JPH04182052A - ＴｉまたはＴｉ基合金用精密鋳造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野］ ＴｉまたはＴｉ基合金の精密鋳造装置に係り、特に歯科
用補綴具等の極小型精密鋳造品を簡易に鋳造できる精密
鋳造装置の改良に関するものである。

（従来の技術） ＴｉおよびＴｉ基合金は、優れた耐食性、機械的特性を
有するとともに、鉄基、コバルト基合金に比べ、約６０
％程度と軽く、かつ生体安全性が高い利点を有し、人工
骨、歯科用補綴具として注目されている。

一方、Ｔｉは酸素、窒素、炭素等の元素との親和力が著
しく高く、かつこれらの元素の吸収により硬化、脆化な
どの材質劣化を起こすため、その溶解、鋳造には高価な
設備、高度の技術を要し、歯科用補綴具のごとく複雑か
つ極小型の精密鋳造品の鋳造は極めて困難とされている
。

これに対して、溶解方法に関しては周知の電気アーク溶
解法の他、 （１）溶解ルツボおよび鋳型の溶湯に接する部分にカル
シア質耐火材を用い、かつ溶湯に接する部分を真空また
は不活性ガス雰囲気とする方法（実開昭６３−４０９１
１号、実開昭６３−４０９０９号）が提案されており、
また鋳造方法に関しては、（２）底部に貫通孔を有する
ルツボを鋳型上方に配置し、容器内を加圧して貫通孔か
ら溶湯が落下しない状態で溶解し、しかる後ルツボ内を
加圧し、射出鋳造する方法（特開昭６３−１９４８６１
号）（３）水平回転する遠心鋳造装置真上に、開孔部を
有するルツボを配し、アーク溶解した溶湯を自然落下さ
せる方法（特開昭６２−２６７０５２号）などが提案さ
れている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、 （１，）溶解または溶湯保持のため、酸化物、窒化物系
耐火材を用いた場合には、実用的に入手し得る材質では
、酸素（以下〔０］と表示）、窒素（以下［Ｎ］　と表
示）の解離吸収は不可避であり、本願発明者らの経験に
よれば比較的安定な高純度カルシア（酸化カルシウム）
ルツボを用いて・も、１６００℃以上かつ０，５気圧以
下の減圧不活性雰囲気下では、解離カルシウム蒸気によ
る炉内汚染および〔０１の上昇は不可避であり、その軽
減には高度の技術を要する問題点が残る。

（２）ＴｉおよびＴｉ基合金は、湯流れ性が鉄基合金な
どの通常の合金に比べ著しく悪く、薄肉部を有する複雑
形状鋳物では遠心鋳造を必要とするが、特に小物では遠
心力付与のタイミングに高度の技術を要し、適切な湯温
の溶湯を短時間に遠心鋳造装置回転軸上の湯口内に正確
に注湯する必要がある。

（３）この手段として前述のガス圧コントロールによる
方法は、工業的には優れた方法であるが、ガス圧コント
ロールには、複雑な制御機構と高度の技術を要し、歯科
用部品などの鋳造装置としては適さない。

（４）もう一つの提案である電気アーク溶解した溶湯を
、底部に開口をもつルツボを介して自然落下する方法で
は、アーク溶解の速度が遅く、鋳込み速度のコントロー
ルが困難である問題点がある。

（５）さらにＴｉ合金の溶解に一般的に用いられる傾注
式の水冷ルツボで用いられたスカル溶解法では、傾注速
度のコントロールに高度の技価を要し、かつ少量の溶湯
の場合にはスカルと称される残湯の相対比率が著しく大
きくなり不経済である。

本発明の目的は、上記の問題点を解消し、かつ簡易な精
密鋳造装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段１ 本発明は、溶解装置および遠心鋳造装置を内部に配した
気密容器と、該容器内を減圧するための真空排気系と、
減圧された該容器内に不活性ガスを導入するための不活
性ガス供給装置と、鋳型を支持し、かつ遠心力を付与す
るための水平回転台およびその駆動装置とを有する精密
鋳造装置において、溶解装置が浮揚コイルと誘導溶解コ
イルとによって構成される浮遊溶解装置であり、かつそ
の軸芯が水平回転台の軸芯に一致し、水平回転台上の鋳
型の直上に配されていることを特徴とするＴｉまたはＴ
ｉ基合金用精密鋳造装置である。

溶解装置として、浮揚コイルを有する誘導溶解設備を採
用することにより、溶湯は浮遊して耐火物もしくは水冷
銅ルツボと非接触かもしくは、わずかな部分でのみ接触
する程度であるため、溶湯の汚染あるいは冷却を受ける
ことなく、溶解を行うことができる。また、所要の温度
に容易にかつ正確に調整でき、しかも溶湯コイルの電流
を切ることにより、正確かつ極く短時間に所定量の溶湯
を給湯できる。さらには、誘導撹拌と雰囲気調整により
他の方法では不可避である脱ガス精錬も可能である。

浮遊溶解装置として、浮揚コイルと誘導溶解コイルとを
一体とすることはできるが、浮揚力を調整するには分離
タイプがより望ましい。

また必要により、溶解母材の自動供給装置、鋳型の自動
交換装置等を付設する二とができる。

〔実施例］ 以下に図面により本発明をさらに詳細に説明する。

第１図は、本発明の実施例に係る精密鋳造装置の要部を
示す断面図である。気密容器ｌは溶解、鋳型などの精密
鋳造装置を収納し、内部雰囲気を真空または不活性雰囲
気に保つ容器であって、真空排気管３、不活性ガス導入
管４を介して真空ポンプ、不活性ガス供給装置（図示略
）に接続され、所用の減圧雰囲気、不活性ガス雰囲気に
コントロ−ルされる。

鋳型９を収容する鋳型枠１０は脱着可能で、鋳型クラン
プ８により回転台６に固定される。この回転台６は回転
軸７によって外部の駆動系（図示路）で伝達され、所要
の回転数で回転する。回転軸は軸受５によって支承され
、気密シールされている。

遠心鋳造の際の回転数は、鋳造する製品の形状等によっ
て異なるが、１ｍｍ程度の肉厚の場合には、製品部の加
速度が１．５〜５Ｇ程度が適当である。

鋳型真上には、軸芯が回転中心となるよう浮揚コイル１
】と誘導溶解コイル１２が配置され、それぞれ水冷ケー
ブルを介して外部の電源装置（図示路）に接続されてい
る。コイル系は常に鋳型真上となるよう昇降機構により
調整される。

溶解は所要の母材をコイル系にセットし、浮揚状態で行
なわれ、光高温計など適宜の手段により所定の鋳込温度
まで溶解昇温され、所要の温度に達したら、浮揚コイル
電流を切り所定の回転速度に回転させた鋳型内に落下さ
せることで短時間に所要の給湯を行なう。

［発明の効果］ 本発明装置を用いることにより、歯科用補綴具など複雑
かつ極小型の精密鋳造品を、簡易に熟練を要することな
く製造できる。

浮遊溶解法により、耐火物等からの汚染はなく、清浄か
つ高靭性の精密鋳造品を得ることができ、適切な遠心鋳
造条件により緻密かつ健全なものが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明装置の実施例を示す縦断面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）溶解装置および遠心鋳造装置を内部に配した気密
   容器と、該容器内を減圧するための真空排気系と、減圧
   された該容器内に不活性ガスを導入するための不活性ガ
   ス供給装置と、鋳型を支持し、かつ遠心力を付与するた
   めの水平回転台およびその駆動装置とを有する精密鋳造
   装置において、溶解装置が浮揚コイルと誘導溶解コイル
   とによって構成される浮遊溶解装置であり、かつその軸
   芯が水平回転台の軸芯に一致し、水平回転台上の鋳型の
   直上に配されていることを特徴とするＴｉまたはＴｉ基
   合金用精密鋳造装置。