JP2765742B2 - ぶれ検出装置 - Google Patents

ぶれ検出装置

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JP2765742B2 JP932490A JP932490A JP2765742B2 JP 2765742 B2 JP2765742 B2 JP 2765742B2 JP 932490 A JP932490 A JP 932490A JP 932490 A JP932490 A JP 932490A JP 2765742 B2 JP2765742 B2 JP 2765742B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、液体の慣性力を利用して絶対空間に対する
角変位等の変位を検出するぶれ検出装置に関するもので
ある。
[従来の技術] 一般に、この種のぶれ検出装置としての角変位検出装
置としては、例えば第1図〜第3図に示すようなものが
ある。
これらの図において、1は装置を構成する各部品を取
付ける基台、2は内部に浮体3および液体4を封入した
室をもつ液体封入容器としての外筒であり、第3図で詳
細に図示されているコ字形の浮体保持体14が嵌合して固
定されるための溝部2aがその内側に形成されている。3
は磁気特性を有する浮体であり、軸3a回りに回転自在に
上記浮体保持体14により保持されていて、その中央ブロ
ックの一対の側面の両表面にはミラー9とこれを覆って
スリット10aを有するマスク10が取付けられ、該中央ブ
ロックのもう一対の側面からはそれぞれ腕部が延出され
ている。またこの浮体3は液体4と比重を一致させるこ
とにより浮力バランスがとられたものとして構成され
る。
4は外筒2に封入された液体である。
5は通電により光を発生する発光素子(IRED)であ
り、発光素子保持体7により上記基台1に取付け固定さ
れている。6は受ける光の位置によって出力の変化する
光電変換素子からなる受光素子(PSD)であり、光電変
換素子保持体8により上記基台1に取付け固定されてい
る。そしてこれら発光素子5および受光素子6が、上記
浮体3の中央ブロック表面に取付けられているミラー9
を介して光を伝送する方式の光学的な角変位検出の手段
を構成している。なお発光素子保持体7には発光素子5
からの光を導く光導部7aが形成されており、この光導部
7aの先端には上記浮体3のミラー9を覆うマスク10と同
じスリット10aを有するマスク10が取付けられている。
なおこの光伝送は外筒2を通して行われるものであるか
ら、該外筒2の全体あるいは該当する部分は透明体とし
て設けられている。
19,20は、一対のヨークであり、上記磁気特性を有す
る浮体3を一定位置(図示する姿勢の位置)で定置させ
るための磁界作用を及ぼすように一対に設けられ、これ
らの一端は図示の如く外筒2の直径方向に離間対向して
設けられている。またこれらのヨーク19,20の他端の間
にはヨーク21が設けられていると共に、該ヨーク21には
電磁コイル22が外装嵌合して組付けられている。これら
の構成によりヨーク19,20,21および浮体3からなる磁気
回路が構成され、電磁コイル22の作り出す磁力により浮
体3に磁気的な力を与えるものである。
尚上記した浮体3の回転自在の保持は次のようにして
行われている。すなわち浮体3の中央ブロックには第2
図の断面図で示している上下に貫通の回転軸11が設けら
れ、この上下端にはそれぞれ外向きに先端が尖鋭なピボ
ット12が圧入されている。一方前記した浮体保持体14の
コ字形の上下腕の先端には互いに内向きに対向してピボ
ット軸受け13が設けられ、上記ピボット12の尖鋭な先端
がこのピボット軸受け13に嵌合することで浮体の保持が
される。
15は外筒の上蓋であり、シリコン接着剤等を用いる公
知の技術により外筒2にシール接着されている。16はゴ
ムパッキンであり押え板17と上蓋15の間にサンドイッチ
されビス等により固定されている。
以上の構成において、浮体3は重力の影響によりピボ
ット軸に実質的に負荷が作用しないように、上述の如く
液体内での浮力バランスがとられたものとして構成され
る。
かかる構成においては、外筒が回転軸3a回りに回転し
ても液体内部は慣性により動かないので、浮遊状態にあ
る浮体3は回転せず、したがって外筒2と浮体3は回転
軸3a回りに相対的に回転することになる。これが相対角
変位を検出する本装置の原理であり、これらの相対的な
角変位は、上記発光素子5、受光素子6を用いた光学的
検知手段で検出できる。
なお実際には外筒2の壁面の影響で封入された液体内
部に流れが生じこれが浮体3に力を及ぼし粘性力として
作用するが、その影響は、壁面から浮体3までの距離、
液体の粘性等を考慮して選択することにより可及的に小
さくすることが可能である。
さて、以上の構成を有する装置で角変位の検出は次の
ように行われる。
まず発光素子5から発せられた光は、光導部7aを通り
浮体3に照射され、ここでミラー9により反射されて受
光素子6に至る。そして上述しているように、光導部7a
の先端および浮体3のミラー9の上にマスク10が配置さ
れているため、上記光の伝送の際に光はそのマスク10の
スリット10aにより略平行光となり、受光素子6の上に
はボケのない像が形成されることになる。
そして外筒2、発光素子5、受光素子6はいずれも基
台1の上に固定されているものであって一体に運動する
ので、外筒2と浮体3の間で相対的な角変位運動が生ず
ると、該変位に応じた量だけ受光素子6の上のスリット
像は移動することになる。したがって受光した光の位置
によって出力の変化する光電変換素子である該受光素子
6の出力は該スリット像の位置変位に比例した出力とな
り、該出力を情報として外筒2の角変位を検出すること
ができる。
以上の構成で形成された角変位検出装置を考えると、
浮体3は外部からの力を受けていない状態であるため
に、浮体3の姿勢を規制することができないから、その
ままでは受光素子6の測定範囲内にスリット像が位置す
るという保証がないことになるが、例えば、上述した電
磁コイル22を用いて浮体に弱い磁界作用を及ぼし、この
磁界作用により浮体3を第1図に示した定常状態の位置
に定置させる力を与えバネ力として作用させることがで
きる。
この磁界作用により浮体に及ぼされるバネ力は、原理
的には浮体3を外筒2に対して一定の姿勢に維持させる
(つまり一体に移動させる)力であるから、そのバネ力
が強いと外筒2と浮体3は一体となって運動してしまい
目的とする角変位のための相対角変位が生じないという
問題を招くが、磁界作用が液体の慣性に対し十分小さけ
れば、比較的低い周波数の角変位にも応答しうるよう構
成できる。
[発明が解決しようとしている課題] ところで、浮体は液体と比重を一致させ重力の影響に
よるピボット軸に実質的に負荷が作用しないようにする
ことが検出感度を良好なものとするために必須の条件で
ある。しかし、マクロ的に液体と比重が一致していて
も、ミクロ的に浮体内に比重のばらつきがある場合に
は、その比重の差をΔρ、その部分の体積をV、ピボッ
ト軸から重心迄の距離をlとすると、Δρ×V×l×g
だけピボット軸を中心とした回転モーメントが発生する
ことになる(尚、gは重力加速度)。本装置の原理から
明らかなように浮体には電磁コイルの磁界作用により定
常位置に定置させる力を与えバネ力として作用させてい
る。
従って前述のミクロ的な浮体内の比重ばらつきによる
ピボット軸を中心とした回転モーメントが、このバネ力
よりも大きい場合には、重力の影響でピボット軸回りに
回転してしまう。この回転を阻止しようとする場合は、
バネ力を大にする必要があるが、バネ力を大とすると浮
体は外筒と一体となって運動してしまい、目的とする角
変位のための相対角変位が生じないという問題が生じ
る。従って、バネ力としては弱い程検出感度としては向
上する為、浮体の比重バラツキは極力無くすことが望ま
れている。
本発明の目的は、このような事情に鑑みなされたもの
で、安定的な検出を可能とするものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明の目的を達成するためのための要旨とするとこ
ろは、液体を封入した室を有する外筒と、該外筒の封入
液体内に配置されて、前記外筒に対して相対変位可能に
支持される磁性特性を有する浮体と、該浮体と磁気回路
を構成する磁気発生手段と、前記外筒と前記浮体との相
対変位を検出する検出手段とを備え、前記浮体は、シラ
ン系もしくはチタン系カップリング剤で被覆した磁性材
料粉を熱可塑性有機高分子材料に混合した材料より形成
したものである。
この構成では、磁性材料粉の分散状態を向上させ、同
一浮体内の比重のばらつきを極力押さえることが可能と
なり、安定的な検出が可能となる。
[実施例] 以下実施例を上げ詳細に説明する。
(実施例−1) シラン系カップリング剤としてγ−アミノプロピルト
リエトキシシランで被ふくした平均粒径20μmの鉄粉を
ポリブチレンテレフタレート樹脂粉末とミキサーにより
前混合した後、2軸押出機により加熱溶融混練し、更に
ペレット化した後射出成形機を用い第1図中に示す浮体
を成形した。この浮体の比重を水中置換法により測定し
たところ、1.7650であった。尚この時の鉄粉の含有量は
30.65重量%であった。次に、この浮体と比重1.76のフ
ッ素系液体を用い第1図の如き角変位検出装置を製作し
作動させたところ、ピボット軸を中心とした回転運動は
起らず、しかも、角変位の検出感度に対し支障はきたさ
なかった。
尚、この浮体を取り出し長手方向に2分割しそれぞれ
の比重を水中置換法により測定したところ、その差は0.
0022であった。
(実施例−2) チタン系カップリング剤としてイソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネートで被ふくした平均粒径20μmの
鉄粉(実施例−1と同じ)とポリブチレンテレフタレー
ト粉末とから、実施例−1と同様の方法で浮体を成形し
た。この浮体の比重を水中置換法により測定したとこ
ろ、1.7658であった。尚、この時の鉄粉の含有量は30.7
0%であった。次に、この浮体と実施例−1で用いた液
体とを用い角変位検出装置を製作し、作動させたところ
ピボット軸を中心とした回転運動は起らず、しかも、角
変位の検出感度に対し支障はきたさなかった。尚、この
浮体を取り出し長手方向に2分割しそれぞれの比重を水
中置換法により測定したところその差は0.0031であっ
た。
(比較例−1) 実施例−1及び実施例−2にて用いたのと同じ平均粒
径20μmの鉄粉を特にカップリング処理を施さずに用
い、ポリブチレンテレフタレート粉末とで実施例−1と
同様な方法で浮体を成形した。この浮体の比重を水中置
換法により測定したところ1.7652であった。尚、この時
の鉄粉の含有量は30.65重量%であった。次に、この浮
体と実施例−1と同じ液体を用い角変位検出装置を製作
し、作動させたところ、ピボット軸を中心とした回転運
動が起こってしまった。この回転運動を阻止するためコ
イルへの電流を上昇させたところ角変位の検出感度が低
下してしまった。
この浮体を取り出し長手方向に2分割し、それぞれの
比重を水中置換法にて測定したところ、その差は0.0056
であった。
本発明に用いられる熱可塑性有機高分子材料として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン−1、ポリスチレン、ABS樹脂PMMA、ポリカーボネー
ト、ポリオキシメチレンポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリアリレート、ポリサルフォン、
ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、芳香族液晶ポリエステル等が好
適に用いられる。
又、磁性材料粉としては、ニッケル、ニッケル−鉄合
金、鉄、マグネタイト、バリウムフェライトやストロン
チウムフェライトの如きフェライト類、ネオジウム−鉄
−コバルトやサマリウム−コバルトの如き希土類合金の
少なくとも1種が用いられる。
更に、本発明に用いられるシラン系カップリング剤と
してはγ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタアク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が上げ
られる。
又、チタン系カップリング剤としては、イソプロピル
トリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリド
デシルベンゼンスルホニルチタネート、テトライソプロ
ピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テト
ラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネー
ト、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチ
ル)ビス(ジートリデシル)ホスファイトチタネート、
ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテー
トチタネート、トリス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)エチレンチタネート等が上げられる。
尚、磁性材料粉の熱可塑性有機高分子材料への混合割
合は、用いられる液体の比重値と一致するように決定さ
れる(液体の比重が温度により変動する場合には、使用
される温度での比重と一致するよう決定される)。
又、熱可塑性有機高分子材料への磁性材料粉の分散混
合割合は、通常用いられるロール、ニーダー、押出機等
により加熱溶融混合するのが好ましく、常温状態でミキ
サー等により前混合することがさらに好ましい。尚、こ
の場合熱可塑性有機高分子材料は粉体を用いるのが良
い。
次に、浮体の成形法については生産性の面から射出成
形法が好ましく用いられる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、磁性材料粉の分
散状態を向上させ、同一浮体内の比重のばらつきを極力
押さえることが可能となり、安定的な検出が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は角変位検出装置の平面図、第2図はそのA−A
断面図、第3図はその一部の分解斜視図である。 2……外筒、3……浮体 4……液体、5……発光素子 6……受光素子、15……上蓋 19,20,21……ヨーク 22……電磁コイル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 19/00 - 19/72 G01B 21/00 - 21/32 G01B 7/00 - 7/34 G01B 11/00 - 11/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体を封入した室を有する外筒と、該外筒
    の封入液体内に配置されて、前記外筒に対して相対変位
    可能に支持される磁性特性を有する浮体と、該浮体と磁
    気回路を構成する磁気発生手段と、前記外筒と前記浮体
    との相対変位を検出する検出手段とを備え、 前記浮体は、シラン系もしくはチタン系カップリング剤
    で被覆した磁性材料粉を熱可塑性有機高分子材料に混合
    した材料より形成したことを特徴とするぶれ検出装置。
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