JP2806336B2 - 窒素含有焼結硬質合金およびその製造方法 - Google Patents
窒素含有焼結硬質合金およびその製造方法Info
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- JP2806336B2 JP2806336B2 JP711796A JP711796A JP2806336B2 JP 2806336 B2 JP2806336 B2 JP 2806336B2 JP 711796 A JP711796 A JP 711796A JP 711796 A JP711796 A JP 711796A JP 2806336 B2 JP2806336 B2 JP 2806336B2
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Description
具、フライス工具、ドリル、エンドミルなどの切削用工
具材料に適し、特に鋼の過酷な条件下での断続切削、高
切込み、高送りなどの重切削および高速切削に最適な汎
用性に富んだ窒素含有焼結硬質合金およびその製造方法
に関するものである。
としては、N(窒素)を含有している窒素含有焼結硬質
合金が主流となってきている。これは、窒素含有焼結硬
質合金がN無添加焼結硬質合金に比べ耐塑性変形性およ
び靱性に優れる傾向にあるためである。しかしながら窒
素含有焼結硬質合金では、焼結工程における脱Nが原因
で金属成分を主成分とするシミダシ層が表面に生じ、そ
のシミダシ層直下の合金内部より結合相が貧化した高硬
度な領域ができる。この高硬度領域が生じることによ
り、切削性能上、耐摩耗性は向上するが耐チッピング性
が劣化するという問題がある。
合金の合金組織にWCやMo2 Cを析出させ、靱性強
化、さらなる耐摩耗性強化を図った窒素含有焼結合金
が、特開平7−179978号公報、特開平7−252
578号公報に開示されている。
号公報には、表面から50μmの間にヴィッカース硬度
2000以上の部位が存在することを特徴とするTiC
N基サーメットが開示されている。
鉄用切削工具として提案されており、このTiCN基サ
ーメットで鋼の重切削を行なうと切れ刃にチッピングが
生じるという問題がある。
表面部の結合相の相対濃度を内部の平均的結合相濃度に
比べて減少させ、かつ表面に圧縮残留応力を残存させる
ことにより、耐熱衝撃性を高めるとともに、耐摩耗性お
よび耐欠損性をバランスよく高めた高靱性サーメットが
開示されている。
近傍部においても結合相が減少している。このため、切
れ刃近傍部が脆弱となり、鋼の重切削、特に断続切削や
高送りの過酷な条件下ではチッピングが生じる。また刃
先近傍部にも圧縮残留応力が残存していることからチッ
ピング部を起点に自らの応力で大破に至ってしまうとい
う問題がある。
工具断面における最高硬さが最表面から2〜50μmの
範囲内の深さ位置にあり、さらに最表面が前記最高硬さ
の60〜90%に相当する硬さを有することを特徴とす
る耐欠損性に優れた耐摩耗性サーメット製切削工具が開
示されている。
サーメット製切削工具では、良好な耐欠損性および耐摩
耗性の両立が可能である。しかし、切屑が当たり擦過す
るすくい面において耐クレーター性に劣り、特に高速切
削の場合にクレーター摩耗が激しくなり、クレーター部
分を起点に欠損が生じるという問題がある。
チッピング性と耐クレーター性とを有する窒素含有焼結
硬質合金およびその製造方法を提供することである。
ング性と耐クレーター性とを有するとともに優れた耐摩
耗性を有する窒素含有焼結硬質合金およびその製造方法
を提供することである。
な条件下での断続切削、高切込み、高送りなどの高切削
および高速切削に対しバランスよく性能を向上させるた
めに、窒素含有焼結硬質合金の合金構造を検討した結
果、次の知見を得た。
部の硬度に対して切刃近傍部の硬度を低くすることで、
窒素含有焼結硬質合金の耐チッピング性と耐クレーター
性とを同時に向上させることができることである。
中央部の硬度を特定範囲内とし、かつ切刃近傍部の硬度
を特定範囲内割合ですくい面および逃げ面中央部の硬度
より低くすることで、耐チッピング性と耐クレーター性
と耐摩耗性とを向上させることができることである。
見に基づいて本願発明を完成するに至った。
は、Ti(チタン)とW(タングステン)、Mo(モリ
