JP2778488B2 - アウェアネス制御装置 - Google Patents

アウェアネス制御装置

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JP2778488B2 JP27100394A JP27100394A JP2778488B2 JP 2778488 B2 JP2778488 B2 JP 2778488B2 JP 27100394 A JP27100394 A JP 27100394A JP 27100394 A JP27100394 A JP 27100394A JP 2778488 B2 JP2778488 B2 JP 2778488B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】通信端末装置のユーザインタフェ
ースに関するもので、特に、遠隔地間で行われるコミュ
ニケーションや協同作業などのタスクを快適に効率よく
開始することに関する。
【0002】
【従来の技術】遠隔地の相手と会話などのタスクを開始
する際に、相手側の物理的な環境やその様子に関する情
報をやり取りし、その情報をもとに相手に対して呼びか
けを行いタスクを開始するきっかけを得る従来の方法と
しては、TV会議システムやTV電話を常時接続してお
き映像と音声の情報を常時通信する方法や、米国Bel
lcoreで開発されたCruiserシステム(参考
文献:Fish,R.S.Evaluating Vi
deo as a Technology for I
nformal Communication,Pro
c.CHI’92,pp.37−48(1992))
(参考文解:Bly,S.A.MediaSpace
s: Bringing People Togeth
er ina Video,Audio,and Co
mputing Environment,Comm.
of the ACM,Vol.36,No.1,p
p.28−47(1993))のように利用者が端末に
発呼用コマンドを発行して相手側の様子を見たり通信接
続を行ったりするものや、あるいは、利用者の所在地や
スケジュールといった情報をテキスト情報として表示す
る方法(参考文献:Want,R.,et al,Th
e Active Badge Location S
ystem,ACM Transactions on
Information Systems,Vol.
10,No.1,pp.91−102(1992))が
挙げられる。
【0003】また、相手に呼びかけを行う技術として
は、電話のようにベル音やランプの明滅を利用したり、
ページャを利用するといった方法が挙げられる。利用者
が不在であることを伝えたり不在中に応対を行う装置と
しては、例えば留守番電話が挙げられる。さらに、相手
側の物理的な環境やその様子に関する情報を伝達する専
用装置としては、特願平6−39713号明細書に記載
の「アウェアネス制御装置」がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】人と人との活発なコミ
ュニケーションを実現するためには、相手と会話を行う
ためのきっかけ作りが重要となる。きっかけの例には、
接近してくる相手の存在に気づいたり、話しかける相手
の所在や状況などを知ることが挙げられる。そして、実
際にその相手と会話を行う場合には呼びかけや呼び出し
を行い、相手に自分の存在を気づかせる必要がある。こ
のように自分以外の相手の存在やその相手の状況、ある
いは、相手からの呼びかけなどの働きかけを知覚し認知
することは「アウェアネス」と呼ばれている(参考文
献:Dourish,P:Portholes:Sup
porting Awareness in a Di
stributed Work Group,Pro
c.CHI’92,pp.541―547(199
2))。
【0005】対面環境では、アウェアネスは、利用者相
互の動作や位置関係、気配といった無意識のうちにやり
取りされる情報、あるいは、発声や相手への接触、接近
といった利用者が直感的に理解でき特別な記憶や訓練が
不要な動作によって生じている。また、アウェアネスは
日常場面においてしばしば偶発的に生じる。例えば「相
手が自分の側を通りかかったために、相手と対話を行い
たいという動機が生じた」といった状況である。自然で
活発に会話が行われる環境とは、利用者自身が無意識
に、あるいは、利用者の簡単な意図によって生成された
情報や刺激が、利用者間で恒常的にかつ無意識のうちに
かつ瞬時にやり取りされる環境である。
【0006】通信環境では相手の呼び出しは不可欠な要
素である。これもアウェアネスの一種と言えるが、その
ための利用者の操作負担は少なくなければならない。さ
らに、実際に相手を呼び出す際に、相手側の環境や利用
者の状況に関する情報が得られている方が効果的であ
る。相手が在席しているか、都合が悪くないかが事前に
わかれば、不要な呼び出しを行わずに済む。また、相手
の置かれている状況に合わせて呼び出し手段を選択でき
るようになる。
【0007】ところが、従来の通信環境では発呼動作に
対する作業コストが高く、利用者に高い対話動機を必要
とした。例えば、電話の場合には、電話番号の記憶ある
いは記録の検索、受話器を手で保持、番号の入力、接続
後の相手の確認や取り次ぎの依頼、といった労力や作業
が必要となる。また、通信接続を確立しない限り相手側
の情報は入手不可能なので、対面環境のようにアウェア
ネスが偶発的に生じることは無かった。この問題点を解
決する方法として、TV電話やTV会議システムを常時
接続状態にしておく方法があるが、通信コストが高くな
るという欠点がある。
【0008】さらに、従来は端末や通信網が提供する単
純な機能や状況判断といった僅かな情報から相手側の状
況を推測していた。再び電話を例にとると、「話し中」
の音と「いつまでたっても相手が着信しない」といった
情報しか得られない。留守番機能を有する端末装置で
は、着信側の状況を発信者側ヘ送信するメッセージとし
て着信側の利用者があらかじめ登録しておく必要があ
り、着信側の状況が変わる毎にメッセージも記録し直す
必要があった。相手と直接話をしなければならないとい
った状況では留守番電電話は対応できない場合も多く、
伝言をせずに接続を切断する場合も多い。着信側の利用
者がメッセージとして事前に記録しておいた場合を除
き、不在ならばいつかけ直せばよいか、などといった、
次にとるべき行動を判断することもできなかった。他
方、ページャの場合でも相手の居場所や都合、さらには
ページャの機能状態がわからないため、呼び出しにより
相手に迷惑をかけたり、電源OFFや電波の未達などに
よる呼び出しに失敗するなど、効率的な呼び出しが行え
ない場合があった。
【0009】本発明の第1の目的は、通信環境において
も対面環境と同様に、遠隔地間の利用者が会話などのタ
スクを開始する際に必要なアウェアネスに関する情報
が、発信側および受信側の双方の利用者に操作性や情報
の知覚および理解の面で負担をかけることなく、効率的
にかつ瞬時にやり取りされる環境を実現することにあ
る。
【0010】利用者の状況や利用者をとりまく環境によ
って最適な呼びかけ方法や呼び出し方法は異なる。例え
ば、騒音の中では視覚的な手段の方が利用者は認知しや
すい。また、視覚的な作業を行っている場合には音を利
用した方法が有効となる。対面では、会話のきっかけを
つくる際には、利用者は相手や自分の状況に合わせてア
ウェアネスのための手段や伝達する情報の種類を容易に
選択できる。また、場合によってはいくつかの手段を組
み合わせるといった事が行われる。例えば、声で呼びか
けるかそれとも肩を叩くのかといった選択や、ジェスチ
ャを伴いつつ相手に声をかける、といったことが挙げら
れる。
【0011】さらには、慣習的な問題として、相手の呼
び出し手順や手段などが問題となる場合もある。例え
ば、目上の人物に対して用いるべきでない手段、秘書を
通すといった手順などが挙げられる。さらには、用件の
重要度によっても呼び出し方に違いが生ずる。従って、
通信端末を用いて相手を呼び出す場合にも環境や状況に
応じて呼び出し手段の種類を自由に選択でき、かつ、そ
の呼び出し手段の特性などを調節できることが望まし
い。
【0012】しかし、従来端末では呼び出し方法が端末
毎に固定、あるいは、呼び出し音やメロディーが僅かな
がら変更できる程度である。さらに、それら呼び出し方
法の選択や設定は端末設置地点側の利用者によってのみ
可能で、呼び出し側からは呼び出し手段を自由に制御で
きない欠点があった。従って、会話のきっかけをつくる
際に、利用者の状況に適した呼び出しは行えない。ま
た、複数のメディアを組み合わせるような呼び出しを行
う場合には、従来端末では単独で必要とするメディアが
全て提供できないので、その結果、端末を複数台設置
し、それらを同時に並行して使用する必要が生じる。各
端末装置をそれぞれ個別に相手側と接続し操作すること
は煩雑であり、利用者は気軽に相手と会話を始められな
い。
【0013】本発明の第2の目的は、通信環境におい
て、アウェアネスのための環境や手段が、自地点側およ
び相手側の環境や状況に応じて、適切に選択、設定され
るようにすることにある。
【0014】会話などのタスクが長時間に及ぶ場合には
休憩や休止などのタスクの中断を伴うが、タスクを再開
する際にはタスク開始時と類似した呼びかけ、あるい
は、きっかけ作りとしてアウェアネスの発生が必要とな
る。その他、このようなタスク用の通信接続が完了した
後にアウェアネスの発生が必要となる例には、遠隔地間
で密にコミュニケーションを図るために常に通信接続状
態にし、常時、画像や音声をやり取りするような通信形
態も挙げられる。
【0015】ところが従来の通信環境では、タスクの継
続中、例えば、TV会議やTV電話が既に接続状態にあ
る状況下では、相手を呼びかけるための特別な手段は提
供されておらず、タスク実行手段を利用するしかなかっ
た。さらに、タスク実行手段は、相手の呼びかけとして
用いる場合に問題が生じる場合がある。例えば、TV電
話の場合には、タスク実行手段とは会話手段である動画
と音声のチャネルであるが、タスク中断中は利用者は画
像を見ていないことが多く、さらに、接続中は発呼音を
利用できないため、タスク再開を呼びかける手段として
は音声チャネルを利用することになる。しかし、相手が
端末の側に居ない場合には、相手側の出力音量を大きく
したりする必要があるが、どの程度まで音量を大きくす
べきかを判断することが出来ず、小さすぎて相手の呼び
出しに失敗したり、大きすぎて、相手側の利用者に不快
感を与える可能性もある。さらに、長時間にわたり中断
する場合には、一般的には通信は切断状態にするので、
その場合にはタスク再開に要するコストも高くなる。
【0016】本発明の第3の目的は、通信接続が既に完
了しタスクが実行可能な状況においても、相手を呼び出
したり呼びかけたりといったアウェアネスの発生が適切
に実現する環境を提供することにある。
【0017】対面環境において利用者相互で会話、
、インフォーマルな会話が始まる過程には、「相手の
存在に気づき、相手との会話を思い立ち、相手に呼びか
けを行い、相手が呼びかけに気づき、会話が始まる」
「相手との会話を思い立ち、相手を捜し、相手を発見
し、相手に呼びかけ、相手が呼びかけに気づき、会話が
始まる」「相手とばったり出会い、会話が始まる」とい
う3つのタイプがある。会話が自然に発生するために
は、これら3つのタイプの会話発生過程の全てが実現さ
れる環境でなければならない。このことは、対面環境の
みならず通信環境においても同様である。この3つのタ
イプの会話発生過程は、さらに、「会話動機の発生」
「探索」「呼びかけ」「遭遇」の4種類の部分的な過程
に細分化でき、3タイプの会話発生過程をこの4つの部
分的過程の組み合わせによって表すことができる。
【0018】ところが、従来の通信環境には3つのタイ
プの対話発生過程を全て支援するものはない。例えば、
TV会議システムでは、画面中の相手を選択して話しか
けられない、ページャやテキスト情報を提示する方法で
は、相手の所在や正確な状況が確認できない、相手側の
状況把握が端末設置箇所周辺に限定され利用者が端末周
辺にいなければ会話が始められない(TV電話など)、
といった問題がある。また、特願平6−39713号明
細書記載の「アウェアネス制御装置」は、相手側の状況
を知りそれをもとに相手に呼びかける事はできるが、イ
ンフォーマルな会話を行う上で重要な偶然の出会いや相
手を捜すといった機能がない。
【0019】本発明の第4の目的は、対面環境において
みられる3タイプの会話発生過程を全て備えた通信環境
を実現することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明のアウェアネ
ス制御装置は、遠隔地の利用者と通信を行い会話などの
タスクを開始する際に、遠隔地と通信接続を行い、相手
側の様子を伝えたり、相手側の環境の探索を行ったり、
相手の呼び出しなどを行う装置であって、自地点側利用
者の様子や利用者周辺の様子の検出または利用者が発行
した命令の入力処理を行う利用者環境情報入力部と、自
地点側利用者ヘ相手側の様子や相手からの呼びかけとい
ったアウェアネス情報の提示を行うアウェアネス情報出
力部と、遠隔地と情報のやり取りを行う通信インタフェ
ース部と、通信インタフェース部の制御を行い遠隔地と
の通信接続を管理し、遠隔地と自地点側との呼び出し要
求のやり取りを行うアウェアネス管理部と、前記利用者
環境情報入力部から送られてきた情報をもとに相手の呼
び出しを行うかを判別し相手を呼び出す場合には呼び出
し要求をアウェアネス管理部ヘ出力し、また、アウェア
ネス管理部から遠隔地が発信した呼び出し要求が送られ
てきた場合には自地点側利用者に対する呼び出し方法の
選択および出力情報の生成および出力装置の選択を行い
前記アウェアネス情報出力部ヘ情報の出力を行うアウェ
アネス機能制御部とを備えて構成されたことを特徴とす
る。
【0021】第2の発明のアウェアネス制御装置は、第
1の発明において、前記アウェアネス機能制御部が、自
地点側利用者と前記アウェアネス情報出力部との物理的
な位置関係を解析し、あらかじめ設定しておいた条件を
満たした場合に呼び出し要求を出力することを特徴とす
る。
【0022】第3の発明のアウェアネス制御装置は、第
1〜第2の発明において、前記アウェアネス機能制御部
が自地点側利用者の動作を解析し、利用者が特定の動作
を行った場合には自動的に呼び出し要求を出力すること
を特徴とする。
【0023】第4の発明のアウェアネス制御装置は、第
1〜第3の発明において、前記アウェアネス機能制御部
が、相手側から呼び出し要求が送られてきた場合に、自
地点側利用者自身とその周辺の状況を解析し、最適な自
地点側利用者の呼び出し方法の選択を自動的に行うこと
を特徴とする。
【0024】第5の発明のアウェアネス制御装置は、第
l〜第4の発明において、前記アウェアネス機能制御部
が、利用者自身とその周辺の状況に関する情報を含んだ
呼び出し要求を出力し、また、呼び出し要求を受信した
際に自地点の利用者に関する情報と遠隔地の利用者に関
する情報との双方を解析して、自地点側利用者の最適な
呼び出し方法の選択を行うことを特徴とする。
【0025】第6の発明のアウェアネス制御装置は、第
1〜第5の発明において会話などのタスクを行う際に利
用者の間でやり取りされるタスク用の情報の入出力を行
うタスク用情報入出力部と、前記タスク用情報入出力部
の制御およびタスク用の情報のやり取りを行うタスク制
御部と、前記タスク制御部に対して制御信号を出力し前
記タスク制御部の制御を行う前記アウェアネス管理部と
を備えて構成されたことを特徴とする。
【0026】第7の発明のアウェアネス制御装置は、第
1〜第5の発明において、会話などのタスクを行う際に
利用者の間でやり取りされるタスク用の情報の入力を行
う前記利用者環境情報入力部と、遠隔地から送られてき
た、会話などのタスクを行う際に利用者の間でやり取り
されるタスク用の情報の出力を行う前記アウェアネス情
報出力部と、タスク用の情報の入出力の制御およびタス
ク用の情報のやり取りを行うタスク制御却と、前記タス
ク制御部に対して制御信号を出力し前記タスク制御部の
制御を行う前記アウェアネス管理部とを備えて構成され
たことを特徴とする。
【0027】第8の発明のアウェアネス制御装置は、第
1〜第7の発明において、遠隔地と自地点の間で通信接
続が既に確立し会話などのタスクを行うための情報のや
り取りが行える状態においても、前記アウェアネス管理
部が遠隔地と呼び出し要求のやり取りを行うことを特徴
とする。
【0028】第9の発明のアウェアネス制御装置は、第
1〜第8の発明において、前記アウェアネス管理部が会
話などのタスクが発生し実行に至るまでの過程を区分し
て扱い全体的なタスクの状態や流れを管理し、前記アウ
ェアネス機能制御部が内部に各区分毎に独立して制御を
行う単数あるいは複数の機能制御部を有することを特徴
とする。
【0029】第10の発明のアウェアネス制御装置は、
第9の発明において、前記アウェアネス管理部が、利用
者が会話を思い立ち遠隔地の相手と会話を開始するまで
の過程を、会話動機の発生と、相手の探索と、相手との
遭遇と、相手ヘの働きかけとの4つの過程として区分し
管理を行い、前記アウェアネス機能制御部が、この4つ
の過程のそれぞれを独立して制御を行う4つの前記機能
制御部から構成されることを特徴とする。
【0030】
【作用】第1の発明のアウェアネス制御装置によれば、
自地点側利用者の様子や利用者周辺の様子または利用者
が発行した命令を入力装置が検出し、そこで生成された
信号または情報は利用者環境情報入力部を介してアウェ
アネス機能制御部ヘ送られる。アウェアネス機能制御部
では、入力装置またはセンサが生成した情報を解析し、
相手の呼び出しを行うかの判別を行う。判別の結果、相
手の呼び出しを行う場合には、呼び出し要求を出力し、
アウェアネス管理部ヘ送る。アウェアネス管理部は、自
地点側のアウェアネス機能制御部から呼び出し要求が送
られてきた場合には、通信インタフェース部の制御を行
って遠隔地との通信接続を確立し、相手側ヘ呼び出し要
求を送信する。また、アウェアネス管理部は遠隔地より
呼び出し要求を受信した際には、自地点側のアウェアネ
ス機能制御部ヘ送られてきた呼び出し要求を送る。アウ
ェアネス機能制御部はアウェアネス管理部から遠隔地か
らの呼び出し要求を受け取ると、自地点側の利用者の呼
び出し方法を決定しアウェアネス情報出力要求を生成し
アウェアネス情報出力部ヘ送る。アウェアネス出力部で
はアウェアネス情報出力要求を解析し、アウェアネス情
報を利用者に対して出力する。
【0031】第2の発明のアウェアネス制御装置によれ
ば、アウェアネス機能制御部が自地点側利用者とアウェ
アネス情報出力部との物理的な位置関係を解析し、あら
かじめ設定しておいた条件を満たした場合に呼び出し要
求を出力する。
【0032】第3の発明のアウェアネス制御装置によれ
ば、アウェアネス機能制御部が自地点側利用者の動作を
解析し、利用者が特定の動作を行った場合には自動的に
呼び出し要求を出力する。
【0033】第4の発明のアウェアネス制御装置によれ
ば、相手側から呼び出し要求が送られてきた場合に、ア
ウェアネス機能制御部が自地点側利用者自身とその周辺
の状況を解析し、最適な自地点側利用者の呼び出し方法
の選択を自動的に行う。
【0034】第5の発明のアウェアネス制御装置によれ
ば、アウェアネス機能制御部が利用者自身とその周辺の
状況に関する情報を含んだ呼び出し要求を出力し、呼び
出し要求を受信した際に自地点の利用者に関する情報と
遠隔地の利用者に関する情報との双方を解析して、自地
点側利用者の最適な呼び出し方法の選択を行う。
【0035】第6の発明のアウェアネス制御装置によれ
ば、タスク用情報入出力部は会話などのタスクを行う際
に利用者の間でやり取りされるタスク用の情報の入出力
を行い、タスク制御部はタスク用入出力部の制御および
タスク用の情報のやり取りを行い、アウェアネス管理部
は、タスク制御部に対して制御信号を出力しタスク制御
部の制御を行う。
【0036】第7の発明のアウェアネス制御装置によれ
ば、利用者環境情報入力部が会話などのタスクの際に利
用者の間でやり取りされるタスク用の情報の入力を行
い、アウェアネス情報出力部が遠隔地から送られてき
た、会話などのタスクを行う際に利用者の間でやり取り
されるタスク用の情報の出力を行い、タスク制御部がタ
スク用の情報の入出力の制御およびタスク用の情報のや
り取りを行い、アウェアネス管理部がタスク制御部に対
して制御信号を出力しタスク制御部の制御を行う。
【0037】第8の発明のアウェアネス制御装置によれ
ば、アウェアネス管理部が相手側とタスクを行っている
環境下においても、遠隔地と呼び出し要求のやり取りを
行う。
【0038】第9の発明のアウェアネス制御装置によれ
ば、アウェアネス管理部が会話などのタスクが発生し実
行に至るまでの過程を区分して扱い全体的なタスクの状
態や流れを管理し、アウェアネス機能制御部はその内部
が単数または複数の機能制御部に分かれて、各機能制御
部がそれぞれ独立してタスクを区分して管理し制御を行
う。
【0039】第10の発明のアウェアネス制御装置によ
れば、アウェアネス管理部が利用者が会話を思い立ち遠
隔地の相手と会話を開始するまでの過程を、会話動機の
発生と、相手の探索と、相手との遭遇と、相手への働き
かけとの4つの過程として区分し管理し、アウェアネス
機能制御部の内部の遠隔地情報提示機能制御部と探索機
能制御部と働きかけ機能制御部と遭遇機能制御部とがそ
れぞれ各過程の区分毎に制御を行う。
【0040】
【実施例】以下では、通信環境上で行うタスクとして、
画像や音声をやり取りしながら行う会話を一例に説明す
るが、本発明は通信手段を介在にして遠隔地の利用者同
士が行うタスク、例えば、共同執筆や遠隔会議といった
リアルタイム型の協同作業に対しても適用できる。具体
的には、同期型のグループウェアやCSCWシステムに
おいて、通信接続を管理し協同作業の開始終了といった
流れを監視する部分に対して適用することができる。
【0041】以下の説明における「会話の発生や開始」
に関する部分は、協同作業の発生や開始と同等に扱って
良い。また、本発明は双方向通信だけでなく、単一方向
の通信、例えば、遠隔監視システムについても適用でき
る。相手側を監視したり、相手の一方的な呼び出し例え
ば店舗内での業務連絡などを行うような状況において、
相手に対してさりげなく情報を伝えたい場合や、相手に
不快感を与えずに自分の存在を知らせるような場合につ
いても適用できる。
【0042】まず、本発明と利用者との間でやり取りさ
れる情報の概要および特性について説明する。人と人と
が会話を開始する際には、相手と会話を行うための何ら
かのきっかけ作りが必要である。このきっかけ作りの特
性は、その環境のコミュニケーションの特性を左右す
る。きっかけ作りがうまく得られない環境では、利用者
同士の活発なコミュニケーションは期待できない。ここ
で言うきっかけ作りとは、自分以外の人物の存在や、そ
の人物がもつ会話動機を認識(アウェア)することでも
ある。このように、自分以外の相手の存在やその相手の
状況、あるいは、相手からの呼びかけなどの働きかけを
知覚し認知することは「アウェアネス」と呼ばれている
(参考文縦:Dourish,P:Porthole
s:Supporting Awareness in
a Distributed Work Grou
p,Proc.CHI’92,pp.541−547
(1992))。以下では、利用者にアウェアネスを生
じさせた情報をアウェアネス情報と呼ぶことにする。
【0043】人同士のコミュニケーションは、物理的に
面と向かった対話、つまり、対面対話が基本である。利
用者同士が同一の物理空間に存在するときにやり取りさ
れるアウェアネス情報が、対話などの協同作業を開始す
る際に自然でかつ効果的なきっかけ作りをもたらす。
【0044】対面で利用されるアウェアネス情報の例に
は、肉声による直接的な相手の呼びかけ、自分以外の利
用者同士の会話、相手が接近してくる事による位置関係
の変化、自分の視野に入った相手の姿、咳やくしゃみな
どの無意識のうちに発せられた音声、足音や物音やキー
ボードのタイプ音などといった人物の動作や行動に伴っ
て発生した音、体温あるいは人体から輻射される赤外
線、視線や顔の向き、体臭、相手への接触、自分以外の
人体による吸音や遮音により生じた音の聞こえ方や伝わ
り方の変化、人物が側を通過することによって発生した
気流の変化、拍手、手招きなどの呼びかけを目的とした
ジェスチャ、拍子木の音やブザーといった呼びかけを目
的として発生させた音、呼びかけを目的とした物体の投
てきを含む物体を介在とした身体への接触、ランプの明
減、機械の動作音、といったものが挙げられ、その種類
は多岐にわたる。
【0045】これら多種多様なアウェアネス情報は、利
用者同士の置かれた状況によって選択されている。ま
た、これら対面で利用されているアウェアネス情報は、
利用者が直感的に理解でき、利用に際しては特別な記憶
や訓練が不要なため、通信環境においてもこれら情報の
流通を実現すれば、利用者に自然な使用感である印象を
与え、かつ、タスクの発生時に要する呼び出しや相手の
特定といった作業に要するコストも従来よりも低くな
り、高いユーザビリティが得られる。本発明で扱うアウ
ェアネス情報も、対面と同じあるいは同等の効果を得ら
れる情報を対象とする。
【0046】第1の発明の実施例について、図面を用い
て説明する。図1に第1の発明のアウェアネス制御装置
の一実施例を構成図で示す。このアウェアネス制御装置
によれば、通信環境においても対面環境と同様に、遠隔
地間の利用者が会話などのタスクを開始する際に必要な
アウェアネスに関する情報が、発信側および受信側の双
方の利用者に操作性や情報の知覚および理解の面で負担
をかけることなく、効率的にかつ瞬時にやり取りされる
環境を実現できる。
【0047】利用者環境情報入力部101は、利用者の
所在地や利用者の周囲の状況といったアウェアネス情報
や利用者からの命令を検出し、利用者環境情報を生成し
てアウェアネス機能制御部103ヘ送る。アウェアネス
機能制御部103は利用者環境情報の解析を行い、解析
の結果、遠隔地の呼び出しを行う場合には呼び出し要求
を生成し、アウェアネス管理部104ヘ送る。アウェア
ネス管理部104は通信インタフェース部105を介し
通信回線や通信網を介して遠隔地の相手側端末へ呼び出
し要求を送信する。また、相手側が通信回線や通信網を
介し通信インタフェース部105を介してアウェアネス
管理部104ヘ呼び出し要求を送信してきた場合には、
アウェアネス管理部105は呼び出し要求をアウェアネ
ス機能制御部103ヘ送る。遠隔地からの呼び出し要求
を受け取ったアウェアネス機能制御部103はアウェア
ネス情報出力要求をアウェアネス情報出力部102ヘ送
る。アウェアネス情報出力部102はアウェアネス情報
出力要求に従い、自地点側利用者に対してアウェアネス
情報を出力する。
【0048】第2の発明の実施例について説明する。こ
のアウェアネス制御装置によれば、通信環境においても
対面環境と同様に、遠隔地間の利用者が会話などのタス
クを開始する際に必要なアウェアネスに関する情報を、
発信側および受信側の双方の利用者に操作性や情報の知
覚および理解の面で負担をかけることなく、効率的にか
つ瞬時にやり取りする環境を実現する。第2の発明では
第1の発明におけるアウェアネス機能制御部103が、
自地点側利用者と前記アウェアネス情報出力部との物理
的な位置関係を解析し、あらかじめ設定しておいた条件
を満たした場合に呼び出し要求を出力する。
【0049】第3の発明の実施例について説明する。こ
のアウェアネス制御装置によれば、通信環境においても
対面環境と同様に、遠隔地間の利用者が会話などのタス
クを開始する際に必要なアウェアネスに関する情報を、
発信側および受信側の双方の利用者に操作性や情報の知
覚および理解の面で負担をかけることなく、効率的にか
つ瞬時にやり取りする環境を実現する。第3の発明では
第1の発明または第2の発明におけるアウェアネス機能
制御部103が、自地点側利用者の動作を解析し、利用
者が特定の動作を行った場合には自動的に呼び出し要求
を出力する。
【0050】第4の発明の実施例について説明する。こ
のアウェアネス制御装置によれば、通信環境において、
アウェアネスのための環境や手段が、自地点側および相
手側の環境や状況に応じて、適切に選択、設定されるよ
うになる。第4の発明では、第1〜3の発明におけるア
ウェアネス機能制御部103が相手側から呼び出し要求
が送られてきた場合には自地点側利用者自身とその周辺
の状況を解析し、最適な自地点側利用者の呼び出し方法
の選択を自動的に行う。
【0051】第5の発明の実施例について説明する。こ
のアウェアネス制御装置によれば、通信環境において、
アウェアネスのための環境や手段が、自地点側および相
手側の環境や状況に応じて、適切に選択、設定されるよ
うになる。第4の発明では、第1〜4の発明におけるア
ウェアネス機能制御部103が、利用者自身とその周辺
の状況に関する情報を含んだ呼び出し要求を出力し、呼
び出し要求を受信した際に自地点の利用者に関する情報
と遠隔地の利用者に関する情報との双方を解析して、自
地点側利用者の最適な呼び出し方法の選択を行う。
【0052】利用者環境情報入力部101について説明
する。図2に利用者環境情報入力部101の一実施例を
構成図で示す。利用者環境情報入力部101は複数また
は単数の入力装置201と利用者環境情報入力インタフ
ェース部202とから構成される。入力装置201のそ
れぞれは、独自に利用者の所在地や利用者の周囲の状況
といったアウェアネス情報、あるいは、利用者からの命
令の検出を行う。これら複数の入力装置201から送ら
れてきた信号あるいは情報は、利用者環境情報入力イン
タフェース部202に集められる。
【0053】利用者環境情報入力インタフェース部20
2の内部には、入力装置201の特性や設置場所に関す
る情報、入力装置201が生成する信号や情報のフォー
マットに関する情報、入力装置201の制御に関する情
報が格納されており、必要に応じてこれら情報が参照さ
れる。
【0054】また、利用者環境情報入力インタフェース
部202には、入力装置の種類や扱うアウェアネス情報
の種類によって、利用者に関する情報、例えば、氏名や
所属や職制や年齢や性別といった社会階層に関する情報
や、利用者の身体的な特徴、利用者のスケジュール、利
用者の行動履歴、利用者を撮影した画像情報、指紋や声
紋などの識別用情報、などといった情報が必要に応じて
格納され参照される。
【0055】また、利用者環境情報入力インタフェース
部202には、入力装置の種類や扱うアウェアネス情報
の種類によって、利用者の周囲の環境、例えば、室内の
レイアウトや設置設備、什器などの種別に関する情報、
室内の建築素材や、照明器具やその照度、室内の音響特
性、室内の空調に関する情報、建物の設計図、といった
情報が必要に応じて格納され参照される。
【0056】利用者環境情報入力インタフェース部20
2は入力装置201から送られてきた各種信号または情
報を解析し、利用者環境情報の生成を行う。利用者環境
情報は一定時間間隔でアウェアネス機能制御部103へ
自動的に送信されるが、アウェアネス機能制御部103
が利用者環境情報入力部に対して生成を要求し、その要
求に従って利用者環境情報を生成しアウェアネス機能制
御部103へ出力するようにすることも可能である。
【0057】このように入力装置201を利用者環境情
報入力部101において一元的に管理することで、アウ
ェアネス情報のやり取りに際して複数種類の装置やメデ
ィアが扱え、利用者はメディアを自由に選択できるよう
になる。また、このような情報の入力の一括管理を行う
ことで、利用者へ情報を提示する際に効果に応じてメデ
ィアを選択したり、複数のメディアを組み合わせて情報
を提示できるようになり、情報に対する利用者の認識率
を高め効果的に情報を伝達することが可能となる。
【0058】入力装置201について説明する。通信環
境においても遠隔地の利用者同士で対面と全く同じアウ
ェアネス情報をやり取りできることが理想ではあるが、
現在の技術レベルでは通信環境において対面環境と同じ
状況を作り出すことができない。また、単一の入力装置
で複数のアウェアネス情報の検出を行うことは現在の技
術レベルでは実現できていない。そこで、対面環境に近
くなるように既存のセンサやデバイスを複数組み合わせ
るなどして複数のアウェアネス情報を扱えるようにす
る。最も身近な組み合わせの例は視覚的な情報の入力手
段であるカメラと聴覚的な情報の入力手段であるマイク
の併設が挙げられる。
【0059】また、扱うアウェアネス情報によって、位
置センサ、圧力センサ、温度センサ、ガスセンサ、磁気
センサ、加速度センサ、光センサ、歪みセンサなどの各
種センサや測定装置を用いる。アウェアネス情報のうち
利用者による意図的な相手の呼びかけを行う場合は利用
者による明示的な命令入力行為に相当するため、既存の
命令入力専用装置、例えば、キーボードやスイッチ、可
変抵抗器やそれを利用したデバイスまたは装置、マウ
ス、タブレット、タッチパネル、VRで利用されるよう
なデータグローブやそれに類する装置、音声入力装置、
画像認識装置などを、必要に応じて用いる。入力装置は
設置場所が固定されるものだけでなく、利用者が携帯す
るなどして位置が可変となるものでも利用可能である。
【0060】利用者環境情報について説明する。以下で
は利用者環境情報はテキスト表現されるものとして説明
するが、同等の機能を実現できるものであるならばその
情報のフォーマットや信号形式は何であっても構わな
い。利用者環境情報は、利用者の識別情報、および、利
用者の状態を表す情報、および、利用者の周囲の環境を
表す情報、および、利用者が生成した命令によって構成
される。
【0061】利用者環境情報はこれら情報の全てから構
成される場合と、一部分や、その組み合わせによって構
成される場合とがある。後者の場合、どの情報を含むか
については、処理速度や信号の転送レート、さらには、
対象とするアウェアネス情報の種類や数によって決定さ
れる。例えば、利用者が誰であるかを識別する情報のみ
が必要な場合には、利用者の状態を表す情報は冗長とな
る。また、対象とするアウェアネス情報の種類が増えれ
ば、利用者の状態や利用者の周囲の環境に関する情報も
多くなり、全ての情報を常に送る方式が効率的でなくな
る場合も生じる。これを回避する方法としては、利用者
環境情報を情報の種別毎に細分化し、ヘッダに情報の識
別子を付加して、必要に応じて必要最小限の情報を送
る、といった方法が考えられる。例えば、一つの利用者
環境情報が固定長のレコードとして表現される場合に
は、最初の1バイトを識別子として割り当てる、といっ
た方法が挙げられる。
【0062】利用者の識別情報とは、例えば、利用者の
氏名や識別番号として記述される。また、利用者の厳重
な認証処理を行う場合には、利用者の顔画像イメージな
どの他、利用者を特定するために有効となる情報、例え
ば、指紋や声紋、網膜の血管パターンといった情報が識
別情報として送られる。
【0063】利用者の状態を表す情報とは、基本的には
利用者の現在位置や姿勢、顔や視線の向きといった人体
の姿勢や動作を数値的にまたは記号的に表現する情報で
ある。これらは人体の表面や内部に設定した代表点やそ
の集合などの位置座標として表現されるほか、顔や視線
の向きについては方向ベクトルとして表される。
【0064】また、姿勢については、人体の代表的な立
体モデルをあらかじめ構築しておき、そのモデルにいく
つかの姿勢や動作パターンを設定し、そのパターンと実
際の利用者の姿勢とのマッチングを行いパターンの識別
子あるいはその識別子の差分や摂動として表現する事も
可能である。
【0065】動作などを表現する場合には、前述した情
報の時間変化、あるいは、時間軸による微分情報、また
は、重心や特定の点についての運動方程式や加速度、身
体上の代表定の点の軌跡といった情報として表現され
る。さらに、利用者の状態を表す情報としては、体重や
身長といった身体の外観を表す情報、体温や呼吸数、脈
拍といった生理的な情報、着衣の種類や特徴、表情や感
情といった感性的な情報も、それぞれの情報に対する検
出手段や認識手段を適用することで利用可能となる。
【0066】また、利用者の状態を表す情報として、利
用者自身の画像イメージ情報や音声情報などを利用する
場合もある。この情報形態は、利用者自身の情報をその
まま遠隔地へ送るような場合に用いられる。また、アウ
ェアネス機能制御部で画像処理や音声処理を行う場合に
も利用者環境情報として画像イメージや音声情報が送ら
れる。
【0067】利用者の周囲の環境を表す情報とは、利用
者の周囲を取りまく環境がどのようなものであり、それ
が現在どのような状態にあるかを示す情報である。具体
的には、利用者のいる地理的な位置や周囲にどのような
人物や物体が存在するか、それら人物の物体と利用者と
の相互の位置関係はどのような状態にあるか、それが時
間的にどのような変化状態にあるか、さらに、どのよう
な雰囲気に取り囲まれているかといった情報である。
【0068】雰囲気に関する情報には、まず音響的な情
報、例えば雑踏や風や雨音、空調機やオフィス機器のフ
ァン音といった背景雑音、あるいは、周囲の人物が発生
した声や足音、物音などの音量やエネルギー分布、周波
数分布、残響や吸音などの音響特性、音響情報の時間的
な変化といった情報が挙げられる。また、床の振動、照
明や採光の方向や色温度やスペクトラム、照度や明る
さ、照明の数、匂い、赤外線強度、気流の変化といった
情報も雰囲気に関する情報に含まれる。また、必要なら
ば気温や湿度、気圧といった気象的な情報、さらには、
利用者が運動中ならば利用者自身が受ける加速度の変化
などを参照することも可能である。
【0069】これら利用者の周囲の環境を表す情報は、
基本的には数値的あるいは記号的な情報として表現され
る。例えば、位置に関する情報であれば位置座標値とし
て表現される。物体相互の位置関係を表す場合などには
方向ベクトルや位置ベクトルなどで表現される。運動に
ついて記述する場合には、加速度や運動方程式、運動の
軌跡などの情報として表される。音響情報などの物理的
な振動に関する情報については、必要に応じて音圧レベ
ルや周波数特性として表される。
【0070】また、一定の音量以上になった場合に2値
的なフラグ情報として表現することも可能である。さら
に、音源の種別や音源の個数、音源の位置として記述す
る場合もある。音源が人物の場合にはその人物に関する
情報を付加する場合もある。照明に関する情報について
も、照度や照明の光源の位置情報として記述する方法が
あるほか、照明の色温度、種別などを記号情報として含
める場合もある。匂いについてはセンサの反応値やスペ
クトル分布情報の他、匂い成分を記述する事も可能であ
る。気象的な情報については数値情報として記述され
る。
【0071】また、利用者の周囲の環境を表す情報とし
て、周囲の環境の画像イメージ情報や音響情報などを利
用する場合もある。この情報形態は、情報をそのまま遠
隔地へ送るような場合に用いられる。また、アウェアネ
ス機能制御部で画像処理や音声処理を行う場合にも利用
者環境情報として画像イメージや音声情報が送られる。
利用者の周囲の環境を地名や場所を表す文字列として代
表して記述する場合もある。
【0072】利用者が生成した命令とは、利用者による
相手端末の発呼動作や、端末側が提供する別の機能や、
通信網や交換機が提供するサービスなどを利用するため
に利用者が行った操作およびその操作結果により発生し
た情報を指す。利用者の相手側への明示的な呼びかけも
命令の範疇に含めて扱うことができる。これら利用者が
生成した命令のうち、アウェアネス情報として利用可能
なものについては必要に応じて利用者環境情報入力部1
01やアウェアネス機能制御部103、アウェアネス管
理部104などにおいて参照される。利用者が生成した
命令は、その命令を受容する対象に対して送られる。
【0073】アウェアネス機能制御部103が利用者環
境情報の解析を行い呼び出し要求を生成し出力する機能
について説明する。アウェアネス機能制御部103で
は、送られてきた利用者環境情報が、呼び出し要求を発
生させる条件を満たしているかの判別を行う。呼び出し
要求を発生させる条件は、アウェアネス機能制御部10
3にあらかじめ格納されている。条件の例としては、利
用者が一定の領域内に入った、あるいは、一定の動作を
行った、または、特定の現象の観測などが挙げられる。
領域や位置関係に関する情報に基づいて呼び出し要求の
生成をするのは第2の発明に、特定の動作に関する情報
に基づいて呼び出し要求を生成するのは第3の発明にそ
れぞれ対応する。
【0074】領域の指定には例えば、人物と端末との位
置関係を、端末位置に仮想の人物がいると想定して決定
する。位置の指定には心理学の対人行動におけるパーソ
ナルスペースと同一あるいは類似の位置関係を導入す
る。対面環境において相手が自分に接近して会話などの
相互作用や接触を行いたいと想起させる距離には条件や
民族差などがあるが、たとえばこれを1mと仮定する
と、端末位置から1m以内に呼び出し要求を発生させる
領域と指定することができる。
【0075】この場合のパーソナルスペースは端末やデ
ィスプレイなどの出力装置のサイズや位置関係、出力信
号の強度などに依存するが、利用者が自分で最適と思え
る位置関係を端末に登録し記録できるようにしておくこ
とで、最適な領域の設定、つまり、条件の設定が行え
る。
【0076】一定の行動には、ジェスチャや視線、顔の
向きに関連したものが挙げられる。例えば、相手を呼び
かけるようなジェスチャや発声行動、あるいは、端末へ
顔や視線を向けるといった行動、端末への接触などであ
る。つまり、端末自身を一種の仮想人物と仮定した場合
に、端末に対して対面環境での人物に対するアウェアネ
ス情報のやり取りと同じまたは類似した状況が発生した
場合に、呼び出し要求の発生条件を満たしたと考える。
【0077】特定の現象として代表的なものには、照明
や音響情報の変動、赤外線や匂いや気流が一定の観測値
を越えた、人物を含む特定の音源から音響情報が発せら
れた、といったものが挙げられる。これら条件として設
定する現象には対面環境におけるアウェアネス情報の一
連の生成消滅によって生じる現象と同一または類似した
ものを選ぶ。
【0078】呼び出し要求について説明する。呼び出し
要求とは基本的には遠隔地から端末の制御を行う遠隔制
御情報である。通信管理はアウェアネス管理部が行うの
で、アウェアネス機能制御部が出力する呼び出し要求に
はアウェアネス管理部が目的の相手と通信接続を確立す
るために必要な情報、例えば、呼び出しを行う相手やそ
の地点に関する情報、場合によっては相手側の通信アド
レスなどを含む場合もある。また、自地点側の識別子や
通信アドレスなど発信元を示す情報を含めることもでき
る。さらに、発信側のアウェアネス情報を着信側の端末
制御に反映する場合には、呼び出し要求の中に発信側の
アウェアネス情報またはそのアウェアネス情報を変形し
たものあるいはアウェアネス情報を解析した結果に基づ
く情報を含めることができ、特にこれは第5の発明を実
現するような場合に実施される。
【0079】発信者が誰であるかを表す情報は、このア
ウェアネスに関する情報の一種であり、発信者の氏名を
文字列として表現し含めることができる。また、アウェ
アネス情報を数値化して表現して含める事もある。呼び
出し要求は基本的には文字や数字などの記号列として表
現され、通信媒体を介して相手側へ伝えられるが、同様
の機能を実現できるのであれば、信号や情報の形態や形
式は何であっても良い。
【0080】アウェアネス管理部104について説明す
る。アウェアネス管理部104は自地点の端末全体の管
理、および、遠隔地のアウェアネス管理部と通信を行
い、互いの地点の利用者や通信環境に関する情報の全部
または一部を共有し、互いに連携しながら双方の通信端
末環境の制御を行う。アウェアネス管理部104は自地
点端末や自地点側環境の監視を行い、自地点側端末のハ
ードウェア資源の割り当てやスケジューリングを行う。
これは特に自地点側に複数の利用者が存在し、アウェア
ネス情報のやり取りを時分割制御する場合などに有効と
なる。自地点側端末が単一の利用者の利用だけに限られ
ており別の利用者の使用を制限する必要がある場合にも
排他制御を行う。具体的には呼び出し要求の流れを中心
に管理することで利用者の使用制限なども行う。
【0081】アウェアネス管理部104は外部との通信
の管理を行う。そのため、アウェアネス管理部104は
通信アドレスなどの遠隔地と通信するために必要となる
情報や相手側の環境および相手側利用者に関する情報を
内部に格納し、その情報を必要に応じて参照したり、あ
るいは、情報の蓄積を行う。アウェアネス管理部104
はアウェアネス機能制御部103から送られてきた呼び
出し要求の解析を行い、呼び出し相手との通信接続を行
う。
【0082】通信接続に失敗した場合、例えば、アドレ
スが未知である、アドレスに誤りがあった、通信プロト
コルが異なる、相手が無応答だった場合には、自地点側
利用者にその状況を通知するための擬似的な呼び出し要
求を発行しアウェアネス機能制御部103へ送る。
【0083】通信接続に成功すると、アウェアネス管理
部104は指定の手順に従い、相手側へ呼び出し要求を
送信する。また、遠隔地よりエラーメッセージが送信さ
れてきた場合にも、同様に利用者へ通知される。呼び出
し要求をパケットとして通信する場合には、通信接続の
概念はなく、パケット通信の手順に従った通信を行う。
その場合にも、パケット送信に失敗した場合にはその旨
を利用者に通知する。
【0084】また、アウェアネス管理部104は遠隔地
から呼び出し要求を受信した場合には、まず、自地点側
に対象となる利用者が存在するかどうかを検査する。利
用者に関する情報はアウェアネス管理部104に格納さ
れている。また、セキュリティチェックやプライバシー
の保護を目的としたユーザ管理を行う場合には、着信を
受けつける利用者を登録しておき、指定の利用者以外の
呼び出し要求は拒絶するといった処理を行うことが可能
である。検査や条件を満たした呼び出し要求はアウェア
ネス機能制御部103へと送られる。
【0085】アウェアネス機能制御部103が呼び出し
要求を受信しその解析を行いアウェアネス情報出力部1
02に対してアウェアネス情報出力要求を生成し出力す
る機能について説明する。アウェアネス機能制御部10
3では、呼び出し対象である自地点側の利用者に対して
アウェアネス情報を出力すべきかどうかを、遠隔地から
送られてきた呼び出し要求や自地点側の利用者およびそ
の周囲の環境があらかじめ指定した条件を参照するなど
して判別を行う。特に、自地点側の利用者やその周囲の
環境に関する情報と遠隔地の利用者やその周囲の環境に
関する情報との双方を参照して判別を行うのが第5の発
明にあたる。このアウェアネス情報を出力する条件は、
アウェアネス機能制御部103に格納されている。出力
条件の例としては、自地点側の利用者が一定の領域内に
存在する、あるいは、一定の動作や行動を行ったあるい
は行っている、または、特定の現象の観測などといった
ものが挙げられる。
【0086】出力条件の一例である領域の指定として
は、例えば、自地点側の利用者が出力装置が出力する情
報を受容可能な位置にあるか、または、受容可能な状態
にあるかといったことをもとに決定される。また、呼び
出し要求を生成する場合と同様に、心理学の対人行動に
おけるパーソナルスペースと同一あるいは類似の位置関
係を導入することも可能である。さらには、遠隔地の利
用者と自地点側の利用者との仮想的な距離、間隔を導き
だし、それに基づいて仮想的に両者の間隔が一定の距離
内にあるかどうかで、アウェアネス情報を出力すべき
か、また、どのようなアウェアネス情報を出力すべき
か、といった判別を行うことができる。
【0087】仮想的な距離関係の導出は、例えば、利用
者と端末との物理的な距離の和、つまり遠隔地の利用者
−端末間距離と、自地点側利用者−自地点側端末間距離
との和として表したり、画像出力装置の表示部が利用者
の視野に占める割合や視野角と表示部に表示中の対象の
実寸から幾何学的に仮想的な距離を算出するといった方
法が挙げられる。出力するアウェアネス情報をこの仮想
的な距離感と対応づけることで、自然な印象を利用者に
与えることができる。つまり、利用者間の距離が大きい
場合には遠方から呼びかけるのと類似した情報を利用
し、距離が小さい場合には近接した利用者の間でかわさ
れるようなアウェアネス情報を採用すればよい。また、
出力条件の一例である一定の行動については、ジェスチ
ャや視線、顔の向きに関連したものが挙げられる。これ
は例えば、相手が出力装置を見ている場合にはアウェア
ネス情報として視覚的な情報を利用し、それ以外の場合
には音響的な情報を利用するといった判断をする際に利
用される。
【0088】さらに、発信者が誰であるかを解析するこ
とにより、アウェアネス情報を利用者に対して出力すべ
きかどうかの判別を行うことも可能である。発信者の判
別はアウェアネス管理部104でも行われるが、自地点
側利用者の状態や状況を加味して判別する場合には、ア
ウェアネス機能制御部103によって発信側利用者の判
別および呼び出しを受けつけるかどうかの判別が行われ
る。例えば、呼び出し要求に優先度が付けられており、
かつ、自地点側利用者の繁忙度が数値化され、この数値
の大小関係により呼び出し要求を受理するかどうかを判
別する、と言った方法が挙げられる。つまり、重要な接
客中などに雑用に関する呼び出し要求は拒絶する、とい
った場面においてこの方法が適用できる。この繁忙度は
利用者環境情報を利用して決定できる。例えば、利用者
が対話中であるならば、対話相手が誰であるか、また、
その相手との社会的な階層関係はどのようなどのか、ど
れくらい対話を行っているか、といった情報にそれぞれ
点数を付け、重みを付けるなどして、積算や加算といっ
た数値処理により繁忙度を数値化する事ができる。ま
た、スケジューラなどから情報を参照することでも繁忙
度を決定できる。
【0089】アウェアネス情報出力要求について説明す
る。以下ではアウェアネス情報出力要求はテキスト情報
として記述されるものとして説明するが、同等の機能を
実現できるものであるならばその情報のフォーマットや
信号形式は何であっても構わない。アウェアネス情報出
力要求は、基本的にはアウェアネス情報出力部の制御コ
マンドである。結果的には利用者を特定して目的とする
アウェアネス情報がその利用者に対して出力されればよ
いので、アウェアネス情報出力要求には、アウェアネス
情報を出力すべき利用者を特定するための情報、また
は、情報の出力位置や方向、情報出力の信号強度や出力
時間やタイミングなどに関する情報が含まれる。
【0090】出力すべきアウェアネス情報の種類を決定
するのは、アウェアネス機能制御部103とアウェアネ
ス情報出力部102とのどちらでも可能であり、処理を
双方で分担する構成も可能である。アウェアネス機能制
御部103で詳細な判別を行う場合にはアウェアネス情
報出力要求に、出力するアウェアネス情報の種別や出力
装置の制御を詳細に指定する情報を含める。また、アウ
ェアネス情報出力部102の方で詳細な出力情報の選択
や制御を決定する場合には、アウェアネス機能制御部1
03では上位概念としてのアウェアネス情報の出力要求
を生成し、具体的な情報の種別や出力装置の選択などは
アウェアネス情報出力部102の内部で行うことにな
る。
【0091】出力装置の特性や細かな制御はアウェアネ
ス情報出力部102側で行う方が機器構成の面で有利だ
が、どのような情報を出力すべきかを判別するには、利
用者の置かれている状況と端末の有する情報出力手段の
特性との双方を判断材料にして決定する方が、よりユー
ザフレンドリな環境を提供することができる。その場合
には、アウェアネス機能制御部103側でも出力するア
ウェアネス情報の種類に対する条件付けを行えるように
する。
【0092】上位概念としてのアウェアネス情報出力要
求の例としては、出力する利用者名、アウェアネス情報
の種別および出力目的といった情報で構成される。上位
概念レベルでのアウェアネス情報の種別指定の例として
は、例えば、「会話開始意図の伝達、緊急」といった文
字列によって表現できる。また、アウェアネス情報出力
要求は数値は記号情報として表現されていても良く、例
えば、ユーザID:アウェアネス情報のコード番号:情
報出力条件:呼び出し要求元利用者IDといった構成、
つまり、133:109:S10L40:344といっ
た表現もできる。
【0093】この場合のSは強度、Lは出力継続時間を
表現している。このような記号列はアウェアネス機能制
御部103とアウェアネス情報出力部102の間の制御
用プロトコルのようなものであり、形式や長さなどにつ
いては端末装置毎に自由に決定して良い。アウェアネス
情報を出力する位置や方向を指定する場合には、アウェ
アネス情報出力要求に座標値や方向ベクトルに関する情
報を含める。また、遠隔地から送られてきた呼び出し要
求の中に遠隔地のアウェアネス情報に関する情報が含め
られ、その遠隔地のアウェアネス情報を自地点側で出力
するアウェアネス情報に反映する場合には、アウェアネ
ス情報出力要求の中に遠隔地のアウェアネス情報に関す
る情報を含める。
【0094】アウェアネス情報出力要求の内部のアウェ
アネス情報の指定やその記述についてさらに詳しく説明
する。利用者に対して出力されるアウェアネス情報は対
面環境と同一のものであることが望ましいが、対面環境
におけるアウェアネス情報を全て正確に記号的に記述す
ることは事実上不可能である。従って、本発明では、出
力装置を用いて実現できるアウェアネス情報について記
述を行う。その記述方法には、出力装置の指定と出力す
べき情報の指定とを意味する情報によって記述する方法
や、中間言語的な記述方法を用いる。出力装置を指定す
る方法として一例を挙げれば、「出力装置番号:出力フ
ァイル番号(100:#123)」「出力装置名:出力
データ(CRT:データ列)」「出力装置名:出力周波
数:出力時間(ブザー:440Hz:2sec)」など
と表すことができる。
【0095】アウェアネス情報を中間言語的な記述方
法、つまり、出力装置の指定よりも上位の概念で記述す
るような場合には、アウェアネス情報出力部において、
低レベルつまり出力装置が扱うレベルでのアウェアネス
情報の記述にまで変換される。アウェアネス情報出力要
求におけるアウェアネス情報の記述は、上位概念的な記
述やあるいはもう少し低レベルだが端末を実装している
具体的な出力装置にまでは依存しないような中間言語的
な表現を用いる方が効率的である。
【0096】例えば、視覚情報、音声情報、物理的振動
情報、といった感覚器の特性によってアウェアネス情報
を分類した記述や、マルチメディア情報の記述方式、例
えばMIMEといったマルチメディア情報を記述するた
めに既に提案されている標準的なフォーマットに従って
記述する方法などが挙げられる。
【0097】また、代表的なアウェアネス情報について
は、アウェアネス情報そのものを分類し記述することも
可能である。例えば前述の「会話開始意図の伝達」とい
ったものや「相手への接近」「接近の通知」「自分の存
在の通知」「雰囲気の伝達」「物音をたてる」「静かに
呼びかける」「確実に呼びかける」といったような記述
やそれらと同等の意味を持つ記号・数値などとして表現
する。
【0098】これら中間言語的な表現を用いる場合に
は、アウェアネス情報出力部の内部に、これら中間言語
的な表現を解釈し出力装置を実際に制御するのに必要な
情報まで変換する機能を実現する。
【0099】アウェアネス情報出力部102について説
明する。図3にアウェアネス情報出力部の一実施例を構
成図で示す。アウェアネス情報出力部102は複数また
は単数の出力装置301とアウェアネス情報出力インタ
フェース部302とから構成される。出力装置301の
それぞれは独立して利用者に対してアウェアネス情報の
出力を行うことができる。これら複数の出力装置301
の制御はアウェアネス情報出力インタフェース部302
によって行われる。従って、複数の出力装置を組み合わ
せたり連動させたりして動作させることが可能である。
【0100】アウェアネス情報出力インタフェース部3
02はアウェアネス機能制御部103から送られてきた
アウェアネス情報出力要求を解析し、アウェアネス情報
の生成や出力、出力装置の制御などを行う。このように
出力装置をアウェアネス情報出力部として一元的に管理
することで、アウェアネス情報のやり取りに際して複数
種類の装置やメディアが扱え、利用者はメディアを自由
に選択できるようになる。このような情報の出力の一括
管理を行うことで、利用者へ情報を提示する際に効果に
応じてメディアを選択したり、複数のメディアを組み合
わせて情報を提示できるようになり、情報に対する利用
者の認識率を高め効果的に情報を伝達することが可能と
なる。
【0101】アウェアネス情報出力要求が上位概念の情
報により記述されアウェアネス情報出力部102の制御
に関する詳細な情報が含まれない場合について説明す
る。この場合にはアウェアネス情報出力インタフェース
部302の内部には、出力装置301の特性や設置場所
に関する情報、出力装置301が生成するアウェアネス
情報やアウェアネス情報の特性に関する情報、出力装置
301の制御に関する情報が格納され、必要に応じてこ
れら情報が参照される。
【0102】また、アウェアネス情報出力インタフェー
ス部302には、出力装置の種類や扱うアウェアネス情
報の種類によって、利用者に関する情報、例えば、氏名
や所属や職制や年齢や性別といった社会階層に関する情
報や、利用者の身体的な特徴、利用者のスケジュール、
利用者の行動履歴、利用者の所在地に関する情報などが
必要に応じて格納され参照される。
【0103】アウェアネス情報出力インタフェース部3
02は送られてきたアウェアネス情報出力要求の解析を
行い、制御すべき出力装置の選択、および、アウェアネ
ス情報の出力タイミングの制御、そして、出力装置の制
御や複数の出力装置間の動作タイミングや出力する情報
の強度などのバランス調整などを行う。出力するアウェ
アネス情報の元となる情報、例えば、出力装置がディス
プレイの場合には画像データであり、アンプやスピーカ
の場合には音声データであるが、それらアウェアネス情
報の元となる情報が各出力装置に格納されている場合に
は、その格納情報の指定と格納情報の出力を出力装置に
対して命令する。また、出力装置側に出力データが無い
場合には、アウェアネス情報出力インタフェース部30
2において出力すべきデータの生成を行う。
【0104】次に、アウェアネス情報出力要求にアウェ
アネス情報出力部102の制御に関する詳細な情報が含
まれる場合について説明する。この場合には、アウェア
ネス情報出力インタフェース部302におけるアウェア
ネス情報出力要求の解析が簡略化できる。アウェアネス
情報出力インタフェース部302はアウェアネス情報出
力要求の解析を行い、指定された出力装置の制御を行
う。その場合の出力装置から出力する情報は、アウェア
ネス情報出力部102内に格納されたものを利用する場
合と、アウェアネス情報出力要求に含まれる情報を元に
して情報をアウェアネス情報出力部102において生成
する場合と、アウェアネス情報出力要求に含まれる情報
をそのまま出力する場合とがある。
【0105】出力装置301について説明する。出力装
置301についても入力装置201と同様に、対面と全
く同じアウェアネス情報を生成することは現在の技術レ
ベルでは難しい。従って、対面環境に近くなるように既
存のセンサやデバイスを複数組み合わせるなどして複数
のアウェアネス情報を扱えるようにする。最も身近な組
み合わせの例は、CRTなどの画像表示手段とスピーカ
などの音声出力手段との組み合わせが挙げられる。
【0106】また、扱うアウェアネス情報によって、ラ
ンプやLEDなどの発光媒体、ベルやブザーなどの発音
媒体、モータや電圧の変動によって振動する振動子や圧
電素子などを利用した数ヘルツから数十ヘルツの低い振
動を発生するもの、あるいはモータなどの駆動装置を使
って特定の物体を回転運動または振幅運動させその運動
を視認させるもの、物体同士を接触させて音を発生させ
るもの、ファンなどの気流を発生させるもの、発熱体、
物体を力学的に空中へ射出するもの、といった装置を必
要に応じて用いる。出力装置301は設置場所が固定さ
れるものだけでなく、位置が可変なものでもよい。ま
た、利用者が携帯するような装置でも良い。
【0107】触覚や身体感覚に作用するアウェアネス情
報の出力は、圧電素子やモータ、振動子などを利用した
専用の出力デバイスを設置することで可能となる。嗅覚
に作用するアウェアネス情報については、匂い成分を高
分子膜で閉じこめるマイクロカプセル技術などの応用が
挙げられる。いくつかの匂い成分を用意し、摩擦や熱に
より匂い成分を空気中に放出する、といった装置であ
り、匂い成分を選択し組み合わせるなどして空気中に放
出する装置を利用することで、嗅覚に関する情報を出力
できる。ただし、嗅覚については同報的な要素があり、
また、匂い成分の伝達には指向性に欠けるため、装置を
利用者の周囲に配置する必要がある。
【0108】通信インタフェース部105について説明
する。通信インタフェース部105は遠隔地との通信を
行う部分であり、通信プロトコルの管理や通信制御、発
呼や接続制御、信号の変調や復調を含む信号の送受信、
信号や情報の圧縮伸張といった、遠隔地との情報のやり
取りを行う部分である。例えば、一般的には単体でモデ
ムやターミナルアダプタ、CODEC、通信用アダプ
タ、通信ボードなどと呼ばれる部分に相当する。通信イ
ンタフェース部105は、呼び出し要求の情報の性質や
種類、特性、さらに、接続する通信回線や通信ネットワ
ークの種別にあわせてその仕様が決められる。呼び出し
要求がやり取りできるのであれば通信回線や通信ネット
ワークは何でも良いが、タスク用の環境との整合性や共
通性を図るために、タスク用環境で利用する通信伝送路
を利用する方が一般的である。
【0109】第6の発明の実施例について、図面を用い
て説明する。図4に第6の発明のアウェアネス制御装置
の一実施例を構成図で示す。このアウェアネス制御装置
によれば、会話などのタスクを行うための環境を提供す
る機能部分とアウェアネス制御部とが連動して、通信環
境においても対面環境と同様に、遠隔地間の利用者が会
話などのタスクを開始する際に必要なアウェアネスに関
する情報を、発信側および受信側の双方の利用者に操作
性や情報の知覚および理解の面で負担をかけることな
く、効率的にかつ瞬時にやり取りする環境を提供する。
さらに、アウェアネス情報のやり取りから会話などのタ
スクへの移行をスムーズに実現できる。
【0110】第6の発明では第1〜第5の発明に加え
て、タスク用の環境を提供するタスク用入出力部401
とタスク制御部402とを有し、アウェアネス管理部1
04がタスク環境制御要求をタスク制御部402へ出力
しタスク用の環境の制御を行う。第6の発明における通
信インタフェース部105は呼び出し要求のやり取りに
加えてタスク用の情報のやり取りも行う。利用者が生成
したタスク用情報は、タスク用入出力部401において
検出されタスク制御部402へと送られる。タスク制御
部402では通信インタフェース部105の制御を行い
ながら遠隔地の端末へタスク用情報を送る。遠隔地から
送られてきたタスク用情報は通信インタフェース105
とタスク用制御部402とを介してタスク用入出力部4
01へ送られ、利用者へ提示される。
【0111】第7の発明の実施例について、図面を用い
て説明する。図5に第7の発明のアウェアネス制御装置
の一実施例を構成図で示す。このアウェアネス制御装置
によれば、会話などのタスクを行う環境とアウェアネス
制御部とが連動して、通信環境においても対面環境と同
様に、遠隔地間の利用者が会話などのタスクを開始する
際に必要なアウェアネスに関する情報を、発信側および
受信側の双方の利用者に操作性や情報の知覚および理解
の面で負担をかけることなく、効率的にかつ瞬時にやり
取りする環境を提供する。さらに、アウェアネス情報の
やり取りから会話などのタスクへの移行をスムーズに実
現でき、また、利用者と装置とのタスク用情報の入出力
の部分をアウェアネス情報の入出力と共通にすること
で、アウェアネス情報のやり取りとタスクとの双方で類
似の情報を扱う場合には入出力用の機器構成を簡潔にで
き端末コストの低下が期待できる。
【0112】第7の発明では第6の発明におえるタスク
用入出力部401の機能を利用者環境情報入力部101
とアウェアネス情報出力部102とに分担させた場合に
相当する。利用者が生成したタスク用情報は入力装置2
01によって検出される。入力装置201が生成した情
報は分配され、一方は利用者環境情報の生成に用いら
れ、他方はタスク制御部402へ送られる。利用者へ提
示するタスク用情報はタスク制御部402から出力装置
301へと送られる。アウェアネス管理部104は、タ
スク環境制御要求をタスク制御部402へ出力し、タス
ク用の環境の制御を行う。通信インタフェース部105
は呼び出し要求のやり取りに加えてタスク用の情報のや
り取りも行う。タスク制御部402では通信インタフェ
ース部105の制御を行いながら遠隔地の端末へタスク
用情報を送る。遠隔地から送られてきたタスク用情報は
通信インタフェース部105とタスク用制御部402と
を介して出力装置301へ送られ、利用者へ提示され
る。
【0113】第6の発明と第7の発明の違いについて説
明する。第6の発明は第1〜第5の発明のアウェアネス
制御装置を用いて従来の端末装置を制御する場合に相当
する。つまり、従来の通信端末に、アウェアネス管理部
104との制御用コマンドをやり取りするためのインタ
フェース機能を付加することで、全体としてはアウェア
ネス情報をやり取りできる通信作業環境が実現される。
第7の発明は、アウェアネス情報のやり取りを目的とし
た第1〜第5の発明であるアウェアネス制御装置をその
ままタスク用端末としても使えるように拡張した場合に
相当する。
【0114】タスク用情報について説明する。本発明で
はタスクは主に会話を対象としているが、通信手段を用
いて遠隔地の利用者が協同して行うものは全て対象とす
ることができる。例えば、協同執筆作業の他、遠隔操
作、遠隔指示、遠隔教育、さらには、グループウェアや
CSCWといった分散システムやアプリケーションを利
用した作業も範疇に含められる。従って、タスク用情報
とはそれら遠隔作業を実行する際にやり取りされる情報
の事を指す。会話の場合には、カメラにより入力した動
画像情報や静止画画像と、マイクによって収音された音
声情報とのやり取りが中心となる。さらには、電子黒板
やタブレットを利用して入力された手書き情報、スキャ
ナなどを利用して入力されたイメージ情報、テキスト文
字、マウスやポインティングデバイスによって入力され
た情報、コンピュータグラフィクスのための情報、記録
媒体などに格納されているバイナリまたはテキスト形式
の情報、さらには、タスク用の機器や環境の制御を行う
ための情報なども含まれる。
【0115】タスク用情報入出力部401およびタスク
制御部402について説明する。基本的には、タスク用
情報入出力部401とタスク制御部402と通信インタ
フェース部105とで、独立した遠隔作業環境が構築で
きる。例えば、TV会議システムやTV電話、音声電
話、グループウェアやCSCW用のシステムなどであ
る。
【0116】従って、第6の発明は、これら従来システ
ムのタスク制御部402にアウェアネス管理部104と
の情報のやり取りを行うインタフェース部を設け、やり
取りを行う制御情報のフォーマットやプロトコルを設定
することによって実現される。タスク用情報入出力部4
01およびタスク制御部402はタスクの形態によって
構成や機能が決定される。例えば、タスクが音声や画像
をやり取りして行う会話の場合には、タスク用情報入出
力部401は、カメラ、ディスプレイ、マイク、アンプ
およびスピーカなどによって構成される。
【0117】タスク制御部402はカメラやディスプレ
イとの動画像のやり取り、画像切替や画像処理、マイク
やスピーカとの音声のやり取りや切替、エコーの除去な
どを行い、通信インタフェース部105と画像や音声の
やり取りを行う。また、遠隔地との通信接続の制御や管
理を行う場合もある。また、タスクがグループウェア用
のアプリケーションを用いた遠隔協同作業である場合に
は、タスク制御部402はコンピュータまたはCPUま
たはその上で動作するアプリケーションソフトに対応
し、タスク用情報入出力部401はディスプレイやマウ
ス、キーボードといった入出力機器や、それら入出力機
器の制御などを行うI/O、デバイスドライバ、ライブ
ラリなどに対応する。また、タスク制御部402とタス
ク用情報入出力部401の間のタスク用情報にはタスク
用情報入出力部401の入出力機器の制御や通信に関す
る制御といった制御情報も含む場合もある。
【0118】第7の発明における、タスク用情報の入出
力について説明する。第7の発明では、タスク用情報を
入力あるいは出力する装置を、利用者環境情報部101
の入力装置201やアウェアネス情報出力部102の出
力装置301と共用する。
【0119】まず、入力動作について説明する。アウェ
アネスとタスクとの共用として利用する入力装置201
は利用者環境情報(入力装置201が生成した段階では
利用者やその周囲で発生したアウェアネス情報を変換し
た情報であり、厳密にはまだ利用者環境情報ではない)
とタスク用情報の区別無く入力動作を行う。タスク制御
部402と接続する入力装置201は、タスクが決まっ
ていれば固定されるが、タスク用情報を検出する入力装
置201を動的に選択できるようにする場合には、利用
者環境情報入力部101内に入力装置201を選択して
検出する情報を切り替えられるように切替手段を設けて
おけば実現できる。
【0120】タスク制御部402が参照する入力装置2
01において生成された情報は、分配手段、または、切
替手段を介して、利用者環境入力情報インタフェース部
202とタスク制御部402へとそれぞれ送られる。分
配手段を用いた場合には、常に利用者環境情報入力イン
タフェース部202とタスク制御部402へ情報が送ら
れ、切替手段を用いた場合には、利用者環境情報インタ
フェース部202とタスク制御部402とのいずれか一
方へ情報が送られる。分配手段を用いた場合には、タス
クを行っている間にもアウェアネス情報に関する処理を
並行して行えるという利点がある。
【0121】アウェアネス情報のやり取りとタスクとが
明確に分離している場合には、切替手段を利用し、アウ
ェアネス情報のやり取りの段階では入力装置201から
の情報を利用者環境情報入力インタフェース部202へ
送り、タスク段階では、入力装置201からの環境をタ
スク制御部402へと送る。
【0122】次に出力動作について説明する。アウェア
ネスとタスクとの共用として利用する出力装置301は
アウェアネス情報とタスク用情報の区別無く出力動作を
行う。タスク制御部402と接続する出力装置301
も、入力装置201の場合と同様に、タスクが決まって
いれば固定されるが、タスク用情報を出力する出力装置
301を動的に選択できるようにする場合には、アウェ
アネス情報出力部102の内部に出力装置301を選択
し情報の出力先を切り替えられるように切替手段を設け
ておけば実現できる。
【0123】タスク制御部402が出力したタスク用情
報は、切替手段、または、混合手段を介して、出力装置
301へ送られる。切替手段を用いた場合には、タスク
制御部402とアウェアネス情報出力インタフェース部
302とのいずれかの情報が出力装置301へ送られ
る。混合手段を用いた場合には、タスク制御部402と
アウェアネス情報出力インタフェース部302とが出力
した情報が混合され、出力装置301へと送られる。
【0124】混合手段を用いた場合には、タスクを行っ
ている間にもアウェアネス情報に関する処理を並行して
行えるという利点がある。アウェアネス情報のやり取り
とタスクとが明確に分離している場合には、切替手段を
利用し、アウェアネス情報のやり取りの段階ではアウェ
アネス情報出力インタフェース部302からの情報を出
力装置301へ送り、タスク段階では、タスク制御部4
02からの情報を出力装置301へと送る。
【0125】このように入出力装置を共有する場合に
は、入出力装置の制御を行う場合に制御がぶつかる可能
性がある。これを防ぐ場合には、入出力装置の制御は利
用者環境情報入力インタフェース部202やアウェアネ
ス情報出力インタフェース部302において一元管理
し、タスク制御部402と利用者環境情報入力インタフ
ェース部202、あるいは、タスク制御部402とアウ
ェアネス情報出力インタフェース部302との間で制御
情報をやり取りし、機器制御の調和や整合性をとる。タ
スクを優先する場合にはタスクに関する制御を優先しア
ウェアネス情報のやり取りに関する制御を拒絶するとい
った方法もある。逆に、アウェアネス情報のやり取りを
優先する場合にはタスク用の制御を行わないといった制
御も可能である。
【0126】タスク環境制御要求について説明する。ア
ウェアネス制御装置側からタスク用の環境の制御を行う
場合の例としては、アウェアネス情報のやり取りが完了
し、タスク用の環境を起動する場合が挙げられる。
【0127】例えば、会話の場合には、相手の呼び出し
といったアウェアネス情報のやり取りが成功し、双方と
も会話を行う準備が整い実際に会話を開始しようとする
際に、画像や音声のやり取りが行えるような環境を整え
る事がこれに相当する。タスク用の環境として電話を例
にとりさらに具体的に説明するならば、一連のアウェア
ネス情報のやり取りが完了し会話を行う準備が整うと、
アウェアネス管理部104は、電話のフックをあげ相手
の電話番号をダイアルするように制御命令を電話に対し
て発行する。
【0128】電話側にはこの制御命令を受け取り解釈し
実行する機能がついているとする。相手側にもあらかじ
め相手側のどの電話をタスク用の環境として利用するか
について情報(これはタスク用情報に相当する)を送っ
ておけば、相手側では発信側の電話発呼動作と連動して
自動的に電話の着信動作を行うことが可能となる。グル
ープウェアなどのアプリケーションを利用する場合に
は、アプリケーションの起動や通信接続動作などの指示
がこのタスク環境制御要求に相当する。
【0129】第8の発明の実施例について説明する。こ
のアウェアネス制御装置によれば、通信接続が既に完了
しタスクが実行可能な状況においても、相手を呼び出し
たり呼びかけたりといったアウェアネスの発生が適切に
実現する環境を提供することになる。第8の発明は、第
1〜第7のアウェアネス制御装置において、アウェアネ
ス管理部104が、遠隔地と自地点の間で通信接続が既
に確立し会話などのタスクを行うための情報のやり取り
が行える状態にあっても遠隔地と呼び出し要求のやり取
りを行う。通信インタフェース部105は常時、呼び出
し要求の送受信を遠隔地と行う。利用者環境情報入力部
101およびアウェアネス機能制御部103およびアウ
ェアネス情報出力部102は利用者がタスク中の状態に
あってもその動作を持続する。アウェアネス管理部10
4はタスクの管理を行い、タスク再開といった、遠隔地
に呼び出し要求を送信すべき状況やイベントが発生した
かどうかの判別を行い、相手の呼び出しを行う場合には
呼び出し要求を相手側に送信する。
【0130】遠隔地と自地点の間で通信接続が既に確立
し会話などのタスクを行うための情報のやり取りが行え
る状態において遠隔地と呼び出し要求のやり取りを行う
ことについて説明する。このようにタスク用の環境が利
用可能な状況下において呼び出し要求をやり取りする代
表的な例には、タスクを一度中断し、そのタスクを再開
する場合が挙げられる。
【0131】特に、タスク用の環境はそのままの状態に
しておきタスクを中断する場合には本発明が有効に機能
する。タスクを再開する場合には、通常はタスクを開始
する場合と類似したアウェアネス情報のやり取りが行わ
れるため、本発明においてもタスク開始時と同様の処理
をタスク中に行うことでこの機能が実現する。
【0132】具体的には、タスク用の環境が構築されて
いる間も常にアウェアネス情報がやり取りされるように
するか、あるいは、タスクを中断する際にアウェアネス
情報がやり取りできる環境を起動するかの2通りの方法
がある。
【0133】例えば、TV電話を利用中に来客などの割
り込み処理が入り一方の利用者が端末前から長時間離
れ、もう他方が、待っている間に端末前から離れてしま
うといった状況がしばしば発生する。特に、TV電話を
利用して長時間のタスクを行う場合にはこの状況が発生
する確率は高くなる。その場合には、来客との要件を済
ます等して割り込み処理を終了した利用者がタスクを再
開しようとすると、他方の利用者に対して呼びかけるな
どの動作を行う必要性が生じる。
【0134】厳密には、タスクを再開する場合と、タス
クを初めから行う場合とでは若干の違いが生じる。タス
ク用の環境はタスクを開始する際のアウェアネス情報の
やり取りを支援する場合があり、例えばTV電話の場合
には、接続したままであればTV電話そのものを利用し
て相手に対して呼びかけることができる。従って、アウ
ェアネス制御装置が有効なのは、タスク用環境だけでは
相手の呼びかけなどを行いタスクを再開することが困難
な状況に陥った場合となる。また、アウェアネス制御装
置では、自然にアウェアネス情報をやり取りする環境を
提供するので、タスク用の環境がアウェアネス情報をや
り取りするのに相応しくない場合、例えば適切かつ十分
にアウェアネス情報をタスク用の環境だけではやり取り
できないような場合には、有効に機能する。
【0135】アウェアネス管理部104によるタスク用
の環境やタスクの状況の管理について説明する。アウェ
アネス管理部104は第6または第7の発明であれば、
タスク制御部402を監視することでタスクの状態や状
況を把握し管理することが可能である。また、利用者環
境情報を常に生成し監視することで、タスクの状態を類
推する事ができる。例えば、利用者が端末から離れた
り、音声が長時間途絶える、カメラの撮影範囲内から長
時間利用者が外れている、といったタスク用の環境の使
用を停止したような状況をタスクを中断したとして判別
することができる。ただし、このようなアウェアネス情
報の検出手段により判別する場合には、タスク用の環境
に対する情報、例えば、タスク用環境の位置やタスク用
の情報の種別などについての知識があらかじめアウェア
ネス制御装置の中に格納されている必要がある。
【0136】アウェアネス管理部104が行う呼び出し
要求の送信判別についてさらに説明する。アウェアネス
管理部104がタスク用の環境の管理を行わない場合で
も、タスク発生時と同様の処理を適用して目的とする機
能が得られる。ただし、その場合には、少なくともタス
クの開始や中断をアウェアネス管理部に通知する必要が
ある。タスク開始時の呼び出し要求を相手側に送る条件
の設定次第では、タスク中に相手側に呼び出し要求を送
信する条件を常に満たし続ける状況が発生する。
【0137】例えば、利用者間の仮想的な距離を呼び出
し条件にした場合には、タスク中は利用者間の仮想的な
距離が接近している事が多く、呼び出し要求を送信する
条件を常に満たし続ける可能性が高い。従って、タスク
が開始されれば呼び出し要求の送信を止めなければなら
ない。この管理はアウェアネス管理部104で行えばよ
い。タスク用環境側からアウェアネス管理部104に対
してタスク中であることを示す情報を送ることで実現で
きる。
【0138】第9の発明の実施例について、図面を用い
て説明する。図6に第9の発明のアウェアネス制御装置
におけるアウェアネス機能制御部の一実施例を構成図で
示す。このアウェアネス制御装置によれば、利用者間で
のアウェアネス情報のやり取りをタイプ別に分けて管理
し制御でき、より複雑なアウェアネス情報のやり取りが
行えるようになる。
【0139】アウェアネス機能制御部103は、単数ま
たは複数の機能制御部601によって構成される。各機
能制御部601の機能は、アウェアネス情報のやり取り
のタイプ別に分けられ、それぞれが利用者環境情報入力
部101とアウェアネス情報出力部102とアウェアネ
ス管理部104との情報のやり取りを行い、タイプ別の
アウェアネス情報のやり取りの制御を独立して行う。利
用者環境情報入力部101から出力された利用者環境情
報は分配され、機能制御部601のそれぞれへ送られ
る。
【0140】各機能制御部601では、それぞれがあら
かじめ設定された条件に従い遠隔地への呼び出し要求の
生成の判別を行い、相手の呼び出しを行う場合には呼び
出し要求をアウェアネス管理部104へ送る。アウェア
ネス管理部104では、各機能制御部601から送られ
てきた呼び出し要求の整理を行い、遠隔地へ呼び出し要
求を送信する。
【0141】遠隔地から送られてきた呼び出し要求は、
通信インタフェース部105とアウェアネス管理部10
4を介して、各機能制御部601へ送られる。各機能制
御部601では、アウェアネス情報出力要求を生成する
かどうかの判別を行い、自地点側の利用者へアウェアネ
ス情報を出力する場合にはアウェアネス情報出力情報を
アウェアネス情報出力部102へ送る。アウェアネス情
報出力部102は送られてきたアウェアネス情報出力要
求の整理を行い、自地点側利用者に対してアウェアネス
情報の出力を行う。
【0142】アウェアネス機能制御部103の内部に複
数の機能制御部601を設ける理由について説明する。
対面環境ではアウェアネス情報は複数の情報が同時に発
生する場合がある。また、いくつかのタイプのアウェア
ネス情報が同時にやり取りされる状況がある。さらに、
それらタイプの組み合わせによってアウェアネス情報の
やり取りが行われる状況も発生する。装置を用いてこの
ような状況を再現する場合には、アウェアネス情報のや
り取りをタイプ別に独立して並列に処理するような仕組
みが有効となる。このような組み合わせ方式は、必要な
タイプだけを選別して実装することが容易に行えるよう
になり、装置が利用者に提供するアウェアネス情報のや
り取りの機能を絞り込むことで端末コストを低下させる
ことができる。また、機能の追加や改良、拡張、改造と
いった事が容易に行え、端末の保守などの面でも有利と
なる。
【0143】第10の発明の実施例について、図面を用
いて説明する。図7に第10の発明のアウェアネス制御
装置におけるアウェアネス機能制御部103の一実施例
を構成図で示す。また、第10の発明はタスクとして会
話を対象としたものである。
【0144】このアウェアネス制御装置によれば、利用
者間でのアウェアネス情報のやり取りを、通信環境で遠
隔地の利用者の間で会話が発生する過程を「会話動機の
発生」「探索」「遭遇」「働きかけ」の4種類の段階と
して管理し、各段階を支援する機能を組み合わせること
により、対面環境においてみられる3タイプの会話発生
過程、「相手の存在に気づき、相手との会話を思い立
ち、相手に呼びかけを行い、相手が呼びかけに気づき、
会話が始まる」「相手との会話を思い立ち、相手を捜
し、相手を発見し、相手に呼びかけ、相手が呼びかけに
気づき、会話が始まる」「相手とばったり出会い、会話
が始まる」を全て実現する通信環境が提供される。
【0145】第10の発明では、第9の発明におけるア
ウェアネス機能制御部103の内部において、利用者が
会話を思い立ち遠隔地の相手と会話を開始するまでの4
つの過程である、会話動機の発生と、相手の探索と、相
手との遭遇と、相手への働きかけとをそれぞれ独立に管
理し制御を行う機能制御部を有する。アウェアネス機能
制御部103は遠隔地情報提示機能制御部701、探索
機能制御部702、働きかけ機能制御部703、遭遇機
能制御部704との4種類である。また、アウェアネス
管理部104はこれら4つの過程の管理を、4つの機能
制御部701〜704の管理および制御によって実現す
る。
【0146】遠隔地情報表示機能制御部701は、自地
点の利用者の所在地や利用者の周囲の状況を利用者環境
情報にもとづいて監視し、それら情報を呼び出し要求な
どを介して遠隔地とやり取りする。また、遠隔地の利用
者の様子を自地点の利用者へ提示するためのアウェアネ
ス情報出力要求を生成する。また、特定の条件を設定し
ておき、利用者環境情報を監視しながらその条件を満た
した場合に、指定された情報を利用者に提示し利用者の
会話動機を喚起するよう、アウェアネス情報出力要求を
生成する。
【0147】探索機能制御部702は自地点側の利用者
環境情報に含まれる遠隔地の利用者の探索操作に関する
情報を検出し、相手側へその情報を送信する。また、相
手側から探索操作に関する情報を受信した場合には、そ
の情報に従い、自地点側の利用者の探索を行い、その検
索結果を相手側に返送する。また、相手側から探索結果
が送られてきた場合には、その探索結果をアウェアネス
情報出力要求に変換し自地点側の利用者に提示する。遠
隔地との情報のやり取りは呼び出し要求のやり取りと同
様の方法にて行われる。
【0148】働きかけ機能制御部703は自地点側の利
用者環境情報に含まれる働きかけに関する情報を検出
し、呼びかけを意味するアウェアネス情報が相手側の利
用者に対して出力されるための呼び出し要求を相手側へ
送信する。また、相手側から働きかけを意味する呼び出
し要求を受信した場合には、その働きかけの情報に従
い、自地点側の利用者に対して遠隔地の利用者から呼び
かけがあったことを通知するアウェアネス情報出力要求
を出力し、利用者に働きかけを意味するアウェアネス情
報を提示する。遠隔地とのこれら情報のやり取りは呼び
出し要求のやり取りと同様の方法にて行われる。
【0149】遭遇機能制御部704は遠隔地の端末と利
用者の仮想的な位置関係に関する情報のやり取りを行
い、自地点側の利用者環境情報と相手側から送られてき
た利用者環境情報とを監視し、自地点の利用者と遠隔地
の利用者とが所定の条件を満たした場合に、遠隔地に対
して遭遇が発生した事を通知する。さらに、遠隔地の端
末においても遭遇条件を満たしたことを示す通知を受信
した場合には、遭遇機能制御部704は自地点の利用者
に対して、遠隔地の特定の相手と仮想的に遭遇したこと
を認識させる情報を提示するよう、アウェアネス情報出
力要求を生成する。遠隔地との情報のやり取りは呼び出
し要求のやり取りと同様の方法にて行われる。
【0150】「会話動機の発生」「探索」「遭遇」「働
きかけ」の4つの部分過程について説明する。これら
は、通信環境で遠隔地の利用者の間で会話が発生する過
程の構成要素であり、対面環境においてみられる利用者
同士での会話の発生過程は、ほぼこの4つの部分過程の
組み合わせとして表現される。
【0151】「会話動機」とは、ここでは利用者が相手
と話をしたいという動機の事を指す。当事者の全てにこ
の会話動機が喚起されなければ会話は発生しないので、
会話が実際に交わされるためには不可欠な要素である。
会話動機の発生メカニズムは単純ではないが、一般には
相手の存在に気づく事などが挙げられる。何も外部から
刺激を受けない場合でも会話動機が発生する場合がある
が、現在の技術レベルでは装置を用いて利用者に会話動
機を思いつかせる事は困難なので、本発明では専ら相手
の存在に気づかせることを「会話動機の発生」の支援対
象とする。
【0152】「探索」とは、会話したいと思った相手の
所在地や状況を調べることである。会話動機が発生して
も会話を行うための相手の存在やその位置などを認識し
ていなければ会話は行えない。従って、探索行為につい
ても会話が発生する過程では重要な役割を果たしてい
る。
【0153】「働きかけ」とは、話したい相手にこちら
の姿や身元、様子などを気づかせ、会話を行うための準
備を整えることである。相手がこちらの存在や位置など
を認識しなければ会話は起こらない。さらに、そのよう
に相手がこちらの存在などを認識しても、こちら側の会
話動機に気づく、つまり、こちら側が相手と話をしたが
っているのだと言うことを、相手が気づいてくれなけれ
ば、いつまで経っても会話は起こらない。働きかけは、
こちら側の存在などを認識させると同時に、相手にこち
ら側の会話動機に気づかせ、さらに、相手側にも会話動
機を発生させるといった働きを持つ。
【0154】「遭遇」とは、会話動機をもたない複数の
利用者が偶発的に接触し、当事者全員にほぼ同時に相手
の存在や位置などを認識し、かつ、ほぼ同時に会話動機
が発生する場合である。また、少ない確率ではあるが、
遭遇によって相手を認識したものの、会話をはじめるた
めにどちらか一方が「働きかけ」を行う必要が生じる場
合がある。
【0155】次に、これら4つの部分過程の支援、実現
方法について説明する。
【0156】「会話動機の発生」の支援は、利用者が相
手と会話をしたいと思うきっかけとなる情報を利用者に
対して多く提示することにより実現する。具体的には、
遠隔地の利用者やその周囲の様子、遠隔地で発生した特
定の事象に関する情報を常時または一定の時間間隔で提
示することにより実現する。
【0157】遠隔地で発生した特定の事象には、例え
ば、ある領域を利用者が通過した、あるいは、遠隔地の
利用者が発声または立ち上がるなどの特定の行動をとっ
た、さらには、時報や警報、救急車などのサイレン、雨
音や雷が聞こえた、といったことも挙げられ、これら情
報も利用者に会話動機が発生するきっかけとなりうる。
【0158】そこで、これら情報の発生を検出し、端末
間でこの情報が発生したことをやり取りし利用者に提示
することで、利用者に会話動機が発生する機会を増やす
ことが可能となる。また、会話動機の発生を支援する際
にやり取りする情報を選定しておくことで、不要な情報
を送ることなく効率よく会話動機の発生を支援すること
ができる。
【0159】このように、選択的に情報のやり取りを行
う点が、従来のTV電話やTV会議システムを常時通信
状態にしておく方法との大きな違いでもある。会話動機
の発生の過程を支援する際の遠隔地との情報のやり取り
は、呼び出し要求のやり取りとして行われる。
【0160】会話動機の発生の支援は、複数の端末の間
で情報をやり取りする場合にさらに効果を発揮する。あ
る地点で発生した「会話動機の発生を支援する情報」
を、他の地点へ同報することで、1対1の対向接続の場
合に比べて、その情報に気づき対話動機が喚起される利
用者の割合が増える。
【0161】単純に相手側の様子などを利用者に提示す
るだけでは、会話動機の発生は支援されない点も重要で
ある。会話動機の発生を支援するように機能するために
は、遠隔地と自地点側との仮想的な接続関係やコンテキ
ストを双方の利用者が理解できていなければならない。
例えば、話し声が聞こえたとしても、それが自地点側で
発生したものなのか、それとも、遠隔地側で発生したも
のなのかが直感的にかつ瞬時に理解できなければならな
い。そこで、端末を通して遠隔地の様子が仮想的にどの
ように表現され伝達されるのかを適切に設計しなければ
ならない。
【0162】例えば、特定の位置(具体的には端末装
置)から情報が発生し提示する、遠隔地で発生した事を
示す画像や音声の情報を送られてきた情報に付加する、
利用者が居る実際の空間では観察されないような情報を
付加する、実際の空間では観察できないような情報へと
変換を行う、といったことを行い、実際の空間から発生
した情報と遠隔地から送られてきた情報とを区別しやす
くする。
【0163】「探索」の支援は、会話したいと思った相
手の所在地や状況の調査を簡単にわかりやすく行えるよ
うにすることで実現する。例えば、相手側地点の様子を
テキスト情報で提示し、相手の所在や現在の状況、スケ
ジュールなどを知る、といった機能の提供が挙げられ
る。さらには、CGやVR技術を適用し、相手側の様子
を仮想的な空間として提示し、その仮想空間をウォーク
スルーし相手を探索する、といったユーザインタフェー
スとして探索機能を提供することも有効である。探索に
あたっての入力手段や装置としては、音声による入力、
ポインティングデバイスの利用、ジェスチャによる入力
などが有効である。これら手段や装置を用いて、利用者
に探索相手に関する情報(氏名や役職、所属など)の入
力や、相手側地点をブラウジングするために必要な情
報、例えば、仮想空間を移動するために必要な位置や方
向に関する情報の入力を行わせる。
【0164】「働きかけ」の支援は、話したい相手にこ
ちらの姿や身元、様子などを気づかせるための簡単でわ
かりやすい手段を提供することで実現する。働きかけ
は、働きかける対象の特定と、働きかけの手段と、働き
かけの特性(強度や時間など)とを決定し、それら手段
を実行する手順がとられる。
【0165】働きかける相手の特定は、相手側の状況を
示す情報に対して、直接、ポインティング動作を行い相
手を指定する、または、働きかけを行う相手を示す情報
やオブジェクトに対して接近し働きかけの意味を持つア
ウェアネス情報を利用者が直接出力する、といった方法
がある。前者の例は、例えば、画面に相手側の様子が映
し出され、相手の姿や、相手を意味するアイコンや文字
を、マウスはタッチパネルへの接触といったポインティ
ング動作により特定するといったことが挙げられる。後
者の例は、相手側の様子が大画面スクリーンに表示さ
れ、画面上での相手の映像の位置に働きかけを行う利用
者が接近し話しかけるような場合が挙げられる。
【0166】働きかけの手段には、働きかけを行った側
で発生したアウェアネス情報をそのまま、あるいは、ア
ウェアネス情報を強調して働きかけたい相手に提示する
方法と、働きかけを行った側で発生したものとは全く別
のアウェアネス情報を相手側に提示する方法とにより実
現する。前者の例は、働きかけを行っている側のアウェ
アネス情報、例えば、声や姿などといった映像や音声に
関するアウェアネス情報をそのままあるいは強調して相
手に伝える事で、相手を気づかせることができる。後者
の例は、マウスなどで働きかける相手を特定した場合な
どにあたり、入力側はクリックなどの機械的な動作や操
作なのに対して、相手側では映像や音声などの一般的な
アウェアネス情報が提示される。
【0167】働きかけの強度の選択には、単一の情報の
強調、例えば、信号の振幅や情報を表現する数値の増大
(例えば、明るくする、音量を大きくするなど)、利用
者へ与える印象の強調(例えば、大きく表示する、枠で
囲む、色の表現を変える、音質を変える、映像や音響に
ついての特殊効果を用いる)、情報提示時間の延長など
が挙げられる。また、情報の種類を変えるあるいは組み
合わせるといった方法も挙げられる。
【0168】「遭遇」の支援は、会話を意図していない
複数の利用者を偶発的に接触させ、会話の発生機会を増
やすことによって実現する。例えば、利用者の仮想的な
位置関係を常時調べ、仮想的に利用者同士が接触した場
合に双方のアウェアネス情報を交換しあう、といった方
法が挙げられる。より具体的に説明するならば、例え
ば、端末を基点とした特定の円内に利用者が存在し、遠
隔地の利用者も同じように遠隔地の端末の周囲の特定の
円内に存在する場合に、この両者を遭遇の可能性のある
状況にあると判断し、互いの姿をやり取りし提示しあ
う。
【0169】この場合、互いの利用者が相手の姿に気づ
いたならば、遭遇が生じたことになる。これは呼び出し
要求の通信を利用して、端末間で利用者同士の仮想的な
位置関係を常時計算することで実現できる。偶発的な接
触の状況をいかに利用者にわかりやすく提示するかも重
要な要素である。最も一般的なのは、互いの姿のやり取
りであるが、その他に、声や気配といった要素の提示も
挙げられる。
【0170】対面での遭遇と似たような状況を作り出す
ためには端末の設置状況や利用者の状態にも配慮しなけ
ればならない。机上でタスク中の利用者間には、通常、
遭遇という状況はあまり発生しない。例外的に、視線な
どの交錯により、一種の遭遇と類似の状況が発生する
が、これは、近接した利用者間での状況に限定されるの
で、もともと利用者間でコミュニケーション用のチャネ
ルが確立している場合(例えば、既に通信接続が確立し
ていて会話がいつでも行えるような状態)に相当する。
ここで問題にしているのは、むしろ、全くコミュニケー
ション用のチャネルが確立していない利用者間での遭遇
を支援するものである。このような遭遇は、対面環境で
は、少なくとも利用者の一人が空間的に移動状態にあ
る。最も遭遇の代表的な例は、双方が移動中の場合、例
えば廊下でばったり出会う、といった状況が挙げられ
る。
【0171】単純にランダムに遠隔地の利用者同士がア
ウェアネス情報をやり取りする方法は、米国Bellc
