JP2760856B2 - マッハツェンダ型光変調器を用いた位相シフトキーイング方式 - Google Patents
マッハツェンダ型光変調器を用いた位相シフトキーイング方式Info
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Description
【発明の詳細な説明】 目次 概要 産業上の利用分野 従来の技術 (第13図、第14図) 発明が解決しようとする課題 (第15図) 課題を解決するための手段及び作業(第1図〜第4図) 実施例 (第5図〜第12図) 発明の効果 概要 コヒーレント光通信方式に適用される位相シフトキー
イング方式に関し、 位相不完全変調成分の抑圧を目的とし、 入力側光導波構造と、該入力側光導波構造から分岐し
た印加電界に応じて導波光に位相変化を与える一対の移
相用光導波構造と、該移相用光導波構造が合流する出力
側光導波構造と、上記移相用光導波構造に装架された駆
動電極とを備えたマッハツェンダ型光変調器を備え、該
マッハツェンダ型光変調器の光出力レベルが略極小とな
るように上記駆動電極について非変調時にオフセット電
圧を設定し、該オフセット電圧に加える駆動電圧の極性
を変調信号に応じて変化させることにより光出力の位相
にπの変化を与えるようにして構成する。
イング方式に関し、 位相不完全変調成分の抑圧を目的とし、 入力側光導波構造と、該入力側光導波構造から分岐し
た印加電界に応じて導波光に位相変化を与える一対の移
相用光導波構造と、該移相用光導波構造が合流する出力
側光導波構造と、上記移相用光導波構造に装架された駆
動電極とを備えたマッハツェンダ型光変調器を備え、該
マッハツェンダ型光変調器の光出力レベルが略極小とな
るように上記駆動電極について非変調時にオフセット電
圧を設定し、該オフセット電圧に加える駆動電圧の極性
を変調信号に応じて変化させることにより光出力の位相
にπの変化を与えるようにして構成する。
産業上の利用分野 本発明はコヒーレント光通信方式に適用される位相シ
フトキーイング方式に関する。
フトキーイング方式に関する。
光通信の分野においては、強度変調された光を直接受
光素子により受光して電気信号に変換する強度変調/直
接検波方式(IM/DD方式)が一般的である。これに対
し、近年、通信容量の増大、伝送距離の長大化等の要請
から、コヒーレント光通信方式の研究が活発化してい
る。コヒーレント光通信方式では、特にスペクトル純度
の高いレーザ光源からの光を送信用の搬送光として用い
てその周波数、位相等を変調し、受信側で受信光と局発
光とを混合して例えばヘテロダイン検波を行うようにし
ているので、IM/DD方式と比較して、受信感度が大幅に
向上する。デジタル信号についての変調方式のうちで最
も受信感度が高いものとして、位相シフトキーイング方
式(PSK方式)があり、送信光のスペクトル線幅等に対
しての基本的な改良が検討されている。
光素子により受光して電気信号に変換する強度変調/直
接検波方式(IM/DD方式)が一般的である。これに対
し、近年、通信容量の増大、伝送距離の長大化等の要請
から、コヒーレント光通信方式の研究が活発化してい
る。コヒーレント光通信方式では、特にスペクトル純度
の高いレーザ光源からの光を送信用の搬送光として用い
てその周波数、位相等を変調し、受信側で受信光と局発
光とを混合して例えばヘテロダイン検波を行うようにし
ているので、IM/DD方式と比較して、受信感度が大幅に
向上する。デジタル信号についての変調方式のうちで最
も受信感度が高いものとして、位相シフトキーイング方
式(PSK方式)があり、送信光のスペクトル線幅等に対
しての基本的な改良が検討されている。
従来の技術 第13図に従来のPSK方式において一般に使用される位
相変調器の基本構成を示す。この位相変調器は、Zカッ
トx伝播LiNbO3等からなる電気光学結晶102に、z方向
に電界を印加するために電極104,106を設け、これら電
極104,106に駆動電源108を接続して構成されている。
相変調器の基本構成を示す。この位相変調器は、Zカッ
トx伝播LiNbO3等からなる電気光学結晶102に、z方向
に電界を印加するために電極104,106を設け、これら電
極104,106に駆動電源108を接続して構成されている。
Zカットx伝播LiNbO3にEicos(ωt)なる直線偏光
の平面波が入射したとき、結晶中の任意の点における光
波の電界は、 E(t,x)=Eicos(ωt−φ) …(1) で表される。ここで、φはz方向に電圧V0が印加された
結晶中を伝播する光波がうける位相シフトである。結晶
の厚みをdとすると、常光線(TE光)及び異常光線(TM
光)に対する位相変化はそれぞれ次式で与えられる。
の平面波が入射したとき、結晶中の任意の点における光
波の電界は、 E(t,x)=Eicos(ωt−φ) …(1) で表される。ここで、φはz方向に電圧V0が印加された
結晶中を伝播する光波がうける位相シフトである。結晶
の厚みをdとすると、常光線(TE光)及び異常光線(TM
光)に対する位相変化はそれぞれ次式で与えられる。
常光線(TE光):φy=k0nyx=k0x(n0-n0 3r13V0/2d) …(2) 異常光線(TM光):φz=k0nzx=k0x(ne-ne 3r33V0/2d) …(3) ここにk0はz方向の波数、ni(i=x,y,z)は各方向の
屈折率、n0,neは常光線及び異常光線に対する屈折率を
表す。また、r13,r33は電気光学定数のテンソル成分を
表す。
屈折率、n0,neは常光線及び異常光線に対する屈折率を
表す。また、r13,r33は電気光学定数のテンソル成分を
表す。
また、入射光線がz方向に偏光しており、信号周波数
ωmの変調電圧V0=Vmsin(ωmt)が印加されたとする
と、x=lの出力端における光波が電界は次のようにな
る。
ωmの変調電圧V0=Vmsin(ωmt)が印加されたとする
と、x=lの出力端における光波が電界は次のようにな
る。
Ez(t,l)=Eicos(ωt−φ0Z+δzsinωmt)…(4) ここに、φ0zは一定の位相シフト量でφ0Z=k0nelであ
る。また、δzsinωmtは印加された変調電圧による光波
の位相シフトで、 δz=(π/λ)ne 3r33(l/d)Vm …(5) である。δzは位相変調指数と呼ばれる。従って、デジ
