JP2742823B2 - ヒートパイプ - Google Patents

ヒートパイプ

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JP2742823B2
JP2742823B2 JP31858089A JP31858089A JP2742823B2 JP 2742823 B2 JP2742823 B2 JP 2742823B2 JP 31858089 A JP31858089 A JP 31858089A JP 31858089 A JP31858089 A JP 31858089A JP 2742823 B2 JP2742823 B2 JP 2742823B2
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忠一 高橋
薫 長谷川
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昭和アルミニウム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えばオーディオ機器、OA機器等におけ
る放熱器として使用されるヒートパイプに関する。
従来の技術 従来、オーディオ機器やOA機器等においてトランジス
タやヒータ等の熱発生源の放熱のために主として水平状
態に設置されるヒートパイプとしては、2本のパイプを
全体としてループ状となるようにこれら両端部を連結し
て、内部に作動液を封入したいわゆるヒートループが知
られていた。
発明が解決しようとする課題 このような従来のヒートループでは、2本のパイプの
両端部を連結する作業が非常に面倒で、手間がかゝり、
製造コストが高くつくとともに、ループ状であるため、
広い設置スペースを必要とするという問題があった。
また作動液が封入されている1本の両端閉塞パイプ
(コンテナ)の内部を、中間仕切壁によって上側の気相
作動液通路と下側の液相作動液通路とに仕切るととも
に、同パイプの前後両端部の内側に、上下両通路に通じ
る作動液通過部をそれぞれ設けることにより、上記ヒー
トループと同様の作用と性能を有するヒートパイプが得
られるが、このようなヒートパイプは、オーディオ機器
等の内部に水平状態により±1.5度の許容角度をもって
この範囲内で設置されるため、例えばヒートパイプがこ
れの蒸発部(Le)を高くかつ凝縮部(Lc)を低くして1.
5度の角度で通常の状態より逆に傾斜せしめられたさい
には、コンテナ内に作動液が少なすぎると、蒸発部全体
に作動液が存在せず、一部ドライアウトしたり、あるい
はコンテナ内に作動液が多すぎると、コンテナ上側の気
相作動液通路が液相作動液によって塞がれたりして、い
ずれの場合もヒートパイプとしての機能を充分果さない
という問題があった。
この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、
ヒートパイプがこれの蒸発部(Le)を高くかつ凝縮部
(Lc)を低くして1.5度の角度で逆に傾斜せしめられた
さいにも、コンテナの蒸発部において作動波がドライア
ウトしたり、あるいはコンテナ上側の気相作動液通路が
液相作動液によって塞がれたりするようなことが全くな
く、ヒートパイプとして正常に作動することができて、
放熱性能が顕著にすぐれている、ヒートパイプを提供す
ることにある。
課題を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、作動液が
封入されている両端閉塞角筒形コンテナの内部が、中間
仕切壁によって上側の気相作動液通路と下側の液相作動
液通路とに区分されるとともに、コンテナの前後両端部
の内側に、上下両通路に連通する気相作動液通過部と液
相作動液通過部がそれぞれ設けられ、略水平に設置され
たコンテナの前部がトランジスタ等の発熱体が取り付け
られるべき蒸発部(Le)となされ、同後部が外面にフィ
ンを有するかまたはコンテナに連通する中空状張出部を
有する凝縮部(Lc)となされているヒートパイプであっ
て、コンテナ底壁上面から上壁下面までの全高さをHと
すると、中間仕切壁が0.25H〜0.7Hの高さに設けられて
おり、コンテナ底壁上面から中間仕切壁の下面までの高
さをHa、および中間仕切壁の上面からコンテナ上壁下面
までの高さをHbとすると、ヒートパイプをこれの蒸発部
(La)を高くかつ凝縮部(Lc)を低くして1.5度の角度
で傾斜せしめたさい、コンテナ蒸発部(Le)前端におけ
る作動液の上面のレベル(h1)が0.8Haより高くかつ0.1
Hbより低くなるとともに、凝縮部(Lc)前端における作
動液の上面のレベル(h2)が0.8Hbより高くかつ1.0Hbよ
り低くなるようにコンテナの内部に作動液が封入されて
いる、ヒートパイプを要旨としている。
上記において、中間仕切壁が0.25H未満の高さに設け
られておれば、中間仕切壁下側の液相作動液通路が狭く
なりすぎて、液相作動液の通過が妨げられるので、好ま
しくない。また中間仕切壁が0.7Hを越える高さに設けら
れておれば、今度は中間仕切壁上側の気相作動液通路が
狭くなって作動液が充分気化することができず、かつ内
圧が高くなってさらに蒸発が押さえられ、移動する気相
作動液の量も少なくなるので、好ましくない。
またコンテナの内部に封入される作動液の量は、つぎ
のように定められる。
すなわち、ヒートパイプは通常水平状態に設置して使
用されるものであるが、オーディオ機器等の内部の状態
によってはヒートパイプをこれの蒸発部(Le)を高くか
つ凝縮部(Lc)を低くして1.5度の角度でいわば逆に傾
斜せしめたさい、コンテナ蒸発部(Le)前端における作
動液の上面のレベル(h1)が0.8Haより高くかつ0.1Hbよ
り低く、好ましくは0.9Haより高くかつ0.05Hbより低く
なるとともに、凝縮部(Lc)前端における作動液の上面
のレベル(h2)が1.0Hbより低くかつ0.8Hbより高く、好
ましくは1.0Hbより低くかつ0.85Hbより高くなるよう
に、作動液の量を設定する。
ここで、蒸発部(Le)前端における作動液の上面のレ
ベル(h1)が0.8Ha未満であれば、コンテナ内の作動液
の量が少なすぎて、蒸発部に作動液が存在せず、一部ド
ライアウトしたりする場合があるので、好ましくない。
また作動液の上面のレベル(h1)が0.1Hbを越えて高い
場合には、コンテナ内の作動液の量が多すぎて、コンテ
ナ上側の気相作動液通路が狭くなるので好ましくない。
これらいずれの場合にもヒートパイプとして充分な作用
効果を期待できない。
またヒートパイプの凝縮部(Lc)前端における作動液
の上面のレベル(h2)が0.8Hbより高くかつ1.0Hbより低
いものとされている。すなわち、これは作動液の上面が
凝縮部(Lc)前端においてコンテナ上壁の下面に接して
いることを意味しており、作動液の上面が凝縮部(Lc)
前端よりも蒸発部(Le)側においてコンテナ上壁の下面
に接する場合は、コンテナ内の作動液の量が多くなりす
ぎて、コンテナ上側の気相作動液通路が塞がれるので好
ましくない。また凝縮部(Lc)前端における作動液の上
面のレベル(h2)が0.8Hb未満より低くなれば、コンテ
ナ内の作動液の量が少なすぎて、蒸発部においてドライ
アウトしたりするので、好ましくない。
作用 上記ヒートパイプによれば、コンテナの蒸発部(Le)
においてトランジスタ等の発熱体からの熱を吸収して蒸
発した気相作動液は、中間仕切壁前端の気相作動液通過
部を通って仕切壁上側の気相作動液通路に移行し、この
通路内を今度は反対向きに流れて、凝縮部(Lc)に至
り、凝縮部(Lc)の外面にフィンが設けられている場
合、ここで気相作動液の保有する熱がコンテナの壁面お
よびフィンを介して外部に放出されて、気相作動液が液
化する。そしてこの液相作動液が、中間仕切壁後端の液
相作動液通過部を通って仕切壁下側の通路に移行し、こ
の通路内を流れて、蒸発部(Le)に戻り、結局作動液
は、コンテナ内をスムーズに循環する。そしてこの場
合、コンテナ底壁上面から上壁下面までの全高さをHと
すると、中間仕切壁が0.25H〜0.7Hの高さに設けられて
いるとともに、コンテナ底壁上面から中間仕切壁の下面
までの高さをHa、および中間仕切壁の上面からコンテナ
上壁下面までの高さをHbとすると、コンテナの内部に作
