JP2764766B2 - ファジィ・データ処理装置および方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明はファジィ・データ処理装置および方法，と
くにデータ・ベースに格納されるデータのあいまい性
（ファジィネス）および検索条件のあいまい性を許容し
た検索が可能な装置および方法に関する。

背景技術 ファジィ検索では検索すべきデータ・ベースにファジ
ィ・データが含まれているか，検索条件にファジィ・デ
ータが含まれているかのいずれか一方または両方であ
る。

ファジィ・データはファジィ集合によって規定され，
それは一般にメンバーシップ関数を用いて特徴づけられ
る。種々のタイプのファジィ・データがある。そのうち
で，数値型といわれるファジィ・データをとりあげてみ
る。数値型ファジィ・データは数値を要素とするファジ
ィ集合であり，ファジィ数またはファジィ・ラベルによ
って表現される。ファジィ数の代表的なものには約30の
ように「約」をつけて表わされるものがある。ファジィ
・ラベルはファジィ集合を言語によって表現するもので
あり，一例として「若い」を挙げることができる。

このようなファジィ・データを取扱うことができるよ
うにするために，ファジィ・データ処理装置にはファジ
ィ・データ辞書が備えられる。ファジィ・データ辞書
は，ファジィ・データに対応してそれを表わすメンバー
シップ関数に関するデータを登録しておくものである。

データ・ベース中のファジィ・データまたは検索条件
に記述されたファジィ・データを取扱うときに，ファジ
ィ辞書が参照される。そのファジィ・データを表わすメ
ンバーシップ関数データがファジィ辞書から読出され
る。このメンバーシップ関数を用いてファジィ検索処理
のための演算が行なわれる（たとえば国際公開NO.WO93/
07575参照）。この演算処理の結果，またはそれを加工
したものが検索結果として出力される。

このようなファジィ検索において，特に，与えられた
検索条件中に，ファジィ・データ辞書に登録されていな
いファジィ・データが含まれていたとすると，ファジィ
検索ができない。このような場合オペレータは，そのフ
ァジィ・データのメンバーシップ関数を定義した上でフ
ァジィ・データ辞書に登録する作業をしなければならな
い。この作業が煩雑であるとともに，この作業中はファ
ジィ検索を中断しなければならず，処理に時間がかか
る。

このような事態の発生を未然に防ぐために，そしてフ
ァジィ検索を効率よく行なうために，使用することが予
測されるファジィ・データの殆んどすべてについて，あ
らかじめそのメンバーシップ関数データをファジィ・デ
ータ辞書に登録しておくことが考えられる。しかしなが
ら，使用されるであろうファジィ・データの殆んどを前
もって予測することは困難であり，かつたとえそれが可
能であったとしても，ファジィ・データ辞書に登録され
るデータの数が多くなりすぎる。

発明の開示 この発明は，オペレータの作業の繁雑さを軽減するこ
とを目的とする。

この発明はまた，検索処理の中断の起こる可能性をで
きるだけ小さくすることを目的とする。

この発明はさらに，ファジィ・データ辞書には最小限
のファジィ・データの登録で足りるようにするものであ
る。

この発明によるファジィ・データ処理装置は，検索さ
れるべきデータを格納したデータ・ベース，ファジィ・
データの識別コードに対応して，そのファジィ・データ
を表わすメンバーシップ関数データを格納したファジィ
・データ辞書，ファジィ・データとそのファジィ・デー
タを表わすメンバーシップ関数データとの対を含むファ
ジィ命題を含む検索指令を受付ける検索指令受領手段，
検索指令に単独のファジィ・データが含まれている場合
および上記データ・ベースにファジィ・データが含まれ
ている場合の少なくともいずれかにおいて，上記ファジ
ィ・データ辞書を参照してファジィ・データを表わすメ
ンバーシップ関数データを得るメンバーシップ関数デー
タ入手手段，上記検索指令にしたがって上記データ・ベ
ースを検索し，上記メンバーシップ関数データ入手手段
によって得られたメンバーシップ関数データおよび上記
検索指令に含まれるメンバーシップ関数データの少なく
ともいずれか一方を用いて，上記データ・ベースから得
られたデータについての検索演算を実行するファジィ検
索手段，ならびに上記検索指令に含まれるファジィ・デ
ータとメンバーシップ関数データとの対を上記ファジィ
・データ辞書に格納する登録手段を備えている。

好ましい実施態様では，上記登録手段は，上記ファジ
ィ・データとメンバーシップ関数データとの対が上記フ
ァジィ・データ辞書に存在しないことを確認した上で登
録する。

ファジィ・データ処理装置はさらに，上記ファジィ検
索手段による検索結果を出力する手段を備えている。

この発明によるファジィ・データ処理方法は，検索さ
れるべきデータを格納したデータ・ベース，およびファ
ジィ・データの識別コードに対応して，そのファジィ・
データを表わすメンバーシップ関数データを格納したフ
ァジィ・データ辞書をあらかじめ用意しておき，ファジ
ィ・データとそのファジィ・データを表わすメンバーシ
ップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む検索指
令を受付け，検索指令に単独のファジィ・データが含ま
れている場合および上記データ・ベースにファジィ・デ
ータが含まれている場合の少なくともいずれかにおい
て，上記ファジィ・データ辞書を参照してファジィ・デ
ータを表わすメンバーシップ関数データを得，上記検索
指令にしたがって上記データ・ベースを検索し，上記メ
ンバーシップ関数データ入手処理によって得られたメン
バーシップ関数データおよび上記検索指令に含まれるメ
ンバーシップ関数データの少なくともいずれか一方を用
いて，上記データ・ベースから得られたデータについて
の検索演算を実行し，上記検索指令に含まれるファジィ
・データとメンバーシップ関数データとの対を上記ファ
ジィ・データ辞書に格納するものである。

データ・ベースに格納されたデータには，一般にはフ
ァジィ・データが含まれよう。

ファジィ・データを表わすメンバーシップ関数データ
はメンバーシップ関数を表わすものである。メンバーシ
ップ関数には，最も簡単なものでは三角形状のもの，次
に台形のもの等，直線で表わされるものがある。これら
のメンバーシップ関数は一般には直線の端点の座標の集
まりによって表わされよう。もちろん，これらの形状の
中心の座標や一辺の長さに関するデータを用いてもメン
バーシップ関数を表わすことができる。メンバーシップ
関数は曲線，たとえば正規分布関数によって表現するこ
ともできる。メンバーシップ関数データは曲線を表わす
パラメータで構成されよう。

検索指令はオペレータによって入力装置から入力され
ることもあるし，アプリケーション・プログラム等によ
って生成されることもあろう。したがって，検索指令受
領手段には，入力装置，入力されたデータを取込むプロ
グラム，メモリの所定のエリア，プログラム間通信によ
って指令を受取るプログラム等，種々の態様があろう。

検索指令にはファジィ命題によって構成される検索条
件が含まれる。この検索条件はファジィ・データと比較
演算子によって構成される場合もあるし（このときのフ
ァジィ・データを単独のファジィ・データという），フ
ァジィ・データと比較演算子とファジィ・データの定義
（これがメンバーシップ関数データである）とによって
構成される場合もあろう。後者の場合が，ファジィ・デ
ータとそのメンバーシップ関数データとの対を含むファ
ジィ命題に該当する。

ファジィ検索演算の詳細は上述した国際出願の公開公
報に記載されている。

この発明によると，ファジィ・データの定義が検索条
件に含まれているので，ファジィ・データについてその
メンバーシップ関数データをファジィ・データ辞書に前
もって登録しておかなくても，ファジィ・データ検索が
可能となる。したがって，ファジィ・データ辞書にその
定義が存在しないことによる処理の中断が減少し，効率
的で迅速なファジィ検索が可能となる。必要と思えば，
あらかじめ検索指令にファジィ・データの定義を加えて
おけばよいので，オペレータが処理の途中でファジィ・
データの定義をしなければならないという煩雑さが少な
くなる。ファジィ・データ辞書には最小限のファジィ・
データを登録しておけば足りる。

検索指令に含まれているファジィ・データの定義はフ
ァジィ・データ辞書に登録されるので，ファジィ・デー
タ辞書の内容がだんだん豊富になっていく。次に同じフ
ァジィ・データを用いるときには，ファジィ・データの
定義を検索指令に含ませることはもはや不要となろう。

ファジィ・データの定義のファジィ・データ辞書への
登録は，その旨の指令が検索指令に含まれていた場合に
のみ行えばよいであろう。

この発明は登録手段を持たないファジィ・データ処理
装置も提供している。

このファジィ・データ処理装置は，検索されるべきデ
ータを格納したデータ・ベース，ファジィ・データの識
別コードに対応して，そのファジィ・データを表わすメ
ンバーシップ関数データを格納したファジィ・データ辞
書，ファジィ・データとそのファジィ・データを表わす
メンバーシップ関数データとの対を含むファジィ命題を
含む検索指令を受付ける検索指令受領手段，検索指令に
単独のファジィ・データが含まれている場合および上記
データ・ベースにファジィ・データが含まれている場合
の少なくともいずれかにおいて，上記ファジィ・データ
辞書を参照してファジィ・データを表わすメンバーシッ
プ関数データを得るメンバーシップ関数データ入手手
段，ならびに上記検索指令にしたがって上記データ・ベ
ースを検索し，上記メンバーシップ関数データ入手手段
によって得られたメンバーシップ関数データおよび上記
検索指令に含まれるメンバーシップ関数データの少なく
ともいずれか一方を用いて，上記データ・ベースから得
られたデータについての検索演算を実行するファジィ検
索手段を備えている。

好ましい実施態様では，上記検索指令に，上記ファジ
ィ・データとメンバーシップ関数データとの対の登録指
令が含まれていたときに，これらを上記ファジィ・デー
タ辞書に登録する登録手段が設けられる。

上記登録手段は，上記ファジィ・データとメンバーシ
ップ関数データとの対が上記ファジィ・データ辞書に存
在しないことを確認した上で登録するものであることが
望ましい。

この発明による登録処理を欠いたファジィ・データ処
理方法は，検索されるべきデータを格納したデータ・ベ
ース，およびファジィ・データの識別コードに対応し
て，そのファジィ・データを表わすメンバーシップ関数
データを格納したファジィ・データ辞書をあらかじめ用
意しておき，ファジィ・データとそのファジィ・データ
を表わすメンバーシップ関数データとの対を含むファジ
ィ命題を含む検索指令を受付け，検索指令に単独のファ
ジィ・データが含まれている場合および上記データ・ベ
ースにファジィ・データが含まれている場合の少なくと
もいずれかにおいて，上記ファジィ・データ辞書を参照
してファジィ・データを表わすメンバーシップ関数デー
タを得，上記検索指令にしたがって上記データ・ベース
を検索し，上記メンバーシップ関数データ入手処理によ
って得られたメンバーシップ関数データおよび上記検索
指令に含まれるメンバーシップ関数データの少なくとも
いずれか一方を用いて，上記データ・ベースから得られ
たデータについての検索演算を実行するものである。

ファジィ・データの定義を検索指令に含ませるので，
ファジィ・データ辞書は，最も極端な形態では，不要と
なる。

ファジィ・データ辞書を持たないこの発明によるファ
ジィ・データ処理装置は，検索されるべきデータを格納
したデータ・ベース，ファジィ・データとそのファジィ
・データを表わすメンバーシップ関数データとの対を含
むファジィ命題を含む検索指令を受付ける検索指令受領
手段，および上記検索指令にしたがって上記データ・ベ
ースを検索し，上記検索指令に含まれるメンバーシップ
関数データを用いて，上記データ・ベースから得られた
データについての検索演算を実行するファジィ検索手段
を備えている。

この発明によるファジィ・データ処理方法は，ファジ
ィ・データとそのファジィ・データを表わすメンバーシ
ップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む検索指
令を受付け，上記検索指令にしたがってデータ・ベース
を検索し，上記検索指令に含まれるメンバーシップ関数
データを用いて，上記データ・ベースから得られたデー
タについての検索演算を実行するものである。

この場合に，データ・ベースにはファジィ・データは
格納されていないことが前提となろう。

データ・ベースにファジィ・データが格納されていな
い場合には，この発明によるファジィ・データ処理装置
は次のような構成をとりうる。

すなわち，ファジィ・データ処理装置は，検索される
べきデータを格納したデータ・ベース，ファジィ・デー
タの識別コードに対応して，そのファジィ・データを表
わすメンバーシップ関数データを格納したファジィ・デ
ータ辞書，ファジィ・データとそのファジィ・データを
表わすメンバーシップ関数データとの対を含むファジィ
命題を含む検索指令を受付ける検索指令受領手段，検索
指令に単独のファジィ・データが含まれている場合に，
上記ファジィ・データ辞書を参照してファジィ・データ
を表わすメンバーシップ関数データを得るメンバーシッ
プ関数データ入手手段，ならびに上記検索指令にしたが
って上記データ・ベースを検索し，上記メンバーシップ
関数データ入手手段によって得られたメンバーシップ関
数データおよび上記検索指令に含まれるメンバーシップ
関数データの少なくともいずれか一方を用いて，上記デ
ータ・ベースから得られたデータについての検索演算を
実行するファジィ検索手段を備えている。

好ましくは，上記検索指令に，上記ファジィ・データ
とメンバーシップ関数データとの対の登録指令が含まれ
ていたときに，これらを上記ファジィ・データ辞書に登
録する登録手段がさらに設けられる。

上記登録手段は，上記ファジィ・データとメンバーシ
ップ関数データとの対が上記ファジィ・データ辞書に存
在しないことを確認した上で登録するものであることが
望ましい。

この発明によるファジィ・データ処理方法は，検索さ
れるべきデータを格納したデータ・ベース，およびファ
ジィ・データの識別コードに対応して，そのファジィ・
データを表わすメンバーシップ関数データを格納したフ
ァジィ・データ辞書をあらかじめ用意しておき，ファジ
ィ・データとそのファジィ・データを表わすメンバーシ
ップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む検索指
令を受付け，検索指令に単独のファジィ・データが含ま
れている場合に，上記ファジィ・データ辞書を参照して
ファジィ・データを表わすメンバーシップ関数データを
得，上記検索指令にしたがって上記データ・ベースを検
索し，上記メンバーシップ関数データ入手処理によって
得られたメンバーシップ関数データおよび上記検索指令
に含まれるメンバーシップ関数データの少なくともいず
れか一方を用いて，上記データ・ベースから得られたデ
ータについての検索演算を実行するものである。

この発明はさらに検索指令方法を提供している。

この発明による第１の検索指令方法は，検索指令に少
なくとも一つのファジィ命題を含ませ，このファジィ命
題に，ファジィ・データを含む検索条件を含ませるとと
もに，上記ファジィ・データを表わすメンバーシップ関
数データ，および上記ファジィ・データと上記メンバー
シップ関数データとの対をファジィ・データ辞書に登録
すべきことの指令を含ませ，このようにして作成した上
記検索指令をファジィ検索手段に与えるものである。

このようにして与えられた検索指令にしたがって上述
したファジィ・データ処理装置および方法が働くことに
なる。

検索指令には登録指令を必ずしも含ませなくてもよ
い。第２の検索指令方法は，検索指令に少なくとも一つ
のファジィ命題を含ませ，このファジィ命題に，ファジ
ィ・データを含む検索条件を含ませるとともに，上記フ
ァジィ・データを表わすメンバーシップ関数データを含
ませ，このようにして作成した上記検索指令をファジィ
検索手段に与えるものである。

図面の簡単な説明 第１図はファジィ・データ処理装置の構成を示すブロ
ック図である。

第２図はデータ・ベースの例を示す。

第３図はファジィ・データ辞書の構成の一部を示す。

第４図はメンバーシップ関数の定義を説明するための
ものである。

第５図はファジィ数「約30（才）」のメンバーシップ
関数を示すグラフである。

第６図はファジィ・ラベル「中年」のメンバーシップ
関数を示すグラフである。

第７図はファジィ・ラベル「若い」のメンバーシップ
関数を示すグラフである。

第８図はファジィ数「約350（万円）」のメンバーシ
ップ関数を示すグラフである。

第９図はファジィ数「約400（万円）」のメンバーシ
ップ関数を示すグラフである。

第10図および第11図は検索処理手順を示すフロー・チ
ャートである。

第12図は更新されたファジィ・データ辞書の一部を示
す。

第13図はファジィ数「約400（万円）」のメンバーシ
ップ関数を示すグラフである。

第14図は「＞約400（万円）」のメンバーシップ関数
を示すグラフである。

第15図は収入についての適合度を求める処理を示す。

第16図および第17図は年令についての適合度を求める
処理を示す。

第18図は検索結果の一例を示す。

第19図はしきい値処理とソーティング処理された検索
結果の例を示す。

発明を実施するための最良の形態 第１図はファジィ・データ処理装置の構成を示すもの
である。ファジィ・データ処理装置は，最も一般的には
コンピュータ・システムにより構築される。コンピュー
タ10にはメモリ装置11,入力装置12および出力装置13が
接続されている。

コンピュータ10には，後述するファジィ検索処理をは
じめとする各種の処理を実行するCPU,検索処理を含む各
種処理におけるデータを記憶するRAM,ならびにCPUの実
行する各種プログラムのすべてまたは一部および固定デ
ータを格納するROMが設けられている。検索処理等のプ
ログラムはメモリ装置11のフロッピー・ディスクやハー
ド・ディスクに格納してもよい。データ・ベースやファ
ジィ・データ辞書をRAMに設けてもよい。

メモリ装置11はフロッピー・ディスクまたはハード・
ディスクおよびそのドライバを含む。メモリ装置11に，
光ディスク（光磁気ディスクを含む）,RAM,ROM等を含ま
せてもよい。データ・ベースおよびファジィ・データ辞
書がメモリ装置11に格納されている。

入力装置12はデータ・ベースやファジィ・データ辞書
に登録するデータ，検索条件（検索指令）を入力するた
めのものであり，キーボード，マウス，これらと協同し
て入力操作ガイダンス等を表示する表示装置等から構成
される。

出力装置12は表示装置やプリンタを含み，入力された
検索条件，検索結果等を出力（たとえば表示）するもの
である。

第２図はメモリ装置11に設けられたデータ・ベースの
一部を示している。

データ・ベースにおけるデータの分類のために表名と
列名が用いられる。表名は大きい分類を指し，列名は小
さい分類を表わす。一つの表名に一または複数の列名が
属する。第２図においては表名は「若い人」であり，列
名は「氏名」，「収入」，「年令」である。これらの列
名におけるデータが相互に関連付けられて格納されてい
る。たとえば、氏名「AB cd」をもつ人の収入は「約350
（万円）」，年令は「22（才）」である。

データ・ベースにはクリスプ・データに加えてファジ
ィ・データが許容される。「収入」における410（万
円）,380（万円）等の明確な数値がクリスプ・データで
ある。「約350（万円）」，「約30（才）」，「中年」
等は上述したようにファジィ・データである。

第３図はファジィ・データ辞書の構造の一部を示して
いる。

ファジィ・データ辞書はファジィ・データを定義する
ものである。ファジィ・データ辞書でも分類のために表
名と列名が用いられている。表名からそれに属する列名
をたどることができ（ポインタ），列名からその列名に
属するファジィ・ラベル（またはファジィ数）をたどる
ことができる（ポインタ）構造となっている。

たとえば，表名「若い人」には列名「年令」，「収
入」等が含まれている。列名「年名」にはファジィ数
「約30（才）」，ファジィ・ラベル「中年」が，列名
「収入」にはファジィ数「約350（万円）」，「約400
（万円）」等が含まれている。

データ・ベースにおいて検索すべきデータの表名と同
じ表名に属するファジィ・データ辞書のメンバーシップ
関数が用いられる。たとえば，データ・ベースにおいて
表名「若い人」に属するように区分されたデータを検索
する場合には，ファジィ・データ辞書において表名「若
い人」に属するように登録されたファジィ・データのメ
ンバーシップ関数が用いられる。

ファジィ・データ辞書にはデータ・ベースで用いられ
ているファジィ・ラベルおよびファジィ数，ならびに検
索条件（検索指令）で用いられる（一般的に用いられる
であろう，また過去において用いられた，等）ファジィ
・ラベルおよびファジィ数を特徴づけるメンバーシップ
関数を表わすデータx1,x2,x3およびx4が，ファジィ・ラ
ベルまたはファジィ数に対応して登録されている。後に
明らかになるように，検索指令によって，メンバーシッ
プ関数を表わすデータx1〜x4をファジィ・ラベルまたは
ファジィ数とともにファジィ・データ辞書に登録するこ
とができる。

メンバーシップ関数は，第４図に示すように，原則的
に台形によって表現される。この台形のメンバーシップ
関数は上記のデータx1,x2,x3およびx4によって次のよう
に規定される。すなわち，台形の底辺左端の座標が（x
1,0），上辺左端座標が（x2,1），上辺右端座標が（x3,
1），そして底辺右端座標が（x4,0）である。メンバー
シップ関数は，横軸をＸ軸，縦軸をグレードを表わす軸
とする二次元平面内において，（−∞,0）または（0,
0），（x1,0），（x2,1），（x3,1），（x4,0），（∞,
0）の６点を直線で結んだ形状をもつ。ただしx1≦x2≦x
3≦x4である。このメンバーシップ関数を， NMF（x1,x2,x3,x4） と表わす。NMFはメンバーシップ関数の形状を定義する
関数である。

ファジィ・データ辞書において，ファジィ数「約30
（才）」のメンバーシップ関数データは（x1,x2,x3,x
4）＝（28,30,30,45）である。x2＝x3＝30で，台形の上
辺左端と上辺右端とが同一点となっている。したがっ
て，メンバーシップ関数は第５図に示すように三角形と
なる。

ファジィ・ラベル「中年」のメンバーシップ関数はNM
F（30,35,45,50）で，第６図に示すように台形となる。

後に示す検索指令によって登録されるファジィ・ラベ
ル「若い」のメンバーシップ関数はNMF（0,0,20,30）で
ある。x1＝x2であり，このメンバーシップ関数は第７図
に示すようになる。

ファジィ数「約350（万円）」および「約400（万
円）」のメンバーシップ関数がそれぞれ第８図および第
９図に示されている。これらはいずれも台形のものであ
る。

第10図および第11図はCPU10によって実行される検索
処理の手順を示している。この検索処理は検索指令が与
えられることに応答して始まる。検索指令は入力装置12
から入力される検索指令を受付けるプログラムまたは他
のアプリケーション・プログラムから与えられよう。

次のような検索指令が与えられた場合について説明す
る。

「SELECT 氏名 FROM 若い人 WHERE 収入 ＞ 約400 AND 年令＝（SET 若い NMF（0,0,20,30））」 これはSQL言語を用いて書かれたものである。SQL＝St
ructured Query Language。

この検索指令において，キーワードSELECTに続く識別
子はデータ・ベースの列名（「氏名」）であり，キーワ
ードFROMに続く識別子は表名（「若い人」）である。

キーワードWHEREの後には，列名，比較演算子および
値の組からなる（ファジィ）命題，または複数の（ファ
ジィ）命題を論理演算子を用いて組合せることにより構
成される（ファジィ）論理式が記述される。「値」はク
リスプ・データまたはファジィ・データである。

上記のSQL検索指令における「収入＞約400」はファジ
ィ命題である。「収入」は列名，「＞」は比較演算子，
「約400」はファジィ数（値）である。

「年令＝（SET 若い NMF（0,0,20,30））」もファ
ジィ命題である。「年令」は列名，「＝」は比較演算子
であり，「（SET 若い NMF（0,0,20,30））」はメン
バーシップ関数指定機能付ファジィ・ラベル（値）であ
る。

このように，ファジィ命題の中に値として記述される
ファジィ・データに，そのファジィ・データを表わすメ
ンバーシップ関数の定義関数が付随しているところに重
要な特徴がある。「SET」はファジィ・データ辞書内に
登録せよという命令を表わす。「若い」はファジィ・デ
ータ（ファジィ・ラベル）（値）であり，その定義が
「NMF（0,0,20,30）」で与えられている。すなわち命令
「SET」によって，「若い」というファジィ・ラベルに
ついてメンバーシップ関数「NMF（0,0,20,30）」をファ
ジィ・データ辞書に登録せよということが命令されてい
る。

２つのファジィ命題をつなぐ「AND」は論理演算子で
ある。したがって，上述した検索指令は,2つのファジィ
命題を論理演算子「AND」で組合せたファジィ論理式を
含んでいることになる。

上述のSQL言語によって表現された検索指令を自然言
語で表現すると，次のようになる。

「データ・ベースにおいて，『若い人』という表名を
もつテーブルの中から，次の検索条件を満たす人の『氏
名』を選択せよ。

検索条件は，『収入』が『約400万円』より多く，か
つ『年令』が関数NMF（0,0,20,30）で定義されるメンバ
ーシップ関数をもつファジィ・ラベル『若い』に等しい
ことである。

また，『若い』というファジィ・ラベルを表わすメン
バーシップ関数（NMF（0,0,20,30）をファジィ・データ
辞書に登録せよ。」 第10図において，このような検索指令が与えられる
と，まずこの検索指令について字句解析処理（ステップ
21）および文法解析処理（ステップ22）が行なわれる。

字句解析処理では，検索指令がトークンと呼ばれる
（キーワード「SELECT」，識別子「氏名」等）最小単位
に分割される。この処理結果に基づいて，文法解析処理
において，処理の種類が問合せであること，および処理
すべき表名が「若い人」であることが認識される。

続いて，検索指令に記述された表名「若い人」と列名
「氏名」，「収入」，「年令」がデータ・ベース内に存
在するかどうかチェックされる（ステップ23）。これら
の表名，列名のうちの少なくともいずれか一つが存在し
なければ検索はできないので，その旨が表示装置に表示
される（またはプリンタにより出力される）（ステップ
33）。

検索指令の表名と列名が存在すれば，検索条件の中に
ファジィ・データ（SET指令付のものを除く）が記述さ
れているかどうかがチェックされる（ステップ24）。フ
ァジィ・データがあればその解釈のためにファジィ・デ
ータ辞書の参照が必要であり，ファジィ・データがなけ
ればファジィ・データ辞書の参照は不要である。

上記の検索指令（検索条件）には「約400」（列名；
収入）というファジィ・データ（ファジィ数）が含まれ
ているので，第３図に示すファジィ・データ辞書におい
て，表名「若い人」から列名「収入」をたどり，列名
「収入」から「約400（万円）」というファジィ数に行
き着く。ファジィ数「約400」についてのメンバーシッ
プ関数データが見付かると，ステップ25でYESとなる。
検索指令中のファジィ・データをファジィ・データ辞書
で発見できなければ，検索はできないので，その旨が出
力される（ステップ33のエラー処理）。

このようにしてファジィ・データ辞書において，ファ
ジィ・データについてのメンバーシップ関数データが見
付かると，このメンバーシップ関数データが読出され,R
AMに一時的に保存される（ステップ26）。

検索指令（検索条件）内に記述されたすべてのファジ
ィ・データについてステップ25,26の処理が繰返される
（ステップ27）。

次に検索指令（検索条件）内にSET指令があるかどう
かがチェックされる（ステップ28）。SET指令が存在す
れば，メンバーシップ関数データのファジィ・データ辞
書への登録が必要であり，存在しなければ登録処理は不
要である。

登録処理においては，まず，登録すべきものとして指
令された表名（「若い人」），列名（「年令」），およ
びファジィ・ラベル名（ファジィ数名）（「若い」）を
キーとして，ファジィ・データ辞書が検索される（ステ
ップ29）。SET指令によって登録を指令されたものと同
じ表名，同じ列名に，同じファジィ・ラベル名（ファジ
ィ数名）のメンバーシップ関数が既に存在すれば，登録
する必要はない（SET指令が誤りであった）。したがっ
て，この場合にはその旨が報告される（ステップ33）。
この場合には，ファジィ検索は可能であるから，ステッ
プ26に戻って，ファジィ・データ辞書からそのメンバー
シップ関数データを得て，検索処理を続行してもよい。

SET指令されているファジィ・ラベル名（ファジィ数
名）がファジィ・データ辞書に存在しなければ，そのフ
ァジィ・ラベル名（ファジィ数名）とメンバーシップ関
数データとが登録される（ステップ30）。

第12図はファジィ・ラベル「若い」について,NMF（0,
0,20,30）が登録された様子を示している。これは，第
３図における列名「年令」でアクセスされるテーブルを
示している。必要であれば列名テーブルへの列名の登録
も行なわれる（列名「年令」は既に存在するので，この
例では不要である）。

もちろん，登録されたメンバーシップ関数データも次
の検索処理のためにRAMに保存される。SET指令が複数個
あれば登録処理が繰返されるのはいうまでもない。

SET指令に基づくメンバーシップ関数データの登録処
理は，次に説明する検索処理（ステップ31）の後に行っ
てもよい。

検索処理（ステップ31）について発明の理解に必要な
範囲で説明しておく。より詳しくは上述した国際出願公
開を参照のこと。

上述したように，検索条件は,2つのファジィ命題のAN
D結合から構成されている。第１のファジィ命題は「収
入＞約400」である。

ファジィ・ラベル「約400（万円）」を表わすメンバ
ーシップ関数データは既に得られた。このメンバーシッ
プ関数が再び第13図に示されている。

比較演算子（不等号）「＞」の演算のために，「＞約
400」を表わす新たなメンバーシップ関数が第14図に示
すように作成される。これは点x3よりも大きいｘの値に
グレード１を付与することにより作成される。

このように新たに作成されたメンバーシップ関数を用
いて，データ・ベース（第２図）における列名「収入」
の各データの適合度が算出される。

第１番目の収入に関するデータはファジィ数「約350
（万円）」である。このファジィ数「約350（万円）」
のメンバーシップ関数を表わすデータがファジィ・デー
タ辞書から求められる。これは，ファジィ・データ辞書
において表名「若い人」から列名「収入」をアクセス
し，列名「収入」からファジィ数「約350（万円）」を
アクセスすることにより得られる。ファジィ数「約350
（万円）」のメンバーシップ関数データが得られなけれ
ば，検索処理はできないからエラー処理に進むことにな
ろう。

第15図を参照して，メンバーシップ関数（「＞約400
（万円）」とメンバーシップ関数「約350（万円）」と
のMIN−MAX演算が行なわれる。「＞約400」のメンバー
シップ関数は実線で，「約350」のメンバーシップ関数
は破線でそれぞれ示されている。これらのメンバーシッ
プ関数の重なっている部分（斜線で示す）が,MIN演算結
果を表わす。このMIN演算結果の最大値，すなわち斜線
で示す三角形の頂点の位置のグレード0.63がMIN−MAX演
算結果となる。ファジィ数「約350（万円）」の適合度
は0.63である。

第２番目以降のデータ「410（万円）」，「380（万
円）」，「550（万円）」および「700（万円）」はいず
れもクリスプ数である。この場合には，メンバーシップ
関数「＞約400（万円）」において，これらのクリスプ
数を変数としたときの関数値がそれらの適合度となる。
第15図を参照して，これらのクリスプ数の適合度はそれ
ぞれ1.0,0.75,1.0および1.0となる。

第２のファジィ命題は「年令＝若い」（SET指令を除
いて考える）である。

比較演算子は「＝」（等号）であるから，第７図に示
したファジィ・ラベル「若い」のメンバーシップ関数が
そのまま用いられる。このメンバーシップ関数「若い」
を用いて，データ・ベース（第２図）における列名「年
令」の各データの適合度が算出される。

第１番目から第３番目のデータ「22（才）」，「25
（才）」および「23（才）」はいずれもクリスプ数であ
るので，これらの値を変数としたときのメンバーシップ
関数「若い」の関数値がそれらの適合度となる。それら
は，第16図および第17図を参照して,0.8,0.5,および0.7
である。

第４番目のデータはファジィ数「約30（才）」であ
り，第５番目のデータはファジィ・ラベル「中年」であ
る。これらについてはファジィ・データ辞書が参照さ
れ，それを表わすメンバーシップ関数データが得られ
る。そして，メンバーシップ関数「若い」とメンバーシ
ップ関数「約30（才）」とのMIN−MAX演算（第16図参
照），メンバーシップ関数「若い」とメンバーシップ関
数「中年」とのMIN−MAX演算（第17図参照）がそれぞれ
行なわれる。MIN−MAX演算結果はそれぞれ0.17,0.0とな
る。

上述した２つのファジィ命題は論理演算子「AND」で
結合されている。論理演算子「AND」にしたがってMIN演
算が行なわれる。

第18図は，第２図のデータ・ベースの氏名に対応し
て，上述した第１のファジィ命題にしたがって得られた
適合度，第２のファジィ命題にしたがって得られた適合
度，およびこれらのMIN演算結果（小さい方を選択す
る）を表の形で示すものである。

このMIN演算結果が最終的に検索結果として氏名とと
もに出力（表示装置に表示またはプリンタでプリント）
されることになる（ステップ32）。必要ならば適合度を
含めて第18図に示す表が出力されてもよい。

これに代えて,MIN演算結果が所定のしきい値以上のも
のについてのみ，その氏名とMIN演算結果（必要に応じ
て適合度も）が出力される。このとき,MIN演算結果の大
きい順にソーティングした上で出力することが好まし
い。第19図は，しきい値を0.5としてソーティングされ
た検索結果を示している。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−168869（ＪＰ，Ａ) 熊本，中嶋 “ファジィデータベース ライブラリーファジィデータ登録機能と ファジィ検索機能を提供するライブラリ について” ＯＭＲＯＮ ＴＥＣＨＮＩ ＣＳ Ｖｏｌ．32，Ｎｏ．１ （1992− ３−25） ＰＰ．64〜69 中嶋 “ファジィデータベース言語： Ｆｕｚｚｙ ＳＱＬ−言語使様とＣ言語 ライブラリーについて” ＯＭＲＯＮ ＴＥＣＨＮＩＣＳ Ｖｏｌ．32，Ｎｏ. ３ （1992−９−30） ＰＰ．235〜240 (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G06F 17/30 ＪＩＣＳＴ（ＪＯＩＳ)

