JP2738718B2 - ジェット・エンジン用の保炎器集成体 - Google Patents

ジェット・エンジン用の保炎器集成体

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願との関係 この発明はこの出願と同日に出願された係属中の米国
特許出願番号第117,187号(1987年11月5日)と関連を
有する。
発明の背景 この発明はガスタービン機関又はジェット・エンジ
ン、特にコア・エンジンの下流側にアフタバーナを持つ
と共に、推力増強の為に、排気流に燃料を追加する手段
を有する機関に関する。
バイパス・ジェット・エンジンは、エンジンに対する
入口空気を加圧する低圧圧縮機(LPC)、推力を発生す
ると共にLPCを駆動するコア・エンジンを持ち、更に場
合によっては、コア・エンジンの排気に燃料を追加し
て、それを点火して推力増強を行なうアフタバーナを持
っている。バイパス・エンジンは、それがコア・エンジ
ン・ケーシングの周りに略同心に取付けられて、その間
に環状側路ダクトを形成する環状の外側ケーシングを持
っているので、この様に呼ばれる。LPCからの吐出空気
が側路ダクトとコア・エンジンに分割される。
一般的に、機関の系列は完成度が高まり、現存の機関
の更に等級を高めたものが工夫されるにつれて、機関の
推力を増強する1つの設計方法は、タービン入口温度を
高めることであったが、その結果、アフタバーナの入口
温度が上昇する。その為、アフタバーナのハードウエア
をこする燃料/空気混合物の逆火の余裕が比例的に低下
する。逆火は、炎の前端がその設計位置から上流側へ、
ガスの主流の方向とは反対に、保炎器及び燃料噴射源に
向って移動することである。逆火の余裕は、排ガスの実
際の温度と、逆火を招く様な温度の間の差である。
タービンの排気温度が十分高くなると、アフタバーナ
の炎の前端がアフタバーナの燃焼室内で、保炎器に向っ
て上流側に移動する。この時、保炎器は、放射/対流に
よる熱負荷の為に、温度が上昇し、その結果、保炎器の
設計寿命が短縮することがある。
従って、この発明の目的は、改良された保炎器を提供
することである。
この発明の別の目的は、保炎器を冷却する手段を提供
することである。
この発明の別の目的は、アフタバーナの逆火の余裕を
増加する手段を設けることである。
発明の要約 この発明は、その後向きの面を冷却する手段を持つ改
良された保炎器集成体を提供する。この明細書では、コ
ア・エンジンの吐出ガス又は側路ダクトの空気を、その
後面を冷却する様に通す構造を説明する。
この発明に特有と考えられる新規な特徴は特許請求の
範囲に記載してあるが、この発明の好ましい実施例、及
びその他の目的並びに利点は、以下図面について詳しく
説明する所から具体的に理解されよう。
発明の詳しい説明 第1図はバイパス・ジェット・エンジンと見なすこと
が出来る様な形式のガスタービン機関11を1例として示
している。機関11が低圧圧縮機(LPC)13を持ち、これ
は機関11の空気入口端に配置される。空気流の方向に見
て、LPC 13の後にコア・エンジン15があり、これは高
圧圧縮機、燃焼器、高圧及び低圧タービン(図面に示し
てない)を含む。コア・エンジン15が環状の内側ケーシ
ング17に取囲まれている。環状側路ダクト19が、部分的
にケーシング17と環状の外側ケーシング21によって構成
されている。外側ケーシング21は内側ケーシング17に対
して略同心で、それから隔たっている。流れを示す破線
の矢印22は、LPC 13の吐出空気の内、コア・エンジン1
5に送られる部分を示し、実線の矢印24は、LPC 13の吐
出空気の内、側路ダクト19に通される残りの部分を示
す。
空気流の方向に見て、コア・エンジン15の下流側にア
フタバーナ25がある。この発明の1実施例による保炎器
集成体31が、アフタバーナ25の入口に配置される。複数
個の燃料送出し管35(1つだけ示す)を介して、アフタ
バーナ25に燃料が導入される。この燃料が側路ダクトの
空気流24の一部分26と混合され、その後少なくとも1つ
と点火器39によって点火され、機関11の推力増強を行な
う。側路ダクト19からの空気部分26が、航空機用機関の
分野で周知の環状混合装置41を介して、コア・エンジン
15の排ガス流に添加される。更にアフタバーナ25が内側
燃焼器ライナ45及び可変面積排気ノズル49を持ってい
る。以上一般的に説明したのは、この発明が作用する状
況を全般的に説明する為であって、この発明自体の説明
を何等制約するものと解してはならない。
第2図は保炎器集成体31の上流側を見た端面図であ
る。保炎器集成体31が、半径方向外側の保炎器51及び半
径方向内側の保炎器55を有する。外側保炎器51は複数個
の絶壁の形をしており、内側の保炎器55は環状のV字形
の中をくりぬいたリングの形をしている。内側の保炎器
55が、円周方向に相隔たる複数個の支持リンク57によ
り、外側の保炎器51によって支持される。どの図面にも
具体的に示してないが、内側の保炎器55を支持する外側
の保炎器51は、それ自身が外側ケーシング21から、航空
機用機関の業界でよく知られている様な形で支持リンク
によって支持されている。外側保炎器51が、少なくとも
1つ、図示の実施例では2つのクロスファイヤ・ガッタ
61によって内側保炎器55と連通しており、これによって
最初は外側保炎器51の下流側の面に現れる炎が、内側の
保炎器55に向って半径方向内向きに伝搬する。
第3図は外側の保炎器51と隣接した構造の簡略断面図
であるが、それに取付けられた内側保炎器55又はクロス
ファイヤ・ガッタ61は示してない。更に、図面を簡単に
する為に、燃料管35から伸びる、略図で示した1つの棒
形燃料噴射器65が、外側の保炎器51に入り込んで、燃料
をその中に吐出することを示してある。第1図に戻って
説明すると、燃料送出し管35が実際には、半径方向内向
きに伸びる複数個の棒形噴射器に接続されており、これ
らの棒形噴射器は主燃料棒形噴射器及びパイロット燃料
棒形噴射器の両方を含む。主燃料棒形噴射器が、外側の
保炎器51より半径方向内側及び外側の点から、軸方向下
流側に燃料を噴射し、1例では、24個の管を含んでいて
よい。これに対して、パイロット燃料棒形噴射器の数は
半分であってよい。外側保炎器51及び隣接構造の参照数
字を付けたこの他の部分は、前に説明した。
更に、外側の保炎器51が半径方向外側の環状部材71及
び半径方向内側の環状部材73を持ち、上流側の端ではそ
の間に入口70が形成され、下流側の端ではその間に出口
72が形成される。これらの2つの部材を外側の保炎器51
の入口端70で、第7図に示す様な複数個の丸形結合部材
又は釘101によって一緒に結合することが出来る。更
に、内側及び外側の部材71,73の間を複数個のエーロフ
ォイル形の中空隔壁79が伸びている。実線の矢印74はコ
ア・エンジン又はタービンの燃焼吐出ガスの内、隔壁79
の周りを流れる第1の部分を示しているが、これは後で
第4図について説明する。
外側の保炎器51の内側部材73には、上流側を向いたス
クープ83が結合されている。好ましい実施例では、内側
部材73の半径方向内面に複数個のスクープ83が結合され
ており、内側部材には通抜けの孔85が形成されていて、
隔壁79の少なくとも若干の内部と連通する。好ましい実
施例では、内側部材73に形成された対応する1つの孔85
を介して、対応する1つの隔壁79にガスを送込む1つの
スクープ83を設けることが出来る。
こゝで注意しなければならないことは、各々の隔壁79
の中に送込まれるガスは、燃料並びに酸素が欠乏したタ
ービン吐出ガスであること、即ち、その中にある燃料及
び酸素の全部ではないとしても、大部分が燃焼を完了し
ているガスであることである。後で別の実施例について
説明するが、この代りに、このガスは側路空気であって
もよいが、何れの場合も、隔壁79内のガスには燃料を添
加しない。燃料が、隔壁79の周りを流れるガスに対し、
棒形噴射器65を介して添加される。燃料が欠乏したガス
が第3図及び第4図では、頭を塗り潰さない矢印76で示
してあり、燃料が添加されたガスは頭を塗り潰した矢印
74で示してある。
第4図は第3図の線4−4から見た平面図であるが、
この図には円周方向に相隔たる複数個の隔壁79及び棒形
噴射器65が示されており、この実施例では、隣接する各
々1対の隔壁79に1つの棒形噴射器65が付設されてい
る。各々の隔壁79は前縁部分80及び後縁部分82を有す
る。隔壁79の形及び寸法は、外側の保炎器51内での燃料
及びガスの混合条件に従って、燃料/空気の混合物が正
しく、且つ炎が、点火器39が配置された点ではなく、外
側の保炎器51の後縁部分82の下流側又は後面84で発生す
る様になっている。隔壁は包括的に燃料/空気混合物と
呼ぶ燃料とタービン吐出ガスとに対し、旋回作用を加
え、その混合作用をよくする。更に第4図には、隔壁79
の前縁部分の下で内側部材73に形成された孔85が示され
ており、これが隔壁79の内部にガスを取込む。
第3図、第4図及び第5図はこの発明を理解する上に
一緒に考えられたい。これまで説明したのと同様な部材
を表わすのに、同じ参照数字を用いている。更に、頭を
塗り潰してない矢印76は燃料が欠乏したガスを表わし、
塗り潰した矢印86は気化ガス、即ち燃料と混合されたガ
ス74を示すことに注意されたい。
第5図は保炎器集成体31の部分的な断面図を示してお
り、隔壁79の前縁部分80が、手前側に向って90゜回転し
た場合を示して、隔壁79に対する構造の細部と共に流線
を示してある。保炎器集成体31はその後面又は下流側の
面84から見た図である。第5図は、隔壁79の後面84に境
膜冷却用の吐出ルーバ95を形成した好ましい実施例の外
側の保炎器51を示している。ルーバ95が頭を塗り潰さな
い矢印76で示す様に、燃料が欠乏したガスを吐出する。
隔壁79の後面84の境膜冷却により、後面84の金属温度が
下がる。更に、燃料が欠乏した境膜冷却ガス76がルーバ
95から吐出される間、気化ガス即ち燃料富化ガス86が隔
壁79の間から吐出され、流れを示す矢印の図で示す様
に、境膜冷却ガス76が各々の隔壁79の後面84の直ぐ傍に
あるのに対し、燃料富化ガス86は、隔壁79の後面84に対
し、境膜冷却ガス76を越えた所にある流れ又は層として
吐出されることが判る。この為、境膜冷却ガス76が隔壁
79又は隔壁の後面84と、隔壁79の間に通される燃料/空
気混合物86との間に介在する。気化混合物86が点火器39
によって点火され、こうして後面84より下流側に、ルー
バ95から吐出される相対的に低温のガス76よりも一層高
い温度を持つ炎の前端を作ることが理解されよう。
更に、特に逆火が始まる時、気化ガス86が燃焼を開始
して、その為設計通りの金属温度に較べて非常に高温で
ある時、後面84をこする境膜冷却ガス76は、この時、ガ
ス86よりも何千度も低く、この為実際の持続的な又は散
発的な逆火状態の間、有効な境膜冷却を行なう。
後面84の境膜冷却を行なう他に、ガス76は、炎の前端
が後面84に接触しない様にする障壁膜をも作る。前に燃
焼したガス76を使うことは、もはやそれ自体が燃焼可能
ではなく、例えば一層有効な境膜冷却用障壁になる点で
も有利である。
第6図は、隔壁79の後面84を対流によって冷却するこ
の発明の別の実施例を示しているが、この実施例では、
隔壁79の中で、隔壁79の後面84と大体平行に壁97が配置
されて、後面84に隣接して流路98を構成している。この
実施例では、非気化ガス又は燃料欠乏ガス76の流れは、
障壁79の後面84の内面を横切り、ガス76が隔壁79の後縁
96から吐出開口99を介して吐出される。両方の実施例が
隔壁79の後面84を冷却するのに有効であるが、隔壁79の
内部に対する冷却ガス76がタービン吐出ガス76である場
合、このガス76は燃料が欠乏しているだけでなく、酸素
も欠乏している。この発明の1つの目的として、隔壁79
の後面を酸素並びに燃料が欠乏したガス76で掃引するこ
とにより、外側の保炎器51の後面84に炎が発生する惧れ
が更に減少する。
最後に、第7図はこの発明の別の実施例を略図で示し
ている。第7図は第3図と同様であるが、棒形噴射部材
65は図面を見易くする為に省略されている。前に説明し
た丸形結合部材又は釘101が、外側及び内側の保炎器部
材71,73の上流側の端を結合することが示されている。
この実施例では、側路空気24の一部分を側路ダクト19
から取出し、管105及び側路側部材71の開口107を介して
隔壁79の内部に通す。開口107は好ましい実施例の開口8
5と同等の作用をする。複数個のスクープが内側ライナ1
7に結合されており、このライナが側路ダクト19の内側
の境界となる。この実施例の利点は、側路空気24がター
ビン吐出ガス74よりもずっと低温であることである。
この発明の好ましい実施例と考えられるものを説明し
たが、当業者にはこの他の変更が考えられよう。特許請
求の範囲は、この発明の範囲内に属するこの様な全ての
変更を包括するものであることを承知されたい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の1実施例による保炎器集成体を持
つ、アフタバーナを含むバイパス・ジェット・エンジン
の簡略断面図、 第2図は第1図の線2−2で切った保炎器集成体の上流
側を見た端面図、 第3図はこの発明の1実施例の保炎器集成体の一部分の
拡大図、 第4図は第3図の線4−4で切った幾つかの隔壁の平面
図、 第5図は第1図の保炎器集成体の断面図で、その中の1
つの隔壁を切欠いて示す。 第6図はこの発明の更に別の実施例の保炎器集成体の断
面図並びにその中の隔壁を示す切欠いた図である。 第7図は第3図と同様な保炎器集成体の一部分の略図
で、この発明の別の実施例を示す。 主な符号の説明 13:低圧圧縮機 15:コア・エンジン 19:側路ダクト 21:外側ケーシング 25:アフタバーナ 45:燃焼器ライナ 51,55:保炎器 79:隔壁

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジェット・エンジン用の保炎器集成体であ
    って、該集成体は、前記エンジンを通流可能な燃焼ガス
    に対して上流側と下流側とを有しており、 前記集成体は、 当該外側部材と当該内側部材との間に配置されている半
    径方向の複数の中空隔壁を有している環状の外側部材及
    び環状の内側部材と、 前記保炎器集成体の上流側に燃料を導入すると共に、該
    燃料を前記燃焼ガスと混合して、前記隔壁の上方下流側
    に流れ得る燃焼可能な燃料及びガスの混合物を発生する
    手段と、 少なくともいくつかの前記隔壁の内部に未燃焼冷却ガス
    を通して、前記隔壁の後縁部分と前記隔壁を冷却するた
    めに前記隔壁の後縁部分の上方を流れ得る前記燃料及び
    ガスの混合物との間に未燃焼ガス境界を形成するよう
    に、前記未燃焼ガスを前記内部から前記隔壁の外部であ
    って、隣接した隔壁の間の外部へ通す手段とを備えてい
    るジェット・エンジン用の保炎器集成体。
  2. 【請求項2】前記ジェット・エンジンは更に、環状の側
    路空気ダクトを含んでおり、 前記ガスを通す手段は、 前記環状の側路ダクト内に配置されている少なくとも1
    つのスクープと、 前記外側部材を貫通している少なくとも1つの開口であ
    って、前記少なくとも1つのスクープを少なくとも1つ
    の前記隔壁の内部と連通させる少なくとも1つの開口と
    を含んでいる請求項1に記載の保炎器集成体。
  3. 【請求項3】前記ガスを通す手段は、 前記内側部材の半径方向内面に配置されている少なくと
    も1つのスクープと、 前記内側部材を貫通している少なくとも1つの開口であ
    って、前記少なくとも1つのスクープを少なくとも1つ
    の前記隔壁の内部と連通させる少なくとも1つの開口と
    を含んでいる請求項1に記載の保炎器集成体。
  4. 【請求項4】前記スクープは、上流側の方向に向いてい
    る開放端を含んでいる請求項3に記載の保炎器集成体。
  5. 【請求項5】少なくとも1つの前記隔壁は、該隔壁の下
    流側の面上に少なくとも1つのルーバを含んでおり、該
    ルーバは、前記隔壁の内部からの冷却ガスを前記下流側
    の面に通している請求項1に記載の保炎器集成体。
  6. 【請求項6】少なくとも1つの前記隔壁は、 該隔壁の下流側から隔たっている少なくとも1つの内壁
    であって、前記隔壁の下流側に隣接した流路を画定して
    いる少なくとも1つの内壁と、 前記隔壁の下流側に設けられている少なくとも1つの吐
    出開口であって、前記隔壁の下流側を冷却した後に該隔
    壁からのガスを排出させる少なくとも1つの吐出開口と
    を含んでいる請求項1に記載の保炎器集成体。
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