検出器 14 磁束検出器 16 回転速度比較演算器 16a 回転速度比較演算器 29 調速機レギュレータ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイドベーンを開閉制御するガイドリン
    グに対をなして取付けられた操作ロッドをそれぞれ駆動
    する交流サーボモータ毎に設けられ、この交流サーボモ
    ータに電力を供給する電力変換器と、前記交流サーボモ
    ータの回転速度を検出する速度検出手段と、前記交流サ
    ーボモータに対する回転速度指令と前記速度検出手段の
    回転速度検出値との偏差に基づく補正回転速度指令を入
    力し、前記交流サーボモータをベクトル制御するための
    電流指令を演算して前記電力変換器に与えるベクトル制
    御回路とを備えた電動サーボモータ式調速機の制御装置
    において、前記回転速度指令および回転速度検出値にそ
    れぞれ対応するトルクの差分を所定の整数で等分し、得
    られたトルク変分に対応する回転速度変分を演算し、こ
    の回転速度変分に従って前記回転速度検出値から前記回
    転速度指令値まで階段状に変化する補正回転速度指令を
    演算して前記ベクトル制御回路に与える回転速度比較演
    算手段を備えたことを特徴とする電動サーボモータ式調
    速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記回転速度比較演算手段は、前記回転
    速度指令および回転速度検出値にそれぞれ対応するトル
    クの差分を所定の整数で等分する代わりに、前記交流サ
    ーボモータの回転速度を個別に検出した二つの回転速度
    検出値を入力し、これらの回転速度検出値に対応するト
    ルクの差分を前記整数の2倍の整数で等分し、得られた
    トルク変分に対応する回転速度変分を、前記二つのベク
    トル制御回路に対する前記補正回転速度指令の演算に共
    用することを特徴とする請求項1記載の電動サーボモー
    タ式調速機の制御装置。
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