JP2793695B2 - 物体の認識制御方法 - Google Patents

物体の認識制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はサーボモータにより駆動される被駆動体を物
体に突き当てて、物体を認識する物体の認識制御方法に
関し、特に産業用ロボットの物体の認識制御方法に関す
る。
〔従来の技術〕
産業用ロボットではワークの種類、位置を自動的に認
識して、取り扱うことができれば、非常に有用である。
このような目的を達成するためには、多数の技術があ
る。
例えば、サーボモータで駆動される被駆動体、すなわ
ちロボットのアームにタッチセンサ、力センサを取付け
て物体の有無を認識したり、ロボットとワークの相対位
置を検出する。また、アームにレーザセンサを取付けて
物体の有無、ロボットとワークの相対位置を検出する。
さらに、別途設置されるカメラ等の映像取込み装置によ
り、ハンドと物体を映像として取込んだ後、物体の有
無、ハンドとワークとの相対位置を算出する。また、別
途設置される3次元位置センサにより被駆動体との相対
位置を算出することもある。
さらに、これらのアームに取りつけられた力センサ、
レーザセンサ等の視覚装置、3次元位置センサ等より作
業ワークの位置ずれ量をロボットに通知し、ロボットは
通知された位置ずれ量に応じた位置補正をかけて、教示
プログラムを自動的に補正するように構成されたものも
ある。
また、物体形状の認識、作業者によって行われたり、
あるいは自動的にレーザセンサ、3次元位置センサ等に
より行なわれている場合もある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、タッチセンサ、力センサ、レーザセンサ、3
次元位置センサ等を使用すると設置空間が必要となり、
ロボットとの間にデータの通信が必要となる。これによ
って、ロボットシステムは複雑になり、システム価格も
膨大になり実用的ではない。従って、実際の現場で実用
的に使用できる低価格なロボットシステムとは掛け離れ
たものとなっている。
勿論、物体形状の認識を作業者による寸法測定により
行うのではロボットラインの自動化ができない。
本願発明の目的は上記課題を解決し、特別なセンサを
使用することなく物体を認識できる物体の認識制御方法
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明では上記課題を解決するために、サーボモータ
により駆動される被駆動体を物体に突き当てて物体を認
識する物体の認識制御方法において、前記サーボモータ
に出力するトルク指令値と、前記サーボモータの負荷イ
ナーシャより計算される模擬的なトルク指令値との差で
表される外乱トルクを所定周期毎に算出し、前記外乱ト
ルクが動作プログラムで指定された区間内で、指定され
た検出レベル以上となることにより、前記被駆動体が前
記物体に突き当たったことを検出して物体を認識し、前
記物体を認識したときの前記被駆動体の座標値を読み取
り、前記物体の位置データを複数個求め、前記複数の位
置データから前記物体の形状を認識することを特徴とす
る物体の認識制御方法が、提供される。
〔作用〕
被駆動体を駆動するサーボモータにはトルク指令が与
えられる。これらのトルク指令は負荷を加減速するため
のイナーシャ項とその他の項に分けられる。イナーシャ
項以外は、重力項、動摩擦項等がある。これらの重力
項、動摩擦項は被駆動体の位置、動作速度から算出する
ことができる。この結果、物体に被駆動体が当たったと
きは、動摩擦項が増大し、イナーシャ項以外の外乱トル
クが増大する。この外乱トルクが検出レベル以上になっ
たことによって被駆動体が物体に当たったことを検出し
て、物体を認識する。
そして、外乱トルクを検出する検出レベル及び検出区
間を動作プログラムで指定する。
物体を検出したときに、被駆動体の座標値から物体の
位置データを求め、複数の位置データから物体の形状を
認識する。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第2図は高速パレタイジング用の水平関節形ロボット
を示す図である。ロボット1はロボット本体1aを中心に
構成されている。ロボット本体1aはZ軸方向のサーボモ
ータと機構部を有し、アーム2等を上下に移動させる。
アーム2はサーボモータ3でθ軸回りに回転する。アー
ム2に回転可能に結合されたアーム4はサーボモータ5
によって、U軸回りに回転する。アーム4の先端には手
首6が設けられており、手首6はα軸回りに回転する。
なお、パレタイジングのためのハンドは、ワークに応じ
て種々のものが使用されるので、ここでは省略してあ
る。ロボット1はテーブル7上のワーク8a、8bにハンド
を突き当て、ワークの認識、ワークの位置の認識、位置
ずれ量の検出、動作プログラムの補正等を行う。これら
の位置の認識あるいは補正によって、特別のセンサを使
用せずに正確にパレタイジングを行うことができる。
また、ロボット1はロボット制御装置10にケーブル10
aで接続されている。ロボット制御装置10には教示操作
盤9が接続されている。
第3図は本発明を実施するためのロボット制御装置の
ハードウェアの部分構成図である。ホストプロセッサ11
はROM12のシステムプログラムに従って、ロボット制御
装置10全体を制御するプロセッサである。ホストプロセ
ッサ11からはロボットの移動指令が一定周期で共有RAM1
5に書き込まれる。なお、ホストプロセッサ11にはRAM1
3、教示プログラムを格納するC−MOS14が結合されてい
る。RAM13には後述のワークの位置データを格納するレ
ジスタ13a、教示位置補正データを格納するレジスタ13b
がある。
DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)21はROM22
のシステムプログラムに従って、共有RAM15の移動指令
を一定時間ごとに読み取り、移動指令を計算し、サーボ
モータ32に内蔵されたパルスコーダからの帰還パルスに
よる位置及び速度を検出し、必要なトルク指令をDSL
(ディジタル・サーボ・LSI)24を経由して、サーボア
ンプ31に送る。サーボアンプ31はこのトルク指令に従っ
て、サーボモータ32を駆動する。サーボモータ32の負荷
は負荷イナーシャ項と、それ以外の重力項、動摩擦項等
に別れる。イナーシャ項は予め軸毎に求めて計算するこ
とができる。従って、トルク指令からイナーシャ項を除
けば、その他の項のトルク指令はほぼ一定であり、サー
ボモータ32によって、駆動されるアーム等がワークに当
たったときに、外乱トルクが急激に増加し、この外乱ト
ルクの増加によって、ワークの認識、ワーク位置の認
識、位置ずれ量の計算を行い、この位置ずれ量から教示
データの補正等を行う。さらに、複数の位置データか
ら、ワークの形状を認識することができる。なお、必要
な計算等は共有RAM15を使用して行う。
なお、各サーボモータを制御する制御系の構成は同じ
であるので、ここでは1軸分のみ表している。
第1図は本発明の物体の位置認識制御方式のフローチ
ャートである。図において、Sに続く数値はステップ番
号を示す。S1からS6まではDSP21の処理を示す。S10から
S13まではホストプロセッサ11の処理であり、ホストプ
ロセッサ11のDSP21への指令である。S21〜S25はメイン
プロセッサの処理であり、物体の認識、位置認識あるい
は位置認識後の処理である。
〔S1〕DSP21はホストプロセッサ11によって共有RAM15に
書き込まれた(S10)移動指令を読み取る。
〔S2〕続いて、この移動指令と、サーボモータからの帰
還信号に従って、トルク指令を出力し、サーボモータ32
を駆動し、被駆動体であるアームを移動する。
〔S3〕ホストプロセッサ11からの外乱トルク検出可信号
(S11)に従って、外乱トルク検出を行うかどうか判別
し、行うときはS4へ進む。この外乱トルク検出信号は勿
論、共有RAM15を経由して、ホストプロセッサからDSP21
へ送られる。
〔S4〕所定時間ごとに外乱トルクを検出する。ロボット
を駆動しているサーボモータへ出力するトルク指令値
と、サーボモータ32の負荷イナーシャより計算される模
擬的なトルク指令値と、の差で表される外乱トルクを、
ホストプロセッサから外乱トルク検出可信号を受けるま
で所定周期毎に検出する。この外乱トルクとホストプロ
セッサ11から与えられた(S12)外乱トルク検出レベル
とを比較し、外乱トルクが検出レベルより大きくなった
ら、ハンドがワークに接触したことを判別する。
〔S5〕外乱トルクの検出を停止すべきかどうか判別す
る。これは、ホストプロセッサ11からの外乱トルク検出
停止信号(S13)が出されているかによって行う。外乱
トルク検出信号が出されていればS6に進み、そうでなけ
ればS4へ戻る。
〔S6〕DSP21は検出された外乱トルクからワークの押し
つけ量を算出し、メインプロセッサ11に共有RAM15経由
で通知する。
〔S21〕メインプロセッサ11は、このときのロボット制
御装置の座標値を読み取り、レジスタ13aに格納する。
〔S22〕このときの座標値と、教示プログラムとからワ
ーク8aの位置ずれ量を計算する。また、位置ずれ量は標
準位置にワーク8aがある場合の外乱トルクと、実際の外
乱トルクの差から位置ずれ量を計算できる。これは事前
