JP2776333B2 - 液晶配向膜検査方法および検査装置 - Google Patents

液晶配向膜検査方法および検査装置

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JP2776333B2
JP2776333B2 JP26636195A JP26636195A JP2776333B2 JP 2776333 B2 JP2776333 B2 JP 2776333B2 JP 26636195 A JP26636195 A JP 26636195A JP 26636195 A JP26636195 A JP 26636195A JP 2776333 B2 JP2776333 B2 JP 2776333B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶配向膜検査方法
および検査装置に関し、特に液晶表示素子において液晶
分子の配向を制御する有機薄膜の分子配向を評価する方
法および検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機薄膜の膜中分子の配向状態はそれを
用いたデバイスの機能に与える影響が大きい。特に、液
晶表示素子で液晶分子に初期配向を与えるのに用いられ
る有機薄膜においては、有機薄膜分子の配向と、液晶分
子の配向と、の間に密接な関係があることが知られてお
り(例えば文献(1)(石原他、“リキッド クリスタル
ズ(Liquid Crystals)”、第4巻、6号、第669頁、
1989年)参照)、有機薄膜の分子配向度が大きいほ
ど、液晶分子の配向規制力が大きいとされる。
【0003】このために有機薄膜の分子配向の定量的測
定はデバイスの機能を評価する上で重要である。
【0004】有機薄膜の従来の評価方法においては、赤
外線吸収分光法やラマン散乱分光法など、分子振動から
分子の状態を観測する方法が中心である。
【0005】薄膜内の分子配向度や配向方向についての
知見は、分子配向に起因する薄膜の光学異方性を光の偏
光を利用した二色比の測定を行うことにより評価して得
られる(例えば特開平6−160862号公報参照)。
【0006】そして、上記赤外線吸収等による振動分光
法以外にも、例えば試料を透過した光の旋光度によって
光学異方性を評価することが行われている(例えば特開
平6−102512号公報参照)。
【0007】また、偏光方向が膜表面に水平またはそれ
と直交する直線偏光を入射し、その反射光強度の差か
ら、分子配向によって生じる膜の面内の屈折率異方性を
観測する方法も提案されている(例えば特開平4−95
845号公報参照)。
【0008】さらに、上記した以外の、有機薄膜の従来
の評価方法として、原子間力顕微鏡や走査トンネル顕微
鏡によって薄膜表面の形状を二次元的に測定することが
行われている(例えば文献(2)(磯野他、日本学術振興
会、142委員会A委員会A部会、特別研究会試料、第
34頁、1994年)参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】赤外吸収等の光を用い
た振動分光による方法は、ガラス基板上に透明電極膜を
作製し、その上に液晶配向膜が設けられてなる液晶表示
素子を測定する際に、ガラス基板や透明電極膜の影響を
避けることはできない。
【0010】特に1500cm-1より低波数の赤外線は
ガラスを透過しないために吸収スペクトルの測定が困難
である。
【0011】これまでの赤外分光による液晶配向膜の分
子配向の観測は1240cm-1のピークに注目して測定
を行っているので(例えば文献(3)(沢他、“ジャパニ
ーズジャーナル オブ アプライド フィジクス(Japan
ese Journal of Applied Physics)”、第33巻、第6
273頁、1994年)参照)、現在使用されている液
晶表示素子の配向膜の検査を行うことはできない。
【0012】また、複屈折率測定を行う場合、通常ガラ
ス基板自身が歪による複屈折率異方性を有することか
ら、配向膜自身の複屈折率を測定するのは困難である。
【0013】したがって、従来から知られている評価方
法では、配向膜中の分子の配向状態を正確に評価するこ
とはできない。
【0014】これに加えて複屈折位相差φは、複屈折率
Δn、膜厚d、光の波長λとの間には次式(1)なる関係
がある。
【0015】φ=2π(Δn)d/λ …(1)
【0016】上式(1)は、複屈折位相差φの測定から得
られる量が、膜厚dと分子配向によって生じる複屈折率
Δnの積であることを示している。
【0017】液晶表示素子に配向膜として広く使われて
いる、ラビング処理されたポリイミド膜は、膜全体の分
子が配向するのではなく、表面附近が配向することが知
られている(例えば上記文献(3)(沢他、“ジャパニー
ズ ジャーナル オブ アプライド フィジクス(Japan
ese Journal of Applied Physics)”、第33巻、第6
273頁、1994年)参照)ので、配向した部分の厚
さが測定できなければ分子配向を定量的に知ることはで
きない。
【0018】そして、膜からの反射光強度の入射光の偏
光状態と、膜への入射方向(分子の配向方向に対する入
射光の方向)の依存性から、膜の面内の屈折率異方性を
測定して配向を決定する方法が、例えば上記特開平4−
95845号公報に提案されているが、複屈折位相差測
定と同様に、配向した部分の膜厚を測定することができ
ないために、膜の分子配向自身を測定することは不可能
である。
【0019】更に、測定を行う際の技術的な困難性とし
て、表面形状の異方性の効果が挙げられる。
【0020】すなわち、液晶配向膜として広く用いられ
るポリイミド膜は、ラビングにより膜中の分子に分子配
向が与えられるが、このラビング処理により、ラビング
方向に走る微細な溝が形成されることが知られている
(例えば上記文献(2)(磯野他、日本学術振興会、14
2委員会A委員会A部会、特別研究会試料、第34頁、
1994年)等報告は多数有る)。
【0021】この溝の存在のために、正反射方向以外に
散乱される光の量に差が生じて、反射光強度に影響を与
える。
【0022】例えば、上記特開平4−95845号公報
の(実施例3)には、入射光の偏光方向と垂直の偏光成
分をもつ反射光強度の測定から配向膜の状態の評価結果
が記載されているが、検出される反射光成分は膜中の配
向していない部分の厚さと表面の状態(荒れ、乱れ又は
粗さ)にも依存する量であるので、分子配向を直接反映
している量とはいえない。
【0023】また、原子間力顕微鏡による観察において
は、試料表面の粗さといった表面形状の測定がなされて
いるのみで、有機薄膜において原子レベルの分解能での
観察が為された例はない。
【0024】液晶配向膜の場合、これらの方法で観測さ
れた表面形状が液晶の配向状態に影響を与える膜中の分
子配向と直接の関係はないことは既に報告されている
(例えば上記文献(2)(磯野他、日本学術振興会、14
2委員会A委員会A部会、特別研究会試料、第34頁、
1994年)等報告は多数有る)。
【0025】更に、ラビングした表面をアセトン等の有
機溶媒で処理した膜においては、液晶分子の配向規制力
はあるものの、ラビングで発生した表面の筋状の構造が
なくなることが知られている。
【0026】このように、試料表面形態の観察は、膜の
液晶配向規制力に関して、直接的な情報を与えない。
【0027】一方、分子配向は、反射光の偏光状態の異
方性を観測することで測定できる。しかしながら、反射
光の偏光状態は、試料の分子配向ばかりでなく、入射光
の波長や試料への入射角にも依存する。
【0028】このため、微小領域を測定するためにレン
ズを用いて入射光を絞ると、試料への入射角に広がりが
発生するために正確な測定ができなくなってしまう。
【0029】この他に、反射型の偏光顕微鏡による配向
膜の微小部分の評価も試みられている(例えば(株)ニコ
ン製、『配向膜観察顕微鏡』、EPIPOL−5D、参
照)。この方法は、直接偏光した光を試料に対してほぼ
垂直に入射し、反射光のうち入射光の偏光成分とは垂直
の成分をもつ光の強度の面内分布を観察するものであ
る。微小域を観察するためには入射光をレンズを用いて
集光し、反射光をレンズを通して拡大し結像させる。入
射光の偏光方向に対する試料の向きを変えて観測するこ
とで、膜の光学的異方性をある程度観測できるが、定量
的な観測は困難である。
【0030】さらに、光が試料に対してほぼ垂直に入射
するために、ガラス基板の歪が反射光の偏光状態に大き
く影響するために膜自身の分子配向の観測はより困難で
ある。
【0031】そこで、光を試料面に対して傾けて入射し
たときに生じる反射光は、ポリイミド膜に比較してガラ
ス基板が厚いので、基板歪の影響を受けた裏面からの反
射光を除外し、基板歪の影響を受けていない反射光のみ
を観測することができる。
【0032】すなわち、反射光の偏光状態の異方性から
膜の分子配向状態を知ることができる。
【0033】また、光の偏光状態は、検光子を通過する
光の強度の検光子角度依存性により求める回転検光子法
が従来より用いられている。しかし、この方法では検格
子の360゜回転における光の強度を測定するために、
試料面上の1点の測定時間が長く、広い面積の分子配向
の一様性の評価を行うのに莫大な時間が必要とされると
いう問題を有する。
【0034】例えば、標準的な偏光解析装置であるPhot
odevice(フォトデバイス)社製 MARY-102の1点あた
りの標準的な測定時間は約2秒である。光の径は0.5
mm程度であるから150mm角の膜の分子配向の面内
均一性の測定を1mm間隔で行うと12時間以上を要
し、これを液晶表示素子の検査に実用化することは困難
である。
【0035】従って、本発明の目的は、上記した各種課
題を解決し、ガラス基板上に作製された配向膜中の微小
領域での分子配向状態の評価が可能な方法と装置を提供
することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、有機薄膜からなる配向膜を評価する方法
であって、前記配向膜表面を、互いに交差する2つの単
色の光線を入射角を一定にして走査し、その際に生じる
前記配向膜表面からのそれぞれの反射光をビームスプリ
ット手段で2分し、2分された反射光が、互いに振動方
向が直交する検光子を通過する光強度の強度比を測定
し、前記有機薄膜の分子配向状態と面内均一性とを測定
することを特徴とする配向膜の評価方法を提供する。
【0037】また、本発明は、互いに交差する2つの単
色の光線を出力する第1及び第2の光源と、前記第1及
び第2の光源から出射された第1及び第2の入射光線を
所定の入射角で試料表面の走査領域に共に照射する光学
手段と、前記試料表面からの前記第1及び第2の入射光
線に対応する第1及び第2の反射光をそれぞれ2分する
第1及び第2のビームスプリット手段と、を備え、前記
第1及び第2の反射光のそれぞれについて、2分された
反射光に対応して設けられ互いに振動方向が直交する第
1及び第2の検光子と、前記2つの検光子を通過した光
の強度をそれぞれ検出する第1及び第2の光検出手段
と、を備え、前記第1及び第2の光検出手段の出力信号
に基づき前記反射光の強度比を測定し、前記試料の分子
配向状態とその面内均一性を測定するように構成されて
なることを特徴とする配向膜の検査装置を提供する。
【0038】
【作用】本発明の原理・作用を以下に説明する。本発明
においては、反射光の強度比を通じて偏光状態を測定す
ることにより、荒れや溝等の表面形状の異方性に起因す
る散乱光強度の変化に影響されることなく膜の光学的異
方性を測定することができる。
【0039】一方、本発明においては、表面形状も散乱
強度の異方性を測定することにより観察可能である。
【0040】通常、空間のある固定した位置で観測され
る角周波数ωの光の時刻tでの電場ベクトル強度は光の
伝搬方向に垂直な面上に定義された互いに直交する2つ
の方向XYについて、 X成分 A1×exp(i(ωt+δ1)) …(2-1) Y成分 A2×exp(i(ωt+δ2)) …(2-2) と表される。
【0041】上式(2-1)、(2-2)において、δ1、δ2は
それぞれの方向の初期位相を示し、またiはi2=−1
である。
【0042】強度の絶対値を除いた偏光状態はこの2成
分の比 (A1/A2)×exp (i(δ1−δ2)) …(3) となり、次式(4)及び(5)で定義される2つの量φ、Δで
表される。
【0043】tanφ=(A1/A2) …(4) Δ=(δ1−δ2) …(5)
【0044】この2つのパラメータφ、Δに影響を与え
るのは、膜の屈折率、吸収係数および膜厚であり、測定
された2つのパラメータから膜の状態を表す2つのパラ
メータを決定できる。
【0045】通常、液晶配向膜に使われるようなポリイ
ミド膜の吸収係数は、可視光領域で1/1000未満で
あり、波長依存性も小さいために吸収はない物質として
扱うことができる。
【0046】そこで、本発明に係る評価方法において
は、複屈折位相差測定や反射光強度異方性測定では伺い
知ることができない、分子が配向している部分の膜厚
と、屈折率と、を独立に求めることが可能とされ、分子
配向について定量的な測定が可能とされる。
【0047】そして、反射光の偏光状態の入射光波長依
存性や入射角依存性を測定することにより、既知量が増
えることから、膜の屈折率の深さ方向の分布を測定した
条件の数に応じて決めることができる。
【0048】なお、入射光と反射光の偏光状態は、試料
表面に平行な成分Sと、それに直交する成分Pで表す。
【0049】入射光は表面に水平な成分とそれに直交す
る成分の値が等しい状態であるφ=π/4、の場合に、
反射光の偏光状態はそれぞれの方向で振幅反射率比を与
え、膜厚と屈折率を同時に求める場合に最適である。
【0050】ポリイミド膜は可視域、特にHe−Neレ
ーザー程度の波長の光の吸収は極く小さい(1/100
0以下)ために、膜による光の吸収やその異方性は無視
して扱うことができる。
【0051】このため、振幅反射率比を次式(6)で表わ
した場合、 (tanφ)×exp(iΔ) …(6) 分子配向状態がφに与える影響は小さく、液晶表示素子
の配向膜に使われるポリイミドの分子状態は位相差Δの
値に注目することで可能である。
【0052】反射光の位相差Δは楕円偏光の長短軸比b
/aと次式(7)で表わされる関係が成り立つことから、 b/a=tan(Δ/2) …(7) 偏光子を用いて長短軸比を測定することにより反射光の
位相差がわかり、また2方向の反射光の位相差の違いか
ら膜の分子配向状態を評価することができる。
【0053】それぞれの反射光の長短軸比を測定するの
にあたり、おのおのをビームスプリッタで2本に分け、
そのうちの一方は偏光子を長軸方向に合わせ、もう一方
では偏光子を短軸方向に合わせ、ビームスプリッタの透
過率、及び反射率を考慮し、それぞれの透過光強度を規
格化して、反射光の偏光状態を同時に決定する。すなわ
ち、本発明においては、好ましくは、4つの偏光子を用
いてポリイミド膜の屈折率異方性の測定を行う。
【0054】分子配向の面内均一性の走査により測定す
る際、最初に偏光子と検光子の方向を決める必要があ
る。その際、入射光の偏光子の方向と反射光の偏光状態
を観察するための偏光子(検光子)の角度の設定には、
以下の2通りの方法が考えられる。
【0055】その1つは、偏光子角度を常に一定、たと
えばP/S比が1になるπ/4等に固定し、反射光側の
各検光子の向きを透過光強度が最大もしくは最小になる
ように調整後固定し、走査を行って位相差の異方性の面
内分布を測定する方法である。
【0056】他の方法は、反射光側の検光子の向きを例
えば入射面に対して±π/4の向きに固定し、それらを
透過する光の強度が最大または最小になるように入射光
側の偏光子の方向を調整後に走査を行うものである。
【0057】後者の方法の方が、前者の方法よりも、光
学素子の調整が容易である。
【0058】また、光学素子の調整は、試料に照射する
2つの光の両方について行う必要は必ずしもない。本発
明においては、分子配向状態を反射光の偏光の異方性で
測定するため、2つの方向の位相差の違いを測定するに
は、光学素子の調整は1つの方向についてのみ行い、他
の方向の光はそれと同じ条件に固定することで十分であ
る。
【0059】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して以下に説明する。
【0060】図1及び図2は、本発明の一実施形態の構
成を説明するための図である。図1は、入射光に単一波
長の光線を用いた装置について、試料面法線方向から見
た概略構成を示しており、図2は、試料に入射する2本
の光線のうちの一方(X方向とする)についての装置の
概略構成を示している。
【0061】図1及び図2を参照して、Y方向の入射光
光源11、X方向の入射光光源21(図2の31)から
出た光は、偏光子12、22(図2の32)によって直
線偏光にされる。本実施形態に係る測定においては、光
源としてHe−Neレーザーの633nmの光を用い
た。
【0062】2つの光線が、試料ステージ20上に載置
された試料10(図2の30)表面上の同じ範囲を測定
するように、入射光と反射光の形状をスリット18、1
9、28、24(図2の38、39)を用いて整形を行
った。
【0063】本実施形態に係る測定においては、試料1
0、30への光の入射角として50゜を選び、2つの光
線とも試料10、30面上で、1×1mmの正方形にな
るように、縦0.6mm、及び横1mmに整形した。
【0064】試料10、30で反射した光は、スリット
19、24(図2の39)を通過後に、ビームスプリッ
タ13、23(図2の33)に達し、それぞれ2つ、計
4つの光にスプリットする。
【0065】なお、本実施形態において用いたビームス
プリッタ(ハーフミラー)は、クロム膜プレート型で反
射率透過率ともに32±6%である。
【0066】これらの光は、検光子14、15、29、
25(図2の34、35)に入り、検光子を通過した光
は、検出器16、17、26、27(図2の36、3
7)に入り、光強度が測定される。なお、図2の検光子
35及び検出器37の位置は、光が直角方向に反射され
