JP2757772B2 - ゲル電気泳動法及びそれに用いる試薬 - Google Patents

ゲル電気泳動法及びそれに用いる試薬

Info

Publication number
JP2757772B2
JP2757772B2 JP6085670A JP8567094A JP2757772B2 JP 2757772 B2 JP2757772 B2 JP 2757772B2 JP 6085670 A JP6085670 A JP 6085670A JP 8567094 A JP8567094 A JP 8567094A JP 2757772 B2 JP2757772 B2 JP 2757772B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reagent
dna fragment
sample
lanes
lane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6085670A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07270378A (ja
Inventor
秀司 藤分
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimazu Seisakusho KK
Original Assignee
Shimazu Seisakusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimazu Seisakusho KK filed Critical Shimazu Seisakusho KK
Priority to JP6085670A priority Critical patent/JP2757772B2/ja
Publication of JPH07270378A publication Critical patent/JPH07270378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2757772B2 publication Critical patent/JP2757772B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は末端塩基別に調製された
DNA断片試料を平板状ゲル(スラブゲル)の連続した
レーンのそれぞれに注入して電気泳動させるゲル電気泳
動法と、それに用いる試薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】DNAの塩基配列を決定するゲル電気泳
動法ではA(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシ
ン)及びT(チミン)の末端塩基別のDNA断片試料の
各レーンのバンド出現位置又は出現順序からその試料の
塩基配列を決定している。
【0003】図1に変性ポリアクリルアミドゲルを用い
て電気泳動させたDNA断片試料のバンドパターンの一
例を示す。試料は末端塩基A、G、C、T別に調製され
た4種類の試料が繰返し隣接するように複数組注入して
泳動させたものである。矢印A方向が泳動方向であり、
泳動方向と直交するレーン配列方向には4種類のバンド
パターンが繰り返し現れている。このバンドパターンは
スラブゲルの特定の位置において、泳動方向と直交する
方向に検出系を5秒に1回ずつ走査することにより得ら
れたものであり、泳動方向に沿ってつけられた番号は走
査番号であり、泳動時間に対応している。この番号×5
が泳動時間(秒)を表わす。パターンの泳動方向の先端
の黒い部分はプライマーである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図1に示される泳動の
バンドパターンをみると、泳動方向はA方向に平行な直
線であるが、この一連の泳動レーンの両端部のレーンは
泳動方向に沿った直線Bに対して曲がっている。塩基配
列を決定する方法として、ゲルの特定の位置で検出系を
走査し、検出されたバンドの順序から塩基配列を決定し
ていく自動オンライン型の電気泳動装置では、このよう
にレーンが泳動方向から曲がってくることにより、一連
のレーンの両端部に位置する試料の塩基配列決定には正
確さを欠く問題が生じる。
【0005】本発明はDNA断片試料を泳動させる一連
