JP2809821B2 - 2,6‐ジメチルナフタレンの製造法 - Google Patents
2,6‐ジメチルナフタレンの製造法Info
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C15/00—Cyclic hydrocarbons containing only six-membered aromatic rings as cyclic parts
- C07C15/20—Polycyclic condensed hydrocarbons
- C07C15/24—Polycyclic condensed hydrocarbons containing two rings
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は2,6−ジメチルナフタレンの製造法に関する
ものである。詳しくは、ジメチルナフタレン異性体混合
物を主要成分として含有する原料油から2,6−ジメチル
ナフタレンを製造する方法に関するものである。
ものである。詳しくは、ジメチルナフタレン異性体混合
物を主要成分として含有する原料油から2,6−ジメチル
ナフタレンを製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 2,6−ジアルキルナフタレン、例えば2,6−ジメチルナ
フタレンは耐熱性及びガスバリヤー性の高いポリエチレ
ンナフタレートの製造原料として使用され、ジアルキル
ナフタレン異性体混合物を主要成分として含有する原料
油から分離することにより製造されている。
フタレンは耐熱性及びガスバリヤー性の高いポリエチレ
ンナフタレートの製造原料として使用され、ジアルキル
ナフタレン異性体混合物を主要成分として含有する原料
油から分離することにより製造されている。
従来、ジアルキルナフタレン異性体混合物を主要成分
として含有する原料油から2,6−ジアルキルナフタレン
を取得する方法としては、ゼオライト系吸着剤を使用す
る方法が数多く知られている。例えば、米国特許3,133,
126、同3,114,782、同3,772,399、同3,840,610、同3,89
5,080、同4,014,949、特公昭49−27578、特公昭51−245
05、特公昭52−945及びオランダ特許7307794等が挙げら
れる。
として含有する原料油から2,6−ジアルキルナフタレン
を取得する方法としては、ゼオライト系吸着剤を使用す
る方法が数多く知られている。例えば、米国特許3,133,
126、同3,114,782、同3,772,399、同3,840,610、同3,89
5,080、同4,014,949、特公昭49−27578、特公昭51−245
05、特公昭52−945及びオランダ特許7307794等が挙げら
れる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの先行技術には、純度99%以上
のような高純度の2,6−ジアルキルナフタレンを高収率
で得る具体的な方法は開示されていない。更にジアルキ
ルナフタレン異性体混合物を含む原料油中の不純物や、
原料油から2,6−ジアルキルナフタレンを分離後のジア
ルキルナフタレン混合物ラフィネートを異性化した場合
に生成する副生物の挙動等については全く解明されてお
らず、高純度の2,6−ジアルキルナフタレンを収率よく
製造するためには多くの解決すべき問題があった。
のような高純度の2,6−ジアルキルナフタレンを高収率
で得る具体的な方法は開示されていない。更にジアルキ
ルナフタレン異性体混合物を含む原料油中の不純物や、
原料油から2,6−ジアルキルナフタレンを分離後のジア
ルキルナフタレン混合物ラフィネートを異性化した場合
に生成する副生物の挙動等については全く解明されてお
らず、高純度の2,6−ジアルキルナフタレンを収率よく
製造するためには多くの解決すべき問題があった。
本出願人はさきに、特定の吸着剤と脱離剤を用いるカ
ラムクロマトグラフィー分離と晶析分離を組み合わせる
ことによる2,6−ジアルキルナフタレンの分離方法を提
案した(特開平1−168628号)。
ラムクロマトグラフィー分離と晶析分離を組み合わせる
ことによる2,6−ジアルキルナフタレンの分離方法を提
案した(特開平1−168628号)。
この方法では、カラムクロマトグラフィー分離を擬似
移動床方式により連続的に行なうことが可能であり工業
的実施上極めて有利であるが、原料油中のジアルキルナ
フタレン以外の不純物の挙動が不明である。
移動床方式により連続的に行なうことが可能であり工業
的実施上極めて有利であるが、原料油中のジアルキルナ
フタレン以外の不純物の挙動が不明である。
また、ジアルキルナフタレン異性体混合物を含む原料
油から2,6−ジアルキルナフタレンを分離してその濃度
を低下したジアルキルナフタレン混合物ラフィネート
は、経済的観点から、これを異性化して2,6−ジアルキ
ルナフタレン濃度を熱力学的平衡濃度に近い組成まで高
めて分離工程に戻すのが好ましい。しかし異性化に際し
ては、ジアルキルナフタレン自体、あるいは不純物とし
て混在する他の炭化水素類の少なくとも一部が、脱アル
キル化、不均化、水素化、二量化、分解、開環反応、閉
環反応等の複雑な副反応を併発して、軽沸成分や高沸成
分が副生するのが通例であるが、これらの不純物の影響
や挙動に関する知見も不明であり、工業的プロセスの採
用上なお解決すべき多くの問題がある。
油から2,6−ジアルキルナフタレンを分離してその濃度
を低下したジアルキルナフタレン混合物ラフィネート