に位置ずれ量と、外乱トルクの関係を求めておくことが
必要である。これらの位置ずれ量を、位置補正量として
レジスタ13bに書き込む。
〔S23〕ホストプロセッサ11はレジスタ13bに書き込まれ
た位置補正量で、動作プログラム中の別途規定される姿
勢に対して位置補正を行う。
〔S24〕位置補正後の動作プログラムで、ワーク8aに対
して相対的に正確な姿勢で作業を行う。
〔S25〕ロボットの位置補正量を算出する。
さらに、ワーク8a等の複数の位置を複数箇所を測定す
ることにより、ロボットによる作業ワークの三次元的な
形状認識、寸法測定ができる。すなわち、ワーク8aか、
ワーク8bかの判別を、特別のセンサ等を使用しないで行
うことができる。
外乱トルクは被駆動体の動作速度により変動する特性
をもつため、上記の機能をより有効にするためには、外
乱トルクの検出レベル、検出開始、停止をロボットの動
作プログラムの中で任意に設定する事により、位置測定
の精度を上げる事ができ、不必要な位置で物体の有無認
識機能が作動する等の問題を解消する事ができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明では、外乱トルクの変動に
より物体の複数の位置を求め、物体の形状を認識するよ
うにしたので、特別のセンサを使用しないで、簡単な構
成で物体の形状を認識できる。特に、外乱トルクを使用
するので精度よく物体の形状を認識できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の物体の位置認識制御方式のフローチャ
ート、 第2図は高速パレタイジング用の水平関節形ロボットを
示す図、 第3図は本発明を実施するためのロボット制御装置のハ
ードウェアの部分構成図である。 1……ロボット 2……アーム 4……アーム 6……手首 7……テーブル 8a、8b……作業ワーク 10……ロボット制御装置 11……ホストプロセッサ 12……ROM 13……RAM 14……C−MOS 15……共有RAM 21……DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ) 22……ROM 23……RAM 24……DSL(ディジタル・サーボ・LSI) 31……サーボアンプ 32……サーボモータ
フロントページの続き (72)発明者 羽村 雅之 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580 番地 ファナック株式会社商品開発研究 所内 (72)発明者 酒井 保 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580 番地 ファナック株式会社商品開発研究 所内 (56)参考文献 特開 平1−310889(JP,A) 特開 平1−274216(JP,A) 特開 平1−269221(JP,A) 特開 平2−22712(JP,A) 特開 平2−30487(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05D 3/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーボモータにより駆動される被駆動体を
    物体に突き当てて物体を認識する物体の認識制御方法に
    おいて、 前記サーボモータに出力するトルク指令値と、前記サー
    ボモータの負荷イナーシャより計算される模擬的なトル
    ク指令値との差で表される外乱トルクを所定周期毎に算
    出し、 前記外乱トルクが動作プログラムで指定された区間内
    で、指定された検出レベル以上となることにより、前記
    被駆動体が前記物体に突き当たったことを検出して物体
    を認識し、 前記物体を認識したときの前記被駆動体の座標値を読み
    取り、前記物体の位置データを複数個求め、前記複数の
    位置データから前記物体の形状を認識することを特徴と
    する物体の認識制御方法。
  2. 【請求項2】前記物体を認識し、前記被駆動体を前記対
    象物に押しつけたときの外乱トルクの差によって、前記
    物体の位置ずれ量を検出することを特徴とする請求項1
    記載の物体の認識制御方法。
  3. 【請求項3】前記位置ずれ量から別途規定される相対位
    置での自己の姿勢を算出し、教示されている位置からの
    位置補正を自動的に行うことを特徴とする請求項2記載
    の物体の認識制御方法。
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