動液が、ヒートパイプをこれの蒸発部(Le)を高くかつ
凝縮部(Lc)を低くして1.5度の角度で傾斜せしめたさ
い、コンテナ蒸発部(Le)前端における作動液の上面の
レベル(h1)が0.8Haより高くかつ0.1Hbより低くなると
ともに、凝縮部(Lc)前端における作動液の上面のレベ
ル(h2)が0.8Hbより高くかつ1.0Hbより低くなるように
封入されているから、ヒートパイプが水平状態により±
1.5度の許容角度をもってこの範囲内で設置される通常
の使用状態では、コンテナの蒸発部(Le)において作動
液がドライアウトしたり、あるいはコンテナ上側の気相
作動液通路が液相作動液によって塞がれたりするような
ことが全くなく、ヒートパイプは正常に作動することが
できて、放熱性能が顕著にすぐれているものである。
またヒートパイプのコンテナの凝縮部(Lc)に中空状
張出部が設けられている場合には、伝熱面積すなわち放
熱面積がその分だけ広くなって、作動液の蒸発と凝縮が
きわめて良好に繰り返し行なわれ、放熱性能がさらに増
大する。また中空状張出部があるため、コンテナの長さ
が短くてすみ、非常にコンパクトであるという利点があ
る。
なお、中空状張出部は、ヒートパイプの凝縮部(Lc)
において、コンテナの上面および左右両側面のうちの少
なくともいずれか一側面に設けられておれば良い。
また中空状張出部には、伝熱面積を増大するために、
これの内部にコンテナに対して直角方向にのびる中間仕
切壁を設けるのが好ましい。
実 施 例 つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて詳しく説
明する。
この明細書において、前後、左右および上下は第2図
を基準とし、前とは第2図左側、後とは同右側をいゝ、
また左とは同図図面紙葉の表側、右とは同裏側をいゝ、
上とは同図上側、下とは同下側をいうものとする。
まずこの発明の第1実施例を示す第1図と第2図にお
いて、例えばオーディオ機器およびOA機器等の放熱器と
して使用されるヒートパイプ(1)はいわゆるウィック
レス式であって、作動液が封入されているアルミニウム
(アルミニウム合金を含む)製の両端閉塞角筒形コンテ
ナ(2)の内部が、中間仕切壁(3)によって上側の気
相作動液通路(6)と下側の液相作動液通路(7)とに
区分されるとともに、コンテナ(2)の前後両端部の内
側に、上下両通路(6)(7)に連通する気相作動液通
過部(8)と液相作動液通過部(9)がそれぞれ設けら
れ、略水平に設置されたコンテナ(2)の前部がトラン
ジスタ等の発熱体が取り付けられるべき蒸発部(Le)と
なされ、同後部が外面に並列状のプレート・フィン(1
0)を有する凝縮部(Lc)となされている。
ここで、第2図に示すように、ヒートパイプ(1)の
コンテナ底壁(4)上面から上壁(5)下面までの全高
さをHとすると、中間仕切壁(3)が0.25H〜0.7Hの高
さに設けられている。
またコンテナ底壁(4)上面から中間仕切壁(3)の
下面までの高さをHa、および中間仕切壁(3)の上面か
らコンテナ上壁(5)下面までの高さをHbとすると、ヒ
ートパイプをこれの蒸発部(Le)を高くかつ凝縮部(L
c)を低くして、水平面からの角度(θ)が1.5度となる
ように逆に傾斜せしめたさい、コンテナ蒸発部(Le)前
端における作動液の上面のレベル(h1)が0.8Haより高
くかつ0.1Hbより低くなるとともに、凝縮部(Lc)前端
における作動液の上面のレベル(h2)が0.8Hbより高く
かつ1.0Hbより低くなるようにコンテナ(2)の内部に
作動液が封入されている。
なお、中間仕切壁(3)の厚みをHGとすると、ヒート
パイプの全高さH=Ha+HG+Hbとなる。
上記ヒートパイプ(1)は、アルミニウム押出型材製
の角筒形のコンテナ本体と、これの前後両端部を塞ぐ一
対のエンド・キャップと、凝縮部(Lc)の外面に設けら
れたアルミニウム・ブレージングシート製の並列状のプ
レート・フィン(10)とよりなるものである。
コンテナ本体の前後両端部においては、中間仕切壁
(3)の両端部が所定長さ切り欠かれることにより、上
下両通路(6)(7)に連通する気相作動液通過部