oreが開発したCruiserシステムのAuto
Cruise機能の例のように、必ずしも有効に機能し
ないことが知られている。本発明では、仮想空間におけ
る利用者同士の位置関係により遭遇の状況を発生させる
ほか、会話動機を有すると判断できる利用者、例えば、
探索動作中にある利用者や、遠隔地のアウェアネス情報
に関心を持っていると判断した利用者同士を遭遇の状況
に置くことが可能である。また、明確な対話動機を持っ
ていないが探索動作を行っているような利用者同士は、
積極的に遭遇の状況に置くことで、高い確率で会話開始
へと導くことが可能である。
【0172】本発明において遭遇を支援する場合とは、
基本的には空間の移動中にたまたま相手と出くわし、会
話をはじめるような場合である。この状況を支援する方
法として、例えば、端末の設置箇所を廊下や壁などの机
上とは異なる環境に設置する方法が挙げられる。これは
利用者が端末が提供する空間を通過するような状況を作
り出す方法でもある。また、机上のような利用者が位置
を比較的固定しているような状況、例えばデスクトップ
型の端末として本発明を実施する場合には、仮想的に移
動しているのと同等あるいは類似した状況に利用者が置
かれている場合に遭遇の支援を実施する。一例を挙げれ
ば、仮想空間をウォークスルーしているような状況が挙
げられる。
【0173】前記4つの部分過程を支援する機能を組み
合わせることにより、対面環境に見られる代表的な次の
3つのタイプの会話発生過程を支援し自然な会話の発生
を実現する。この支援機能の組み合わせを管理し制御す
るのが、アウェアネス管理部である。
【0174】対面環境において利用者相互で会話、特
に、インフォーマルな会話が始まる過程には、 a.相手の存在に気づき、相手との会話を思い立ち、相
手に呼びかけを行い、相手が呼びかけに気づき、会話が
始まる b.相手との会話を思い立ち、相手を捜し、相手を発見
し、相手に呼びかけ、相手が呼びかけに気づき、会話が
始まる c.相手とばったり出会い、会話が始まるという3つの
タイプがある。これら3過程の実現は、前記の4つの部
分過程の組み合わせによって実現される。 a.の支援:「会話動機の発生」の支援を行い、「呼び
かけ」の支援を行う b.の支援:「探索」の支援を行い、「呼びかけ」の支
援を行う c.の支援:「遭遇」の支援を行い、必要に応じて「呼
びかけ」の支援を行うつまり、a.の支援は、「会話動
機の発生」の支援を行い、利用者に会話動機が発生する
のを支援し、会話動機が発生した利用者に対しては「呼
びかけ」の支援を行う。a.の過程において探索が不要
なのは、会話動機の発生の支援によって、相手の位置や
状況が利用者にとって既知となるためである。b.の過
程では、利用者は相手側の状況とは無関係に会話動機が
発生した場合なので、まず、相手を捜しその状況を知る
必要がある。従って、まず、相手の「探索」を支援する
ことになる。相手を発見した後、相手に対して「呼びか
け」を行う過程の支援を行う。c.の過程は「遭遇」の
支援だけでも済みそうだが、場合によっては遭遇により
双方が相手に気づきながら、片方にしか会話動機が発生
しない状況もあるため、その場合には「呼びかけ」の過
程を支援することにより会話をはじめることが可能とな
る。
【0175】これら一連の会話が発生するまでの過程は
アウェアネス管理部104において管理される。仮想空
間(たとえば、CGの空間として定義されたようなオフ
ィス空間など)における利用者同士の位置関係、といっ
たものの定義や管理もアウェアネス管理部104が行
う。さらに、遠隔地と仮想空間の管理に関する情報をや
り取りし、多地点間で共通の仮想空間を定義し管理する
ことで、対面空間における利用者間の距離感や利用者の
状態などの管理が行いやすくなる。例えば、共通の仮想
空間上で複数の利用者が配置され、出会い、会話を行
う、といった環境の構築も可能である。
【0176】利用者の間での対話発生過程がどの段階に
あるのかといった判断や管理もアウェアネス管理部10
4が行う。これは、前記4つの機能制御部701〜70
4の動作状況によって判断する。つまり、各機能制御部
701〜704はそれぞれの担当する機能に応じて利用
者環境情報の分析や遠隔地から送られてきた情報の解析
などを行っている。その状況をアウェアネス管理部10
4が管理し、各機能制御部の動作やスケジューリング管
理を行う。通常は「会話動機の発生」「遭遇」の2つの
機能を常時動作させておき、利用者の要求や条件が整い
次第、「探索」または「呼びかけ」といった機能を動作
させることも可能である。
【0177】利用者の管理は、利用者の識別情報や、利
用者が4つの会話発生部分過程のどの段階にあるか、会
話動機があるか、利用者の位置や現在の状況はどうか、
利用可能な入出力装置は何か、会話中かどうか、といっ
た情報により行う。これらは、数値や記号によって表現
することが可能である。アウェアネス管理部104は、
このような仮想空間に関する情報や利用者に関する情報
を、各地の利用者環境情報に基づいて管理を行う。
【0178】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明が提供する
アウェアネス制御装置を用いることにより、通信環境に
おいても対面環境と同様に、遠隔地間の利用者が会話な
どのタスクを開始する際に必要なアウェアネスに関する
情報が、発信側および受信側の双方の利用者に操作性や
情報の知覚および理解の面で負担をかけることなく、効
率的にかつ瞬時にやり取りされるようになる。また、通
信環境において、アウェアネスのための環境や手段が、
自地点側および相手側の環境や状況に応じて、適切に選
択、設定されるようにすることにある。さらに、通信接
続が既に完了しタスクが実行可能な状況においても、相
手を呼び出したり呼びかけたりといったアウェアネスの
発生が適切に実現される。対面環境においてみられる3
タイプの会話発生過程を全て備えた通信環境も実現され
る。
【0179】本発明が提供する機能や通信環境により、
遠隔地間での日常的な会話、つまり、インフォーマルな
会話が促進され、分散した組織やグループを効率的に運
営することが可能となる。また、従来機器を常に通信接
続状態にしておく方式に比べて経済的でもあり、生産性
と費用性の双方で有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例を示すアウェアネス制御
装置の構成図である。
【図2】第1の発明における利用者環境情報入力部の一
実施例を示す構成図である。
【図3】第1の発明におけるアウェアネス情報出力部の
一実施例を示す構成図である。
【図4】第6の発明の一実施例を示すアウェアネス制御
装置の構成図である。
【図5】第7の発明の一実施例を示すアウェアネス制御
装置の構成図である。
【図6】第9の発明の一実施例を示すアウェアネス制御
装置の構成図である。
【図7】第10の発明の一実施例を示すアウェアネス制
御装置の構成図である。
【符号の説明】 101 利用者環境情報入力部 102 アウェアネス情報出力部 103 アウェアネス機能制御部 104 アウェアネス管理部 105 通信インタフェース部 201 入力装置 202 利用者環境情報入力インタフェース部 301 出力装置 302 アウェアネス情報出力インタフェース部 401 タスク用情報入出力部 402 タスク制御部 601 機能制御部 701 遠隔地情報提示機能制御部 702 探索機能制御部 703 働きかけ機能制御部 704 遭遇機能制御部

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遠隔地の利用者と通信を行い会話などのタ
    スクを開始する際に、遠隔地と通信接続を行い、相手側
    の様子を伝えたり、相手側の環境の探索を行ったり、相
    手の呼び出しなどを行う装置であって、 自地点側利用者の様子や利用者周辺の様子の検出または
    利用者が発行した命令の入力処理を行う利用者環境情報
    入力部と、 自地点側利用者ヘ相手側の様子や相手からの呼びかけと
    いったアウェアネス情報の提示を行うアウェアネス情報
    出力部と、 遠隔地と情報のやり取りを行う通信インタフェース部
    と、 通信インタフェース部の制御を行い遠隔地との通信接続
    を管理し、遠隔地と自地点側との呼び出し要求のやり取
    りを行うアウェアネス管理部と、 前記利用者環境情報入力部から送られてきた情報をもと
    に相手の呼び出しを行うかを判別し相手を呼び出す場合
    には呼び出し要求をアウェアネス管理部ヘ出力し、ま
    た、アウェアネス管理部から遠隔地が発信した呼び出し
    要求が送られてきた場合には自地点側利用者に対する呼
    び出し方法の選択および出力情報の生成および出力装置
    の選択を行い前記アウェアネス情報出力部ヘ情報の出力
    を行うアウェアネス機能制御部とを備えて構成されたこ
    とを特徴とするアウェアネス制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のアウェアネス制御装置に
    おいて、 前記アウェアネス機能制御部が、自地点側利用者と前記
    アウェアネス情報出力部との物理的な位置関係を解析
    し、あらかじめ設定しておいた条件を満たした場合に呼
    び出し要求を出力することを特徴とするアウェアネス制
    御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のアウェアネス制御
    装置において、 前記アウェアネス機能制御部が自地点側利用者の動作を
    解析し、利用者が特定の動作を行った場合には自動的に
    呼び出し要求を出力することを特徴とするアウェアネス
    制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3に記載のアウェアネス
    制御装置において、 前記アウェアネス機能制御部が、相手側から呼び出し要
    求が送られてきた場合に、自地点側利用者自身とその周
    辺の状況を解析し、最適な自地点側利用者の呼び出し方
    法の選択を自動的に行うことを特徴とするアウェアネス
    制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4に記載のアウェア
    ネス制御装置において、 前記アウェアネス機能制御部が、利用者自身とその周辺
    の状況に関する情報を含んだ呼び出し要求を出力し、ま
    た、呼び出し要求を受信した際に自地点の利用者に関す
    る情報と遠隔地の利用者に関する情報との双方を解析し
    て、自地点側利用者の最適な呼び出し方法の選択を行う
    ことを特徴とするアウェアネス制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5に記載のアウ
    ェアネス制御装置において、 会話などのタスクを行う際に利用者の間でやり取りされ
    るタスク用の情報の入出力を行うタスク用情報入出力部
    と、 前記タスク用情報入出力部の制御およびタスク用の情報
    のやり取りを行うタスク制御部と、 前記タスク制御部に対して制御信号を出力し前記タスク
    制御部の制御を行う前記アウェアネス管理部とを備えて
    構成されたことを特徴とするアウェアネス制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4又は5に記載のアウ
    ェアネス制御装置において、 会話などのタスクを行う際に利用者の間でやり取りされ
    るタスク用の情報の入力を行う前記利用者環境情報入力
    部と、 遠隔地から送られてきた、会話などのタスクを行う際に
    利用者の間でやり取りされるタスク用の情報の出力を行
    う前記アウェアネス情報出力部と、 タスク用の情報の入出力の制御およびタスク用の情報の
    やり取りを行うタスク制御部と、 前記タスク制御部に対して制御信号を出力し前記タスク
    制御部の制御を行う前記アウェアネス管理部とを備えて
    構成されたことを特徴とするアウェアネス制御装置。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6又は7に記
    載のアウェアネス制御装置において、 遠隔地と自地点の間で通信接続が既に確立し会話などの
    タスクを行うための情報のやり取りが行える状態におい
    ても、前記アウェアネス管理部が遠隔地と呼び出し要求
    のやり取りを行うことを特徴とするアウェアネス制御装
    置。
  9. 【請求項9】請求項1、2、3、4、5、6、7又は8
    に記載のアウェアネス制御装置において、 前記アウェアネス管理部が会話などのタスクが発生し実
    行に至るまでの過程を区分して扱い全体的なタスクの状
    態や流れを管理し、 前記アウェアネス機能制御部が内部に各区分毎に独立し
    て制御を行う単数あるいは複数の機能制御部を有するこ
    とを特徴とするアウェアネス制御装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のアウェアネス制御装置
    において、 前記アウェアネス管理部が、利用者が会話を思い立ち遠
    隔地の相手と会話を開始するまでの過程を、会話動機の
    発生と、相手の探索と、相手との遭遇と、相手への働き
    かけとの4つの過程として区分し管理を行い、 前記アウェアネス機能制御部が、この4つの過程のそれ
    ぞれを独立して制御を行う4つの前記機能制御部から構
    成されることを特徴とするアウェアネス制御装置。
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