JP2809155B2 - ヘリックス型進行波管 - Google Patents

ヘリックス型進行波管

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JP2809155B2
JP2809155B2 JP7257868A JP25786895A JP2809155B2 JP 2809155 B2 JP2809155 B2 JP 2809155B2 JP 7257868 A JP7257868 A JP 7257868A JP 25786895 A JP25786895 A JP 25786895A JP 2809155 B2 JP2809155 B2 JP 2809155B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J23/00Details of transit-time tubes of the types covered by group H01J25/00
    • H01J23/16Circuit elements, having distributed capacitance and inductance, structurally associated with the tube and interacting with the discharge
    • H01J23/24Slow-wave structures, e.g. delay systems
    • H01J23/26Helical slow-wave structures; Adjustment therefor

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  • Microwave Amplifiers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリックス型進行
波管、特にビーム効率改善、後進波発振抑制のための速
度テーパを設けたヘリックス遅波回路を有するヘリック
ス型進行波管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ヘリックス型進行波管は、電子
ビームを放出するための電子銃と、電子ビームと高周波
が相互作用するヘリックス遅波回路と、高周波を遅波回
路に導くための高周波入力部と、高周波を外部回路に取
り出すための高周波出力部と、遅波回路において電子ビ
ームを所定のビーム径に集束するための磁界装置から構
成されている。そして、電子ビームと高周波が相互作用
するためには、電子の速度が高周波の位相速度にほぼ等
しいことが必要である。
【0003】高周波が直進して伝播する場合の速度はほ
ぼ光速に等しいが、電子は光速にはなり得ないので、ヘ
リックス遅波回路では高周波を螺旋状のヘリックス上で
伝播させることで、ヘリックスに沿う方向には光速で伝
播しても、電子ビームの進行方向と同じヘリックスの軸
方向には、ヘリックスの回路周期をP、ヘリックスの直
径を2aとすると、光速のP/2aπ倍の速度で伝播さ
れることになる。また、ヘリックス上では高周波により
電界が生じ、ヘリックス遅波回路に入射した電子ビーム
はその電界により減速または加速される。なお、ヘリッ
クスとはワイヤーまたはテープを螺旋状に成型したもの
であり、回路周期とはその螺旋の周期のことでヘリック
スピッチとも呼ばれるものである。
【0004】電子ビームの速度と高周波の位相速度が全
く等しい場合、減速される電子と加速される電子の量は
等しく、電子ビームと高周波との相互作用が生じないた
め、増幅は行なわれない。そこで、電子ビームの速度を
高周波の位相速度よりわずかに大きくなるように選ぶ
と、密度の濃い電子群がヘリックス上に生じた高周波電
界の減速電子領域に集中する。この減速電子領域では電
子は減速され、初期速度との運動エネルギーの差は高周
波のエネルギーに変換される。このようにして、ヘリッ
クス上の高周波電界は強められ、強められた電界は電子
の速度変調を促進して、高周波の電界はさらに強められ
ることになる。この相互作用が電子ビームと高周波の進
行に伴って連続的に行なわれていくため、高周波のエネ
ルギーはヘリックスの出力端に近づくにつれて増大し、
増幅作用が行なわれる。
【0005】このように、ヘリックス型進行波管ではヘ
リックス上を高周波(マイクロ波)が伝播するが、回路
周期を変化させることで高周波の軸方向の速度成分を変
化させることができる。そこで、従来、ヘリックス型進
行波管は、そのヘリックス遅波回路の回路周期を高周波
減衰器と高周波出力部の間で電子ビームの速度低下に合
わせて回路波の位相速度がテーパ状に低下するように、