のレーンの両端部のレーンにおいても泳動方向からの曲
がりを抑えることにより、正確な塩基配列決定を可能に
するゲル電気泳動法と、そのために用いる試薬を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はDNA断片試
料を泳動させる一連のレーンの両端部でレーンが泳動方
向から曲がってくる現象は、試料の存在する部分とその
外側の試料の存在しない部分とでは電気伝導度が大きく
異なるため、このように泳動にともなってレーンが曲が
ってくる現象が生じることを見出した。
【0007】そこで、本発明の泳動方法は、DNA断片
試料を泳動させる一連のレーンの両端に隣接する少なく
とも1つずつのレーンに、DNA断片試料と同等の電気
伝導度を有する試薬をDNA断片試料と同時に泳動させ
る方法である。そして、その泳動方法で試料が泳動する
一連のレーンの両端部の外側のレーンに泳動させる試薬
は、DNA断片試料と同等の電気伝導度を有する試薬で
ある。
【0008】この試薬の好ましい例は、DNA断片試料
を例えばジデオキシ(Dideoxy)シークエンス法で調製
する場合には、そのシークエンス法で調製される試料と
同じ濃度のプライマー、ヌクレオシド及び塩を含む混合
物である。試料を泳動させる一連のレーンの両端部の外
側のレーンで、この試薬を泳動させるレーンの数は少な
くとも1レーンずつであるが、好ましくは4レーン以上
である。
【0009】
【作用】本発明のゲル電気泳動法では試料を泳動させる
一連のレーンの両端部の外側に隣接して試料と同等の電
気泳動度を有する試薬を同時に泳動させるので、両端部
での泳動レーンの曲がりが抑えられる。
【0010】
【実施例】泳動レーンが曲がるのを防ぐために試料が泳
動する一連のレーンの両端部の外側に隣接して泳動させ
る試薬の例を示す。DNA断片試料をジデオキシシーク
エンス法により調製する場合を例にして説明する。
【0011】(実施例1) Taqポリメラーゼを用いるシークエンス法により試料
を調製する例:シークエンス反応には混合溶液Xと末端
塩基A、G、C、T別の反応溶液A、G、C、Tのうち
の1種類ずつとを反応させる。混合溶液Xの具体的な組
成の一例は次の成分を含んでいる。 鋳型一本鎖DNA; 1pmol プライマー ; 1μl(1pmol) 10×Cycling Mix; 4μl これらを水により全量が20μlになるように調製した
ものである。
【0012】10×Cycling Mixの組成は、 Taqポリメラーゼ 0.5units/μl 500mM トリス−HCl(pH8.8) 500mM KCl及び25mM MgCl2 である。
【0013】反応溶液A、G、C、Tは次のような組成
をもつ溶液である。 反応溶液A:40μM C7dGTP, 20μM
dATP,20μM dTTP, 20μM d
CTP,800μM ddATP 反応溶液G:40μM C7dGTP, 20μM
dATP,20μM dTTP, 20μM d
CTP,120μM ddGTP 反応溶液C:40μM C7dGTP, 20μM
dATP,20μM dTTP, 20μM d
CTP,400μM ddCTP 反応溶液T:40μM C7dGTP, 20μM
dATP,20μM dTTP, 20μM d
CTP,1200μM ddTTP ここで、C7dGTP、dATP、dTTP及びdCT
Pは鎖伸長反応を行なわせる基質のデオキシヌクレオシ
ド三リン酸であり、ddATP、ddGTP、ddCT
P及びddTTPは、それぞれ末端塩基がA、G、C及
びTの位置で鎖伸長反応を停止させる合成阻害剤として
のジデオキシヌクレオシド三リン酸である。
【0014】シークエンス反応は混合溶液Xの4μlと
末端塩基別反応溶液A、G、C、Tのうちの1種類の4
μlとをそれぞれの反応チューブに入れ、その反応チュ
ーブをサーマル・サイクラーに入れて以下の温度条件で
の処理を30回繰り返す。 95℃ 30秒 ↓ 55℃ 30秒 ↓ 72℃ 1分 そして、最後に反応停止液(ホルムアミド液)を4μl
入れる。
【0015】本発明での試薬の一実施例は、上記の混合
溶液Xのうちの鋳型DNAと10×Cycling Mix中のT
aqポリメラーゼを水で置き換えたもの4μlに、反応
溶液A、G、C、Tのうちのいずれか1種類を4μl
と、反応停止液4μlとを混合したものである。Taq
ポリメラーゼも水で置き換えるのは、Taqポリメラー
ゼは高価であること、また蛋白質であるので電気伝導度
は小さく試薬に及ぼす電気伝導度の影響が小さいことの
理由からである。
【0016】(実施例2) シーケナーゼを用いるシークエンス法の例:シークエン
ス反応には混合溶液Yと末端塩基A、G、C、T別の反
応溶液A、G、C、Tのうちの1種類ずつとを反応させ
る。混合溶液Yの具体的な組成の一例は次の成分を含ん
でいる。 鋳型一本鎖DNA; 0.5pmol プライマー ; 1μl(1pmol) シーケナーゼ ; 2units バッファ溶液 ; 2μl これらを水により全量が10μlになるように調製した
ものである。
【0017】バッファ溶液の組成は、 200mM トリス−HCl(pH7.5) 100mM MgCl2 250mM NaCl である。
【0018】この実施例の反応溶液A、G、C、Tは次
のような組成をもつ溶液である。 反応溶液A:80μM dGTP, 80μM d
ATP,80μM dCTP, 80μM dTT
P,8μM ddATP, 50μM NaCl 反応溶液G:80μM dGTP, 80μM d
ATP,80μM dCTP, 80μM dTT
P,8μM ddGTP, 50μM NaCl 反応溶液C:80μM dGTP, 80μM d
ATP,80μM dCTP, 80μM dTT
P,8μM ddCTP, 50μM NaCl 反応溶液T:80μM dGTP, 80μM d
ATP,80μM dCTP, 80μM dTT
P,8μM ddTTP, 50μM NaCl
【0019】シークエンス反応は混合溶液Yの2μlと
末端塩基別反応溶液A、G、C、Tのうちの1種類の
2.5μlとをそれぞれの反応チューブに入れ、その反
応チューブをサーマル・サイクラーに入れて実施例1の
Taqポリメラーゼを用いたときと同じ温度条件の処理
を施し、最後に反応停止液(ホルムアミド液)を2.5
μlを入れる。
【0020】本発明での試薬の他の実施例は、上記の混
合溶液Yのうちの鋳型DNAとシーケナーゼを水で置き
換えたもの2μlに、反応溶液A、G、C、Tのうちの
いずれか1種類の2.5μlと反応停止液2.5μlと
を混合したものである。シーケナーゼを水で置き換える
理由もTaqポリメラーゼの場合と同じである。
【0021】図2にゲル電気泳動法の一実施例に用いる
泳動装置の試料注入部分を概略的に示す。平板状の変性
ポリアクリルアミドゲル2の一端に末端塩基A、G、
C、T別に調製された試料を注入し、その試料が注入さ
れたレーンの両端部の外側に隣接して4レーンずつ実施
例1又は2に示された試薬Dを注入した状態を表わして
いる。これに、泳動電圧を印加して試料と試薬を同時に
電気泳動させる。図2では試料はA、G、C、Tの4種
類の1組のもののみを泳動させる例を示しているが、こ
の4種類の組が隣接するように複数組注入する場合も同
様であり、その一連の試料の泳動レーンの両端部の外側
に隣接して適当なレーンずつ実施例1又は2に示された
試薬Dを注入すればよい。
【0022】
【発明の効果】実施例1の試薬を用いてゲル電気泳動さ
せた例を図3に示す。泳動方向はA方向で、泳動方向に
沿って付けられた数字は図1と同じくオンライン読取り
の際の検出系の5秒に1回ずつ走査した走査番号であ
る。試料は図1と同じ4種類の末端塩基A、G、C、T
別に調製されたDNA断片試料をレーン配列方向に複数
組並べたものである。この一連の試料を泳動させるレー
ンの両側に、図2に示されるように4レーンずつ実施例
1の試薬を注入し、試料と同時に電気泳動させた。図3
を図1と比較すれば明らかなように、図3では両端部の
レーンでも泳動方向に平行に引いた直線Bからの曲がり
が少なく抑えられている。このように、本発明ではDN
A断片試料を泳動させる一連のレーンの両端に隣接する
少なくとも1つずつのレーンに、DNA断片試料と同等
の電気伝導度を有する試薬をDNA断片試料と同時に泳
動させるようにしたので、両端部での泳動レーンが曲が
るのが抑えられ、塩基配列決定の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のゲル電気泳動法により泳動させて検出し
たバンドパターンを示す図である。
【図2】本発明の一実施例におけるゲルへの試料と試薬
注入状態を示す概略平面図である。
【図3】一実施例によるゲル電気泳動法により泳動させ
て検出したバンドパターンを示す図である。
【符号の説明】
2 平板状の変性ポリアクリルアミドゲル A、G、C、T DNA断片試料 D 試料レーンの両端部の外側に隣接して流す試薬

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端塩基別に調製されたDNA断片試料
    を平板状ゲルの連続したレーンのそれぞれに注入して電
    気泳動させるゲル電気泳動法において、 DNA断片試料を泳動させる一連のレーンの両端に隣接
    する少なくとも1つずつのレーンに、DNA断片試料と
    同等の電気伝導度を有する試薬をDNA断片試料と同時
    に泳動させることを特徴とするゲル電気泳動法。
  2. 【請求項2】 ゲル電気泳動法において、DNA断片試
    料が泳動するレーンの両端部の外側のレーンに泳動させ
    るための試薬であって、DNA断片試料と同等の電気伝
    導度を有することを特徴とする試薬。
JP6085670A 1994-03-30 1994-03-30 ゲル電気泳動法及びそれに用いる試薬 Expired - Fee Related JP2757772B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6085670A JP2757772B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 ゲル電気泳動法及びそれに用いる試薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6085670A JP2757772B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 ゲル電気泳動法及びそれに用いる試薬

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07270378A JPH07270378A (ja) 1995-10-20
JP2757772B2 true JP2757772B2 (ja) 1998-05-25

Family

ID=13865269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6085670A Expired - Fee Related JP2757772B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 ゲル電気泳動法及びそれに用いる試薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2757772B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3937742B2 (ja) 2001-03-28 2007-06-27 キヤノン株式会社 プローブ担体及びその製造方法
DE112012005966T5 (de) * 2012-10-19 2014-12-11 Hitachi, Ltd. Verfahren, System und Kit zur Analyse von Genen

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07270378A (ja) 1995-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4865968A (en) DNA sequencing
Smith [58] DNA sequence analysis by primed synthesis
Maat et al. A method for sequencing restriction fragments with dideoxynucleoside triphosphates
AU671820B2 (en) Non-radioactive DNA sequencing
JP2009517052A5 (ja)
Vander Horn et al. Thermo Sequenase™ DNA polymerase and T. acidophilum pyrophosphatase: new thermostable enzymes for DNA sequencing
Ohler et al. Optimization of long-distance PCR using a transposon-based model system.
US8114599B2 (en) Compositions and methods for free-solution conjugate nucleic acid analysis
JP2757772B2 (ja) ゲル電気泳動法及びそれに用いる試薬
US20040126765A1 (en) Method and compositions for sequencing nucleic acid molecules
CN1312859A (zh) 测定多核苷酸序列变异的方法
Hadd et al. Sub-microliter DNA sequencing for capillary array electrophoresis
US20020018999A1 (en) Methods for characterizing polymorphisms
WO2000042223A1 (en) Method for controlling the distribution of dna sequencing termination products
Tong et al. Solid phase purification in automated DNA sequencing
US7179602B2 (en) Methods for sequencing GC-rich and CCT repeat DNA templates
Ju DNA sequencing with solid-phase-capturable dideoxynucleotides and energy transfer primers
Longley et al. [41] In situ detection of DNA-metabolizing enzymes following polyacrylamide gel electrophoresis
US6043036A (en) Method of sequencing nucleic acids by shift registering
Curcio et al. Multiplex high‐throughput solid‐phase minisequencing by capillary electrophoresis and liquid core waveguide fluorescence detection
EP0535587A1 (en) Process for optimizing nucleotide sequence determination
Liu et al. Automated DNA mutation analysis by single-strand conformation polymorphism using capillary electrophoresis with laser-induced fluorescence detection
WO1997020949A1 (en) An improved method for dye-terminator (cycle) sequencing
Kukanskis et al. Mix of sequencing technologies for sequence closure: an example
Nunnally Introduction to DNA sequencing: Sanger and beyond

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080313

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090313

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees