JP2756542B2 - エーテル合成触媒の失活の最小化 - Google Patents

エーテル合成触媒の失活の最小化

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1 発明の分野 本発明は、ジアルキルスルフィドと触媒物質との反応
による触媒物質の失活化を最小化するか又は実質的に防
ぐような条件下で触媒化学反応を行う方法に関する。よ
り詳細に述べると、本発明は、イソオレフィンとアルコ
ールの混合物を含む炭化水素流れの触媒反応を、触媒反
応ゾーン中の触媒物質と前記流れ中に存在する可能性の
あるジアルキルスルフィドとの反応を最小化するか又は
実質的に防ぐような条件下で行うことによってアルキル
第3アルキルエーテルを調製することに関する。具体的
には、本発明は、アルキル第3アルキルエーテルを製造
するための触媒反応であって、炭化水素流れを触媒反応
ゾーンに導入する前に流れからジアルキルスルフィドを
除去すること及び十分な量の酸素化剤(oxygenate)を
反応ゾーンに導入して前記流れ中に存在する可能性のあ
るジアルキルスルフィドと触媒物質との反応を禁止する
ことを含むものに関する。
2 背景の論考と材料の情報 近年、メチル第3ブチルエーテル(MTBE)は、環境的
に無害なガソリン用のオクタン改良剤として受け入れら
れるという点で、石油工業の重要な生成物になってき
た。
MTBEのオクタン改良特性を考慮して、米国特許第3,72
6,942号及び第3,846,008号に開示されているような方法
が、イソオレフィン、及び特にイソブテン、を対応する
ノルマルのオレフィン及びアルカンとの混合物から分離
するために開発されているが、この方法は、酸性カチオ
ン交換樹脂触媒の存在下で、イソオレフィンをC1〜C6
1アルコールでエーテル化し、その後分別によって高沸
点エーテルから低沸点炭化水素を分離することを含む。
ハウンスチャイルド(HAUNSCHILD)の米国特許第3,62
9,478号及び第3,634,534号に記載されているような、こ
れらの方法の変種においては、イソオレフィンとノルマ
ルオレフィンの低級第1アルコールとの混合物を、酸性
イオン交換樹脂触媒から成る複数のゾーンが存在する蒸
留塔に供給し、それによってイソオレフィンエーテルが
形成し塔の底に落ち、一方ノルマルオレフィン及びパラ
フィンは塔頂から蒸留される。
より最近になって、スミス・ジュニア(SMITH,Jr.)
の米国特許第4,232,177号、第4,307,254号及び第4,336,
407号に記載されているような触媒蒸留プロセスがMTBE
の回収率を改善するために開発された。
イソブテンとMTBEの製造を改良するための最近の試み
にもかかわらず、MTBEを製造するための従来方法に関連
する問題は、触媒反応プロセスにおいて使用される触媒
物質が許容できないほど短い時間内に失活する傾向を有
するということである。
発明の要約 本発明は、ジメチルスルフィドのようなジアルキルス
ルフィドが炭化水素流れ中に存在した場合、触媒物質上
の酸性部位と反応して、触媒活性の損失をともなうこれ
らの部位を中和をもたらすということの発見にある。
従って、本発明の目的は、触媒反応プロセスを行う方
法であって、54°乃至93℃(130゜F乃至200゜F)の範囲の
標準沸点を有するアルキル第3アルキルエーテルのよう
なエーテル、特にMTBEを形成するのに都合よく、一方炭
化水素流れ中に存在するジアルキルスルフィドと触媒物
質との反応を禁止し、それによってジアルキルスルフィ
ドと触媒物質との反応による触媒物質の失活を大幅に減
少させるか又は防ぐのに都合のよい条件下で、炭化水素
流れの各成分を触媒的に反応させる方法を提供すること
である。
従って、本発明は、全ての触媒反応プロセスに適応で
きるが、触媒蒸留反応ゾーンにおいて使用される酸性触
媒の失活の原因であることが判明しているジアルキルス
ルフィドと触媒物質との反応を最小化するか又は実質的
に防ぐような方法で行われる触媒蒸留反応プロセスに適
用するのが好ましい。
1つの実質態様において、炭化水素流れを触媒反応ゾ
ーンに導入する前に、流れに吸着処理を施すことによっ
て、炭化水素流れ中に存在するジアルキルスルフィドを
除去することができる。ジアルキルスルフィドの吸着処
理は、2つの吸着カラムの使用を含む循環操作で行うの
が好ましい。
別の実施態様においては、十分量の酸素化剤を反応ゾ
ーンに導入して供給物中に存在するジアルキルスルフィ
ドと触媒物質との反応を禁止することによって、触媒反
応を行う。本発明によれば、この目的に適する酸素化剤
は、エーテル、アルコール、及びそれらの混合物から成
る群から選択されるもののような酸素含有炭化水素であ
るのが好ましく、ここでエーテルがメチルsec−ブチル
エーテル、メチルn−ブチルエーテル、及びt−アミル
メチルエーテル(TAME)から成る群から選択されるのが
好ましく、TAMEが最も好ましい。また、アルコールはC3
アルコール、C4アルコール、C5アルコール、エタノー
ル、及びメタノールから成る群から選択されるのが好ま
しく、メタノールが好ましい。
さらに別の実施態様において、前述の2つの実施態様
が同じ触媒反応プロセスにおいて使用される。このよう
な場合、炭化水素流れに吸着技術を施して流れからジア
ルキルスルフィドを除去し、その後触媒反応ゾーンに導
入する流れの中に酸素化剤を添加する。
炭化水素中に見られるジアルキルスルフィドであって
触媒の失活に最も関与していることが判明したものは、
ジメチルスルフィドである。
メチルt−ブチルエーテル(MTBE)を製造する目的の
ために、供給物の好ましい成分はイソブテンとメタノー
ルを含む。
本発明のこのプロセスにおいて使用するのに適するこ
とが判明している触媒にはカチオン交換樹脂が含まれ
る。しかしながら、本発明に従って触媒蒸留プロセスを
実施する目的のために好ましい触媒は、酸性樹脂触媒の
ような酸触媒である。本発明の目的のためにさらに好ま
しい触媒は、マクロ網状(macroreticular)スルホン酸
カチオン交換樹脂であり、アンバーリスト15(Amberlys
t 15)、リューワタイト・エスピーシー118 BG(Lewati
t SPC 118 BG)[モベイ/バイエル(Mobay/Bayer)
製]、ドーウェックス(Dowex)M-31、ドーウェックスD
R-2040[ダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical C
ompany)製]から成る群から選択されるのがさらに好ま
しく、ドーウェックスDR-2040が最も好ましい。
触媒反応プロセスを施される典型的な炭化水素流れ、
即ち、本発明の実施態様の1つに従って流れ中のジアル
キルスルフィドを減少させるか又は実質的に除去するよ
うな処理を施されていない炭化水素流れ中には、ジアル
キルスルフィドが約4重量%までの量で存在している可
能性があり、より一般的には約10ppmまで乃至50ppmまで
の範囲内の量で存在している。このような場合、メタノ
ールのような酸素化剤が、触媒ゾーンにおいて炭化水素
流れの少なくとも約4重量%の量で存在し、触媒を含む
蒸留塔の領域において液相の4%乃至7%の量で存在す
るのが好ましい。
図面の簡単な説明 添付した図面は、本発明による触媒蒸留プロセスを示
す流れ図である。
第1図は、酸素化剤が蒸留塔中に導入される触媒蒸留
プロセスの流れ図である。
第2図は、炭化水素流れとメタノール流れの混合点の
前に吸着塔が設けられていることを除いて第1図と実質
的に同じである。
詳細な説明 本発明は、アルキル第3アルキルエーテルのようなエ
ーテル、特に54°乃至93℃(130゜F乃至200゜F)の範囲の
標準沸点を有するエーテル、とりわけMTBEの製造におい
て触媒反応プロセスを施される典型的な炭化水素流れ
が、ジメチルスルフィド(DMS)のようなジアルキルス
ルフィドを含み、これが触媒物質上の酸性部位の存在下
で反応して触媒活性の損失をともなうこれらの酸性部位
の中和をもたらすということの発見に基づくものであ
る。このことは、触媒蒸留反応プロセスによるMTBEの製
造の場合において特に見出だされた。従って、本発明
は、たとえ炭化水素流れに、予め、カチオン物質のよう
な触媒の失活化の原因であると考えられいる不純物を除
去するための処理を施してあったとしても、触媒蒸留塔
のような触媒媒反応ゾーンに供給又は導入されたとき、
炭化水素流れ中に存在している可能性のあるアルキルス
ルフィド、特にジメチルスルフィドの反応を最小化する
か又は実質的に防ぐような方法で触媒反応を行うことに
関する。
従って、本発明は、全ての触媒反応プロセスに適応で
きるが、触媒蒸留反応ゾーンにおいて使用される酸性触
媒の失活の原因であることが判明しているジアルキルス
ルフィドの触媒物質の存在下での反応を最小化するか又
は実質的に防ぐような方法で行われる触媒蒸留反応プロ
セスに適用するのが好ましい。
従って、本発明は一般にジアルキルスルフィドと触媒
物質との反応が最小化されるか又は実質的に防がれる全
ての方法に関する。
本発明の1つの実施態様は、ジアルキルスルフィドを
含む炭化水素流れの触媒反応プロセスに関し、特にジメ
チルスルフィドを含むイソブテンのようなイソオレフィ
ンを酸性樹脂触媒のような酸触媒上での触媒反応に関す
る。この実施態様において、このような触媒反応プロセ
ス中で使用される触媒物質の失活化は、炭化水素流れに
加えて触媒反応ゾーンに酸素化剤を導入することによっ
て最小化されるか又は実質的に防がれる。
本発明の別の実施態様、これは本明細書中においてジ
メチルスルフィド吸着とも呼ばれる、において、触媒反
応ゾーン、好ましくは触媒蒸留反応プロセス中で使用さ
れる蒸留塔中で、炭化水素流れが酸性触媒物質と接触す
る前に、炭化水素流れからジアルキルスルフィドを除
去、好ましくは実質的に全てのジアルキルスルフィドを
取り除くことによって、ジメチルスルフィドのようなジ
アルキルスルフィドを本質的に含まない炭化水素流れが
提供される。
上述の実施態様に関連する1つの実施態様は、炭化水
素流れとメタノールのような酸素化剤とが触媒反応ゾー
ンに導入されるプロセスの段階の前に、好ましくは吸着
技術によって、炭化水素流れからジアルキルスルフィ
ド、好ましくはジメチルスルフィド、を減少させるか又
は実質的に除去することを含む触媒反応プロセスであ
る。
本発明の目的を意図するまた別の実施態様は、54°乃
至93℃(130゜F乃至200゜F)の範囲の標準沸点を有するも
ののようなアルキル第3アルキルエーテル、例えば、MT
BEを選択的に製造する反応に対して適切な触媒であっ
て、炭化水素供給物中に存在するジメチルスルフィドの
ようなジアルキルスルフィドと反応する可能性が本質的
にないものを提供する。
好ましい態様及び最も好ましい態様を含む本発明の詳
細な説明は、炭化水素流れがイソブテンとメタノールを
含むメチル第3ブチルエーテルの製造に特定されている
が、本発明はその他のアルキル第3アルキルエーテルの
製造にも適用でき、特に54°乃至93℃(130゜F乃至200゜
F)の範囲内の標準沸点を有するアルキル第3アルキル
エーテルの製造であって、使用されるイソオレフィンと
アルコールが所望のアルキル第3アルキルエーテルの製
造における選択的反応に適切なイソオレフィンとアルコ
ールの群から選択されるような場合にも適用できること
は理解されるべきである。例えば、第3アミルメチルエ
ーテル(TAME)の製造の場合、イソオレフィンは2−メ
チルブテン−1及び2−メチルブテン−2のいずれかか
又は両方のようなイソアミレンであり、アルコールはメ
タノールである。しかしながら、第3アミルエチルエー
テル及びエチル第3ブチルエーテルを製造するために
は、エタノールが使用されるアルコールになるであろ
う。従って、本発明の目的に有用な適切なアルコール
は、メタノールに加えてC3アルコール、C4アルコール、
C5アルコール、及びエタノールを含む。
酸素化剤法 本発明のこの方法は、イソブテンとジメチルスルフィ
ドを含む混合物を反応器の供給ゾーンに供給すること、
メタノール及び/又は他の酸素化剤を供給ゾーンに供給
すること、及びイソブテン、ジメチルスルフィド、及び
メタノールの得られた混合物を反応ゾーン中の固定床酸
性カチオン交換樹脂と接触させて、これによりMTBEを形
成させるのに都合がよく、一方触媒物質の失活化を最小
化するか又は実質的に防ぐためにジメチルスルフィドと
触媒物質との反応を禁止するのに都合のよい条件下で、
イソブテンとメタノールとを触媒的に反応させることを
含む。
MTBEの製造において重要なパラメーターは高い触媒活
性を維持するということである。しかしながら、従来技
術で実施されているようなMTBEの合成においては、プロ
セスの異なる領域における異なるメカニズムによって、
触媒の失活が生じることが示されている。例えば、アン
バーリスト15(商標)のような酸性樹脂がイソブテンと
メタノールからのMTBEの形成を触媒するために使用され
ている固定床又は管状反応器においては、触媒が、金
属、窒素化合物、その他のようなカチオン性又は強塩基
性物質にさらされた場合、触媒の失活が長時間にわたっ
て起こる。しかしながら、メタノールとイソブテンのMT
BEへの反応を完全に進行させるために、第1段階の反応
器の下流で同じ酸性樹脂触媒を使用し、それによって供
給物中のイソブテンのより完全な利用を可能にすること
が提案されている。
しかしながら、系の下流部分においては、メタノール
のような酸素化剤の濃度が比較的低いので、カチオン物
質が存在しなくても長時間にわたって触媒が失活する傾
向がある。本発明の発見、即ち、この失活が低濃度、即
ち10ppm以下のような低濃度のジメチルスルフィドと、
反応ゾーン中の比較的低濃度のメタノール、即ち約0.6
乃至2重量%、とMTBEに主に起因して存在する高度に酸
性の触媒部位との反応によるものであるという発見の前
に、当業者がこの問題の原因を認識していたとは考えら
れず、まして、以下でさらに詳細に説明する本発明の要
点である問題の解決法を教示或いは示唆しているとは考
えられない。
従って、本発明の1つの実施態様は、酸素化剤、即ち
メタノール又は他のアルコール並びにエーテル、の濃度
を増加させることによって、触媒の酸性度を弱くし、そ
れにより、選択的反応、即ちアルコールとイソブテンか
らのMTBEへの反応に悪影響を与えることなく、ジメチル
スルフィドと触媒との間の反応を大幅に減少させるとい
う発見である。
メタノールのような酸素化剤が反応ゾーンに導入され
る場合、触媒物質は、反応に適する全ての物質であり、
例えば、多くの触媒反応に適し、特に系中の反応又は他
の液体と不均一である触媒金属、それらの酸化物又はハ
ロゲン化物のような酸性触媒である。従って、本明細書
中で使用される「触媒(catalyst)」あるいは「触媒物
質(catalyst material)」という用語は、反応に対し
て触媒として機能することが認められている全ての固体
物質を含む。
例えば、本発明が触媒蒸留プロセスで実施される場
合、触媒物質は固定床のような蒸留塔に組み入れること
が可能なあらゆる形態を取ることができるが、また輪、
サドル、球、不規則片、シート、管、螺旋、袋詰め、格
子又はスクリーンを覆ったもの、及び網状ポリマー形態
のような蒸留塔の充填物として使用できる形態でもよ
い。
本発明のこのプロセス中で使用するのに適することが
判明している触媒は、カチオン交換樹脂を含む。しかし
ながら、本発明の目的に対する好ましい触媒は、酸性樹
脂触媒のような酸触媒である。本発明の目的に対してさ
らに好ましい触媒は、アンバーリスト15(商標)、リュ
ーワタイト・エスピーシー18 BG、ドーウェックスM-3
1、及びドーウェックスDR-2040から成る群から選択され
るマクロ網状スルホン酸カチオン交換樹脂であり、ドー
ウェックスDR-2040が最も好ましい。
