JP2809740B2 - 光通信方式 - Google Patents

光通信方式

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 孤立化した光パルス信号によって情報を伝送する光通
信方式に関し、 発光源からの連続光を断続光に変調できる光通信方式
を提供し、得に、大容量情報伝送に好適な方式を実現す
ることを目的とし、 時間T0で波長λの光を、時間T1(T1=T0−ΔT)で
波長λ(λ=λ+Δλ)の光を、そして、時間T2
(T2=T0+ΔT)で波長λ(λ=λ−Δλ)の光
を、それぞれ入力端に加えたときに、出力端では前記3
つの光エネルギーをほぼ同一のタイミングで観測できる
波長分散特性を持つ光伝送手段と、前記λの光を連続
して出力する発光源と、該λの光を±Δλで変調して
λ、λ、λの光を作り、λのΔT前にλを、
そしてλのΔT後にλを配列した光信号列を生成
し、前記光伝送手段の入力端に加える光変調配列手段
と、を備えて構成している。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、光通信方式に関し、特に、孤立化した光パ
ルス信号によって情報を伝送する光通信方式に関する。
一般に、光を媒体として情報を伝送する光通信は、光
の波長領域がきわめて高周波数域(1011Hz〜1012Hz)で
あることから、電磁波を利用した例えばミリ波通信に比
べてそのデータ伝送容量が大きく、また、耐雑音性に優
れていること等から、近時、各種データ通信の分野で多
用されるようになってきた。
光通信は、伝送すべき情報を用いて搬送波(すなわち
光)を変調し、この変調波を受信端で復調して情報を再
生するもので、変調の方法としては、電磁波通信と同様
に周波数変調やパルス変調など各種のものが提案されて
いるが、現在実用化されているのは、主としてパルス変
調である。
〔従来の技術〕
この種のパルス変調を採用する従来の光通信方式とし
ては、その基本的な構成を、レーザダイオード等の発光
源と、伝送すべき情報に従って発光源をオン/オフする
変調要素と、光ファイバー等の光伝送要素とを備えるも
のが一般的である。
このような構成によれば、伝送すべき情報に応じて継
続する光の信号列を生成し、光伝送要素により信号列を
受信端に伝送して情報の再生を行うといった通信方式を
採る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来の光通信方式にあって
は、レーザダイオード等の発光源を直接オン/オフする
構成となっていたため、オン/オフの過渡期に光の波長
が微妙に変化するいわゆる波長チャープを生じる結果、
伝送品質の向上が望めず、伝送情報量(パルス変調の周
波数が高い程情報量多い)を高める上での障害となって
いた。
すなわち、一般に、レーザダイオード等の発光源を連
続発光させた場合、その発振光の周波数はほぼ単一スペ
クトルとなり、帯域はきわめて狭いものであるが、しか
し、オン/オフを繰返した場合には、そのオン/オフの
過渡期とオンの安定期とで微妙に発振光の周波数がずれ
ること(波長チャープ)が知られている。こうした波長
チャープの生じた光信号列を光ファイバーで伝送した場
合、その受信端では、各パルス幅が広がってしまい、最
悪の場合には各パルスを分離、識別することが困難にな
ることがある。これは、光ファイバーの波長分散特性す
なわち伝送される光信号の波長に対して伝送遅延量が異
なる特性があるからである。以下、波長分散特性を単に
分散特性と言うこともある。
〔発明の目的〕 そこで、本発明は、発光源を連続動作させながら、孤
立パルス通信を行う光通信方式を提供し、特に、大容量
伝送に好適な方式を実現することを目的としいる。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明に係る光通信方式の原理ブロック図を
示す。
第1図において、本発明に係る光通信方式は、 時間T0で波長λの光を、時間T1(T1=T0−ΔT)で
波長λ(λ=λ+Δλ)の光を、そして、時間T2
(T2=T0+ΔT)で波長λ(λ=λ−Δλ)の光
を、それぞれ入力端に加えたときに、出力端では前記3
つの光エネルギーをほぼ同一のタイミングで観測できる
波長分散特性を持つ光伝送手段と、前記λの光を連続
して出力する発光源と、該λの光を±Δλで変調して
λ、λ、λの光を作り、λのΔT前にλを、
そしてλのΔT後にλを配列した光信号列を生成
し、前記光伝送手段の入力端に加える光変調配列手段
と、を備えたことを特徴として構成している。
〔作用〕
本発明では、λの光をΔλだけ長波長側に移したλ
の光と、短波長側に移したλの2つの光を作り、こ
れらの2つの光λ、λの間にλを挟んで時間T1
T0、T2(但し、T1=T0−ΔT、T2=T0+ΔT)の順に光
伝送手段で伝送する。
ここで、光伝送手段は、所定の波長分散特性を有する
ものを使用する。すなわち、λの光を伝送した場合の
遅延時間に対し、λの光を伝送した場合の遅延時間が
ΔTだけ短く、また、λの光を伝送した場合の遅延時
間がΔTだけ長い所定の波長分散特性を持つ。
したがって、光伝送手段に、λ、λ、λの光を
順次並べて入射した場合に、その入・出力端間で見掛上
λがΔTだけ進み、またλがΔTだけ遅れるから、
第2図に示すように、光伝送手段の出力端ではλ、λ
、λのそれぞれが同一のタイミングで重なって観測
され、3つの光のエネルギーを合成した大きさの孤立パ
ルス光が観測される。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第3〜6図は本発明に係る光通信方式の一実施例を示
す図である。
第3図において、10はレーザーダイオード等の発光源
で、発光源10は駆動源11からの一定の駆動電流ipを受
け、一定波長λの光P0を発振し、アイソレータ12を介
して出力する。13は制御電圧発生回路で、制御電圧発生
回路13は伝送すべき情報Dを受けると、1つの情報毎に
1回の割合で制御信号Scを出力する。1回の制御信号Sc
は次の3つのサイクルからなる。すなわち、 (サイクル1)0Vから所定の負電圧(−aV)まで一定の
変化率で電圧が変化するサイクル、 (サイクル2)−aVを維持するサイクル、 (サイクル3)−aVから0Vへと一定の変化率で電圧が変
化するサイクル、 の3サイクルであり、各々のサイクル期間は等しい。14
は発光源10からのPoを受け、このPoをScに従って周波数
変調し、3つの波長λ、λ、λ成分からなる信号
Piを生成する信号生成回路で、上記制御電圧発生回路13
とともに光変調配列手段Pを構成する。信号発生回路14
の具体例としては、例えば、第4、5図に示す〔Ti拡散
LiNbO3導波路〕を用いた位相変調器14aなどは望まし
い。
この種の位相変調器14aは、屈折率nのLiNbO3基板14b
上に屈折率Δnの光導波路14cを設け、その光導波路14c
上にSiO2バッファ層14dを介して2つの電極A、Bを配
して構成し、電極A、B間の電界Eの強さを操作するこ
とによって、光導波路14cの屈折率Δnを連続的に変化
させるもので、Δnが変化している間、このΔnの変化
率に応じた量だけ光導波路14cを通過する光の波長が変
化する原理を利用するものである。すなわち、電極A、
B間に印加する電圧をScとすると、このScがサイクル1
(0V→aV)で変化しているときに、Δnは正の屈折率変
化となり、光導波路14cを通過する光の進行速度が早め
られ、Δnが変化している間、光のドップラー効果によ
って光の波長が長くなる(λ→λ)。
また、Scがサイクル2(−aV安定)では、Δnは変化
せず、したがって、光の波長も変化しない(λ
λ)。
さらにまた、Scがサイクル3(−aV→0V)で変化して
いるときは、Δnは負の屈折率変化となり、光導波路14
cを通過する光の進行速度が遅くなり、そして、Δnが
変化している間、光のドップラー効果によって光の波長
が短くなる(λ→λ)。
これらの3つの波長λ、λ、λを含むPiは、光
伝送手段15の入力端に加えられる。光伝送手段15は、所
定長の光ファイバー15aと、分散値調節装置15bとを備え
るもので、伝送手段15全体の波長分散特性は、所定の時
間間隔ΔT(サイクル1、2、3、の期間に相当)でλ
、λ、λを配列して伝送手段15に入力したとき
に、その出力端において、λ、λ、λが同じタイ
ミングで観測されるような所定の特性に設定する。通
常、光ファイバー15aの分散特性は、その屈折率や長さ
等から決まるので、所望の分散特性を得るためには長さ
を調節することになる。しかし、場合によっては長さだ
けでは調節しきれないことが考えられ、このために光フ
ァイバー15aに比べて分散特性の大きな分散値調節装置1
5bを用いる。勿論、光ファイバー15aの長さ調節だけで
所望の分散特性が得られるならば、分散値調節装置15b
を使用する必要なない。なお、16は光伝送手段15の出力
端(受信端)に接続した光/電気変換装置で、この光/
電気変換装置16は、光伝送手段15の出力端に現われた孤
立光パルス(λ、λ、λを合成したもの)を電気
的なパルス信号に変換し、受信信号SRXとして出力す
る。
次に、作用を説明する。
発光源10から信号発生回路14に入力された一定波長λ
の光P0は、Scの各サイクルごとに3つの波長λ、λ
、λの周波数に変調される。すなわち、第6図にお
いて、 Scのサイクル1 Scが0V→aVへと一定変化する期間では、その変化率に
応じた分(Δλ)だけ、波長が長くなる結果、λ→λ
(λ=λ+Δλ)へと変化することになる。
Scのサイクル2 Scが−aVで安定する期間では、その変化率が0である
から、波長も変化せず、λ→λとなる。
Scのサイクル3 Scが−aVから0Vへと一定変化する期間では、その変化
率に応じた分(Δλ)だけ波長が短かくなる結果、λ
→λ(λ=λ−Δλ)へと変化することになる。
これらのλ、λ、λ(サイクル1〜3の順に配
列している)からなるPiは、光伝送手段15に入力され、
光伝送手段15の分散特性の影響をうけながらその出力端
に現われる。上述したように光伝送手段15の分散特性
は、その出力端でλ、λ、λを同時観測できるよ
うな所定値に設定されている。すなわち、λの遅延量
を基準とすると、λはその時間軸上の出現位置が1つ
のサイクル期間だけ進められ、また、λはその時間軸
上の出現位置が1つのサイクル期間だけ遅らされる結
果、λにλおよびλを重ね合わせた状態で観測す
ることができ、λの前後のλ、λを欠いた孤立光
パルスを観測することができる。
このように、本実施例では、一定波長λのP0を信号
生成回路14に与え、この信号生成回路14でλを中心と
して±Δλだけ波長をずらしたλ、λを作り、所定
の分散特性を持つ光伝送手段15によって伝送するように
したので、発光源10をオン/オフすることなく、孤立光
パルスによる光通信方式を実現できる。したがって、発
光源10を安定的なオン状態で連続動作させることがで
き、波長チャープを回避して光信号の伝送品質を向上で
き、大容量のデータ通信に適用して好適な光通信方式を
提供できる。
また、本実施例によれば、光エネルギーの全てを伝送
に用いることができ、従来の他の例、すなわち発光源か
らの連続光を、外部変調器で断続(断のときの光エネル
ギーが捨てられる。)するタイプのものに比べて、エネ
ルギー効率の点で優れている。
なお、上記実施例では、発光源10とは別個の信号生成
回路14を設け、この信号生成回路14によって、λから
λ、λを作り出しているが、本発明の実施例態様は
これに限るものではない。要は、発光源10を連続発光の
ままでλ、λ、λを作り出せればよく、例えば、
発光源10に与える駆動電流ipを変化させて発光源10の発
光波長を直接に変化させてもよいし、あるいは、発光源
10に、発光領域とDBR(distributed bragg reflector)
領域に位相制御領域を付加し、DBR領域と位相制御領域
に注入する電流を変化させて各々の領域の屈折率を変化
させ、波長を直接的に変化させる半導体レーザを使用し
てもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、発光源を連続動作させながら、孤立
化パルス通信を行うことができ、波長チャープを回避し
て、特に、大容量情報伝送に好適な光通信方式を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の原理構成図、 第2図は本発明の作用説明図、 第3〜6図は本発明に係る光通信方式の一実施例を示す
図で、 第3図はその全体構成図、 第4図はその信号生成回路の一例を示す位相変調器の平
面図、 第5図は第4図のV−V′矢視断面図、 第6図はその作用説明図である。 P……光変調配列手段、 10……発光源、 15……光伝送手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】時間T0で波長λの光を、 時間T1(T1=T0−ΔT)で波長λ(λ=λ+Δ
    λ)の光を、 そして、時間T2(T2=T0+ΔT)で波長λ(λ=λ
    −Δλ)の光を、 それぞれ入力端に加えたときに、出力端では前記3つの
    光エネルギーをほぼ同一のタイミングで観測できる波長
    分散特性を持つ光伝送手段と、 前記λの光を連続して出力する発光源と、 該λの光を±Δλで変調してλ、λ、λの光を
    作り、λのΔT前にλを、そしてλのΔT後にλ
    を配列した光信号列を生成し、前記光伝送手段の入力
    端に加える光変調配列手段と、 を備えたことを特徴とする光通信方式。
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