JP2780180B2 - 光変調素子 - Google Patents

光変調素子

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JP2780180B2 JP1011154A JP1115489A JP2780180B2 JP 2780180 B2 JP2780180 B2 JP 2780180B2 JP 1011154 A JP1011154 A JP 1011154A JP 1115489 A JP1115489 A JP 1115489A JP 2780180 B2 JP2780180 B2 JP 2780180B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、光変調素子に関し、さらに詳しくはフォト
クロミック化合物を用いた安定で高速応答性のある光変
調素子に関する。
発明の技術的背景 光ビームに何らかの情報を書込むための光変調素子と
しては、従来、音響光学変調素子、電気光学変調素子、
磁気光学変調素子、熱光学変調素子などが知られてい
る。
音響光学変調素子では、たとえば導波路上に形成され
たくし型電極からなるトランスデューサーに高周波電圧
を印加し、入力信号の周波数に応じた周期の弾性表面波
を生じさせ、導波光と弾性表面波との相互作用によって
導波光の偏光角を変化させている。
また電気光学変調素子は、電界を印加することによっ
て導波光の屈折率の変化を利用しており、たとえば偏波
面回転型の電気光学変調素子では、LiNbO3結晶などの結
晶の光学軸方向に電圧が印加され、外部に偏光子を置い
て偏波面の回転を光の強度変化に変調している。
上記のように、従来の光変調素子では、電圧または電
界あるいは磁界を素子に印加することによって光変調を
行なっている。
ところで光変調を素子に電圧または電界あるいは磁界
を印加することによって行なうのではなく、光を利用し
て行なうことができるような光変調素子が出現すれば、
その工業的価値は大きいと期待される。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたも
のであって、光変調を素子に電圧または電界あるいは磁
界を印加することによって行なうのではなく、光を利用
して行なうことができるような光変調素子を提供するこ
とを目的としている。
発明の概要 本発明に係る第1の光変調素子は、一対の偏光子と、
この一対の偏光子間に設けられた光吸収の遷移モーメン
トが一定方向に配向されたフォトクロミック化合物とか
らなり、フォトクロミック化合物に吸収波長領域の光ビ
ームを照射してフォトクロミック化合物の構造を変化さ
せ、この光ビーム照射部を通過する平面偏光の透過量を
変化させるようにしたことを特徴としている。
また本発明に係る第2の光変調素子は、偏光子と、光
吸収の遷移モーメントが一定方向に配向されたフォトク
ロミック化合物とからなり、フォトクロミック化合物に
吸収波長領域の光ビームを照射してフォトクロミック化
合物の構造を変化させ、この光ビーム照射部を通過する
平面偏光の偏光面方向を変化させるようにしたことを特
徴としている。
発明の具体的説明 以下本発明に係る光変調素子について、具体的に説明
する。
本発明に係る第1の光変調素子1aは、第1図の概略説
明図に示すように、一対の偏光子(たとえば偏光板)2
a、2bと、この一対の偏光子間に設けられた光吸収の遷
移モーメントが一定方向に配向されたフォトクロミック
化合物3とからなっている。
フォトクロミック化合物3は、上記のようにその光吸
収の遷移モーメントが一定方向に配向されている。とこ
ろで一般に光吸収の遷移モーメントが一定方向に配向さ
れた化合物は、複屈折性を示すため、化合物自身の光学
活性の有無に関わらず、吸収波長領域およびその近傍に
おいて見かけ上旋光性を示す。したがってフォトクロミ
ック化合物の光吸収の遷移モーメントを一定方向に配向
させれば、このフォトクロミック化合物の吸収波長領域
の光を該フォトクロミック化合物に照射することにより
