JP2817125B2 - 符号分割多元接続移動通信方式 - Google Patents

符号分割多元接続移動通信方式

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正治 秦
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エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、拡散符号による符号
分割多元接続(CDMA)技術を用いるセルラ(小ゾー
ン方式の)移動通信方式に関する。
【0002】
【従来の技術】CDMA技術を用いるセルラ移動通信方
式では、すべてのセル(小ゾーン)で、また、基地局か
ら移動局(下り)および移動局から基地局(上り)のそ
れぞれの無線回線のすべての通信で同じ無線周波数を使
い、各通信には異なる拡散符号を割り当て、通信の相手
方は割り当てられた拡散符号を相関検出することにより
信号を復調する。各通信は同じ無線周波数を使うため、
受信時の電波の強さが異なると一番強い電波に他の通信
はマスクされてしまう。従って、基地局と各移動局の間
の距離が異なる移動通信では、各局からの電波がほゞ同
じ強さで受信されるように送信側の出力を制御する送信
電力制御が不可欠である。また、通信の識別を拡散符号
で行うため、移動局数に相当する膨大な数の相関特性の
優れた符号を用意する必要がある。
【0003】図2に従来の方式を説明するための図を示
す。セル(小ゾーン)1〜19にサービスエリアが分割
され、セル1〜19にそれぞれ各1つの基地局20〜3
8が設けられている。39〜42は移動局を示し、43
〜46は移動局と通信の相手方の基地局との関係を示す
線である。こゝで、移動局39と41はそれぞれ基地局
20と26から遠い位置に、移動局40と42はそれぞ
れ基地局20と26に近い位置にいるものとする。
【0004】セル1内において無線周波数は同じだが異
なる拡散符号を使って基地局20と通信を行っている移
動局39および40の送信出力は、基地局20において
ほゞ等しいレベルで受信されるように基地局20は各移
動局39,40の送信出力を制御する。隣接するセル7
内においてもセル1と同じ無線周波数だが異なる拡散符
号を使って基地局26は移動局41および42と通信を
行っており、基地局26は各移動局41,42からの電
波をほゞ等しいレベルで受信できるように各移動局4
1,42の送信出力を制御する。基地局20と通信すべ
き移動局39がセル1の周辺でかつセル7の周辺近くに
いる場合であって、基地局26からの電波の強さが基地
局20からの送信波に比べて強い場合、移動局39は基
地局20からの送信波を復調することができない。この
ため、セル周辺ではそのセルの基地局および隣接するセ
ルの基地局からの両電波がほゞ等しいレベルとなるよう
に各基地局はその送信電力を制御する必要がある。
【0005】一方、移動局39と移動局41がそれぞれ
セル1およびセル7の周辺でかつ互いに近くにいる場合
であって、基地局20において移動局41の送信波の強
さが移動局39からの送信波に比べて強い場合、基地局
20は移動局39からの送信波を復調することができな
い。このため、各基地局はセル周辺にいる移動局の送信
電力を、その移動局の近くで、隣接するセルの周辺にい
る移動局の送信電力とほゞ等しいレベルとなるように制
御する必要がある。また、例えば、基地局26は、近く
にいる移動局42向けの送信電力を、遠くにいる移動局
41向けの送信電力よりも低くすると、近くの移動局4
2向けの電波46は遠い移動局41向けの電波45でマ
スクされてしまうため、各移動局に対する送信電力は基
地局から等距離においてほゞ等しくなるようにその送信
電力を制御する必要がある。
【0006】上述の点は、すべての基地局で同じ周波数
を使用するため、すべてのセルについて成り立つ必要が
ある。このように、受信点からみて同じ距離にある送信
機からの電波は同じレベルとなるようにすることがCD
MA通信の基本であり、遠近問題と呼ばれる。ところ
で、すべての移動局が同じ周波数を使用するため、例え
ば、セル1内の移動局40を基地局20の通信の相手方
とし、移動局40からの電波44にとって、セル1内の
みならず他のすべてのセル内の移動局からの電波は干渉
波となる。電波の強さは送信点からの距離とともに減衰
するので、セル1に隣接するセル2〜7内の移動局から
の干渉が最も強く、次に隣接するセル8〜19からの干
渉がこれに続く。従って、送信電力制御は、影響の小さ
い例えば次隣接以遠のセルは無視できるが、影響の大き
い隣接セルとは連絡をとって厳密に制御を行う必要があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の方式では、各基地局は自セル内のすべての移動局
に対して送信電力制御を行うのみでなく、隣接するすべ
てのセルと連絡をとってセル周辺での各基地局からの電
波のレベルおよびセル周辺での各移動局の送信電力が同
等となるようにその送信電力を制御する必要があり、こ
のための基地局間の制御信号授受が膨大なものとなり、
極めて複雑な制御装置を必要としていた。また、通信の
識別を拡散符号で行うため、システムの収容移動局数に
相当する膨大な数の相関特性の優れた符号を用意する必
要があった。
【0008】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、周辺セルに関する制御処理量
を軽減して、基地局制御装置を簡素化し、使用できる相
関符号を繰り返し使用することにより大容量の移動通信
方式を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の符号分割多元接続移動通信方式は、CD
MA技術を用いるセルラ移動通信方式において、使用す
る周波数帯域を複数に分割し、分割した数と同数のセル
でクラスタ(セルのかたまり)を構成し、そのクラスタ
内の各セルに上記分割した各帯域を各別に割り当て、こ
のクラスタを周波数の面的繰り返し利用の単位としてサ
ービスエリアを覆い、隣接したセルでは互いに異なる周
波数帯域で、地理的に離れたセル間では同じ周波数帯域
を用いて、それぞれのセルでCDMAによる通信を行う
ことを要旨とする。
【0010】
【作 用】このように、この発明によれば隣合うセルで
は互いに異なる周波数帯域を用いて通信を行うようにす
ると共に、地理的に離れた所で同じ周波数帯域を再使用
することにより、すべてのセルで同じ周波数を用いて通
信を行う従来の方式に比べて、周辺のセルに関する制御
のうち最も影響の大きい隣接するセルの移動局および基
地局に関する制御をなくし、次隣接セル以遠の影響の少
ない制御のみとして、一通信当たりの送信電力制御にか
かる制御量を低減する。さらに、同じ拡散符号を、分割
した各周波数帯で使用できることから、従来の方式に比
べ、同じ加入者数を収容するために必要な拡散符号の数
を分割数分の一に減らし、逆に同じ拡散符号数に対して
分割数倍の加入者を収容することを可能にする。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。図1にこの発明の一実施例に係わる方式構成例を
示す。この実施例では、周波数帯域をF1,F2,F3
の3つに分割して地理的に繰り返し使用する3周波数構
成の場合を示す。サービスエリアはセル47〜65で構
成される。3つのセル47,48,49はそれぞれ周波
数F1,F2,F3を使用し、これら3つのセルをかた
まり、つまりクラスタとして見たとき、周辺の3つのセ
ルのかたまり、例えばセル50,51,52もセル4
7,48,49と同じ関係になるように周波数F1,F
2,F3を使用する。
【0012】このように、互いに隣合う3つのセルはそ
れぞれ互いに異なる周波数、つまりF1,F2,F3を
使用し、隣接セルが同じ周波数を使用しないように設定
することにより、例えばセル47について見ると、隣接
するセル48,49,57,52,51,55の使用周
波数はすべて異なる周波数となるため、これら隣接セル
内の移動局や基地局の各電波は干渉源とはならず、連絡
をとって送信電力制御をする必要がない。セル47に対
し、次隣接となるセル53,54,59,61,62,
60,65,58,56,63,50,64について見
ると、同じ周波数であるF1を使うセルは53,59,
62,65,56,50であり、全次隣接セル数の半分
にすぎない。次隣接以遠のセルについても同様となる。
以上の例では3周波数構成の場合を示したが、4周波
数、7周波数等についても同様となる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、隣合うセルでは互いに異なる周波数帯域を用いて通
信を行うようにすると共に、地理的に離れた所で再使用
することにより、すべてのセルで同じ周波数を用いて通
信を行う従来の方式に比べて、周辺セルに関する送信電
力の制御のうち最も影響の大きい隣接するセルの移動局
および基地局に関する制御がなくなり、次隣接セル以遠
の影響の少ない制御のみとなるため、一通信当たりの送
信電力制御にかゝる制御量を低減することができる。さ
らに、同じ拡散符号を分割した各周波数帯で使用できる
ことから、従来の方式に比べて、同じ加入者数を収容す
るために必要な拡散符号の数を分割数分の一に低減する
ことができ、逆に、同じ拡散符号数に対しては分割数倍
の加入者を収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す図。
【図2】従来の符号分割多元接続移動通信方式を示す
図。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号分割多元接続(CDMA)技術を用
    いるセルラ移動通信方式において、 使用する周波数帯域を複数に分割し、 その分割した数と同数のセルでクラスタを構成し、 各帯域を各別に割り当て、 このクラスタを周波数の面的繰り返し利用の単位として
    サービスエリアを覆い、 隣接したセルでは互いに異なる周波数帯域で、地理的に
    離れたセル間では同じ周波数帯域を用いて、それぞれの
    セルでCDMAによる通信を行うことを特徴とする符号
    分割多元接続移動通信方式。
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