ヘリックスのピッチを軸方向距離に対してある種の関数
として変化させる速度テーパを設けることが一般的であ
り、これによりビーム効率の向上と後進波発振の抑制を
行なっていた。この技術は特開昭57−170440号
公報等に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、進行波管は
高周波増幅器であるから、ある高周波入力電力に対して
増幅を行なうわけであるが、高周波入力電力が小さい範
囲では進行波管の出力電力は入力に比例したものとな
り、この範囲の動作のことを小信号動作という。一方、
高周波入力電力が上記の範囲を越えると進行波管は非線
形的な動作を示し、さらには、出力の限界(飽和出力)
状態となる。この状態のことを大信号動作という。
【0007】そこで、このような速度テーパを採用した
従来のヘリックス型進行波管では、ヘリックスに印加す
る電圧を変化させることで電子ビームの速度を変化させ
た際に、小信号利得が最大となる小信号同期電圧と出力
が最大となる大信号同期電圧に動作電圧の約7%にあた
るずれが生じていた。進行波管の総合効率の観点からす
ると、進行波管の動作電圧は出力最大となる電圧に設定
する必要があり、その場合、小信号と大信号の電圧差分
だけ利得が低下するので、この分の利得を補正するため
に回路長が長くなり、進行波管が大型化するという問題
があった。また、動作電圧の変化量に対する利得の変化
が大きくなるので、進行波管を動作させる進行波管電源
に高い安定度を要求する必要が生じていた。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、小型軽量、電圧変化に対する利得
変化の小さいヘリックス型進行波管を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のヘリックス型進行波管は、ヘリックス遅
波回路が高周波入力部側から順に、一様の回路周期P0
を有する一様回路周期P0 部と、回路周期がP0 からP
1 に変化する速度テーパ部と、前記P0 より大きい一様
の回路周期P1 を有する一様回路周期P1 部と、回路周
期がP1 からP2 に変化する速度テーパ部と、前記P1
より小さい一様の回路周期P2 を有する一様回路周期P
2 部の5つの部分で構成され、電子ビームに作用する電
界で決まる結合インピーダンスをK0 、電子ビームの電
流値をI0 、ヘリックス印加電圧をV0 としたときに、 3 =K0 ×I0 /(4×V0) で定義される回路の結合係数をC、回路波の位相速度を
v0 、電子の直流速度をu0 としたときに、 B=(u0 −v0 )/C・v0 で表される速度係数Bが、一様回路周期P1 部で、 −0.1<B<0.1 …(1) 一様回路周期P2 部で、 1.95<B<2.05 …(2) 両者の速度係数の差ΔBが、 1.95<ΔB<2.1 …(3) の範囲にあり、かつ、一様回路周期P0 部、一様回路周
期P1 部は、ヘリックス印加電圧がV0 のとき回路全体
の小信号利得が最大となるようにそれぞれの長さが設定
されている ことを特徴とするものである。
【0010】なお、回路の結合係数Cは、Coupling par
ameter, Gain parameter とも呼ばれ、 C3 =K0 ×I0 /(4×V0) で定義される。ここで、K0 は、電子ビームに作用する
電界で決まるインピーダンスのことで結合インピーダン
スと呼ばれ、電子ビームと高周波の相互作用の強さを表
している。また、I0 は電子ビームの電流値、V0 はヘ
リックス印加電圧である。
【0011】また、電子の直流速度u0 はヘリックス遅
波回路に印加される電圧で電子が加速された際のヘリッ
クス遅波回路に入射する速度のことである。回路波の位
相速度v0 はほぼ光速で、回路周期をP、ヘリックス直
径を2aとしたときにヘリックス上を伝播する高周波が
P/2aπ倍に減速された速度のことである。ヘリック
ス遅波回路での高周波増幅は電子の直流速度に対して分
布をもっているため、回路周期が軸方向で変化する場合
は各回路周期に対して累積されるので、小信号同期電圧
が所定の電圧よりも低い場合には一様回路周期P0 部を
短く、一様回路周期P1 部を長くし、反対に小信号同期
電圧が所定の電圧よりも高い場合には一様回路周期P0
部を長く、一様回路周期P1 部を短くする。
【0012】また、進行波管の動作を計算機でシミュレ
ーションする際、小信号のシミュレーションは小信号理
論に基づいて行なわれるのが一般的であり、また、小信
号のシミュレーションは一般的に定着している。しかし
ながら、大信号の動作を計算機でシミュレーションを行
なうことについては、その現象が非線形であるため、不
