JP2797062B2 - 歯科処理装置の案内装置 - Google Patents

歯科処理装置の案内装置

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  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Dental Tools And Instruments Or Auxiliary Dental Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科処理装置、特にエ
アータービンで駆動される切削刃で構成される歯科処理
装置の案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、歯科治療に際して歯牙の切削を行
うに当たっては、ハンドピースにエアータービンで駆動
される切削工具を装着した歯科処理装置を用いている
が、その取扱は歯科医の経験と技術に依存するところが
大きく極めて困難な作業であり、歯科医によって歯科処
理が大幅に異なっているのが実情である。特に、歯科補
綴物を被覆するために、歯牙を切削して歯台歯を作る
際、歯科用ハンドピースを指に固定して複雑な切削作業
を行っているのが現状である。
【0003】図6には、前記切削処理により歯台歯を作
った臼歯及び処理前の臼歯の形状の一例を示している。
図6において、図6の(A)は、臼歯1の頬側を、図6
の(B)は、臼歯1の咬合面2を、図6の(C)は、咬
合面2を切削した状態を、図6の(D)は、臼歯1の頬
側面を切削してショルダー3aを形成した状態を、図6
の(E)は、切削した隣接する歯の間の側面を切削して
ショルダー3bを形成した状態を図6の(D)の矢印で
示す向きからそれぞれ見た状態を示している。
【0004】前記切削状態から分かるように、前記ショ
ルダー3a及び3bは、歯肉4の高さに沿うように形成
される。ずなわち、舌側及び頬側のショルダー3aは、
歯肉4に沿って緩やかな凹状に形成され、隣接する歯の
間の側面に形成したショルダー3bは、歯肉に沿って緩
やかな凸状に形成されるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、歯科医
は、切削工具を装着した歯科用ハンドピースを用いて切
削を行う際の困難さを解決するために、歯科用ハンドピ
ースに装着した切削工具を的確に案内するための案内装
置を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガイド突起を
設けた歯科処理装置と、該ガイド突起を設けた歯科処理
装置のガイド突起と嵌合するガイド溝を備えてなる、前
記歯科処理装置を収容する筐体と、切削すべき歯及び切
削すべき歯と隣接する歯に前記筐体を固定するための固
定手段とを備え、前記ガイド突起を設けた歯科処理装置
のガイド突起と嵌合するガイド溝を備える前記歯科処理
装置を収容する筐体は、容器及び該容器に開閉可能に取
り付けた蓋から構成され、前記容器の内部に前記ガイド
溝を形成したガイド部材を交換可能に設け、前記容器の
蓋の内部に前記歯科処理装置自体の一部と嵌合するカイ
ド溝を備えるガイド部材を交換可能に設ける。
【0007】
【実施例】まず、本発明の第1実施例は、案内装置を構
成するために、切削工具を案内する蓋を備える筐体及び
切削工具に取り付ける案内補助具から構成される。ま
ず、案内補助具から説明する。この案内補助具は切削工
具に装着されるが、従来歯科医が使用する一般的な切削
手段5は、図3の(A)に示すように、エアータービン
6で駆動されて回転する切削刃7から構成され、該切削
手段5はハンドピース8に装着されている。
【0008】前記構成を備える切削手段5に、図3の
(C)〜(D)に示す補助具9を装填する。該補助具9
はステンレス製で、前記エアータービン6が嵌合する容
器10で構成され、該容器10の一側面には前記ハンド
ピース8が嵌る形状の穴(図示せず)が形成されてい
る。さらに、該補助具9の上部全周に張り出すように後
述する丸みを帯びた凸状のガイド突起11が一体に形成
されている。前記容器10の底には、前記切削刃7を通
す穴12が形成されている。さらに、前記容器10の底
周辺に後述するT字型の案内突起13が嵌るレール14
が形成されている。
【0009】前記T字型案内突起13の上部と前記レー
ル14や容器10の底との間に複数の玉16を配列して
レール14、容器10の底との滑りを良くしている。な
お、10aは、切削刃7及び切削すべき歯を冷却するた
めの冷却水を放出する穴である。
【0010】以上の構成を備えた補助具9にエアーター
ビン6を嵌め込むことにより前記穴12から切削刃7を
突出させて、図3の(B)に示すように容器10が装填
された切削装置15が構成される。
【0011】一方、前記切削装置15を入れてガイドす
る筐体を図1、図2、図4及び図5に基づいて説明す
る。まず、図1、図2及び図4に示すように、筐体17
は、前記切削装置15を案内する後述するガイド溝を形
成したステンレス製のガイド部材19を交換可能に収容
できるステンレス製のガイド容器18と、後述するガイ
ド溝を形成したステンレス製のガイド部材20を交換可
能に収容できる前記ガイド容器18の蓋21と、前記ガ
イド容器18の底に突出するように平行に取り付けた2
枚の板22、22から構成される。前記蓋21は、図4
に示すように、前記ガイド容器18に開閉可能に取り付
けられている。
【0012】前記構成の筐体17の内部構造を以下に説
明する。まず、前記蓋21の内部に収容したガイド部材
20には、前記エアータービン6からの空気の流路とな
る空気流路溝23が一周するように形成されている。こ
の一周する空気流路溝23の周囲には、エアータービン
6の頭部6aが嵌り込むんでガイドする浅いガイド溝2
4が歯肉の付け根に沿って高さが変化するように形成さ
れており、前記空気流路溝23とで全体として凸形状の
溝が形成されている。
【0013】一方、筐体17の前記ガイド容器18に交
換可能に収容されるステンレス製のガイド部材19の内
壁周囲全体に歯肉の付け根に沿って高さが変化するガイ
ド溝25が形成されている。該ガイド溝25は、前記切
削装置15(図3)を収容した時に、前記ガイド突起1
1が嵌って切削装置15を高さ方向及び周方向にガイド
する溝である。前記ガイド溝25の高さは、切削される
歯の頬側及び舌側では、図1の(B)に示すように歯肉
の形状に対応して凹状に変化するように形成され、歯と
歯の間では、図1の(C)に示すように凸状に変化する
ように形成されている。
【0014】さらに、前記ガイド容器18の底に形成し
た穴26の周囲に、該穴26を取り巻くように、前記ガ
イド部材19に歯肉の付け根に沿って高さが変化するガ
イド溝27が形成されており、このガイド溝27には、
前記補助具9に設けたT字型ガイド突起13が嵌るよう
になっている。前記ガイド溝24、25及び27、前記
エアータービンの頭部6a、前記補助具9に設けたガイ
ド突起11及びT字型ガイド突起13とでもって、切削
装置15が安定して案内されるようになされる。
【0015】また、前記したようにガイド容器18の底
には、2枚の板22、22が取り付けられており、図1
の(A)、(C)に示すように、この2枚の板で切削し
ようとする歯1及び隣接する歯1a、1bを挟むように
してガイド容器18を歯に固定する。
【0016】前記2枚の板22、22の一方の板には、
図5に示すように、実際に切削する歯を挟む板22aと
隣接する歯を挟む可動板22b及び22cとが、テーパ
ピン28、ストッパー29を備える蝶番30で連結され
ている。該蝶番30は筐体17を歯に固定する時に装着
し易くするために設けたもので、実際に歯に装着する時
に、ストッパー29を開いてテーパピン28を一部引き
抜いて蝶番30を弛め、筐体17を歯に装着した後に、
前記蝶番30をテーパーピン28で締め付けて、前記ス
トッパー29を回動させて固定する。
【0017】前記可動板22b、22c及び固定板22
aはステンレス製であるが、切削状態を一部確認できる
ようにするために、前記固定板22aを透明な硬質プラ
スチック製にしても良い。このような構成により、前記
可動板22b及び22cを歯の厚さに応じて確実に筐体
17を歯に固定することが可能となる。
【0018】以上のような構成を備える前記補助具9及
び前記ガイド溝を備える筐体17を用いて歯科医が実際
に歯を切削する作業について説明する。まず、切削すべ
き歯の態様に応じたエアータービン6を備える切削手段
5を前記補助具9に嵌め込んで切削装置15を準備す
る。
【0019】一方、歯科医は、切削すべき歯の態様に応
じた筐体17を準備し、該筐体17のガイド容器18の
底に取り付けた2枚の可動板22b及び22cを開いて
切削すべき歯を固定板22aの間に挟むと同時に切削す
べき歯に隣接する歯を前記可動板22b及び22cで挟
み、筐体17を歯に固定する。その後、筐体17の前記
蓋21を開いて切削装置15のガイド突起11及び13
が前記対応するガイド溝25及び27に嵌るように設置
して前記蓋21を閉じると共に歯の治療者に筐体17を
軽く咬むように指示する。
【0020】前記状態の要部を図1の(A)に示してい
る。図1の(A)において、筐体17が切削すべき歯1
及び隣接する歯1a、1bに固定されると、歯科医はエ
アータービン6を作動させて切削刃7を回転させる、前
記ガイド溝24、25及び27に沿って切削装置15を
案内することにより、切削すべき歯1の周囲が前記ショ
ルダー3a、3b(図6)を形成するように所定形状に
切削されて歯台歯が形成される。
【0021】前記筐体17は、切削すべき歯の態様及び
位置(前歯か臼歯か)に応じた形状を備えるものを複数
用意し、治療者の歯及び歯肉に適合する筐体を用いて切
削することは言うまでもないが、切削には極度な注意を
しなければ治療者に苦痛を与えることになるので、切削
中の様子を確認できるように、前記筐体は透明な硬質材
料で構成するのが好適である。
【0022】前記筐体17を治療者が咬む際に口腔内に
接して不快感を与えるのを防止するために、特に前記蓋
21の表上面に、クッションを与える緩衝材31を張り
付けて固定する。また、前記緩衝材31を筐体使用時に
張り付けて、交換できるようにすると、より衛生的に本
発明案内装置を使用することができる。
【0023】前記実施例の場合は、ガイド溝及びガイド
突起として、前記蓋に収容されるガイド部材20にエア
ータービンの頭部をガイドするガイド溝24を、前記容
器18に収容されるガイド部材19には、ガイド溝25
及び27を設け且つ切削装置の補助具9にガイド突起1
1及び13を設けたが、前記ガイド溝及びガイド突起の
内、ガイド溝25及びガイド突起11を設けないで実施
することも可能である。
【0024】さらに、前記実施例に場合は、切削手段5
を補助具9に装填するように構成したが、補助具9を使
用する代わりに、エアータービンの上部周囲に直接ガイ
ド突起を、さらに底部周辺に直接ガイド突起を設けて切
削手段を構成し、これをハンドピースに装着しても実施
することができる。
【0025】
【発明の効果】以上、本発明案内装置はコンパクトに形
成できるので、歯科医が該案内装置を用いて歯台歯を形
成する際、治療者が長時間口を開けなくても、筐体を咬
んだままで安全に形成することができる。また、前記案
内装置を治療者の口腔内の形状に応じて複数パターン用
意しておけば、パターンに応じた一定の歯台歯を作成で
きる。したがって、案内装置のパターンに応じた補綴を
予め大量生産しておくことが可能となり、口腔内の型取
りをしなくても済むことになる。さらに、歯台歯形成が
パターン化するので、これまで行われていた仮の歯を入
れなくても済み、治療者の歯齦に炎症を起こすという事
態も少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の要部断面図である。
【図2】本発明実施例のガイド溝の平面図である。
【図3】本発明案内装置に使用する補助具の説明図であ
る。
【図4】本発明案内装置に使用する筐体の説明図であ
る。
【図5】本発明案内装置を歯に固定する装置の説明図で
ある。
【図6】切削により歯台歯を作成する歯の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 切削すべき歯 3a、3b ショルダー 6 エアータービン 7 切削刃 9 補助具 11 補助具に設けたガイド突起 17 筐体 18 ガイド容器 19、20 ガイド部材 21 ガイド容器の蓋 22 筐体を歯に固定する板 24、25、27 ガイド溝

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイド突起を設けた歯科処理装置と、該
    ガイド突起を設けた歯科処理装置のガイド突起と嵌合す
    るガイド溝を備えてなる前記歯科処理装置を収容する筐
    体と、切削すべき歯及び切削すべき歯と隣接する歯に前
    記筐体を固定するための固定手段とを備えることを特徴
    とする歯科処理装置の案内装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド突起を設けた歯科処理装置の
    ガイド突起と嵌合するガイド溝を備える前記歯科処理装
    置を収容する筐体は、容器及び該容器に開閉可能に取り
    付けた蓋から構成され、前記容器及び蓋の内部に前記ガ
    イド溝を形成したガイド部材を交換可能に設けたことを
    特徴とする請求項1記載の歯科処理装置の案内装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイド突起を設けた歯科処理装置の
    ガイド突起と嵌合するガイド溝を備える前記歯科処理装
    置を収容する筐体は、容器及び該容器に開閉可能に取り
    付けた蓋から構成され、前記容器の内部に前記ガイド溝
    を形成したガイド部材を交換可能に設け、前記容器の蓋
    の内部に前記歯科処理装置自体の一部と嵌合するカイド
    溝を備えるガイド部材を交換可能に設けたことを特徴と
    する請求項1記載の歯科処理装置の案内装置。
  4. 【請求項4】 歯科処理装置に装着されるガイド突起を
    設けた補助容器と、該ガイド突起を設けた補助容器のガ
    イド突起と嵌合するガイド溝を備えてなり、前記補助容
    器を装着した歯科処理装置を収容する筐体と、切削すべ
    き歯及び切削すべき歯と隣接する歯に前記筐体を固定す
    るための固定手段とを備えることを特徴とする歯科処理
    装置の案内装置。
  5. 【請求項5】 前記補助容器を装着した歯科処理装置を
    収容する筐体は、容器及び該容器に開閉可能に取り付け
    た蓋から構成され、前記容器の内部に前記ガイド溝を形
    成したガイド部材を交換可能に設け、前記容器の蓋の内
    部に前記歯科処理装置自体の一部と嵌合するカイド溝を
    備えるガイド部材を交換可能に設けたことを特徴とする
    請求項4記載の歯科処理装置の案内装置。
  6. 【請求項6】 前記歯科処理装置は、歯の側面を切削す
    る切削刃及び該切削刃を駆動するエアータービンで構成
    される歯科処理装置であることを特徴とする請求項1、
    2、3、4又は5記載の歯科処理装置の案内装置。
  7. 【請求項7】 前記各ガイド部材は、ステンレス製であ
    ることを特徴とする請求項2、3又は5記載の歯科処理
    装置の案内装置。
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