JP2744191B2 - キャスタブル耐火物の乾燥特性の試験方法 - Google Patents
キャスタブル耐火物の乾燥特性の試験方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャスタブル耐火物の
乾燥特性の試験方法に関し、特に該施工体の乾燥時に内
部に発生する水蒸気圧力を、この施工体内部の温度を測
定することによって予測するようにした構成からなるキ
ャスタブル耐火物の乾燥特性を試験する方法に関する。
乾燥特性の試験方法に関し、特に該施工体の乾燥時に内
部に発生する水蒸気圧力を、この施工体内部の温度を測
定することによって予測するようにした構成からなるキ
ャスタブル耐火物の乾燥特性を試験する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にキャスタブル耐火物は、所要量の
水と混合し、枠内に流し込みして施工し、硬化させた
後、所要の加熱スピ−ドで加熱し、脱水乾燥して使用さ
れる。この加熱乾燥工程において、急激に加熱すると、
施工体内部が水蒸気により圧力が高まり、爆裂が発生す
る。
水と混合し、枠内に流し込みして施工し、硬化させた
後、所要の加熱スピ−ドで加熱し、脱水乾燥して使用さ
れる。この加熱乾燥工程において、急激に加熱すると、
施工体内部が水蒸気により圧力が高まり、爆裂が発生す
る。
【0003】この爆裂を防止するため、施工体に対する
加熱スピ−ド(昇温速度)が非常に重要となっている。特
に最近使用されている低セメントキャスタブルにおいて
は、施工体の通気率が小さく、施工体内部に発生した水
蒸気が抜け難いため、このトラブルの発生が多く、問題
視されている。
加熱スピ−ド(昇温速度)が非常に重要となっている。特
に最近使用されている低セメントキャスタブルにおいて
は、施工体の通気率が小さく、施工体内部に発生した水
蒸気が抜け難いため、このトラブルの発生が多く、問題
視されている。
【0004】この爆裂に伴うトラブルを解消するため、
即ち水蒸気による乾燥時の爆裂を防止するため、施工体
の昇温速度を予め設定する必要があり、このため、従来
から施工体の乾燥特性に関する各種の試験方法が数多く
提案されている。
即ち水蒸気による乾燥時の爆裂を防止するため、施工体
の昇温速度を予め設定する必要があり、このため、従来
から施工体の乾燥特性に関する各種の試験方法が数多く
提案されている。
【0005】例えば(1) キャスタブル内に圧力センサ−
を埋め込みして加熱し、内部の圧力を測定する方法
(「耐火物」40,270-278[1988]参照)、(2) サンプルを
加熱した炉内に投入し、爆裂温度を測定する方法(「耐
火物」29,19-24[1977]、同30,296-299[1978]参照)、(3)
施工物の通気率を測定する方法(「耐火物」34,69-73[1
982]参照)、(4) テストパネルを作り、バ−ナ−を使用
して実際に加熱し、爆裂の有無を調査する方法(「耐火
物」33,445-449[1981]参照)、等が知られている。
を埋め込みして加熱し、内部の圧力を測定する方法
(「耐火物」40,270-278[1988]参照)、(2) サンプルを
加熱した炉内に投入し、爆裂温度を測定する方法(「耐
火物」29,19-24[1977]、同30,296-299[1978]参照)、(3)
施工物の通気率を測定する方法(「耐火物」34,69-73[1
982]参照)、(4) テストパネルを作り、バ−ナ−を使用
して実際に加熱し、爆裂の有無を調査する方法(「耐火
物」33,445-449[1981]参照)、等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)〜(4)の試験方
法には、それぞれ長所、短所があり、決定的な方法はま
だ見いだされていない。即ち、上記(1)の「圧力センサ
−を埋め込み、これにより内部圧力を測定する方法」で
は、複雑であり、大量にテストすることは困難である。
また、上記(2)の「サンプルを加熱した炉に投入し、爆
裂温度を測定する方法」では、比較的簡単であるが、実