吸収スペクトルを変化させることによって、光ビームの
旋光度も変化させて光ビームに情報を書込むことができ
る。さらに見かけの旋光度は、通常の旋光度と同様にフ
ォトクロミック化合物の吸収のない波長領域においても
認められるため、フォトクロミック化合物に吸収のない
波長における変調が可能である。このようにすれば、フ
ォトクロミック化合物に書込まれた情報を破壊すること
なく光変調が可能となる。
本発明では、上述したようにフォトクロミック化合物
としては、上記のように分子内に光学活性を持つことを
要しない。従って、スピロピラン、フルギド、チオイン
ジゴ、アゾベンゼンおよびこれらの誘導体をはじめとす
る、あらゆるフォトクロミック化合物を用いることがで
きる。フォトクロミック化合物として、具体的には、 1,3,3,−トリメチルインドリノ−6′−ニトロベンゾ
スピロピラン、 1,3,3,−トリメチルインドリノ−6′−ニトロ−8′
−メトキシベンゾスピロピラン、 1,3,3−トリメチルインドリノ−6,8′−ジブロモベン
ゾスピロピラン、 1,3,3−トリメチルインドリノ−5′−ニトロ−8′
−メトキシベンゾスピロピランベンゾチアゾリノスピロ
ピラン、 1,3,3−トリメチルスピロ[インドリノ−2,3−ナフト
(2,1−b)(1,4)オキサジン]、 1,3,3−トリメチル−5−クロロスピロ[インドリノ
−2,3−ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン]、 1−(オクチル)3,3−ジメチルスピロ[インドリノ
−2,3−ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン]、 1−(テトラデシル)3,3−ジメチルスピロ[インド
リノ−2,3−ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン]、 1,3,3−トリメチルスピロ[インドリノ−2,3−フェナ
ントロ(9,10)(1,4)オキサジン]、 1,3,3−トリメチル−5−クロロスピロ[インドリノ
−2,3−フェナントロ(9,10)(1,4)オキサジン]、 1,3,3−トリメチルスピロ[インドリノ−2,3−(3,
6)ジスルホナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン]ニ
ナトリウム、 2−ブチリデン(ジフェニルメチレン)無水コハク
酸、 ジフェニルメチレン(イソプロピリデン)無水コハク
酸、 2,5−ジメチル−3−フリルエチリデン(イソプロピ
リデン)無水コハク酸、 2,5−ジメチル−3−チオフェニルエチリデン(イソ
プロピリデン)無水コハク酸、 チオインジゴ、 ペリナフトチオインジゴ、 アゾベンゼン、 4−メチキシアゾベンゼン、 2−(2,4−ジニトロベンジル)ピリジン、 4,4′,4″−トリス(N,N−ジメチルアミノフェニル)
メチルクロライドなどの化合物を用いることができる。
このようなフォトクロミック化合物を配向させる方法
としては、フォトクロミック化合物を配向させることが
できるならばどのような方法を用いてもかまわないが、
たとえば異方性を持った媒体中にフォトクロミック化合
物を分散あるいは溶解せしめる方法あるいはフォトクロ
ミック化合物自身の構造に分子の配向を促す部位を導入
する方法とが挙げられる。
フォトクロミック化合物を分散あるいは溶解せしめて
配向させることのできる異方性を持った媒体としては、
フォトクロミック化合物を一定の方向に配向させて分散
あるいは溶解させることのできるものならばどのような
ものでもよいが、たとえば無機化合物もしくは有機化合
物の結晶、各種の液晶、ポリマーの延伸フィルム、ラン
グミュアーブロジェット膜などが用いられるが、特にこ
れらに限定しない。このような媒体自身もまた複屈折に
基づく偏光面の回転角を持っており、フォトクロミック
化合物の吸収に基づく偏光面の回転角は媒体自身の偏光
面の回転角に加算される形で観測できる。