(8)と液相作動液通過部(9)とがそれぞれ形成され
ている。
ヒートパイプ(1)は、これらのすべてのヒートパイ
プ構成部材を治具を用いて組み合わせたのち、例えば真
空ろう付け法により一括ろう付けされて、製造されるも
のである。
なお、図示は省略したが、前側のエンドキャップの所
要箇所にノズルを設けておき、真空ろう付け後、このノ
ズルを通してコンテナ内に、水やフロン等の作動液を所
定量導入し、導入後ノズルを閉鎖する。また図示のコン
テナ(2)の凝縮部(Lc)の外面にはプレート・フィン
(10)が設けられているが、これはその他コルゲート・
フィンなどであっても良い。
この発明によるヒートパイプ(1)には、トランジス
タ等の発熱体(20)をヒートパイプ(1)のフィン(1
0)の無い蒸発部(Le)に取り付ける。すると、この蒸
発部(Le)において作動液がトランジスタ等の発熱体
(20)からの熱を吸収して蒸発し、蒸発した気相作動液
は、中間仕切壁(3)前端の気相作動液通過部(8)を
通って仕切壁(3)上側の気相作動液通路(6)に移行
し、この通路(6)内を今度は反対向きに流れて、凝縮
部(Lc)に至る。この実施例では、凝縮部(Lc)の外面
にフィン(10)が設けられているので、ここで気相作動
液の保有する熱がコンテナの壁面およびフィン(10)を
介して外部に放出されて、気相作動液が液化する。そし
てこの液相作動液が、中間仕切壁(3)後端の液相作動
液通過部を通って仕切壁(3)下側の通路に移行し、こ
の通路内を流れて、蒸発部(Le)に戻り、結局作動液
は、コンテナ内をスムーズに循環する。
上記のように、コンテンナ(2)の中間仕切壁(3)
が0.25H〜0.7Hの高さに設けられているとともに、コン
テナの内部に作動液が、ヒートパイプ(1)をこれの蒸
発部(Le)を高くかつ凝縮部(Lc)を低くして1.5度の
角度でいわば逆に傾斜せしめたさい、コンテナ蒸発部
(Le)前端における作動液の上面のレベル(h1)が0.8H
aより高くかつ0.1Hbより低くなるとともに、凝縮部(L
c)前端における作動液の上面のレベル(h2)が0.8Hbよ
り高くかつ1.0Hbより低くなるように封入されているか
ら、ヒートパイプ(1)が水平状態より±1.5度の許容
角度をもってこの範囲内で設置される通常の使用状態で
は、コンテナの蒸発部(Le)において作動液がドライア
ウトしたり、あるいはコンテナ上側の気相作動液通路
(6)が液相作動液によって塞がれたりするようなこと
が全くなく、ヒートパイプ(1)は正常に作動すること
ができて、放熱性能が顕著にすぐれているものである。
比較試験例 全長485mm、幅6mm、および高さ16mmを有しかつ底壁
(4)および上壁(5)等の各壁の厚みが1mmであるア
ルミニウム製コンテナ(2)を用意した。このコンテナ
(2)の底壁(4)上面から上壁(5)下面までの全高
さHは14mmであり、また中間仕切壁(3)の厚みHGは1m
mであった。従ってコンテナ底壁(4)上面から中間仕
切壁(3)の下面までの高さHaは5.5mm、および中間仕
切壁(3)の上面からコンテナ上壁(5)下面までの高
さHbは7.5mmであった。
そしてこのコンテナ(2)内に、水よりなる作動液を
上記の条件、すなわち水平面からの角度(θ)が1.5度
となるようにヒートパイプ(1)を逆に傾斜させたさ
い、コンテナ蒸発部(Le)前端における作動液の上面の
レベル(h1)が0.8Haより高くかつ0.1Hbより低くなると
ともに、凝縮部(Lc)前端における作動液の上面のレベ
ル(h2)が0.8Hbより高くかつ1.0Hbより低くなる条件を
満足するように封入して、この発明によるヒートパイプ
(1)を製造した。
そして、この発明によるヒートパイプ(1)の蒸発部
(Le)に、第1図に示すように、トランジスタよりなる
発熱体(20)を数個取り付けて、これを所定のオーディ
オ機器内に組み込み、ヒートパイプ(1)をこれの蒸発
部(Le)を高くかつ凝縮部(Lc)を低くして水平面から
の角度(θ)が1.5度となるように逆に傾斜させ、該ヒ
ートパイプ(1)を放熱器として使用した。
そして、蒸発部(Le)において最前の発熱体(20)の
温度を(T1)、最後の発熱体(20)の温度を(T2)とし