際との相関関係について予測することが困難である。
法には、それぞれ長所、短所があり、決定的な方法はま
だ見いだされていない。即ち、上記(1)の「圧力センサ
−を埋め込み、これにより内部圧力を測定する方法」で
は、複雑であり、大量にテストすることは困難である。
また、上記(2)の「サンプルを加熱した炉に投入し、爆
裂温度を測定する方法」では、比較的簡単であるが、実
際との相関関係について予測することが困難である。
【0007】また、上記(3)の「施工物の通気率を測定
する方法」では、通気率はその測定する圧力により大き
く異なるものであり、その測定圧力と実際の圧力との相
関関係について予測することが困難である。更に、上記
(4)の「テストパネルを加熱し、爆裂の有無を調査する
方法」では、実際的であるけれども、試験としては大が
かりになり、その都度行うことはできない。
する方法」では、通気率はその測定する圧力により大き
く異なるものであり、その測定圧力と実際の圧力との相
関関係について予測することが困難である。更に、上記
(4)の「テストパネルを加熱し、爆裂の有無を調査する
方法」では、実際的であるけれども、試験としては大が
かりになり、その都度行うことはできない。
【0008】本発明者等は、キャスタブル耐火物の乾燥
特性を試験する方法について、鋭意研究を重ねた結果、
本発明を完成したものであって、その目的は、比較的簡
単な手段で、かつ実際に則した試験方法を提供すること
にある。
特性を試験する方法について、鋭意研究を重ねた結果、
本発明を完成したものであって、その目的は、比較的簡
単な手段で、かつ実際に則した試験方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そして、本発明は、施工
体内部に発生する水蒸気の圧力を、施工体内部の温度を
測定することによって予測しようとするものであり、こ
の施工体のサンプルを所定温度(200〜600℃)に保持した
炉内に投入し、該サンプル内部の温度を測定することに
よって恒率乾燥終了時の温度を読み取り、この温度から
発生蒸気圧を予測するようにしたものである。
体内部に発生する水蒸気の圧力を、施工体内部の温度を
測定することによって予測しようとするものであり、こ
の施工体のサンプルを所定温度(200〜600℃)に保持した
炉内に投入し、該サンプル内部の温度を測定することに
よって恒率乾燥終了時の温度を読み取り、この温度から
発生蒸気圧を予測するようにしたものである。
【0010】即ち、本発明は「キャスタブル耐火物の乾
燥特性を試験する方法において、熱電対を埋込んだサン
プルを作成し、該サンプルを200〜600℃に保持した炉内
に投入し、埋込んだ熱電対でサンプル内部の温度を測定
し、恒率乾燥終了時の温度を読み取り、この温度より発
生蒸気圧を予測することを特徴とするキャスタブル耐火
物の乾燥特性の試験方法。」を要旨とする。
燥特性を試験する方法において、熱電対を埋込んだサン
プルを作成し、該サンプルを200〜600℃に保持した炉内
に投入し、埋込んだ熱電対でサンプル内部の温度を測定
し、恒率乾燥終了時の温度を読み取り、この温度より発
生蒸気圧を予測することを特徴とするキャスタブル耐火
物の乾燥特性の試験方法。」を要旨とする。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。水蒸気に
よる乾燥時の爆裂現象は、加熱により施工体内部に水蒸
気による圧力が発生し、この蒸気圧が施工体の強度より
大きくなった場合、爆裂が生じる。そこで、施工体内部
の乾燥時における蒸気圧を予め測定することが可能であ
れば、施工体の強度(引張り強さ)は予め測定し得ること
から、この両者の測定値を比較考慮して、施工体の乾燥
時における加熱スピ−ド(昇温速度)を予め設定すること
ができ、上記爆裂を防止することができる。
よる乾燥時の爆裂現象は、加熱により施工体内部に水蒸
気による圧力が発生し、この蒸気圧が施工体の強度より
大きくなった場合、爆裂が生じる。そこで、施工体内部
の乾燥時における蒸気圧を予め測定することが可能であ
れば、施工体の強度(引張り強さ)は予め測定し得ること
から、この両者の測定値を比較考慮して、施工体の乾燥
時における加熱スピ−ド(昇温速度)を予め設定すること
ができ、上記爆裂を防止することができる。
【0012】本発明は、このような施工体内部に発生す
る水蒸気の圧力を、施工体内部の温度を測定することに
よって予測しようとするものであり、詳細には、(A) 熱
電対を埋込んだサンプルを作成し、(B) このサンプルを
所定温度(200〜600℃)に保持した炉内に投入し、(C) 該
サンプル中に埋め込んだ熱電対でサンプル内部の温度を
測定し、(D) 恒率乾燥終了時の温度を読み取り、(E) こ
の温度から発生蒸気圧を予測する、方法であり、これに
よってキャスタブル耐火物の乾燥特性を予測しようとす
る方法である。
る水蒸気の圧力を、施工体内部の温度を測定することに
よって予測しようとするものであり、詳細には、(A) 熱
電対を埋込んだサンプルを作成し、(B) このサンプルを
所定温度(200〜600℃)に保持した炉内に投入し、(C) 該
サンプル中に埋め込んだ熱電対でサンプル内部の温度を
測定し、(D) 恒率乾燥終了時の温度を読み取り、(E) こ
の温度から発生蒸気圧を予測する、方法であり、これに
よってキャスタブル耐火物の乾燥特性を予測しようとす
る方法である。
【0013】サンプルを200〜600℃に保持した炉内で加
熱すると、含有水が蒸発して乾燥するが、乾燥終了時に
含有水の蒸発潜熱がなくなり、このため温度が急に上昇
し、変曲点がみられる。
熱すると、含有水が蒸発して乾燥するが、乾燥終了時に
含有水の蒸発潜熱がなくなり、このため温度が急に上昇
し、変曲点がみられる。
【0014】この変曲点について、図3を参照して説明
する。図3は、後記する本発明の実施例により測定した
「測温チャ−トを示す図」であり、図中点線は表面部の
昇温曲線であり、実線は中芯部の昇温曲線である。この
図3から、中芯部の昇温曲線上の“220℃、35min.”箇
所に変曲点が認められる。
する。図3は、後記する本発明の実施例により測定した
「測温チャ−トを示す図」であり、図中点線は表面部の
昇温曲線であり、実線は中芯部の昇温曲線である。この
図3から、中芯部の昇温曲線上の“220℃、35min.”箇
所に変曲点が認められる。
【0015】本発明は、この変曲点を“恒率乾燥終了時
温度”とし、この温度から図10、図11に示す周知の「飽
和水蒸気圧表(圧力基準)」(出典:中央熱管理協議会編
“熱管理技術講義”(丸善))に基づいて蒸気圧を読みと
り、恒率乾燥終了時温度における蒸気圧を予測するもの
である(詳細は、後記実施例参照)。
温度”とし、この温度から図10、図11に示す周知の「飽
和水蒸気圧表(圧力基準)」(出典:中央熱管理協議会編
“熱管理技術講義”(丸善))に基づいて蒸気圧を読みと
り、恒率乾燥終了時温度における蒸気圧を予測するもの
である(詳細は、後記実施例参照)。
【0016】上記変曲点について、さらに説明すると、
本発明者等は、200℃、300℃、400℃、600℃、800℃の
各温度でサンプルを加熱した場合の“測定温度と恒率乾
燥終了時温度の関係”を調べた。その結果を図5〜9に
示す。このサンプルとしては、Al2O3:85%、SiO2:9%
の低セメント高アルミナ質よりなり、熱電対を埋込んだ
75φ×80h形状の試料を用いた。また、加熱炉として
は、上記各温度に保持した炭化珪素発熱体電気炉を使用
した。なお、図5〜9中点線はサンプルの表面部におけ
る昇温曲線であり、実線はその中芯部における昇温曲線
である。
本発明者等は、200℃、300℃、400℃、600℃、800℃の
各温度でサンプルを加熱した場合の“測定温度と恒率乾
燥終了時温度の関係”を調べた。その結果を図5〜9に
示す。このサンプルとしては、Al2O3:85%、SiO2:9%
の低セメント高アルミナ質よりなり、熱電対を埋込んだ
75φ×80h形状の試料を用いた。また、加熱炉として
は、上記各温度に保持した炭化珪素発熱体電気炉を使用
した。なお、図5〜9中点線はサンプルの表面部におけ
る昇温曲線であり、実線はその中芯部における昇温曲線
である。
