JP2739218B2 - 膝関節症患者用の靴 - Google Patents
膝関節症患者用の靴Info
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Description
膝関節症の軽度患者用の靴である。患者の歩行を制限
しないで、通常の通勤、散歩などを許しながら、膝関節
の摩擦を軽減し、ヒトの自然治癒力による治療を助成す
る。
しないで、通常の通勤、散歩などを許しながら、膝関節
の摩擦を軽減し、ヒトの自然治癒力による治療を助成す
る。
重症患者に対しては種々の外科手術が行なわれ、装具
の着用やステロイド剤の膝関節内注入なども行なわれ
る。けれども軽症の患者に対しては、通常は消炎鎮痛剤
が投与され、また、安静や歩行制御が命じられる。 けれども、このような軽症患者の中には職場へ通勤し
ていた者が多く、歩行、通勤を禁じられることで患者は
著しく困惑し、経済的にも収入源が枯渇する。
の着用やステロイド剤の膝関節内注入なども行なわれ
る。けれども軽症の患者に対しては、通常は消炎鎮痛剤
が投与され、また、安静や歩行制御が命じられる。 けれども、このような軽症患者の中には職場へ通勤し
ていた者が多く、歩行、通勤を禁じられることで患者は
著しく困惑し、経済的にも収入源が枯渇する。
膝関節症患者のうちで軽症患者に限って、通常の歩
行、通勤などを許しながら、膝関節の軟骨と骨の相互の
摩擦を防ぎ、軟骨の損耗を防止することを目的とする。 まず、膝関節症発生の原因のうち、全く物理的なもの
を医学書などから引用しながら図解して説明する。 第3図は歩行者が足裏を着地させる瞬間を示し、膝関
節1はほぼ一直線に伸びている。もし仮に、膝関節1を
一直線にしたままで歩行できるならば、膝関節1は摩擦
せず、損耗も発生しない筈である。けれども、現実には
歩行は膝関節1の屈曲を伴う。有害な屈曲は着地の瞬間
に発生する。着地は一種の衝撃であり、加圧(体重)と
摩擦(屈曲)とが同時に行なわれ、膝関節症を悪化させ
る。 このように、膝関節は着地時に屈曲するが、また膝関
節は離陸時にも屈曲する。けれども、離陸時では荷重が
マイナスであって骨と骨とは離れるように作用し、軟骨
が磨滅することがない。 上述のような着地する瞬間の状態では、指先4は高さ
hだけ高く空中に浮かび、体重は踵端2だけで担持され
る。その結果、支点3は下方へ下がろうとして、脛骨軸
X…Xを矢印A方向へ曲げようとする力が作用し、3と
大腿骨上端5を結ぶ線X……Xから膝は遠ざかり、角度
dだけ前方に振れる。その結果、第4図の膝1′のよう
に、膝は“く字状”に曲がる。 図で描くと簡単であり、健康な人にとって何の苦痛も
伴わない。けれども、これは患者に対して耐えられない
痛さを与える。都合の悪いことに、歩行は一歩一歩、毎
ステップごとに、必ず上述の屈曲(骨と軟骨の摩擦)が
繰り返され、その結果、激しい痛みが発生する。患者は
その痛さのために歩くことを諦め、自宅で静養せざるを
得ない。本発明は靴の構造を特殊に設けることによっ
て、軽度の膝関節症患者の歩行を可能にする。
行、通勤などを許しながら、膝関節の軟骨と骨の相互の
摩擦を防ぎ、軟骨の損耗を防止することを目的とする。 まず、膝関節症発生の原因のうち、全く物理的なもの
を医学書などから引用しながら図解して説明する。 第3図は歩行者が足裏を着地させる瞬間を示し、膝関
節1はほぼ一直線に伸びている。もし仮に、膝関節1を
一直線にしたままで歩行できるならば、膝関節1は摩擦
せず、損耗も発生しない筈である。けれども、現実には
歩行は膝関節1の屈曲を伴う。有害な屈曲は着地の瞬間
に発生する。着地は一種の衝撃であり、加圧(体重)と
摩擦(屈曲)とが同時に行なわれ、膝関節症を悪化させ
る。 このように、膝関節は着地時に屈曲するが、また膝関
節は離陸時にも屈曲する。けれども、離陸時では荷重が
マイナスであって骨と骨とは離れるように作用し、軟骨
が磨滅することがない。 上述のような着地する瞬間の状態では、指先4は高さ
hだけ高く空中に浮かび、体重は踵端2だけで担持され
る。その結果、支点3は下方へ下がろうとして、脛骨軸
X…Xを矢印A方向へ曲げようとする力が作用し、3と
大腿骨上端5を結ぶ線X……Xから膝は遠ざかり、角度
dだけ前方に振れる。その結果、第4図の膝1′のよう
に、膝は“く字状”に曲がる。 図で描くと簡単であり、健康な人にとって何の苦痛も
伴わない。けれども、これは患者に対して耐えられない
痛さを与える。都合の悪いことに、歩行は一歩一歩、毎
ステップごとに、必ず上述の屈曲(骨と軟骨の摩擦)が
繰り返され、その結果、激しい痛みが発生する。患者は
その痛さのために歩くことを諦め、自宅で静養せざるを
得ない。本発明は靴の構造を特殊に設けることによっ
て、軽度の膝関節症患者の歩行を可能にする。
本発明は下記のように構成される。すなわち、脛骨軸
の延長線X…Xが踵底面と交わる点またはその付近を踵
後端Hとし、靴の最後端下面とHを結ぶ線A…Aより出
ないように踵部を設け、線A…Aが地表面と交わる角度
は18度以上であり、靴の後部は片持ち梁状に体重を支持
できる耐歪構造であり、靴底上面は内側に比して外側を
高く設けて傾斜させると共に、内側に上方へ向かう急角
度(例えば垂直)の側壁部を設け、その側壁部を耐歪構
造に設ける。
の延長線X…Xが踵底面と交わる点またはその付近を踵
後端Hとし、靴の最後端下面とHを結ぶ線A…Aより出
ないように踵部を設け、線A…Aが地表面と交わる角度
は18度以上であり、靴の後部は片持ち梁状に体重を支持
できる耐歪構造であり、靴底上面は内側に比して外側を
高く設けて傾斜させると共に、内側に上方へ向かう急角
度(例えば垂直)の側壁部を設け、その側壁部を耐歪構
造に設ける。
【実施例1】 第1図は本発明の膝関節症患者用の靴の一実施例の縦
断面を示し、靴6の踵底7に脛骨の延長線X…Xが交わ
る点を求め、その交点またはその 付近を踵後端Hとし
て踵の構造を特殊にしてヒトが靴の後端で体重を担持し
ないように設ける。 靴底(踵を除く)の最後部の下面8と踵後端Hを結ぶ
線A…Aを境界として、その線A…Aより出ないように
踵9の形状を設ける。この線A…Aが地表面E…Eと交
わる角度αは18度以上とする。この角度αは脚長80cmの
人が歩幅50cmで平坦な道を歩く場合に合わせて設計した
ものであるが、道路は必ずしも平坦でなく、ときには凹
凸があり、上昇したり下降したりする。また後述するよ
うに踵底面の摩耗(高さの減少)も考慮する必要があ
り、できれば30度以上、例えば35度に設計することが好
ましい。 このように靴の後端下面8が切り欠かれていて、空所
10を生じているので、第3図のように踵骨2だけで体重
を担持せず、従って第3図の矢印Aで示すような力が発
生せず、膝関節症は悪化しない。 以上のように角αを配慮して設計しても、通常の材
料、例えば牛革、ゴムでは体重によって靴の後部が押さ
れて垂れ下がり、設計された角αよりも小さい角度にな
ってしまう。 本発明では体重による垂れ下がりを生じないように、
靴の後部をキャンティレバー(片持梁)状に設ける。一
般に片持梁は支持部と持ち出し部とからなるが、図にお
いてDは下方へ押さえられる支持部であり、矢印aのよ
うに力が作用する。Uは空間10の上に持ち出されて体重
を担持する部分であり、矢印bのように体重を担持す
る。 このような片持梁構造では当然に力学的配慮が必要で
ある。例えば靴底をFRP(繊維強化樹脂)で構成するな
ど材料に配慮してもよく、靴後部の側壁を硬質または肉
厚にしてもよい。結果として“曲げ”に抗して形状を維
持できるような素材または構造、すなわち“耐歪構造”
に設ける。本実施例では靴底を20のように肉厚に設ける
ことによって耐歪構造としてある。 以上は靴の縦断面について延べ、空所10を設けて体重
を踵骨2で担持しないことを説明した。けれども、その
ような縦断面だけでなく、横断面についても次のように
問題がある。 健康な人が歩行するとき、踵骨が地表面と接触する瞬
間、踵骨の下端は“やや外側寄り”であって、体重は外
側(ヒトの左右外側)から身体の中心に向けて支持され
る。そのため、一般に靴の踵は外側から先に減り始め
る。困ったことに、踵の磨滅は横断面では丸みを帯びて
進行し、第5図のようになる。 このように踵の外側の減った靴は膝関節にとって大敵
である。膝を矢印C方向に曲げる力が働き、膝は内反膝
(O脚、ガニ股)になり、各種の膝関節症の誘因にな
る。 内反膝になり易いヒトが第5図に示したような丸く減
った踵の靴を履くと、次第に患部を悪化させる。道路が
平坦でなくて凹凸のある場合に著しい。これは多分第6
図のように、道路の凹凸と踵底面の湾曲とが相乗的に作
用して膝骨を外側方向(矢印C方向)へ傾けるためと考
えられる。その結果患者の症状はますます悪化する。 そのように、踵は外側から先に摩耗が進行して内反膝
(O脚、ガニ股)を進行させて悪化させるが、日本人に
は内反膝による膝関節症患者が多いと言われる。 古く摺り減った靴に起因して膝関節症が発生し、症状
が悪化する現象に着目して、この現象を逆に捉えて利用
し、内反膝を治療し、膝関節症を治療しようとする試み
がある。すなわち、靴底上面を外側で高く内側で低く設
けて靴底上面を傾斜させ、それによって内反膝を治療し
ようとする思想である。例えば、実開59−38914、実開5
9−130714などに記載されている。けれども、単に靴底
に高低差を設けて傾斜させただけでは各種の障害(後
述)が生じ、そのため広く治療具として実用されるに到
っていない。その原因として、例えばサンダル、スリッ
パ類の靴底を傾斜させると第7図のように、ヒトの足は
矢印E方向へ滑って降下し、また、例えば靴の中敷部を
傾斜させると第8図のように、ヒトの足は矢印E方向へ
滑って靴の側壁を押し曲げ、側壁は15のように上昇斜面
になる。この上昇斜面15はヒトの足裏の内側を持ち上
げ、前述した降下斜面の効果を減殺し、患者の症状を悪
化させる。本発明はこのような欠点のない膝関節症患者
用の靴を提供する。 第2図(横断面図)において、靴底上面は外側16を高
く、内側17を低く設け、ヒトの踵を斜面18で支えるよう
にしてある。その結果ヒトの足は低い方へ滑るので、低
い方の端に上方へ向かう急角度な側壁部19(ストッパ
ー)を設け、その側壁部は例えば垂直であって倒れない
ように耐歪構造に設ける。耐歪構造としては例えば18、
19の部分または靴の側壁のいずれかを硬質材または肉厚
にする。実験を繰り返してみた結果によれば、従来例
(第5図)のような摩滅した踵の場合とは正反対に、第
2図のような踵にすると、膝関節症患者は膝部に快い感
覚を覚えて膝関節部の痛みが解消するという。その理由
としては多分、第5図、第6図で述べた矢印C方向の力
が生じないで、逆に内反膝が矯正されるように、矢印D
方向(第2図)が生じ、その結果、膝が内反しなくな
り、関節の傷ついた部分が摩擦しなくなるためと考えら
れる。
断面を示し、靴6の踵底7に脛骨の延長線X…Xが交わ
る点を求め、その交点またはその 付近を踵後端Hとし
て踵の構造を特殊にしてヒトが靴の後端で体重を担持し
ないように設ける。 靴底(踵を除く)の最後部の下面8と踵後端Hを結ぶ
線A…Aを境界として、その線A…Aより出ないように
踵9の形状を設ける。この線A…Aが地表面E…Eと交
わる角度αは18度以上とする。この角度αは脚長80cmの
人が歩幅50cmで平坦な道を歩く場合に合わせて設計した
ものであるが、道路は必ずしも平坦でなく、ときには凹
凸があり、上昇したり下降したりする。また後述するよ
うに踵底面の摩耗(高さの減少)も考慮する必要があ
り、できれば30度以上、例えば35度に設計することが好
ましい。 このように靴の後端下面8が切り欠かれていて、空所
10を生じているので、第3図のように踵骨2だけで体重
を担持せず、従って第3図の矢印Aで示すような力が発
生せず、膝関節症は悪化しない。 以上のように角αを配慮して設計しても、通常の材
料、例えば牛革、ゴムでは体重によって靴の後部が押さ
れて垂れ下がり、設計された角αよりも小さい角度にな
ってしまう。 本発明では体重による垂れ下がりを生じないように、
靴の後部をキャンティレバー(片持梁)状に設ける。一
般に片持梁は支持部と持ち出し部とからなるが、図にお
いてDは下方へ押さえられる支持部であり、矢印aのよ
うに力が作用する。Uは空間10の上に持ち出されて体重
を担持する部分であり、矢印bのように体重を担持す
る。 このような片持梁構造では当然に力学的配慮が必要で
ある。例えば靴底をFRP(繊維強化樹脂)で構成するな
ど材料に配慮してもよく、靴後部の側壁を硬質または肉
厚にしてもよい。結果として“曲げ”に抗して形状を維
持できるような素材または構造、すなわち“耐歪構造”
に設ける。本実施例では靴底を20のように肉厚に設ける
ことによって耐歪構造としてある。 以上は靴の縦断面について延べ、空所10を設けて体重
を踵骨2で担持しないことを説明した。けれども、その
ような縦断面だけでなく、横断面についても次のように
問題がある。 健康な人が歩行するとき、踵骨が地表面と接触する瞬
間、踵骨の下端は“やや外側寄り”であって、体重は外
側(ヒトの左右外側)から身体の中心に向けて支持され
る。そのため、一般に靴の踵は外側から先に減り始め
る。困ったことに、踵の磨滅は横断面では丸みを帯びて
進行し、第5図のようになる。 このように踵の外側の減った靴は膝関節にとって大敵
である。膝を矢印C方向に曲げる力が働き、膝は内反膝
(O脚、ガニ股)になり、各種の膝関節症の誘因にな
る。 内反膝になり易いヒトが第5図に示したような丸く減
った踵の靴を履くと、次第に患部を悪化させる。道路が
平坦でなくて凹凸のある場合に著しい。これは多分第6
図のように、道路の凹凸と踵底面の湾曲とが相乗的に作
用して膝骨を外側方向(矢印C方向)へ傾けるためと考
えられる。その結果患者の症状はますます悪化する。 そのように、踵は外側から先に摩耗が進行して内反膝
(O脚、ガニ股)を進行させて悪化させるが、日本人に
は内反膝による膝関節症患者が多いと言われる。 古く摺り減った靴に起因して膝関節症が発生し、症状
が悪化する現象に着目して、この現象を逆に捉えて利用
し、内反膝を治療し、膝関節症を治療しようとする試み
がある。すなわち、靴底上面を外側で高く内側で低く設
けて靴底上面を傾斜させ、それによって内反膝を治療し
ようとする思想である。例えば、実開59−38914、実開5
9−130714などに記載されている。けれども、単に靴底
に高低差を設けて傾斜させただけでは各種の障害(後
述)が生じ、そのため広く治療具として実用されるに到
っていない。その原因として、例えばサンダル、スリッ
パ類の靴底を傾斜させると第7図のように、ヒトの足は
矢印E方向へ滑って降下し、また、例えば靴の中敷部を
傾斜させると第8図のように、ヒトの足は矢印E方向へ
滑って靴の側壁を押し曲げ、側壁は15のように上昇斜面
になる。この上昇斜面15はヒトの足裏の内側を持ち上
げ、前述した降下斜面の効果を減殺し、患者の症状を悪
化させる。本発明はこのような欠点のない膝関節症患者
用の靴を提供する。 第2図(横断面図)において、靴底上面は外側16を高
く、内側17を低く設け、ヒトの踵を斜面18で支えるよう
にしてある。その結果ヒトの足は低い方へ滑るので、低
い方の端に上方へ向かう急角度な側壁部19(ストッパ
ー)を設け、その側壁部は例えば垂直であって倒れない
ように耐歪構造に設ける。耐歪構造としては例えば18、
19の部分または靴の側壁のいずれかを硬質材または肉厚
にする。実験を繰り返してみた結果によれば、従来例
(第5図)のような摩滅した踵の場合とは正反対に、第
2図のような踵にすると、膝関節症患者は膝部に快い感
覚を覚えて膝関節部の痛みが解消するという。その理由
としては多分、第5図、第6図で述べた矢印C方向の力
が生じないで、逆に内反膝が矯正されるように、矢印D
方向(第2図)が生じ、その結果、膝が内反しなくな
り、関節の傷ついた部分が摩擦しなくなるためと考えら
れる。
【実施例2】 踵底面が摩耗すると角αも減少する。本発明では健康
者用の靴よりも厳格な配慮が必要であり、牛革やゴムよ
りも耐摩耗性のある素材で踵底面7を構成して形状を維
持する。素材としては女性用ハイヒールの接地部に用い
られる耐摩耗材などが好ましい。 本実施例では第2図(横断面図)のように、耐摩耗材
で構成した踵底は外側方向の接地面積11を大きく、内側
の接地面積12を小さく設け、中間部13は耐摩耗材の欠如
した部分14を設ける。このように耐摩耗材の欠如した部
分14を設けると、常に外側11と内側12が残り、決して第
5図のように丸く減らない。欠如部14は全くの空間でも
よいが、若干の耐摩耗材を設けてもよく、その場合は外
側11よりも耐摩耗材の面積を小さく設ける。 実施例を要約すると次のようになる。すなわち、実施
例1および請求項1に掲げた膝関節症患者用の靴におい
て、踵の接地部は耐摩耗材で構成され、その耐摩耗材の
接地部の面積は外側に比して内側と中間部を小さく設け
る。
者用の靴よりも厳格な配慮が必要であり、牛革やゴムよ
りも耐摩耗性のある素材で踵底面7を構成して形状を維
持する。素材としては女性用ハイヒールの接地部に用い
られる耐摩耗材などが好ましい。 本実施例では第2図(横断面図)のように、耐摩耗材
で構成した踵底は外側方向の接地面積11を大きく、内側
の接地面積12を小さく設け、中間部13は耐摩耗材の欠如
した部分14を設ける。このように耐摩耗材の欠如した部
分14を設けると、常に外側11と内側12が残り、決して第
5図のように丸く減らない。欠如部14は全くの空間でも
よいが、若干の耐摩耗材を設けてもよく、その場合は外
側11よりも耐摩耗材の面積を小さく設ける。 実施例を要約すると次のようになる。すなわち、実施
例1および請求項1に掲げた膝関節症患者用の靴におい
て、踵の接地部は耐摩耗材で構成され、その耐摩耗材の
接地部の面積は外側に比して内側と中間部を小さく設け
る。
【実施例3】 前述の実施例1、実施例2のように設ける場合、本実
施例では、耐摩耗材の耐摩耗性に差をつけて、接地面の
耐摩耗性が踵の外側に比して踵の内側と中間部で劣るよ
うに設ける。
施例では、耐摩耗材の耐摩耗性に差をつけて、接地面の
耐摩耗性が踵の外側に比して踵の内側と中間部で劣るよ
うに設ける。
【実施例4】 実施例1ないし実施例3のように設ける場合、踵の接
地部を着脱可能(取り換え可能)に設けてもよい。それ
を着脱する手段としては、通常の女性ハイヒールで用い
られる手段、例えば耐摩耗材を接着材で貼り付けたり、
耐摩耗材を留め金で保持したりビスで締め付けたりして
もよい。
地部を着脱可能(取り換え可能)に設けてもよい。それ
を着脱する手段としては、通常の女性ハイヒールで用い
られる手段、例えば耐摩耗材を接着材で貼り付けたり、
耐摩耗材を留め金で保持したりビスで締め付けたりして
もよい。
【実施例5】 以上のような実施例1ないし実施例4において、第1
図に見られるように、縦断面図には空所10があって奇妙
な形状になっている。けれども幸いなことに、このよう
な奇妙な形状は断面だけであり、靴の外側は意匠や材質
を自由に選べる。 本実施例は下記のように構成される。すなわち、靴底
後端下面の下に生じる空所を取り囲んで弾性材の目隠し
を設け、その目隠しは有底または無底の囲いであるよう
に設ける。 第1図において、空所10をスカート状に柔らかい目隠
し用の外壁材で取り囲むと、その結果、外見(意匠的要
素)は側面図で第9図a〜dのようになり、背面図で第
10図a〜dのようになる。目隠し用の囲み21はゴムなど
の板状体でもよく、また足で踏まれて潰され易いベロー
ズ状でもよい。囲み21はスカート状に無底でもよいが、
22の部分を有底に設けてもよい。目隠し用の囲みが有底
であっても無底であっても、その寸法は地表面まで達す
る十分な長さ(深さ)を有しなくてもよい。図では角θ
だけ底面を上昇させて寸法を浅く設けてある。
図に見られるように、縦断面図には空所10があって奇妙
な形状になっている。けれども幸いなことに、このよう
な奇妙な形状は断面だけであり、靴の外側は意匠や材質
を自由に選べる。 本実施例は下記のように構成される。すなわち、靴底
後端下面の下に生じる空所を取り囲んで弾性材の目隠し
を設け、その目隠しは有底または無底の囲いであるよう
に設ける。 第1図において、空所10をスカート状に柔らかい目隠
し用の外壁材で取り囲むと、その結果、外見(意匠的要
素)は側面図で第9図a〜dのようになり、背面図で第
10図a〜dのようになる。目隠し用の囲み21はゴムなど
の板状体でもよく、また足で踏まれて潰され易いベロー
ズ状でもよい。囲み21はスカート状に無底でもよいが、
22の部分を有底に設けてもよい。目隠し用の囲みが有底
であっても無底であっても、その寸法は地表面まで達す
る十分な長さ(深さ)を有しなくてもよい。図では角θ
だけ底面を上昇させて寸法を浅く設けてある。
【実施例6】 以上の実施例1ないし実施例5において、本発明の靴
を患者が用いた結果によると、踵後端Hの位置は線X…
Xよりも前方に設けたものが喜ばれる。なぜ喜ばれるの
か原因を考えてみると多分、常に指先が上に押し上げら
れる方向に力が働き、膝が常に引き伸ばされるようにな
り、従って矢印A方向(第4図)の屈曲力の発生が抑止
されるためと推測される。 本実施例ではX…X線よりも前方5cm以下の距離に踵
の後端Hを設ける。第1図の場合にはX…X線の前方1c
mの距離に踵後端Hを設けてある。
を患者が用いた結果によると、踵後端Hの位置は線X…
Xよりも前方に設けたものが喜ばれる。なぜ喜ばれるの
か原因を考えてみると多分、常に指先が上に押し上げら
れる方向に力が働き、膝が常に引き伸ばされるようにな
り、従って矢印A方向(第4図)の屈曲力の発生が抑止
されるためと推測される。 本実施例ではX…X線よりも前方5cm以下の距離に踵
の後端Hを設ける。第1図の場合にはX…X線の前方1c
mの距離に踵後端Hを設けてある。
【実施例7】 上述の実施例6で述べたように、膝関節を伸ばすこと
が膝関節症患者によい結果をもたらすので、膝関節を伸
ばす目的では、患っていない足(健脚)側を病変側より
も長く延長した方がよい。健脚側を長く(高く)する手
段としては例えば健脚側の靴の踵を高く設けたり、健脚
側の靴の中敷きを厚く挿入したり、特願63−214366に記
載されたような脚長を補足する靴を使用するなど、各種
の手段がある。いずれも罹患側の靴底上面に比べて健脚
側の靴底上面が高くなるように実施例1ないし実施例6
に対して設ける。 罹患側と健脚側との高低差をどのように設けるかは個
人差によって一様でないが、例えば高低差2cm程度に設
ける。 以上の各実施例を通じて、体重を担持する耐歪構造と
しては、実施例1のように靴底または中敷きを厚く設た
り、靴後部の側壁を厚くするほか、靴底、中敷き、側壁
の三者のうち、いずれかを耐歪性のある材料、例えば繊
維強化合成樹脂などを用いて構成することが好ましい。 靴底と中敷きは分離型に設計してもよい。両者を着脱
可能な分離型にするにはキャンティレバー状耐歪構造2
0、耐歪型側壁19、斜面18は中敷に設けてもよい。中敷
と靴体が分離されていても、後日店頭などで両者を組み
合わせて販売すればよく、結果は同じである。 各実施例を通じて、実施例1、第2図で説明した傾斜
面18の傾斜角度については、それぞれの患者の症状に応
じて設ける必要がある。けれども、患者の症状はそれぞ
れ異なっているので、斜面18の傾斜角を各種に用意する
必要がある。そこで、あらかじめ各種の症状に適合する
中敷きを用意しておき、それを選んで靴に挿入し、角度
を任意に選べるようにするとよい。
が膝関節症患者によい結果をもたらすので、膝関節を伸
ばす目的では、患っていない足(健脚)側を病変側より
も長く延長した方がよい。健脚側を長く(高く)する手
段としては例えば健脚側の靴の踵を高く設けたり、健脚
側の靴の中敷きを厚く挿入したり、特願63−214366に記
載されたような脚長を補足する靴を使用するなど、各種
の手段がある。いずれも罹患側の靴底上面に比べて健脚
側の靴底上面が高くなるように実施例1ないし実施例6
に対して設ける。 罹患側と健脚側との高低差をどのように設けるかは個
人差によって一様でないが、例えば高低差2cm程度に設
ける。 以上の各実施例を通じて、体重を担持する耐歪構造と
しては、実施例1のように靴底または中敷きを厚く設た
り、靴後部の側壁を厚くするほか、靴底、中敷き、側壁
の三者のうち、いずれかを耐歪性のある材料、例えば繊
維強化合成樹脂などを用いて構成することが好ましい。 靴底と中敷きは分離型に設計してもよい。両者を着脱
可能な分離型にするにはキャンティレバー状耐歪構造2
0、耐歪型側壁19、斜面18は中敷に設けてもよい。中敷
と靴体が分離されていても、後日店頭などで両者を組み
合わせて販売すればよく、結果は同じである。 各実施例を通じて、実施例1、第2図で説明した傾斜
面18の傾斜角度については、それぞれの患者の症状に応
じて設ける必要がある。けれども、患者の症状はそれぞ
れ異なっているので、斜面18の傾斜角を各種に用意する
必要がある。そこで、あらかじめ各種の症状に適合する
中敷きを用意しておき、それを選んで靴に挿入し、角度
を任意に選べるようにするとよい。
歩行時の膝関節の無用な磨滅を防止し、また内反膝を
防止することにより、軽症の膝関節症患者が通勤、散歩
などを制限せずに生活することができる。
防止することにより、軽症の膝関節症患者が通勤、散歩
などを制限せずに生活することができる。
第1図および第2図は本発明の靴の一実施例の断面図で
あり、第3図ないし第8図は本発明の理論を示す説明図
である。第9図は側面図、第10図は背面図である。 1……膝関節、2……踵骨 3……支点、4……足指先 5……大腿骨、7……踵底 8……靴底下面、9……踵 10……空所、16……外側 17……内側、18……斜面 19……側壁、21……目隠し
あり、第3図ないし第8図は本発明の理論を示す説明図
である。第9図は側面図、第10図は背面図である。 1……膝関節、2……踵骨 3……支点、4……足指先 5……大腿骨、7……踵底 8……靴底下面、9……踵 10……空所、16……外側 17……内側、18……斜面 19……側壁、21……目隠し
Claims (1)
- 【請求項1】膝骨軸の延長線が踵底面の延長線と交わる
点よりも前方を接地後端とし、この接地後端から後方に
向けて少なくとも18度の上昇角をもって上昇する底面を
形成し、この上昇する底面の上方に位置する靴底材は、
ヒトの体重を支え得るだけの強度をもった材料によって
前方から片持ち梁状に支えられるとともに、靴底上面の
少なくとも後部は、外側が内側に比べて高く形成された
斜面を有することを特徴とする膝関節症患者用の靴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26223488A JP2739218B2 (ja) | 1988-10-17 | 1988-10-17 | 膝関節症患者用の靴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26223488A JP2739218B2 (ja) | 1988-10-17 | 1988-10-17 | 膝関節症患者用の靴 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02107243A JPH02107243A (ja) | 1990-04-19 |
JP2739218B2 true JP2739218B2 (ja) | 1998-04-15 |
Family
ID=17372941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26223488A Expired - Fee Related JP2739218B2 (ja) | 1988-10-17 | 1988-10-17 | 膝関節症患者用の靴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2739218B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017090195A1 (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-01 | 有限会社アドロ | 履物 |
-
1988
- 1988-10-17 JP JP26223488A patent/JP2739218B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02107243A (ja) | 1990-04-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |