JP2753159B2 - コールドプレートおよびこれを用いた冷却装置 - Google Patents
コールドプレートおよびこれを用いた冷却装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、宇宙機内の電子機器な
どを冷却するのに適したコールドプレートおよびこれを
用いた冷却装置に関する。
どを冷却するのに適したコールドプレートおよびこれを
用いた冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星等の宇宙機の大型化に伴って機
内の電子機器等が発生する熱量も増大する傾向にある。
したがって、宇宙機内の温度を所定に保つとともに電子
機器等を保護するには、電子機器等で発生した熱を何等
かの手段で宇宙空間へ排出する必要がある。この排出手
段、つまり冷却手段としては幾つかの方式が考えられて
いる。最近では二相流体閉ループ方式の冷却装置が注目
されている。
内の電子機器等が発生する熱量も増大する傾向にある。
したがって、宇宙機内の温度を所定に保つとともに電子
機器等を保護するには、電子機器等で発生した熱を何等
かの手段で宇宙空間へ排出する必要がある。この排出手
段、つまり冷却手段としては幾つかの方式が考えられて
いる。最近では二相流体閉ループ方式の冷却装置が注目
されている。
【0003】二相流体閉ループ方式を採用した冷却装置
では、通常、図4に示すように、コールドプレート1
が、たとえば複数設けられ、これらコールドプレート1
の一方の面上に電子機器などの被冷却体2がそれぞれ熱
的に接続状態に搭載される。各コールドプレート1の内
部にはそれぞれ冷却管3が埋め込まれている。各冷却管
3の冷媒導入口4は、それぞれ流量調整弁5を介して共
通に接続され、冷媒輸送管6を介して冷媒循環ポンプ7
の吐出口に接続される。また、各冷却管3の冷媒導出口
8は共通に接続され、冷媒輸送管9を介してラジエータ
10の入口に接続される。そして、ラジエータ10の出
口は冷媒循環ポンプ7の吸込み口に接続されるとともに
冷媒の体積増加を吸収するためのアキュムレータ11に
接続される。この冷却装置では、上記のように閉ループ
の冷媒通路が構成され、この閉ループ内に冷媒として、
たとえば水が封入される。
では、通常、図4に示すように、コールドプレート1
が、たとえば複数設けられ、これらコールドプレート1
の一方の面上に電子機器などの被冷却体2がそれぞれ熱
的に接続状態に搭載される。各コールドプレート1の内
部にはそれぞれ冷却管3が埋め込まれている。各冷却管
3の冷媒導入口4は、それぞれ流量調整弁5を介して共
通に接続され、冷媒輸送管6を介して冷媒循環ポンプ7
の吐出口に接続される。また、各冷却管3の冷媒導出口
8は共通に接続され、冷媒輸送管9を介してラジエータ
10の入口に接続される。そして、ラジエータ10の出
口は冷媒循環ポンプ7の吸込み口に接続されるとともに
冷媒の体積増加を吸収するためのアキュムレータ11に
接続される。この冷却装置では、上記のように閉ループ
の冷媒通路が構成され、この閉ループ内に冷媒として、
たとえば水が封入される。
【0004】このように構成される二相流体閉ループ方
式の冷却装置は次のように作用する。すなわち、被冷却
体2が発熱していないときには、閉ループ内を冷媒が液
相の状態で循環する。被冷却体2が発熱を始めると、こ
の熱がコールドプレート1を介して冷却管3内を流れる
冷媒に伝わる。この結果、冷媒が蒸発して熱を奪う。こ
のとき、冷却管3および冷媒輸送管9の中は冷媒が二相
流状態で流れる。また、冷媒が蒸発すると、冷媒の体積
が増加するが、この体積増加はアキュムレータ11によ
って吸収される。そして、蒸発によって生成された蒸気
はラジエータ10で凝縮液化される。ラジエータ10は
奪った熱を輻射で宇宙空間へ放熱する。
式の冷却装置は次のように作用する。すなわち、被冷却
体2が発熱していないときには、閉ループ内を冷媒が液
相の状態で循環する。被冷却体2が発熱を始めると、こ
の熱がコールドプレート1を介して冷却管3内を流れる
冷媒に伝わる。この結果、冷媒が蒸発して熱を奪う。こ
のとき、冷却管3および冷媒輸送管9の中は冷媒が二相
流状態で流れる。また、冷媒が蒸発すると、冷媒の体積
が増加するが、この体積増加はアキュムレータ11によ
って吸収される。そして、蒸発によって生成された蒸気
はラジエータ10で凝縮液化される。ラジエータ10は
奪った熱を輻射で宇宙空間へ放熱する。
【0005】このような二相流体閉ループ方式の冷却装
置は、冷媒の蒸発と凝縮とを利用しているので、液単相
流だけを用いたものに比べて、コールドプレート1およ
びラジエータ10での熱伝達率を高くできること、コー
ルドプレート1の各部温度を均一にできること、蒸発潜
熱を利用しているので冷媒の循環流量を少なくできるこ
と等の長所を有している。しかしながら、二相流体閉ル
ープ方式を採用し、しかも上記のような構成の冷却装置
を実用化するには幾つかの問題点があった。
置は、冷媒の蒸発と凝縮とを利用しているので、液単相
流だけを用いたものに比べて、コールドプレート1およ
びラジエータ10での熱伝達率を高くできること、コー
ルドプレート1の各部温度を均一にできること、蒸発潜
熱を利用しているので冷媒の循環流量を少なくできるこ
と等の長所を有している。しかしながら、二相流体閉ル
ープ方式を採用し、しかも上記のような構成の冷却装置
を実用化するには幾つかの問題点があった。
【0006】第1に、各冷却管3への冷媒の流量を如何
にして調整するかと言う点である。冷却管3内での蒸発
熱伝達率は液単相流の場合に比べて大きいが、クオリテ
ィ(全流量に占める蒸発した蒸気の流量割合)が大きく
なり過ぎると、冷却管3内でドライアウトが発生し、熱
伝達率が著しく低下する。したがって、何等かの手段で
各冷却管3内あるいは冷媒導出口8において冷媒の状態
を検出し、この結果に基いて搭載されている被冷却体2
の発熱量に対応した最適な流量が得られるように各流量
調整弁5を調整する必要がある。しかし、宇宙機の運転
状態によって各被冷却体2の発熱量が変化するので、上
記の調整は困難なものとなる。
にして調整するかと言う点である。冷却管3内での蒸発
熱伝達率は液単相流の場合に比べて大きいが、クオリテ
ィ(全流量に占める蒸発した蒸気の流量割合)が大きく
なり過ぎると、冷却管3内でドライアウトが発生し、熱
伝達率が著しく低下する。したがって、何等かの手段で
各冷却管3内あるいは冷媒導出口8において冷媒の状態
を検出し、この結果に基いて搭載されている被冷却体2
の発熱量に対応した最適な流量が得られるように各流量
調整弁5を調整する必要がある。しかし、宇宙機の運転
状態によって各被冷却体2の発熱量が変化するので、上
記の調整は困難なものとなる。
【0007】第2に、冷媒輸送管9における圧力損失が
大きい点である。上述の如く、各冷却管3からは二相流
状態の冷媒が流れ出るので、冷媒輸送管9内は二相流に
なる。二相流の圧力損失は液または蒸気の単相流よりも
はるかに大きい。このため、冷媒循環ポンプ7の動力増
加をもたらすばかりか、冷媒の飽和温度の低下をもたら
してラジエータ10の温度を低下させ、ラジエータ10
での輻射放熱量を減少させる。
大きい点である。上述の如く、各冷却管3からは二相流
状態の冷媒が流れ出るので、冷媒輸送管9内は二相流に
なる。二相流の圧力損失は液または蒸気の単相流よりも
はるかに大きい。このため、冷媒循環ポンプ7の動力増
加をもたらすばかりか、冷媒の飽和温度の低下をもたら
してラジエータ10の温度を低下させ、ラジエータ10
での輻射放熱量を減少させる。
【0008】第3に、各冷却管3内を通流する冷媒の流
量変動を如何にして抑えるかと言う点である。熱供給を
受け、しかも内部に二相状態で冷媒が流れている配管が
並列に接続されている系では、二相流特有の流動不安定
現象が起こり、流量が大幅に変動することがある。
量変動を如何にして抑えるかと言う点である。熱供給を
受け、しかも内部に二相状態で冷媒が流れている配管が
並列に接続されている系では、二相流特有の流動不安定
現象が起こり、流量が大幅に変動することがある。
【0009】第4に、アキュムレータの存在である。コ
ールドプレート1を多数設けた場合には、冷媒の相変化
(蒸発)による体積増加を吸収するために大きな容積の
アキュムレータ11を必要とする。したがって、全体の
大型化を免れ得ない。また、冷媒液をアキュムレータ1
1の内部へ入れたり、外部へ出したりするための機構も
簡単ではない。
ールドプレート1を多数設けた場合には、冷媒の相変化
(蒸発)による体積増加を吸収するために大きな容積の
アキュムレータ11を必要とする。したがって、全体の
大型化を免れ得ない。また、冷媒液をアキュムレータ1
1の内部へ入れたり、外部へ出したりするための機構も
簡単ではない。
【0010】第5に、二相流体閉ループの特性は宇宙環
境でなければ確認できないと言う点である。二相流を構
成している液相と気相(蒸気)は密度が大きく異なるの
で、重力の影響を受ける。したがって、地上実験で確認
しても、その実験結果が宇宙環境で通用するとは限らな
い。理論的研究や、短時間の微少重力状態を作り出す航
空機実験や、落下塔実験等によって性能をある程度予測
することもできるが限界がある。
境でなければ確認できないと言う点である。二相流を構
成している液相と気相(蒸気)は密度が大きく異なるの
で、重力の影響を受ける。したがって、地上実験で確認
しても、その実験結果が宇宙環境で通用するとは限らな
い。理論的研究や、短時間の微少重力状態を作り出す航
空機実験や、落下塔実験等によって性能をある程度予測
することもできるが限界がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、二相流体
閉ループ方式を採用した従来の冷却装置には多くの問題
点が残されていた。そこで本発明は、上述した全ての問
題点の解消に寄与できるコールドプレートおよびこれを
用いた冷却装置を提供することを目的としている。
閉ループ方式を採用した従来の冷却装置には多くの問題
点が残されていた。そこで本発明は、上述した全ての問
題点の解消に寄与できるコールドプレートおよびこれを
用いた冷却装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明に係るコールドプレートは、一方の面側が被
冷却体に熱的に接続されるコールドプレート本体と、こ
のコールドプレート本体内で前記一方の面側に形成され
た冷媒液通路および他方の面側に形成された蒸気通路
と、前記冷媒液通路と前記蒸気通路との間に設けられて
両通路間を仕切る隔壁を構成するとともに蒸気のみを透
過させ、液体を透過させない特性を有する疎水性多孔質
材で形成された膜体とを備えている。
に、本発明に係るコールドプレートは、一方の面側が被
冷却体に熱的に接続されるコールドプレート本体と、こ
のコールドプレート本体内で前記一方の面側に形成され
た冷媒液通路および他方の面側に形成された蒸気通路
と、前記冷媒液通路と前記蒸気通路との間に設けられて
両通路間を仕切る隔壁を構成するとともに蒸気のみを透
過させ、液体を透過させない特性を有する疎水性多孔質
材で形成された膜体とを備えている。
【0013】また、本発明に係る冷却装置は、内部に冷
媒液通路と蒸気通路とを有するとともに両通路間を仕切
る隔壁が蒸気のみを透過させ、液体を透過させない特性
を有する疎水性多孔質材からなる膜体で形成され、上記
冷媒液通路の側に位置している表面が被冷却体に熱的に
接続されるコールドプレートと、このコールドプレート
の前記冷媒液通路を経由させて冷媒液を循環通流させる
冷媒液循環系と、前記膜体を透過して前記蒸気通路へ移
行した蒸気を凝縮液化させた後に前記冷媒液循環系の流
れに合流させる手段とを備えている。
媒液通路と蒸気通路とを有するとともに両通路間を仕切
る隔壁が蒸気のみを透過させ、液体を透過させない特性
を有する疎水性多孔質材からなる膜体で形成され、上記
冷媒液通路の側に位置している表面が被冷却体に熱的に
接続されるコールドプレートと、このコールドプレート
の前記冷媒液通路を経由させて冷媒液を循環通流させる
冷媒液循環系と、前記膜体を透過して前記蒸気通路へ移
行した蒸気を凝縮液化させた後に前記冷媒液循環系の流
れに合流させる手段とを備えている。
【0014】
【作用】コールドプレート内に形成されている冷媒液通
路に冷媒液を通流させると、搭載されている被冷却体の
発熱量に対応した蒸気が発生する。しかし、冷媒液通路
と蒸気通路とを仕切る膜体が蒸気のみを通過させる疎水
性多孔質材で形成されているので、冷媒液通路で発生し
た蒸気は速やかに膜体を透過して蒸気通路へと移行す
る。したがって、冷媒液通路には液相の冷媒だけが流
れ、蒸気通路には気相の冷媒だけが流れることになる。
このように、本発明では冷媒の蒸発を利用しているが、
二相流としては扱っていない。このため、二相流である
がゆえに起こる前述した問題点の全てを回避することが
できる。
路に冷媒液を通流させると、搭載されている被冷却体の
発熱量に対応した蒸気が発生する。しかし、冷媒液通路
と蒸気通路とを仕切る膜体が蒸気のみを通過させる疎水
性多孔質材で形成されているので、冷媒液通路で発生し
た蒸気は速やかに膜体を透過して蒸気通路へと移行す
る。したがって、冷媒液通路には液相の冷媒だけが流
れ、蒸気通路には気相の冷媒だけが流れることになる。
このように、本発明では冷媒の蒸発を利用しているが、
二相流としては扱っていない。このため、二相流である
がゆえに起こる前述した問題点の全てを回避することが
できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1には本発明の一実施例に係るコールドプレート
およびこれを組込んだ冷却装置が示されている。
る。図1には本発明の一実施例に係るコールドプレート
およびこれを組込んだ冷却装置が示されている。
【0016】同図において、21a,21bは、コール
ドプレートを示している。これらコールドプレート21
a,21bの一方の面側には電子機器等の被冷却体22
が熱的に接続状態に搭載されている。
ドプレートを示している。これらコールドプレート21
a,21bの一方の面側には電子機器等の被冷却体22
が熱的に接続状態に搭載されている。
【0017】コールドプレート21a,21bは、それ
ぞれコールドプレート本体23と、このコールドプレー
ト本体23内で被冷却体22が搭載されている一方の面
側に形成された冷媒液通路24と、他方の面側に形成さ
れた蒸気通路25と、冷媒液通路24と蒸気通路25と
の間に配置されて両通路間を仕切る隔壁を構成するとと
もに蒸気のみを透過させ、液体を透過させない特性を有
した膜体26とを備えている。
ぞれコールドプレート本体23と、このコールドプレー
ト本体23内で被冷却体22が搭載されている一方の面
側に形成された冷媒液通路24と、他方の面側に形成さ
れた蒸気通路25と、冷媒液通路24と蒸気通路25と
の間に配置されて両通路間を仕切る隔壁を構成するとと
もに蒸気のみを透過させ、液体を透過させない特性を有
した膜体26とを備えている。
【0018】コールドプレート本体23は、たとえば図
2に示すように、熱伝導率の良い材料で形成された2枚
の板材27a,27bを周縁部にOリング28を介在さ
せて重ね合わせるとともに、周縁部をボルト29等で締
め付けて一体化した構造となっている。
2に示すように、熱伝導率の良い材料で形成された2枚
の板材27a,27bを周縁部にOリング28を介在さ
せて重ね合わせるとともに、周縁部をボルト29等で締
め付けて一体化した構造となっている。
【0019】冷媒液通路24および蒸気通路25は、各
板材27a,27bの内面に形成された溝31,32と
膜体26とで構成されている。冷媒液通路24を構成し
ている溝31は、図3(a) に示すように、複数平行に設
けられた溝33と、各溝33の一端側を共通に接続する
溝34と、各溝33の他端側を共通に接続する溝35と
で構成されている。そして、溝34の図中左端部が冷媒
液導入口36に接続され、溝35の図中右端部が冷媒液
導出口37に接続されている。一方、蒸気通路25を構
成している溝32は、図3(b) に示すように、溝33に
対向する関係に複数平行に設けられた溝38と、各溝3
8の一端側を共通に接続する溝39と、各溝38の他端
側を共通に接続する溝40とで構成されている。そし
て、溝40の図中右端部が蒸気導出口41に接続されて
いる。
板材27a,27bの内面に形成された溝31,32と
膜体26とで構成されている。冷媒液通路24を構成し
ている溝31は、図3(a) に示すように、複数平行に設
けられた溝33と、各溝33の一端側を共通に接続する
溝34と、各溝33の他端側を共通に接続する溝35と
で構成されている。そして、溝34の図中左端部が冷媒
液導入口36に接続され、溝35の図中右端部が冷媒液
導出口37に接続されている。一方、蒸気通路25を構
成している溝32は、図3(b) に示すように、溝33に
対向する関係に複数平行に設けられた溝38と、各溝3
8の一端側を共通に接続する溝39と、各溝38の他端
側を共通に接続する溝40とで構成されている。そし
て、溝40の図中右端部が蒸気導出口41に接続されて
いる。
【0020】膜体26は、前記特性を有する、たとえば
フッ素樹脂製の疎水性多孔質材によって構成されてい
る。この膜体26は、コールドプレート本体23を組立
てるときに板材27aと27bとの間に装着されてい
る。つまり、冷媒液通路24と蒸気通路25とを仕切る
隔壁として装着されている。
フッ素樹脂製の疎水性多孔質材によって構成されてい
る。この膜体26は、コールドプレート本体23を組立
てるときに板材27aと27bとの間に装着されてい
る。つまり、冷媒液通路24と蒸気通路25とを仕切る
隔壁として装着されている。
【0021】各コールドプレート21a,21bに設け
られた冷媒液導入口36は、図1に示すように共通に接
続され、冷媒輸送管42を介して冷媒循環ポンプ43の
吐出口に接続されている。また、各コールドプレート2
1a,21bに設けられた冷媒液導出口37は共通に接
続され、冷媒輸送管44を介して冷媒循環ポンプ43の
吸込み口に接続されている。さらに、各コールドプレー
ト21a,21bに設けられた蒸気導出口41は共通に
接続され、冷媒輸送管45、ラジエータ46を介して冷
媒循環ポンプ43の吸込み口に接続されている。そし
て、上記のように構成された閉ループ内には冷媒液とし
て、たとえば水が封入されている。次に、上記のように
構成された冷却装置の作用を説明する。
られた冷媒液導入口36は、図1に示すように共通に接
続され、冷媒輸送管42を介して冷媒循環ポンプ43の
吐出口に接続されている。また、各コールドプレート2
1a,21bに設けられた冷媒液導出口37は共通に接
続され、冷媒輸送管44を介して冷媒循環ポンプ43の
吸込み口に接続されている。さらに、各コールドプレー
ト21a,21bに設けられた蒸気導出口41は共通に
接続され、冷媒輸送管45、ラジエータ46を介して冷
媒循環ポンプ43の吸込み口に接続されている。そし
て、上記のように構成された閉ループ内には冷媒液とし
て、たとえば水が封入されている。次に、上記のように
構成された冷却装置の作用を説明する。
【0022】閉ループ内に封入された冷媒液は、冷媒循
環ポンプ43の作用によって各コールドプレート21
a,21bの内部に形成された冷媒液通路24を経由し
て循環する。
環ポンプ43の作用によって各コールドプレート21
a,21bの内部に形成された冷媒液通路24を経由し
て循環する。
【0023】被冷却体22が発熱すると、この熱が冷媒
液通路24内を流れている冷媒液に伝わるので、冷媒液
の一部が蒸発する。発生した蒸気は膜体26を透過して
蒸気通路25へ速やかに移行する。蒸気通路25に移行
した蒸気は、冷媒輸送管45を介してラジエータ46に
流入し、ここで凝縮液化される。そして、液化した冷媒
は冷媒輸送管44内を流れてきた冷媒液に合流して冷媒
循環ポンプ43へ吸込まれる。
液通路24内を流れている冷媒液に伝わるので、冷媒液
の一部が蒸発する。発生した蒸気は膜体26を透過して
蒸気通路25へ速やかに移行する。蒸気通路25に移行
した蒸気は、冷媒輸送管45を介してラジエータ46に
流入し、ここで凝縮液化される。そして、液化した冷媒
は冷媒輸送管44内を流れてきた冷媒液に合流して冷媒
循環ポンプ43へ吸込まれる。
【0024】このように構成された冷却装置では、各コ
ールドプレート21a,21bの各冷媒液通路24内で
発生した蒸気が各膜体26を透過して速やかに蒸気通路
25へと移行する。このため、各冷媒液通路24には実
質的に冷媒が液単相の状態で流れることになる。したが
って、各冷媒液通路24への流量調整は不要となる。ま
た、冷媒輸送管44には液のみが流れ、冷媒輸送管45
には蒸気のみが流れるので、二相流の状態で流した場合
に比べて圧力損失を小さくできる。したがって、冷媒循
環ポンプ43の小型化を図れるばかりか、ラジエータ4
6での放熱量低下も防止できる。さらに、上記構成の冷
却装置では、冷媒の蒸発を利用しているが、液相と気相
(蒸気)とが完全に分離され、別々のルートを流れるの
で二相流とはならない。このため、複数のコールドプレ
ートを並列に接続しても、二相流に特有の流動不安定性
が発生する虞がない。また、この閉ループではコールド
プレート21a,21bの中、冷媒輸送管44の中、冷
媒輸送管45の中がいずれもが液相または気相(蒸気)
で充満しており、冷媒の蒸発に伴う体積の増加がない。
したがって、アキュムレータを設ける必要もない。さら
に、上記構成の冷却装置では、二相流を扱っていないの
で、重力の影響を受けることがなく、地上でその特性を
確認することができる。
ールドプレート21a,21bの各冷媒液通路24内で
発生した蒸気が各膜体26を透過して速やかに蒸気通路
25へと移行する。このため、各冷媒液通路24には実
質的に冷媒が液単相の状態で流れることになる。したが
って、各冷媒液通路24への流量調整は不要となる。ま
た、冷媒輸送管44には液のみが流れ、冷媒輸送管45
には蒸気のみが流れるので、二相流の状態で流した場合
に比べて圧力損失を小さくできる。したがって、冷媒循
環ポンプ43の小型化を図れるばかりか、ラジエータ4
6での放熱量低下も防止できる。さらに、上記構成の冷
却装置では、冷媒の蒸発を利用しているが、液相と気相
(蒸気)とが完全に分離され、別々のルートを流れるの
で二相流とはならない。このため、複数のコールドプレ
ートを並列に接続しても、二相流に特有の流動不安定性
が発生する虞がない。また、この閉ループではコールド
プレート21a,21bの中、冷媒輸送管44の中、冷
媒輸送管45の中がいずれもが液相または気相(蒸気)
で充満しており、冷媒の蒸発に伴う体積の増加がない。
したがって、アキュムレータを設ける必要もない。さら
に、上記構成の冷却装置では、二相流を扱っていないの
で、重力の影響を受けることがなく、地上でその特性を
確認することができる。
【0025】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。たとえば、上記実施例では板材27b
の内面に溝32を形成し、この溝32で蒸気通路25の
一部を構成しているが、溝を設ける代わりに波板を介在
させるようにしてもよい。また、膜体の固定手段は、実
施例のようの挟み込み固定方式に限られるものではな
い。また、本発明に係るコールドプレートおよび冷却装
置は、宇宙機内に限らず地上でも使用できることは勿論
である。
るものではない。たとえば、上記実施例では板材27b
の内面に溝32を形成し、この溝32で蒸気通路25の
一部を構成しているが、溝を設ける代わりに波板を介在
させるようにしてもよい。また、膜体の固定手段は、実
施例のようの挟み込み固定方式に限られるものではな
い。また、本発明に係るコールドプレートおよび冷却装
置は、宇宙機内に限らず地上でも使用できることは勿論
である。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るコールドプ
レートでは、プレートの内部で冷媒液と冷媒の蒸気とに
完全に分離する機能を備えているので、冷媒の蒸発を利
用しているにも拘らず、冷媒の全ての流れを単相流とし
て扱うことができ、二相流が持っている不利な面の解消
に寄与できる。また、本発明に係る冷却装置では、吸熱
部に上記機能を備えたコールドプレートを用いているの
で、全体の小型化を図れ、しかも安定した冷却性能を発
揮させることができる。
レートでは、プレートの内部で冷媒液と冷媒の蒸気とに
完全に分離する機能を備えているので、冷媒の蒸発を利
用しているにも拘らず、冷媒の全ての流れを単相流とし
て扱うことができ、二相流が持っている不利な面の解消
に寄与できる。また、本発明に係る冷却装置では、吸熱
部に上記機能を備えたコールドプレートを用いているの
で、全体の小型化を図れ、しかも安定した冷却性能を発
揮させることができる。
【図1】本発明の一実施例に係る冷却装置の概略構成
図。
図。
【図2】図1におけるA−A線に沿って切断し矢印方向
に見た局部的断面図。
に見た局部的断面図。
【図3】(a) は冷媒液通路を構成する溝の配置を模式的
に示す図で、(b) は蒸気通路を構成する溝の配置を模式
的に示す図。
に示す図で、(b) は蒸気通路を構成する溝の配置を模式
的に示す図。
【図4】二相流体閉ループ方式を採用した従来の冷却装
置の概略構成図。
置の概略構成図。
21a,21b…コールドプレート、 22…被
冷却体、23…コールドプレート本体、
24…冷媒液通路、25…蒸気通路、 26…
膜体、27a,27b…板材、 3
6…冷媒液導入口、37…冷媒液導出口、
41…蒸気導出口、42,44,45…冷媒
輸送管、 43…冷媒循環ポンプ、46…ラ
ジエータ。
冷却体、23…コールドプレート本体、
24…冷媒液通路、25…蒸気通路、 26…
膜体、27a,27b…板材、 3
6…冷媒液導入口、37…冷媒液導出口、
41…蒸気導出口、42,44,45…冷媒
輸送管、 43…冷媒循環ポンプ、46…ラ
ジエータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 芳郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝小向工場内 (56)参考文献 特開 平3−117890(JP,A) 実開 平3−1588(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 7/20 B64G 1/50 F28D 15/02
Claims (2)
- 【請求項1】一方の面が被冷却体に熱的に接続されるコ
ールドプレート本体と、このコールドプレート本体内で
前記一方の面側に形成された冷媒液通路および他方の面
側に形成された蒸気通路と、前記冷媒液通路と前記蒸気
通路との間に設けられて両通路間を仕切る隔壁を構成す
るとともに蒸気のみを透過させ、液体を透過させない特
性を有する疎水性多孔質材で形成された膜体とを具備し
てなることを特徴とするコールドプレート。 - 【請求項2】内部に冷媒液通路と蒸気通路とを有すると
ともに両通路間を仕切る隔壁が蒸気のみを透過させ、液
体を透過させない特性を有する疎水性多孔質材からなる
膜体で形成され、上記冷媒液通路の側に位置している表
面が被冷却体に熱的に接続されるコールドプレートと、
このコールドプレートの前記冷媒液通路を経由させて冷
媒液を循環通流させる冷媒液循環系と、前記膜体を透過
して前記蒸気通路へ移行した蒸気を凝縮液化させた後に
前記冷媒液循環系の流れに合流させる手段とを具備して
なることを特徴とする冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3251818A JP2753159B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | コールドプレートおよびこれを用いた冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3251818A JP2753159B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | コールドプレートおよびこれを用いた冷却装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0590777A JPH0590777A (ja) | 1993-04-09 |
JP2753159B2 true JP2753159B2 (ja) | 1998-05-18 |
Family
ID=17228378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3251818A Expired - Fee Related JP2753159B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | コールドプレートおよびこれを用いた冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2753159B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN109682241A (zh) * | 2019-02-02 | 2019-04-26 | 北京交通大学 | 一种多热源相变散热装置 |
US20220236018A1 (en) * | 2019-03-15 | 2022-07-28 | Shimadzu Corporation | Cooling device |
US11716831B2 (en) * | 2019-04-22 | 2023-08-01 | Mitsubishi Electric Corporation | Electronic device |
CN111479441B (zh) * | 2020-03-18 | 2020-10-30 | 南京艾科美热能科技有限公司 | 一种数据中心机房的散热系统 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2743022B2 (ja) * | 1989-09-29 | 1998-04-22 | 昭和アルミニウム株式会社 | ヒートパイプ |
JP3001588U (ja) * | 1994-03-01 | 1994-08-30 | 義之 溝口 | 里芋の皮剥器 |
-
1991
- 1991-09-30 JP JP3251818A patent/JP2753159B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0590777A (ja) | 1993-04-09 |
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