【0017】図5から200℃の加熱では、昇温スピ−ド
が遅いため、中芯部における昇温曲線上に変曲点が現れ
ず、一方、図9から800℃の加熱では、逆に昇温スピ−
ドが早くなり、同じく変曲点が出現しないのみならず、
サンプルの爆裂の可能性が高くなることが認められた。
これに対して、300℃、400℃、600℃の各温度の加熱で
は、図6〜8から明かなように、サンプル中芯部の昇温
曲線上に「215℃、54.8min.」、「245℃、31.7min.」、
「250℃、14.1min.」の各箇所に変曲点が認められた。
が遅いため、中芯部における昇温曲線上に変曲点が現れ
ず、一方、図9から800℃の加熱では、逆に昇温スピ−
ドが早くなり、同じく変曲点が出現しないのみならず、
サンプルの爆裂の可能性が高くなることが認められた。
これに対して、300℃、400℃、600℃の各温度の加熱で
は、図6〜8から明かなように、サンプル中芯部の昇温
曲線上に「215℃、54.8min.」、「245℃、31.7min.」、
「250℃、14.1min.」の各箇所に変曲点が認められた。
【0018】以上、図5〜9から本発明において、サン
プルを加熱する温度としては、200〜600℃とするのが好
ましく、300〜500℃がより好ましい。200℃未満では、
前記図5からみて、昇温スピ−ドが遅いため、変曲点が
現れないので、本発明の試験方法を適用することができ
ず、また、600℃を越える温度でも、前記図9からみ
て、変曲点が出現せず、爆裂の可能性が高くなるので、
同じく本発明の試験方法を適用することができない。
プルを加熱する温度としては、200〜600℃とするのが好
ましく、300〜500℃がより好ましい。200℃未満では、
前記図5からみて、昇温スピ−ドが遅いため、変曲点が
現れないので、本発明の試験方法を適用することができ
ず、また、600℃を越える温度でも、前記図9からみ
て、変曲点が出現せず、爆裂の可能性が高くなるので、
同じく本発明の試験方法を適用することができない。
【0019】なお、前記各変曲点(恒率乾燥終了時の温
度)に対応する蒸気圧は、前記図11に基づいて予測する
と、 ・図6(at 300℃)の「215℃」→「21kg/cm2」 ・図7(at 400℃)の「245℃」→「37kg/cm2」 ・図8(at 600℃)の「250℃」→「41kg/cm2」 であることが理解できる。
度)に対応する蒸気圧は、前記図11に基づいて予測する
と、 ・図6(at 300℃)の「215℃」→「21kg/cm2」 ・図7(at 400℃)の「245℃」→「37kg/cm2」 ・図8(at 600℃)の「250℃」→「41kg/cm2」 であることが理解できる。
【0020】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1及び図2に基づ
いて説明する。図1は、本発明の熱電対を埋込んだサン
プルの1例を示す斜視図であり、図2は、本発明の方法
で使用する電気炉の1例を示す斜視図である。
いて説明する。図1は、本発明の熱電対を埋込んだサン
プルの1例を示す斜視図であり、図2は、本発明の方法
で使用する電気炉の1例を示す斜視図である。
【0021】図1に示すように、中央に熱電対2を埋込
んだ70〜80φ×70〜80mmのサンプル1を施工した。こ
のサンプル1を脱枠後、200℃〜600℃に保持した電気炉
3(図2参照)に投入し、経過時間とサンプル1の中芯温
度を測定した。なお、図2中、1はサンプル、2aは温
度計、4はサンプル投入口、5はヒ−タ−である。
んだ70〜80φ×70〜80mmのサンプル1を施工した。こ
のサンプル1を脱枠後、200℃〜600℃に保持した電気炉
3(図2参照)に投入し、経過時間とサンプル1の中芯温
度を測定した。なお、図2中、1はサンプル、2aは温
度計、4はサンプル投入口、5はヒ−タ−である。
【0022】この経時的測定値より変曲点温度(恒率乾
燥終了時の温度)を読み取り、この温度に対する水蒸気
圧力を、前記図10、図11の「飽和水蒸気圧表(圧力基
準)」より予測する。そして、該予測値を基にして、そ
の材料の引張り強度とから施工体の乾燥加熱スピードを
設定することができる。
燥終了時の温度)を読み取り、この温度に対する水蒸気
圧力を、前記図10、図11の「飽和水蒸気圧表(圧力基
準)」より予測する。そして、該予測値を基にして、そ
の材料の引張り強度とから施工体の乾燥加熱スピードを
設定することができる。
【0023】本発明の一実施例である試験方法について
具体的に説明すると、Al2O3:58%、SiO2:39%、混練
水分:7%(低セメント高アルミナ質キャスタブル)よ
り、熱電対を埋込んだ75φ×80h形状のサンプルを作製
し、10℃/24時間養生した。このサンプルを400℃に保
持した電気炉内に投入し、その表面部及び中芯部の温度
を経時的に測定した。測定結果を図3に示す。なお、図
3中点線は、表面部の昇温曲線であり、実線は、中芯部
の昇温曲線である。
具体的に説明すると、Al2O3:58%、SiO2:39%、混練
水分:7%(低セメント高アルミナ質キャスタブル)よ
り、熱電対を埋込んだ75φ×80h形状のサンプルを作製
し、10℃/24時間養生した。このサンプルを400℃に保
持した電気炉内に投入し、その表面部及び中芯部の温度
を経時的に測定した。測定結果を図3に示す。なお、図
3中点線は、表面部の昇温曲線であり、実線は、中芯部
の昇温曲線である。
【0024】図3から、表面部の昇温曲線上には変曲点
が認められないが、中芯部の昇温曲線上に“220℃、35m
in.”の箇所に変曲点が認められる。図3の変曲点“220
℃”における蒸気圧は、前記した図11より24kg/cm
2であると予測することができる。
が認められないが、中芯部の昇温曲線上に“220℃、35m
in.”の箇所に変曲点が認められる。図3の変曲点“220
℃”における蒸気圧は、前記した図11より24kg/cm
2であると予測することができる。
【0025】図4に、各サンプルのデ−タを基にした
「爆裂限界温度」、「乾燥後引張り強さ」と「恒率乾燥
終了時温度」の関係を示す。なお、図4における(1)使
用サンプル(試料)の種類、(2)恒率乾燥終了時温度の測
定、(3)引張り強さの測定、(4)爆裂限界温度の測定は、
次のとおりである。
「爆裂限界温度」、「乾燥後引張り強さ」と「恒率乾燥
終了時温度」の関係を示す。なお、図4における(1)使
用サンプル(試料)の種類、(2)恒率乾燥終了時温度の測
定、(3)引張り強さの測定、(4)爆裂限界温度の測定は、
次のとおりである。
【0026】(1) サンプル 各種Al2O3−SiO2系キャスタブルを所定水分で流し込み
し、10℃/24時間養生した試料(形状:80φ×80mm)を
使用した。 (2) 恒率乾燥終了時温度の測定 各試料を400℃に保持した電気炉に投入して測定した。 (3) 引張り強さ コンクリートの引張強度試験方法「JIS A1113」により
測定した。 (4) 爆裂限界温度の測定 試料は、その形状を含めて恒率乾燥終了時温度を測定し
た試料と同様なものを使用し、該試料を所定温度(400
℃、500℃、600℃、800℃、900℃、1000℃)に保持した
電気炉に投入して爆裂するかどうかを調査し、その爆裂
を起こした最低温度を測定し、該温度を「爆裂限界温
度」とした。
し、10℃/24時間養生した試料(形状:80φ×80mm)を
使用した。 (2) 恒率乾燥終了時温度の測定 各試料を400℃に保持した電気炉に投入して測定した。 (3) 引張り強さ コンクリートの引張強度試験方法「JIS A1113」により
測定した。 (4) 爆裂限界温度の測定 試料は、その形状を含めて恒率乾燥終了時温度を測定し
た試料と同様なものを使用し、該試料を所定温度(400
℃、500℃、600℃、800℃、900℃、1000℃)に保持した
電気炉に投入して爆裂するかどうかを調査し、その爆裂
を起こした最低温度を測定し、該温度を「爆裂限界温
度」とした。
【0027】恒率乾燥終了時の温度は、サンプル(試料)
内部に発する水蒸気圧を予測するものであり、図4にお
いて、この温度が200℃以下の場合(図4の○印)、予想
水蒸気圧は1.6MPa以下であり、200〜250℃の場合(図4
の□印)、1.6〜4.0MPaであり、また、250〜300℃の場合
(図4の●印)、4.0〜8.0MPaである。一方、引張り強さ
は、サンプルそのものの強さであり、図4は、その乾燥
後引張り強さ(MPa)を横軸にとり、縦軸に爆裂限界温度
(×10℃)をとったグラフである。
内部に発する水蒸気圧を予測するものであり、図4にお
いて、この温度が200℃以下の場合(図4の○印)、予想
水蒸気圧は1.6MPa以下であり、200〜250℃の場合(図4
の□印)、1.6〜4.0MPaであり、また、250〜300℃の場合
(図4の●印)、4.0〜8.0MPaである。一方、引張り強さ
は、サンプルそのものの強さであり、図4は、その乾燥
後引張り強さ(MPa)を横軸にとり、縦軸に爆裂限界温度
(×10℃)をとったグラフである。
【0028】ところで、サンプル(試料)内部に発生する
水蒸気の圧力がそのものの引張り強さ以上になると、理
論上爆裂が発生することになる。しかしながら、実際の
場合、加熱により強度の発現が異なり、また、水蒸気圧
も異なるため、図4に示すように、発生水蒸気圧が引張
強度を越えると直ちに爆裂するとは言い難いが、その傾
向は、図4から十分把握することができる。
水蒸気の圧力がそのものの引張り強さ以上になると、理
論上爆裂が発生することになる。しかしながら、実際の
場合、加熱により強度の発現が異なり、また、水蒸気圧
も異なるため、図4に示すように、発生水蒸気圧が引張
強度を越えると直ちに爆裂するとは言い難いが、その傾
向は、図4から十分把握することができる。
【0029】即ち、恒率乾燥終了時温度が低く、引張強
度の高いものでは、早い昇温速度で乾燥することが可能
であり、逆に、恒率乾燥終了時温度が高く、引張強度の
低いものでは、乾燥時の昇温速度をゆっくりとする必要
があることが理解できる。このように、本発明による測
定デ−タ(恒率乾燥終了時温度の測定値)で耐爆裂性のラ
ンク付けがすることができる。
度の高いものでは、早い昇温速度で乾燥することが可能
であり、逆に、恒率乾燥終了時温度が高く、引張強度の
低いものでは、乾燥時の昇温速度をゆっくりとする必要
があることが理解できる。このように、本発明による測
定デ−タ(恒率乾燥終了時温度の測定値)で耐爆裂性のラ
ンク付けがすることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、施工体
のサンプルを所定温度(200〜600℃)に保持した炉内に投
入し、該サンプル内部の温度を測定することによって恒
率乾燥終了時の温度を読み取り、この温度から発生蒸気
圧を予測するようにしたものであり、このように比較的
簡単であり、測定時間も一試料当たり30分程度であり、
大量に測定することができる効果が生じる。
のサンプルを所定温度(200〜600℃)に保持した炉内に投
入し、該サンプル内部の温度を測定することによって恒
率乾燥終了時の温度を読み取り、この温度から発生蒸気
圧を予測するようにしたものであり、このように比較的
簡単であり、測定時間も一試料当たり30分程度であり、
大量に測定することができる効果が生じる。
【0031】また、本発明では、発生する水蒸気圧を予
測することができるので、非常に現実的であり、キャス
タブル耐火物の乾燥特性を容易に、しかも簡単に予測す
ることができる効果が生じる。そして、本発明の試験方
法により、キャスタブル耐火物施工体の乾燥時の昇温速
度を、各施工体に応じ容易に、しかも正確に設定するこ
とができる。
測することができるので、非常に現実的であり、キャス
タブル耐火物の乾燥特性を容易に、しかも簡単に予測す
ることができる効果が生じる。そして、本発明の試験方
法により、キャスタブル耐火物施工体の乾燥時の昇温速
度を、各施工体に応じ容易に、しかも正確に設定するこ
とができる。
【図1】本発明の方法における測定用試料の1例を示す
概要図。
概要図。
【図2】本発明の方法で使用する加熱用電気炉の1例を
示す概要図。
示す概要図。
【図3】測温チャ−トの1例を示す図。
【図4】爆裂限界温度、乾燥後引っ張り強さと恒率乾燥
終了時の温度の関係図。
終了時の温度の関係図。