本発明のこの実施態様によれば、触媒反応ゾーンにお
ける液相中のメタノール濃度を好ましくは約4重量%以
上に維持することによって酸性樹脂触媒の失活を大幅に
減少できることが判明した。別法として、適切な酸素含
有炭化水素のような酸素化剤、例えばアルコール又はエ
ーテルを、特定の酸素化剤に対して適切な濃度で、触媒
ゾーンに注入するか又は循環させることによって、触媒
の失活を大幅に減少させることができる。例えば、イソ
ブテンが通常反応される供給物流れ中に低濃度で通常共
存している化合物がこの目的のために適している。この
ような化合物には、メチルsec−ブチルエーテル、メチ
ルn−ブチルエーテル、t−ブチルアルコール、C3アル
コール、C5アルコール、エタノール、メタノール、メチ
ルt−ブチルエーテル(MTBE)、及びt−アミルメチル
エーテル(TAME)が含まれるが、これらに限定されな
い。これらの中では、TAMEが幾つかの異なった利点を付
与する点で好ましいが、それはその存在がMTBEの形成を
妨害しないことと反応生成物から容易に分離でき再循環
できることによるものである。
実施例I 他の硫黄含有化合物ではなくジメチルスルフィドが、
MTBEの製造に工業的に使用されている条件下で、アンバ
ーリスト15(商標)酸触媒の毒であることを示す証拠と
して以下の試験を行った。
反応を実験室規模の連続流れ管状反応器中で行った。
酸触媒樹脂、大体10cc、を金属管中に入れ、ガラスウー
ル栓によって適切な位置に保持した。この管を温水を循
環させているより大きな管によってジャケットし、反応
温度を制御した。これは大体70℃に保持した。単一液体
供給物を計量型ポンプによって液体の流量を液空間速度
(LHSV)が4になるように調節しながら導入した。反応
器の出口における背圧、1241kPa(180 psig)は、反応
器が蒸気をともなわずに液体で満たされるように、十分
に高い圧力で維持した。この試験の目的のために使用し
た酸触媒は、アンバーリスト15(商標)であり、工業プ
ラントから新たに取り寄せたサンプルであった。実験用
反応器への供給物も工業プラントから得たものであり、
2.67重量%のイソブチレン及びイソブチレンと反応して
MTBEを生産するのに十分な量以上のメタノールを含み、
供給物の残りは本質的にブテンとブタンの混合物であっ
た。反応器の出口から圧力下で少量の液体サンプルを採
取し、それらをキャピラリーガスクロマトグラフィー上
で分析することによって、反応の進行を監視した。そし
て、イソブチレンの転化率を計算し、触媒の活性を監視
するのに使用した。
比較のために以下の試験を行った。
上述の比較は、これらの条件下では、イソブチレンと
メタノールからMTBEを製造するのに使用される触媒に対
してジメチルスルフィドが毒であること、及びジメチル
スルフィドの触媒を毒する傾向が、メルカプタン、例え
ばエチルメルカプタン、のようなその他の硫黄含有化合
物の存在によっては影響されず、またエチルメルカプタ
ン又はメチルt−ブチルメルカプタンのような他の有機
硫黄化合物によっては触媒が毒されないことを示してい
る。
実施例II 以下の比較は、供給物のメタノール含有率が触媒を毒
するジメチルスルフィドに与える影響を示す。使用した
試験条件は前の実施例で使用したものと実質的に同じで
あった。この試験の目的のために、供給物は約3重量%
の初期メタノール含有率と約3.2重量%のイソブチレン
含有率を有していた。試験II AとII Bに対してはメタノ
ール濃度を4%に調整した。試験II Aでは0.5重量%の
ジメチルスルフィドを供給物に導入し、試験II Bでは2
重量%のジメチルスルフィドを供給物に加えた。試験II
Cにおいては、5重量%のジメチルスルフィドを供給物
に加え、3重量%のメタノールを追加して合わせて6重
量%のメタノールが供給物中に含まれていた。試験II D
においては、供給物のメタノール含有率は1.5重量%で
あり、イソブチレン含有率は2.5重量%であり、そして
5重量%のジメチルスルフィドを供給物に加えた。
上述の比較は、約4重量%のメタノールを含有し0.5
乃至2重量%のジメチルスルフィドを加えられた供給物
が、15乃至18時間の試験期間にわたって触媒を毒さない
ことを示している。同様に、約6重量%のメタノールを
含有し5重量%のジメチルスルフィドを加えられた供給
物が、試験の15時間後に転化率のわずかな低下を経験す
ることが明らかである。これに対して、約1.5重量%の
メタノールを含有し5重量%のジメチルスルフィドを加
えられた供給物は、試験の8乃至12時間以内に触媒を毒
している。
ここで第1図を参照すると、MTBEを製造することので
きる装置の配置図が示されている。
イソブチレンに基づく理論量のメタノールを含む供給
物流れ7はイソブチレン含有供給物流れ10ともに主合成
反応器(lead synthesis reactor)14に導入される。主
合成反応器14は、アンバーリスト15(商標)、ドーウェ
ックスDR-2040、リューワタイト・エスピーシー18 BG、
又はドーウェックスM-31などの酸性樹脂触媒が設けら
れ、適切な温度に加熱される。反応器を出る流出液、即
ち生成物流れ16はMTBE、未反応の炭化水素及びメタノー
ル(MeOH)を含んでいる。得られた生成物流れは、その
後蒸留塔20に供給される供給物流れ18になる。蒸発した
塔頂留分(overhead)22は、不飽和部分で枝分かれした
オレフィン(第3オレフィンと呼ばれることもある)の
減少したラフィネートを含み、これはメタノール除去と
最終清掃(clean-up)工程に送られる。しかしながら、
本発明によれば、メタノールの流れ12は触媒蒸留反応ゾ
ーンに導入され、ここでは触媒はアンバーリスト15又は
同等物でもよいが、ドーウェックスDR-2040が好まし
い。流出液はその後生成物トッピング(topping)塔26
に送られ、そこで分離処理のためにC5炭化水素が除去さ
れる。得られた流出液流れ30はその後生成物テーリング
(tailing)塔に送られ、そこでMTBEが生成物として除
去される。テーリング塔からの流出液36は、TAMEのよう
な酸素化剤を含む様々な成分を含み、これは導管38を通
して再循環され、触媒反応ゾーンに酸素化剤を供給す
る。
本発明に従って実施するのに特に順応性のある触媒反
応プロセスは、従来方法で行われている触媒蒸留プロセ
スであり、例えば、前述のスミス・ジュニアの名前の米
国特許のいずれかによって開示されているものであり、
それらの開示は本明細書中に特に引用して組み入れられ
ている。
実施例III 13重量%のイソブチレン、30重量%のイソブタン、14
重量%のブテン−1、13重量%のn−ブタン、18重量%
の2−ブテン、0.5重量%のブタジエン、&重量%のイ
ソペンタン、約5重量%のその他のC5炭化水素(パラフ
ィン、オレフィン、及びジオレフィンを含む)、200重
量ppmのメタンチオール、及び10重量ppmのジメチルスル
フィドを含む供給物流れ10をメタノール流れ7と、流れ
7中のメタノールの流れ10中のイソブチレンに対する重
量比が0.75:1.0になる比率で一緒にする。この一緒にな
った流れを54℃乃至77℃(130゜F乃至170゜F)に加熱し、
アンバーリスト15(商標)のような酸性イオン交換樹脂
触媒を含む主合成反応器に3.5W/H/W乃至4.0W/H/Wの重量
空間速度(weight space velocity)を与える量で導入
する。
主合成反応器14を通過中に、供給物流れ中のイソブチ
レンの約85重量%がMTBEに転化する。また、この反応器
において、炭化水素又はメタノール供給物中に含まれて
いる全ての強塩基性化合物及び金属化合物が酸性触媒と
反応して供給物から除去される。このように触媒と反応
する間に、これらの塩基性化合物は触媒上の酸性部位の
数を減少させて、長時間にわたって触媒の失活をもたら
す。
反応器14を出る炭化水素流れ16は、17重量%のMTBE、
約2重量%のイソブチレン、及び未反応の炭化水素とメ
タノールの残りの全てを含んでいる。この流れを触媒蒸
留塔20に供給する。炭化水素中に0.5重量%のイソブチ
レンしか含んでいないこの塔からの塔頂留分をメタノー
ル除去を経由してその他の工程に送る。
本発明のこの実施態様において、追加のメタノール流
れ12は、触媒ゾーンを通過する液体流れが4重量%以上
のMeOH、好ましくは6〜7重量%、を含むことになるの
に十分な速度で、触媒蒸留反応ゾーンに送られる。これ
は、塔頂留分流れ22のMeOHと共沸混合物を形成する能力
を越えるのに十分な量の流れ12を導入することによって
達成され、蒸留塔の触媒ゾーン中の液体相においてMeOH
を濃縮することになる。しかしながら、流れ12を添加し
ない場合、蒸留塔中に置かれた触媒は炭化水素流れ中の
ジメチルスルフィドと反応して急速に失活するだろう。
従って、上述の濃度で追加のMeOHを含むことは、この失
活メカニズムの速度を大幅に低下させ、触媒寿命の大幅
な改善をもたらす。
蒸留塔からの残液(bottoms)流れ24は、25重量%のM
TBEと2重量%のTAMEをn−ブテンより高沸点のその他
の炭化水素及びアルコールとの混合物中に含む。この流
れ24はトッピング塔26に送られ、ここでMTBEより軽いC5
炭化水素はさらに処理するために除去される。得られた
残液流れ30は生成物テーリング塔に送られ、ここでMTBE
が塔頂留分として除去される。テーリング塔からの残液
流れ36は、約75重量%のTAMEと様々なその他の炭化水素
及び酸素化剤を含み、その1部を導管38を通して触媒反
応ゾーンに再循環させ、イソブチレンとメタノールがMT
BEを生産する反応の平衡にほとんど影響を与えることな
く、追加の酸素化剤を供給することができる。
従って、本発明による方法は、反応ゾーンにおいて増
加した濃度の酸素化剤を使用することを通して、主要な
失活化メカニズムを防ぐための進歩性のある手順を含
む。
ジメチルスルフィド吸着 本発明によれば、触媒反応ゾーンにジメチルスルフィ
ドが存在することによって生じる悪影響を最小化するか
又は実質的に防ぐための別の方法が開発されている。こ
の方法は、触媒反応ゾーンへの酸素化剤の導入を含む前
述の方法の代わりに用いられるのが好ましいが、触媒物
質がジメチルスルフィドとの反応にさらされないことを
より確かにするために酸素化剤の導入と併用されてもよ
い。
この方法にでは、第1図に関連して上述したのと同じ
触媒蒸留方法において、供給物4とメタノール7の流れ
の混合点の前に吸着塔を設けることによって、炭化水素
流れ中のスルフィド汚染物が除去される。この除去は、
メタノールを含まない供給物流れに対して最も効果的で
あることが判明した。この配列を第2図に示す。実用上
は、2つの吸着塔を使用し、一方の塔がスルフィドを吸
着している間、他方の塔が能力を回復するために再生さ
れているようにすることを含む循環操作を用いて、この
除去を行うのが好ましい。
本発明の目的のためにジアルキルスルフィドを除去す
るのに適切な吸着剤は、ゼオライトX、ゼオライトY、
ゼオライトベータ、シリカライト(silicalite)、モル
デナイト(mordenite)のような結晶性アルミノケイ酸
塩、アルミナ及び炭素上に担持された、酸化コバルト、
酸化クロム、酸化ニッケル、及び酸化モリブデンのよう
な金属酸化物を含む。
実施例IV 先に特定した吸着剤がエーテル合成炭化水素流れから
ジアルキルスルフィドを除去することができるというこ
との証拠として以下の試験を行った。
実験室規模の連続流れ管状反応器中で動的(dynami
c)試験を行った。吸着剤、大体5cm3、を金属管中に入
れ、多孔質金属栓によって適切な位置に保持した。管を
環境温度に保った。単一液体供給物をHPLCポンプによっ
て液体の流量を液空間速度が4になるように調節しなが
ら導入した。反応器の出口における背圧を300 psigで維
持した。この動的試験のために選択された吸着剤は、ナ
トリウム−Xゼオライトであった。供給物は、ブテン−
1、イソブチレン、ジメチルスルフィド、エチルメルカ
プタン、及びn−ヘプタンの合成ブレンドであった。管
の出口から少量の液体サンプルを採取し、それらをキャ
ピラリーガスクロマトグラフィー上でジメチルスルフィ
ドとエチルメルカプタン濃度に対して分析することによ
って、吸着の進行を監視した。動的研究の結果を以下の
表にまとめる。
これに関連して、供給物流れ中の硫黄化合物は、それ
らの触媒を失活化させる傾向のために、従来的に問題を
生じてきた。メルカプタンは通常苛性アルカリ洗浄によ
って除去することができるが、この方法はジアルキルス
ルフィドのようなスルフィドを除去するのには有効では
ないことが判明した。
従って、種々の担持体上の金属酸化物がメルカプタン
及びスルフィドの両方を除去するのに有効であるという
発見は予想されものではなかった。この目的のために、
MoO3、NiO、Cr2O3、CoO及びそれらの混合物のような金
属酸化物を、アルミナ及び炭素のような担持体上でスク
リーニングした。そして、室温でオレフィン/炭化水素
流れ中のメルカプタン及びスルフィドの濃度を低下させ
るのに様々な程度で有効であることが判明した。
実施例V 1群の金属酸化物の炭化水素製油所流れから硫黄化合
物を除去する能力を測定するために、静的(static)試
験を行った。
ヘプタン中のエチルメルカプタン、ジメチルスルフィ
ド、及びブテン−1から成る合成配合供給物を使用し
て、室温でこれらの炭化水素流れをスクリーニングし
た。
24時間後、ガスクロマトグラフィー分析のためにサン
プルを除去した。結果を以下の表に示す。
供給物組成: 90.1% n−ヘプタン 9.0% ブタン−1 43 ppm ジメチルスルフィド 104 ppm エチルメルカプタン 金属酸化物 生成物硫黄濃度 NiO/MoO3/アルミナ <1ppm硫黄 CoO/MoO3/アルミナ <1ppm硫黄 MoO3/炭素 <1ppm硫黄 Cr2O3/アルミナ 硫黄なし このように、本発明は、触媒と接触する炭化水素流れ
中のジアルキルスルフィドの存在が触媒物質の失活の原
因であるということの発見に基づくだけでなく、炭化水
素流れからこの特定の硫黄汚染物を除去するための予期
されなかった方法にも関する。
実施例VI アンバーリスト15(商標)上てイソブチレンとメタノ
ールからMTBEを製造する間に、存在するジメチルスルフ
ィドが触媒と触媒を失活化させるように反応するという
前述の発見を実証するために以下の試験を行った。
イソブチレンとメタノールからMTBEを工業的に製造す
るのに使用される合成塔中の3つの場所から失活化した
触媒のサンプルを取り出した。これらのサンプルの各々
を、新しい未使用の触媒のサンプルとともに直交偏光マ
ジック角スピニング(cross-polarization magic angle
spinning)(CPMAS)炭素13核磁気共鳴(C13NMR)装置
上で分析した。
3つの失活化サンプルは全て27ppmで鋭いピークを示
した。このことに関しては、文献は、C13NMRに対する2
7.5〜28.1ppmの範囲はトリメチルスルホニウムイオンで
あると報告している。
ジメチルスルフィドと触媒との反応が触媒の失活化を
起こすということをさらに実証するために、使用した触
媒のサンプルの1つをD2O中の10%DClと反応させて、得
られた溶液をプロトンNMRとC13NMRに使用した。もしト
リメチルスルホニウムカチオンが存在していた場合、そ
れは加水分解され、得られた溶液はこのカチオンに対す
るピークを示すことが予想される。プロトンNMRは3.13p
pmでピークを示した。C13NMRは27.17ppmでただ1つのピ
ークを示した。いずれの場合も、これらのピークは予想
した通りであることが判明した。
最後に、新しい触媒、即ち、アンバーリスト15(商
標)を室温でトリメチルスルホニウムヨージドの水/メ
タノール溶液と反応させた。得られた固体を注意深く洗
浄して過剰の反応体を除去し、真空中100℃で乾燥し
た。この物質のNMRは使用後の触媒と同じピークを示し
た。
上述の知見は、本発明の発見、即ち、供給物が触媒的
に反応してアンバーリスト15(商標)触媒上でイソフチ
レンとメタノールからMTBEを製造する間に、ジメチルス
ルフィドが触媒と反応して触媒上にトリメチルスルホニ
ウムカチオンを付着させるということを実証する。
従って、一般に、本発明はアンバーリスト15又はドー
ウェックスDR-2040のような酸触媒上の全ての炭化水素
流れの反応に関連して使用できると言うことができる。
本発明の発見が特に適する触媒反応の中には、触媒異性
化、エステル化、二量化、クラッキング、及び蒸留プロ
セスが含まれるが、例えば、塩素化、水素化、脱水塩素
化、アルキル化、重合、などのようなその他の種類の反
応も本発明の方法の範囲内にある。
例えば、酸性イオン交換樹脂触媒によって触媒される
異性化反応は、ジメチルスルフィドのようなジアルキル
スルフィドを含む供給物を触媒上に通した場合、失活す
ることが判明している。過去においては、触媒異性化反
応のこの段階で、アルコールと水を含ませて触媒を使用
可能にするのに必要な環境を提供すると考えられてきた
が、アルコールはイソオレフィンと反応してエーテルを
生成する傾向があり、それによって生成物の損失が生じ
ることが判明した。さらに、水の存在は溶解性の問題を
起こし、またイソオレフィンと反応してアルコールを生
成する傾向を有する。従って、水はあまり望ましい溶媒
ではない。水はまた触媒を失活させる。エーテルをイソ
オレフィンとともに含ませて樹脂触媒を使用可能にする
のに必要な環境を提供することも提案されており、この
目的のためには、t−アミルメチルエーテル(TAME)及
びメチルt−ブチルエーテル(MTBE)が好ましく、TAME
が最も好ましい。
しかしながら、本発明の以前の本技術分野では、供給
物中に存在するジメチルスルフィドのようなジアルキル
スルフィドが触媒の失活の原因であることは認識されて
おらず、まして、ジアルキルスルフィドを炭化水素流れ
から除去することによって触媒の失活が低減されるこ
と、及び本発明にしたがって酸素化剤をイソオレフィン
とともに含有させることによって触媒の失活を実質的に
防げることは認識されていなかった。
従って、ジアルキルスルフィドを炭化水素流れから除
去するか、又はアルコール又はエーテルのような酸素化
剤の存在によって、一般に酸性イオン交換樹脂触媒上の
異性化反応を改善でき、触媒の失活を最小化できると考
えられる。故に、本発明の原理は、飽和炭化水素、その
他の直鎖及び枝分かれオレフィン、及び少量の特定のジ
オレフィンの混合物を含む供給物流れのような数多くの
炭化水素流れ組成物の異性化に適用することができる。
このような供給物の1例は、製油所触媒クラッキング装
置からのナフサ留分である。従って、本発明によれば、
高濃度のジオレフィンと場合によっては低濃度のシクロ
ペンタジエンを含有する供給物流れでさえ、アルコール
又はエーテルのような酸素化剤が供給物中に含まれてい
る場合、カチオン交換樹脂を汚さず、触媒の活性を低下
させず、従って異性化反応を触媒する能力を低下させな
いことが判明した。
前述の説明では、本発明を特定の手段、材料、及び実
施態様を参照して説明してきたが、当業者は本発明の本
質的な特徴を容易に突き止めることができ、以下の請求
の範囲に記載された本発明の精神と範囲とから離れるこ
となく、様々な変更と改良を様々な用途と条件に対して
行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 ヘンドリクセン、ダン・エルドン アメリカ合衆国77345テキサス州キング ウッド、ブルック・グローブ・ドライブ 3206 (72)発明者 フォンス、テリー・アレン アメリカ合衆国70817ルイジアナ州バト ン・ルージュ、チペンデール・ドライブ 6335 (72)発明者 オゥ、ディ‐イ アメリカ合衆国77062テキサス州ヒュー ストン、エル・カミノ・リール 16202、 ナンバー 1006 (72)発明者 ローゼンフェルド、ダニエル・デイビッ ド アメリカ合衆国77059テキサス州ヒュー ストン、メサ・バーデ 16018 (56)参考文献 特開 昭55−127324(JP,A)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソオレフィンとアルコールを含有する炭
    化水素流れを反応器の反応ゾーンで触媒と接触させて所
    望のエーテルを形成させることを含む、アルキルt−ア
    ルキルエーテルの製造方法であって、前記流れ中に存在
    する可能性のあるジアルキルスルフィドと前記触媒との
    反応に起因する触媒の失活を最小化するために、有効量
    の酸素化剤も反応ゾーンに供給してジアルキルスルフィ
    ドと前記触媒物質の前記反応を禁止すること及び反応器
    への導入の前に炭化水素流れから硫黄汚染物を除去する
    ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】硫黄汚染物を除去する前に、4重量%未
    満、好ましくは50ppm未満のジアルキルスルフィドが炭
    化水素流れ中に存在する、請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】10ppm未満のジアルキルスルフィドが炭化
    水素流れ中に存在する、請求の範囲第2項に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】イソオレフィンがイソブチレン及びイソア
    ミレンから選択され、アルコールがメタノール及びエタ
    ノールから選択される請求の範囲第1項乃至第3項のい
    ずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】イソオレフィンがイソブチレンであり、ア
    ルコールがメタノールであり、得られるエーテルがメチ
    ルt−ブチルエーテル(MTBE)である、請求の範囲第4
    項に記載の方法。
  6. 【請求項6】アルコールが、炭化水素流れの少なくとも
    4重量%の量で存在するメタノールである、請求の範囲
    第5項に記載の方法。
  7. 【請求項7】触媒物質が酸触媒である、請求の範囲第1
    項乃至第6項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】酸触媒が、カチオン交換樹脂触媒、好まし
    くはマクロ網状スルホン酸カチオン交換樹脂触媒であ
    る、請求の範囲第7項に記載の方法。
  9. 【請求項9】反応ゾーンでの触媒反応が、アルキル化、
    塩素化、脱水塩素化、二量化、蒸留、エステル化、水
    和、異性化、又は重合を含む、請求の範囲第1項乃至第
    8項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】酸素化剤が、エーテル、アルコール、及
    びそれらの混合物から選択される酸素含有炭化水素であ
    る、請求の範囲第1項乃至第9項のいずれか1項に記載
    の方法。
  11. 【請求項11】エーテルが、メチルsec−ブチルエーテ
    ル、メチルn−ブチルエーテル、メチルt−ブチルエー
    テル(MTBE)、及びt−アミルメチルエーテル(TAME)
    から選択され、アルコールが、t−ブチルアルコール、
    C3アルコール、C4アルコール、C5アルコール、エタノー
    ル、及びメタノールから選択される、請求の範囲第10項
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】酸素化剤が、新しく供給された酸素化剤
    によって供給されるか、触媒蒸留プロセスの副生成物と
    して回収された酸素化剤の再循環によって供給される
    か、又は新しく供給された酸素化剤と再循環された酸素
    化剤との混合物によって供給される、請求の範囲第1項
    乃至第9項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】ジアルキルスルフィドがジメチルスルフ
    ィドである、請求の範囲第1項乃至第12項のいずれか1
    項に記載の方法。
  14. 【請求項14】硫黄汚染物を吸収することができる物質
    上に炭化水素流れを通すことによって、炭化水素流れか
    ら硫黄汚染物を除去する、請求の範囲第1項乃至第13項
    のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】硫黄汚染物が1種以上のメルカプタンと
    スルフィドを含む、請求の範囲第14項に記載の方法。
  16. 【請求項16】硫黄汚染物を吸収することができる物質
    が、結晶性アルミノケイ酸塩又は担持金属酸化物であ
    る、請求の範囲第14項に記載の方法。
  17. 【請求項17】結晶性アルミノケイ酸塩が、ゼオライト
    X、ゼオライトY、ゼオライトベータ、シリカライト、
    及びモルデナイトから選択される、請求の範囲第16項に
    記載の方法。
  18. 【請求項18】ゼオライトXが、ナトリウム−Xゼオラ
    イトである、請求の範囲第17項に記載の方法。
  19. 【請求項19】金属酸化物が、酸化ニッケル、酸化モリ
    ブデン、酸化クロム、酸化コバルト、及び酸化ニッケ
    ル、酸化モリブデン、酸化クロム、及び酸化コバルトの
    内の2種以上から成る混合物から選択され、前記金属酸
    化物がアルミナ又は炭素上に担持されている、請求の範
    囲第16項に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記吸収剤が、アルミナ上に担持された
    酸化ニッケルと酸化モリブデンとの混合物、アルミナ上
    に担持された酸化コバルトと酸化モリブデンとの混合
    物、及びアルミナ上に担持された酸化クロムから成る群
    から選択される、請求の範囲第19項に記載の方法。
  21. 【請求項21】硫黄汚染物の除去後、炭化水素流れが、
    1ppm未満のジアルキルスルフィドしか含まず、好ましく
    は本質的にジアルキルスルフィドを含んでいない、請求
    の範囲第14項乃至第20項のいずれか1項に記載の方法。
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