て、両発熱体(20)(20)の温度差ΔT(T2−T2)と、
凝縮部(Lc)における放熱量Qとの関係を測定し、得ら
れた結果を第3図に示した。
また比較のために、上記と同じサイズのコンテナ
(2)内に作動液を、水平面からの角度(θ)が1.5度
となるようにヒートパイプ(1)を逆に傾斜させたさ
い、コンテナ蒸発部(Le)前端における作動液の上面の
レベル(h1)が0.7Ha、および凝縮部(Lc)前端におけ
る作動液の上面のレベル(h2)が0.7Hbとなるように封
入して、比較例のヒートパイプを製作し、この比較例の
ヒートパイプに上記と同様に発熱体(20)を取り付け
て、蒸発部(Le)における発熱体(20)(20)の温度差
ΔT(T2−T1)と、凝縮部(Lc)における放熱量Qとの
関係を測定し、得られた結果を第3図にあわせて示し
た。
この第3図から明らかなように、この発明によるヒー
トパイプ(1)によれば、時間の経過と共に放熱量Qが
増大しても、前後両端の発熱体(20)(20)の温度差Δ
T(T2−T1)は少ない状態に保持されており、従ってヒ
ートパイプ(1)は正常に作動していて、放熱性能がす
ぐれているものである。
これに対し、比較例のヒートパイプにによれば、放熱
量Qが増大すると、前後両端の発熱体(20)(20)の温
度差ΔT(T2−T1)も大幅に増大しており、これはコン
テナの蒸発部(Le)において作動液がドライアウトして
いるものと考えられる。
第4図と第5図はこの発明の第2実施例を示すもので
ある。ここで、上記第1実施例の場合と異なる点は、ヒ
ートパイプ(1)の凝縮部(Lc)にコンテナ(2)に連
通しかつ頂壁を有する角筒形の中空状張出部(11)が上
方突出状に設けられている点にある。この中空状張出部
(11)には、伝熱面積すなわち放熱面積を拡げるため
に、これの外面に並列状のプレート・フィン(10)が設
けられているとともに、これの内部にコンテナ(2)に
対して直角方向にのびている並列状の仕切壁(12)が略
全長にわたって設けられ、これらの並列状仕切壁(12)
の上端部が切り欠かれることにより、頂壁の内側に、作
動液通過部(13)が設けられている。
この第2実施例によるヒートパイプ(1)は、中空状
張出部(11)が設けられているから、伝熱面積すなわち
放熱面積が中空状張出部(11)の分だけ広くなって、放
熱性能が顕著にすぐれている。また中空状張出部(11)
があるため、コンテナ本体(2)の長さが短くてすみ、
非常にコンパクトである。なお、中空状張出部(11)内
の並列状の仕切壁(12)は、これを省略しても良い。
この第2実施例のその他の点は、上記第1実施例の場
合と同様であるので、図面において同一のものには同一
の符号を付した。
第6図と第7図はこの発明の第3実施例を示すもので
ある。この第3実施例において、ヒートパイプ(1)の
凝縮部(Lc)にコンテナ(2)に連通す中空状張出部
(11)が上方突出状に設けられている点は上記第2実施
例の場合と同様であるが、中空状張出部(11)の下端部
がコンテナ(2)の上壁(5)の長孔より中間仕切壁
(3)のレベルまで差し込まれているとともに、中空状
張出部(11)の前側壁の下端部に開口部(14)が設けら
れている点、また中空状張出部(11)の上端部に、作動
液通過用凹部を有する蓋が被せられて、この蓋の内側
に、作動液通過部(15)が形成されている点、およびこ
れによって中空状張出部(11)の前から1番目の垂直方
向の通路(16)が気相作動液の上昇通路となされ、残り
の垂直方向の通路(17)が液相作動液の流下通路となさ
れている点は上記第2実施例の場合と異なっている。
この第3実施例のその他の点は上記第2実施例の場合
と同様であるので、図面において同一のものには同一の
符号を付した。
発明の効果 この発明は、上述のように、作動液が封入されている
両端閉塞角筒形コンテナの内部が、中間仕切壁によって
上側の気相作動液通路と下側の液相作動液通路とに区分
されるとともに、コンテナの前後両端部の内側に、上下
両通路に連通する気相作動液通過部と液相作動液通過部
がそれぞれ設けられ、略水平に設置されたコンテナの前
部がトランジスタ等の発熱体が取り付けられるべき蒸発
部(Le)となされ、同後部が外面にフィンを有するかま
たはコンテナに連通する中空状張出部を有する凝縮部
(Lc)となされているヒートパイプであって、コンテナ
底壁上面から上壁下面までの全高さをHとすると、中間
仕切壁が0.25H〜0.7Hの高さに設けられており、コンテ
ナ底壁上面から中間仕切壁の下面までの高さをHa、およ
び中間仕切壁の上面からコンテナ上壁下面までの高さを
Hbとすると、ヒートパイプをこれの蒸発部(Le)を高く
かつ凝縮部(Lc)を低くして1.5度の角度で傾斜せしめ
たさい、コンテナ蒸発部(Le)前端における作動液の上
面のレベル(h1)が0.8Haより高くかつ0.1Hbより低くな
るとともに、凝縮部(Lc)前端における作動液の上面の
レベル(h2)が0.8Hbより高くかつ1.0Hbより低くなるよ
うにコンテナの内部に作動液が封入されているものであ
るから、ヒートパイプがこれの蒸発部(Le)を高くかつ
凝縮部(Lc)を低くして1.5度の角度で逆に傾斜せしめ
られたさいにも、コンテナの蒸発部において作動液がド
ライアウトしたり、あるいはコンテナ上側の気相作動液
通路が液相作動液によって塞がれたりするようなことが
全くなく、ヒートパイプとして正常に作動することがで
きて、放熱性能が顕著にすぐれているという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例のヒートパイプを示す部
分省略斜視図、第2図は同ヒートパイプの縦断面図、第
3図は同ヒートパイプの性能試験の結果を示すもので、
放熱量と温度差の関係を示す曲線図である。第4図はこ
の発明の第2実施例のヒートパイプを示す部分省略斜視
図、第5図は同ヒートパイプの縦断面図である。第6図
はこの発明の第3実施例のヒートパイプを示す部分省略
斜視図、第7図は同ヒートパイプの縦断面図である。 (1)……ヒートパイプ、(2)……コンテナ、(3)
……中間仕切壁、(4)……底壁、(5)……上壁、
(6)……気相作動液通路、(7)……液相作動液通
路、(8)……気相作動液通過部、(9)……液相作動
液通過部、(10)……フィン、(11)……中空状張出
部、(20)……発熱体、(Le)……蒸発部、(Lc)……
凝縮部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動液が封入されている両端閉塞角筒形コ
    ンテナ(2)の内部が、中間仕切壁(3)によって上側
    の気相作動液通路(6)と下側の液相作動液通路(7)
    とに区分されるとともに、コンテナ(2)の前後両端部
    の内側に、上下両通路(6)(7)に連通する気相作動
    液通過部(8)と液相作動液通過部(9)がそれぞれ設
    けられ、略水平に設置されたコンテナ(2)の前部がト
    ランジスタ等の発熱体が取り付けられるべき蒸発部(L
    e)となされ、同後部が外面にフィン(10)を有するか
    またはコンテナ(2)に連通する中空状張出部(11)を
    有する凝縮部(Lc)となされているヒートパイプであっ
    て、コンテナ底壁(4)上面から上壁(5)下面までの
    全高さをHとすると、中間仕切壁(3)が0.25H〜0.7H
    の高さに設けられており、コンテナ底壁(4)上面から
    中間仕切壁(3)の下面までの高さをHa、および中間仕
    切壁(3)の上面からコンテンナ上壁(5)下面までの
    高さをHbとすると、ヒートパイプをこれの蒸発部(Le)
    を高くかつ凝縮部(Lc)を低くして1.5度の角度で傾斜
    せしめたさい、コンテナ蒸発部(Le)前端における作動
    液の上面のレベル(h1)が0.8Haより高くかつ0.1Hbより
    低くなるとともに、凝縮部(Lc)前端における作動液の
    上面のレベル(h2)が0.8Hbより高くかつ1.0Hbより低く
    なるようにコンテナ(2)の内部に作動液が封入されて
    いる、ヒートパイプ。
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