【図5】200℃での測定温度と恒率乾燥終了時温度の関
係図。
係図。
【図6】300℃での測定温度と恒率乾燥終了時温度の関
係図。
係図。
【図7】400℃での測定温度と恒率乾燥終了時温度の関
係図。
係図。
【図8】600℃での測定温度と恒率乾燥終了時温度の関
係図。
係図。
【図9】800℃での測定温度と恒率乾燥終了時温度の関
係図。
係図。
【図10】飽和水蒸気圧表(圧力基準)を示す図。
【図11】図10に続く飽和水蒸気圧表(圧力基準)を示
す図。
す図。
1 サンプル 2 熱電対 2a 温度計 3 電気炉 4 試料投入口 5 ヒ−タ−
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/38 B28B 11/00 Z
Claims (1)
- 【請求項1】 キャスタブル耐火物の乾燥特性を試験す
る方法において、熱電対を埋込んだサンプルを作成し、
該サンプルを200〜600℃に保持した炉内に投入し、埋込
んだ熱電対でサンプル内部の温度を測定し、恒率乾燥終
了時の温度を読み取り、この温度より発生蒸気圧を予測
することを特徴とするキャスタブル耐火物の乾燥特性の
試験方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5200430A JP2744191B2 (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | キャスタブル耐火物の乾燥特性の試験方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5200430A JP2744191B2 (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | キャスタブル耐火物の乾燥特性の試験方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0735713A JPH0735713A (ja) | 1995-02-07 |
JP2744191B2 true JP2744191B2 (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=16424172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5200430A Expired - Fee Related JP2744191B2 (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | キャスタブル耐火物の乾燥特性の試験方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2744191B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4909184B2 (ja) * | 2007-06-07 | 2012-04-04 | 黒崎播磨株式会社 | 不定形耐火物の耐爆裂性評価方法及び評価装置、溶融金属容器の内張り耐火物の形成方法、並びにプログラム |
JP6118137B2 (ja) * | 2013-02-28 | 2017-04-19 | 五洋建設株式会社 | 簡易耐火試験方法 |
CN106198301B (zh) * | 2016-07-13 | 2019-10-01 | 辽宁科技大学 | 一种制定耐火浇注料烘烤制度的方法及装置 |
JP7329405B2 (ja) * | 2019-09-30 | 2023-08-18 | 群栄化学工業株式会社 | 再生無機繊維の製造方法及び無機繊維製品の製造方法 |
-
1993
- 1993-07-20 JP JP5200430A patent/JP2744191B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0735713A (ja) | 1995-02-07 |
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