JP2802372B2 - 鋳造用インゴット - Google Patents

鋳造用インゴット

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JP2802372B2 JP11686589A JP11686589A JP2802372B2 JP 2802372 B2 JP2802372 B2 JP 2802372B2 JP 11686589 A JP11686589 A JP 11686589A JP 11686589 A JP11686589 A JP 11686589A JP 2802372 B2 JP2802372 B2 JP 2802372B2
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高行 須山
勲 松本
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、鋳造用インゴットに関し、特に、高温活性
が高い材料から成る歯科用や成形外科用等の精密鋳造物
を製作するのに用いて好適な鋳造用インゴットに関する
ものである。
b.従来の技術 最近、歯科用や成形外科用の精密鋳造用の材料とし
て、生体との親和性や耐食性に優れ、かつ強度が強く比
重の小さなチタンやチタン合金等が広く用いられてい
る。
しかし、チタンの融点は1672℃と高く、しかも高温状
態の下では酸素はもちろんのことその他の殆んどのもの
と強く反応して劣化する。このようにチタンは高温活性
が極めて高いのが最大の欠点であり、その性質のために
鋳造が非常に難しいものになっている。特に酸素はチタ
ンに大量に固溶(固溶解度:10重量%以上)し、これに
起因してチタンの延伸性が阻害される。ちなみに、酸素
の固溶解度が僅か0.7重量%を超えると脆くなり、歯科
用等の鋳造製品として好ましくないものになってしま
う。
ところで、現在において広く用いられている鋳造用る
つぼの材質は酸化アルミニウム(Al2O3)或いはマグネ
ルア(MgO)から成るものが一般的であるが、このよう
な材質のるつぼでは成分中の酸素が高温のチタンと反応
(還元作用)を生じるため使用することができない。こ
のような事情から、チタンと反応しにくい酸化カルシウ
ム(CaO)或いは酸化イットリウム(Y2O3)材のものを
用いると共に、できるだけ短時間のうちにチタンを溶融
させ、これにより、チタンとるつぼとの間の反応をなる
べく抑えるようにしているのが実状である。
c.発明が解決しようとする課題 しかしながら、チタン等の如き高温活性の高い材質か
ら成る鋳造用インゴットを短時間で溶解させるようにし
た場合には溶湯の温度が低く過ぎ、湯まわりの不良を生
じ易いといった不都合を生じる。その一方、このような
不都合を解消すべく加熱時間を長くして溶融温度を高く
しようとすると、チタン材とるつぼとが互いに反応し易
くなってチタン材の酸化の進行が大きくなってしまうこ
ととなる。
本発明はこのような実状を勘案してなされたものであ
って、その目的は、チタン材又はチタン合金材を適度な
温度に溶融してもるつぼとの間に反応(酸化・還元反
応)を生じることがなく、従って酸素を含まない鋳造製
品を得ることができるような鋳造用インゴットを提供す
ることにある。
d.課題を解決するための手段 上述の目的を達成するために、本発明においては、高
温活性の高い鋳造用材料の上面を除く外表面であって、
鋳造加熱時にるつぼの内面に対向配置される部分の外表
面に、薄い酸化物層を形成するようにしている。
以下、本発明の一実施例に付き図面を参照して説明す
る。
第1図は歯科用鋳造製品を製造するための精密鋳造装
置1を示すものであって、本装置1は、互いに着脱可能
に構成された上部容器2と下部容器3とから成る密閉容
器4を具備している。上部容器2はドーム状部2aとこの
ドーム状部2aの下端に一体成形されたフランジ部2bとか
ら構成され、下部容器3には円筒状筐体部3aとこの筐体
部3aの上端に一体成形されたフランジ部3bとから構成さ
れている。そして、上部容器2及び下部容器3のフラン
ジ部2b,3bが重ね合せ状態で密着結合されて1つの密閉
容器4が構成されるようになっており、その内部空間は
下部容器3の上壁から成る隔壁5にて上下に区画されて
いる。しかして、隔壁5の上部が加圧溶解室6、その下
部が減圧鋳造室7として構成されている。
上述の加圧溶解室6内には、酸化アルミニウム等から
なる酸化アルミニウム(Al2O3)製のるつぼ8が配設さ
れている。このるつぼ8は、第2図に明示するように、
鋳物用インゴット9の収容用凹部10を有しており、第1
図において紙面に垂直な方向に延びる軸線Xを中心に矢
印A方向に回動されるように構成されている。
また、加圧溶解室6内には、るつぼ8に対応する箇所
に高周波誘導加熱コイル15が配設されている。このコイ
ル15は図外の昇降機構によって上下方向Bに移動される
ように構成されており、下降位置に配置された時には第
1図において実線で示すようにるつぼ8の上部すなわち
鋳物用インゴット9の配置部分が前記コイル15にて取り
囲まれるようになっている。
また、加圧溶解室6と減圧鋳造室7とを区画する隔壁
5には、減圧鋳造室7内に突出する有底円筒状の鋳型受
け16が一体成形されており、この鋳型受け16の底部にこ
れらの室6,7を互いに連通する連通孔17が形成されてい
る。そして、湯口18及び造形空洞19を有する通気性の鋳
型20が前記鋳型受け16内に配置され、連通孔17が鋳型20
にて閉塞されている。なお、鋳型20の湯口18は、上方に
向けて開口しており、前記支持部材12の載置台21に形成
された開孔22に対応配置されている。
また、図示を省略したが、加圧溶解室6には鋳造用イ
ンゴット9の酸化防止のためにアルゴンガス等の如き不
活性ガスが供給されるように構成され、減圧鋳造室7に
は密閉容器4内を真空状態にするための真空ポンプが配
設されている。
次に、上述の精密鋳造装置1に用いられる鋳造用イン
ゴット9に付き述べる。
このインゴット9は、第2図(A),(B)及び
(C)に示す如く直方体形状,円錐台形状あるいは平板
形状等に成形されたチタン材23の所定の外表面に第3図
(A),(B)及び(C)に示す如く薄い酸化物層(Ti
O層)24を形成してなるものである。更に詳述すれば、
チタン材23の外表面のうち、上面23aを除く全外表面に
酸化物層24が形成されたものである。このようなインゴ
ット9を製造するに際しては、第2図(A),(B),
(C)にそれぞれ示す如く、チタン材23の上面23aを除
く全外表面に高周波誘導加熱コイル25を対向配置し、酸
素雰囲気中でこれらの最表面を短時間のうちに600℃以
上の温度に急速加熱する。なおこの場合、加熱層の厚さ
(ひいては酸化物層24の厚さ)をなるべく薄くするため
に高周波誘導加熱コイル25に供給する電源の周波数を高
くすると共に、加熱中の熱伝導によるチタン材23の内部
への熱移動を極力抑えるために加熱時間を0.5秒〜1.0程
度の短い時間とするのが望ましい。さらに、加熱後にお
ける酸化物層24の厚さをできるだけ薄くするために冷却
水(水道水等)を加熱後のチタン材23に噴射して常温に
まで急速冷却させるのが望ましい。
次に、上述の如き構成の精密鋳造装置1及び鋳造用イ
ンゴット9を用いて精密鋳造方を行なう際の操作及び作
用に付き述べる。
まず、上部容器2を開蓋して鋳型受け16内に所定の鋳
型20を収納すると共に、第1図及び第4図に示すように
水平に保持されたるつぼ8の凹部10内に固形の鋳造用イ
ンゴット9を置く。なおこの場合、第5図に示すよう
に、インゴット9の酸化物層24がるつぼ8の凹部10に対
応するように配置する。しかる後、上部容器2を閉蓋し
てフランジ部2b,3bを密着結合状態とし、図外の真空ポ
ンプにて密閉容器4内の空気を抜いて真空状態にする。
次いで、加圧溶解室6内にアルゴンガス等の不活性ガス
を注入して所定の圧力(例えば、10〜760トル)に加圧
し、加圧溶解室6と減圧鋳造室7との間に所定の圧力差
を付与せしめる。
このような状態に設定した後に、高周波誘導加熱コイ
ル15に電源を供給して鋳造用インゴット9を高周波誘導
加熱する。この際、インゴット9のチタン材23部分の融
点は1672℃程度であるのに対し酸化物層24の融点は1855
℃程度であるため、加熱温度を1672℃〜1855℃の間の温
度(例えば1750℃程度)に設定することにより、酸化物
層24が固形状態を維持した状態の下でチタン材23のみを
溶融させることができる。なお、溶融されたチタン材23
は第4図において一点鎖線で示す如くになる。従ってこ
の場合には上述の如く酸化物層24が溶融されずに固形の
まま残存するため、溶融したチタン材23がるつぼ8の凹
部10の表面に接触することがなく、チタン材23がるつぼ
8と反応して酸化されることがない。
かくして、インゴット9のチタン材23部分が溶融され
たのを確認した後に、図外のるつぼ回動用エアシリンダ
を作動させることにより、るつぼ8を第1図において矢
印A方向に回動させて傾斜させる。これに伴い、溶融状
態のチタン材23が固形状態の酸化物層24によって取り囲
まれた領域内から流れ出て下方の鋳型20に向けて落下
し、鋳型20の湯口18を介して造形空洞19内に注入されて
自然冷却される。これにより、所定形状の歯科用鋳造製
品が得られる。
以上、本発明の一実施例に付き説明したが、本発明は
既述の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術
的思想に基いて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、酸化物層24を形成するための手段としては高
周波誘導加熱コイル25に限らず、燃料炉中においてチタ
ン材23の全表面に薄い酸化物層を形成して、その後にチ
タン材23の上面を切削して上面の酸化物層を除去するよ
うにしてもよい。また、鋳造用インゴット9の形状は第
2図(A),(B),(C)に示される形状に限定され
るものではなく、回転楕円体形状や逆三角錐形状等のも
のであっても本発明を適用できる。また、チタン合金や
チタン材23以外の高温活性の高い各種の材質のインゴッ
トに対しても本発明を適用し得る。
また、本発明に係る鋳造用インゴット9は、鋳型20を
回転させてその遠心力を利用して鋳造するようにした遠
心鋳造装置にも適用できることは言う迄もない。
e.発明の効果 以上の如く、本発明は、高温活性の高い鋳造用材料の
上面を除く外表面に薄い酸化物層を形成するようにした
ものであるから、鋳造加熱時に前記酸化物層をるつぼの
内面に対応するように配置させて適当な温度に加熱する
ことにより、酸化物層に取り囲まれた部分すなわち酸化
物層よりも融点が低い材料部分のみが溶融され、融点の
高い酸化物層は固形のまま残存することとなる。その結
果、融解された鋳造用材料がるつぼの内面に密着状態で
接触して酸化されてしまうような事態の発生を確実に防
止でき、酸素を含まない性質の良い鋳造製品を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を説明するためのものであっ
て、第1図は精密鋳造装置の断面図、第2図(A),
(B)及び(C)は鋳造用インゴットを製造するために
高周波誘導加熱コイルを鋳造用インゴットに対応配置し
た状態をそれぞれ示す断面図、第3図(A),(B)及
び(C)は酸化物層を有する鋳造用インゴットをそれぞ
れ示す断面図、第4図は鋳造用インゴットがるつぼ内に
入れられた状態を示す拡大断面図である。 1……精密鋳造装置、6……加圧溶解室、 7……減圧鋳造室、8……るつぼ、 9……鋳造用インゴット、10……凹部、 15,25……高周波誘導加熱コイル、 20……鋳型、23……チタン材、 23a……上面、24……酸化物層(TiO層)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 23/00,21/02 A61C 5/10,13/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温活性の高い鋳造用材料の上面を除く外
    表面であって、鋳造加熱時にるつぼの内面に対向配置さ
    れる部分の外表面に、薄い酸化物層を形成したことを特
    徴とする鋳造用インゴット。
  2. 【請求項2】前記酸化物層が前記鋳造用材料の上面を除
    く外表面の全部であることを特徴とする特許請求の範囲
    第(1)項に記載の鋳造用インゴット。
  3. 【請求項3】前記鋳造用材料がチタンであり、かつ、前
    記酸化物層が酸化チタンであることを特徴とする特許請
    求の範囲第(1)項又は第(2)項に記載の鋳造用イン
    ゴット。
JP11686589A 1989-05-10 1989-05-10 鋳造用インゴット Expired - Lifetime JP2802372B2 (ja)

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