Claims (24)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（補正後） 検索されるべきデータを格納
   したデータ・ベース， ファジィ・データの識別コードに対応して，そのファジ
   ィ・データを表わすメンバーシップ関数データを格納し
   たファジィ・データ辞書， ファジィ・データとそのファジィ・データを表わすメン
   バーシップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む
   検索指令を受付ける検索指令受領手段， 検索指令に単独のファジィ・データが含まれている場合
   および上記データ・ベースにファジィ・データが含まれ
   ている場合の少なくともいずれかにおいて，上記ファジ
   ィ・データ辞書を参照してファジィ・データを表わすメ
   ンバーシップ関数データを得るメンバーシップ関数デー
   タ入手手段， 上記検索指令にしたがって上記データ・ベースを検索
   し，上記メンバーシップ関数データ入手手段によって得
   られたメンバーシップ関数データを用いて，上記データ
   ・ベースから得られたデータについて検索処理を実行
   し，検索指令に含まれるファジィ・データとそのファジ
   ィ・データを表わすメンバーシップ関数データの対につ
   いてはこの対に含まれるメンバーシップ関数データを用
   いて上記データ・ベースから得られたデータについて検
   索処理を実行するファジィ検索手段，ならびに 上記検索指令に含まれるファジィ・データとメンバーシ
   ップ関数データとの対を上記ファジィ・データ辞書に格
   納する登録手段， を備えたファジィ・データ処理装置。
2. 【請求項２】上記登録手段は，上記ファジィ・データと
   メンバーシップ関数データとの対が上記ファジィ・デー
   タ辞書に存在しないことを確認した上で登録する， 請求の範囲第１項に記載のファジィ・データ処理装置。
3. 【請求項３】上記ファジィ検索手段による検索結果を出
   力する手段をさらに備えた，請求の範囲第１項に記載の
   ファジィ・データ処理装置。
4. 【請求項４】（補正後） 検索されるべきデータを格納
   したデータ・ベース， ファジィ・データの識別コードに対応して，そのファジ
   ィ・データを表わすメンバーシップ関数データを格納し
   たファジィ・データ辞書， ファジィ・データとそのファジィ・データを表わすメン
   バーシップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む
   検索指令を受付ける検索指令受領手段， 検索指令に単独のファジィ・データが含まれている場合
   および上記データ・ベースにファジィ・データが含まれ
   ている場合の少なくともいずれかにおいて，上記ファジ
   ィ・データ辞書を参照してファジィ・データを表わすメ
   ンバーシップ関数データを得るメンバーシップ関数デー
   タ入手手段， 上記検索指令にしたがって上記データ・ベースを検索
   し，上記メンバーシップ関数データ入手手段によって得
   られたメンバーシップ関数データを用いて，上記データ
   ・ベースから得られたデータについて検索処理を実行
   し，検索指令に含まれるファジィ・データとそのファジ
   ィ・データを表わすメンバーシップ関数データの対につ
   いてはこの対に含まれるメンバーシップ関数データを用
   いて上記データ・ベースから得られたデータについて検
   索処理を実行するファジィ検索手段， を備えたファジィ・データ処理装置。
5. 【請求項５】上記検索指令に，上記ファジィ・データと
   メンバーシップ関数データとの対の登録指令が含まれて
   いたときに，これらを上記ファジィ・データ辞書に登録
   する登録手段をさらに備えた，請求の範囲第４項に記載
   のファジィ・データ処理装置。
6. 【請求項６】上記登録手段は，上記ファジィ・データと
   メンバーシップ関数データとの対が上記ファジィ・デー
   タ辞書に存在しないことを確認した上で登録する， 請求の範囲第５項に記載のファジィ・データ処理装置。
7. 【請求項７】（補正後） 検索されるべきデータを格納
   したデータ・ベース， ファジィ・データとそのファジィ・データを表わすメン
   バーシップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む
   検索指令を受付ける検索指令受領手段，および 上記検索指令にしたがって上記データ・ベースを検索
   し，上記検索指令に含まれるメンバーシップ関数データ
   を用いて，上記データ・ベースから得られたデータにつ
   いての検索処理を実行するファジィ検索手段， を備えたファジィ・データ処理装置。
8. 【請求項８】（補正後） 検索されるべきデータを格納
   したデータ・ベース， ファジィ・データの識別コードに対応して，そのファジ
   ィ・データを表わすメンバーシップ関数データを格納し
   たファジィ・データ辞書， ファジィ・データとそのファジィ・データを表わすメン
   バーシップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む
   検索指令を受付ける検索指令受領手段， 検索指令に単独のファジィ・データが含まれている場合
   に，上記ファジィ・データ辞書を参照してファジィ・デ
   ータを表わすメンバーシップ関数データを得るメンバー
   シップ関数データ入手手段，ならびに 上記検索指令にしたがって上記データ・ベースを検索
   し，上記メンバーシップ関数データ入手手段によって得
   られたメンバーシップ関数データおよび上記検索指令に
   含まれるメンバーシップ関数データの少なくともいずれ
   か一方を用いて，上記データ・ベースから得られたデー
   タについての検索処理を実行するファジィ検索手段， を備えたファジィ・データ処理装置。
9. 【請求項９】上記検索指令に，上記ファジィ・データと
   メンバーシップ関数データとの対の登録指令が含まれて
   いたときに，これらを上記ファジィ・データ辞書に登録
   する登録手段をさらに備えた，請求の範囲第８項に記載
   のファジィ・データ処理装置。
10. 【請求項１０】上記登録手段は，上記ファジィ・データ
    とメンバーシップ関数データとの対が上記ファジィ・デ
    ータ辞書に存在しないことを確認した上で登録する， 請求の範囲第９項に記載のファジィ・データ処理装置。
11. 【請求項１１】（補正後） 検索されるべきデータを格
    納したデータ・ベース，およびファジィ・データの識別
    コードに対応して，そのファジィ・データを表わすメン
    バーシップ関数データを格納したファジィ・データ辞書
    をあらかじめ用意しておき， ファジィ・データとそのファジィ・データを表わすメン
    バーシップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む
    検索指令を受付け， 検索指令に単独のファジィ・データが含まれている場合
    および上記データ・ベースにファジィ・データが含まれ
    ている場合の少なくともいずれかにおいて，上記ファジ
    ィ・データ辞書を参照してファジィ・データを表わすメ
    ンバーシップ関数データを入手する処理を行ない， 上記検索指令にしたがって上記データ・ベースを検索
    し，上記メンバーシップ関数データ入手処理によって得
    られたメンバーシップ関数データを用いて，上記データ
    ・ベースから得られたデータについて検索処理を実行
    し，検索指令に含まれるファジィ・データとそのファジ
    ィ・データを表わすメンバーシップ関数データの対につ
    いてはこの対に含まれるメンバーシップ関数データを用
    いて上記データ・ベースから得られたデータについて検
    索処理を実行し， 上記検索指令に含まれるファジィ・データとメンバーシ
    ップ関数データとの対を上記ファジィ・データ辞書に格
    納する， ファジィ・データ処理方法。
12. 【請求項１２】上記ファジィ・データとメンバーシップ
    関数データとの対が上記ファジィ・データ辞書に存在し
    ないことを確認した上で登録する， 請求の範囲第11項に記載のファジィ・データ処理方法。
13. 【請求項１３】検索結果を出力する，請求の範囲第11項
    に記載のファジィ・データ処理方法。
14. 【請求項１４】（補正後） 検索されるべきデータを格
    納したデータ・ベース，およびファジィ・データの識別
    コードに対応して，そのファジィ・データを表わすメン
    バーシップ関数データを格納したファジィ・データ辞書
    をあらかじめ用意しておき， ファジィ・データとそのファジィ・データを表わすメン
    バーシップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む
    検索指令を受付け， 検索指令に単独のファジィ・データが含まれている場合
    および上記データ・ベースにファジィ・データが含まれ
    ている場合の少なくともいずれかにおいて，上記ファジ
    ィ・データ辞書を参照してファジィ・データを表わすメ
    ンバーシップ関数データを入手する処理を行ない， 上記検索指令にしたがって上記データ・ベースを検索
    し，上記メンバーシップ関数データ入手処理によって得
    られたメンバーシップ関数データを用いて，上記データ
    ・ベースから得られたデータについて検索処理を実行
    し，検索指令に含まれるファジィ・データとそのファジ
    ィ・データを表わすメンバーシップ関数データの対につ
    いてはこの対に含まれるメンバーシップ関数データを用
    いて上記データ・ベースから得られたデータについて検
    索処理を実行する， ファジィ・データ処理方法。
15. 【請求項１５】上記検索指令に，上記ファジィ・データ
    とメンバーシップ関数データとの対の登録指令が含まれ
    ていたときに，これらを上記ファジィ・データ辞書に登
    録する，請求の範囲第14項に記載のファジィ・データ処
    理方法。
16. 【請求項１６】上記ファジィ・データとメンバーシップ
    関数データとの対が上記ファジィ・データ辞書に存在し
    ないことを確認した上で登録する，請求の範囲第15項に
    記載のファジィ・データ処理方法。
17. 【請求項１７】（補正後） ファジィ・データとそのフ
    ァジィ・データを表わすメンバーシップ関数データとの
    対を含むファジィ命題を含む検索指令を受付け， 上記検索指令にしたがってデータ・ベースを検索し，上
    記検索指令に含まれるメンバーシップ関数データを用い
    て，上記データ・ベースから得られたデータについての
    検索処理を実行する， ファジィ・データ処理方法。
18. 【請求項１８】（補正後） 検索されるべきデータを格
    納したデータ・ベース，およびファジィ・データの識別
    コードに対応して，そのファジィ・データを表わすメン
    バーシップ関数データを格納したファジィ・データ辞書
    をあらかじめ用意しておき， ファジィ・データとそのファジィ・データを表わすメン
    バーシップ関数データとの対を含むファジィ命題を含む
    検索指令を受付け， 検索指令に単独のファジィ・データが含まれている場合
    に，上記ファジィ・データ辞書を参照してファジィ・デ
    ータを表わすメンバーシップ関数データを得， 上記検索指令にしたがって上記データ・ベースを検索
    し，上記メンバーシップ関数データ入手処理によって得
    られたメンバーシップ関数データおよび上記検索指令に
    含まれるメンバーシップ関数データの少なくともいずれ
    か一方を用いて，上記データ・ベースから得られたデー
    タについての検索処理を実行する， ファジィ・データ処理方法。
19. 【請求項１９】上記検索指令に，上記ファジィ・データ
    とメンバーシップ関数データとの対の登録指令が含まれ
    ていたときに，これらを上記ファジィ・データ辞書に登
    録する，請求の範囲第18項に記載のファジィ・データ処
    理方法。
20. 【請求項２０】上記ファジィ・データとメンバーシップ
    関数データとの対が上記ファジィ・データ辞書に存在し
    ないことを確認した上で登録する， 請求の範囲第19項に記載のファジィ・データ処理方法。
21. 【請求項２１】検索指令に少なくとも一つのファジィ命
    題を含ませ， このファジィ命題に，ファジィ・データを含む検索条件
    を含ませるとともに，上記ファジィ・データを表わすメ
    ンバーシップ関数データ，および上記ファジィ・データ
    と上記メンバーシップ関数データとの対をファジィ・デ
    ータ辞書に登録すべきことの指令を含ませ， このようにして作成した上記検索指令をファジィ検索手
    段に与える， 検索指令方法。
22. 【請求項２２】検索指令に少なくとも一つのファジィ命
    題を含ませ， このファジィ命題に，ファジィ・データを含む検索条件
    を含ませるとともに，上記ファジィ・データを表わすメ
    ンバーシップ関数データを含ませ， このようにして作成した上記検索指令をファジィ検索手
    段に与える， 検索指令方法。
23. 【請求項２３】（追加） 上記検索手段は，検索指令に
    含まれるファジィ・データとそのファジィ・データを表
    わすメンバーシップ関数データの対についてはこの対が
    上記ファジィ・データ辞書に存在しないことを確認した
    上で検索処理を実行する，請求の範囲第１項または第４
    項に記載のファジィ・データ処理装置。
24. 【請求項２４】（追加） 上記検索処理は，検索指令に
    含まれるファジィ・データとそのファジィ・データを表
    わすメンバーシップ関数データの対についてはこの対が
    上記ファジィ・データ辞書に存在しないことを確認した
    上で検索処理を実行する，請求の範囲第11項または第14
    項に記載のファジィ・データ処理方法。