JP2763870B2 - 防じんマスク - Google Patents

防じんマスク

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JP2763870B2
JP2763870B2 JP8023321A JP2332196A JP2763870B2 JP 2763870 B2 JP2763870 B2 JP 2763870B2 JP 8023321 A JP8023321 A JP 8023321A JP 2332196 A JP2332196 A JP 2332196A JP 2763870 B2 JP2763870 B2 JP 2763870B2
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彰 大角
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、防じんマスクに
関し、特に原子力発電所等の放射線管理区域で使用する
のに好適な防じんマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】図5に部分分解図で示す周知の防じんマ
スク101は、着用者の口許や鼻孔の周辺を覆う面体1
02と、面体102に着脱可能な使い捨てフィルタユニ
ット103とによって構成されている。面体102は、
面口部材102A、しめひも104、伝声器105、カ
バー部材106で覆われた排気弁(図示せず)を有し、
左右両側にフィルタユニット受け座107を有する。受
け座107は、中央の開口108を介して面口部材10
2A内部に通気可能につながり、円筒状周壁109の内
側に螺条(図示せず)を有する。フィルタユニット10
3は、円盤状であって、端部周壁111が周壁109の
内側に螺合可能である。図示していないが、フィルタユ
ニット103の内部には、同心円状に形成された多数の
プリーツを有する周知のろ紙フィルタが取り付けられて
いる。
【0003】かかるマスク101は、その使用環境に応
じて定められた使用時間等の基準条件に達すると、フィ
ルタユニット103が新品と取り替えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】原子力発電所等の放射
線管理区域では、放射性の塵埃を吸入することがないよ
うに防じんマスクを着用する。前記従来技術の防じんマ
スク101は、そのために使用し得るものの一例である
が、このマスクには次のような問題がある。 (1)防じんマスク101を使用中に、フィルタユニッ
ト103に衝撃や振動が加わると、フィルタユニット1
03の取り付けが緩み、受け座107との間に隙間が生
じてろ過されない外気を吸入する恐れがある。 (2)前記管理区域で使用した防じんマスク101は、
フィルタユニット103を取り外した後に面体102を
洗滌し、残留放射能を測定して放射性塵埃の付着がない
ことを確認したうえで再度使用する。かかる洗滌や測定
は、面体102の形状が単純であるほど容易になる。し
かるに、従来の防じんマスク101の場合には、受け座
107が比較的大きな背面のうちのごく一部で面口部材
102Aに固定され、その背面の残余の部位と面口部材
102Aとの間に間隙107Aが生じる。かかる間隙1
07Aにおいて、面口部材102Aの表面や受け座10
7の背面を洗滌したり測定したりすることには、その間
隙が狭隘であるだけに、少なからず手間がかかる。
【0005】そこで、この発明は、放射線管理区域で使
用可能な高捕集効率の防じんマスクにおいて、取り付け
たフィルタユニットに緩みが生じないようにしたり、面
体の洗滌や測定を容易にしたりすることを課題にしてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記発明を解決するため
に、この発明においては、着用者の少なくとも口許と鼻
孔周辺とを覆うことが可能な面体と、該面体に着脱可能
なフィルタユニットとからなる防じんマスクを前提とし
ている。
【0007】かかる前提において、前記面体が柔軟弾性
材料の面口部材と、前記フィルタユニット取り付けのた
めの第1係合手段とを有する一方、前記フィルタユニッ
トが外気をろ過して取り入れ可能な外気ろ過室と、該ろ
過室から延出し、前記第1係合手段に係脱することが可
能な第2係合手段とを有し、前記第1係合手段が第1環
状部材と第2環状部材とからなり、前記第1環状部材は
その基端部周縁が前記面口部材に固定され、前記第2環
状部材は、前記第1環状部材とほぼ同じ外径を有し、前
記第1環状部材に周り方向に回動可能に外側から摺接す
るとともに、これら第1,2環状部材が前記面口部材の
内外の通気を可能にする管路を形成し、前記第2係合手
段が前記管路に前記面口部材の外側から挿抜され、挿入
されたときに前記管路との間に気密状態を保つことが可
能な管状体と、該管状体の外壁に形成された前記第2環
状部材に対する被係合部とからなり、前記第2環状部材
には、前記第2係合手段の挿入後に該第2環状部材が前
記第1環状部材に対して所要方向に回動すると、前記被
係合部に当接して前記第2係合手段の抜脱を防止するこ
とが可能な係合部が形成されていること、がこの発明の
特徴である。
【0008】
【実施例】添付の図面を参照して、この発明にかかる防
じんマスクの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0009】図1に一部を分解した部分破断斜視図で示
す防じんマスク1は、面体2と、フィルタユニット3と
によって構成され、面体2は、面口部材2Aとフィルタ
ユニット受け座7との他に、図3に示した従来技術の防
じんマスク101と同様なしめひも104、伝声器10
5、カバー部材106で覆われた排気弁(図示せず)を
有する。面口部材2Aは、柔軟な弾性材料を素材にする
もので、着用者の口許と鼻孔の周辺とを覆い、周縁部が
顔面に密着する。受け座7は、硬質プラスチック製の円
筒状のものであって、面口部材2Aの左右両側に形成さ
れた吸気孔15の周縁部に着脱不能に取り付けられてい
る。吸気孔15は、硬質プラスチックで形成されたリブ
構造15Aを有し、該構造15Aの内側には吸気用逆止
弁(図示せず)が取り付けられている。
【0010】フィルタユニット3は、円盤状であって、
その背面側から面口部材2Aに向かって延びる管状部1
6が受け座7の内側に挿抜可能であり、挿入されたとき
には受け座7との間が気密状態となる。かかる挿入の際
に、管状部16の外壁において径方向外側へ延びる複数
の突起17が受け座7の周壁内側に形成された複数条の
軸方向の溝Gに嵌入する。次いで、後記するように、受
け座7の外壁部分をその外側にある隆起部64を持って
矢印P方向に回動すると、フィルタユニット3が受け座
7に対して抜脱不能な状態となる。このユニット3を抜
脱するには、受け座7の外壁部分を矢印Pとは逆の方向
に回動した後、受け座7から抜き取るようにする。
【0011】図2は、図1のII−II線断面図であ
り、併せて受け座7の一部が仮想線で示されている。フ
ィルタユニット3は、図において上下に平行に配置され
ているシート状の前面および背面ろ過材21,22と、
これらろ過材21,22を所要の離間距離に保つための
スペーサー23と、2枚のろ過材21,22をそれぞれ
覆う前面および背面カバー部材24,25とで構成され
ている。
【0012】スペーサー23は、硬質プラスチックの成
形品であって、円筒状の周壁26と、多孔頂部27とを
有し、前面ろ過材21がその頂部27に載置されてい
る。背面ろ過材22は、スペーサー23の下にある。
【0013】前面カバー部材24は、前面部29と、前
面部29内面に放射状に配置されて垂下する複数のリブ
29Aと、周壁部30とを有し、前面部29の中央部に
はカバー部材24の内外に通じる通気孔31がある。
【0014】背面カバー部材25は、背面部32と、背
面部32内面から上方へ延びる複数の突起32Aと、周
壁部33とを有し、背面部32の一側には、カバー部材
25の内外に通じる通気孔35が、かつ、通気孔35と
対向する背面部32の他側には、フィルタユニット3を
面体2に取り付けるための前記管状部16とがある。
【0015】前面と背面のカバー部材24,25は、互
いの周壁部30,33の対向縁に形成された相欠き部が
一体的に接合している。かかる接合状態において、前面
カバー部材24は、前面部29内面の周縁部分とリブ2
9Aとがスペーサー23の周壁26の上縁部26Aと多
孔頂部27とによって前面ろ過材21を位置ずれするこ
とがないように挟圧している。また、背面カバー部材2
5は、背面部32内面の周縁部分とスペーサー23の周
壁26の下縁部26Bとが背面ろ過材22を位置ずれす
ることがないように挟圧し、背面部32の突起32Aと
背面部通気孔35が形成されている凹状部37の頂部と
が背面ろ過材22を垂れ下がることがないように支えて
いる。
【0016】管状部16は、その外径が背面カバー部材
25のそれよりも小さく、背面部32の内外を貫通する
ように背面カバー部材25に一体的に形成されている。
管状部16の内端(図における上端)部41は、背面ろ
過材22をその周縁部近傍に形成された透孔42におい
て貫通し、外端(下端)部43は、背面部32から面口
部材2Aの受け座7に向かって延出している。背面ろ過
材22は、透孔42の周縁部が管状部16の外周に形成
された段差部44に対し、管状部16外周に圧嵌するリ
ング部材45によって押圧され、気密状態で当接してい
る。管状部16は、係止爪17の下にO−リング45を
有する。
【0017】前面および背面ろ過材21,22には繊維
成分として、羊毛フェルトや合成繊維不織布、羊毛・合
繊混紡不織布等の有機繊維が100重量%を占める基材
シートに樹脂加工を施し、この樹脂を帯電させて得られ
る静電フィルタを使用することが好ましく、中でも羊毛
フェルトを使用することが特に好ましい。
【0018】このように構成されたフィルタユニット3
では、前面及び背面ろ過材21,22とスペーサー23
とが、外気に対して密閉され、ろ過材21,22を通し
てのみ外気を取り入れ可能な外気ろ過室50を形成し、
管状部16を介して外気ろ過室50が面口部材2Aに通
気可能に連結する。フィルタユニット3が取り付けられ
た防じんマスク1を着用すると、吸気がユニット3の前
面からは矢印C方向に、背面からは矢印D方向に流れて
ろ過室50に入り、さらに矢印E方向に流れて着用者の
口許や鼻孔に到達する。
【0019】図3は、フィルタユニット3の一部と、面
口部材2Aに取り付けられた受け座7との斜視図である
が、吸気孔15のフィルタ構造15A(図1参照)の図
示が省略してある。フィルタユニット3の管状部16外
壁には4個の突起17が周方向に等間隔で形成され、突
起17の上面51の一部51Aが図において右下りのテ
ーパを有する。
【0020】受け座7は、円筒状であって、面口部材2
Aに基端部周縁が固定された環状部材55と、部材55
とほぼ同じ外径を有し、かつ、部材55に外側から摺接
し、その周り方向に回動可能な可動環状部材56とによ
って構成され、これら両部材55,56が面口部材2A
の内外を通気可能にする管路54を形成している。
【0021】固定環状部材55は、その上端部57の内
壁をを切り欠くことによって形成され、周り方向に等間
隔で配設された4つの凹部58と、上方へ延び、周り方
向に等間隔で配設された4つの係止爪60とを有する。
【0022】可動環状部材56は、周壁61と頂部62
とを有し、周壁61の外周に複数の操作用隆起部64が
形成され、頂部62の内壁に周り方向に等間隔で配設さ
れた4つの凹欠部59と、頂部62を上下方向に貫通
し、周り方向に延びる4つの貫通孔65とを有する。貫
通孔65には、周り方向に延びる段差部66が形成され
ている。
【0023】図のように摺接する両環状部材55,56
では、それぞれの凹欠部58,59が整列し、管路54
の軸方向に延びる溝Gを形成し、係止爪60が環状部材
56の段差部66に上方から摺動可能に当接して、部材
56が部材55から抜脱するのを防止している。可動環
状部材56は、隆起部64に指を当てれば矢印P方向へ
回動し、係止爪60の側端が貫通孔65の端壁69に当
接してその回動が止まる。そのように回動した可動環状
部材56の凹欠部59は、仮想線で示す位置に移動し、
部材55の凹欠部58は、その上方が可動環状部材56
の頂部62によって塞がれた状態になる。なお、後記す
るように、フィルタユニット3の突起17は矢印の方向
から溝Gに嵌入する。
【0024】図4は、図3のIV−IV線拡大矢視図で
あって、フィルタユニット3が取り付けられる前の状態
を(A)で示し、取り付けられた後の状態を(B)で示
す。フィルタユニット3の管状部16の外径は、固定お
よび可動環状部材55,56に挿抜可能な寸法に形成さ
れ、挿入されたときには、それぞれの突起17が矢印Q
方向から溝Gに嵌入し、管状部16は、O−リング45
が固定環状部材55の内周面テーパ部71に当接して止
まり、図4(A)に仮想線で示した状態となる。次に、
可動環状部材56がP方向(図3参照)に回動すると、
その頂部62が凹欠部58を塞ぎ、図4(B)の状態と
なる。頂部62は、その下面が突起17のテーパつき上
面51A(図3参照)を通過して上面51に当接し、フ
ィルタユニット3が受け座7に対して抜脱不能な状態に
あり、頂部62の上面は、殆ど隙間のない状態でフィル
タユニット3の背面32に接している。頂部62は、突
起17を下方に押圧し、O−リング45が固定環状部材
55内周面のテーパ部71に密着しているから、フィル
タユニット3と受け座7との間が気密状態となる。フィ
ルタユニット3を抜脱するには、可動環状部材56を矢
印Pと逆の方向へ回動する。
【0025】可動環状部材56は、回動するときの抵抗
を適度に強くして、不用意に動くことがないようにする
ことができる。そうすることによって、フィルタユニッ
ト3の取り付けが一層確実になる。
【0026】
【発明の効果】このように構成された防じんマスクで
は、可動環状部材を操作しない限り、取り付けられたフ
ィルタユニットが緩んだり、外れたりすることがない。
従って、フィルタユニットに衝撃や振動が加えられた場
合でも、空気漏れの恐れがない。また、フィルタユニッ
トを外した後の面体に残るのは円筒状の受け座であるか
ら、従来技術のように面口部材と受け座とで洗滌や測定
を困難にする隙間をつくることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部を分解した防じんマスクの部分破断斜視
図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】フィルタユニットの一部と受け座の斜視図。
【図4】図3のIV−IV線断面図であって(A)はフ
ィルタユニット嵌合前の状態、(B)はフィルタユニッ
ト嵌合後の状態を示す。
【図5】従来技術の防じんマスクの、図1と同様な図
面。
【符号の説明】
1 防じんマスク 2 面体 2A 面口部 3 フィルタユニット 7 第1係合手段(受け座) 16 第2係合手段(管状部) 17 突起 21,22 ろ過材 50 ろ過室 54 管路 55 第1環状部材(固定環状部材) 56 第2環状部材(可動環状部材) 58 溝部(凹欠部) 59 溝部(凹欠部) 62 頂部 G 溝部
フロントページの続き (72)発明者 大角 彰 東京都千代田区四番町7番地 興研株式 会社内 (72)発明者 平尾 泰広 東京都千代田区四番町7番地 興研株式 会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A62B 18/02 A62B 23/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着用者の少なくとも口許と鼻孔周辺とを覆
    うことが可能な面体と、該面体に着脱可能なフィルタユ
    ニットとからなる防じんマスクであって、 前記面体が柔軟弾性材料の面口部材と、前記フィルタユ
    ニット取り付けのための第1係合手段とを有する一方、
    前記フィルタユニットが外気をろ過して取り入れ可能な
    外気ろ過室と、該ろ過室から延出し、前記第1係合手段
    に係脱することが可能な第2係合手段とを有し、 前記第1係合手段が第1環状部材と第2環状部材とから
    なり、前記第1環状部材はその基端部周縁が前記面口部
    材に固定され、前記第2環状部材は、前記第1環状部材
    とほぼ同じ外径を有し、前記第1環状部材に周り方向に
    回動可能に外側から摺接するとともに、これら第1,2
    環状部材が前記面口部材の内外の通気を可能にする管路
    を形成し、 前記第2係合手段が前記管路に前記面口部材の外側から
    挿抜され、挿入されたときに前記管路との間に気密状態
    を保つことが可能な管状体と、該管状体の外壁に形成さ
    れた前記第2環状部材に対する被係合部とからなり、 前記第2環状部材には、前記第2係合手段の挿入後に該
    第2環状部材が前記第1環状部材に対して所要方向に回
    動すると、前記被係合部に当接して前記第2係合手段の
    抜脱を防止することが可能な係合部が形成されているこ
    とを特徴とする前記マスク。
  2. 【請求項2】前記第1,2環状部材は、互いに重なり合
    うそれぞれの頂部の内壁に、前記第2環状部材が所要の
    回動位置にあるときに互いに整列して前記管路の軸方向
    に延びる複数条の溝部を形成し、前記第2係合手段の被
    係合部が前記管状体の外壁周り方向に間欠的に配設され
    た突起であって、前記管状体が前記管路に挿入される
    と、該突起が前記溝部に嵌入し、次いで前記第2環状部
    材が前記所要方向に回動すると、該部材の頂部が前記係
    合部として前記被係合部に当接し、前記第2係合手段の
    抜脱を防止可能な請求項1記載のマスク。
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