は、経済的観点から、これを異性化して2,6−ジアルキ
ルナフタレン濃度を熱力学的平衡濃度に近い組成まで高
めて分離工程に戻すのが好ましい。しかし異性化に際し
ては、ジアルキルナフタレン自体、あるいは不純物とし
て混在する他の炭化水素類の少なくとも一部が、脱アル
キル化、不均化、水素化、二量化、分解、開環反応、閉
環反応等の複雑な副反応を併発して、軽沸成分や高沸成
分が副生するのが通例であるが、これらの不純物の影響
や挙動に関する知見も不明であり、工業的プロセスの採
用上なお解決すべき多くの問題がある。
本発明の目的は、従来法による上述の問題点を解決
し、ジアルキルナフタレン、中でもジメチルナフタレン
異性体混合物を主要成分として含有する原料油から、工
業的に有利に2,6−ジメチルナフタレンを製造する方法
を確立することにある。
し、ジアルキルナフタレン、中でもジメチルナフタレン
異性体混合物を主要成分として含有する原料油から、工
業的に有利に2,6−ジメチルナフタレンを製造する方法
を確立することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記の目的を達成するため検討した結
果、ジメチル異性体には、夫々の異性化反応における反
応性に大きな相違があることを知った。
果、ジメチル異性体には、夫々の異性化反応における反
応性に大きな相違があることを知った。
即ち、例えば後記参考例1に具体的に示すように、異
性化反応の反応性が大きいのは、2,6−体、2,7−体、2,
3−体等であり、中程度なのは、1,5−体、1,8−体、1,3
−体等であり、1,2体は上記他の異性体に比し異性化反
応の反応性が極端に小さいことが分った。
性化反応の反応性が大きいのは、2,6−体、2,7−体、2,
3−体等であり、中程度なのは、1,5−体、1,8−体、1,3
−体等であり、1,2体は上記他の異性体に比し異性化反
応の反応性が極端に小さいことが分った。
これがために、異性化反応と分離処理とを組合わせ
て、ジメチルナフタレン異性体混合物から2,6−ジメチ
ルナフタレンを製造する場合、混合物中の1,2−ジメチ
ルナフタレンの含有割合は比較的少ないにも拘らず、次
第に1,2−ジメチルナフタレンが系内に蓄積して目的と
する2,6−ジメチルナフタレンの濃度を低下させ、運転
に支障をきたすことが判明した。
て、ジメチルナフタレン異性体混合物から2,6−ジメチ
ルナフタレンを製造する場合、混合物中の1,2−ジメチ
ルナフタレンの含有割合は比較的少ないにも拘らず、次
第に1,2−ジメチルナフタレンが系内に蓄積して目的と
する2,6−ジメチルナフタレンの濃度を低下させ、運転
に支障をきたすことが判明した。
本発明は、上記の知見に基づいて更に検討を重ねた結
果、ジメチルナフタレン異性体混合物を主要成分として
含有する原料油から2,6−ジメチルナフタレンを分離
し、分離後の原料油成分を異性化して2,6−ジメチルナ
フタレン濃度を高め、これを上記2,6−ジメチルナフタ
レンの分離工程に循環するプロセスを採用する場合に、
異性化反応により副生するジメチルナフタレン以外の低
沸点成分及び高沸点成分と共に、異性体混合物中の1,2
−ジメチルナフタレンを予め除去した後に、2,6−ジメ
チルナフタレンの分離工程に循環することにより、極め
て高純度の2,6−ジアルキルナフタレンを効率よく製造
し得ることを見出し本発明に到達した。
果、ジメチルナフタレン異性体混合物を主要成分として
含有する原料油から2,6−ジメチルナフタレンを分離
し、分離後の原料油成分を異性化して2,6−ジメチルナ
フタレン濃度を高め、これを上記2,6−ジメチルナフタ
レンの分離工程に循環するプロセスを採用する場合に、
異性化反応により副生するジメチルナフタレン以外の低
沸点成分及び高沸点成分と共に、異性体混合物中の1,2
−ジメチルナフタレンを予め除去した後に、2,6−ジメ
チルナフタレンの分離工程に循環することにより、極め
て高純度の2,6−ジアルキルナフタレンを効率よく製造
し得ることを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、 (イ)ジメチルナフタレン異性体混合物を主要成分とし
て含有する原料油から2,6−ジメチルナフタレンを分離
する第1工程、 (ロ)第1工程による分離後の2,6−ジメチルナフタレ
ン濃度の低下したジメチルナフタレン異性体混合物を含
有する原料油を、異性化反応に付して2,6−ジメチルル
ナフタレン濃度を熱力学的平衡濃度に近い組成まで高め
た異性化反応生成物を得る第2工程、 (ハ)第2工程による異性化反応生成物からジメチルナ
フタレン以外の成分を除去し、更に1.2−ジメチルナフ
タレンの少なくとも一部を除去した後、第1工程に循環
する第3工程 からなることを特徴とするジメチルナフタレン異性体混
合物を主要成分として含有する原料油から2,6−ジメチ
ルナフタレンを製造する方法に存する。
て含有する原料油から2,6−ジメチルナフタレンを分離
する第1工程、 (ロ)第1工程による分離後の2,6−ジメチルナフタレ
ン濃度の低下したジメチルナフタレン異性体混合物を含
有する原料油を、異性化反応に付して2,6−ジメチルル
ナフタレン濃度を熱力学的平衡濃度に近い組成まで高め
た異性化反応生成物を得る第2工程、 (ハ)第2工程による異性化反応生成物からジメチルナ
フタレン以外の成分を除去し、更に1.2−ジメチルナフ
タレンの少なくとも一部を除去した後、第1工程に循環
する第3工程 からなることを特徴とするジメチルナフタレン異性体混
