JP2772128B2 - 地上一次リニアモータのセクション制御装置 - Google Patents

地上一次リニアモータのセクション制御装置

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JP2772128B2 JP2233348A JP23334890A JP2772128B2 JP 2772128 B2 JP2772128 B2 JP 2772128B2 JP 2233348 A JP2233348 A JP 2233348A JP 23334890 A JP23334890 A JP 23334890A JP 2772128 B2 JP2772128 B2 JP 2772128B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、磁気浮上式鉄道等に使用される、地上一次
リニアモータの推進コイルの異常を検知して、推進コイ
ルに電力を供給する電力変換装置や、車両に取り付けら
れて推力を与える電機子として作用する超電導磁石に、
大きな衝撃力が加わるのを保護する機能を持った、地上
一次リニアモータのセクション制御装置に関する。
(従来の技術) 従来の、地上一次リニアモータのコイル開閉器を、第
5図に示す。推進コイル4は、次の様に給電制御され
る。列車1の位置を、交差誘導線等の位置検出装置によ
り検知して、列車の位置に相当する推進コイルだけに給
電するように、列車の移動に合わせて、複数のコイルで
構成されたセクション毎に設けられた開閉器を順次開閉
するようになっている。
このような構成とする事で、電力変換装置は、必要以
上のコイルに電流を流す事がないので、変換装置の容量
を小さくする事ができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、推進コイルは、高電圧で給電されるた
め、コイルやケーブルの接続部等で、地絡や相間で短絡
したりすると、電力変換装置を保護動作させたり、コイ
ルやケーブルを焼損するばかりではなく、場合によって
は、事故を起こしたコイル上を超電導磁石が通過する
際、超電導磁石に大きな衝撃力を与える事となり、超電
導状態が一瞬の内に破れて(クエンチ)し、超電導磁石
を壊してしまう事もある。
このような故障が起こると、復旧に時間が掛かり、列
車の定時連行に重大な影響を及ぼす事が考えられる。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、前記したような問題点を解消するため、列
車が当該コイルに差し掛かる前に、コイルの良否を判定
し、異常があった場合には、コイルへの給電を中止して
復旧に長時間を要するような、重大な故障を引き起こす
事を未然に防ぐ「地上一次リニアモータのセクション制
御装置」を提供する事にある。
(作用) 本発明に於いては、リニアモータの推進コイルが、常
時給電されているのではなく、列車が当該推進コイルの
区間を通過する時のみ通電される点に着目し、通電する
前に、コイルの状態をセクション制御装置内に設けた試
験装置により検査し、異常が無ければ、規定のタイミン
グで、列車の当該推進コイル区間への侵入に合わせて、
電力変換装置からの推進電流をながす。もし、異常が検
出された場合には、変電所に設けられた、セクション制
御制御装置へ異常コイル区間を伝送し、異常コイル区間
では、ゲートブロック等により、異常区間へは、推進電
流を流さない措置を講じる。また、異常区間の前後のコ
イル区間では、列車が異常区間に列車が侵入したとき、
推力の急変で過大なジャークが発生しない様に、推進電
流の絞り込み/立ち上げ制御を行う事により、リニアモ
ータ列車の運行を長時間支障する重大な故障から保護す
るリニアモータのセクション制御装置を形成する事がで
きる。
(実施例) 第1図は、本発明のセクション制御装置の実施例をし
めす。推進コイル1は、コイル開閉器2を介して、饋電
線に接続される構成とする。また、推進コイルとコイル
開閉器2の間に、異常検出器開閉器3が図示の様に、電
源側からみて並列に接続される。異常検出器開閉器3か
らは、電流検出器、制限インピーダンス5が、高周波電
源4に接続される。高周波電源4は、星型に接続され、
その中性点は、漏洩電流検出器8を介して接地される。
また、高周波電源4の各相電圧は、電圧検出器6により
検出される。各電流/電圧検出器の出力は、増幅器9を
介して異常検出装置の演算制御部に与えられる。演算制
御部、除算器10と比較器11をかいして、信号伝送装置12
に接続される。また、伝送装置からは、試験制御装置13
を介して、コイル開閉器2、異常検出器開閉器3及び、
高周波電源4のオン・オフが指令される様な構成とす
る。
第2図には、本発明のセクション制御装置とリニアモ
ータカーの走行制御システムとの関係を示す。
第2図により、本発明のセクション制御装置の浮上鉄
道の走行制御システムに於ける機能を説明する。図中7
は本発明のセクション制御装置である。リニアモータ車
1は、超電導磁石2を取り付けた台車により支持されて
おり、推進コイル4に沿って走行する。この時、推進コ
イル4に給電される駆動電流は、全ての推進コイルに供
給するのは、無効電流が莫大になり、効率が悪くなるの
で、列車が走行している最小限の単位にコイルを区切っ
て1セクションとし、列車の走行により、順次セクショ
ンを開閉器5により、切り換えて給電する構成となって
いる。列車の位置は、例えば、交差誘導線等の位置検出
装置3により検出して、位置信号伝送装置8により、変
電所に伝送される。変電所では、位置信号は、保安装置
13、速度制御装置15、変換器制御装置16及び、コイル開
閉器制御装置12等に与えられる。
位置信号は、速度検出装置14により時間微分されて、
速度信号が演算される。速度制御装置15は、「速度指
令」と、位置・速度信号より、電流波高値を演算し変換
器制御装置16に指令する。一方、コイル開閉器制御装置
12は、位置信号により列車の走行するセクションを判定
し、伝送装置10に、列車が走行中のセクションのコイル
開閉器にONの指令を発信するとともに、変換器制御装置
16にコイル開閉器のON/OFF時に無電流状態とするための
信号を与える。
第3図に、この時の変換器出力A、コイル開閉器投入
指令Bの時間的な関係を示す。本発明のセクション制御
装置では、コイル開閉器の投入期間(tn)の一定時間
(a)前に、(b)なる期間、第3図の異常検出期間C
に示す様なコイルの試験期間を設定し、この期間にコイ
ルの異常が検出された場合には、(a−b)後のコイル
通電期間には変換装置の出力をブロックして、変換装置
やコイルに過大な事故電流が流れる事を防ぐ。また、場
合によっては、故障が検出されたコイルの区間に差し掛
かるまえに速度を減速させて、故障した推進コイル上を
通過するときに、車上側の超電導磁石や乗客に対する衝
撃を低減させる措置を行う。
第1図で、本発明のセクション制御装置の作用を説明
する。コイル開閉器2、異常検出器開閉器3及び、高周
波電源4は、変電所から伝送されて来る第3図Cに示す
ようなタイミング信号により、第1図の試験制御装置13
に指令が与えられる。試験制御装置13は、第4図に示す
様なタイミングで、高周波電源、コイル開閉器および、
異常検出器開閉器に動作指令が発せられる。推進コイル
の試験電源となる高周波電源の出力電圧は、推進電流を
供給する変換装置の出力電圧以上とし、絶縁劣化してし
ない事が確認出来る様にする。また、推進コイルは、イ
ンダクティブな負荷であるので、試験電源の周波数を、
実際の変換装置の出力周波数より高く、推進コイルのイ
ピーダンスを、推進用電力変換装置で給電される場合よ
り高めて、試験用電源の電流容量を低減する。
第1図に示す本発明の構成のセクション制御装置にお
いて、電圧検出器6、電流検出器7及び、漏洩電流検出
器8により検出された高周波電源動作時の各検出信号
は、除算器で、各相電圧を各相電流で割る事により、推
進コイルの各相のコイルのインピーダンスを求める事が
できる。また、各相電圧を漏洩電流検出器8により検出
された、対地漏洩電流で割る事により、対地絶縁抵抗が
求められる。このようにして求められたコイルインピー
ダンス及び、コイルの絶縁抵抗を、規定値と比較し、規
定値を下回った場合には、コイルの層間短絡や、絶縁破
壊による地絡故障が考えられる為、信号伝送装置12に故
障信号の発信を指令する。
第2図のセクション制御装置7からコイルの異常信号
が発信されると、コイル開閉器制御装置12を介して、該
当セクションでの変換器17の出力が阻止される。また、
保安装置13を介して、故障したセクションに差し掛かる
前に減速させて、故障したセクションでの通過速度を低
くして、衝撃を少なくする。
以上述べたように、実施例に示した地上一次リニアモ
ータのセクション制御装置によれば、推進コイルの層間
絶縁破壊や地絡事故が発生しても、推進コイルにバック
パワーの大きな推進電流が供給される前に、推進コイル
の異常判定が行えるので、故障した推進コイルのセクシ
ョンを無通電として、電力変換装置に事故電流が流れる
のを防ぐ事ができる。また、故障したコイルに列車が達
する前に、減速する事が出来れば、故障したコイル上を
超電導磁石通過するときに、短絡回路の磁気反作用とし
て超電導磁石が受ける衝撃力を低減できるので、超電導
磁石が過大な衝撃力によって、クエンチする事を、防止
する事ができる。
第1図に示した実施例では、推進コイルの状態を試験
する電源装置として、推進電流を流す変換装置の出力よ
り高周波の交流電源を用い、試験電源の容量を、推進用
の変換装置容量より低減したが、試験電源として、イン
パルス電源を用いても同様な推進コイルの評価を行うこ
とができる。
〔発明の効果〕
地上一次リニアモータで推進する超電導磁気浮上式鉄
道においては、莫大な数の推進コイルが軌道上に敷設さ
れ、しかも、数千kV以上の超電圧電源で饋電されるた
め、推進コイルは、非常に高度の信頼性が要求される
が、推進コイルが層間短絡や地絡等の事故を起こす事
は、有り得る故障として、事故の波及効果を最小に抑え
る様にシステムが構築されていなければならない。
特に、超電導磁石がクエンチを起こすと浮上走行を維
持出来なくなるので、システムダウンとなる事から、本
発明のセクション制御装置を使用する事により、超電導
磁気浮上式鉄道の信頼性を飛躍的に向上させることがで
きるすぐれた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のセクション制御装置の構成図、第2図
は本発明のセクション制御装置を用いた地上一次リニア
モータ推進磁気浮上式鉄道の制御システム図、第3図は
隣接する相互のセクション制御装置の異常検出期間とコ
イル開閉器の投入指令との関係を示すタイミングチャー
ト、第4図は本発明の1台のセクション制御装置の動作
を示すタイミングチャート、第5図は従来のセクション
制御装置を用いた地上一次リニアモータ推進磁気浮上式
鉄道の制御システム図である。 1……推進コイル、2……コイル開閉器 3……異常検出器開閉器、4……高周波電源 5……制限インピーダンス、6……電圧検出器 7……電流検出器、8……漏洩電流検出器 9……増幅器、10……除算器 11……比較器、12……信号伝送装置 13……試験制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地上一次リニアモータの推進コイルと、こ
    れに推進電流を流す可変電圧、可変周波数の交流電源を
    発生する電力変換装置と、推進コイルと電力変換装置の
    間に在る開閉器とからなるリニアモータのコイル開閉器
    の推進コイル側に、コイルの試験時のみ閉じる開閉器と
    高周波交流電源と高周波交流電流検出器と、電流制限用
    インピーダンスを設け、コイル側の高周波電源出力の相
    電圧を検出する電圧検出器と高周波交流電源のゼロ相電
    流を検出する電流検出器を備えた事を特徴とする、地上
    一次リニアモータのセクション制御装置。
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