JP2737891B2 - コンクリートブロック製造装置 - Google Patents

コンクリートブロック製造装置

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JP2737891B2
JP2737891B2 JP21386194A JP21386194A JP2737891B2 JP 2737891 B2 JP2737891 B2 JP 2737891B2 JP 21386194 A JP21386194 A JP 21386194A JP 21386194 A JP21386194 A JP 21386194A JP 2737891 B2 JP2737891 B2 JP 2737891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、いわゆる即時脱型成
形法によるコンクリートブロック製造装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンクリートブロックは、所定
形状の型枠にコンクリートを充填して成形し且つこれを
硬化させて製造されるが、この場合の具体的な製造法と
しては、従来より流し込み成形法と即時脱型成形法とが
知られている。
【0003】ところで、上記流し込み成形法は、極めて
一般的な製造法であって、所定の型枠内に水分を適量含
んだ流動性の良い潤水コンクリートを流し込み、且つこ
れを加振して型枠内に十分に充填させた状態で、所定時
間(通常は一昼夜程度)養生して硬化させ、所定程度に硬
化した後に脱型させて所要形状のコンクリートブロック
を得る方法である。
【0004】このような流し込み成形法によれば、素材
として使用されるコンクリートが潤水コンクリートであ
るため流動性の良いペースト状のモルタル層が製品表面
側へ十分に回り込んで骨材間を充填することからきめの
細かな表面をもったコンクリートブロックを得ることが
できる反面、形状保持が可能な程度まで硬化するのに時
間を要することから、型枠を長時間取り付けたままこれ
を養生する必要があり、また脱型作業が成形作業と別工
程となる等の理由から、作業性が悪いという欠点があ
る。
【0005】これに対して、即時脱型成形法は、上記流
し込み成形法の欠点の解消を狙った成形法として位置づ
けられるものである。即ち、この即時脱型成形法は、図
14に示すように、上下方向に昇降駆動されるプレス機
構(図示省略)に連結されたプレスシューズ取付脚61の
下端に取付フランジ62を介して取り付けられて所定の
昇降ストローク範囲内で上下方向に駆動せしめられる板
状のプレスシューズ63と、区画壁66,66,・・によ
り区画形成された無底筒状の複数の成形室65,65,・
・を平面方向に列設するとともに上下方向位置が固定さ
れた型枠部材64と、図示しない昇降支持機構により支
持された状態で上記型枠部材64の下面側に配置された
製品パレット67とを備えたコンクリートブロック製造
装置Z0を使用する方法である。
【0006】そして、コンクリートブロックの製造に際
しては、先ず、図14に示すように、上記成形室65内
に、含水率が低くパサパサの状態であってその流動性が
低い寡水コンクリート71を上記型枠部材64を加振機
構(図示省略)により加振させながら投入して該型枠部材
64の上面一杯に充填する。尚、この寡水コンクリート
71の成形室65への投入は、上記型枠部材64の上方
位置において左右方向へ進退可能に配置された図示しな
い給材機構により行なわれる。
【0007】次に、この状態で、型枠部材64の上方位
置で待機している上記プレスシューズ63を下降させ、
該プレスシューズ63により上記寡水コンクリート71
に加圧力をかけつつ型枠部材64を加振しながらこれを
加圧成形するとともに、該プレスシューズ63が所定位
置まで下降して十分に加圧成形がなされた時点で該プレ
スシューズ63と同期させて同速度で上記製品パレット
67を下降させ、図15に示すように上記プレスシュー
ズ63によって上記成形室65内の寡水コンクリート7
1を製品パレット67側に押し出して所定形状のコンク
リートブロック70を得るものである。
【0008】即ち、この即時脱型成形法によれば、含水
率が小さく流動性の低い寡水コンクリートをプレスシュ
ーズ63により加圧成形するものであるため、成形後直
ちに脱型させても(即ち、型枠部材64から押し出して
も)その形状が保持され、従って、成形作業と脱型作業
とを同一工程で連続して行うことができ、しかも脱型後
の型枠部材64はこれを直ちに次回の成形に使用するこ
とができる等のことから、作業性が極めて良好となり、
上記流し込み成形法の欠点を補い得るものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
即時脱型成形法によれば、上述のように作業性の向上が
図れるという利点を有する反面、成形素材として含水率
が低く流動性の少ない寡水コンクリートを使用している
ことから、モルタル層の流動性も低く、従って、該モル
タル層が骨材相互の隙間に十分に回り込まないことか
ら、図16に示すように、製造される製品としてのコン
クリートブロック70はその表面のきめが比較的荒いも
のとなり、特に、その使用目的等からして表面のきめの
細かさが要求されるコンクリートブロックの製造には適
用しにくいという問題があった。
【0010】そこで本願発明は、即時脱型成形法と流し
込み成形法の長所を兼ね備えたコンクリートブロック、
即ち、作業性が良好で、しかもきめの細かい表面をもつ
商品価値の高いコンクリートブロックを製造することの
できるコンクリートブロック製造装置を提案せんとして
なされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0012】本願の第1の発明では、型枠に充填された
含水率の比較的低い寡水コンクリートをプレスシューズ
により該型枠から押し出してコンクリートブロックを成
形するためのコンクリートブロック製造装置において、
上記プレスシューズの少なくとも上記寡水コンクリート
に当接する加圧成形面となる部位を多孔質材で構成する
とともに、該多孔質材の背面側に該多孔質材に水を供給
する水供給部と適宜の流動体を供給する流動体供給部と
を設けたことを特徴としている。
【0013】本願の第2の発明では、型枠に充填された
含水率の比較的低い寡水コンクリートをプレスシューズ
により該型枠から押し出してコンクリートブロックを成
形するためのコンクリートブロック製造装置において、
上記プレスシューズの少なくとも上記寡水コンクリート
に当接する加圧成形面となる部位を多孔質材で構成し且
つ該多孔質材の背面側に該多孔質材に適宜の流動体を供
給する流動体供給部を設ける一方、上記型枠側に対して
その上面側から水を噴霧状態で供給する給水機構を備え
たことを特徴としている。
【0014】
【作用】本願発明ではかかる構成とすることにより次の
ような作用が得られる。
【0015】(イ) 本願の第1の発明にかかるコンク
リートブロック製造装置では、プレスシューズの少なく
とも寡水コンクリートに当接する加圧成形面となる部位
を多孔質材で構成するとともに、該多孔質材の背面側に
該多孔質材に水を供給する水供給部と適宜の流動体を供
給する流動体供給部とを設けているので、該プレスシュ
ーズにより型枠部材内の寡水コンクリートを加圧して成
形する際、上記水供給部に水を供給することで該水は多
孔質材を通過して加圧成形面側に滲出し、該加圧成形面
に接する寡水コンクリートの表面近傍に浸透し該部位の
含水率を局部的に高めることとなる。この結果、プレス
シューズにより成形される寡水コンクリートの表面近傍
においては、その流動性が局部的に高められ流動性の良
いモルタル層が骨材間に十分に回り込むことから、きめ
の細かな表面をもつコンクリートブロックが得られるこ
とになる。
【0016】一方、プレスシューズによって成形された
コンクリートブロックを型枠から脱型させた後、該プレ
スシューズを該コンクリートブロックから離脱させる
が、この場合、該コンクリートブロックのプレスシュー
ズに接する部位は給水により含水率が局部的に高くなり
その通気性が低下していることから、そのままプレスシ
ューズをコンクリートブロックから強制的に離脱させる
と、該コンクリートブロックとの離脱面部分が負圧化
し、該プレスシューズのコンクリートブロックからの離
脱が阻害され、場合によっては該コンクリートブロック
の表面部分がプレスシューズ側に盗み取られてコンクリ
ートブロックに欠落部分が生じて製品として無価値のも
のになることも考えられるが、本願発明においてはこの
プレスシューズの離脱時に上記多孔質材の背面側の流動
体供給部に水、エア等の適宜の流動体を供給すること
で、該流動体が多孔質材を透過してその加圧成形面側に
滲出し、該プレスシューズとコンクリートブロックとの
離脱面部分に充填されることで該離脱面部分の負圧化が
可及的に防止され、該プレスシューズのコンクリートブ
ロックからの離脱が該コンクリートブロックの欠落欠陥
を生じさせることもなくスムーズに行なわれるものであ
る。
【0017】(ロ) 本願の第2の発明にかかるコンク
リートブロック製造装置では、型枠部材内に投入された
寡水コンクリートをプレスシューズで加圧成形する際、
給水機構によって上記型枠部材の上面側から上記寡水コ
ンクリートの表面に水が噴霧状態で供給される。従っ
て、寡水コンクリートの表面部分においては、潤水化に
よりその流動性が局部的に高められることから、流動性
の良いモルタル層が骨材間に十分に回り込み、結果的に
きめの細かな表面をもつコンクリートブロックが得られ
ることになる。
【0018】一方、プレスシューズによって成形された
コンクリートブロックを型枠から脱型させた後、該プレ
スシューズを該コンクリートブロックから離脱させる
が、この場合、上記(イ)に記載したと同様に、プレス
シューズの多孔質材の背面側の流動体供給部に水、エア
等の適宜の流動体を供給し該多孔質材を透過してその加
圧成形面側に滲出する流動体によりプレスシューズとコ
ンクリートブロックとの離脱面部分を充填してこの部分
の負圧化を防止することで、製品としてのコンクリート
ブロックに欠落欠陥を生じさせるようなこともなく上記
プレスシューズのコンクリートブロックからの離脱がス
ムーズに行なわれることになる。
【0019】
【発明の効果】従って、本願発明のコンクリートブロッ
ク製造装置によれば次のような効果が奏せられる。
【0020】(a) 本願の第1の発明にかかるコンク
リートブロック製造装置によれば、プレスシューズによ
る加圧成形時にその加圧成形面側に多孔質材を通して水
を供給して該プレスシューズの近傍部分の寡水コンクリ
ートを局部的に潤水化することできめの細かな表面をも
つコンクリートブロックを得ることができることから、
寡水コンクリートを使用した即時脱型成形法の利点、即
ち、良好な作業性を確保しつつ、流し込み成形法の最大
の利点であるきめの細かな製品表面をもつコンクリート
ブロックを容易に得ることができるものであり、良好な
作業性の確保とコンクリートブロックの商品価値の向上
とを両立し得るという効果が奏せられるものである。
【0021】また、成形されたコンクリートブロックか
らプレスシューズを離脱させる際には流動体をプレスシ
ューズの加圧成形面側に滲出充填させることで該部分の
負圧化を防止しもってコンクリートブロックに欠落欠陥
を生じさせることなくプレスシューズのスムーズな離脱
を実現するようにしていることから、製品の歩留りが向
上しそれだけ製品コストの低廉化が図れるとともに、プ
レスシューズ側への付着コンクリートの除去作業そのも
のが不要である分だけ作業性の向上が図れるという効果
も得られる。
【0022】(b) 本願の第2の発明にかかるコンク
リートブロック製造装置によれば、プレスシューズによ
る加圧成形時にその寡水コンクリートの表面側に給水機
構によって水を供給して該寡水コンクリートの表面近傍
の部分を局部的に潤水化することできめの細かな表面を
もつコンクリートブロックを得ることができることか
ら、上記第1の発明の場合と同様に、寡水コンクリート
を使用した即時脱型成形法の利点である良好な作業性を
確保しつつ、流し込み成形法の最大の利点であるきめの
細かな製品表面をもつコンクリートブロックを容易に得
ることができ、良好な作業性の確保とコンクリートブロ
ックの商品価値の向上とを両立し得るという効果が奏せ
られるものである。
【0023】また、成形されたコンクリートブロックか
らのプレスシューズの離脱作業に際しては、上記第1の
発明の場合と同様に、流動体をプレスシューズの加圧成
形面側に滲出充填させることで該部分の負圧化を防止し
もってコンクリートブロックに欠落欠陥を生じさせるこ
となくプレスシューズのスムーズな離脱を実現できるこ
とから、製品の歩留りの向上による製品コストの低廉化
と、付着コンクリート除去作業の廃止による作業性の向
上とが図れるものである。
【0024】
【実施例】以下、本願発明のコンクリートブロック製造
装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】第1実施例 図1には、本願の第1の発明の実施例としてのコンクリ
ートブロック製造装置Z1の要部が示されており、同図
において符号1はプレス機構10(図7参照)に取り付け
られた複数のプレスシューズ取付脚の一つであり、該プ
レスシューズ取付脚1の下端には取付フランジ2が固着
されている。そして、この取付フランジ2には、本発明
の要旨である後述のプレスシューズ4が締着固定されて
いる。
【0026】また、同図において符号11は、区画壁1
2,12,・・により所定形状に区画形成された複数の無
底筒状の成形室13,13,・・を有する型枠部材11で
あって、該型枠部材11はその上下方向における取付位
置が固定的に設定されるとともに適宜の加振機構(図示
省略)により加振可能とされている。さらに、同図にお
いて符号15は、昇降駆動可能とされたパレット供給機
構(図示省略)により上記型枠部材11の下面側に当接状
態で配置された製品パレット15であって、該製品パレ
ット15はコンクリートブロック成形時には上動して上
記型枠部材11の下面側に当接状態で配置される一方、
該コンクリートブロックの脱型取り出し時には下動せし
められる。
【0027】尚、上記型枠部材11の上方側には、図示
しない給材機構が左右方向に移動自在に配置されてお
り、該給材機構は前進して上記型枠部材11の各成形室
13,13,・・内に成形原料としての寡水コンクリート
を投入するとともに、その後退時には余剰コンクリート
を除去して投入コンクリート量を一定量(上記成形室1
3の上面とほぼ面一となる量)に規定する如く作用す
る。
【0028】上記プレスシューズ4は、図1〜図3に示
すように、後述の焼結金属板6とバックアップ板5とで
構成され、後述のプレスシューズホルダー3を介して上
記プレスシューズ取付脚1の取付フランジ2に締着固定
されている。
【0029】上記焼結金属板6は、特許請求の範囲中の
多孔質材に該当するものであって、粉末金属を、上記型
枠部材11の成形室13の内側に近接状態で挿入し得る
如く該成形室13の内側寸法より若干小さな矩形板状に
焼成結合して得られ、その内部組織としては孔径25〜
100μm程度の小孔を多数有する多孔質構造であり、
従って、水及び空気の通過を許容する物性を備えてい
る。
【0030】尚、セメント粒子の粒径は1〜50μmで
あるため、セメント粒子が焼結金属板6の小孔内に侵入
することも考えられるが、実際には、後述するように上
記焼結金属板6がコンクリートに当接している間は該焼
結金属板6の上面6bから加圧成形面となる下面6a側に
圧力水あるいは加圧エアが滲出せしめられることから、
該圧力水あるいは加圧エアによってセメント粒子の侵入
は確実に阻止され、このセメント粒子による焼結金属板
6の目詰まりは確実に防止される。
【0031】上記バックアップ板5は、上記焼結金属板
6はその属性からして高硬度であるものの耐脆性が低い
という点を考慮して該焼結金属板6を保護せんとして設
けられたものであって、所定厚さの軟鋼板で矩形板状に
一体形成されている。そして、このバックアップ板5は
その下面5aを上記焼結金属板6の上面6bに衝合させて
これを例えば貼着等の接合固定手段によって固定するこ
とで該焼結金属板6と一体化されて一つのプレスシュー
ズ4を構成する。尚、このように上記バックアップ板5
と焼結金属板6とを衝合状態で一体化してなるプレスシ
ューズ4の外周部は、加圧成形面となるその下面4a(即
ち、上記焼結金属板6の下面6a)から上面4b(即ち、上
記バックアップ板5の上面5b)に向けて次第に内側に傾
斜する傾斜面4cとされている。
【0032】一方、このプレスシューズ4の焼結金属板
6とバックアップ板5との衝合面部分には、該衝合面に
沿って相互に連続状態で縦横に延びる溝状通路7が形成
されている。この溝状通路7は、特許請求の範囲中の水
供給部及び流動体供給部にそれぞれ該当するものであっ
て、上記バックアップ板5の下面5aに凹設形成した溝
の開口縁を上記焼結金属板6の上面によって全体的に覆
って通路状に形成されている。そして、上記バックアッ
プ板5には、その上面5bから下面5aに跨がって貫通し
且つその下端が上記溝状通路7内に開口する左右一対の
ネジ孔26,26と、該バックアップ板5の上面5bから
下面5a側に向って深穴状に形成された一対のネジ孔2
5,25とが設けられている。
【0033】上記プレスシューズホルダー3は、矩形板
状体で構成されるものであって、その下面3aには、上
記プレスシューズ4全体をその上面4b側から密着状態
で嵌合させ得る如く台形状に凹設形成されたプレスシュ
ーズ嵌合部31が設けられている。このプレスシューズ
ホルダー3の外周寸法は、上記型枠部材11の成形室1
3の内周寸法より小さく、また上記プレスシューズ4の
外周寸法より大きくなるように適宜に設定されている。
このような寸法設定とすると、図2に示すようにプレス
シューズホルダー3のプレスシューズ嵌合部31にプレ
スシューズ4を嵌合させた状態では、該プレスシューズ
ホルダー3の外周面が上記成形室13の内周面に衝突す
ることは起こり得るが、上記プレスシューズ4が直接に
成形室13の内周面に衝突することは起こり得ない(即
ち、該プレスシューズ4は確実にプレスシューズホルダ
ー3により保護されることとなる)。従って、プレスシ
ューズホルダー3においては、上記成形室13の内周面
との衝突等による損耗を抑制する意味で、この実施例に
おいては該プレスシューズホルダー3を高硬度材(例え
ば、HRC70程度に浸炭焼き入れした炭素鋼)で構成
している。
【0034】叙上の如く構成されたプレスシューズ4
は、図2に示すように、上記プレスシューズホルダー3
に対してそのプレスシューズ嵌合部31内に嵌合せしめ
た状態で該プレスシューズホルダー3の上面3bを上記
取付フランジ2の下面に衝合させ、且つ該取付フランジ
2の上面側から上記プレスシューズ4の各ネジ孔25,
25に螺合せしめた取付ボルト9,9により上下方向に
締着固定することで、上記プレスシューズ取付脚1側に
固定される。そして、このプレスシューズ取付脚1側に
固定されたプレスシューズ4の上記各ネジ孔26,26
に対してそれぞれ管体8,8を螺着せしめている。
【0035】この各管体8,8は、上記溝状通路7への
水及び加圧エアの導入通路となるものであって、図1に
示すように、該各管体8,8は、給水源17と加圧エア
源18とに接続され、給水源17側に設けた電磁切換弁
19と加圧エア源18側に設けた電磁切換弁20との作
動を適宜に制御することで上記溝状通路7に水と加圧エ
アとを選択的に導入可能とされている。即ち、各電磁切
換弁19,20がともに非励磁とされた状態では溝状通
路7には水も加圧エアも供給されないが、一方の電磁切
換弁19が励磁され他方の電磁切換弁20が非励磁とさ
れた状態では上記溝状通路7に水が供給され、また逆に
一方の電磁切換弁19が非励磁で他方の電磁切換弁20
が励磁された状態では上記溝状通路7に加圧エアが供給
される。また、この各電磁切換弁19,20の作動制御
は、後述のように、図示しないコントロールユニットに
より、上記プレス機構、支持機構等の他の機構の作動に
関連して行なわれる。
【0036】尚、上記プレスシューズ4は上述の如くプ
レス機構により上下動せしめられるが、その上下方向に
おける移動位置は次述の「上動位置」と「中間位置」と「下
動位置」の三位置に設定されている。即ち、「上動位置」
は、プレス機構が最上昇位置にあって、上記プレスシュ
ーズ4と型枠部材11との間を給材機構が進退移動する
のが許容される位置である。「中間位置」は、プレス機構
が最上昇位置より所定量だけ下降してプレスシューズ4
が型枠部材11の成形室13の上面よりも所定寸法だけ
該成形室13内に進入した位置(即ち、製品としてのコ
ンクリートブロックの上面高さに対応する位置)であっ
て、この位置でコンクリートの圧縮成形が完了する。
「下動位置」は、上記プレス機構が最下降位置にあって、
上記プレスシューズ4が上記型枠部材11(即ち、成形
室13)の下面から所定寸法だけ下方に突出し、成形さ
れたコンクリートブロックBの押し出し脱型作業が完了
する位置である。
【0037】続いて、このように構成されたコンクリー
トブロック製造装置Z1を使用して、図5に示すように
その上面Baが他の部分に比して細かなきめをもつ商品
価値の高いコンクリートブロックBを製造する場合につ
いて、その作業手順等を図4に示すタイムチャートを参
照しつつ説明する。尚、このコンクリートブロックBの
製造に際しては、含水率が少なく流動性の低い寡水コン
クリートが使用される。
【0038】図4に示すように、先ずパレット供給機構
が上昇作動して製品パレット15を型枠部材11の下面
に密着状態にセットする。このパレット供給機構による
製品パレット15のセットが完了した時点で、先ずプレ
ス機構が上昇し、上記プレスシューズ4と型枠部材11
との間への給材機構の進入を可能とすべく該プレスシュ
ーズ4がその「中間位置」から「上動位置」まで上昇せしめ
られる。
【0039】上記プレスシューズ4が「上動位置」に達し
た時点で、給材機構が前進して寡水コンクリートを型枠
部材11の各成形室13,13,・・内に投入するととも
に、投入後、該給材機構が後退することで寡水コンクリ
ートの余剰分が除去されて所定のコンクリート供給量が
確保される。この場合、上記給材機構の前進に伴うコン
クリート投入期間の中間時点において加振機構が作動し
て上記型枠部材を加振し、寡水コンクリートの成形室1
3への充填を促進する。
【0040】また、給材機構の後退時には、その中間時
点から給水機構、即ち、上記電磁切換弁19が開作動し
て上記プレスシューズ4の溝状通路7への給水が開始さ
れるとともに、この給水はプレスシューズ4による後述
の加圧成形期間の中間時点まで継続される。
【0041】一方、上記給材機構の後退が完了するとそ
れと同時に、加振機構が再度作動し上記型枠部材11を
適度に加振させるとともに、プレス機構が下降し始め、
上記プレスシューズ4がその「上動位置」から「中間位置」
に向けて下降する。この場合、上記パレット供給機構は
停止状態にあって上記製品パレット15は一定位置を保
持している。従って、上記プレスシューズ4の下動に伴
って上記成形室13内のコンクリートは、上記加振機構
による加振作用を受けながら、該プレスシューズ4によ
り次第に圧縮成形され、該プレスシューズ4が「中間位
置」に達して停止した時点でコンクリートの成形作用が
完了し、図1に示す如き矩形のコンクリートブロックB
が上記成形室13内に形成されることとなる。
【0042】ところで、このプレスシューズ4により加
圧成形が行なわれる場合、上述のようにこの加圧成形の
開始以前の時点から加圧成形の中間時点までの間は上記
溝状通路7に給水されていることから、該溝状通路7に
供給された水は焼結金属板6を次第に透過してその下面
6a(即ち、プレスシューズ4の下面4aで構成される加
圧成形面)側に順次滲出し、該プレスシューズ4の近傍
の寡水コンクリートに浸透して次第にこれを潤水化しそ
の流動性を局部的に高める。従って、このプレスシュー
ズ4の近傍部位の寡水コンクリートにおいては、流動性
の良いペースト状のモルタル層が加振作用及び加圧作用
を受けて骨材間に容易に侵入するとともに、部分に散在
していた骨材そのものも次第に沈降し、結果的に上記プ
レスシューズ4の近傍部分においては骨材の分布量が少
なく且つ骨材間がモルタル層により目潰しされた状態の
きめの細かな組成となる。
【0043】上記プレス機構は、上記プレスシューズ4
が「中間位置」に達した時点で所定時間停止して該プレス
シューズ4を該「中間位置」に保持せしめるが、この「中
間位置」での保持期間中に上記コンクリートブロックB
は十分に押し固められ、それ自身の形状保持が可能な状
態とされる。尚、この保持期間中も上記加振機構による
加振作用が継続されるとともに、この保持期間の中間時
点において加圧エア供給機構である上記電磁切換弁20
が開いて上記溝状通路7への加圧エアの供給が開始され
る。
【0044】一方、上記プレスシューズ4の「中間位置」
での保持期間が所定時間に達すると、上記プレス機構は
再度下降を開始し、上記プレスシューズ4がその「中間
位置」から「下動位置」側に移動せしめられると同時に、
上記パレット供給機構も停止状態から下降を開始し、該
プレスシューズ4と製品パレット15とで上下方向から
挟まれた状態で上記コンクリートブロックBは次第に上
記成形室13から下方へ押し出され、該プレスシューズ
4が「下動位置」に達した時点で該コンクリートブロック
Bは完全に成形室13から下方へ押し出されて脱型され
る。尚、この脱型完了時点、即ち、上記プレスシューズ
4が「下動位置」に達する時点まで上記溝状通路7への加
圧エアの供給が継続される。
【0045】上記プレスシューズ4が「下動位置」に達し
てコンクリートブロックBの脱型が完了すると、その時
点で上記プレス機構は上昇に転じ、上記プレスシューズ
4はその「下動位置」から「中間位置」まで上昇して該「中
間位置」において停止される。これに対して、成形室1
3から押し出されたコンクリートブロックBを載置せし
めた製品パレット15は上記パレット供給機構が下動を
継続していることからさらに下降せしめられる。
【0046】従って、上記製品パレット15とプレスシ
ューズ4との間隔が拡大することとなり、該プレスシュ
ーズ4はコンクリートブロックBの上面から離脱される
ことになる。この場合、上述のように上記コンクリート
ブロックBの上面部分、即ち、プレスシューズ4の近傍
部分は給水により潤水化してきめが細かくなった分だけ
その通気性が低下しているため、面接触状態にあるプレ
スシューズ4をそのままコンクリートブロックBから上
方へ強制的に離脱させると、該プレスシューズ4とコン
クリートブロックBの上面との衝合部分が局部的に負圧
化してプレスシューズ4が離脱しにくくなり、場合によ
ってはコンクリートブロックBの上面部分の一部がその
ままプレスシューズ4側に付着して盗まれてコンクリー
トブロックBに欠落欠陥が生じることも考えられる。
【0047】ところが、この実施例においては、プレス
機構による離脱作用が開始される時点より所定時間だけ
早い時期から脱型完了時点までの期間中、上記溝状通路
7に加圧エアが供給されていることから、上記溝状通路
7に供給された加圧エアが焼結金属板6を透過して順次
加圧成形面側に滲出することで上記プレスシューズ4と
コンクリートブロックBの表面との間の部分における負
圧化が可及的に防止され、上記プレスシューズ4はコン
クリートブロックB側に欠落欠陥を生じさせることもな
く該コンクリートブロックBの表面からよりスムーズに
離脱することができることとなる。
【0048】以上に述べた通り、この実施例のコンクリ
ートブロック製造装置Z1によれば、寡水コンクリート
を使用した即時脱型成形法による装置であるにもかかわ
らず、加圧成形時にプレスシューズ4側から充填コンク
リートに局部的に給水することで流し込み成形法による
場合と同様のきめの細かい表面をもつコンクリートブロ
ックBを得ることができるものであって、この点からし
てこのコンクリートブロック製造装置Z1は、いわば即
時脱型成形法と流し込み成形法の利点を併せ持つ従来に
ない技術的価値の高いコンクリートブロック製造装置で
あるということができる。従って、このコンクリートブ
ロック製造装置Z1を使用することで高い作業性を確保
できるとともに、製造されたコンクリートブロックBも
表面がきめの細かい商品価値の高いものとなる。
【0049】また、プレスシューズ4の離脱がコンクリ
ートブロックB側に欠陥を生じさせることなくスムーズ
に且つ確実に行なわれることから、製品の歩留り率も高
く、製品コストの低廉化をも期待できるものである。
【0050】さらに、このコンクリートブロック製造装
置Z1は、既存の即時脱型成形法による装置に上記プレ
スシューズ4のみを付加することで容易に転用できるも
のであるため、例えば、装置全体をそれ専用の構造に仕
様変更する必要があるような場合に比して、設備コスト
の低廉化あるいは既存設備の有効利用が図れるという利
点もある。
【0051】尚、この実施例においては、脱型時に溝状
通路7側に供給される流動体として加圧エアを採用して
いるが、本願発明はこれに限定されるものではなく、例
えば、流動体として水とか粉体等をも使用することがで
きるものである。特に水を脱型用流動体として利用する
ようにした場合には、潤水化用の水と供給系を完全に共
用し得ることから、さらに設備費の低廉化が期待できる
ものである。
【0052】また、この実施例においては、上記溝状通
路7を、特許請求の範囲中の水供給部と流動体供給部と
に共用するようにしているが、本願発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、これら二つを別々に設ける
こともできるものである。
【0053】第2実施例 図6及び図7には、本願の第2の発明の実施例にかかる
コンクリートブロック製造装置Z2の全体構成を示して
いる。このコンクリートブロック製造装置Z2の具体的
構成を説明するに先立って、上記第1実施例のコンクリ
ートブロック製造装置Z1とは異なる特徴的部分につい
て説明をすると、この第2実施例にかかるコンクリート
ブロック製造装置Z2は、基本的には上記第1実施例の
コンクリートブロック製造装置Z1と同様に、複数の成
形室13,13,・・をもつ型枠部材11とプレスシュ
ーズ4とを用い、寡水コンクリートを使用して即時脱型
成形法によって表面のきめが細かいコンクリートブロッ
クBを成形するものであるが、次の点については上記第
1実施例のコンクリートブロック製造装置Z1と顕著な
差異がある。
【0054】即ち、上記第1実施例のコンクリートブロ
ック製造装置Z1においては、プレスシューズ4の加圧
成形面を構成する焼結金属板6の背面側に水供給部と流
動体(実施例では加圧エア)供給部の双方として機能す
る溝状通路7を設け、ここへ水と加圧エアとを択一的に
供給し、該焼結金属板6を通してその表面に滲出する水
によって寡水コンクリートの局部的な潤水作用を、また
滲出する加圧エアによってプレスシューズの離脱促進作
用を、それぞれ行わしめるようにしている。
【0055】これに対して、この第2実施例のコンクリ
ートブロック製造装置Z2においては、後述するよう
に、プレスシューズ4に設けられる溝状通路7を流動体
供給部のみとして利用し、焼結金属板6を通して滲出す
る加圧エアによってプレスシューズ4の離脱を促進させ
る一方、寡水コンクリートの潤水用の水は別設置の給水
機構40によって噴霧状態で外部から供給するようにし
ており、この点において上記第1実施例のコンクリート
ブロック製造装置Z1とは構成上顕著な差異がある。
【0056】その他に、上記第1実施例においてはコン
クリートブロックBを、ある組成をもつ1種類の寡水コ
ンクリートを使用して成形するようにしていたが、この
実施例においては後述するように、使用する寡水コンク
リートとして、骨材の径が比較的大きい基層用寡水コン
クリート51と径が比較的小さい表層用寡水コンクリー
ト52の2種類の寡水コンクリートを用意し、コンクリ
ートブロックBの基層部分は基層用寡水コンクリート5
1で、表層部分は表層用寡水コンクリート52でそれぞ
れ成形し、局部的潤水による表面のきめの細化作用をよ
り一層確実且つ容易なものとしており、この点も第1実
施例の場合と異なる。
【0057】以下、かかる特有の構成をもつコンクリー
トブロック製造装置Z2の具体的構成を説明する。尚、
説明に際しては、上記第1実施例のコンクリートブロッ
ク製造装置Z1の構成部材と同一構成の部材(形状上の
同一の他に、機能上の同一も含む)にはコンクリートブ
ロック製造装置Z1の場合と同じ符号を付することとす
る。
【0058】上記コンクリートブロック製造装置Z
2は、図6及び図7に示すように、複数の成形室13,
13,・・を備えた型枠部材11と、該型枠部材11の
上方において複数のプレスシューズ取付脚1,1,・・
の下端にそれぞれ取り付けられてプレス機構10により
一体的に上下移動せしめられる後述のプレスシューズ
4,4,・・と、上記型枠部材11の左右両側にそれぞ
れ配置されて上記型枠部材11の上方に重合状態で位置
する給材位置と該型枠部材11の側方へ退避した退避位
置の間で進退可能とされた第1給材機構41と第2給材
機構42と、上記型枠部材11の側方に上記各給材機構
41,42の進退方向に対して直交する方向へ進退可能
に配置された後述の給水機構40を備えて構成される。
【0059】尚、上記型枠部材11は、型枠支持機構4
3により上下方向に移動可能に支持されており、成形時
には下降位置に位置設定され、脱型時には上昇位置に位
置設定される。また、下降位置においては、図7に示す
ように、水平方向に移動可能とされた製品パレット15
の上面側に載置され、脱型時には図8に示すように該製
品パレット15から上方へ浮上せしめられる。
【0060】また、上記第1給材機構41と第2給材機
構42のうち、第1給材機構41には基層用寡水コンク
リート51が、第2給材機構42には表層用寡水コンク
リート52が、それぞれ投入されており、これら二つの
給材機構41,42から前後して上記型枠部材11の各
成形室13,13,・・内に基層用寡水コンクリート5
1と表層用寡水コンクリート52とが積層状態で充填さ
れる。
【0061】上記プレスシューズ4は、基本的には上記
第1実施例におけるプレスシューズ4と同じ構成をも
つ。即ち、図10及び図11に示すように、矩形厚板状
のバックアップ板5の下面側に矩形薄板状の焼結金属板
6を衝合させ且つこれらを一体化して構成されている。
そして、このプレスシューズ4のバックアップ板5と焼
結金属板6との衝合面には、該バックアップ板5の下面
5aを溝状に凹設するとともにその開口側を上記焼結金
属板6で閉塞してなり且つ相互に連通する溝状通路7,
7,・・(特許請求の範囲中の流動体供給部に該当す
る)が碁盤目状に形成されている。また、この溝状通路
7,7,・・は、バックアップ板5の対角状の二位置に
設けたネジ孔26,26にそれぞれ取り付けられた管体
8,8を介して、図8に示すように、加圧エア源18に
接続され、該加圧エア源18から加圧エアが導入される
ようになっている。尚、この管体8には、特許請求の範
囲中の加圧エア供給機構を構成する電磁切換弁20と減
圧弁21とが備えられ、該電磁切換弁20の作動制御に
よって上記プレスシューズ4側への加圧エアの供給が制
御されるのであるが、この実施例においてはコンクリー
トブロックBの成形作業中は常時加圧エアを供給するよ
うになっている(図12参照)。
【0062】このように構成されたプレスシューズ4
は、図8に示すように、プレスシューズホルダー3に対
してそのプレスシューズ嵌合部31内に嵌合せしめた状
態で、該プレスシューズホルダー3と一体的に上記プレ
スシューズ取付脚1の取付フランジ2に対して取付ボル
ト9,9により締着固定することで該プレスシューズ取
付脚1側に固定される。
【0063】尚、上記プレスシューズ4は上述の如くプ
レス機構により上下動せしめられるが、その上下方向に
おける移動位置は、プレスシューズ4を型枠部材11の
上方で待機させるための「上動位置」とプレスシューズ
4によって加圧成形するための「下動位置」とに分か
れ、さらにこの「下動位置」は、「第1下動位置」と
「第2下動位置」と「第3下動位置」の三つの位置に分
けられる。ここで、上記「上動位置」は、プレス機構が
最上昇位置にあって上記プレスシューズ4と型枠部材1
1との間を給材機構41,42が進退移動するのを許容
する位置である。「第1下動位置」は、最初に投入され
る基層用寡水コンクリートを加圧成形する位置(一次成
形位置)であって、プレス機構が最上昇位置より所定量
だけ下降してプレスシューズ4が型枠部材11の成形室
13の上面よりも所定寸法だけ該成形室13内に進入
し、プレスシューズ4の下面(即ち、加圧成形面)と上
記型枠部材11の上面との間に次工程での表層寡水コン
クリートの充填用の空間部を形成し得る位置である。ま
た、「第2下動位置」は、基層用寡水コンクリートの上
に重ねて投入された表層用寡水コンクリートを加圧成形
する位置(二次成形位置)であって、上記プレスシュー
ズ4の下面位置が製品としてのコンクリートブロックB
の上面高さよりも僅かに高いに設定される。「第3下動
位置」は、主として成形されるコンクリートブロックB
の高さ方向の寸法出しのための加圧成形位置(三次成形
位置)であって、この位置においてはプレスシューズ4
の下面高さが製品としてのコンクリートブロックBの上
面位置に対応する。
【0064】上記給水機構40は、図9に示すように、
上記型枠部材11の幅寸法にほぼ相当する長さをもつ分
水パイプ33の一側に所定間隔で複数(この実施例では
7個)の噴霧ノズル34,34,・・を取り付けるとと
もに該分水パイプ33をシリンダ36に取り付けて構成
される。そして、この分水パイプ33は、上記シリンダ
36の伸縮動により、図6に実線図示する如く型枠部材
11の手前位置と鎖線図示(符号33′)する如く型枠
部材11の前方位置との間で水平方向に移動せしめられ
る。また、この分水パイプ33には、図6に示すよう
に、給水管35の分岐管35a,35bがその両端にそ
れぞれ接続されている。また、この給水管35は、その
上流端を給水タンク22に接続せしめるとともに、その
通路途中には電磁切換弁23が、また該電磁切換弁23
より下流側位置には電磁切換弁24を備えた排水管37
が接続されている。尚、上記給水タンク22は、その内
部に貯留される水を加圧エアの圧力によって給水管35
側へ吐出させるようになっている。
【0065】尚、この給水機構40の電磁切換弁23と
電磁切換弁24、及び上記プレスシューズ4側の電磁切
換弁20の作動制御は、後述のように、図示しないコン
トロールユニットにより、上記プレス機構10、型枠支
持機構43等の他の機構の作動に関連して行なわれる。
【0066】続いて、この第2実施例にかかるコンクリ
ートブロック製造装置Z2を使用して二層打ちによりコ
ンクリートブロックBを製造する場合についてその作業
手順等を図12に示すタイムチャートを参照して説明す
る。
【0067】先ず、パレット供給機構が作動し、製品パレ
ット15が所定の成形位置に供給され且つセットされ
る。次に、プレス機構10が上昇し、プレスシューズ4
を「上動位置」にセットするとともに、型枠支持機構4
3が下降し、型枠部材11を上記製品パレット15上の
所定位置にセットする。これでコンクリートブロックB
の成形作業の準備作業が完了する。
【0068】次に、第1給材機構41が前進して上記型
枠部材11の各成形室13,13,・・内に基層用寡水
コンクリートを所定量供給し(給材)、給材が完了した
時点(即ち、第1給材機構41が後退した時点)でプレ
ス機構10が「第1下動位置」まで下降してプレスシュ
ーズ4により上記成形室13内の寡水コンクリートを加
圧成形(一次成形)する。この場合、給材工程の中間時
点からプレスシューズ4による加圧成形が完了するまで
の間は、加振機構が作動し、寡水コンクリートの充填作
用と成形作用との促進が図られる。また、この場合、加
圧エア機構から常時加圧エアが供給されていることか
ら、プレスシューズ4の焼結金属板6の下面6aには常
時加圧エアが滲出しており、従ってこの滲出する加圧エ
アによって焼結金属板6側へのセメント粒子と水の浸入
が阻止される。
【0069】一次成形が完了すると、プレス機構10が
「上動位置」まで上昇すし、これに引き続いて二次成形
が開始されるが、このプレス機構10の上昇時には焼結
金属板6の下面6aに滲出する加圧エアによって該焼結
金属板6と一次成形された寡水コンクリートの表面との
間の負圧化が防止されることから、該焼結金属板6の離
型がスムーズに行われる。
【0070】二次成形においては、先ず、上記プレスシ
ューズ4が「上動位置」に設定された時点で、第2給材
機構42が前進し、表層用寡水コンクリートが、一次成
形により成形室13の上部に形成された空間部に投入さ
れ、且つ加振により充填される。寡水コンクリートの充
填が完了した時点でプレス機構10が作動し、プレスシ
ューズ4が「第2下動位置」まで下降する間に上記表層
用寡水コンクリートに対して加圧成形作用が働き(二次
成形)、上記成形室13内には図8に示すように、基層
用寡水コンクリートからなる成形層B1と表層用寡水コ
ンクリートとからなる成形層B2とをもつ二層状のコン
クリートブロックBが成形されることになる。
【0071】二次成形が完了し、プレス機構10が上昇
して「上動位置」に設定された時点で給水機構40が作
動し、分水パイプ33が「手前位置」と「前方位置」と
の間を1往復する間に、該分水パイプ33に設けた複数
の噴霧ノズル34,34,・・から上記型枠部材11の
各成形室13内にある各コンクリートブロックB,B,
・・の表面側に噴霧状態で水がかけられる。従って、こ
のコンクリートブロックBの表面部分においてはその他
の部分よりも局部的に含水率が高められることになる。
尚、この給水機構40によるコンクリートブロックBの
表面部分への給水の終了は、上記電磁切換弁23により
給水管35を閉止するとともに上記電磁切換弁24によ
り排水管37を開放して行われる。このように、給水停
止時に排水管37から分水パイプ33側の残留水を排出
することで、上記給水管35が電磁切換弁23によって
閉止された後における水の“ボタ落ち”がなくなり、給
水量の管理が確実且つ容易になるものである。
【0072】給水が完了すると、加振機構が作動して型
枠部材11に加振作用がかけられるとともに、上記プレ
ス機構10が再度その「上動位置」から降下し、上記プ
レスシューズ4が「第3下動位置」に達するまでの間に
おいて二次成形状態のコンクリートブロックBに対して
さらに若干の加圧成形作用が働き、該コンクリートブロ
ックBは製品として要求される高さ寸法をもつことにな
る(三次成形)。この三次成形においては、コンクリー
トブロックBの表面に供給された水が該表面部分に十分
に浸透し、寡水コンクリートの流動性が高められること
から、該コンクリートブロックBの表面部分においては
モルタル層が骨材の周囲に十分に回り込み、該表面のき
めが非常に細かくなるものである。
【0073】三次成形が完了すると、プレス機構10の
位置はそのままで、型枠支持機構43が作動し、型枠部
材11が上方へ引き上げられ、該型枠部材11の各成形
室13,13,・・内の各コンクリートブロックB,
B,・・は上記プレスシューズ4と製品パレット15と
により上下方向から挟持された状態で該型枠部材11か
ら脱型される。以上で、コンクリートブロックBの成形
作業そのものは完了する。後は、プレスシューズ4をコ
ンクリートブロックBから離型させ、製品パレット15
を成形位置から搬出する。
【0074】以上のように、この第2実施例のコンクリ
ートブロック製造装置Z2においても、上記第1実施例
のコンクリートブロック製造装置Z1と同様に、寡水コ
ンクリートを使用して製品表面のきめが細かなコンクリ
ートブロックBを容易に成形することができるものであ
る。
【0075】尚、この第2実施例においては、二層打ち
によるコンクリートブロックBの成形作業について説明
したが、同様の装置を使用してして第1実施例の場合と
同様に一層打ちによりコンクリートブロックBを成形す
ることもできるものである。この場合、作業手順として
は、給材工程、加圧成形工程が半分になるだけで、基本
的には上述の場合と同様手順を踏襲することになるた
め、ここではこの一層打ちによるコンクリートブロック
Bの成形作業におけるタイムチャートのみを図13に示
して詳細な説明は割愛する。
【0076】尚、上記各実施例においては、プレスシュ
ーズ4に設けられる多孔質材を焼結金属板6で構成して
いるが、本願発明における多孔質材はこれに限定される
ものではなく、要するにセメント粒子の流通を阻止しつ
つ適度の通水性を有するものであればよく、例えば、金
属板に機械的に微少孔を多数形成したものとか、強度性
能あるいは耐久性等が満足される限り合成樹脂製多孔質
材、通気性セラミック材等をも適用し得るものである。
【0077】また、上記各実施例では矩形のコンクリー
トブロックを製造する場合について説明しているが、本
願発明はこれに限定されるものではなく種々の形状のコ
ンクリートブロック、例えば、外周面形状が湾曲したよ
うなコンクリートブロックの製造にも適用できるもので
ある。尚、このように湾曲状の外周面形状をもつコンク
リートブロックの製造に際しては、上記プレスシューズ
4の外形形状をコンクリートブロックの湾曲形状に沿う
如く湾曲状に形成することは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施例にかかるコンクリートブ
ロック製造装置の要部縦断面図である。
【図2】図1に示したプレスシューズ部分の拡大図であ
る。
【図3】図2のIII-III矢視図である。
【図4】図1に示したコンクリートブロック製造装置の
作動タイムチャートである。
【図5】図1のコンクリートブロック製造装置により製
造されたコンクリートブロックの斜視図である。
【図6】本願発明の第2実施例にかかるコンクリートブ
ロック製造装置の全体構成を示す平面図である。
【図7】図6のVII-VII矢視図である。
【図8】図7に示したプレスシューズ部分の拡大断面図
である。
【図9】図6に示した給水機構の構造説明図である。
【図10】図8に示したプレスシューズの平面図であ
る。
【図11】図10のXI-XI断面図である。
【図12】図6に示したコンクリートブロック製造装置
の作動タイムチャートである。
【図13】図6に示したコンクリートブロック製造装置
の他の使用例における作動タイムチャートである。
【図14】従来のコンクリートブロック製造装置の要部
縦断面図である。
【図15】図14に示したコンクリートブロック製造装
置の状態変化図である。
【図16】図14のコンクリートブロック製造装置によ
り製造されたコンクリートブロックの斜視図である。
【符号の説明】
1はプレスシューズ取付脚、2は取付フランジ、3はプ
レスシューズホルダー、4はプレスシューズ、5はバッ
クアップ板、6は焼結金属板、7は溝状通路、8は管
体、9は取付ボルト、10はプレス機構、11は型枠部
材、12は区画壁、13は成形室、15は製品パレッ
ト、17は給水源、18は加圧エア源、19及び20は
電磁切換弁、21は減圧弁、23及び24は電磁切換
弁、25及び26はネジ孔、27は通孔、31はプレス
シューズ嵌合部、33は分水パイプ、34は噴霧ノズ
ル、35は給水管、36はシリンダ、37は排水管、4
0は給水機構、41は第1給材機構、42は第2給材機
構、43は型枠支持機構、Bはコンクリートブロックで
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠に充填された含水率の比較的低い寡
    水コンクリートをプレスシューズにより該型枠から押し
    出してコンクリートブロックを成形するためのコンクリ
    ートブロック製造装置であって、 上記プレスシューズが、少なくとも上記寡水コンクリー
    トに当接する加圧成形面となる部位を多孔質材で構成す
    るとともに、該多孔質材の背面側に該多孔質材に水を供
    給する水供給部と適宜の流動体を供給する流動体供給部
    とが設けられていることを特徴とするコンクリートブロ
    ック製造装置。
  2. 【請求項2】 型枠に充填された含水率の比較的低い寡
    水コンクリートをプレスシューズにより該型枠から押し
    出してコンクリートブロックを成形するためのコンクリ
    ートブロック製造装置であって、 上記プレスシューズが、少なくとも上記寡水コンクリー
    トに当接する加圧成形面となる部位を多孔質材で構成
    し、且つ該多孔質材の背面側に該多孔質材に適宜の流動
    体を供給する流動体供給部を設ける一方、 上記型枠側に対してその上面側から水を噴霧状態で供給
    する給水機構が備えられていることを特徴とするコンク
    リートブロック製造装置。
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