ブデン)、Cr(クロム)の中の少なくとも1種と窒素
と炭素とを含有してなる炭化物、窒化物、炭窒化物の硬
質相が75重量%以上95重量%以下で、残部が鉄系金
属を主成分とした結合相と不可避不純物とからなる窒素
含有焼結硬質合金であって、以下の要件を備えている。
iの含有量はTiN、またはTiNとTiCとに換算し
て35重量%以上85重量%以下、W、Mo、Crの合
計含有量はWC、Mo2 C、Cr3 C2 に換算して10
重量%以上60重量%以下である。焼結硬質合金の逃げ
面に対して垂直かつ合金中央部を通る断面において、逃
げ面中央部における表面から10μmの深さ位置での硬
度をxとし、ホーニング処理部と逃げ面との接点から逃
げ面中央部に向かって0.5mmの位置における表面か
ら10μmの深さ位置での硬度をyとしたとき、x>y
の関係が満たされる。
的にはTiC、TiN、TiCN、(Ti、M)C、
(Ti、M)CN(ただしMはW、Mo、Crの少なく
とも1種)を指す。また、これらの硬質相の他に、B−
1型硬質相として、周期律表5a族金属および/または
周期律表4a族金属(ただしTiを除く)を含有した炭
化物、窒化物、炭窒化物であるB−1型硬質相、具体的
にはTaC、NbC、VC、ZrC、HfC、TaN、
NbN、VN、ZrN、HfN、TaCN、NbCN、
VCN、ZrCN、HfCN、(Ti、M′)C、(T
i、M′)N、(Ti、M)CN、(M、M′)C、
(M、M′)CNを挙げることができる(ただしM′は
Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウ
ム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)の少
なくとも1種)。
述のB−1型硬質相の他にWC、Mo2 CおよびCr3
C2 が析出していても本発明の効果は変わらない。
質合金を構成している結合相は、Fe(鉄)、Ni(ニ
ッケル)、Co(コバルト)を主成分とし、他に硬質相
を構成している元素を固溶して形成されている。もちろ
ん、結合相にAl(アルミニウム)、B(ホウ素)など
の微量添加を行なっても本発明の効果に変わりないこと
は言うまでもない。
ると結合相が相対的に減少することから靱性面で不足す
る。また75重量%未満になると逆に結合相が増加しす
ぎ耐塑性変形性が維持できなくなる。このため硬質相の
量は75重量%以上95重量%以下である。
けるTi含有量は、合金窒素量のすべてをTiNになる
ものと換算し、この換算量でもTiが残存する場合には
TiCになるものと換算して、TiN、またはTiNと
TiCとで合金全体の35重量%以上85重量%以下に
なるものである。35重量%未満となると耐摩耗性が維
持できなくなり、85重量%を超えるとその他の成分が
少なくなり耐欠損性が低下する。
2 C、Cr3 C2 の炭化物に換算して、換算合計量が合
金全体の10重量%以上60重量%以下である。この換
算量が10重量%未満となると硬質相そのものの靱性が
不足し耐欠損性が低下する。また60重量%を超えると
合金に含有されるTi量が減少するため耐摩耗性が劣化
する。
NbCの炭化物に換算して、換算合計量が合金全体の3
0重量%以下である。30重量%を超えると硬質相の結
晶粒度が粗大化するため耐摩耗性が低下する傾向があ
る。しかしながら、適度にTa、Nb、Vの少なくとも
1つを含有させることは結合相を強化し耐塑性変形性が
向上することから好ましいことである。
の炭化物に換算して、換算合計量が合金全体の5重量%
以下である。5重量%を超えると合金中にポアが増加
し、耐欠損性が低下する。しかしながら、Zr、Hfの
結合相を固溶強化する働きを持っていることから合金中
に含有させておくことは好ましいことである。
(炭素)量との相関が非常に重要である。つまり重量%
の比率で、N/(N+C)が0.2以上0.8以下の間
にあると耐摩耗性と耐欠損性のバランスがうまく釣り合
う。すなわち0.2未満となると合金そのものが高硬度
化し耐欠損性が著しく低下し、0.8を超えると低硬度
化し耐摩耗性が著しく劣化する。
金の逃げ面に対して垂直でかつ合金中央部を通る断面に
おいて、逃げ面中央部における表面から10μmの深さ
位置の硬度をxと、ホーニング処理部と逃げ面との接点
から逃げ面中央部に向かって0.5mm位置における表
面から10μmの深さ位置の硬度yとによって管理され
る。
すくい面側で管理するのが直接的でよい。しかし、最近
の切削チップでは、すくい面に切屑処理のための3次元
ブレーカーがあり、品質管理上、硬度測定位置を決定す
るのに困難を極める。フラットである逃げ面側で硬度を
管理する方法は簡便でありかつ測定値の精度が高まり、
かつ本発明品のすくい面における耐クレーター性の能力
は逃げ面側の管理で十分予想できる。
係を満たすと、耐チッピング性と耐クレーター性とを同
時に向上させることが可能となる。
が高くなり耐チッピング性が劣化し、切削時に切屑が擦
過するクレーター部の硬度が低くなる。このため、クレ
ーター部を起点とした欠損が起こりやすくなり、切削性
能は著しく低下する。
かつ0.7x<y<0.98xの関係を満たすことが好
ましい。硬度x、yがこの関係を満たすと、耐チッピン
グ性、耐クレーター性に加え耐摩耗性も向上させること
ができる。
では、まずTiの炭化物、窒化物、炭窒化物の少なくと
もいずれかと、周期律表の6a族金属の炭化物と、Ti
を除く周期律表4a族金属および5a族金属の炭化物、
窒化物、炭窒化物の少なくともいずれかとを有する出発
物質を鉄系金属を主成分とする結合相成分と混合し、成
形して成形体が得られる。そして成形体を焼結温度まで
昇温し、焼結温度で所定時間保持することにより焼結し
て焼結体が得られる。この成形体の焼結は、成形体の液
相出現温度(1300℃以上1380℃以下)から焼結
温度における保持終了までは100Torr以上500
Torr以下の窒素ガス雰囲気中で行なわれる。そして
焼結体が、焼結温度から1300℃以上1380℃以下
の固定温度まで真空内で冷却される。そして固定温度で
100Torr以上500Torr以下の窒素ガス雰囲
気中で焼結体が5分以上10分以下の間保持される。そ
して焼結体が、真空中で固定温度から室温まで冷却され
る。
ば刃先近傍部のみ硬度の低い組成の圧粉体を圧着した
後、焼結する方法などによっても得られる。しかし、本
発明の窒素含有焼結硬質合金の製造方法では、均一組成
の圧粉体を焼結工程のみで作製しているため、製造コス
ト上非常に好ましい。
以下)から焼結温度における保持終了までの工程におい
て窒素ガスの圧力が100Torr未満だと脱Nに起因
すると思われるポアが合金最表面に発生し表面粗さが著
しく悪化する。また500Torrを超えると合金内部
に遊離炭素が生じ耐欠損性の劣化が生ずる。
ある。すなわち結合相の液相固化開始温度である130
0℃以上1380℃以下の固定温度まで真空で冷却し、
同温度にて窒素分圧100Torr以上500Torr
以下になるように窒素を再導入し、5〜10分間保持
し、保持後は再び真空とし室温まで冷却することで硬度
x>yの関係が得られる。これは焼結温度から1300
℃以上1380℃以下の固定温度までの真空工程で、合
金の表面部のみに脱Nが起こり、従来通り合金表面全体
の高硬度化が起こる。その後、短時間窒素ガスを再導入
することで表面積の大きい刃先近傍部のみに窒素が加え
られて軟化が起こり、硬度x>yの関係が生じるものと
考えられる。
では刃先近傍部の窒化が不十分でx>yの関係が得られ
ない。また500Torrを超えると、合金全体が窒化
されx>yの関係が得られない。
近傍部の窒化が不十分でx>yの関係が得られない。ま
た10分を超えると合金全体が窒化されx>yの関係が
得られない。
1380℃以下までの幅を持っているのは、液相固化温
度が出発組成によって変動するためであり、原料組成が
決まれば一義的に決まる温度である。しかしながら、い
かなる組成であっても1300℃未満では完全に液相が
固化してしまって窒化による軟化の効果はなく、また1
380℃より高い温度では脱Nが不十分で合金全体の高
硬度化が得られない。
で配合した後、湿式混合を行なった。ただしC/(C+
N)については焼結中に脱C、脱Nが起こるため焼結後
の分析値を示している。また、その他の組成成分は焼結
後も変化がなかったため、焼結合金の組成は省略した。
状にプレス成形した。これらのプレス成形体を炉内に入
れ、真空下で昇温速度10℃/minで1350℃まで
昇温し、窒素ガスを150Torrになるまで導入し、
この状態で1500℃に加熱した後、60分間保持し
た。その後、真空下で1350℃まで放冷し、1350
℃において窒素圧力が250Torrになるまで窒素を
導入した。その後、その状態で7分間保持し、再び炉内
を真空に戻し室温まで放冷した。
ジ部をホーニング処理し、図1に示す切削用スローアウ
ェイチップを作製した。
イチップ1の逃げ面に対して垂直でかつ合金中央部を通
る断面(イ:点線で囲んだ領域)の一部を図2に示す。
図2を参照して、逃げ面中央部における表面から10μ
m深さ位置dの硬度をxとし、ホーニング処理部aと逃
げ面bとの接点cから逃げ面中央部に向かって0.5m
m位置における表面から10μmの深さ位置eの硬度を
yとして、この硬度xおよびyを測定した。その結果を
表2に示す。
いて一方の交点cと他方の交点cとの中央部を意味して
いる。
いて表3の条件で耐摩耗試験および耐欠損性試験を行な
った。その結果を表4に示す。
以上95重量%以下で、残部が鉄系金属を主成分とした
結合相と不可避不純物とからなり、Tiの含有量がTi
N、またはTiNとTiCとに換算して35重量%以上
85重量%以下であり、かつW、Mo、Crの合計含有
量がWC、Mo2 C、Cr3 C2 に換算して10重量%
以上60重量%以下の場合には、耐摩耗性および耐欠損
性に優れることがわかった。
示す焼結条件でCNMG120408形状の切削用スロ
ーアウェイチップを焼結した。
例に挙げて説明する。CNMG120408形状の成形
体を炉内に入れ、真空下で1320℃まで昇温し、窒素
ガスを120Torrになるまで導入し、この状態で1
500℃まで加熱した。1500℃の温度で窒素ガスを
300Torrになるまで導入した後、所定時間この状
態を保持した。この後、真空下で1500℃から134
0℃まで放冷し、1340℃において窒素を150To
rrとなるまで導入し、その状態で6分間保持した。再
び炉内を真空に戻し、1340℃から室温まで放冷し
た。本発明品11〜14および比較品7〜17は、表5
に示す各条件の下で本発明品10と同様にして作製され
る。
終焼結温度から室温まで窒素が300Torr導入され
た状態で冷却される。また比較品19では、冷却工程に
おいて最終焼結温度から室温まで真空の状態で冷却され
る。
ローアウェイチップのエッジ部をホーニング処理した
後、実施例1で述べた硬度xとyとを測定した。その結
果を表6に示す。
いて表7の切削条件で耐摩耗試験と耐欠損性試験とを行
なった。
量およびすくい面のクレーター損傷部の最大クレーター
深さを測定した。その結果を表8に示す。
度(1300℃以上1380℃以下)から焼結温度にお
ける保持終了までは100〜500Torrの窒素ガス
雰囲気中で焼結が行なわれ、冷却工程では焼結温度から
液相固化開始温度である1300℃以上1380℃以下
のある固定温度まで真空とし、同温度にて窒素分圧10
0Torr以上500Torr以下になるように窒素を
再導入し5分以上10分間以下の間保持し、保持後は再
び真空として室温まで冷却することにより、硬度x>y
の関係を満たす窒素含有焼結硬質合金が得られることが
判明した。
良好な耐チッピング性と耐クレーター性とが得られるこ
とがわかった。
00と0.7x<y<0.98xの関係を満たす場合に
は、良好な耐チッピング性と耐クレーター性とを有する
とともに優れた耐摩耗性も得られることがわかった。
であって制限的なものではないと考えられるべきであ
る。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の
範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味およ
び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
は、すくい面および逃げ面中央部の硬度を特定範囲内と
し、かつ切刃近傍部の硬度をすくい面および逃げ面中央
部の硬度より特定範囲内の割合で減少させることで、耐
摩耗性、耐クレーター性および耐欠損性がバランスよく
向上する。
合金は、従来の窒素含有焼結硬質合金が苦手であった鋼
の過酷な条件下での断続切削、高切込み、高送りなどの
重切削および高速切削を可能にするものである。
面、逃げ面、ホーニング処理部および逃げ面に対して垂
直かつ合金中央部を通る断面(イ)を示した図である。
aと逃げ面bとの交点cと、交点cから0.5mmの位
置で表面から10μmの深さ位置dと、逃げ面中央部位
置で表面から10μmの深さ位置eとを示す図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 TiとW、Mo、Crの中の少なくとも
1種と窒素と炭素とを含有してなる炭化物、窒化物、炭
窒化物の少なくともいずれかよりなる硬質相が75重量
%以上95重量%以下で、残部が鉄系金属を主成分とし
た結合相と不可避不純物とからなる窒素含有焼結硬質合
金において、 前記硬質相はB−1型硬質相を有し、 前記Tiの含有量がTiN、またはTiNとTiCとに
換算して35重量%以上85重量%以下、前記W、M
o、Crの合計含有量がWC、Mo2 C、Cr3C2 に
換算して10重量%以上60重量%以下であり、 前記焼結硬質合金の逃げ面に対して垂直かつ合金中央部
を通る断面において、逃げ面中央部における表面から1
0μmの深さ位置での硬度をxとし、ホーニング処理部
と逃げ面との接点から逃げ面中央部に向かって0.5m
mの位置における表面から10μmの深さ位置での硬度
をyとしたとき、x>yの関係を満たすことを特徴とす
る、窒素含有焼結硬質合金。 - 【請求項2】 前記硬度xがマイクロヴィッカース硬度
で1800<x<2600、かつ前記硬度yが0.7x
<y<0.98xの関係を満たす、請求項1に記載の窒
素含有焼結硬質合金。 - 【請求項3】 前記炭素と前記窒素との含有量が重量比
率で、炭素/(炭素+窒素)が0.2以上0.8以下で
あることを特徴とする、請求項1および2のいずれかに
記載の窒素含有焼結硬質合金。 - 【請求項4】 TiとW、Mo、Crの中の少なくとも
1種と窒素と炭素とV、Nb、Ta、Zr、Hfの中の
少なくとも1種とを含有してなる炭化物、窒化物、炭窒
化物の少なくともいずれかよりなる硬質相が75重量%
以上95重量%以下で、残部が鉄系金属を主成分とする
結合相と不可避不純物とからなる窒素含有焼結硬質合金
において、 前記硬質相は、B−1型硬質相を有し、 前記Tiの含有量がTiN、またはTiNとTiCとに
換算して35重量%以上85重量%以下、前記W、M
o、Crの合計含有量がWC、Mo2 C、Cr3C2 に
換算して10重量%以上60重量%以下であり、 前記V、Nb、Taの合計含有量がVC、NbC、Ta
Cに換算して30重量%以下、前記Zr、Hfの合計含
有量がZrC、HfCに換算して5重量%以下であり、 前記焼結硬質合金の逃げ面に対して垂直かつ合金中央部
を通る断面において、逃げ面中央部における表面から1
0μmの深さ位置での硬度をxとし、ホーニング処理部
と逃げ面との接点から逃げ面中央部に向かって0.5m
mの位置における表面から10μmの深さ位置での硬度
をyとしたとき、x>yの関係を満たすことを特徴とす
る、窒素含有焼結硬質合金。 - 【請求項5】 前記硬度xがマイクロヴィッカース硬度
で1800<x<2600、かつ前記硬度yが0.7x
<y<0.98xの関係を満たす、請求項4に記載の窒
素含有焼結硬質合金。 - 【請求項6】 前記炭素と前記窒素との含有量が重量比
率で、炭素/(炭素+窒素)が0.2以上0.8以下で
あることを特徴とする、請求項4および5のいずれかに
記載の窒素含有焼結硬質合金。 - 【請求項7】 TiとW、Mo、Crの中の少なくとも
1種と窒素と炭素とを含有してなる炭化物、窒化物、炭
窒化物の少なくともいずれかよりなる硬質相が75重量
%以上95重量%以下で、残部が鉄系金属を主成分とし
た結合相と不可避不純物とからなる窒素含有焼結硬質合
金において、 前記硬質相は、B−1型硬質相とWC、Mo2 C、Cr
3 C2 の少なくとも1種を含む硬質相とを有しており、 前記Tiの含有量がTiN、またはTiNとTiCとに
換算して35重量%以上85重量%以下、前記W、M
o、Crの合計含有量がWC、Mo2 C、Cr3C2 に
換算して10重量%以上60重量%以下であり、 前記焼結硬質合金の逃げ面に対して垂直かつ合金中央部
を通る断面において、逃げ面中央部における表面から1
0μmの深さ位置での硬度をxとし、ホーニング処理部
と逃げ面との接点から逃げ面中央部に向かって0.5m
mの位置における表面から10μmの深さ位置での硬度
をyとしたとき、x>yの関係を満たすことを特徴とす
る、窒素含有焼結硬質合金。 - 【請求項8】 前記硬度xがマイクロヴィッカース硬度
で1800<x<2600、かつ前記硬度yが0.7x
<y<0.98xの関係を満たす、請求項7に記載の窒
素含有焼結硬質合金。 - 【請求項9】 前記炭素と前記窒素との含有量が重量比
率で、炭素/(炭素+窒素)が0.2以上0.8以下で
あることを特徴とする、請求項7および8のいずれかに
記載の窒素含有焼結硬質合金。 - 【請求項10】 TiとW、Mo、Crの中の少なくと
も1種と窒素と炭素とV、Nb、Ta、Zr、Hfの中
の少なくとも1種とを含有してなる炭化物、窒化物、炭
窒化物の少なくともいずれかよりなる硬質相が75重量
%以上95重量%以下で、残部が鉄系金属を主成分とす
る結合相と不可避不純物とからなる窒素含有焼結硬質合
金において、 前記硬質相は、B−1型硬質相とWC、Mo2 C、Cr
3 C2 の中の少なくとも1種を含む硬質相とを有してお
り、 前記Tiの含有量がTiN、またはTiNとTiCとに
換算して35重量%以上85重量%以下、前記W、M
o、Crの合計含有量がWC、Mo2 C、Cr3C2 に
換算して10重量%以上60重量%以下であり、 前記V、Nb、Taの合計含有量が前記VC、NbC、
TaCに換算して30重量%以上、前記Zr、Hfの合
計含有量がZrC、HfCに換算して5重量%以下であ
り、 前記焼結硬質合金の逃げ面に対して垂直かつ合金中央部
を通る断面において、逃げ面中央部における表面から1
0μmの深さ位置での硬度をxとし、ホーニング処理部
と逃げ面との接点から逃げ面中央部に向かって0.5m
mの位置における表面から10μmの深さ位置での硬度
をyとしたとき、x>yの関係を満たすことを特徴とす
る、窒素含有焼結硬質合金。 - 【請求項11】 前記硬度xがマイクロヴィッカース硬
度で1800<x<2600、かつ前記硬度yが0.7
x<y<0.98xの関係を満たす、請求項10に記載
の窒素含有焼結硬質合金。 - 【請求項12】 前記炭素と前記窒素との含有量が重量
比率で、炭素/(炭素+窒素)が0.2以上0.8以下
であることを特徴とする、請求項10および11のいず
れかに記載の窒素含有焼結硬質合金。 - 【請求項13】 Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物の少
なくともいずれかと、周期律表6a族金属の炭化物と、
Tiを除く周期律表4a族金属および5a族金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物の少なくともいずれかとを有する
出発物質を、鉄系金属を主成分とする結合相成分と混合
し、成形して成形体を得る工程と、 前記成形体を焼結温度まで昇温し、前記焼結温度で所定
時間保持することにより焼結して焼結体を得る工程とを
備え、 前記成形体の焼結は、1300℃以上1380℃以下の
液相出現温度から前記焼結温度における保持終了までは
100Torr以上500Torr以下の窒素ガス雰囲
気中で行なわれ、さらに、 前記焼結体を前記焼結温度から1300℃以上1380
℃以下の固定温度まで真空内で冷却する工程と、 前記固定温度で100Torr以上500Torr以下
の窒素ガス雰囲気中で焼結体を5分以上10分以下の間
保持する工程と、 前記焼結体を真空中で前記固定温度から室温まで冷却す
る工程とを備えた、窒素含有焼結硬質合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP711796A JP2806336B2 (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 窒素含有焼結硬質合金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP711796A JP2806336B2 (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 窒素含有焼結硬質合金およびその製造方法 |
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- 1996-01-19 JP JP711796A patent/JP2806336B2/ja not_active Expired - Lifetime
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