タル信号の「0」、「1」に対して例えばδzsinωmtが
0,πとなるように変調駆動することによって、PSK方式
が実現される。
る。また、δzsinωmtは印加された変調電圧による光波
の位相シフトで、 δz=(π/λ)ne 3r33(l/d)Vm …(5) である。δzは位相変調指数と呼ばれる。従って、デジ
タル信号の「0」、「1」に対して例えばδzsinωmtが
0,πとなるように変調駆動することによって、PSK方式
が実現される。
ところで、周波数が数十THzに達する光波の広帯域性
を有効に利用して高周波変調を行う場合、光波と変調マ
イクロ波との位相速度のずれが生じるため、変調効率が
低下する。これを避けるために、光波のマイクロ波の伝
播方向を一致させ、できるだけ両者の速度整合をとるよ
うにした進行波型位相変調器が提案されている。
を有効に利用して高周波変調を行う場合、光波と変調マ
イクロ波との位相速度のずれが生じるため、変調効率が
低下する。これを避けるために、光波のマイクロ波の伝
播方向を一致させ、できるだけ両者の速度整合をとるよ
うにした進行波型位相変調器が提案されている。
第14図に進行波型位相変調器の構成を示す。110は導
波路基板、112は導波路基板110を構成しているLiNbO3に
Tiを拡散させる等により形成した導波路、114は導波路1
12に進行波による電界を印加するために導波路基板110
の表面上に形成された進行波型の電極、116は電極114の
光伝播方向上流側に接続された駆動電源、118は電極114
の光伝播方向下流側に接続された終端抵抗、120は導波
路112の入力側に接続された偏波面保存型の光ファイ
バ、122は導波路112の出力側に接続された光ファイバで
ある。この構成によれば、光波と変調マイクロ波の伝播
方向を一致させ、これらの速度を整合させるようにして
いるので、速度整合の満足の度合いに応じて高周波変調
が可能になる。
波路基板、112は導波路基板110を構成しているLiNbO3に
Tiを拡散させる等により形成した導波路、114は導波路1
12に進行波による電界を印加するために導波路基板110
の表面上に形成された進行波型の電極、116は電極114の
光伝播方向上流側に接続された駆動電源、118は電極114
の光伝播方向下流側に接続された終端抵抗、120は導波
路112の入力側に接続された偏波面保存型の光ファイ
バ、122は導波路112の出力側に接続された光ファイバで
ある。この構成によれば、光波と変調マイクロ波の伝播
方向を一致させ、これらの速度を整合させるようにして
いるので、速度整合の満足の度合いに応じて高周波変調
が可能になる。
発明が解決しようとする課題 第13図又は第14図に示した位相変調器における印加電
圧、位相シフト及び光出力の波形図を第15図に示す。位
相シフトは電圧印加がないときを基準(0)とし、電圧
印加があるときにπとなるようにされている。この場
合、印加電圧の立ち上がり時間τ1及び立ち下がり時間
τ2は有限であり、また、光出力Pは一定であるから、
立ち上がり及び立ち下がり時に位相不完全変調成分が生
じることになる。位相不完全変調成分が生じると、光出
力のスペクトル拡がりが大きくなり、受信感度の劣化を
生じたり、光周波数分割多重伝送を行う場合に、光周波
数多重に必要な帯域が広くなるかあるいは多重数が少な
くなる。
圧、位相シフト及び光出力の波形図を第15図に示す。位
相シフトは電圧印加がないときを基準(0)とし、電圧
印加があるときにπとなるようにされている。この場
合、印加電圧の立ち上がり時間τ1及び立ち下がり時間
τ2は有限であり、また、光出力Pは一定であるから、
立ち上がり及び立ち下がり時に位相不完全変調成分が生
じることになる。位相不完全変調成分が生じると、光出
力のスペクトル拡がりが大きくなり、受信感度の劣化を
生じたり、光周波数分割多重伝送を行う場合に、光周波
数多重に必要な帯域が広くなるかあるいは多重数が少な
くなる。
本発明はこのような技術的課題に鑑みて創作されたも
ので、PSK方式において位相不完全変調成分を抑制する
ことを目的としている。
ので、PSK方式において位相不完全変調成分を抑制する
ことを目的としている。
課題を解決するための手段及び作用 第1図に発明の実施に使用するマッハツェンダ型光変
調器を示す。
調器を示す。
このマッハツェンダ型光変調器10は、入力側光導波構
造2と、入力側光導波構造2から分岐した印加電界に応
じて導波光に位相変化を与える一対の移相用光導波構造
4と、移相用光導波構造4が合流する出力側光導波構造
6と、移相用光導波構造に装架された駆動電極8とを備
えている。駆動電極8に対向させて図示しない接地電極
を設けても良いし、また、第14図に示すように進行波型
としても良い。
造2と、入力側光導波構造2から分岐した印加電界に応
じて導波光に位相変化を与える一対の移相用光導波構造
4と、移相用光導波構造4が合流する出力側光導波構造
6と、移相用光導波構造に装架された駆動電極8とを備
えている。駆動電極8に対向させて図示しない接地電極
を設けても良いし、また、第14図に示すように進行波型
としても良い。
この種のマッハツェンダ型光変調器は、通常、強度変
調器として使用されているが、移相用光導波構造に適当
な電位差を与えて各移相用光導波構造に逆の変調電界を
印加し、各移相用光導波構造を通過する光の位相を、そ
れぞれ位相面上を逆方向に回転させることにより、0
相、π相のいずれにおいても等しい光出力がを生じさせ
ることができる。以下、強度変調器の動作原理を説明し
た後、その応用としての本発明の位相シフトキーイング
方式を説明する。
調器として使用されているが、移相用光導波構造に適当
な電位差を与えて各移相用光導波構造に逆の変調電界を
印加し、各移相用光導波構造を通過する光の位相を、そ
れぞれ位相面上を逆方向に回転させることにより、0
相、π相のいずれにおいても等しい光出力がを生じさせ
ることができる。以下、強度変調器の動作原理を説明し
た後、その応用としての本発明の位相シフトキーイング
方式を説明する。
いま、入力側光導波構造2に入力する光P0が移相用光
導波構造4への分岐部分で二等分され、一方の移相用光
導波構造4(以下「第1アーム」と言う。)を伝播する
導波光P1が外部印加電圧によってΔφの位相変化を受け
るとすると、他方の移相用光導波構造4(以下「第2ア
ーム」と言う。)を伝播する導波光P2が外部印加電圧に
よって−Δφの位相変化を受ける。この2つの導波光を
出力側光導波構造6において合波・干渉させると、両者
の位相差2Δφに対応して光出力強度が変化する。従っ
て、例えばZカットLiNbO3を用いてTMモードを励起する
と、第1及び第2アームで導波光は互いに逆方向の位相
変化を受けるので、即ち、プッシュプル動作が可能にな
るので、当該モードについて効率良く光変調を行うこと
ができる。
導波構造4への分岐部分で二等分され、一方の移相用光
導波構造4(以下「第1アーム」と言う。)を伝播する
導波光P1が外部印加電圧によってΔφの位相変化を受け
るとすると、他方の移相用光導波構造4(以下「第2ア
ーム」と言う。)を伝播する導波光P2が外部印加電圧に
よって−Δφの位相変化を受ける。この2つの導波光を
出力側光導波構造6において合波・干渉させると、両者
の位相差2Δφに対応して光出力強度が変化する。従っ
て、例えばZカットLiNbO3を用いてTMモードを励起する
と、第1及び第2アームで導波光は互いに逆方向の位相
変化を受けるので、即ち、プッシュプル動作が可能にな
るので、当該モードについて効率良く光変調を行うこと
ができる。
例えば、電極長l、電極間隔dのとき、位相差2Δφ
は、 2Δφ=π(V/V180),V180=λd/(2Γne 3r33l)で
与えられる。ここにV180は半波長電圧であり、Γは印加
電界低減係数である。いま入力パワーP0が分岐点で分割
され、第1アームと第2アームをそれぞれ複素電界振幅
E1,E2をもつ導波光が伝播し、出力側の合流点で合波・
干渉するものとする。簡単のため分岐点及び合流点にお
ける散乱損失を無視すると、 |E1|2+|E2|2=1 …(6) あり、入力側でのパワー分岐比rPが、 rP=(|E1|/|E2|)2 …(7) であるとすると、位相差2Δφに対して、出力Pは、 となる、上式を図示すると第2のようになり、消光比Er
は、 で与えられる。パワー分岐比rP=1のとき無限大の消光
比となる。
は、 2Δφ=π(V/V180),V180=λd/(2Γne 3r33l)で
与えられる。ここにV180は半波長電圧であり、Γは印加
電界低減係数である。いま入力パワーP0が分岐点で分割
され、第1アームと第2アームをそれぞれ複素電界振幅
E1,E2をもつ導波光が伝播し、出力側の合流点で合波・
干渉するものとする。簡単のため分岐点及び合流点にお
ける散乱損失を無視すると、 |E1|2+|E2|2=1 …(6) あり、入力側でのパワー分岐比rPが、 rP=(|E1|/|E2|)2 …(7) であるとすると、位相差2Δφに対して、出力Pは、 となる、上式を図示すると第2のようになり、消光比Er
は、 で与えられる。パワー分岐比rP=1のとき無限大の消光
比となる。
マッハツェンダ型光変調器を強度変調器として用いる
場合には、第2図において、駆動電圧を横軸の0と+1
の間或いは−1と0の間で変化させて光のオン・オフ信
号をつくるようにするが、本発明の位相シフトキーイン
グ方式では、第2図において例えば横軸の+1の点が中
心となるように非変調時にオフセット電圧を設定して、
その点を中心に例えば0と+2の間で電圧変動させるこ
とにより、(0,π)のデジタル位相変調信号をつくるよ
うにしている。即ち、マッハツェンダ型光変調器10の光
出力レベルの略極小値を与える電圧VOFFに、駆動電極8
についての非変調時のオフセット電圧を設定し、このオ
フセット電圧に加える駆動電圧VDの極性を変調信号に応
じて変化させることによって、光出力の位相にπの変化
を与えるものである。こうすることにより、0相からπ
相、或いはπ相から0相へ位相が変化する際に必ず光出
力が0となる点(第2図に示すグラフにおける横軸の+
1に相当)を通過することになり、パルスの立ち上が
り、立ち下がり時における位相変調の不完全成分を抑圧
することができ、その結果、光出力のスペクトル拡がり
が小さくなる。この原理を第3図及び第4図により説明
する。
場合には、第2図において、駆動電圧を横軸の0と+1
の間或いは−1と0の間で変化させて光のオン・オフ信
号をつくるようにするが、本発明の位相シフトキーイン
グ方式では、第2図において例えば横軸の+1の点が中
心となるように非変調時にオフセット電圧を設定して、
その点を中心に例えば0と+2の間で電圧変動させるこ
とにより、(0,π)のデジタル位相変調信号をつくるよ
うにしている。即ち、マッハツェンダ型光変調器10の光
出力レベルの略極小値を与える電圧VOFFに、駆動電極8
についての非変調時のオフセット電圧を設定し、このオ
フセット電圧に加える駆動電圧VDの極性を変調信号に応
じて変化させることによって、光出力の位相にπの変化
を与えるものである。こうすることにより、0相からπ
相、或いはπ相から0相へ位相が変化する際に必ず光出
力が0となる点(第2図に示すグラフにおける横軸の+
1に相当)を通過することになり、パルスの立ち上が
り、立ち下がり時における位相変調の不完全成分を抑圧
することができ、その結果、光出力のスペクトル拡がり
が小さくなる。この原理を第3図及び第4図により説明
する。
第3図は駆動電圧、位相シフト及び光出力の波形図、
第4図は第3図における時刻t1,t2,t3における合流点
近傍の電界振幅と光伝播方向の距離との関係を模式的に
示す図である。時刻t1は第2図に示すグラフの横軸が+
2となる時刻に相当し、時刻t2は同横軸が+1となる時
刻に相当し、時刻t3は同横軸が0となる時刻に相当して
いる。この説明の例では、オフセット電圧に駆動電圧が
加わっているときに光出力が極大となるように設定して
いるので、最大のS/N比を得ることができる。時刻t1に
おいては、第1アームを伝播してきた光(第4図中実線
で示される)の位相と第2アームを伝播してきた光(第
4図中破線で示される。)の位相は、合波される際に一
致している。時刻t2においては、第1及び第2アームを
伝播してきた光が合波する際にそれぞれ異なる方向にπ
/2の位相変化を受けているので、これらは相殺し合って
光出力が0となる。時刻t1,t2の状態を変調信号に応じ
て切り換えるようにしたのが強度変調である。
第4図は第3図における時刻t1,t2,t3における合流点
近傍の電界振幅と光伝播方向の距離との関係を模式的に
示す図である。時刻t1は第2図に示すグラフの横軸が+
2となる時刻に相当し、時刻t2は同横軸が+1となる時
刻に相当し、時刻t3は同横軸が0となる時刻に相当して
いる。この説明の例では、オフセット電圧に駆動電圧が
加わっているときに光出力が極大となるように設定して
いるので、最大のS/N比を得ることができる。時刻t1に
おいては、第1アームを伝播してきた光(第4図中実線
で示される)の位相と第2アームを伝播してきた光(第
4図中破線で示される。)の位相は、合波される際に一
致している。時刻t2においては、第1及び第2アームを
伝播してきた光が合波する際にそれぞれ異なる方向にπ
/2の位相変化を受けているので、これらは相殺し合って
光出力が0となる。時刻t1,t2の状態を変調信号に応じ
て切り換えるようにしたのが強度変調である。
本発明では、時刻t3において、第1及び第2アームを
伝播してきた光が合波に際してそれぞれ逆方向にπの位
相変化を受け、合波光の位相が時刻t1における合波光の
位相に対してπシフトしている点に着目して位相シフト
キーイングを行う。この場合、駆動電圧がVDから−VDに
立ち下がるとき或いはこれと逆に立ち上がるときには、
位相シフトに対応して必ず光出力が0となる点を通過す
るので、位相不完全変調成分が抑圧される。
伝播してきた光が合波に際してそれぞれ逆方向にπの位
相変化を受け、合波光の位相が時刻t1における合波光の
位相に対してπシフトしている点に着目して位相シフト
キーイングを行う。この場合、駆動電圧がVDから−VDに
立ち下がるとき或いはこれと逆に立ち上がるときには、
位相シフトに対応して必ず光出力が0となる点を通過す
るので、位相不完全変調成分が抑圧される。
また、第13図〜第15図により説明した従来の位相シフ
トキーイング方式においては、位相変調器への印加電圧
の変化に対応して位相が0からπまで連続的に変化して
いたが、本発明方式によれば、流動合成の原理から時刻
t1〜t2の間の位相は一定であり、また、時刻t2〜t3の間
の位相は一定であり、従って、光出力が0となる時刻t2
において位相が第3図に示すように不連続に変化するこ
とになり、よって、位相不完全変調成分は生じない。
トキーイング方式においては、位相変調器への印加電圧
の変化に対応して位相が0からπまで連続的に変化して
いたが、本発明方式によれば、流動合成の原理から時刻
t1〜t2の間の位相は一定であり、また、時刻t2〜t3の間
の位相は一定であり、従って、光出力が0となる時刻t2
において位相が第3図に示すように不連続に変化するこ
とになり、よって、位相不完全変調成分は生じない。
この説明の例では光出力が極小となるように設定され
たオフセット電圧に対して光出力が極大となるように絶
対値が等しく極性が異なる駆動電圧を加えるようにして
いるが、S/N比の若干の低下を許容すれば、この駆動電
圧は必ずしも光出力が極大となるように設定される必要
はない。なぜならば、任意の駆動電圧(絶対値が同一で
あり極性が異なるもの)を用いて位相シフトキーイング
を行ったときに位相シフト量が必ずπとなり、しかも、
0相の光とπ相の光とが同一強度となるからである。
たオフセット電圧に対して光出力が極大となるように絶
対値が等しく極性が異なる駆動電圧を加えるようにして
いるが、S/N比の若干の低下を許容すれば、この駆動電
圧は必ずしも光出力が極大となるように設定される必要
はない。なぜならば、任意の駆動電圧(絶対値が同一で
あり極性が異なるもの)を用いて位相シフトキーイング
を行ったときに位相シフト量が必ずπとなり、しかも、
0相の光とπ相の光とが同一強度となるからである。
このように本発明方式は、アナログ位相変調方式にお
いて0相とπ相間の連続的な位相変化が重要であるのに
対して、上記連続的な位相変化が全く必要とされずむし
ろ有害に作用するという方式上の特質を積極的に利用し
て、位相不完全変調成分の排除を図ったものである。
いて0相とπ相間の連続的な位相変化が重要であるのに
対して、上記連続的な位相変化が全く必要とされずむし
ろ有害に作用するという方式上の特質を積極的に利用し
て、位相不完全変調成分の排除を図ったものである。
また本発明方式においてはマッハツェンダ型光変調器
を用いているので、これを進行波型としたときに、第14
図に示した進行波型位相変調器を用いた場合と比較し
て、同一駆動電源に対して電極長さを半分にすることが
でき、変調帯域が拡大される。その結果、より高速なシ
ステムへの適用が可能になる。
を用いているので、これを進行波型としたときに、第14
図に示した進行波型位相変調器を用いた場合と比較し
て、同一駆動電源に対して電極長さを半分にすることが
でき、変調帯域が拡大される。その結果、より高速なシ
ステムへの適用が可能になる。
実施例 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第5図は本の実施例を示すDPSK方式(差動位相シフト
キーイング方式)によりコヒーレント光伝送システムの
ブロック図である。
キーイング方式)によりコヒーレント光伝送システムの
ブロック図である。
まず、送信側において、ファイバ外部共振器付のDFB-
LDモジュール(分布帰還型半導体レーザモジュール)等
からなる光源12からの光は、マッハツェンダ型光変調器
10によりDPSK変調されて光伝送路20に送り出される。14
はマッハツェンダ型光変調器10のオフセット電圧を設定
するオフセット回路、16はオフセット電圧に加える駆動
電圧の大きさを調整しその極性をプリコーダ18からの変
調信号に基づいて変化させる駆動回路である。プリコー
ダ18を用いて差動符号化しているのは、受信側で1ビッ
ト遅延検波による復調を行うためである。
LDモジュール(分布帰還型半導体レーザモジュール)等
からなる光源12からの光は、マッハツェンダ型光変調器
10によりDPSK変調されて光伝送路20に送り出される。14
はマッハツェンダ型光変調器10のオフセット電圧を設定
するオフセット回路、16はオフセット電圧に加える駆動
電圧の大きさを調整しその極性をプリコーダ18からの変
調信号に基づいて変化させる駆動回路である。プリコー
ダ18を用いて差動符号化しているのは、受信側で1ビッ
ト遅延検波による復調を行うためである。
光伝送路20を介して受信側に伝送された光は、光カプ
ラ等からなる光結合器22において、送信光源12に準じて
構成される局発光源24からの局発光(局部発振光)と合
波され、この合波光は光検波器26に入力される。光検波
器26は、PINフォトダイオードを二重平衡型に直列接続
し、その接続点からの強度雑音成分が排除された信号成
分をHEMT増幅器で増幅するように構成されている。
ラ等からなる光結合器22において、送信光源12に準じて
構成される局発光源24からの局発光(局部発振光)と合
波され、この合波光は光検波器26に入力される。光検波
器26は、PINフォトダイオードを二重平衡型に直列接続
し、その接続点からの強度雑音成分が排除された信号成
分をHEMT増幅器で増幅するように構成されている。
受信光と局発光の合波光が光検波器26に入力される
と、例えばその自乗検波特性によって、位相変移に伝送
情報を含んだ中間周波数信号が生じる。従って、この中
間周波信号を増幅器28、帯域通過フィルタ30及び増幅器
32に通した後復調を行うことができる。この復調は、増
幅器32からの信号と該信号を遅延回路34により1ビット
に相当する時間T(1タイムスロット、即ちビットレー
トの逆数)だけ遅延させた信号とをミキサ36にて混合す
ることにより行うことができる。ミキサ36からの信号
は、低域通過フィルタ38を通した後識別器40により識別
される。帯域通過フィルタ30を通過した中間周波信号
は、復調に供される一方、増幅器42で増幅された後周波
数ダブラによりキャリア信号を再生され、このキャリア
信号の周波数が一定となるようにAFC回路46により局発
光源24の駆動条件がフィードバック制御される。
と、例えばその自乗検波特性によって、位相変移に伝送
情報を含んだ中間周波数信号が生じる。従って、この中
間周波信号を増幅器28、帯域通過フィルタ30及び増幅器
32に通した後復調を行うことができる。この復調は、増
幅器32からの信号と該信号を遅延回路34により1ビット
に相当する時間T(1タイムスロット、即ちビットレー
トの逆数)だけ遅延させた信号とをミキサ36にて混合す
ることにより行うことができる。ミキサ36からの信号
は、低域通過フィルタ38を通した後識別器40により識別
される。帯域通過フィルタ30を通過した中間周波信号
は、復調に供される一方、増幅器42で増幅された後周波
数ダブラによりキャリア信号を再生され、このキャリア
信号の周波数が一定となるようにAFC回路46により局発
光源24の駆動条件がフィードバック制御される。
実施例で用いたマッハツェンダ型光変調器10はTi:LiN
bO3型のものであり、半波長電圧は10.2(V)、カット
オフ周波数は約7GHzである。そしてその駆動は1.2Gb/s
の差動符号されたNRZ(215−1)信号による。
bO3型のものであり、半波長電圧は10.2(V)、カット
オフ周波数は約7GHzである。そしてその駆動は1.2Gb/s
の差動符号されたNRZ(215−1)信号による。
マッハツェンダ型光変調器10の印加電圧に対する光出
力の変化の様子を第6図に示す。最大消光比は33.3dB、
単一モードファイバ間への挿入損失は1.9dBであった。
そして、印加電圧0(V)の近傍において光出力レベル
の極小値を与える印加電圧VOFFは−2.3(V)であった
ので、この電圧にオフセット電圧を設定している。オフ
セット電圧に加える駆動電圧は半波長電圧の1/2である5
/1(V)とした。
力の変化の様子を第6図に示す。最大消光比は33.3dB、
単一モードファイバ間への挿入損失は1.9dBであった。
そして、印加電圧0(V)の近傍において光出力レベル
の極小値を与える印加電圧VOFFは−2.3(V)であった
ので、この電圧にオフセット電圧を設定している。オフ
セット電圧に加える駆動電圧は半波長電圧の1/2である5
/1(V)とした。
第7図に上記実施例において測定した符号誤り率特性
を示す。符号誤り率10-9における最小受信感度は−40.8
dBmであり、ショット雑音限界に対して14.3dBの差が認
められた。本実施例における符号誤り率特性は進行波型
位相変調器を用いた従来技術における符号誤り率特性と
比較して必ずしも良好であるとは言えないが、その原因
は分岐した移相用光導波構造の非対称性に基づく位相変
調不完全性或いは印加電圧の設定誤差によるものと考え
られ、これらを改善することにより符号誤り率特性の飛
躍的な改善が予想される。以下、印加電圧の設定誤差に
対処するための実施例を説明する。
を示す。符号誤り率10-9における最小受信感度は−40.8
dBmであり、ショット雑音限界に対して14.3dBの差が認
められた。本実施例における符号誤り率特性は進行波型
位相変調器を用いた従来技術における符号誤り率特性と
比較して必ずしも良好であるとは言えないが、その原因
は分岐した移相用光導波構造の非対称性に基づく位相変
調不完全性或いは印加電圧の設定誤差によるものと考え
られ、これらを改善することにより符号誤り率特性の飛
躍的な改善が予想される。以下、印加電圧の設定誤差に
対処するための実施例を説明する。
マッハツェンダ型光変調器10の光出力レベルを検出
し、該レベルが最大となるように変調時のオフセット電
圧、駆動電圧を制御するようにした実施例を第8図によ
り説明する。この実施例では、マッハツェンダ型光変調
器10の出力光をハーフミラー等からなる光分配器48で分
岐し、その分岐光強度を光パワーメータ50により検出す
る。光パワーメータ50は上記分岐光を入射させて光電流
を生じさせる受光器52とその光電流を電圧変換する電流
−電圧変換器54とを備えている。光パワーメータ50から
の電圧信号はスイッチ回路56により選択的にオフセット
電圧制御系、駆動電圧制御系へ送られる。オフセット電
圧の制御に際しては、光パワーメータ50からの電圧信号
と非変調時におけるオフセット電圧の設定値との差ある
は比の初期値からの変化を比較器58で検出し、それを打
ち消すようにオフセット電圧制御回路62を介してオフセ
ット回路14に制御信号を送る。また、駆動電圧の制御に
際しては、比較器60において駆動電圧について同様の検
出を行い、駆動電圧制御回路64を介して駆動回路16に制
御信号を送る。
し、該レベルが最大となるように変調時のオフセット電
圧、駆動電圧を制御するようにした実施例を第8図によ
り説明する。この実施例では、マッハツェンダ型光変調
器10の出力光をハーフミラー等からなる光分配器48で分
岐し、その分岐光強度を光パワーメータ50により検出す
る。光パワーメータ50は上記分岐光を入射させて光電流
を生じさせる受光器52とその光電流を電圧変換する電流
−電圧変換器54とを備えている。光パワーメータ50から
の電圧信号はスイッチ回路56により選択的にオフセット
電圧制御系、駆動電圧制御系へ送られる。オフセット電
圧の制御に際しては、光パワーメータ50からの電圧信号
と非変調時におけるオフセット電圧の設定値との差ある
は比の初期値からの変化を比較器58で検出し、それを打
ち消すようにオフセット電圧制御回路62を介してオフセ
ット回路14に制御信号を送る。また、駆動電圧の制御に
際しては、比較器60において駆動電圧について同様の検
出を行い、駆動電圧制御回路64を介して駆動回路16に制
御信号を送る。
第9図は特性曲線のシフトによる光出力レベルの減少
を説明するための図である。実線で示す第6図の特性曲
線が破線で示すように印加電圧の低い方向にシフトし
て、光出力の極小値を与える電圧がVOFFからVOFF′にシ
フトした状態が示されている。このように特性曲線がシ
フトしたにもかかわらずオフセット電圧をVOFFに設定し
たままにしておくと、光出力レベルが減少することが明
らかである。そこで、このような場合には、第8図のス
イッチ回路56によりオフセット電圧制御系を選択して前
述した制御を行い、光出力が最大になるようにする。こ
うすることにより、受信感度劣化のない安定な(0,π)
位相変調が可能になる。ここでは特性曲線がシフトした
場合の制御について説明したが、特性曲線(の形状)自
体が変動した場合にも同様の制御を行うことができる。
を説明するための図である。実線で示す第6図の特性曲
線が破線で示すように印加電圧の低い方向にシフトし
て、光出力の極小値を与える電圧がVOFFからVOFF′にシ
フトした状態が示されている。このように特性曲線がシ
フトしたにもかかわらずオフセット電圧をVOFFに設定し
たままにしておくと、光出力レベルが減少することが明
らかである。そこで、このような場合には、第8図のス
イッチ回路56によりオフセット電圧制御系を選択して前
述した制御を行い、光出力が最大になるようにする。こ
うすることにより、受信感度劣化のない安定な(0,π)
位相変調が可能になる。ここでは特性曲線がシフトした
場合の制御について説明したが、特性曲線(の形状)自
体が変動した場合にも同様の制御を行うことができる。
第10図は特性曲線の変形による光出力レベルの減少を
説明するための図である。実線で示される第6図の特性
曲線が破線で示すように光出力の極小値を与える電圧V
OFFを中心として印加電圧の方向に拡大した場合が示さ
れている。この場合、駆動電圧VDをそのままにしておく
と、光出力レベルが減少する。そこで、このような場合
には、第8図のスイッチ回路56により駆動電圧制御系を
選択して前述の制御を行い、光出力レベルが最大になる
ようにする。こうすることにより、受信感度劣化のない
安定な(0,π)位相変調が可能になる。特性曲線が変形
せずにVDが変化することにより第10図に示すような状態
となったときにも同様の制御を行うことができる。
説明するための図である。実線で示される第6図の特性
曲線が破線で示すように光出力の極小値を与える電圧V
OFFを中心として印加電圧の方向に拡大した場合が示さ
れている。この場合、駆動電圧VDをそのままにしておく
と、光出力レベルが減少する。そこで、このような場合
には、第8図のスイッチ回路56により駆動電圧制御系を
選択して前述の制御を行い、光出力レベルが最大になる
ようにする。こうすることにより、受信感度劣化のない
安定な(0,π)位相変調が可能になる。特性曲線が変形
せずにVDが変化することにより第10図に示すような状態
となったときにも同様の制御を行うことができる。
ところで、実際上は、オフセット電圧が不適当である
ことに起因して光出力レベルが変動しているのである
か、駆動電圧が不適当であることに起因して光出力レベ
ルが変動しているのであるかを必ずしも測定することが
できない。そこで、このような場合には、オフセット電
圧の制御と駆動電圧の制御をスイッチ回路56により択一
的に順次行うようにすれば良い。これにより受信感度を
改善して常に安定した(0,π)位相変調が可能になる。
ことに起因して光出力レベルが変動しているのである
か、駆動電圧が不適当であることに起因して光出力レベ
ルが変動しているのであるかを必ずしも測定することが
できない。そこで、このような場合には、オフセット電
圧の制御と駆動電圧の制御をスイッチ回路56により択一
的に順次行うようにすれば良い。これにより受信感度を
改善して常に安定した(0,π)位相変調が可能になる。
他方、マッハツェンダ型光変調器10がLiNnO3の導波構
造を採用している場合、大きな電気光学定数を使うこと
ができるTM偏光として光を入力させることが望ましく、
入力光の偏波面がTM偏光の偏波面からずれてくると、位
相変調不完全成分の増加等の問題が生じる。そこで、こ
のような場合には、第11図に示すようにマッハツェンダ
型光変調器10の伝播光伝播方向上流側に偏波制御器70を
設けておき、光パワーメータ50からの電圧信号を比較器
66において偏波制御器70の制御電圧の初期値と比較し、
その差等を補正するように偏波制御回路68を介して偏波
制御器70の制御電圧を制御するようにする。これにより
常にTM偏光として位相変調を行うことができ、受信感度
劣化のない安定な(0,π)位相変調が可能になる。
造を採用している場合、大きな電気光学定数を使うこと
ができるTM偏光として光を入力させることが望ましく、
入力光の偏波面がTM偏光の偏波面からずれてくると、位
相変調不完全成分の増加等の問題が生じる。そこで、こ
のような場合には、第11図に示すようにマッハツェンダ
型光変調器10の伝播光伝播方向上流側に偏波制御器70を
設けておき、光パワーメータ50からの電圧信号を比較器
66において偏波制御器70の制御電圧の初期値と比較し、
その差等を補正するように偏波制御回路68を介して偏波
制御器70の制御電圧を制御するようにする。これにより
常にTM偏光として位相変調を行うことができ、受信感度
劣化のない安定な(0,π)位相変調が可能になる。
ところで、上述したオフセット電圧及び駆動電圧の制
御並びに偏波面の制御は全て光パワーメータ50からの電
圧信号に基づいて行っているので、これらの制御を同時
に行うことはできない。そこで、オフセット電圧、駆動
電圧、偏波面の変動による位相変調の不完全性を一括し
て防止するためには、第12図に示すようにすれば良い。
即ち、オフセット電圧又は駆動電圧についての制御の択
一的な切り換えをスイッチ回路74により行い、オフセッ
ト電圧若しくは駆動電圧の制御又は偏波面の制御の択一
的な切り換えをスイッチ回路72により行うようにする。
そして、この切り換えを適当なタイミングで順次行うこ
とによって、受信感度劣化のない安定な(0,π)位相変
調が可能になる。
御並びに偏波面の制御は全て光パワーメータ50からの電
圧信号に基づいて行っているので、これらの制御を同時
に行うことはできない。そこで、オフセット電圧、駆動
電圧、偏波面の変動による位相変調の不完全性を一括し
て防止するためには、第12図に示すようにすれば良い。
即ち、オフセット電圧又は駆動電圧についての制御の択
一的な切り換えをスイッチ回路74により行い、オフセッ
ト電圧若しくは駆動電圧の制御又は偏波面の制御の択一
的な切り換えをスイッチ回路72により行うようにする。
そして、この切り換えを適当なタイミングで順次行うこ
とによって、受信感度劣化のない安定な(0,π)位相変
調が可能になる。
発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、位相不完全変
調成分を抑圧することができ、出力光のスペクトル拡が
りが小さくなるという効果を奏する。その結果、光ヘテ
ロダイン受信機の設計が容易になり、受信感度を改善し
易くなるとともに、周波数分割多重伝送を行うに際し
て、伝送帯域が同等であれば多重数を増やすことができ
るようになる。
調成分を抑圧することができ、出力光のスペクトル拡が
りが小さくなるという効果を奏する。その結果、光ヘテ
ロダイン受信機の設計が容易になり、受信感度を改善し
易くなるとともに、周波数分割多重伝送を行うに際し
て、伝送帯域が同等であれば多重数を増やすことができ
るようになる。
第1図は発明の実施に使用するマッハツェンダ型光変調
器の説明図、 第2図は第1図のマッハツェンダ型光変調器におけるP/
P0とV/V180の関係を示すグラフ、 第3図は発明の原理説明図、 第4図は発明の原理説明補助図、 第5図はDPSK方式によるコヒーレント光伝送システムの
実施例ブロック図、 第6図は第5図に示したマッハツェンダ型光変調器の特
性図、 第7図は第5図に示した実施例における符号誤り率特性
を示すグラフ、 第8図はオフセット電圧、駆動電圧の制御の実施例を示
す図、 第9図は特性曲線のシフトによる光出力レベルの減少を
説明するための図、 第10図は特性曲線の変形による光出力レベルの減少を説
明するための図、 第11図は偏波状態の制御の実施例を示す図、 第12図はオフセット電圧、駆動電圧、偏波状態の制御の
実施例を示す図、 第13図は位相変調器の基本構成を示す図、 第14図は進行波型位相変調器の構成を示す図、 第15図は位相不完全変調成分の説明図である。 2……入力側光導波構造、4……移相用光導波構造、6
……出力側光導波構造、8……駆動電極、10……マッハ
ツェンダ型光変調器。
器の説明図、 第2図は第1図のマッハツェンダ型光変調器におけるP/
P0とV/V180の関係を示すグラフ、 第3図は発明の原理説明図、 第4図は発明の原理説明補助図、 第5図はDPSK方式によるコヒーレント光伝送システムの
実施例ブロック図、 第6図は第5図に示したマッハツェンダ型光変調器の特
性図、 第7図は第5図に示した実施例における符号誤り率特性
を示すグラフ、 第8図はオフセット電圧、駆動電圧の制御の実施例を示
す図、 第9図は特性曲線のシフトによる光出力レベルの減少を
説明するための図、 第10図は特性曲線の変形による光出力レベルの減少を説
明するための図、 第11図は偏波状態の制御の実施例を示す図、 第12図はオフセット電圧、駆動電圧、偏波状態の制御の
実施例を示す図、 第13図は位相変調器の基本構成を示す図、 第14図は進行波型位相変調器の構成を示す図、 第15図は位相不完全変調成分の説明図である。 2……入力側光導波構造、4……移相用光導波構造、6
……出力側光導波構造、8……駆動電極、10……マッハ
ツェンダ型光変調器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 女鹿田 直之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 清野 實 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 桑原 秀夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−60432(JP,A) 特開 平2−260722(JP,A) 1989年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集 分冊4 通信・エレクトロ ニクス P.4−469 昭和63年電子情報通信学会春季全国大 会講演論文集 分冊B−1 P.1− 392 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/00 - 1/05 505 H04B 10/00 - 10/18
Claims (2)
- 【請求項1】入力側光導波構造と、該入力側光導波構造
から分岐した印加電界に応じて導波光に位相変化を与え
る一対の移相用光導波構造と、該移相用光導波構造が合
流する出力側光導波構造と、上記移相用光導波構造に装
架された駆動電極とを備えたマッハツェンダ型光変調器
を用い、 該マッハツェンダ型光変調器の光出力レベルが略極小と
なるように上記駆動電極について非変調時にオフセット
電圧を設定し、 該オフセット電圧に加える駆動電圧の極性を変調信号に
応じて変化させることにより光出力の位相にπの変化を
与えるようにした位相シフトキーイング方式において、 上記マッハツェンダ型光変調器の光出力レベルを検出
し、該レベルが最大となるように変調時のオフセット電
圧を制御することと、上記マッハツェンダ型光変調器の
光出力レベルを検出し、該レベルが最大となるように駆
動電圧を制御することと、を択一的に順次行うようにし
たことを特徴とする位相シフトキーイング方式。 - 【請求項2】入力側光導波構造と、該入力側光導波構造
から分岐した印加電界に応じて導波光に位相変化を与え
る一対の移相用光導波構造と、該移相用光導波構造が合
流する出力側光導波構造と、上記移相用光導波構造に装
架された駆動電極とを備えたマッハツェンダ型光変調器
を用い、 該マッハツェンダ型光変調器の光出力レベルが略極小と
なるように上記駆動電極について非変調時にオフセット
電圧を設定し、 該オフセット電圧に加える駆動電圧の極性を変調信号に
応じて変化させることにより光出力の位相にπの変化を
与えるようにした位相シフトキーイング方式において、 上記マッハツェンダ型光変調器の光出力レベルを検出
し、該レベルが最大となるように変調時のオフセット電
圧を制御することと、上記マッハツェンダ型光変調器の
光出力レベルを検出し、該レベルが最大となるように駆
動電圧を制御することと、上記マッハツェンダ型光変調
器の光出力レベルを検出し、該レベルが最大となるよう
に上記マッハツェンダ型光変調器に入力する光の偏波状
態を制御することと、を択一的に順次行うようにしたこ
とを特徴とする位相シフトキーイング方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1211316A JP2760856B2 (ja) | 1989-08-18 | 1989-08-18 | マッハツェンダ型光変調器を用いた位相シフトキーイング方式 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1211316A JP2760856B2 (ja) | 1989-08-18 | 1989-08-18 | マッハツェンダ型光変調器を用いた位相シフトキーイング方式 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0375615A JPH0375615A (ja) | 1991-03-29 |
JP2760856B2 true JP2760856B2 (ja) | 1998-06-04 |
Family
ID=16603929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1211316A Expired - Fee Related JP2760856B2 (ja) | 1989-08-18 | 1989-08-18 | マッハツェンダ型光変調器を用いた位相シフトキーイング方式 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2760856B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009048121A1 (ja) | 2007-10-10 | 2009-04-16 | Nec Corporation | 光変調器および光通信システム |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3732610B2 (ja) * | 1997-03-04 | 2006-01-05 | 日本電信電話株式会社 | 光変調器制御回路 |
GB2370473B (en) | 2000-12-21 | 2004-04-07 | Marconi Caswell Ltd | Improvements in or relating to optical communication |
US7292792B2 (en) * | 2003-09-30 | 2007-11-06 | Lucent Technologies Inc. | High speed modulation of optical subcarriers |
JP4422661B2 (ja) * | 2005-08-31 | 2010-02-24 | 富士通株式会社 | 差動4位相偏移変調器の駆動電圧設定方法 |
JP2011022479A (ja) * | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Mitsubishi Electric Corp | 多値光送信器 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07107585B2 (ja) * | 1986-08-30 | 1995-11-15 | 富士通株式会社 | 導波路光位相変調器の駆動方法 |
-
1989
- 1989-08-18 JP JP1211316A patent/JP2760856B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
1989年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集 分冊4 通信・エレクトロニクス P.4−469 |
昭和63年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集 分冊B−1 P.1−392 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009048121A1 (ja) | 2007-10-10 | 2009-04-16 | Nec Corporation | 光変調器および光通信システム |
US8204387B2 (en) | 2007-10-10 | 2012-06-19 | Nec Corporation | Optical modulator and optical communication system |
JP5182290B2 (ja) * | 2007-10-10 | 2013-04-17 | 日本電気株式会社 | 光変調器および光通信システム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0375615A (ja) | 1991-03-29 |
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