JP2788163B2 - 心臓の活動時間を制御パラメーターとして利用した心臓リズムを管理および監視する方法および装置 - Google Patents

心臓の活動時間を制御パラメーターとして利用した心臓リズムを管理および監視する方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は全般的に徐脈ペースメー
カー(bradycardia pacemaker) 、カルディオバーター(c
ardioverter)および細動除去器(defibrillator) を含む
心臓リズム管理装置に関し、さらに詳しくは、心臓の活
動時間(heart's Active Time) が制御変数として使用さ
れるようになされている装置に関する。
【0002】
【従来の技術】1976年に以来、種々の心臓のペース
メーカーが開発され、開示されているが、これら患者の
稼動レベルに比例する信号を発生させる生理学的または
非生理学的センサーが使用されるようになっている。特
に、1977年にマリオ・アルチディ博士は米国特許第
4,009,721号に、血液のpHを感知してこれに
比例する制御信号を発生し、体内移植ペースメーカーの
速度を変化させるようにした装置を提案している。この
装置は、移植が困難であったために商業的には成功しな
かった。安定したpH電極は一般的には得られない。測
定は直接運動のレベルには関係したものでなく、血液動
力学的不安定性に関する情報帰還作用が遅い。
【0003】クック等の米国特許第4,543,954
号は血液の温度を移植ペースメーカーに対する速度制御
パラメーターとする装置を開示している。血液の温度は
運動や感情的ストレス作用に際して増大することが見出
されているが、温度を速度制御パラメーターとして使用
する際の主な問題は、運動の開始の応答が遅過ぎ、温度
の変化が運動のレベルに比例しないことである。またこ
のような方法では血液動力学的な帰還情報が用いられな
い。
【0004】リチャーズの米国特許第4,228,80
3号は速度制御パラメーターとして電気的心臓曲線(ele
ctrocardiogram) のQ−T間隔を利用することを開示し
ている。この間隔は運動の増加とともに減少することが
見出されている。このためある患者には有用であるが、
この技術でT波を感知するのが困難で、この間隔自体が
感知された鼓動とペース決めを与えられた鼓動(paced b
eat)との間で変化して、単に相対値しか与えない。ベー
タ閉塞(beta blockage)がカテコラミン応答を抑制し、
刺激対T波の変化が減少する。この方法はまた循環系統
に対する心臓速度変化の作用に関係する血液動力学的帰
還を利用していない。
【0005】さらに別の速度適応性ペースメーカーでは
血圧の変化を検出する圧力センサーを組込んだものもあ
る。コーエンの米国特許第4,899,752号参照。
このようなセンサーは心室内圧力の増加率を測定するの
に使用されている。増加圧力の勾配は増加された循環カ
テコラミンおよびフランク−スターリング応答を媒介と
して心臓血管のストレスと関連する。フランク−スター
リングの法則は静脈の戻り量の増加によって心室がさら
に拡張する際に、心筋繊維がさらに強い力で収縮するこ
とである。エピネフリンのような循環カテコラミンはベ
ータ受容体に影響を与えることによって収縮性の力を増
加させる。このような圧力上昇率の増加は圧力変化を測
定するペース決め導線内の圧力トランスデューサーによ
って感知される。圧力変化率は収縮運動によって変化さ
れる。従って、本来的な鼓動およびペース決められた鼓
動は異なるレベルの信号を生じさせ、運動に関係しない
速度変化を生じさせる。
【0006】ヴィルツフェルトの米国特許第4,39
9,820号は静脈血の酸素飽和を測定してこれの関数
として速度制御信号を発生させ得るセンサーを使用して
いる。静脈血の酸素飽和は運動が増加するにつれて減少
するから、低仕事量の負荷では酸素飽和が著しく減少す
る。このような変化は与えられる負荷に対して直線的に
関係しない。さらに、酸素飽和を監視する導線は極めて
複雑になる傾向があり、特に長期間にわたる信頼性がな
い。またこの装置も血液動力学的帰還を利用していな
い。
【0007】メドトロニクス・インコーポレーテッドに
譲渡されたダールの米国特許第4,140,132号は
恐らく最も広く使用されている速度適応ペース決め装置
を開示している。この装置は運動または活動に依存する
ものであるが、運動と患者によって経験される実際の仕
事の負荷との間の相関がない。従って、主にその本来的
な単純さにより広く利用されているものであって、その
生理学的応答性によるものではない。
【0008】クラスナーの米国特許第3,593,71
8号においては、胸腔内のインピーダンス変化を測定す
るために導線装置が設けられている。呼吸が増加すれ
ば、言葉を喋る時のように呼吸が自発的に制御される期
間を除き、心臓の速度は一般に増加する。呼吸周波数イ
ンピーダンス(impedance respira−tory frequency) 呼
吸気容量インピーダンス(impedance respiratorytidal
volume) の双方がパラメーターとして感知される。この
装置では吸込まれる空気の1リットル当りの酸素の取入
れ量を増加させる酸素濃度の動脈−静脈の差の変化を考
慮に入れていない。酸素の取入れ量は、吸込まれるガス
の酸素濃度の変化に敏感である。この方法は移植ペース
メーカーに対して血液動力学的帰還情報を与えるもので
ない。
【0009】前述のセンサーを有する上述のような従来
技術の装置は、何れも心臓の収縮に関する基本的な血液
動力学を考慮していないために、総ての条件下で患者に
適当な心臓の速度を与えるものではない。最良のペース
決め装置は総ての条件下で患者の心臓のペース速度を最
良とするように決定できなければならない。上述した殆
ど総ての従来技術の装置がセンサーを含み、これらのセ
ンサーの出力が運動の間に生じる既知の特性を得るため
に監視されるが、実際には循環系統の生理学に極めて重
大な血液動力学的パラメーターの監視について注目して
いるものはなかった。例えば、普通心臓のペース速度が
増加すると心臓の出力が増加することが前提とされてい
る。しかしこの前提は常に正しいとは限らない。この前
提は、次の2つの条件に合致した時だけ正しいのであ
る。すなわち(1)心臓の筋肉が増加した仕事量の負荷
(カルシウムを得られる可能性、局所貧血のないこと
等)に耐える条件になければならないこと、(2)充分
な血液が心臓に戻されて、心臓の出力を保持しなければ
ならないこと、が満たされる時だけに正しいのである。
【0010】健康な身体においては、運動は循環カテコ
ラミンを増加させ、予放出間隔(pre-ejection interva
l) を減少させ、最大dP/dT値を増加させ、放出時
間を減少させ、また−最大dP/dT値を減少させる。
上述のいずれの変化でも心室が活動する時間、すなわち
ペース決めスパイク(pacing spike)から迅速充満工程の
終りまでの時間が減少する。運動に伴う変化はまた心臓
のペース速度の増加に関係し、この心臓の速度のペース
変化が受動時間(passive time)、すなわち拡張工程時間
を減少させる。最大負荷において、この受動時間は甚だ
小さく、迅速な充満工程だけが認識される。最大心臓速
度は主として総活動時間を減少させる心臓の容量および
迅速充満工程の間に右方および左方の心室を再充満させ
る静脈系統の能力によって決定される。ここで使用され
る用語「活動時間」(Active Time)(時には「AT」と略
される)は、心室が早い充満速度で再充満されるものと
して、心室のペース決めパルスまたは心室で感知される
R波から充満工程の終端までに経過する全時間となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主な
目的は、速度適応徐脈ペース決め装置のアンチタキペー
サー(antitachypacer)または細動除去器(defibrillato
r) の場合に心臓の活動時間が制御パラメーターである
心臓のリズム管理装置を提供することである。
【0012】本発明の他の目的は、循環系統に対する心
臓速度の変化の作用に関するの帰還情報を与えて、心臓
が循環機能の調和作用を許さない上限速度でペース決め
が可能な装置が組込まれた速度適応心臓ペースメーカー
を提供することである。
【0013】本発明のさらに別の目的は、心臓のATを
測定し、その時間間隔の長さをペースメーカーの逃避間
隔(escape interval) を変化させる速度制御信号の発生
に利用するようにした速度適応心臓ペースメーカーを提
供することである。このATが心臓を再度充満するのに
必要な最少時間の連続的な変化の尺度を与えるので、静
脈の戻りおよび交感神経および副交感神経のトーンの変
化に敏感である。
【0014】本発明のさらに他の目的は、速度制御パラ
メーターが容易に感知されることができ、またペースメ
ーカーが最少充満時間を保証するのに必要なペース決め
速度よりも高いペース決め速度にて作動するのを防止す
る速度適応心臓ペースメーカーを提供することである。
【0015】本発明のさらに他の目的は、心臓の活動時
間を感知し病的対生理学的タキリズミアス(tachyrythmi
as) を評価するようにした心臓リズム管理装置を提供す
ることである。
【0016】
【課題を解決する為の手段】上述およびその他の目的お
よび利点は、1つの実施例として、本来的な心臓の活動
がない時に心臓刺激パルスを発生する可変速度パルス発
生装置と、このパルス発生装置を心臓に連結し、本来的
な心臓の活動を感知して、心臓に刺激パルスを与える装
置とを有する心臓のペース決め装置を提供することによ
って達成される。本発明のペース決め装置はまた心室の
ペース決めパルスまたは感知R波の発生が心室が「迅速
充満速度」で充満した時の心室の充満工程の終りまでの
経過時間を総活動時間として、心臓のサイクルの総活動
時間を測定する装置を含んでいる。次いで測定全ATは
測定値に比例する制御信号を発生させるアルゴリズムに
従って処理される。次いでこの制御信号が可変速度パル
ス発生装置に与えられて、心臓刺激パルスを発生する速
度を制御するか、またはこのような速度適応歩調決め装
置の血液動力学的に決定される上限速度を設定する。
【0017】この総活動時間パラメーター値は、インピ
ーダンス曲線の迅速充満工程区間の2点を通る延長線
を、同じ鼓動で決定される最少インピーダンスレベルに
達する点まで外挿することにより、サロ等の米国特許第
4,686,987号に記載された公知のインピーダン
スプレチスモグラフィー技術を利用して求められるイン
ピーダンス対時間信号の関係を利用することにより決定
することができる。これによりこの総ATは自然鼓動ま
たはペース決めされた鼓動で始まり、直線的な回帰直線
が発生した鼓動から拡張期の終端インピーダンス(end-d
iastolic impedance) に達する点で終る間隔となる。
【0018】血液動力学的安定性は、刺激パルスが患者
の活動時間中には確実に発生しないようにすることによ
って保持される。もし心臓が最大の充満速度、すなわち
迅速充満工程の間のペースで充満するのに充分な時間が
ない場合には、心臓の出力を維持することができないこ
とは明らかである。
【0019】同様に、ATをアンチタキペーサーまたは
細動除去器で使用し、タキリズミアが検出される前に心
臓が働くATとこの不整脈のR対R間隔を比較すること
ができる。もしこの間隔がATの特定%以下である場合
には、不整脈は血液動力学的に不安定であるとして特徴
付けられることができ、この装置によって適当な治療が
開始されることができる。もしR対Rが徐々に減少し、
これによりATが徐々に増加する場合には、高速とな
り、これにより生理学的(運動、ストレス等)であると
判断され、病理学的なタキリズミアではないと確定する
ことができる。このようにして、ATを利用することに
より、装置が速度増加の原因とその血液動力学的な結果
を認識するのを補助する。
【0020】
【実施例】本発明の他の特徴および利点は、特に添付図
に関連して行われる本発明の望ましい実施例に関する以
下の説明によって当業者には明らかになる。
【0021】先ず図1を参照して、心臓内導線12が心
臓10の右方の心室内に移植されている。この導線12
は心臓の右方の頂部内に配置されるチップ電極14およ
びこのチップ電極の基端側で右方の心室、右方の心房ま
たは上部大静脈の何れかに配置される第1の感知電極1
6を含む多数の電極を含んでいる。この導線12はペー
スメーカーまたは少なくとも一部分患者の体組織とオー
ミックコンタクト状態になされている金属ハウジングま
たは容器20を有するAICD18のような体内に移植
可能の心臓刺激装置に連結されている。この装置をペー
スメーカーとして利用し、導線12は絶縁材料製の、点
電極24を有するコネクターブロック22内に挿入され
るようになされる。このようにしてペースメーカー18
は本出願人に譲渡されたホーク等の他の米国特許第5,
036,849号に特に詳細に記載されている重複した
異なる電極を組込むことができる。このホーク等の特許
の内容は参考としてこの明細書にも説明されている。
【0022】次に図2を参照すれば、この図にはペース
メーカー18の金属の容器またはハウジング20の中に
発振器25が内蔵されている。この発振器は、容器20
の露出電極21および導線12の遠隔端部の頂部電極1
4との間に作動的に接続されている。導線12の本体内
に細長い可撓性の導線が内蔵され、電極14および16
を容器20内の回路に電気的に接続するようになってい
ることは自明である。感知増幅器、フィルターおよび復
調器の回路26は点電極24に接続した第1の入力およ
び導線12の本体上の感知電極16に接続した第2の入
力を有する。心臓が鼓動すると1kHzから20kHz
までの範囲の所定周波数の電圧が頂部電極14と容器2
0の電極21との間に与えられ、この室内への血液の流
入流出により生じるインピーダンスの変化により、発振
器25からの交流電流信号が変調される。変調された信
号は電極16および24の間に発生し、増幅器/復調器
/フィルター回路26は変調の包絡線(envelope)に対応
した、瞬時インピーダンス対時間の関係の信号を出力導
線28上に出力するようになっている。次いでこの瞬時
インピーダンス対時間の信号すなわちZ対t信号はアナ
ログ−デジタル変換器30に入力される。この変換器は
マイクロプロセッサー32を含む集積回路の一部に設け
るようにもできる。しかし図示を容易にするために、ア
ナログ/デジタル変換器30は別個の構成要素として示
されている。いずれにしろ公知の方法で導線28上のア
ナログZ対t信号を、デジタル値に変換する。
【0023】図3を参照すれば、心房導線33および心
室導線35などの2つの導線が使用され、チップ電極3
7と39およびリング電極41と43をそれぞれ有す
る。2つのチップ電極37および39を跨ぐように定電
流源45を接続し、2つのリング電極41および43の
間の信号を感知することによってこれらの2つの室内の
血液量のインピーダンスに比例する信号が導出され、こ
れを利用して、以下に説明される方法で心臓の活動時間
を計算する。
【0024】マイクロプロセッサー32はI/Oモジュ
ール40を介してA/D変換器30からのデジタル出力
を入力するように接続されたデータ入力「D」を有す
る。系統母線(system bus)34はROMメモリー36、
RAMメモリー38およびI/Oインターフェイスモジ
ュール40支援するに必要となるデータ、アドレスおよ
び制御導線を含んでいる。
【0025】ROMメモリー36内にはマイクロプロセ
ッサー32によって行われ得る指示プログラムおよび必
要な種々の固定常数が記憶されている。RAMメモリー
38は中間的な計算および同様のものの一時的な記憶を
行う。I/Oインターフェイス40は、デジタルデータ
および指令をマイクロプロセッサーおよびA/D変換器
30および刺激パルス発生装置42間でのやりとりを可
能にする。
【0026】パルス発生装置42からの出力は、導線1
2を経て装置18からチップ電極14までの導線44に
出力されチップ電極14に供給される。以下に詳細に説
明されるように、マイクロプロセッサー32は増幅器/
復調器/フィルター回路26の出力に発生されるインピ
ーダンス対時間の関係Z対t信号から心臓の活動時間を
計算するようにプログラムされていて、これによってパ
ルス発生装置42に対する制御信号を発生する。この信
号にもとづきパルス発生装置が、計算上求められた活動
時間に比例する速度で刺激パルスを放出する。
【0027】図4を参照すれば、QRSコンプレックス
48、T波50およびP波52を示す通常のECG波4
6が示されている。インピーダンス対時間の関係の波の
形状54はECG波の形状46に対して時間的に整合し
て示している。このインピーダンス波形はRAMメモリ
ー38内に記憶される。以前の鼓動によって発生された
波形の近似的な平均値である。すなわちこのインピーダ
ンス波形はRAMの容量を最小にするために、指数的平
均技術が利用される。如何にしてこの平均値が計算され
るかを明らかにするために、この平均値の1つの計算方
法を説明する。例えば、例としてペース決めスパイクま
たは感知R波の発生からtミリ秒に位置するインピーダ
ンスの点を考える。先ず、時間tが心室のペース決めス
パイクの発生または心室が動作するごとに零に設定され
る。次に新しい平均インピーダンス値(Z av
g(n )(t)) がペース決めスパイクの発生又は心室
動作からtミリ秒で以下の式で計算され、
【0028】
【数1】 ここでnは鼓動数を示し、Zはtミリ秒における生のデ
ジタル化された抵抗値を示す。
【0029】この平均化技術はアンサンブル平均化(ens
emble averaging)と称される。このようにアンサンブル
平均化により作られたインピーダンスは心臓の活動(呼
吸、運動等のような)と同期しない如何なる変化にも無
関係である。
【0030】インピーダンスは心室の収縮の開始直前の
点56で最少になる。インピーダンスは心臓内の血液量
が最少になる時の収縮後期に対応する点58で最大値に
達する。この点において、心臓は再充満を開始し、イン
ピーダンスは再度減少し始めるが、最初は点60と62
の間のように早い速度で、次いでインピーダンス波形部
分64の減少する傾斜を反映する緩やかな、または遅い
速度で減少する。
【0031】総活動時間と称される時間間隔は、心室が
線66の傾斜に対応する迅速充満速度で再充満される場
合に、収縮のペース決めパルスまたは図4の心室で感知
されるR波数値48から充満工程の終端までに経過する
全時間に対応する。このパラメーター値は迅速充満速度
を測定して前の鼓動の拡張期の終端での心臓内の血液量
となるまで充満されるに必要な総時間を計算することに
よって推定することができる。迅速充満工程の終了点
は、例えばストローク抵抗(stroke resistance)5%減
あるいは30%減の収縮期末端の抵抗で定義することが
できる。これらの値はそれぞれ95%および70%とし
て示された点である。次にマイクロプロセッサーは点5
6の心室のペース決めパルスまたは心室感知R波の発生
から95%および70%の点60および62を通る直線
的回帰線66と前に生じた鼓動に関連する拡張期終端イ
ンピーダンス値の間の交点、すなわち交点68までの時
間を計算する。この回帰線は、インピーダンス波形の拡
大部分最大傾斜を抽出するデジタルフィルター(FIR
またはIIR)を利用して得ることができる。この傾斜
および最大時間は最少自乗誤差線を得るのに利用される
ことができる。他の自明な方法も利用しうる。
【0032】血液動力学的安定性を保持するために、ペ
ース決めは患者が活動している時間の間は禁止しなけれ
ばならない。なぜなら、最大充満速度であっても、もし
心室が充満されるのに充分な時間が与えられていない場
合に、心臓の出力が必然的に低下するからである。本発
明によって、心臓の速度の制御装置、すなわちマイクロ
プロセッサー32およびパルス発生装置42は、速度制
御パラメーターとして、活動時間の利用に伴う血液動力
学的帰還作用を利用することによって心臓速度を最少速
度へと強制している。すなわち、活動時間が心臓を再充
満するのに必要な最少時間の尺度を連続的に変化する。
しかして活動時間は静脈の戻りの変化および交感神経的
または副交感神経的トーンの変化に応答する。活動時間
は、速度の増分量を血液動力学的安定性を維持する各鼓
動の最大の心臓速度、すなわち一定または増加する心臓
の出力に附加する。最大値よりも早いペース決め速度を
阻止することによって、運動あるいは増加する精神的な
ストレスの場合除いて、ATが速度とともに減少しない
ことが見出されている。従って、心臓速度をさらに早く
駆動する傾向のある積極的な帰還ループは使用できな
い。
【0033】計算で得られた総活動時間から逃避速度を
計算する等式はを以下に示す。
【0034】
【数2】
【0035】但しQ=AT−ATmin 、もしQ<0の場
合Q=0に設定する。ATはミリ秒で測定され、HRは
毎分当りの鼓動数である。
【0036】パラメーターGは、ATavg が活動時間の
長期にわたる平均値であって、ATの平均値に対するさ
らに低い速度限界の間の関係を確立するのに使用される
として、
【0037】
【数3】
【0038】次の鼓動期間(T=1/HR)は等式1を
使用して計算されたATの16の鼓動の指数関数的移動
平均値を使用して計算される。もし電流と次に続く鼓動
との間の時間間隔が電流の移動平均値(Tavg )の±2
0%以内である場合には、この移動平均値に更新され
る。もし新しい期間がこの範囲外にある場合には、Tav
g は僅か5%変化されるだけである。実際の速度はHR
avg =1/Tavg によって決定される。このようにし
て、HRavg がマイクロプロセッサーで構成される心臓
刺激装置に対して設定されたプログラム可能の最少およ
び最大心臓速度の間に拘束される。
【0039】最大の血液動力学的に安定した心臓速度
(MHSR)は引続く鼓動から鼓動に基づいて、ATが
ミリ秒で測定されて心臓刺激パルスが図2または図3の
パルス発生装置によって発生され得る速度を制御するの
に使用されるとして、
【0040】
【数4】
【0041】として計算される。本発明は、心臓血管系
統の安定性を評価する血液動力学的センサーとして電気
的分極(electrical depolarization) 、機械的収縮、弛
緩および迅速充満工程を含む総活動時間を利用する最初
のものである。
【0042】1991年2月5日付出願されて本出願の
譲受人に譲渡されたミラーハーゲン等の特許出願第07
/651,318号は血液動力学的に決定された上限速
度を有する心臓刺激装置を開示している。1つのセンサ
ーが要求の関数としてペース決め速度を調節するのに使
用されるとともに他のセンサーがさらに行われる速度増
加が心臓の血液動力学的性能を調和するか否かを決定
し、もし調和する場合にはこれに応じて速度増加を制限
するのに使用されている。計算上で求められた総ATが
最大ペース決め速度の「ガバナー」として使用され、す
なわち調和しない場合にさらなる速度増加を禁止し、血
液動力学的性能を調和させるようになし得る。
【0043】以上の本発明の詳細な説明により、特許法
に準拠し、当業者が本発明の新規な原理を応用して所望
の特定の構成要素を構成して使用するに充分な情報を提
供しうるものである。しかし、本発明はさらに異なる装
置によっても実施することができ、本発明の概念から逸
脱しないで、本発明の装置の詳細および作動手順の両者
に関して種々の修正を施し得ることが理解されなければ
ならない。
【0044】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているか
ら、心臓の活動時間を制御パラメーターと使用して性能
の良好な心臓のリズム管理装置を提供し、また循環系統
における心臓速度の変化の作用に関する帰還情報を与え
て、心臓が循環機能の調和作用を許されない上限速度で
もペース決めされ得るようになす装置を組込まれた速度
適応心臓ペースメーカーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに使用される装置を示す概
略的説明図。
【図2】図1の装置の作動を理解するのに役立つ電気回
路の構成図。
【図3】活動時間を決定するために抵抗プレチスモグラ
フィーを実施するための変形形態の2導線、4電極によ
る探究方法を示す構成図。
【図4】通常のECG心臓コンプレックスに対して重ね
合わされた時間に対する心臓内インピーダンス変化を示
す波形図。
【符号の説明】
10 心臓 12 心臓内導線 14 チップ電極 16 感知電極 18 ペースメーカーまたはAICD 20 金属ハウジングまたは容器 21 露出電極 22 コネクターブロック 24 点電極 25 発振器 26 増幅器/復調器/フィルター回路 28 出力導線 30 アナログ−デジタル変換器 32 マイクロプロセッサー 33 心房導線 34 系統母線 35 心室導線 36 ROMメモリー 37 チップ電極 38 RAMメモリー 39 チップ電極 40 I/Oインターフェイスモジュール 41 リング電極 42 刺激パルス発生装置 43 リング電極 44 導線 45 定電流源 46 ECG波形 48 QRSコンプレックス 50 T波 52 P波 54 インピーダンス対時間波形 66 直線的回帰線 68 交点

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変速度パルス発生装置を有する心臓リ
    ズム管理装置であって、 (a)心臓の血液量の変化による心臓内のインピーダン
    ス変化を測定する装置と、 (b)自然または刺激された心臓の作動のデポーラライ
    ゼーション信号の生起を検出する装置と、 (c)前記インピーダンス変化から心臓の周期の総活動
    時間を計算する装置であって、前記総活動時間が、検出
    された自然または刺激された心臓のデポーラライゼーシ
    ョン信号の生起により開始され、心室が迅速充満速度で
    再充満されると仮定される心臓の充満工程の完了により
    終了する間隔とされている前記心臓周期の総活動時間を
    計算する装置と、 (d)前記総活動時間に関係する制御信号を発生する装
    置と、 (e)前記制御信号を前記可変速度パルス発生装置に与
    える装置と、を含んでいる心臓のリズム管理装置。
  2. 【請求項2】 心臓のR対R間隔を含む心臓の活動を感
    知し、血液動態不安定性を生じた場合に心臓組織を刺激
    する装置を含む型式の心臓リズムの管理装置において、
    その改良にして、 (a)心臓内の血液量の変化による心臓内のインピーダ
    ンスの変化を測定する装置と、 (b)前記インピーダンス変化から心臓の周期の総活動
    時間を計算する装置と、 (c)前記R対R間隔が前記計算活動時間の予め定めら
    れた%よりも低いか否かを決定する血液動力学的不安定
    性の決定装置と、 (d)前記血液動力学的不安定性の決定装置に応答して
    前記心臓組織を刺激する装置を作動させる装置と、を含
    んでいる心臓のリズムの管理装置。
  3. 【請求項3】 前記心臓組織を刺激する装置が細動除去
    器になされている請求項2に記載された装置。
  4. 【請求項4】 本来的な心臓の活動がない場合に心臓刺
    激パルスを発生させる可変速度パルス発生装置と、前記
    パルス発生装置を心臓に連結するペース決め装置とを含
    み、前記ペース決め装置が前記本来的な心臓の活動を感
    知する装置を有し、さらに前記刺激パルスを心臓に与え
    る装置を含むようになされている型式の心臓ペース決め
    要求装置において、その改良として、 (a)心臓のサイクルの総活動時間を測定する装置であ
    って、総心臓の収縮の開始から、心室がその迅速充満速
    度で充満される心室の充満工程の終了までに経過するよ
    うになされている前記心臓のサイクルの総活動時間を測
    定する装置と、 (b)前記総活動時間に比例する制御信号を発生する装
    置と、 (c)前記制御信号を前記可変速度パルス発生装置に与
    えて、前記心臓刺激パルスが発生される速度を制御する
    装置と、を含んでいる心臓ペース決め要求装置。
  5. 【請求項5】 前記総活動時間を測定する装置が、心室
    への流入およびこれからの流出による心臓内のインピー
    ダンスの変化を感知する装置および前記心臓内インピー
    ダンスの変化から収縮期終端に続く最大の充満速度を決
    定する装置を含んでいる請求項4に記載された心臓ペー
    ス決め要求装置。
  6. 【請求項6】 前記総活動時間を測定する装置が心臓刺
    激パルスの1つおよび前記本来的な心臓の活動の間の時
    間間隔および前記最大充満速度の直線的回帰が同じ鼓動
