JP2806400B2 - 光ファイバの破断検出方法 - Google Patents

光ファイバの破断検出方法

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JP2806400B2
JP2806400B2 JP3018980A JP1898091A JP2806400B2 JP 2806400 B2 JP2806400 B2 JP 2806400B2 JP 3018980 A JP3018980 A JP 3018980A JP 1898091 A JP1898091 A JP 1898091A JP 2806400 B2 JP2806400 B2 JP 2806400B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバの破断検出
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバは低損失、大容量化が
可能という特徴を活かし、有線線路通信の伝送媒体とし
て広く使用されている。しかし光ファイバは石英ガラス
という脆性の材料を中心としているため、傷、応力等に
より破断し、信号が送れなくなる場合がある。光ファイ
バの情報伝送量は極めて大きいため、この様な破断によ
る通信途絶は社会的に重大な影響を与える。
【0003】従来、光ファイバの破断を検出する技術と
しては、光をファイバの一端側から入射し、他端側で光
レベルを測定し、その差の増加の仕方により判断する方
法がある(参考文献:特公平2−20049号公報”光
ファイバケーブル破断予知装置”)。また、光ファイバ
に加えられた歪みを測定することにより破断時間を予測
する方法が考えられている(参考文献:特願平2−21
1525号”光ファイバの破断予測方法”)。また、破
断が発生すればそこからのフレネル反射が検出されるよ
うになることは周知のことである。しかし、従来は光フ
ァイバの破断は直ちに伝送断を引き起こすと考えられて
いたため、伝送断にならないような小さな損失増加のう
ちは破断が発生したと判定することはなかった。これは
例えフレネル反射が検出された場合にも同様であり、伝
送が可能なうちには破断と判定することはなかった。
た、損失増加は破断以外によっても発生することもある
ため、この方法では確実な破断の検出は困難である。一
方歪み測定による破断の予測は、確率的なものであり確
実性が低い。さらに歪み測定法自体も精度等の面で未だ
不完全な技術である。よって前述の2つの測定方法とも
損失が少ないうちに確実に破断を検出し、その結果に基
づいて伝送不能となる前に修理や、使用を中止し、予測
しない伝送断を防ぐことは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来光
ファイバの損失が少なく伝送が可能なうちに破断を検出
する有効、確実な方法は存在せず、従って破断による伝
送断を防ぐことはできなかった。
【0005】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、遠隔
からの測定結果に基づき、伝送損失が増大して伝送不能
となる前に破断を検出する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明は、上記の目的を
達成するために、光ファイバを用いた伝送路の結線状態
及び結線方法を記憶しておき、該記憶から結線によって
生じるフレネル反射の発生場所を判断し、次いで送受信
器間において光信号が伝送可能な任意の時刻において光
ファイバからのフレネル反射の発生場所を測定し、次い
でこれらの場所を比較することによって光ファイバの破
断の判定を行う。
【0007】
【作用】光ファイバが破断すると反射波が発生する。こ
の反射波を検出することにより、損失が少なく伝送可能
のうちに破断を検出することができる。すなわち、発明
者らは破断が生じても直ちに伝送断とはならない場合が
あることを見い出した。これは、破断が生じても伝送損
失が問題にならないほど小さい場合が存在するためであ
る。この場合にも温度変化等外界の影響により破断部分
の軸ずれが拡大し損失が増大し、最終的に伝送断とな
る。
【0008】表1にこのような損失変化の例を示す。な
お、ヒートサイクルとしては−40〜+60℃を30サ
イクル印加し、破断直後の損失変化は、(破断直後の損
失値)−(破断前の損失値)から求め、ヒートサイクル
後の損失変化は、(ヒートサイクル後の損失値)−(破
断直後の損失値)から求めた。
【0009】
【表1】
【0010】ここでは融着接続部における破断直後の損
失増加と、破断した後にヒートサイクルをかけたときの
損失増加を表している。ここからも判断できるように、
破断直後では損失増は僅かであるが、その後の温度変化
により損失が大きく増加する。従って、破断が発生して
も伝送断となる前に破断を検出でき、この結果に基づい
て破断している光ファイバを修理したりその使用を中止
し、他の光ファイバに切り替えたりすれば予期しない伝
送断を免れることが出来る。
【0011】
【実施例】図1は本発明に使用する測定系の一例を示す
構成図である。図においては、1は測定対象の光ファイ
バ、2は光パルス試験器、3はデータ解析装置、4はデ
ータ記憶装置、5は伝送用光源、6は伝送用光受光器、
7は光合分波器である。
【0012】この様に測定系を利用して、伝送用光源5
より送信した光信号が伝送用光受光器6で受信可能な任
意の時刻で、光パルス試験器2により被測定光ファイバ
1からの後方散乱波形を測定し、その反射波形により判
定される反射波の発生場所を、データ記憶装置4に記憶
されている初期のデータと比較する。仮に結果が初期が
図3、任意時刻が図4の様であれば、本来無いはずの反
射が発生しているので破断と判断する。光ファイバが破
断と判断されれば、その修理、切り替を行う。
【0013】次に本発明の第2の実施例を示す。この場
合、測定器の配置は図1と同様であるが、4のデータ記
憶装置には結線状態が記憶されている。図1のように測
定系を構成し、伝送用光源5より送信した光信号が伝送
用光受光器6で受信可能な任意の時刻において、光パル