異方性を持った媒体として延伸フィルムを用いる場合
について具体的に説明すると、延伸フィルムを構成する
ポリマーとしては、非晶性ポリオレフィン樹脂、ポリメ
チルメタアクリレートなどのポリメタクリル樹脂、ポリ
メチルアクリレートなどのポリアクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、
メチルペンテンポリマー、ポリアレート樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィ
ン、ポリフェニレン、サルファイド、ナイロン、フッ素
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニ
トリル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、ポリエ
ーテル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルエーテル、セルロース誘導体などを用いることが
できる。
この中ではポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタア
クリレートなどのポリメタクリル樹脂、ポリビニルアル
コール、ポリエステル樹脂および非晶性ポリオレフィン
樹脂が好ましい。
上記のようなフォトクロミック化合物を延伸フィルム
中に分散させて、その光吸収の遷移モーメントを一定方
向に配向せしめるには、具体的には、下記のような方法
を採用することができる。
(1)延伸フィルムを構成するポリマーと、フォトクロ
ミック化合物とを溶剤に溶解させ、得られた溶液をキャ
スティング法によってフィルム状とし、得られたフィル
ム状物を延伸する方法。
(2)予じめ延伸フィルムを準備し、この延伸フィルム
に、フォトクロミック化合物を溶剤に溶解させた溶液を
含浸させ、次いで乾燥する方法。
(3)延伸フィルムを構成するポリマーとフォトクロミ
ック化合物とを混練し、得られた混練物をフィルム状物
に成形し、次いで延伸する方法。
本発明で用いられる延伸フィルムは、1軸方向に延伸
されていることが好ましく、その延伸倍率は、フィルム
によって異なるが、一般に1.2〜1000倍、好ましくは1.4
〜100倍、さらに好ましくは1.4〜50倍であることが望ま
しい。
また異方性を持った媒体として液晶を用いる場合につ
いて具体的に説明すると、フォトクロミック化合物を液
晶に溶解し、得られる液相溶液を、表面配向処理が施さ
れたガラスまたは透明プラスチックによって構成された
セルに注入すればよい。液晶としては、ネマチック液
晶、スメクティック液晶あるいはコレステリック液晶な
どが用いられるが、このうちネマチック液晶およびスメ
クチック液晶が好ましい。
フォトクロミック化合物自身に分子の配向を促す部位
を導入するとは、たとえば液晶分子にフォトクロミック
化合物を、その光吸収の遷移モーメントが一定方向に配
向するように化学的に結合させる方法である。このよう
な分子を構成すれば、特に媒体を用いなくてもフォトク
ロミック化合物を配向させることができる。このような
分子としては、液晶の他に上記の異方性媒体を構成する
分子の一部にフォトクロミック化合物を結合させたもの
が挙げられる。
本発明においては、偏光子として直線偏光を得ること
のできるものであれば、どのような素子でも用いること
ができるが、このような偏光子としては、たとえば次の
(イ)〜(ハ)に掲げるようなものが挙げられる。
(イ)二色性を示す薄膜、特に電気石の薄片およびいわ
ゆるポラロイド板(ヨウ素付荷したPVA延伸フィルムを
透明基板上に張ったものやPVA膜を脱水処理したも
の)。
(ロ)複屈折性を有する結晶を適当な角度に切り出し、
接着したもの。
いわゆるニコルプリズム、グラン−トムソンプリズ
ム、ウォラストンプリズム、ロッションプリズムなどが
これに相当する。
(ハ)ワイヤグリッド型偏光子。
本発明における第1の光変調素子では、光変調は以下
のようにして行なわれる。すなわち上記のような光変調
素子の所望の箇所にフォトクロミック化合物(A)の吸
収波長領域の光ビームを照射する。これにより光ビーム
が照射された箇所においては、フォトクロミック反応が
起こり、フォトクロミック化合物(A)は、構造の異な
る(B)に可逆的に変化する。これに対して光ビームを
照射されなかった箇所では、このような変化は起こらな
い。
このような状態にある光変調素子に、上記(A)およ
び(B)のいずれかの吸収波長領域とも重ならない波長
の平面偏光を照射すると、先に光ビーム照射でフォトク
ロミック反応を起こした箇所(B)と、フォトクロミッ
ク反応を起こしていない箇所(A)とでは、透過した光
の強度すなわち平面偏光の透過量に差異が生ずる。この
ような本発明に係る第1の光変調素子と、光ファイバー
あるいはビーム径の細い光とを所望箇所にフォトクロミ
ック反応を起こすための光として組合せて用いれば、1
つの光変調素子で複数の強度の異なる光ビームを得るこ
とが可能である。
次に本発明に係る第2の光変調素子について説明する
と、この光変調素子1bは、偏光子2aと光吸収の遷移モー
メントが一定方向に配向されたフォトクロミック化合物
3とからなっている。
このような第2の光変調素子では、フォトクロミック
化合物3および偏光子2aは、上記のような本発明に係る
第1の光変調素子と同様なものが用いられる。そしてこ
の第2の光変調素子に、上記(A)および(B)のいず
れの吸収波長領域とも重ならない波長の平面偏光を照射
すると、先に光ビーム照射でフォトクロミック反応を起
こした箇所(B)と、フォトクロミック反応を起こして
いない箇所とでは、透過した光の偏光面に差異が生じ
る。このような本発明に係る第2の光変調素子と、光フ
ァイバーあるいはビーム径の細い光とを所望箇所にフォ
トクロミック反応を起こすための光として組合せて用い
れば、1つの光変調素子で複数の強度の異なる光ビーム
を得ることが可能である。
光変調を行なう箇所をかえるには、上記のような
(B)の吸収波長領域の光ビームを素子全体に照射し、
同領域のフォトクロミック化合物をすべて(A)とした
後、改めて変調を行なう箇所に(A)の吸収波長の光ビ
ーム照射を行なえばよい。
このような本発明に係る光変調素子では、フォトクロ
ミック反応を起こすための光源さえあれば、これ以外の
電源を必要としない。
以下、本発明をさらに具体的に説明するために実施例
を挙げるが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
実施例1 ポリビニルアルコール(和光純薬製吸光分析用)2.5g
を蒸溜水27.5mlに加え、60℃に保ちながら数時間撹拌し
た。糊状になったポリビニルアルコール溶液に1,3,3−
トリメチルインドリノ−6′−ニトロベンゾスピロピラ
ン(以下スピロピランと記す)の10-4Mエタノール溶液1
0mlを加え、一様になるまで撹拌を続けた。撹拌を終え
た後、撹拌による気泡が消えるまで静置し、磁製のバッ
トに注いだ。約一週間室温暗所に静置した後、できあが
ったフィルムを取り出し、適当な大きさに切って加熱し
ながら1.4倍に延伸した。
このフィルムに紫外光(300〜400nm)と可視光(400n
m〜長波長)を交互に照射して、スピロピランのフォト
クロミック反応をおこしながら、反応の前後における偏
光面の回転角を第4図に示すような旋光度計を用いて測
定したところ、第3図に示すような可逆的な変化が起こ
った。測定波長はスピロピランの吸収のほとんどない58
9.3nmである。これにより、本発明の光変調素子におい
てフォトクロミック化合物の吸収領域以外の波長の光の
偏光面を可逆的に変化させることが可能であることが示
された。
実施例2 実施例1においてスピロピランのエタノール溶液の代
わりにエタノール10mlを加えて作製したポリビニルアル
コールのフィルム(膜厚300μm)をフリルフルギド
(構造式1)のエタノール溶液に室温で約20分浸し、取
り出して風乾した後真空乾燥したものを加熱しながら2.
4倍に延伸し、実施例1と同様にして紫外および可視光
照射によるフリルフルギドの反応の前後における偏光面
の回転角を測定した。その結果、消色体から着色体に変
化する際、650nmで+0.5゜、700nmにおいても+0.05゜
の変化が見いだされた。フルギドの着色体の吸収端は60
0nm付近である。この系においても偏光面を可逆的に変
化させることが可能であることが示された。
実施例3 ポリメチルメタクリレート5.5gをアセトン30mlに溶か
し、撹拌溶解した後、フリルフルギドの10-4モルアセト
ン溶液10mlを加えた後、撹拌による気泡が消えるまで静
置し磁製バットに注いだ。室温暗所において1週間静置
した後、できあがったフィルムを取り出し適当な大きさ
に切った後、加熱しながら1.6倍に延伸した(膜厚100μ
m)。実施例1,2と同様にして紫外および可視光照射に
よるフリルフルギドの反応の前後における偏光面の回転
角を測定した。その結果紫外光照射によりフリルフルギ
ドが閉環するのにともない偏光面の回転角は0.06゜減少
した。さらに可視光の照射によりフリルフルギドが再び
開環すると偏光面の回転角は元に戻った。この系におい
ても偏光面を可逆的に変化させることが可能であること
が示された。
実施例4 ポリエチレン延伸フィルム(膜厚100μm)をフリル
フルギドのトルエン溶液に浸し、約80℃に2時間保った
後、取り出して風乾し、実施例1と同様にして紫外およ
び可視光照射によるフリルフルギドの反応の前後におけ
る偏光面の回転角を測定した。その結果、紫外光照射に
よる消色体から着色体への構造変化にともない、偏光面
の回転角が0.02゜増加し、可視光照射によって元に戻っ
た。この変化は10回以上繰り返して検出することができ
た。この系においても偏光面を可逆的に変化させること
が可能であることが示された。
実施例5 スメクチック液晶(構造式2)中に実施例2で用いた
フォトクロミック化合物を、スメクチック液晶1モルに
対してフォトクロミック化合物0.01モルのモル比で溶解
してセルギャップ13μmの平行配向型液晶セルに注入し
たものを光記録媒体とし、実施例1と同様の光照射を行
なったところ、紫外光照射により600nmにおける偏光面
の回転角が+4゜変化した。さらに可視光の照射によ
り、回転角は元に戻った。この系においても偏光面を可
逆的に変化させることが可能であることが示された。
実施例6 ネマチック液晶(メルク社製ZL11132)3ml中にフリル
フルギド60mgを溶解したものを平行配向処理を施したギ
ャップ10μmの液晶セルに注入し配向させた。このセル
を互いに直交する2枚の偏光板の間に一方の偏光板とセ
ルのラビング方向が60℃となるように挟持した後、実施
例1,2と同様に紫外光と可視光を交互に照射してフリル
フルギドの反応前後における波長700nmの光の透過強度
を比較した。その結果、フリルフルギドが開環体(紫外
部に吸収)になったときの透過光強度は閉環体(可視部
に吸収)になったときの透過光強度に比べて20%低くな
った。これにより、本発明の光変調方式によってフォト
クロミック化合物の吸収波長以外の波長領域の光の強度
をかえることが可能であることが示された。
発明の効果 本発明によれば、光変調を素子に電圧または電界ある
いは磁界を印加することによって行なうのではなく、光
を利用して行なうことができる光変調素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明に係る光変調素子の概略
断面図である。 第3図は、本発明で用いられる光変調素子に紫外光と可
視光を交互に照射した場合の偏光面の回転角の変化を示
す図である。 第4図は、施光度計の構成を示す概念図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−212629(JP,A) 市村国宏監修 「新・光機能性高分子 の応用」,第1版 株式会社シーエムシ ー,1988年2月5日,P.119−120, P.169 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/17 G03C 1/73

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の偏光子と、この一対の偏光子間に設
    けられた光吸収の遷移モーメントが一定方向に配向され
    たフォトクロミック化合物とからなり、フォトクロミッ
    ク化合物に吸収波長領域の光ビームを照射してフォトク
    ロミック化合物の構造を変化させ、この光ビーム照射部
    を通過する平面偏光の透過量を変化させるようにしたこ
    とを特徴とする光変調素子。
  2. 【請求項2】偏光子と、光吸収の遷移モーメントが一定
    方向に配向されたフォトクロミック化合物とからなり、
    フォトクロミック化合物に吸収波長領域の光ビームを照
    射してフォトクロミック化合物の構造を変化させ、この
    光ビーム照射部を通過する平面偏光の偏光面方向を変化
    させるようにしたことを特徴とする光変調素子。
  3. 【請求項3】フォトクロミック化合物が延伸フィルム中
    に分散されて、その光吸収の遷移モーメントが一定方向
    に配向せしめられている請求項第1項または第2項に記
    載の光変調素子。
  4. 【請求項4】フォトクロミック化合物が液晶中に溶解さ
    れて、その光吸収の遷移モーメントが一定方向に配向せ
    しめられている請求項第1項または第2項に記載の光変
    調素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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市村国宏監修 「新・光機能性高分子の応用」,第1版 株式会社シーエムシー,1988年2月5日,P.119−120,P.169

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