    に関連する最少インピーダンスに達する時間を測定する
    装置を含んでいる請求項4に記載された心臓ペース決め
    要求装置。
  7. 【請求項7】 本来的な心臓の活動がない時に、下限速
    度および上限速度の間に入る速度にて心臓の刺激パルス
    を発生するための可変速度パルス発生装置と、前記パル
    ス発生装置を心臓に連絡させるペース決め装置とを有
    し、前記ペース決め装置が前記本来的な心臓の活動を感
    知する装置と前記刺激パルスを心臓に与える装置とを有
    し、さらに前記パルス発生装置に連結されて生理学的要
    求の変化を感知し、前記刺激パルスが前記下限速度およ
    び上限速度の間で発生する速度を変化させる装置とを有
    するようになっている型式の心臓ペース決め要求装置に
    おいて、その改良として、 (a)心臓の収縮の開始を感知する第1の感知装置と、 (b)心室が迅速充満速度で充満される場合の心室の充
    満工程の終了を感知する第2の感知装置と、 (c)前記第1および前記第2の感知装置に応答して、
    心臓の収縮の開始および前記充満工程の終了の間に経過
    する総活動時間を測定する装置と、 (d)前記総活動時間に比例する制御信号を発生させる
    装置と、 (e)前記制御信号に応答して前記上限速度を設定する
    装置と、を含んでいる心臓ペース取り要求装置。
  8. 【請求項8】 心臓が鼓動する時に心臓への血液の流入
    および心臓からの血液の流出による心臓のインピーダン
    スの変化を測定する装置を有する心臓監視装置におい
    て、 (a)それぞれ遠隔チップ電極およびこのチップ電極に
    隣接して取付けられる表面電極を有する第1および第2
    の導線であって、前記第1の導線がそれの遠隔チップ電
    極および表面電極を心臓の心房室内に位置させるように
    なされ、前記第2の導線がそれの遠隔チップ電極および
    表面電極を心室内に位置させるようになされている前記
    第1および第2の導線と、 (b)予め定められた周波数の電流源を前記対をなすチ
    ップ電極の一方および前記対をなす表面電極の間に接続
    する装置と、 (c)前記対をなすチップ電極の内の他方および前記対
    をなす表面電極を横切る電圧の変化を感知する感知装置
    と、 (d)前記第1および第2の導線に接続され、前記対を
    なすチップ電極の内の他方および前記対をなす表面電極
    の間の抵抗を測定するマイクロプロセッサー装置および
    前記マイクロプロセッサー装置を含み前記抵抗の測定値
    から心臓の総活動時間を計算するための装置と、を含ん
    でいる心臓監視装置。
  9. 【請求項9】 体内に移植可能の心臓リズム管理装置を
    制御する方法において、 (a)患者の心臓への血液の流入および心臓からの血液
    の流出により生じる瞬間的な心臓の時間的インピーダン
    ス変化を測定し、 (b)前記インピーダンス対時間の測定値から心臓のサ
    イクルの総活動時間を決定し、 (c)前記総活動時間に比例する制御信号を発生させ、 (d)前記制御信号を前記心臓リズム管理装置に与え
    て、前記管理装置の作動条件を修正させる、諸工程を含
    んでいる心臓リズム管理装置を制御する方法。
  10. 【請求項10】 前記インピーダンス対時間の測定値か
    ら心臓のサイクルの総活動時間を決定する前記工程が、 (a)心室にて感知されるR−波および心室のペース決
    めパルスの何れか1つを検出し、 (b)以前の鼓動の拡張期終端時に心臓内に含まれる血
    液の量を決定し、 (c)前記インピーダンス対時間の測定値から迅速充満
    工程速度を測定し、 (d)前記心室感知R−波および心室のペース決めパル
    スの何れか1つの検出から心臓が、以前の鼓動の拡張期
    終端時に心臓内に含まれる血液の量となる充満時までの
    時間間隔を計算する、諸工程を含んでいる請求項9に記
    載された方法。
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