明確な部分が多く、計算機のシミュレーションに完全に
依存することができないのが現状である。そこで、本発
明は、完全なシミュレーションが困難な大信号動作につ
いて、物理的なパラメータを指標とし、シミュレーショ
ンが比較的容易に行なえる小信号理論との組み合わせに
より、容易な設計手法を提供する、というものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図1および図2を参照して説明する。図1は本実施の
形態のヘリックス型進行波管1を示す図であって、図中
符号2は電子銃、3はコレクタ、4は電磁波減衰器(高
周波減衰器)、5は電磁波入力部(高周波入力部)、6
は電磁波出力部(高周波出力部)、7はヘリックス遅波
回路、Eは電子ビームである。
【0014】図1に示すように、ヘリックス型進行波管
1は、電子銃2と、コレクタ3と、ヘリックス遅波回路
7の大別して3つの部分から構成されている。そして、
ヘリックス遅波回路7の電子銃2側の端部には電磁波入
力部5が、コレクタ3側の端部には電磁波出力部6が設
けられ、ヘリックス遅波回路7は電磁波減衰器4の設置
位置を境として入力側遅波回路8と出力側遅波回路9に
分けられる。
【0015】また、ヘリックス遅波回路7の回路周期の
全体構成は、入力側遅波回路8の電磁波入力部5近傍は
一様の回路周期P0 を有する一様回路周期P0 部とさ
れ、回路周期がP0 からP1 に変化する速度テーパ部を
経た後、回路周期P0 より大きい一様の回路周期P1 を
有する一様回路周期P1 部が設けられている。そして、
一様回路周期P1 部は出力側遅波回路9の中で回路周期
がP1 からP2 に変化する速度テーパ部を経た後、回路
周期P1 より小さい一様の回路周期P2 を有する一様回
路周期P2 部となる。
【0016】ここで、回路波の位相速度をv0 、電子の
直流速度をu0 、回路の結合係数をCとしたときに、 B=(u0 −v0 )/C・v0 …(0) で表される速度係数Bが、一様回路周期P1 部で、 −0.1<B<0.1 …(1) 一様回路周期P2 部で、 1.95<B<2.05 …(2) 両者の速度係数の差ΔBが、 1.95<ΔB<2.1 …(3) の範囲にあり、かつ、一様回路周期P0 部、一様回路周
期P1 部の長さは、後述する方法によって上記(1)〜
(3)の条件を満たす電圧で小信号利得が最大となるよ
うに設定されている。なお、図1において速度テーパ部
は直線状のテーパとなっているが、この速度テーパは所
定の関数に基づくものであっても何ら問題はない。
【0017】ここで、一様回路周期P1 、P2 部の速度
係数B、およびその差ΔBを上記(1)〜(3)の条件
を満たす範囲に設定する手段としては、速度係数Bが上
記(0)式で表されるが、一つの進行波管の中で、電子
の直流速度u0 および回路の結合係数Cを変化させるの
は非常に困難であるため、回路波の位相速度v0 を変え
ることになる。そして、回路波の位相速度v0 を変化さ
せるためには、回路周期を変化させることが最も容易で
あるため、上記(1)〜(3)の条件を満たすように一
様回路周期P1 、P2 部の回路周期を決定することにな
る。
【0018】次に、一様回路周期P0、P1 部の長さを
小信号利得が最大となるように設定する方法について図
2を用いて説明する。ヘリックス型進行波管では、一般
に、ある回路周期の場合、ヘリックス電圧に対して分布
を持った利得を有している。そこで、本実施の形態のヘ
リックス型進行波管のようにヘリックス遅波回路が回路
周期の異なる3つの部分を有している場合、図2に示す
ように、速度テーパ部を除いて利得はヘリックス電圧に
対して3つの分布を持つことになる。
【0019】そして、進行波管の回路全体の総利得はこ
の3つの分布の総和なので、ある回路周期部分の長さを
長くし、その回路周期部分の利得を高くすれば、進行波
管の総利得の分布もその回路周期の電圧で高くなる。例
えば図2において、一様回路周期P1 部の利得を高く
(長さを長く)すれば、回路全体の利得が最大となるヘ
リックス電圧(同期電圧)は高い方にずれることにな
る。また、この逆も可能である。このようにして、所定
の電圧で利得が最大となるように、一様回路周期部の長
さを設定する。
【0020】上記構成のヘリックス型進行波管1におい
ては、図1に示すように、電子銃2から生成、射出され
た電子ビームEは変調されながらヘリックス遅波回路7
中をコレクタ3側に進行する。その途中、電磁波は電磁
波減衰器4によりほぼ減衰するが、出力側遅波回路9の
電磁波減衰器4側の端部で変調された電子ビームEによ
り誘起され、再び電磁波は電子ビームEと相互作用を行
ないながらコレクタ3側に進行しつつ増幅され、最後に
電磁波出力部6を通して外部に取り出される。
【0021】
【実施例】上記実施の形態に基づくヘリックス型進行波
管に関して計算機シミュレーションを行なった後、試作
実験を行なった。以下、その結果について図3〜図8を
用いて説明する。図3、図4はヘリックス電圧5kVを
動作電圧とする12GHz帯60W出力の本発明の進行
波管のヘリックス電圧に対する出力電力の変化量、およ
び回路周期の全体構成を示すものである。
【0022】図3に示すように、小信号同期電圧は計算
機シミュレーションおよび実験結果ともに4.95k
V、大信号同期電圧でも両者ともに5.0Vであり、ほ
ぼ一致している。このとき、図4に示すように、一様回
路周期P1 部での速度係数Bは−0.0837、一様回
路周期P2 部での速度係数Bは2.0063、両者の速
度係数の差ΔBは2.0900であり、上記(1)〜
(3)式を全て満たしている。したがって、計算機シミ
ュレーションおよび試作実験の結果、小信号と大信号の
同期電圧はほぼ一致し、本発明の効果が確認された。
【0023】これに対して、図5、図6は従来の進行波
管の計算機シミュレーションおよび試作実験の結果であ
り、ヘリックス電圧5.5kVを動作電圧とする12G
Hz帯60W出力の進行波管のヘリックス電圧に対する
出力電力の変化量、および回路周期の全体構成を示すも
のである。
【0024】図5に示すように、小信号同期電圧は5.
15kV、大信号同期電圧は5.52Vであり、小信号
と大信号の同期電圧が370V(6.7%)ずれている
ため、その分利得が低く、ヘリックス電圧に対する利得
の変化量が大きい。このとき、図6に示すように、一様
回路周期P1 部での速度係数Bは0.052、一様回路
周期P2 部での速度係数Bは2.005、両者の速度係
数の差ΔBは1.953であり、上記(1)〜(3)式
を一応満たしてはいるが、一様回路周期P0 部、一様回
路周期P1 部の長さが不適切であり、小信号同期電圧
が、一様回路周期P2 部での速度係数Bが1.95〜
2.1となる電圧(約5.52kV)から大きく離れて
いる。
【0025】次に、図7、図8はさらに他の従来の進行
波管の計算機シミュレーションおよび試作実験の結果で
あり、ヘリックス電圧6.65kVを動作電圧とする1
2GHz帯120W出力の進行波管のヘリックス電圧に
対する出力電力の変化量、および回路周期の全体構成を
示すものである。
【0026】図7に示すように、小信号同期電圧は計算
機シミュレーションで6.15kV、実験結果では6.
3kV、大信号同期電圧は6.65Vであり、この場合
小信号と大信号の同期電圧が350〜500V(約6.
7%)ずれているため、その分利得が低く、ヘリックス
電圧に対する利得の変化量が大きい。このとき、図8に
示すように、一様回路周期P1 部での速度係数Bは−
0.1459、一様回路周期P2 部での速度係数Bは
2.0183であり、上記(1)〜(3)式を満たして
いない。この回路周期の構成は回路周期がP0 からP1
に変化する速度テーパ部を入力側に寄せた構成となって
いるが、このような構成だけでは目的を達成するのに不
充分であることが確認された。
【0027】進行波管の小型化を図る上では、同じ設計
パラメータ(回路バービアンス、γaといった基本的な
パラメータ)の場合、小信号同期と大信号同期を一致さ
せることが最も効果的である。回路周期の構成を示す図
中、図4と図6では基本的な設計パラメータがほぼ同じ
であるから、この両者を比較してみると、図4の場合、
図3から小信号利得は65.5dB(ヘリックス電圧
4.95kV時)、大信号利得は約58dB(ヘリック
ス電圧5kV時)である。
【0028】これに対して、図6の場合、図5から小信
号利得は約64dB(ヘリックス電圧5.15kV時)
とほぼ変わらない。しかしながら、大信号利得は約50
dB(ヘリックス電圧5.5kV時)と大きく異なる。
一方、両者の回路長は150mmで同じであるから、本
実施例のヘリックス型進行波管の場合、同じ利得が要求
されたとき、(50dB/58dB=86.2%より)
約14%回路長を短くすることができる。
【0029】また、図5、図6に示したように、一様回
路周期P0 、P1 部の長さが不適切である場合、もしく
は図7、図8に示したように、上記(1)〜(3)式に
示す数値条件から外れた場合は、大信号同期電圧と小信
号同期電圧がずれて、大信号同期電圧における利得が低
くなる。したがって、利得低下分の利得を補うために回
路長が長くなり、進行波管の小型化が図れないことにな
る。
【0030】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
ヘリックス型進行波管によれば、ヘリックス遅波回路で
の高周波増幅は電子の直流速度に対して分布をもってい
るため、回路周期が軸方向で変化する場合は各回路周期
に対して累積されるので、小信号同期電圧が所定の電圧
よりも低い場合には一様回路周期P0 部を短く、一様回
路周期P1 部を長くし、反対に小信号同期電圧が所定の
電圧よりも高い場合には一様回路周期P0 部を長く、一
様回路周期P1 部を短くすることで設定可能である。そ
の結果、小信号同期電圧と大信号同期電圧を一致、また
は極めて近い値とすることが可能で、回路長を最低限の
長さとできることで小型軽量、電圧変化に対する利得変
化の小さいヘリックス型進行波管を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるヘリックス型進行
波管、およびヘリックス遅波回路の回路周期を示す概略
構成図である。
【図2】同、ヘリックス型進行波管において一様回路周
期部の長さの設定方法を説明するための図である。
【図3】本発明による計算機シミュレーションおよび試
作実験結果を示す図である。
【図4】同、計算機シミュレーションおよび試作実験時
のヘリックス遅波回路の構成を示す図である。
【図5】従来例による計算機シミュレーションおよび試
作実験結果を示す図である。
【図6】同、計算機シミュレーションおよび試作実験時
のヘリックス遅波回路の構成を示す図である。
【図7】さらに他の従来例による計算機シミュレーショ
ンおよび試作実験結果を示す図である。
【図8】同、計算機シミュレーションおよび試作実験時
のヘリックス遅波回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ヘリックス型進行波管 2 電子銃 3 コレクタ 4 電磁波減衰器 5 電磁波入力部 6 電磁波出力部 7 ヘリックス遅波回路 8 入力側遅波回路 9 出力側遅波回路 E 電子ビーム

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃と、コレクタと、高周波入力部
    と、高周波出力部と、高周波減衰器により途中で高周波
    的に分割されたヘリックス遅波回路とを有する進行波管
    において、 前記ヘリックス遅波回路が前記高周波入力部側から順
    に、一様の回路周期P0を有する一様回路周期P0 部
    と、回路周期がP0 からP1 に変化する速度テーパ部
    と、前記P0 より大きい一様の回路周期P1 を有する一
    様回路周期P1 部と、回路周期がP1 からP2 に変化す
    る速度テーパ部と、前記P1 より小さい一様の回路周期
    P2 を有する一様回路周期P2 部の5つの部分で構成さ
    れ、電子ビームに作用する電界で決まる結合インピーダンス
    をK0 、電子ビームの電流値をI0 、ヘリックス印加電
    圧をV0 としたときに、 3 =K0 ×I0 /(4×V0) で定義される回路の結合係数をC、回路波の位相速度を
    v0 、電子の直流速度をu0 としたときに、 B=(u0 −v0 )/C・v0 で表される速度係数Bが、 一様回路周期P1 部で、 −0.1<B<0.1 …(1) 一様回路周期P2 部で、 1.95<B<2.05 …(2) 両者の速度係数の差ΔBが、 1.95<ΔB<2.1 …(3) の範囲にあり、かつ、一様回路周期P0 部、一様回路周
    期P1 部は、ヘリックス印加電圧がV0 のとき回路全体
    の小信号利得が最大となるようにそれぞれの長さが設定
    されている ことを特徴とするヘリックス型進行波管。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のヘリックス型進行波管
    において、 前記温度係数Bが前記(1)〜(3)の条件を満たすよ
    うにするために、前記回路周期P1 、P2 を調整するこ
    とで回路波の位相速度v0 を調整することを特徴とする
    ヘリックス型進行波管。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のヘリックス型進行波管
    において、 前記一様回路周期P0 部、一様回路周期P1 部の長さを
    ヘリックス印加電圧がV0 で回路全体の小信号利得が最
    大となるように設定するのを、一様回路周期P0 部、一
    様回路周期P1 部、一様回路周期P2 部各々のヘリック
    ス印加電圧V0に対する利得分布を調節することで行う
    ことを特徴とするヘリックス型進行波管。
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