JP2799650B2 - 棚段式蒸留塔 - Google Patents

棚段式蒸留塔

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JP2799650B2
JP2799650B2 JP26546492A JP26546492A JP2799650B2 JP 2799650 B2 JP2799650 B2 JP 2799650B2 JP 26546492 A JP26546492 A JP 26546492A JP 26546492 A JP26546492 A JP 26546492A JP 2799650 B2 JP2799650 B2 JP 2799650B2
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英至 栗本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油製品等の蒸留に使
用される棚段式蒸留塔に関し、詳しくは、リフラックス
流を吐出するディストリビュータパイプの直下に配置さ
れた4パスフロータイプのトレイ上の多数のキャップが
腐蝕や酸化により脱落するのを未然に防止でき、併せて
蒸留効率も向上できるように改良した棚段式蒸留塔に関
する。
【0002】
【従来の技術】石油製品等の蒸留に使用される蒸留塔と
して、円筒形の塔内に適当な間隔で多数の棚段を設け、
各棚段で蒸気と蒸留液との接触を段階的に行なわせるよ
うにした棚段式蒸留塔が、従来一般に知られている。
【0003】図6、図7はこのような棚段式蒸留塔の最
上部の内部構造を示す側面説明図および平面説明図であ
る(図6は、図7におけるV方向矢視図)。これらの図
に示すように、棚段式蒸留塔aの内部には上方から下方
に向かってディストリビュータパイプb、4パスフロー
タイプの#1トレイc、#2トレイd、#3トレイeな
どが順次設置されている。
【0004】ディストリビュータパイプbは、棚段式蒸
留塔aの外部において、図示はしない還流管路を介して
吸引ポンプの吐出側に連通し、吸引ポンプの作動時にリ
フラックス流を棚段式蒸留塔aの内部に吐出するもので
ある。ここで、ディストリビュータパイプbは、直管状
をなして略水平に延び、その外端が還流管路に連通する
流入パイプb1と、この流入パイプb1の下方に位置し
て略水平に設置された4本の枝管b2,b3,b4,b
5を有する十字形の吐出パイプと、この吐出パイプの中
央の分岐管b6と上記流入パイプb1の内端とを相互に
連通するエルボ管b7とにより構成されている。
【0005】また、#1トレイcは、上昇して来る蒸気
を該トレイc上に導き、かつ該蒸気と蒸留液との接触を
行わせるための多数(数百〜数千個)のキャップfが略
全面に設けられたもので、相互に平行な一対のダウンカ
マー部c1,c2によりセンター部c3と一対のサイド
部c4,c5とに分割されている。これに対応して十字
形の吐出パイプは、4本の枝管b2〜b5のうちのダウ
ンカマー部c1,c2に平行な2本b3,b5がセンタ
ー部c3の上方に、ダウンカマー部c1と直交する1本
b2の先端部がサイド部c4の上方に、またダウンカマ
ー部c2と直交する他の1本b4の先端部がサイド部c
5の上方にそれぞれ臨設されている。そして、このよう
なディストリビュータパイプbは、吸引ポンプの作動時
に、リフラックス流を十字形の吐出パイプの各枝管b1
〜b5の先端部下面から#1トレイcのセンター部c3
および一対のサイド部c4,c5に向けて吐出するよう
になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図6、図7
に示した従来例では、ディストリビュータパイプbの流
入パイプb1の内端と、吐出パイプの中央の分岐管b6
とをエルボ管b7を介して連通しているため、エルボ管
b7の内曲面大径側にリフラックス流の動圧が作用し、
これより下流側でリフラックス流に偏流が生じる。この
ため、4本の枝管b2,b3,b4,b5に流入するリ
フラックス流の流量は不均一になり、それに応じて各枝
管b2〜b5から吐出されるリフラックス流の吐出量も
不均一となる。すなわち、流入パイプb1から見てUタ
ーンして戻る方向に延びる2本の枝管b2,b3からの
吐出量が不足し、他の2本の枝管b4,b5からの吐出
量が増大する傾向にあった。
【0007】この結果、#1トレイcのセンター部c3
ではダウンカマー部c1,c2に向かうリフラックス流
に偏流が生じ、またサイド部c4ではリフラックス流の
レベル変動が大きくなって多数のキャップfが蒸気中へ
の露出とリフラックス流中への浸漬とを繰り返す傾向が
あった。
【0008】リフラックス流には一般に塩化水素や硫黄
化合物などの腐蝕性物質が含まれているので、リフラッ
クス流に偏流が生じると、これらの腐蝕性物質が一部の
キャップf上に堆積し易くなる。また、リフラックス流
の偏流により、一部のキャップfは、蒸気中への露出と
リフラックス流中への浸漬とを頻繁に繰り返し、酸化が
進行し易くなる。このように、従来は、一部のキャップ
fが腐蝕や酸化の危険に晒され、その結果、棚段式蒸留
塔aの年間使用において、キャップfの全量(例えば2
500個)の約1/3程度である800個程が脱落する
という問題があった。
【0009】本発明は、上記のような問題を解決するた
めに提案されたものであって、ディストリビュータパイ
プの直下に配置された4パスフロータイプのトレイ上の
多数のキャップが腐蝕や酸化により脱落するのを未然に
防止し、併せて蒸留効率も向上できる棚段式蒸留塔を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明の棚段式蒸留塔は、相互に平行な複数(2
つ)のダウンカマー部により分割されたセンター部およ
び一対のサイド部にそれぞれ多数のキャップを有する4
パスフロータイプのトレイと、このトレイの上方に設置
されて還流管路からのリフラックス流を上記センター部
および一対のサイド部に分配して吐出するディストリビ
ュータパイプとを備えた棚段式蒸留塔において、上記デ
ィストリビュータパイプは、略水平に配置された直管状
をなして、外端が上記還流管路に連通するリフラックス
流の流入パイプと、略水平に配置された十字形をなし
て、中央の分岐部がT字管を介して上記流入パイプの内
端に連通し、上記センター部および一対のサイド部に臨
む部分の下面からリフラックス流を吐出する吐出パイプ
と、で構成し、上記T字管は、直管部の一端を上記流入
パイプの内端に連通し、直管部の他端を閉塞し、直管部
と直角な分岐端を上記吐出パイプの分岐部に連通させて
なることを特徴とする。
【0011】また、このような手段に付加して、トレイ
のセンター部および一対のサイド部に、ディストリビュ
ータパイプの吐出パイプから吐出されるリフラックス流
を一定量せき止めるウェアをそれぞれ上記ダウンカマー
部と平行に設置したことを特徴としている。
【0012】さらに、これらの手段に付加して、ディス
トリビュータパイプの吐出パイプの分岐部より下流側に
それぞれオリフィスを設置したことをも特徴とする。
【0013】
【作用】このような手段を採用した棚段式蒸留塔におい
ては、還流管路からディストリビュータパイプの流入パ
イプの外端に流入したリフラックス流は、流入パイプの
内端からT字管を介して吐出パイプの分岐部に流入し、
この吐出パイプにより4分配されて4パスフロータイプ
のトレイのセンター部および一対のサイド部に吐出され
る。吐出されたリフラックス流は、複数(2つ)のダウ
ンカマー部から溢流して下降する。
【0014】ここで、上記T字管は、直管部の一端が流
入パイプの内端に連通して直管部の他端が閉塞し、直管
部と直角な分岐端が吐出パイプの分岐部に連通している
ので、流入パイプの内端からT字管に流入したリフラッ
クス流は、直管部の閉塞端に衝突して動圧が吸収され
る。動圧が吸収されたリフラックス流が偏流を生じるこ
となくT字管の分岐端から吐出パイプの分岐部に流入す
ることで、十字型の吐出パイプ内にはリフラックス流が
略均等に4分配される。これにより、トレイのセンター
部および一対のサイド部には所定の分配比率でリフラッ
クス流が吐出され、吐出されたリフラックス流は、上記
センター部および一対のサイド部に設けられている多数
のキャップを常に浸漬した状態で、滞留することなく、
ダウンカマー部から溢流して下降する。
【0015】また、トレイのセンター部および一対のサ
イド部に、ディストリビュータパイプの吐出パイプから
吐出されるリフラックス流を一定量せき止めるウェア
を、それぞれ、ダウンカマー部と平行に設置して付加し
た構成のものでは、上記各ウェアを乗り越えたリフラッ
クス流が偏流を生じることなく平行流となってダウンカ
マー部に向かうので、上記多数のキャップをより確実に
浸漬するようになる。
【0016】さらに、ディストリビュータパイプにおけ
る吐出パイプの分岐部より下流側にそれぞれオリフィス
を設置して付加した構成のものでは、十字型の吐出パイ
プから4分配して吐出されるリフラックス流の吐出量が
正確に制御されるので、4パスフロートレイのセンター
部および一対のサイド部にはより正確な分配比率でリフ
ラックス流が吐出される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付の図面を参照
して具体的に説明する。図3は、本発明の一実施例が適
用される棚段式蒸留塔1の全体概略構成を模式的に示し
ている。この棚段式蒸留塔1は、常圧下で、所定の温度
に加熱された原料が、原料管路2を介して、該塔1の上
下方向の略中央下部に、連続的に供給されるもので、内
部には、図示省略した多数の棚段が所定間隔で設置さ
れ、各棚段で蒸気と蒸留液との接触が段階的に行なわれ
るようになっている。この棚段式蒸留塔1の最上部から
最下部に至るまで、例えば、軽質ナフサ、重質ナフサ、
灯油、軽油、残油(なお、図3では、説明の便宜上、最
上部の軽質ナフサLN、略中央上部の軽油GO、および
最下部の残油ROのみを示す)の順で、それぞれ連続的
に蒸留される。
【0018】原料管路2からの原料は棚段式蒸留塔1の
最上部位置まで液化することなく上昇し、ここでリフラ
ックス留分と接触して液化した軽質ナフサLNは、第1
吸引ポンプ3の吸引により、抜出し管路4を介して塔頂
部よりガス分とともに抜出され、リフラックスタンク4
aにてガスG分と分離され、液分(水と軽質ナフサ)の
うち上層のナフサの一部が製品ナフサLNとして製品管
路5から取り出され、残りの所定流量のナフサが還流管
路6を介してリフラックス留分として棚段式蒸留塔1内
の最上部位置に還流されるようになっている。
【0019】同様に、略中央上部位置まで上昇し、ここ
で下記のリフラックス留分と接触して液化した軽油GO
は、第2吸引ポンプ7の吸引により、抜出し管路8を介
して抜出され、そのうち一部が製品として製品管路9か
ら取り出され、残りの所定流量がリフラックス留分とし
て還流管路10を介して略中央上部位置に還流されるよ
うになっている。
【0020】また、棚段式蒸留塔1の下部位置に流下し
た残油ROは、第3吸引ポンプ11の吸引により、抜出
し管路12を介して所定流量が抜出され、そのうち一部
が製品として製品管路13から取り出され、残りの所定
流量が還流管路14を介して下部位置に還流されるよう
になっている。
【0021】還流管路6は、図1、図2(図1は、図2
におけるU方向矢視図)に例示するように、棚段式蒸留
塔1の外壁1Aを貫通するディストリビュータパイプ1
5の流入パイプ15Aの外端に連通している。このディ
ストリビュータパイプ15の下方には、4パスフロータ
イプの#1トレイ16、#2トレイ17、#3トレイ1
8などが順次設置されている。
【0022】ディストリビュータパイプ15は、直管状
をなして略水平に延びる流入パイプ15Aと、この流入
パイプ15Aの下方に位置して略水平に設置された4本
の枝管15B1,15B2,15B3,15B4を有す
る十字形の吐出パイプ15Bと、この吐出パイプ15B
の中央の分岐部である分岐管15B5と流入パイプ15
Aの内端とを相互に連通するT字管15Cとにより構成
されている。また、#1トレイ16は、蒸気と蒸留液と
の接触を行わせるための多数のキャップ16A(例えば
2500個)が略全面に設けられたもので、相互に平行
な2つのダウンカマー部16B,16Cによりセンター
部16Dと一対のサイド部16E,16Fとに分割され
ている。
【0023】これに対応して、十字形の吐出パイプ15
Bは、4本の枝管15B1,15B2,15B3,15
B4のうちの、2本の枝管15B2,15B4がダウン
カマー部16B,16Cと平行してセンター部16Dの
上方に臨設され、他の2本の枝管15B1、15B3が
それぞれダウンカマー部16B,16Cと直交してい
る。
【0024】ここで、センター部16Dの上方に臨む2
本の枝管15B2,15B4は、下面にリフラックス流
を吐出するスリットを有するもので、先端は閉塞されて
いる。また、他の2本の枝管15B1、15B3は、両
端が閉塞して、下面にリフラックス流を吐出するスリッ
トを有する先端管15B6,15B7をそれぞれの先端
部に直交状態で連接し、これらの先端管15B6,15
B7を#1トレイ16のサイド部16E,16Fの上方
にそれぞれ臨設させている。
【0025】一方、#1トレイ16のセンター部16D
上には、吐出パイプ15Bの枝管15B2,15B4か
ら吐出されるリフラックス流を一定量せき止める一対の
ウェア16Gが、ダウンカマー部16B,16Cと平行
に立設されている。また、#1トレイ16のサイド部1
6E,16F上には、吐出パイプ15Bにおける枝管1
5B1、15B3の先端の先端管15B6,15B7か
ら吐出されるリフラックス流を一定量せき止めるウェア
16H,16Iが、それぞれダウンカマー部16B,1
6Cと平行に立設されている。
【0026】ここで、ディストリビュータパイプ15の
一部を構成するT字管15Cは、図4に拡大して示すよ
うに、直管部15C1の一端が流入パイプ15Aの内端
に連通し、直管部15C1の他端が閉塞している。そし
て、直管部15C1と直角に下降する分岐部15C2の
端部が、分岐管15B5に連通している。
【0027】以上のように構成される棚段式蒸留塔1の
作用を以下に説明する。棚段式蒸留塔1の稼働時におい
て、例えば第1吸引ポンプ3が作動している場合、その
吐出側から、還流管路6を介して、リフラックス留分が
ディストリビュータパイプ15の流入パイプ15Aに流
入する。流入パイプ15Aに流入したリフラックス流
は、流入パイプ15Aの内端からT字管15Cを介して
吐出パイプ15Bの分岐管15B5に流入し、吐出パイ
プ15Bの4本の枝管15B1〜15B4内に分流す
る。分流したリフラックス流は、枝管15B2,15B
4の下面から、#1トレイ16のセンター部16Dにお
ける一対のウェア16G,16G間に、吐出されると共
に、枝管15B1,15B3の先端の先端管15B6,
15B7の下面から、サイド部16Eのウェア16Hと
棚段式蒸留塔1の外壁1Aとの間、およびサイド部16
Fのウェア16Iと外壁1Aとの間に、それぞれ吐出さ
れる。
【0028】ここで、リフラックス流が流入パイプ15
AからT字管15Cを通過して分岐管15B5へと流入
する際、流入パイプ15Aからのリフラックス流は、図
4に示すように、T字管15Cの直管部15C1の閉塞
端に衝突して動圧が吸収される。このため、リフラック
ス流は、偏流を生じることなく、T字管15Cの分岐部
15C2から下方の分岐管15B5へと流入するのであ
り、吐出パイプ15Bの4本の枝管15B1〜15B4
内には、リフラックス流が略均等に4分配して分流す
る。言い換えれば、#1トレイ16のセンター部16D
における一対のウェア16G,16G間、サイド部16
Eのウェア16Hと棚段式蒸留塔1の外壁1Aとの間、
およびサイド部16Fのウェア16Iと外壁1Aとの間
には、それぞれ、2:1:1の所定比率でリフラックス
流が吐出される。
【0029】こうして#1トレイ16のセンター部16
Dおよびサイド部16E,16F上に吐出されたリフラ
ックス流は、一対のウェア16G,16Gおよび他のウ
ェア16H,16Iをそれぞれ乗り越え、滞留すること
なく、4フローの平行流となって、多数のキャップ16
Aを確実に浸漬しつつ、各ダウンカマー部16B,16
Cに向かい、そこから溢流して下方の#2トレイ17上
に流下する。
【0030】このように、リフラックス流が滞留するこ
となく4フローの平行流となって多数のキャップ16A
を確実に浸漬するので、リフラックス流に含まれる腐蝕
物質が#1トレイ16上(特に、一部のキャップ16A
上)に長く滞留したり、あるいは一部のキャップ16A
が蒸気中に露出することがなくなり、一部のキャップ1
6Aが腐蝕や酸化により脱落する事故が未然に防止され
る。また、全てのキャップ16Aがリフラックス流に確
実に浸漬されるため、該キャップ16Aから上昇して来
る蒸気と蒸留液であるリフラックス流との接触が充分に
行われ、蒸留効率も向上する。
【0031】図5は、ディストリビュータパイプ15の
十字形の吐出パイプ15Bにおける各枝管15B1〜1
5B4から吐出されるリフラックス流の流量m/h
を、理論値および従来値と比較するために、1/10の
モデルにて、リフラックス流として水流を用いて実験し
た結果を示している。図5において、太線Aは理論上の
流量、細線Bは上記の一実施例に相当する流量、破線C
は従来例における流量をそれぞれ示しており、一実施例
に相当する流量(細線B)が従来例における流量(破線
C)に較べて理論上の流量(太線A)に極めて近く、各
枝管15B1〜15B4から吐出されるリフラックス流
の流量が略均等であることが分かる。
【0032】また、上記実施例におけるディストリビュ
ータパイプ15の吐出パイプ15Bを構成する各枝管1
5B1〜15B4中には、例えば分岐管15B5の直下
流に位置してオリフィスをそれぞれ設置(設置位置19
のみを示し、オリフィス自体は図示省略)することがで
きる。図5中、一点鎖線Dは、4個のオリフィスによ
り、その下流側の流速を上流側の流速の1/2に低下し
た場合を示し、二点鎖線Eは、4個のオリフィスによ
り、その下流側の流速を上流側の流速の1/5に低下し
た場合を示している。このように、各枝管15B1〜1
5B4中にオリフィスを設置した場合には、各枝管15
B1〜15B4から吐出されるリフラックス流の流量比
を理論上の流量比により近づけることができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明の棚段式蒸留
塔においては、以下の効果を奏することができる。 (1)直管部の一端が流入パイプの内端に連通して直管
部の他端が閉塞し、直管部と直角な分岐端が吐出パイプ
の分岐部に連通したT字管を用いているため、流入パイ
プの内端からT字管に流入したリフラックス流は、直管
部の閉塞端に衝突して動圧が吸収される。これにより、
動圧が吸収されたリフラックス流を、偏流を生じること
なく、T字管の分岐端から吐出パイプの分岐部に流入さ
せることができ、十字型の吐出パイプ内にはリフラック
ス流が略均等に4分配される。したがって、リフラック
ス流に含まれる腐蝕物質が4パスフロートレイトレイ上
に長く滞留したり、あるいはリフラックス流が減少して
4パスフロートレイ上のキャップが露出することを回避
でき、キャップが腐蝕や酸化により脱落する事故を未然
に防止することができる。
【0034】(2)トレイのセンター部および一対のサ
イド部に、吐出パイプから吐出されるリフラックス流を
一定量せき止めるウェアをそれぞれダウンカマー部と平
行に設置して付加した場合には、上記各ウェアを乗り越
えたリフラックス流が、偏流を生じることなく、平行流
となってダウンカマー部に向かうので、上記多数のキャ
ップをより確実に浸漬することができ、上記キャップの
露出をより確実に回避することができる。
【0035】(3)ディストリビュータパイプにおける
吐出パイプの分岐部より下流側にそれぞれオリフィスを
設置した場合には、十字型の吐出パイプから4分配して
吐出されるフラックス流の吐出量が正確に制御されるの
で、トレイのセンター部および一対のサイド部には、よ
り正確な分配比率でリフラックス流を吐出することがで
きる。
【0036】(4)既存棚段式蒸留塔に小規模な改造を
加えるのみで、本発明を構成することもできるので、実
施に要するコストを極めて低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構造を示す縦断面図で
ある。
【図2】本発明の一実施例の要部構造を示す横断面図で
ある。
【図3】本発明の一実施例が適用される棚段式蒸留塔の
全体概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施例におけるT字管付近の部分拡
大断面図である。
【図5】本発明の一実施例におけるリフラックス流の分
配流量比を示すグラフである。
【図6】従来例の要部構造を示す図1に対応した縦断面
図である。
【図7】従来例の要部構造を示す図2に対応した横断面
図である。
【符号の説明】
1 棚段式蒸留塔 1A 外壁 15 ディストリビュータパイプ 15A 流入パイプ 15B 吐出パイプ 15B1〜15B4 枝管 15B5 分岐管 15B6,15B7 先端管 15C T字管 16 #1トレイ 16A キャップ 16B,16C ダウンカマー部 16D センター部 16E,16F サイド部 16G〜16I ウェア 17 #2トレイ 18 #3トレイ
フロントページの続き (72)発明者 大本 速實 千葉県市原市五井海岸2番地 コスモ石 油株式会社 千葉製油所内 (56)参考文献 特開 昭63−141605(JP,A) 実開 昭59−7002(JP,U) 実開 平6−21701(JP,U) 実開 昭60−193234(JP,U) 実開 昭56−24901(JP,U) 実公 昭45−9984(JP,Y1) 実公 昭41−22212(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 3/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に平行な複数のダウンカマー部によ
    り分割されたセンター部および一対のサイド部にそれぞ
    れ多数のキャップを有する4パスフロータイプのトレイ
    と、このトレイの上方に設置されて還流管路からのリフ
    ラックス流を上記センター部および一対のサイド部に分
    配して吐出するディストリビュータパイプとを備えた棚
    段式蒸留塔において、 上記ディストリビュータパイプは、 略水平に配置された直管状をなして、外端が上記還流管
    路に連通するリフラックス流の流入パイプと、 略水平に配置された十字形をなして、中央の分岐部がT
    字管を介して上記流入パイプの内端に連通し、上記セン
    ター部および一対のサイド部に臨む部分の下面からリフ
    ラックス流を吐出する吐出パイプと、で構成し、 上記T字管は、直管部の一端を上記流入パイプの内端に
    連通し、直管部の他端を閉塞し、直管部と直角な分岐端
    を上記吐出パイプの分岐部に連通させてなることを特徴
    とする棚段式蒸留塔。
  2. 【請求項2】 上記トレイのセンター部および一対のサ
    イド部には、ディストリビュータパイプの吐出パイプか
    ら吐出されるリフラックス流を一定量せき止めるウェア
    をそれぞれ上記ダウンカマー部と平行に設置したことを
    特徴とする請求項1記載の棚段式蒸留塔。
  3. 【請求項3】 上記ディストリビュータパイプの吐出パ
    イプには、分岐部より下流側にそれぞれオリフィスを設
    置したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    棚段式蒸留塔。
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