ス試験器2により被測定光ファイバ1の反射波の発生場
所を測定し、データ記憶装置4に記憶されている結線状
態により判断される反射波の発生場所と比較する。すな
わち、反射は本来光ファイバの接続部分からしか発生せ
ず、しかも接続部分でも融着部、及び無反射処理をした
コネクタでは反射波は発生せず、また発生したとしても
ごく小さいものであり、破断による反射かどうかの判断
が可能である。また、無反射処理の無いコネクタからは
反射が発生する。
【0014】従って、光ファイバの結線状態が記憶され
ていれば初期状態で反射が発生する場所が判定できる。
この結果と、任意の時刻にて測定した光ファイバからの
反射発生場所を比較し、初期状態で反射が発生しないと
判断される場所に反射が認められた場合には、破断が発
生したと判定できる。その結果に基づいてファイバの修
理、切り替を行う。図5にこの様な判定の例を示す。す
なわち、図5のaに示した結線状態の光ファイバにおい
て任意の時刻にbに示したような後方散乱波形が観測さ
れた場合、点A、点Cでは初期でも反射が観測される
が、Bは初期には反射がないと判定された場所で反射が
観測されるので、破断と判定できる。
【0015】次に本発明の第3の実施例を図2に示す。
図においては、1は測定対象の光ファイバ、3はデータ
解析装置、4はデータ記憶装置(初期値と基準値が記憶
されている)、5は伝送用光源、6は伝送用光受光器、
8は試験用光源、9は試験用光受光器、10は光分波
器、11は光合波器である。
【0016】この様に測定系を構成し、伝送用光源5よ
り送信した光信号が伝送用光受光器6で受信可能な任意
の時刻で、試験用光源8から発せられる光の反射波の
度に応じた電力(以下、「反射波の電力」という。)
光分波器10を介して試験用光受光器9により測定す
る。この測定した電力をデータ記憶装置4に記憶してい
た初期の反射波の電力と比較し、両者の差が一定値を越
えたときに破断と判断する。これは、破断により反射波
の電力が大きくなることを利用している。なお、一般に
破断の判定は雑音の影響を考慮し、両者の差が一定の基
準値以上の場合に破断と判定する。この破断検出法の有
効性は、次に示す実験により確認している。図2で、1
の光ファイバを意図的に破断させ、その前後の反射光の
電力を測定した。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2より光ファイバに破断が生じた場合、
明かに反射波の電力が増大することが判る。よって、本
発明の有効性が確認された。なお、各事例とも光ファイ
バが通信に使用中の場合でも、通信に支障を与えずに測
定することが可能である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
隔からの測定により、伝送路に使用されている光ファイ
バの破断点を光ファイバの接続点と明確に区別して容易
に検出することができ、この検出結果を基に、破断が起
きている場合は当該箇所の接続部を修理したり、当該光
ファイバの使用を中止して他の光ファイバに切り替える
ことにより、伝送損失が大きくなって伝送断に至る前
に、光ファイバの破断に起因する予期せぬ通信の途絶を
未然に防止することができるという、非常に優れた効果
を発揮するものである。また、光ファイバは大きな通信
容量を持つため、これにより達成される通信の途絶防止
は、社会全体の活動に対して極めて大きな意味を持つも
のである。加えて、本発明は屋外の広い範囲に設置され
ている光ファイバ伝送路の特性を遠隔にて容易に測定す
ることができ、光ファイバの破断を検出する方法として
は極めて簡便な方法であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施例に使用する測定
系の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の第3の実施例に使用する測定系の一例
を示す構成図である。
【図3】点Xにて反射のあるコネクタ接続を有する光フ
ァイバの後方散乱波形を示す図である。
【図4】点Xにて反射のあるコネクタ接続を有し、点Y
にて破断している光ファイバの後方散乱波形を示す図で
ある。
【図5】光ファイバの結線状態とその結線状態で点Bに
おいて破断している光ファイバの後方散乱波形を示す図
である。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 光パルス試験器 3 データ解析装置 4 データ記憶装置 5 伝送用光源 6 伝送用光受光器 7 光合分波器 8 試験用光源 9 試験用光受光器 10 光分波器 11 光合波器
フロントページの続き (72)発明者 満永 豊 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−60338(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 11/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバを用いた伝送路において、
    伝送路の結線状態及び結線方法を記憶しておき、該記憶
    から結線によって生じるフレネル反射の発生場所を判断
    し、次いで送受信器間において光信号が伝送可能な任意
    の時刻において光ファイバからのフレネル反射の発生場
    所を測定し、次いでこれらの場所を比較することによっ
    て光ファイバの破断を判定することを特徴とする光ファ
    イバの破断検出方法
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JPS5960338A (ja) * 1982-09-30 1984-04-06 Tohoku Electric Power Co Inc 光フアイバ・ロケ−タ
JPH01178847A (ja) * 1988-01-08 1989-07-17 Nec Corp 光パルス試験器

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