ることを示すもので、作図の都合により、図1の検光子
14、25等、検出器16、27等の位置と必ずしも一
致しない。
【0067】上記検出器として、光信号を電気信号に変
換するフォトダイオードを用い、フォトダイオードの出
力電気信号をマルチメータを介して測定しコンピュータ
に測定結果を取り込み、各方向の反射光の長短軸比とそ
の差を求めた。
【0068】図1及び図2に示す本実施形態に係る装置
を用いて、以下のように作製された試料を測定した。
【0069】ポリイミド原料液の日産化学製のSE73
11を一辺150mmの正方形のコーニング社製の70
59ガラスの表面にスピンコート装置を用いて塗布した
後、250℃で2時間加熱による焼成を行った。
【0070】次いで、ラビングされた部分と、ラビング
されていない部分と、が共存した試料を作製するため
に、ポリイミドを塗布した面の半分にレジストを転写に
より塗布した。
【0071】この状態で半径40mmバフ布ローラーに
て、布の押込み長さ4mm、回転数200rpm、移動
速度20mm/sで5回のラビングを行った後に、レジ
ストを剥離した。この際のラビング方向は、レジスト境
界に対して垂直とした。
【0072】膜質の均一性の測定は、以下の手順に従っ
た。
【0073】光が試料面のラビングが施されていない部
分(すなわちレジストを塗布した部分)の基板の縁から
30mm内側の位置にあたるように位置を合わせた。な
お、ラビング方向が試料ステージのX軸方向になるよう
に試料をおいた。
【0074】検光子は振動方向を光の入射面に対して±
45゜に固定し、ビームスプリッタで2つに分けられた
光のうちの一方の偏光板を通過する強度を最大になるよ
うに偏光子の角度を調整し、入射面に対して9.5゜の
方向に固定した。
【0075】そして、光の照射されている点がラビング
処理された部分に向かうように30mm/sの速さでス
テージをX方向に移動した。
【0076】検出器からの出力は、走査開始とともに
0.2秒間隔で3秒間取込みを行った後、ステージをも
との位置に戻し、Y方向へ6mm移動後に同じ条件でX
方向走査を5回行った。測定に要した時間は約42秒で
ある。
【0077】ステージのX方向の戻しと、Y軸方向への
移動も含めて1走査は9秒以内で終了する。なお、ステ
ージをX方向にもどす際にバックラッシュをできるだけ
小さくするために105mm逆方向に移動した後に15
mm順方向に移動させた。
【0078】この測定によって得られたX軸方向の2つ
の検出器に入る光の強度比のY軸方向の2つの検出器に
入る光の強度比の割合、すなわち、次式(8)で与えられ
る値を、 (X軸反射光強度の短軸方向/長軸方向)/(Y軸反射光強度の短軸方向/長 軸方向) …(8) 走査開始時間と各走査ごとに表1に示す。
【0079】各走査のY座標は、1回目の25mm、2
回目31mm、3回目37mm、4回目43mm、5回
目49mmであり、X座標と時間経過の関係は、0秒3
0mm、0.2秒36.0mm、0.4秒42.0m
m、0.6秒48mm、0.8秒54mm、1.0秒6
0mm、1.2秒66mm、1.4秒72mm、1.6
秒78mm、1.8秒84mm、2.0秒90mm、
2.2秒96mm、2.4秒102mm、2.6秒10
8mm、2.8秒114mm、3.0秒120mmであ
る。
【0080】
【表1】
【0081】表1の結果から、走査開始後1.4秒まで
は測定された値が、ほぼ「1」とされており、ポリイミ
ド分子の向きはランダムであると考えられる。
【0082】一方、走査開始後1.6秒以降の領域、す
なわちX座標が少なくとも78mmより大きい領域で
は、測定された値が「2」以上になっており、試料に異
方性があることは明らかで、この領域はラビング処理さ
れた部分と対応している。
【0083】前記従来の回転検格子法で同様の測定を行
うと、3分弱を要するのに対し、本実施形態に係る測定
においては、従来の約4倍の速さで測定できることを示
している。
【0084】さらに、ステージの移動速度を上げ、サン
プリングの時間間隔を短くすれば高速な測定を行なうこ
とができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
反射光の偏光状態の異方性測定を通じて、ポリイミド液
晶配向膜の分子配向の面内均一性を高速に観測すること
ができる。また、本発明によれば液晶配向膜を高速に検
査することを可能とし、製造コストの低減を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための図であ
り、試料面の法線方向からみた装置の概略構成を示す図
である。
【図2】本発明の一実施形態を説明するための図であ
り、一方の光について入射面の法線方向からみた装置の
概略構成を示す図である。
【符号の説明】
10、30 試料 21、31 光源 12、22 偏光子 13、23 ビームスプリッタ 14、15、24、25 検光子 16、17、26、27 光検出器 18、19、28、29 スリット 20 試料ステージ 32 偏光子 33 ビームスプリッタ 34、35 検光子 36、37 検出器 38、39 スリット 40 試料ステージ

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機薄膜からなる配向膜を評価する方法で
    あって、 前記配向膜表面を、互いに交差する2つの単色の光線を
    入射角を一定にして走査し、その際に生じる前記配向膜
    表面からのそれぞれの反射光をビームスプリット手段で
    2分し、 2分された反射光が、互いに振動方向が直交する検光子
    を通過する光強度の強度比を測定し、前記有機薄膜の分
    子配向状態と面内均一性とを測定することを特徴とする
    配向膜の評価方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の前記配向膜がポリイミドフ
    ィルムからなることを特徴とする液晶配向膜の評価方
    法。
  3. 【請求項3】有機薄膜からなる配向膜の表面に、互いに
    交差する2つの単色の光線を入射角を一定にして照射
    し、その際に生じる前記配向膜表面からの2方向の反射
    光についてその偏向状態の異方性を測定し前記反射光の
    それぞれの位相差に基づき、前記有機薄膜の分子の配向
    状態を評価することを特徴とする評価方法。
  4. 【請求項4】前記2方向の反射光の楕円偏向における長
    短軸比をそれぞれ求め前記2方向の反射光の位相差の違
    いから前記分子配向状態を求めることを特徴とする請求
    項3記載の評価方法。
  5. 【請求項5】前記配向膜を前記光源に対してXY方向に
    走査移動させる手段を備え、前記配向膜の分子配向の面
    内均一性を測定することを特徴とする請求項3又は4記
    載の評価方法。
  6. 【請求項6】互いに交差する2つの単色の光線を出力す
    る第1及び第2の光源と、 前記第1及び第2の光源から出射された第1及び第2の
    入射光線を所定の入射角で試料表面の走査領域に共に照
    射する光学手段と、 前記試料表面からの前記第1及び第2の入射光線に対応
    する第1及び第2の反射光をそれぞれ2分する第1及び
    第2のビームスプリット手段と、 を備え、 前記第1及び第2の反射光のそれぞれについて、2分さ
    れた反射光に対応して設けられ互いに振動方向が直交す
    る第1及び第2の検光子と、 前記2つの検光子を通過した光の強度をそれぞれ検出す
    る第1及び第2の光検出手段と、を備え、 前記第1及び第2の光検出手段の出力信号に基づき前記
    反射光の強度比を測定し、前記試料の分子配向状態とそ
    の面内均一性を測定するように構成されてなることを特
    徴とする配向膜の検査装置。
  7. 【請求項7】前記試料を前記光源に対してXY方向に相
    対移動する手段を備えたことを特徴とする請求項6記載
    の検査装置。
  8. 【請求項8】前記第1及び第2の光源から出射された第
    1及び第2の入射光線を所定の入射角で前記試料表面に
    照射する光学手段が、前記第1及び第2の入射光線を直
    線偏光させる手段と、前記第1及び第2の入射光線と前
    記第1及び第2の反射光線とが前記試料表面上において
    所定の範囲及び形状をなすように整形する手段と、を備
    えたことを特徴とする請求項6記載の検査装置。
  9. 【請求項9】前記ビームスプリッタがハーフミラーから
    なることを特徴とする請求項6記載の検査装置。
  10. 【請求項10】前記整形する手段が、入射側と反射側に
    それぞれ設けられたスリットからなることを特徴とする
    請求項8記載の検査装置。
  11. 【請求項11】請求項6記載の前記試料が液晶配向膜と
    して用いられるポリイミドフィルムからなることを特徴
    とする液晶配向膜の検査装置。
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