JP2736925B2 - ロボットの力制御方式 - Google Patents

ロボットの力制御方式

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 ロボットの力制御方式に関し、 未知形状の対象物に対して或る設定した一定の力を加
えるロボットの力制御方式を提供することを目的とし、 ロボットと、入力値に応じた操作量をロボットに対し
て与える操作部と、ロボットと対象物の間に働く力を検
出する力検出部と、力検出部により検出された力の値を
もとにロボットが対象物に接する点における対象物表面
の法線ベクトルを算出する法線ベクトル算出部と、法線
ベクトル算出部によって算出された法線ベクトルの値と
目標力の値をもとに力指令の値を算出する制御指令生成
部と、力検出部によって検出された力の値と制御指令生
成部によって生成された力指令の値との差に応じた値を
出力する力制御手段とを具備し、力制御手段の出力値が
操作部に入力されるように構成されているものである。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、力制御型ロボットで対象物に対して或る一
定の力を加えて塗布や加工,組立などの作業を行うため
のロボットの力制御方式に係わり、特に制御対象を作動
させる操作部と、制御対象を受ける力を検出する力検出
部と、対象物表面の法線ベクトルを求める法線ベクトル
算出部とを有し、未知形状の対象物に対して一定の力を
発生するロボットの力制御方式に関する。
〔従来の技術〕
対象物へ或る設定した一定の力を加えるには、対象物
と制御対象の接点における法線方向を知る必要がある。
従来、この法線方向を求める方法としては、作用点近
傍の接点の座標を求め、この位置から算出する方法があ
った(例.「倣い教示制御方式」特願昭63−21357号,
「ロボットの倣い装置」特願昭63−59504号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、従来の方法では、自動的に法線方向を算出し
ないため、操作が煩雑である,正確な法線方向を求め難
い,などと言った問題があった。
本発明は、この点に鑑みて創作されたものであって、
未知形状の対象物に対して或る設定した一定の力を加え
るロボットの力制御方式を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明の原理説明図である。本発明のロボッ
トの力制御方式は、ロボット1と、入力値に応じた操作
量をロボット1に対して与える操作部2と、ロボット1
と対象物の間に働く力を検出する力検出部3と、力検出
部3により検出された力の値をもとにロボット1が対象
物に接する点における対象物表面の法線ベクトルを算出
する法線ベクトル算出部4と、法線ベクトル算出部4に
よって算出された法線ベクトルの値と目標力の値をもと
に力指令の値を算出する制御指令生成部5と、力検出部
3によって検出された力の値と制御指令生成部5によっ
て生成された力指令の値との差に応じた値を出力する力
制御手段6とを具備している。力制御手段6の出力値が
操作部2に入力される。
〔作用〕
最初に、力制御手段6に適当な力指令(ベクトル)が
与えられる。力制御手段6は、力検出部3によって検出
された力の値と力指令値の差に応じた値を出力する。こ
の値は操作部2に入力され、操作部2は入力値に応じた
操作量をロボット1に与える。力検出部3は、ロボット
と対象物との間に働く力(ベクトル)を検出する。法線
ベクトル算出部4は、力検出部3によって検出された力
の値(ベクトル)をもとに、ロボットが対象物に接する
点における対象物表面の法線ベクトルの値を算出する。
制御指令生成部5は、法線ベクトルと目標力の値(スカ
ラ)を入力し、法線方向の力の大きさが目標力の値と等
しくなるような力指令の値(ベクトル)を生成する。こ
の力指令の値は力制御手段6に入力される。
〔実施例〕
第2図は対象物と制御対象の位置関係を示す図であ
る。マニプレータは6軸のものであり、その先端に力検
出部が付加され、力検出部の下にハンド(第2図では探
触針の形で表されている)が設けられ、このハンドは対
象物と接触している。力検出部の力覚センサは、力覚セ
ンサ座標系Os−XsYsZsが定められ、力覚センサの位置・
姿勢を与える。ハンドと対象物は接触しており、接点で
の接平面をl,接平面に垂直下向きの単位ベクトル(つま
り、法線ベクトル)を とする。ハンドを対象物に押し付けたときに発生するベ
クトルnと逆方向の反力を とする。
対象物へ設定した目標設定力Frを加えるには、制御対
象において を発生すると良い。そこで、先ず法線ベクトル の算出方法について述べる。
第3図(a)はハンドが対象物から受ける反力 と力覚センサ座標系O2−XsYsZsの関係を示す図である。
力覚センサでは反力 をそれぞれXs,Ys,Zs方向の分力fx,fy,fzとして検出す
る。なお、以下において力覚センサの検出するトルク成
分についての説明は省略する。したがって、反力 をベクトル表示すると、 となる。但し、Tは転置を示す。
ベクトル と逆向きのベクトルであり、成分表示すると、 である。ただし、 はベクトルの大きさを示す。したがって、第3図(b)
のように対象物に対して目標力Frを加えるときは、力覚
センサ座標系において、大きさがFrであり、方向と向き
の力を発生すれば良い。このときの目標力ベクトルを を成分表示すると、 である。したがって、力覚センサ座標系の座標軸に沿っ
て、 の力を発生すると良い。
これを基準座標系で考えて見る。座標軸Xs,Ys,Zsのそ
れぞれの基準座標系に対する単位ベクトルを で表示する(OはO−XoYoZoでの記述を表す)。成分表
示すると、 となる。このとき、力覚センサ座標系から基準座標系へ
の座標変換行列 は、 で与えられる。基準座標系で目標力Frを表すと、 となる。
第4図は本発明の制御装置の1実施例のブロック図で
ある。同図において、21はマニプレータ、22は操作部、
22aはモータ、22bはパワーアンプ、22cはD/A変換器、22
dは補償器、23は力検出部、23aは力覚センサ、23bは座
標変換部、24は力制御部、24aは偏差部、26は位置検出
部、26aはエンコーダ&カウンタ、26bはタコメータ、30
aは逆ヤコビ行列部、40はホスト・コンピュータ、41は
制御指令生成部、42は法線ベクトル算出部をそれぞれ示
している。
第4図に示す制御装置は、マニプレータ21の制御を行
う操作部22を備えている。この操作部22は、サーボ・モ
ータ22aと、パワー・アンプ22bと、D/Aコンバータ22c
と、補償器22dとを有している。
また、制御装置は、マニプレータ21のハンド部(図示
せず)の先端位置の検出を行う位置検出部26を備えてお
り、この位置検出部26はカウンタ&エンコーダ26aとタ
コ・メータ26bとを有している。カウンタ&エンコーダ2
6aの出力は、各関節の回転角θを示す。θは、逆ヤ
コビ行列部30a,座標変換部23b,制御指令生成部41に送ら
れる。
更に、制御装置は、マニプレータ21のハンド部が受け
る力の検出を行う力検出部23を備えている。この力検出
部23は、力覚センサ23aと、力覚センサ座標系からロボ
ット基準座標系への座標変換部23bとを有している。
更に、制御装置は、力検出部23により検出された力
F0,設定力(力指令Fr)および力制御パラメータに基づ
いて力制御方向の速度指令信号Vfを発する力制御部24を
備えている。力制御部24は、第5図に示すように、力フ
ィードバック・ゲイン(cf)演算部を有する。力フィー
ドバック・ゲインcfは、基準座標系に関して、 で与えられる。符号24aは偏差部である。逆ヤコビ行列
部30aは、力制御部24から出力される速度指令Vfを各関
節の角速度に変換するものである。
ホスト・コンピュータ40は、力覚センサで検出した力
から対象物体表面の法線ベクトル を算出する法線ベクトル算出部42と、算出した法線ベク
トルをもとに力指令 を生成する制御指令生成部41とを有している。
第6図に示すフローチャートに従って対象物へ設定し
た一定の力を加えるまでの過程を示す。
オペレータが、力 と、対象物に加える一定力Frをホスト・コンピュータへ
設定する。
はで説明。
制御指令生成部41は、入力された から力指令 偏差部24aに送る。
は、法線ベクトルを求めるための或る適当な力であり、
ハンドと対象物の接触が保たれれば、どのような値でも
良い。但し、通常,その大きさは力Frは加えた後の作業
に及ぼさないように、Frよりも小さく設定する。
制御指令生成部41では、接触が保たれているか否か
になっているか否かで判定し、もし接触していなければ オペレータからの再入力を待つ。
接触が保たれているときは、力覚センサで検出した
の分力(fx,fy,fz)を用いて、法線ベクトル算出部42で
式(2)にしたがって法線ベクトル を求める。
制御指令生成部41は、法線ベクトル算出部42から送
られてきた。sn,基準座標系と力覚センサ座標系間の変
換行列 およびで設定された目標力Frから、式(7)を用いて
基準座標系での目標力ベクトル を生成し、偏差部へ送る。
力覚センサで検出した力Fが設定力Frと一致してい
るか否かを調べ、一致していなければに戻る。
一致を確認し、対象物のその地点での作業が終われ
ば、次の作業へ進む。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、未
知形状の対象物に対して設定した一定力を自動的に発生
することが出来、従来,ロボット操作者が行っていたロ
ボットへの教示を行う必要がなくなるため、操作者の負
担が軽減される。また、対象物との接触力をフィードバ
ックする際に、同一アルゴリズムを用いて設定した力を
正確に発生することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理説明図、第2図は対象物と制御対
象の位置関係を示す図、第3図は設定力 の算出方向を説明する図、第4図は本発明の制御装置の
1実施例のブロック図、第5図は力制御部を説明する
図、第6図は対象物に設定力を加えるための過程を示す
図である。 21……マニプレータ、22……操作部、22a……モータ、2
2b……パワーアンプ、22c……D/A変換器、22d……補償
器、23……力検出部、23a……力覚センサ、23b……座標
変換部、24……力制御部、24a……偏差部、26……位置
検出部、26a……エンコーダ&カウンタ、26b……タコメ
ータ、30a……逆ヤコビ行列部、40……ホスト・コンピ
ュータ、41……制御指令生成部、42……法線ベクトル算
出部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−234182(JP,A) 特開 平1−197811(JP,A) 特開 平1−146645(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロボット(1)と、 入力値に応じた操作量をロボット(1)に対して与える
    操作部(2)と、 ロボット(1)と対象物の間に働く力を検出する力検出
    部(3)と、 力検出部(3)により検出された力の値をもとに、ロボ
    ット(1)が対象物に接する点における対象物表面の法
    線ベクトルを算出する法線ベクトル算出部(4)と、 法線ベクトル算出部(4)によって算出された法線ベク
    トルの値と目標力の値をもとに、力指令の値を算出する
    制御指令生成部(5)と、 力検出部(3)によって検出された力の値と制御指令生
    成部(5)によって生成された力指令の値との差に応じ
    た値を出力する力制御手段(6)と を具備し、力制御手段(6)の出力値が操作部(2)に
    入力される ことを特徴とするロボットの力制御方式。
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