合物を主要成分として含有する原料油から2,6−ジメチ
ルナフタレンを製造する方法に存する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明におけるジメチルナフタレン異性体混合物と
は、2,6−ジメチルナフタレン、2,7−ジメチルナフタレ
ン、2,3−ジメチルナフタレン、1,3−ジメチルナフタレ
ン、1,8−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレ
ン、1,6−ジメチルナフタレン、1,5−ジメチルナフタレ
ン、1,4−ジメチルナフタレン及び1,2−ジメチルナフタ
レン等の異性体混合物を意味する。
は、2,6−ジメチルナフタレン、2,7−ジメチルナフタレ
ン、2,3−ジメチルナフタレン、1,3−ジメチルナフタレ
ン、1,8−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレ
ン、1,6−ジメチルナフタレン、1,5−ジメチルナフタレ
ン、1,4−ジメチルナフタレン及び1,2−ジメチルナフタ
レン等の異性体混合物を意味する。
本発明の処理の対象とする、ジメチルナフタレン異性
体混合物を主要成分として含有する原料油は、一般に
は、(1)ガスオイル、石炭タール又は石油系重質油か
らの留分もしくは抽出物、(2)上記留分もしくは灯軽
油の分解生成物や改質物、(3)ナフタレン又はメチル
ナフタレンのアルキル化もしくはトランスアルキル化生
成物、(4)アルキル置換ベンゼン類の脱水素環化生成
物等の沸点260〜320℃程度の芳香族炭化水素の混合物で
あり、主として上記ジメチルナフタレン異性体混合物か
らなり、その他モノアルキルナフタレンを含み、更に微
量の含窒素、含酸素、含硫黄化合物等の不純物を含有す
るが、これら不純物は、予め可及的に除去してから本発
明に使用するのが望ましい。
体混合物を主要成分として含有する原料油は、一般に
は、(1)ガスオイル、石炭タール又は石油系重質油か
らの留分もしくは抽出物、(2)上記留分もしくは灯軽
油の分解生成物や改質物、(3)ナフタレン又はメチル
ナフタレンのアルキル化もしくはトランスアルキル化生
成物、(4)アルキル置換ベンゼン類の脱水素環化生成
物等の沸点260〜320℃程度の芳香族炭化水素の混合物で
あり、主として上記ジメチルナフタレン異性体混合物か
らなり、その他モノアルキルナフタレンを含み、更に微
量の含窒素、含酸素、含硫黄化合物等の不純物を含有す
るが、これら不純物は、予め可及的に除去してから本発
明に使用するのが望ましい。
本発明の方法は以下に示す(イ)、(ロ)及び(ハ)
の工程からなる。
の工程からなる。
(イ)第1工程: 第1工程では、ジメチルナフタレン異性体混合物を主
要成分として含有する原料油から2,6−ジメチルナフタ
レンを分離する。原料油から2,6−ジメチルナフタレン
を分解するには、公知の種々の方法が採用される。例え
ば吸着剤を用いる回分法、カラムクロマトグラフィーに
よる連続分離法、晶析法、加圧晶析法あるいはホストゲ
スト型付加体形成法等が挙げられる。これらのうちで
も、カラムクロマトグラフィーによる連続分離法が特に
好ましく、例えば特開平1−168628号に記載されている
擬似移動床方式による連続分離法あるいはこれと晶析法
とを組み合わせた方法が推奨される。
要成分として含有する原料油から2,6−ジメチルナフタ
レンを分離する。原料油から2,6−ジメチルナフタレン
を分解するには、公知の種々の方法が採用される。例え
ば吸着剤を用いる回分法、カラムクロマトグラフィーに
よる連続分離法、晶析法、加圧晶析法あるいはホストゲ
スト型付加体形成法等が挙げられる。これらのうちで
も、カラムクロマトグラフィーによる連続分離法が特に
好ましく、例えば特開平1−168628号に記載されている
擬似移動床方式による連続分離法あるいはこれと晶析法
とを組み合わせた方法が推奨される。
具体的には、吸着剤としてカチオンサイトにアルカリ
金属、亜鉛等を含有するX型ゼオライト及びY型ゼオラ
イト、特に好ましくはカチオンサイトにリチウムを含む
Y型ゼオライトを使用し、脱離剤としてパラキシレン及
び/又はオルトキシレンを使用して、ジメチルナフタレ
ン異性体混合物を主要成分として含有する原料油を、有
利には擬似移動床方式によるクロマトグラフィーにより
連続的に分離する方法である。分離条件としては、60〜
200℃の温度及び大気圧〜20気圧の圧力から選択するの
が好ましい。このようにして分離された2,6−ジメチル
ナフタレンの製品流を、更に晶析分離すれば一層高純度
の2,6−ジメチルナフタレンを得ることができる。
金属、亜鉛等を含有するX型ゼオライト及びY型ゼオラ
イト、特に好ましくはカチオンサイトにリチウムを含む
Y型ゼオライトを使用し、脱離剤としてパラキシレン及
び/又はオルトキシレンを使用して、ジメチルナフタレ
ン異性体混合物を主要成分として含有する原料油を、有
利には擬似移動床方式によるクロマトグラフィーにより
連続的に分離する方法である。分離条件としては、60〜
200℃の温度及び大気圧〜20気圧の圧力から選択するの
が好ましい。このようにして分離された2,6−ジメチル
ナフタレンの製品流を、更に晶析分離すれば一層高純度
の2,6−ジメチルナフタレンを得ることができる。
(ロ)第2工程: この工程では、第1工程による2,6−ジメチルナフタ
レン分離後の、2,6−ジメチルナフタレン濃度の低下し
たジメチルナフタレン異性体混合物を含有する原料油
を、異性化反応に付して2,6−ジメチルナフタレン濃度
を熱力学的平衡濃度に近い組成まで高めた異性化反応生
成物を得る。
レン分離後の、2,6−ジメチルナフタレン濃度の低下し
たジメチルナフタレン異性体混合物を含有する原料油
を、異性化反応に付して2,6−ジメチルナフタレン濃度
を熱力学的平衡濃度に近い組成まで高めた異性化反応生
成物を得る。
異性化反応は、一般的には固体酸触媒の存在下に気相
又は液相で実施される。反応は20〜500℃の温度及び大
気圧〜50気圧程度の圧力下において、好ましくは水素気
圏中で、ジメチルナフタレン異性体混合物を含有する原
料油を気相で導入して異性化反応を実施するのが望まし
い。
又は液相で実施される。反応は20〜500℃の温度及び大
気圧〜50気圧程度の圧力下において、好ましくは水素気
圏中で、ジメチルナフタレン異性体混合物を含有する原
料油を気相で導入して異性化反応を実施するのが望まし
い。
特に好適な異性化反応触媒としては、例えば水素型に
イオン交換したペンタシル型ゼオライト、特にH−ZSM
−5型ゼオライト、水素もしくは各種の金属カチオンで
イオン交換されたY型ゼオライト、モルデナイト型ゼオ
ライト等のアルミノシリケートをベースとする触媒が挙
げられる。
イオン交換したペンタシル型ゼオライト、特にH−ZSM
−5型ゼオライト、水素もしくは各種の金属カチオンで
イオン交換されたY型ゼオライト、モルデナイト型ゼオ
ライト等のアルミノシリケートをベースとする触媒が挙
げられる。
これらのゼオライト系触媒は、要すればニッケル、レ
ニウム、パラジウム、白金等の水素化能を有する金属成
分を担持するか又はこれら金属でイオン交換してもよ
い。工業的実施上は、これらの触媒をシリカ、アルミ
ナ、ベーマイト、アルミナゾル、ベントナイト、粘土鉱
物類(カオリナイト、セピオライト、ハロイサイト、モ
ンモリロナイト等の天然粘土鉱物や、ピラード架橋粘土
のような合成粘土)と共に成型して使用するのが一般的
である。
ニウム、パラジウム、白金等の水素化能を有する金属成
分を担持するか又はこれら金属でイオン交換してもよ
い。工業的実施上は、これらの触媒をシリカ、アルミ
ナ、ベーマイト、アルミナゾル、ベントナイト、粘土鉱
物類(カオリナイト、セピオライト、ハロイサイト、モ
ンモリロナイト等の天然粘土鉱物や、ピラード架橋粘土
のような合成粘土)と共に成型して使用するのが一般的
である。
このような触媒を使用し、上述の条件下で異性化反応
を実施することにより、2,6−ジメチルナフタレン濃度
が熱力学的平衡濃度に近い組成まで高められた反応生成
物を得ることができる。なお以上の外、塩化アルミニウ
ム等のルイス酸触媒を使用し、液相で異性化することも
できる。
を実施することにより、2,6−ジメチルナフタレン濃度
が熱力学的平衡濃度に近い組成まで高められた反応生成
物を得ることができる。なお以上の外、塩化アルミニウ
ム等のルイス酸触媒を使用し、液相で異性化することも
できる。
(ハ)第3工程: 本工程においては、異性化反応生成物から、反応によ
り副生したジメチルナフタレンよりも低沸点の成分(低
沸物)並びにジメチルナフタレンよりも高沸点の成分
(高沸物)を可及的に除去すると共に、更にジメチルナ
フタレン異性体混合物中の1,2−ジメチルナフタレンを
できるだけ除去した後に、前記2,6−ジメチルナフタレ
ンを分離する第1工程に循環するものであり、この点が
本発明の大きな特徴である。
り副生したジメチルナフタレンよりも低沸点の成分(低
沸物)並びにジメチルナフタレンよりも高沸点の成分
(高沸物)を可及的に除去すると共に、更にジメチルナ
フタレン異性体混合物中の1,2−ジメチルナフタレンを
できるだけ除去した後に、前記2,6−ジメチルナフタレ
ンを分離する第1工程に循環するものであり、この点が
本発明の大きな特徴である。
異性化反応生成物からの上記低沸物及び高沸物の分
離、並びに1,2−ジメチルナフタレンの分離は、それ自
体周知の種々の分離操作を適用することができる。
離、並びに1,2−ジメチルナフタレンの分離は、それ自
体周知の種々の分離操作を適用することができる。
具体的には例えば、第2工程で得られた異性化反応生
成物を蒸留塔に供給して低沸物を塔頂から系外に留去
し、塔底液を同一の蒸留塔において蒸留するか又は第二
の蒸留塔に導入して蒸留し、塔頂からジメチルナフタレ
ン異性体混合物を留出させて第1工程に循環すると共
に、1,2−ジメチルナフタレンを塔中間部又は塔底から
留去し、高沸物は塔底から系外に抜き出す方法が採用さ
れる。この場合、1〜200mmHg程度の減圧下で操作され
る充填蒸留塔、多段蒸留塔等を用いて連続式又は回分式
で精密蒸留するが適当である。好ましくは、釜温度が15
0〜280℃程度の範囲になるように塔内圧力を設定して、
高沸物を塔底から抜き出し、1,2−ジメチルナフタレン
を塔中間部から側流として気相で抜き出すように連続操
作される。
成物を蒸留塔に供給して低沸物を塔頂から系外に留去
し、塔底液を同一の蒸留塔において蒸留するか又は第二
の蒸留塔に導入して蒸留し、塔頂からジメチルナフタレ
ン異性体混合物を留出させて第1工程に循環すると共
に、1,2−ジメチルナフタレンを塔中間部又は塔底から
留去し、高沸物は塔底から系外に抜き出す方法が採用さ
れる。この場合、1〜200mmHg程度の減圧下で操作され
る充填蒸留塔、多段蒸留塔等を用いて連続式又は回分式
で精密蒸留するが適当である。好ましくは、釜温度が15
0〜280℃程度の範囲になるように塔内圧力を設定して、
高沸物を塔底から抜き出し、1,2−ジメチルナフタレン
を塔中間部から側流として気相で抜き出すように連続操
作される。
本発明の方法は、上述の(イ)、(ロ)及び(ハ)の
工程を繰り返して実施することにより実施され、これに
より、系内に1,2−ジメチルナフタレンの蓄積を生じる
ことなく、極めて高純度の2,6−ジアルキルナフタレン
を効率よく得ることができる。
工程を繰り返して実施することにより実施され、これに
より、系内に1,2−ジメチルナフタレンの蓄積を生じる
ことなく、極めて高純度の2,6−ジアルキルナフタレン
を効率よく得ることができる。
(実施例) 以下本発明を実施例について更に詳細に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施例に限定
されるものではない。
本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施例に限定
されるものではない。
参考例1 [ジメチルナフタレン異性体の異性化反応性] 表1に示す7種類のジメチルナフタレン異性体につ
き、夫々単独の異性化反応性を調べた。
き、夫々単独の異性化反応性を調べた。
異性化触媒として特公昭46−10064号公報の実施例1
に記載の方法により製造したZSM−5型ゼオライト(SiO
2/Al2O3=32.5)を焼成し、次いでNH4 +型ヘイオン交換
し、更に焼成してH+型に変換して得られたH−ZSM−5
型ゼオライトを打錠成型したものを使用した。
に記載の方法により製造したZSM−5型ゼオライト(SiO
2/Al2O3=32.5)を焼成し、次いでNH4 +型ヘイオン交換
し、更に焼成してH+型に変換して得られたH−ZSM−5
型ゼオライトを打錠成型したものを使用した。
内径20mmの硬質ガラス製反応器に、上記の触媒(粒径
10〜20メッシュ)3.1g(5.2ml)を充填し、触媒層の上
にはガラスビーズ層を充填し、これに表1のジメチルナ
フタレン異性体(DMN)を単独で供給し、水素ガス中に
気化同伴させ、温度350℃、H2/DMN(モル比)=28、LHS
V=0.18で流通して異性化反応を行なった。
10〜20メッシュ)3.1g(5.2ml)を充填し、触媒層の上
にはガラスビーズ層を充填し、これに表1のジメチルナ
フタレン異性体(DMN)を単独で供給し、水素ガス中に
気化同伴させ、温度350℃、H2/DMN(モル比)=28、LHS
V=0.18で流通して異性化反応を行なった。
夫々のDMNの反応性(変換率)は表1の通りであっ
た。
た。
上表の結果から、1,2−ジメチルナフタレンは、他の
異性体に比較して、異性化反応性が著しく低く、2.6−
ジメチルナフタレンの分離プロセス内に蓄積し易いこと
が理解される。
異性体に比較して、異性化反応性が著しく低く、2.6−
ジメチルナフタレンの分離プロセス内に蓄積し易いこと
が理解される。
実施例1 [カラムクロマトグラフィーによる分離] 擬似移動床を用いた吸着分離方法は特公昭42−15681
に開示されて以来、当該技術者にとってよく知られた技
術となっている。本実施例でもこの方法を用いた。これ
はジメチルナフタレン異性体混合物を含有する油成分を
原料とし、脱離剤を用いて非吸着成分である2,6−ジメ
チルナフタレン溶液と、吸着成分である他のジメチルナ
フタレン異性体混合物溶液とに、クロマトグラフィーに
より連続的に分離する方法であって、内部に吸着剤が充
填され、かつ前端と後端とが流体通路により結合された
充填体に、原料供給部から非吸着質抜出部までの吸着帯
域、同抜出部から吸着剤供給部までの精製帯域、同供給
部から吸着質抜出部までの脱着帯域及び同抜出部から原
料供給部までの濃縮帯域の四つの帯域を、上流より上記
順序で形成させつつ流体を循環させ、上記供給部及び抜
出部の位置を間欠的に下流方向に移動させることよりな
る分離法である。
に開示されて以来、当該技術者にとってよく知られた技
術となっている。本実施例でもこの方法を用いた。これ
はジメチルナフタレン異性体混合物を含有する油成分を
原料とし、脱離剤を用いて非吸着成分である2,6−ジメ
チルナフタレン溶液と、吸着成分である他のジメチルナ
フタレン異性体混合物溶液とに、クロマトグラフィーに
より連続的に分離する方法であって、内部に吸着剤が充
填され、かつ前端と後端とが流体通路により結合された
充填体に、原料供給部から非吸着質抜出部までの吸着帯
域、同抜出部から吸着剤供給部までの精製帯域、同供給
部から吸着質抜出部までの脱着帯域及び同抜出部から原
料供給部までの濃縮帯域の四つの帯域を、上流より上記
順序で形成させつつ流体を循環させ、上記供給部及び抜
出部の位置を間欠的に下流方向に移動させることよりな
る分離法である。
リチウムでイオン交換したY型ゼオライト(粒度分布
250〜420μm)を充填した内径28mm、充填高さ416mmの
ステンレス製カラム8本を用い、100℃でジメチルナフ
タレン異性体混合物を含む原料油から2,6−ジメチルナ
フタレンを分離した。脱離剤としてはパラキシレンを使
用した。
250〜420μm)を充填した内径28mm、充填高さ416mmの
ステンレス製カラム8本を用い、100℃でジメチルナフ
タレン異性体混合物を含む原料油から2,6−ジメチルナ
フタレンを分離した。脱離剤としてはパラキシレンを使
用した。
原料供給口より原料を111ml/hrで送入した。原料の組
成は、2,6−ジメチルナフタレンが13.4%、1,2−ジメチ
ルナフタレンが3.51%であり、その他にジメチルナフタ
レン各異性体(2,7−ジメチルナフタレン13.5%、2,3−
ジメチルナフタレン4.5%、1,7−ジメチルナフタレン1
4.7%、その他1,6−ジメチルナフタレンなどの異性体)
と、少量のメチルナフタレン類、エチルナフタレン類、
ビフェニル類等が含まれていた。
成は、2,6−ジメチルナフタレンが13.4%、1,2−ジメチ
ルナフタレンが3.51%であり、その他にジメチルナフタ
レン各異性体(2,7−ジメチルナフタレン13.5%、2,3−
ジメチルナフタレン4.5%、1,7−ジメチルナフタレン1
4.7%、その他1,6−ジメチルナフタレンなどの異性体)
と、少量のメチルナフタレン類、エチルナフタレン類、
ビフェニル類等が含まれていた。
脱離剤供給口よりパラキシレンを366ml/hrで送入し、
非吸着物質流(製品流)を84ml/hr、ラフィネート流を3
93ml/hrに制御して運転を行なった。
非吸着物質流(製品流)を84ml/hr、ラフィネート流を3
93ml/hrに制御して運転を行なった。
運転開始後、19時間で系内の濃度分布が定常状態にな
ったので製品流を分析したところ、パラキシレンが78.8
%、2,6−ジメチルナフタレンが14.8%、2,7−ジメチル
ナフタレンが0.2%、2,3−ジメチルナフタレンが0.1%
であって、1,2−ジメチルナフタレンは検出されなかっ
た。ラフィネート流中のパラキシレン濃度82.6%、2,6
−ジメチルナフタレン濃度0.26%、1,2−ジメチルナフ
タレン濃度0.71%であり、更に他の成分が検出された。
このことから1,2ジメチルナフタレンは、全量がラフィ
ネート流中に出てくることが明らかである。これがた
め、ラフィネート流を異性化反応に循環使用して、異性
体成分を2,6−ジメチルナフタレン製造に活用しようと
すると、系内に1,2−ジメチルナフタレンの蓄積を招く
こととなる。
ったので製品流を分析したところ、パラキシレンが78.8
%、2,6−ジメチルナフタレンが14.8%、2,7−ジメチル
ナフタレンが0.2%、2,3−ジメチルナフタレンが0.1%
であって、1,2−ジメチルナフタレンは検出されなかっ
た。ラフィネート流中のパラキシレン濃度82.6%、2,6
−ジメチルナフタレン濃度0.26%、1,2−ジメチルナフ
タレン濃度0.71%であり、更に他の成分が検出された。
このことから1,2ジメチルナフタレンは、全量がラフィ
ネート流中に出てくることが明らかである。これがた
め、ラフィネート流を異性化反応に循環使用して、異性
体成分を2,6−ジメチルナフタレン製造に活用しようと
すると、系内に1,2−ジメチルナフタレンの蓄積を招く
こととなる。
パラキシレンを除いたベースに換算すると2,6−ジメ
チルナフタレンの純度は70.0%であった。パラキシレン
は蒸留により容易に除去できるので、2,6−ジメチルナ
フタレンの純度は13.4%から70.0%へ増大し、その回収
率は73%と計算される。
チルナフタレンの純度は70.0%であった。パラキシレン
は蒸留により容易に除去できるので、2,6−ジメチルナ
フタレンの純度は13.4%から70.0%へ増大し、その回収
率は73%と計算される。
実施例2 [異 性 化] 実施例1において2,6−ジメチルナフタレンを分離後
のラフィネート成分を、全理論段数50段の蒸留塔を使用
して還流比3、塔頂圧力120mmHgで回分蒸留して脱離剤
(パラキシレン)を留去した。釜残液は、ジメチルナフ
タレン異性体混合物を主要成分として含有するが、2,6
−ジメチルナフタレンの濃度は1.0%まで低下してい
た。
のラフィネート成分を、全理論段数50段の蒸留塔を使用
して還流比3、塔頂圧力120mmHgで回分蒸留して脱離剤
(パラキシレン)を留去した。釜残液は、ジメチルナフ
タレン異性体混合物を主要成分として含有するが、2,6
−ジメチルナフタレンの濃度は1.0%まで低下してい
た。
上記の釜残液を用いて異性化反応を行なった。
異性化触媒としては、前記参考例1で用いたH−ZSM
−5型ゼオライトを打錠成型したものを使用した。
−5型ゼオライトを打錠成型したものを使用した。
内径25mmのステンレス製反応器に、上記の触媒(粒径
10〜20メッシュ)20mlを充填し、触媒層の上にはセラミ
ックボールを充填し、これにジメチルナフタレン異性体
混合物(DMN)の供給し、水素ガス中に気化同伴させ、
温度380℃、圧力10kg/cm2、H2/DMNモル比=25、LHSV=
0.6で流通して異性化反応を行なった。反応生成物を分
析したところ、2,6−ジメチルナフタレン濃度は13.5%
であり、全ジメチルナフタレンの回収率は97%であっ
た。
10〜20メッシュ)20mlを充填し、触媒層の上にはセラミ
ックボールを充填し、これにジメチルナフタレン異性体
混合物(DMN)の供給し、水素ガス中に気化同伴させ、
温度380℃、圧力10kg/cm2、H2/DMNモル比=25、LHSV=
0.6で流通して異性化反応を行なった。反応生成物を分
析したところ、2,6−ジメチルナフタレン濃度は13.5%
であり、全ジメチルナフタレンの回収率は97%であっ
た。
なお、反応生成物中には、ジメチルナフタレンの他
に、微量のベンゼン、トルエン、キシレン(o−、m
−、p−異性体混合物)、ナフタレン、メチルナフタレ
ン、エチルナフタレン等のジメチルナフタレンよりも低
沸点の化合物、並びにトリメチルナフタレン類、テトラ
メチルナフタレン類、ペンタメチルナフタレン類、種々
の数のメチル基を有するビナフチル体等のジメチルナフ
タレンよりも高沸点の化合物が含有されていることが判
明した。
に、微量のベンゼン、トルエン、キシレン(o−、m
−、p−異性体混合物)、ナフタレン、メチルナフタレ
ン、エチルナフタレン等のジメチルナフタレンよりも低
沸点の化合物、並びにトリメチルナフタレン類、テトラ
メチルナフタレン類、ペンタメチルナフタレン類、種々
の数のメチル基を有するビナフチル体等のジメチルナフ
タレンよりも高沸点の化合物が含有されていることが判
明した。
実施例3 [異 性 化] 実施例1における第1工程と同様のカラムクロマトグ
ラフィーにより2,6−ジメチルナフタレン分離後のラフ
ィネート成分を回分蒸留に付して脱離剤(パラキシレ
ン)を留去し、得られたジメチルナフタレン異性体を含
む混合物(2,6−ジメチルナフタレン1.0%、1,2−ジメ
チルナフタレン4.8%及び他のジメチルナフタレン異性
体並びに少量のメチルナフタレン類、エチルナフタレ
ン、ビフェニル類を含む)を用いて実施例2と同一の触
媒を使用して異性化反応を行なった。
ラフィーにより2,6−ジメチルナフタレン分離後のラフ
ィネート成分を回分蒸留に付して脱離剤(パラキシレ
ン)を留去し、得られたジメチルナフタレン異性体を含
む混合物(2,6−ジメチルナフタレン1.0%、1,2−ジメ
チルナフタレン4.8%及び他のジメチルナフタレン異性
体並びに少量のメチルナフタレン類、エチルナフタレ
ン、ビフェニル類を含む)を用いて実施例2と同一の触
媒を使用して異性化反応を行なった。
内径20mmの硬質ガラス製反応器に、上記の触媒(粒径
10〜20メッシュ)3.1g(5.2ml)を充填し、触媒層の上
にはガラスビーズ層を充填し、これに上記のジメチルナ
フタレン異性体混合物(DMN)を供給し、水素ガス中に
気化同伴させ、温度350℃、H2/DMN(モル比)=28、LHS
V=0.18で流通して異性化反応を行なった。
10〜20メッシュ)3.1g(5.2ml)を充填し、触媒層の上
にはガラスビーズ層を充填し、これに上記のジメチルナ
フタレン異性体混合物(DMN)を供給し、水素ガス中に
気化同伴させ、温度350℃、H2/DMN(モル比)=28、LHS
V=0.18で流通して異性化反応を行なった。
反応生成液を分析したところ、2,6−ジメチルナフタ
レン濃度は12.8%まで向上したが、1,2−ジメチルナフ
タレン濃度も5.2%に増加した。なお、異性化反応性の
高い1,7−、1,5−、2,3−及び1,3−ジメチルナフタレン
等の異性体の濃度は、何れも減少し、熱力学的平衡組成
に接近していることが理解され、1,2−ジメチルナフタ
レンのみは、平衡組成(約6%)内ではあるが明らかに
系内に蓄積することが認められた。
レン濃度は12.8%まで向上したが、1,2−ジメチルナフ
タレン濃度も5.2%に増加した。なお、異性化反応性の
高い1,7−、1,5−、2,3−及び1,3−ジメチルナフタレン
等の異性体の濃度は、何れも減少し、熱力学的平衡組成
に接近していることが理解され、1,2−ジメチルナフタ
レンのみは、平衡組成(約6%)内ではあるが明らかに
系内に蓄積することが認められた。
実施例4 [異 性 化] 実施例1における同様のカラムクロマトグラフィーに
より2,6−ジメチルナフタレン分離後のラフィネート成
分から、脱離剤(パラキシレン)を留去して得られたジ
メチルナフタレン異性体を含む混合物(2,6−ジメチル
ナフタレン3.1%、1,2−ジメチルナフタレン12.9%及び
他のジメチルナフタレン異性体並びに少量のメチルナフ
タレン類、エチルナフタレン、ビフェニル類を含む)を
用い、実施例3と同一の触媒を使用し同一の条件で異性
化反応を行なった。
より2,6−ジメチルナフタレン分離後のラフィネート成
分から、脱離剤(パラキシレン)を留去して得られたジ
メチルナフタレン異性体を含む混合物(2,6−ジメチル
ナフタレン3.1%、1,2−ジメチルナフタレン12.9%及び
他のジメチルナフタレン異性体並びに少量のメチルナフ
タレン類、エチルナフタレン、ビフェニル類を含む)を
用い、実施例3と同一の触媒を使用し同一の条件で異性
化反応を行なった。
反応生成液を分析したところ、2,6−ジメチルナフタ
レン濃度は10.5%に向上したが、1,2−ジメチルナフタ
レン濃度は13.2%と平衡組成(約6%)に向かわず更に
上昇した。また、異性化反応性の高い1,7−、1,5−、2,
3−及び1,3−ジメチルナフタレン等の異性体の濃度は、
何れも少しずつ減少していることから、各々が熱力学的
平衡組成に接近しているのに対して、1,2−ジメチルナ
フタレンのみは、熱力学的平衡とは無関係の挙動を示
し、明らかに系内に蓄積することが認められた。
レン濃度は10.5%に向上したが、1,2−ジメチルナフタ
レン濃度は13.2%と平衡組成(約6%)に向かわず更に
上昇した。また、異性化反応性の高い1,7−、1,5−、2,
3−及び1,3−ジメチルナフタレン等の異性体の濃度は、
何れも少しずつ減少していることから、各々が熱力学的
平衡組成に接近しているのに対して、1,2−ジメチルナ
フタレンのみは、熱力学的平衡とは無関係の挙動を示
し、明らかに系内に蓄積することが認められた。
実施例5 [低沸物、高沸物及び1,2−異性体の分離] 全理論段数50段の充填式回分蒸留塔を用いて、実施例
2で得た異性化反応生成液を蒸留した。
2で得た異性化反応生成液を蒸留した。
塔頂圧力20mmHg、還流比20とし、塔頂温度により、い
くつかの留分に分けて試料を採取し、ガスクロマトグラ
フィーにより分析して各組成を調べたところ、表2の通
りであった。
くつかの留分に分けて試料を採取し、ガスクロマトグラ
フィーにより分析して各組成を調べたところ、表2の通
りであった。
表2に示す塔頂温度146〜150℃の留分の組成は、1,2
−ジメチルナフタレン50%、2,3−ジメチルナフタレン2
8%、1,4−ジメチルナフタレン2.8%、1,5−ジメチルナ
フタレン3.8%、2,6−ジメチルナフタレン0.2%、その
他の化合物合計量15%以下であった。このように、1,2
−ジメチルナフタレンは濃度50%に濃縮され、2,6−ジ
メチルナフタレンの濃度は約0.2%であり、両者の蒸留
による分離は充分可能であった。
−ジメチルナフタレン50%、2,3−ジメチルナフタレン2
8%、1,4−ジメチルナフタレン2.8%、1,5−ジメチルナ
フタレン3.8%、2,6−ジメチルナフタレン0.2%、その
他の化合物合計量15%以下であった。このように、1,2
−ジメチルナフタレンは濃度50%に濃縮され、2,6−ジ
メチルナフタレンの濃度は約0.2%であり、両者の蒸留
による分離は充分可能であった。
実施例6 [低沸物、高沸物及び1,2−異性体分離後の異性化物の
循環] 実施例5で得られた表2における留分2及び留分3
を、実施例1で使用したカラムに供給し、実施例1と同
一の条件でクロマトグラフィーにより、連続的に2,6−
ジメチルナフタレンの分離を行なった。クロマトグラフ
ィーのパターンは全く実施例1と同一であり、製品流か
らパラキシレンを除いた2,6−ジメチルナフタレンの純
度は76%であった。
循環] 実施例5で得られた表2における留分2及び留分3
を、実施例1で使用したカラムに供給し、実施例1と同
一の条件でクロマトグラフィーにより、連続的に2,6−
ジメチルナフタレンの分離を行なった。クロマトグラフ
ィーのパターンは全く実施例1と同一であり、製品流か
らパラキシレンを除いた2,6−ジメチルナフタレンの純
度は76%であった。
(発明の効果) 本発明によれば、前記(イ)、(ロ)及び(ハ)の工
程を組合わせることによって、ジメチルナフタレン異性
体混合物を主要成分として含む原料油から、純度99%以
上のような高純度の2,6−ジメチルナフタレンを効率よ
く製造することができ、本物質の工業的生産に寄与する
ところが大きい。
程を組合わせることによって、ジメチルナフタレン異性
体混合物を主要成分として含む原料油から、純度99%以
上のような高純度の2,6−ジメチルナフタレンを効率よ
く製造することができ、本物質の工業的生産に寄与する
ところが大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 朝日 佳男 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−12060(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 15/24,5/27,7/12
Claims (1)
- 【請求項1】(イ)ジメチルナフタレン異性体混合物を
主要成分として含有する原料油から2,6−ジメチルナフ
タレンを分離する第1工程、 (ロ)第1工程による分離後の2,6−ジメチルナフタレ
ン濃度の低下したジメチルナフタレン異性体混合物を含
有する原料油を、異性化反応に付して2,6−ジメチルナ
フタレン濃度を熱力学的平衡濃度に近い組成まで高めた
異性化反応生成物を得る第2工程、 (ハ)第2工程による異性化反応生成物からジメチルナ
フタレン以外の成分を除去し、更に1.2−ジメチルナフ
タレンの少なくとも一部を除去した後、第1工程に循環
する第3工程 からなることを特徴とするジメチルナフタレン異性体混
合物を主要成分として含有する原料油から2,6−ジメチ
ルナフタレンを製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2157764A JP2809821B2 (ja) | 1990-06-18 | 1990-06-18 | 2,6‐ジメチルナフタレンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2157764A JP2809821B2 (ja) | 1990-06-18 | 1990-06-18 | 2,6‐ジメチルナフタレンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0449253A JPH0449253A (ja) | 1992-02-18 |
JP2809821B2 true JP2809821B2 (ja) | 1998-10-15 |
Family
ID=15656805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2157764A Expired - Fee Related JP2809821B2 (ja) | 1990-06-18 | 1990-06-18 | 2,6‐ジメチルナフタレンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2809821B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5162785B2 (ja) | 2007-09-28 | 2013-03-13 | 株式会社小松製作所 | 作業車両の変速制御装置 |
-
1990
- 1990-06-18 JP JP2157764A patent/JP2809821B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0449253A (ja) | 1992-02-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |