JP2736479B2 - 使用済み金属核燃料乾式再処理における塩廃棄物の処理方法 - Google Patents

使用済み金属核燃料乾式再処理における塩廃棄物の処理方法

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使用済み金属核燃料
(以下、金属燃料という場合がある。)の乾式再処理に
おける溶融塩電解精製工程から発生する塩廃棄物の処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料の資源問題を基本的に解決するも
のとして着目されている高速増殖炉(FBR)の新型燃
料の1つに金属燃料がある。
【0003】このような金属燃料には、例えばU−Pu
−Zrの三元合金燃料があり、その再処理法としては電
解精練法を応用した乾式再処理法が適用されている(常
磐井守泰,田中洋司,山本造太郎,黒木敏高,西村友
宏,横尾健,原子力工業,33,66(1987);常
磐井守泰、原子力工学、34,46(1988); L.
Burris, R. K. Steu-nenberg, and W. E. Miller, Ann
ual AICHE Meeting, Miami Florida, November2-7, 198
6)。
【0004】このように金属燃料は乾式法によって再処
理されることから、湿式法とは異なり、溶融金属や塩等
の乾式再処理特有の廃棄物が発生し、その処理処分法に
ついても種々の提案がなされている。
【0005】このなかで、塩廃棄物については、米国ア
ルゴンヌ国立研究所(ANL)において、セメント固化
法が提案されている。この方法は、塩廃棄物を液体金属
(Cd−Li)と接触させてCd中に超ウラン元素(T
RU)を抽出して群分離(Cd−Li法)した後、セメ
ントマトリックス材および水と混合し、液体の状態で金
属製コンテナーに注入し、固化するものである。
【0006】しかし、このようなセメント固化法では、
耐浸出性が低く、放射線照射下において水素や塩素を発
生するなどの問題があり、長寿命の核種を長期にわたり
安定かつ安全に保管する方法の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
核燃料の乾式再処理の電解精製工程において発生する塩
廃棄物を、ガラス固化しやすい酸化物とし、長期にわた
り安定な固化体として処分できるようにする金属核燃料
乾式再処理における塩廃棄物の処理方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(4)の構成によって達成される。
【0009】(1)使用済み金属核燃料の乾式再処理に
おける溶融塩電解精製工程から発生する塩廃棄物を処理
するに際し、前記塩廃棄物をホウ酸と反応させて酸化物
とすることを特徴とする使用済み金属核燃料乾式再処理
における塩廃棄物の処理方法。
【0010】(2)前記処理がガラス固化処理である上
記(1)に記載の使用済み金属核燃料乾式再処理におけ
る塩廃棄物の処理方法。
【0011】(3)前記反応温度が800〜1000℃
である上記(1)または(2)に記載の使用済み金属核
燃料乾式再処理における塩廃棄物の処理方法。
【0012】(4)前記ホウ酸の反応量を、前記塩廃棄
物と化学量論上必要な量の3〜6倍とする上記(1)な
いし(3)のいずれかに記載の使用済み金属核燃料乾式
再処理における塩廃棄物の処理方法。
【0013】
【作用】軽水炉(LWR)の再処理において発生する高
レベル廃液の処理法として採用されているガラス固化法
により塩廃棄物を固化する場合、金属核燃料乾式再処理
における塩廃棄物はほとんどすべてが塩化物であるとい
ってよく、このため直接塩化物をガラス化することは非
常に困難である。例えば、特殊ガラス分野において、各
種ハライドガラス(ハロゲン化物のガラス)について研
究が行なわれているが、ハロゲン化物はガラス化しにく
く、作製も乾燥窒素やヘリウムを満たしたグローブボッ
クス内で行なう必要がある。また、これらのガラスは一
般に耐水性が低く、放射性廃棄物の固化体としては不適
当である。
【0014】ところが、本発明では、塩化物を高温でホ
ウ酸と反応させて酸化物を得る方法を利用して、塩廃棄
物を酸化物化しているので、ガラス固化しやすくなる。
また、このときの酸化物化反応は、高温において塩化物
を水蒸気と反応させ酸化物化する高温加水分解法などと
比べて、起こりやすい反応である。
【0015】このようにガラス固化しやすい酸化物とし
たのち、ガラス固化しているので、長期にわたり安定な
固化体として処分することができる。
【0016】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明では、高速増殖炉(FBR)用の使
用済み金属燃料の乾式再処理における電解精製工程で発
生する塩廃棄物を酸化物にかえてからガラス固化処理す
る。
【0017】このようにガラス固化しやすい酸化物にか
えているため、安定したガラス固化体として処分するこ
とが可能となる。
【0018】本発明における金属燃料は、U−Pu−Z
rの三元合金燃料等である。
【0019】また、乾式再処理における電解精製工程
は、溶融カドミウムを陽極としたLiCl−KCl共晶
塩の溶融塩電解により行なう。
【0020】この電解精製工程から発生する塩廃棄物
は、浴塩として用いたLiCl−KClをはじめとし
て、大部分が塩化物である。具体的には、上記三元合金
燃料を用いた場合、UCl3 、PuCl3 、NpCl
3 、AmCl3 、CmCl3 のアクチノイド元素の塩化
物、CsCl、RbCl、NaClのアルカリ金属の塩
化物、BaCl2 、MgCl2 、SrCl2 のアルカリ
土類金属の塩化物、LaCl3 、PrCl3 、CeCl
3 、NdCl3 、SmCl3 、PmCl3 、YCl3
TbCl3 、GdCl3 、EuCl3 の希土類元素の塩
化物であり、浴塩を除いていずれも核分裂生成物(F
P)に由来するものであり、放射能を有する。
【0021】本発明において、固化処理される塩廃棄物
は、上記電解精製工程から直接得られたものであって
も、ここで得られた塩廃棄物を金属還元法や溶融塩電解
法等により、さらにFP分離を行なったものであっても
よい。
【0022】いずれにおいても、半減期(T1/2)の
長いPu、Np、Am、Cmの超ウラン元素(TRU)
が含まれることから、安定した固化体として処分する必
要があり、本発明の効果が発揮される。
【0023】本発明において、塩廃棄物はホウ酸と反応
させることによって酸化物とされる。例えば、アルカリ
金属などの1価の金属では、下記式(1)に基づいて反
応するが、これを利用するものである。 6MCl+2HBO→3MO+B+6HCl↑ (1) (M=K、Na、Li等)
【0024】なお、Ba、Sr等の2価の金属、Ce等
の3価の金属など、多価の金属であっても式(1)に準
じた反応式となる。
【0025】具体的に、塩廃棄物を酸化物とするには、
塩廃棄物と化学量論上必要な量のホウ酸とを混合し、1
〜2時間程度で室温より昇温して800〜1000℃と
し、この温度で大気雰囲気中において30〜60分加熱
して反応させればよい。通常、ホウ酸の反応量を化学量
論量の3〜6倍程度、好ましくは5〜6倍程度とするの
がよい。
【0026】このような反応により、塩化物は80〜1
00%の反応率で酸化物化すると考えられる。未反応物
である塩化物が残存すると、固化処理の際あるいは固化
体としたときにガスが発生するなどの不都合が生じた
り、固化体の安定性が損われたりするが、上記のような
反応率ではほとんど問題は生じない。また、塩化物のま
ま固化体とする場合に比べ、その安定性は格段と向上す
る。
【0027】上記反応により得られる酸化物は、反応条
件などによって多少の変化はあるが、Na、K、Cs
等、場合によってはLiのように非晶質となってホウ酸
ガラス化するものや、Li、Ba、Sr等のように結晶
質のホウ酸化合物となるものや、Ce等のように酸化物
となるものなど、種々の形で得ることができる。
【0028】このような生成物は、X線回折分析法(X
RD)や赤外吸収スペクトル法(IR)などによって確
認することができる。
【0029】本発明における上記酸化物は、その後ガラ
ス固化される。このとき、酸化物化されていることから
ガラス固化しやすいものとなっている。ガラス固化する
には、ガラス添加剤を酸化物粉末に混入し、高温で加熱
溶融してガラスにすればよく、溶融固化により安定性の
よいガラスが得られる。このときのガラス添加剤として
はSiO2 、B23 、Al23 、Li2 O、Na2
O、K2 O、CaOおよびZnOが挙げられ、場合によ
ってはこれに加えてBaOを用いることもある。さらに
は、MgOやTiOを加えた酸化物のなかから、SiO
2 、B23 およびNa2 Oを必須とし、かつ適宜酸化
物を選択して用いることもできる。またガラスとしては
ホウケイ酸ガラスが耐放射線性、操作性、取扱い性ある
いは耐水性等の点で好ましい。
【0030】なお、上記酸化物のなかでも、ホウ酸との
反応によりホウ酸ガラス化するものはそのまま固化体と
して処分することも可能である。この場合は、ホウ酸の
反応量を化学量論量の3〜6倍量とすることが好まし
い。
【0031】本発明におけるガラス固化体でのFPの含
有量は、20wt% 以下、特に15〜20wt% とすればよ
い。このような含有量とすることによって、固化体の安
定性が向上する。
【0032】また、本発明においてガラス固化体とする
ことによって、従来のアルゴンヌ国立研究所で行なわれ
ているセメント固化法による固化体に比べて、ガラスで
あることから化学的耐久性に優れ、熱的、機械的にも安
定となる。また耐水性にも優れる。
【0033】
【実施例および実験例】以下、本発明を実施例および実
験例によって具体的に説明する。
【0034】実験例1 1価の金属塩化物として、NaCl、KCl、LiC
l、CsCl、2価の金属塩化物として、BaCl2
2H2 O、SrCl2を、また、ランタノイドおよびア
クチノイドの代表としてCeCl3 ・6H2 Oを用い
た。これらの塩化物と化学量論量の3倍量のホウ酸とを
混合したものをサンプルとした。すなわち、混合物の組
成をモル比で次のようになるように調整した。 MCl (M=Na、K、Li、Cs):H3 BO3 =1:1 MCl2 (M=Ba、Sr) :H3 BO3 =1:2 MCl3 (M=Ce) :H3 BO3 =1:3
【0035】これらのサンプルを約3 g正確に秤取し、
白金ルツボに入れ、電気炉にて加熱溶融した。加熱条件
は、室温より2時間で1,000℃にし、1時間保持し
たのち、白金ルツボを取り出し、水にて急冷した。冷却
後、デシケータにて恒量になるまで乾燥し、重量を測定
した。そして、加熱前後の重量変化と、前記式(1)の
反応式から理論減少量とから、反応率を求めた。また、
加熱溶融後の生成物を同定するため、XRDおよびIR
スペクトル測定を、理学電機社製RAD−Cシステムと
バイオラッド社製FT−IR FTS−40により行な
った。なお、IRスペクトルの測定は、拡散反射法によ
り行なった。
【0036】次に、各混合物系について説明する。な
お、式(1)に示す反応式における化学量論量より過剰
のホウ酸を用いていることから、ホウ酸は塩化物と反応
するだけでなく、熱分解反応を起こすと考えられること
から、ホウ酸の熱分解についても検討した。
【0037】a.ホウ酸の熱分解 H3 BO3 のみを前記と同じ条件で加熱したところ、透
明でガラス状の生成物が得られ、ほとんど次式に従う熱
分解反応を起こしていると考えられる。 2H3 BO3 →B23 +3H2 O↑ (2)
【0038】実際、加熱前後の重量変化と、式(2)に
示した反応のみが起こると仮定した場合の理論減少量と
の比較から、反応率を計算すると、高い割合でB23
化していることが示唆された。
【0039】これにより、以下の混合系ではH3 BO3
は完全にB23 とH2 Oに分解するものとして反応率
の計算を行なった。
【0040】b.NaClとH3 BO3 の混合系 この系において加熱することにより起こると考えられる
反応は次式で示される。 6NaCl+2H3 BO3 →3Na2 O+B23 +6HCl↑ (3) 2H3 BO3 →B23 +3H2 O↑ (4)
【0041】NaClとH3 BO3 をモル比で1:1の
組成になるように混合したサンプルを加熱処理した結
果、透明なガラス状生成物が得られた。加熱前後の重量
変化より計算された反応率は83.4%であった。
【0042】この生成物について、図1にXRD測定結
果を、また図2にIRスペクトルの結果を示す。
【0043】これらの結果から、この生成物はほぼNa
2 O・2B23 組成のホウ酸ガラスと考えられる。ま
た、このものは、構造が公知のアルカリホウ酸塩結晶と
の比較から、ダイポレートグループを主要構造単位とし
ていると考えられる(「作花済夫,ガラス非晶質の化
学,内田老鶴圃,P183〜187,1983年」参
照)。
【0044】c.KClとH3 BO3 の混合系 この系では次式の反応が起こると考えられる。 6KCl+2H3 BO3 →3K2 O+B23 +6HCl↑ (5) 2H3 BO3 →B23 +3H2 O↑ (6)
【0045】KClとH3 BO3 のモル比が1:1の混
合物を加熱処理した結果、透明なガラス状生成物が得ら
れた。なお、同時にKClと考えられる白色の粉末も存
在していた。反応率は、前記同様、加熱前後の重量変化
より計算して87%であった。
【0046】ガラス状生成物について、図3にXRD測
定結果を、また図4にIRスペクトルの結果を示す。
【0047】これらの結果から、この生成物はK2 O・
2B23 ガラスと考えられる。また、このものもダイ
ポレートグループを主要構造単位としていると考えられ
る(「作花済夫,ガラス非晶質の化学,内田老鶴圃,P
183〜187,1983年」参照)。
【0048】d.LiClとH3 BO3 の混合系 この系では次式の反応が起こると考えられる。 6LiCl+2H3 BO3 →Li2 O+B23 +6HCl↑ (7) 2H3 BO3 →B23 +3H2 O↑ (8)
【0049】LiClとH3 BO3 のモル比が1:1の
混合物を加熱処理した結果、白色の生成物が得られた。
加熱前後の重量より計算された反応率は101%であ
り、完全に酸化物に転換されたことが示唆される。
【0050】この生成物について、図5にXRD測定結
果を、また図6にIRスペクトルの結果を示す。
【0051】これらの結果から、この生成物は主に結晶
質のLi224 であると同定される。
【0052】e.CsClとH3 BO3 の混合系 この系では次式の反応が起こると考えられる。 6CsCl+2H3 BO3 →Cs2 O+B23 +6HCl↑ (9) 2H3 BO3 →B23 +3H2 O↑ (10)
【0053】CsClとH3 BO3 のモル比が1:1の
混合物を加熱処理した結果、透明なガラス状の生成物が
得られた。なお、同時にCsClと考えられる白色の粉
末も存在していた。熱処理前後の重量変化から計算され
た反応率は220%であった。このような反応率となる
のは次式に示すようなCsClの熱分解が生じるためと
考えられる。 4CsCl+O2 →2Cs2 O+2Cl2 ↑ (11)
【0054】このガラス状の生成物について、図7にX
RD測定結果を、また図8にIRスペクトルの結果を示
す。
【0055】これらの結果から、この生成物はほぼ0.
25Cs2 O・0.75B23 組成を示すガラスと考
えられる。
【0056】f.BaClとHBOの混合系 BaClとHBOのモル比が1:2になるように
ClとHBOとを混合したものを加熱処理し
た。この場合、次式のような反応が起こると考えられ
る。 3BaCl・2HO+2HBO→3BaO+B+6HCl↑ +6HO (12) 2HBO→B+3HO↑ (13)
【0057】加熱により白色の生成物が得られた。加熱
処理前後の重量変化より計算された反応率は97%であ
った。
【0058】白色生成物について、図9にXRD測定結
果を、また図10にIRスペクトルの結果を示す。
【0059】これらの結果から、この生成物は結晶質の
BaB24 と同定された。
【0060】g.SrCl2 とH3 BO3 との混合系 SrCl2 とH3 BO3 のモル比が1:2の混合物を加
熱処理した。この場合、次式の反応が起こると考えられ
る。 3SrCl2 +2H3 BO3 →3SrO+B23 +6HCl↑ (14) 2H3 BO3 →B23 +3H2 O↑ (15)
【0061】これらの反応に基づき、加熱処理前後の重
量変化より計算された反応率は96%であった。
【0062】この生成物について、図11にXRD測定
結果を、また図12にIRスペクトルの結果を示す。
【0063】これらの結果から、この生成物は0.33
SrO・0.67B23 組成の結晶質と考えられる。
【0064】h .CeCl3 とH3 BO3 との混合系 CeCl3 とH3 BO3 のモル比が1:3になるように
CeCl3 ・6H2 OとH3 BO3 を混合したものを加
熱処理した。この系では次式の反応が起こると考えられ
る。 2CeCl3 ・6H2 O+2H3 BO3 →Ce23 +B23 +6HCl ↑+6H2 O↑ (16) 2H3 BO3 →B23 +3H2 O↑ (17)
【0065】加熱により白色の生成物が得られた。これ
らの反応が起こるとして、加熱処理前後の重量変化より
計算された反応率は95%であった。
【0066】この生成物について、図13にXRD測定
結果を、また図14にIRスペクトルの結果を示す。こ
れらの結果から、この生成物はCeO2 と同定された。
【0067】以上により、いずれの塩化物においても高
反応率で酸化物化することがわかった。
【0068】なお、上記実験例においてはホウ酸の反応
量を化学量論量の3倍量としているが、5〜6倍量とす
ることによってさらに反応率を向上させることができる
ことがわかった。
【0069】実験例2 KCl、NaClおよびLiClを等モル量ずつ混合し
たものを用い、これら塩化物と化学量論量の6倍量のホ
ウ酸とを混合したものをサンプルとした。すなわち、 (KCl+NaCl+LiCl):H3 BO3 =1:2 のモル比となるように調整した。
【0070】このサンプルを用いて、実験例1と同様に
加熱処理を行なうと、透明なガラス状生成物が得られ
た。実験例1と同様にして求めた反応率は99.8%で
あった。
【0071】この生成物について、実験例1と同様にX
RDおよびIRスペクトル測定を行なった。図15にX
RD測定結果を、また図16にIRスペクトルの結果を
示す。
【0072】これらの結果から、この生成物はNa2
・2B23 、K2 O・2B23およびLi2 O・2
23 ガラスの混合物であると考えられる。
【0073】実施例1 炉心平均でU−16.2Pu−10Zrの燃料組成を有
する使用済み炉心燃料を乾式再処理した。
【0074】乾式再処理において、溶融カドミウムを陽
極としたLiCl−KCl 共晶塩の溶融塩電解を行な
うことにより、表1に示すような塩廃棄物を得た。
【0075】
【表1】
【0076】粉粋した塩廃棄物を1.0kgをホウ酸
2.2kgと混合し、室温より2時間で1000℃に
し、この温度で1時間加熱処理して酸化物とした。
【0077】このものに所定量のSiO2 、B23
Al23 、Li2 O、Na2O、K2 O、CaOおよ
びZnOを添加し、共に溶融することによってガラス固
化体を得た。このとき、ガラス固化体において、SiO
2 が43wt% 、B23 が14wt% 、Al23 が35
wt% となるように添加した。
【0078】また、上記酸化物と添加物との割合はこの
順の重量比で1:4とした。
【0079】また、ガラス固化体におけるFPの含有量
は20wt% 程度である。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、金属燃料の乾式再処理
における塩廃棄物を、比較的容易にガラス固化しやすい
酸化物にすることができ、これにより長期にわたり安定
なガラス固化体として処分することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるNaClとH3 BO3 との反応
生成物についてXRD測定結果を示すグラフである。
【図2】本発明におけるNaClとH3 BO3 との反応
生成物についてIRスペクトルの結果を示すグラフであ
る。
【図3】本発明におけるKClとH3 BO3 との反応生
成物についてXRD測定結果を示すグラフである。
【図4】本発明におけるKClとH3 BO3 との反応生
成物についてIRスペクトルの結果を示すグラフであ
る。
【図5】本発明におけるLiClとH3 BO3 との反応
生成物についてXRD測定結果を示すグラフである。
【図6】本発明におけるLiClとH3 BO3 との反応
生成物についてIRスペクトルの結果を示すグラフであ
る。
【図7】本発明におけるCsClとH3 BO3 との反応
生成物についてXRD測定結果を示すグラフである。
【図8】本発明におけるCsClとH3 BO3 との反応
生成物についてIRスペクトルの結果を示すグラフであ
る。
【図9】本発明におけるBaCl2 とH3 BO3 との反
応生成物のXRD測定結果を示すグラフである。
【図10】本発明におけるBaCl2 とH3 BO3との
反応生成物のIRスペクトルの結果を示すグラフであ
る。
【図11】本発明におけるSrCl2 とH3 BO3との
反応生成物のXRD測定結果を示すグラフである。
【図12】本発明におけるSrCl2 とH3 BO3との
反応生成物のIRスペクトルの結果を示すグラフであ
る。
【図13】本発明におけるCeCl3 とH3 BO3との
反応生成物のXRD測定結果を示すグラフである。
【図14】本発明におけるCeCl3 とH3 BO3との
反応生成物のIRスペクトルの結果を示すグラフであ
る。
【図15】本発明におけるKCl、NaClおよびLi
ClとH3 BO3 との反応生成物のXRD測定結果を示
すグラフである。
【図16】本発明におけるKCl、NaClおよびLi
ClとH3 BO3 との反応生成物のIRスペクトルの結
果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 真 千葉県柏市高田1201 財団法人 産業創 造研究所 柏研究所内 (72)発明者 小林 洋昭 茨城県那珂郡東海村大字村松4−33 動 力炉・核燃料開発事業団 東海事業所内 (72)発明者 五十嵐 寛 茨城県那珂郡東海村大字村松4−33 動 力炉・核燃料開発事業団 東海事業所内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済み金属核燃料の乾式再処理におけ
    る溶融塩電解精製工程から発生する塩廃棄物を処理する
    に際し、 前記塩廃棄物をホウ酸と反応させて酸化物とすることを
    特徴とする使用済み金属核燃料乾式再処理における塩廃
    棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記処理がガラス固化処理である請求項
    1に記載の使用済み金属核燃料乾式再処理における塩廃
    棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記反応温度が800〜1000℃であ
    る請求項1または2に記載の使用済み金属核燃料乾式再
    処理における塩廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記ホウ酸の反応量を、前記塩廃棄物と
    化学量論上必要な量の3〜6倍とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の使用済み金属核燃料乾式再処理にお
    ける塩廃棄物の処理方法。
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