JP2733404B2 - 化学電池と電力貯蔵システム - Google Patents

化学電池と電力貯蔵システム

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JP2733404B2 JP4013961A JP1396192A JP2733404B2 JP 2733404 B2 JP2733404 B2 JP 2733404B2 JP 4013961 A JP4013961 A JP 4013961A JP 1396192 A JP1396192 A JP 1396192A JP 2733404 B2 JP2733404 B2 JP 2733404B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は夜間電力貯蔵用や電気自
動車用の大電力を貯蔵する化学電池に係り、特に、信頼
性や安全性の高いNa/溶融塩電池等の化学電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】Na/溶融塩電池には、Na/S電池,
Na/FeCl電池,Na/Se電池等多数存在する。
これらの各電池に共通する問題なので、以下、Na/S
電池を例に説明する。Na/S電池は、大電力を貯蔵す
ることができるので、夜間に余った電力を貯蔵したり、
電気自動車用の電池として使用することが可能である。
しかし、これらを実用化する上で解決しなければならな
い問題がある。その1つは、Na/S電池のナトリウム
Na(負極活物質)と硫黄S(正極活物質)とを画成す
る固体電解質(通常、β−アルミナ管,β”−アルミナ
管を用いる。)が破損しやすいという問題である。この
固体電解質が破損すると、電池内部にて正極活物質と負
極活物質とが直接反応して電力を電池外部に取り出すこ
とができなくなるばかりでなく、最悪の場合には電池容
器まで破損してしまう。そこで、従来のNa/s電池
は、特開平2−98068号公報や特開平2−1038
69号公報記載の様に、固体電解質の破損時にNaとS
との直接反応熱にて当該電池内における電気回路系が溶
断するような金属筒等を設けておき、他の並列接続され
たNa/S電池への悪影響を防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、多
数の並列接続された電池の1つで固体電解質が破損した
とき、他の電池への悪影響を防止するために、破損の起
きた電池内部における電気的短絡を回避するものであ
り、固体電解質の破損自体を防止する技術ではない。固
体電解質がどの様な原因にて破損するかの詳細について
はいまだ不明であるが、その概略について以下に説明す
る。
【0004】図2は、Na/S電池の一般的な構造を示
す図である。例えばβーアルミナ管やβ”ーアルミナ管
等でなる固体電解質管1を介して、負極活物質(Na)
7と正極活物質(S)5が対峙しており、電池反応で発
生する電力を取り出すために、負極活物質と負極容器4
との間に電気導体が接続されている。負極(Na極)で
はNa注入管兼集電管8が電気導体の役割を果たし、正
極(S極)では補助導電材(正極活物質と一緒に入れた
グラファイトフェルト)6が電気導体の役割を果たす。
【0005】従って、電池の作動温度以下でも、電池の
S極とNa極を短絡すると電池内の電気回路が導通し、
短絡電流が流れる。電池単体を製作する時や、電池組立
て時、または単体電池を集合した集合電池の組立て時
は、電池が短絡してしまう事態が生じる。更に、組立後
の電池を計測するために計測線を電池へ接続すると、必
然的に、電池が短絡してしまう。短絡時の様子をさらに
詳細に図7を使って説明する。Na7は固体電解質管壁
1中を陽イオン状態で負極側から正極側へと移動する。
Naイオンは、固体電解質管1と正極との界面で電子を
もらい、中性化する(以下、これをNaデンドライトと
呼ぶ)。負極でNaが陽イオンとなり、補助導電材6か
ら正極容器3に通ることで、電子は、負極から外部回路
(外部負荷28が短絡状態のとき)を経て正極容器3に
流れる。尚、正極活物質である硫黄(S)5は電子伝導
性を持たないため、固体電解質管壁1に補助導電材6が
接触している個所29で電子の供給がなされる。
【0006】固体電解質1と補助導電材6の接触状況に
付いて説明する。補助導電材6が固体電解質1のほぼ全
面で接触すると、電池の充電時に充電反応で生成される
硫黄が固体電解質1の表面全面に析出してしまう。硫黄
は絶縁物であるため、充電過電圧が発生して充電不能と
なる。一方、補助導電材6が固体電解質1に接触しない
と、電池の放電ができない。従って、固体電解質1と補
助導電材6は、局部的に接触した状態を維持させる必要
がある。正極活物質である硫黄(S)は119℃以下で
は固体であり、固体電解質1表面に密着しているため、
中性化したNaは固体電解質管1から外部へ自由に流出
できない。中性化したNaの原子直径は、Na陽イオン
の直径に比べてほぼ2倍ある。このため、固体電解質1
内でNaが中性化し、Naデンドライトが生じると、そ
の膨張圧によって、固体電解質1が損傷を受けると考え
られる。一旦Naデンドライトが形成されると、その部
分がNaによって電気導電性が高くなり、ますます電流
が集中する。なお、短絡された電池の開路電圧は低下す
る。
【0007】さらに、外部負荷28を接続して図7に示
す方向に電流を流すと、当然ながら固体電解質1の損傷
は拡大し、固体電解質1の破損へと発展する。斯かる加
速電流を発生させる具体例としては、電池単体や集合電
池を接続配線するときに電気絶縁や抵抗等のチェックの
ために電池に同方向の電圧を印加した場合、あるいは対
象電池に直並列された電池から電流が流れ込む場合等が
考えられる。
【0008】固体電解質1が一旦破損すると、高温状態
ではNaとSとの直接反応が発生し、その反応生成熱に
より電池容器が破損する可能性がある。電池の安全性を
確保する上で、固体電解質の破損を防止することが肝要
である。
【0009】従って、Na/S電池は、作動温度以下の
状態で電池単体を短絡したり、短絡して開路電圧の低下
した電池を直並列接続して集合電池を構成したり、ある
いは電池単体や集合電池の接続配線等の電気絶縁や抵抗
等のチェックのために電圧をかけたりすることは、固体
電解質の健全性維持の観点から望ましくない。Na/S
電池の作動温度以下(充放電可能温度以下、例えばNa
やSの融点以下)でも、電池の正極と負極を短絡すると
電池内の電気回路が導通し、固体電解質を損傷し、開路
電圧も低下してしまう。このような電池を実際に使用す
るときは、直並列接続し集合電池として電力貯蔵プラン
ト等を構成するため、固体電解質の破損の問題は解決す
る必要があり、また、従来のNa/S電池は、集合電池
の接続配線時の電気絶縁等のチェックのために電圧をか
けることができないという問題もある。
【0010】本発明の目的は、電池作動温度以下でどの
ような電気的取扱をしても、安全でかつ信頼性の高いN
a/溶融塩電池等の化学電池と電力貯蔵システムを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、容器と、容
器内の正極活物質を充填した正極領域と、容器内の負極
活物質を充填した負極領域と、前記正極領域及び前記負
極領域との間に配置された固体電解質と、前記各領域に
接続される正極端子及び負極端子とを備える化学電池に
おいて、前記負極端子と前記負極活物質とを電池内部で
接続/遮断するスイッチ機構であって可動接点部分が温
度変化を受けて自動的に変位し前記負極活物質の融点以
上の温度になったとき前記負極端子と該負極活物質とを
電気的に接続するスイッチ機構を備えることで、達成さ
れる。上記目的はまた、前記負極端子と前記負極活物質
とを電池内部で接続/遮断するスイッチ機構であって可
動接点部分が温度変化を受けて自動的に変位し前記負極
活物質が固体の状態となる温度のときは前記負極端子と
前記負極活物質とを電気的に遮断するスイッチ機構を備
えることで、達成それる。 上記目的はまた、容器内に充
填された物質の化学反応にて容器外に電気を取り出す化
学電池において、途中に空隙を有し使用時にこの空隙を
押し潰すことで電気的導通を図る電極を備えることで、
達成される。
【0012】また電力貯蔵システムは、上記の化学電池
を複数接続し構成することで、達成される。
【0013】
【作用】電池作動温度以下でスイッチが開放するため、
あるいは空隙が保たれるため、電池内の回路が導通せ
ず、電池作動温度になって初めてスイッチが閉じるた
め、または空隙を押し潰して電池内回路を導通させるた
め、電池作動温度以下の状態のときNaデンドライトの
生成が防止される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例に係るNa/
S電池の縦断面図である。Na/S電池は、正極容器3
と負極容器4との間に、固体電解質(β”−アルミナ)
管1及び電気絶縁材(α−アルミナ)2を設けてセパレ
ータ兼電解質としている。固体電解質管1内及びNa注
入管兼集電管8内には、負極活物質(Na)7を充填し
(固体電解質管1内には、Na注入管兼集電管8のNa
供給孔11を介して供給される。)、これらにより負極
を構成する。一方、正極は、固体電解質管1と正極容器
3との間に、補助導電材(グラファイトフェルト)6と
正極活物質(S)5とを充填して構成する。
【0015】Na極(負極)へのNa充填は、Na極を
真空排気した後、負極容器4の最上部からNa注入管兼
集電管8の最上部を経て充填する。充填後、充填口を気
密封止する。充填後には、負極端子10のNa側先端部
はNa注入管兼集電管8内に挿入された状態にある。こ
のとき、負極端子10の先端が、電池作動温度以下の低
温時にはNa液面に達しない寸法とする。つまり、負極
容器4(負極端子10)とNaとは非接触状態になるよ
うに負極端子10の長さ及びNaの充填量を加減する。
すなわち、電池作動温度以下では、Na注入管兼集電管
8内のNa液位は符号12に示す点線位置にあり、負極
端子10と接触していない。電池運転のため温度を30
0℃から350℃に昇温すると、Naの融点(98℃)
でNaが溶融して2.7%の体積膨張をし、さらに35
0℃までの昇温で約7%の体積膨張をするために、負極
のNa液位は符号13で示す実線位置まで上昇し、負極
端子10と接触する。その結果、Na極は導通状態(抵
抗値が1mΩ以下)となり、充放電が可能となる。この
時、Na注入管兼集電管8内のNaは、電気良導体とし
て低抵抗で電池電流を流し得る状態になる。尚、本実施
例で使用したNa注入管兼集電管8は、その内径が15
mmである。電池温度を下げた場合には、上記のNa液
面は下がり、電池作動温度以下では、液面が符号12で
示す位置となって電池内は絶縁状態に戻る。電池の昇降
温を繰返しても、このスイッチング機能は損なわれな
い。
【0016】次に、充放電反応に伴うNa極のNaの挙
動を説明する。Na/S電池における充放電時の反応は
下式の通りである。 充電時 2Na+xS ← Na2Sx 放電時 2Na+xS → Na2Sx 放電反応と共にNaは固体電解質管1を透過するため、
管内のNa液位は放電初期の液位14から放電末期には
液位15に低下する。一方、充電反応では、解離したN
aが固体電解質管1を逆方向に透過するため、管内のN
a液位は充電初期の液位15から充電末期には液位14
に達する。しかし、この充放電の間、Na注入管兼集電
管8内のNa液位は液位13で一定に維持される。
【0017】本実施例の構造に係る電池では、その内部
抵抗を低減できることを図8に示す。図2に示す形式の
電池では、放電の進行と共に固体電解質管1内のNa液
位が低下し、それと共にNa注入管兼集電管8内のNa
液位も低下する(管8の底部が開口しているため)。従
って、内部抵抗はNa液位の低下に反比例して増大す
る。一方、図1に示す形式の電池では、Na注入管兼集
電管8内に充填されているNaの液位は一定となるた
め、Na極の抵抗は小さく安定に維持される。尚、本実
施例では、注入管兼集電管8の材料としてはNa中での
耐食性を考慮してステンレス鋼を用いている。本実施例
の電池構造によれば、電池作動温度以下では電池内が導
通することがないので、Naデンドライトが形成され
ず、また、スイッチ手段としてNaを利用するため電池
内に装着する装置類が少なくて済み、更に、電池内部抵
抗が低いので充放電時のエネルギー損失を少なくするこ
とができ、高効率の電池が実現できる。
【0018】図3は、本発明の第2実施例に係るNa/
S電池の構成図である。本実施例では、ガスの熱膨張を
利用し、温度検知機能とスイッチ機能を実現したもので
ある。負極端子10は、ベロー付き膨張容器27を介し
て、可動接点26と電気的に接合されている。尚、ベロ
ー付き膨張容器27内には不活性ガスを充填してある。
電池作動温度以下の低温では、不活性ガスは収縮してお
り、この結果、可動接点は点線で示す位置26’に吊り
下げられた状態となる。つまり、Na極は絶縁状態にあ
る。温度が上昇し電池が作動温度になると、膨張容器2
7外の雰囲気は真空なので、膨張容器27内の不活性ガ
スが膨張してベローズ部が伸び、可動接点26は集電管
8に固設された固定接点21に接触する。その結果とし
て、Na極が導通状態となり、電池の充放電が可能とな
る。尚、ベロー付き膨張容器27は、ベロー構造でなく
ても熱膨張率の大きな物質を使用することによって代用
できる。また、固定接点21は、図1に示すように、N
aを接点の導体として活用しても良い。本実施例によれ
ば、ガスの膨張または接点材の熱膨張を温度検知手段及
びスイッチ手段に利用するため信頼性が高い。
【0019】図4は、本発明の第3実施例に係るNa/
S電池の構成図である。図1に示した実施例におけるN
aの熱膨張を利用した温度検知機能とスイッチ機能に替
わり、バイメタルの温度検知機能とスイッチ機能を活用
するものである。負極端子10に電気的に接続されたバ
イメタル16を設け、その先端に接点18を設ける。電
池作動温度以下の低温では、接点18はNa注入管兼集
電管8の内面と接触しておらず、バイメタル16は位置
17にある。温度が上昇し電池が作動温度に達すると、
バイメタル16は位置18に移動し、接点18が集電管
8に接触する。これにより、負極端子10とNa注入管
兼集電管8とが導通する。その結果としてNa極が導通
状態となり、電池の充放電が可能となる。本実施例によ
れば、バイメタルを温度検知手段及びスイッチ手段に利
用するため信頼性が高い。
【0020】図5は本発明の第4実施例に係るNa/S
電池の構成図である。図4に示したバイメタルの温度検
知機能とスイッチ機能に替わり、形状記憶合金の変態温
度における変形を利用した温度検知機能とスイッチ機能
を活用するものである。負極端子10に電気的に接続さ
れた形状記憶合金19を設け、その先端に接点18を設
ける。電池作動温度以下の低温では、接点18はNa注
入管兼集電管8の内面と接触しておらず、形状記憶合金
19は位置20にある。温度が上昇し電池が作動温度に
達すると、形状記憶合金19は変形して接点18がNa
注入管兼集電管8に接触する。その結果として、Na極
が導通状態となり、電池の充放電が可能となる。本実施
例によれば、形状記憶合金を温度検知手段及びスイッチ
手段に利用するため構造が簡便で信頼性が高い。
【0021】図6は本発明の第5実施例に係るNa/S
電池の構成図である。本実施例は、永久磁石のキュリー
点を利用して温度検知機能とスイッチ機能を実現するも
のである。負極端子10の集電管8内側に固定接点部1
0aを設け、可動接点22を永久磁石で製作する。この
可動接点22はスプリング24の一端に接続され、スプ
リングの他端は集電管8に固設された磁性体でなる部材
25に接続されている。可動接点22と部材25とは永
久磁石の吸引力により引き合っている。電池作動温度以
下の低温では、スプリング24の弾発力に打ち勝つ永久
磁石の吸引力によって、可動接点22は固定接点部10
aを離れ、位置23に吊り下げられた状態となる。この
ため、Na極は絶縁状態にある。温度が上昇し電池が作
動温度になると、可動接点22の永久磁石の温度がキュ
リー点をこえるため、可動接点22は、自重とスプリン
グ24の固定接点部10a側への弾発力により、固定接
点部10aに接触する。その結果として、Na極が導通
状態となり、電池の充放電が可能となる。尚、本実施例
では、永久磁石として鉄・ニッケル合金を用いている。
キュリー点は、ニッケル含有量によって自由にコントロ
ールできる。本実施例によれば、磁石のキュリー点を温
度検知手段とし利用するため、正確で信頼性が高い。
【0022】図9は、本発明の第6実施例に係るNa/
S電池の構成図である。本実施例の電池は、温度検知と
スイッチ機能を自己作動型としない例である。集電極4
0としてはNaは使わずに、表面に銅をコーティングし
た導体を用いている。負極端子10の内部側には負極接
点41が設けられ、集電極40の上端部には負極接点4
1端部と嵌合する部材41aが設けられ、電池製作時に
はこの両者は離間しており、負極容器4を上から下に押
圧したとき、ベロー42が収縮し、前記の両者が嵌合し
て電気的に接触するようになっている。これにより、N
a極が導通状態となり、電池の充放電が可能となる。導
通の時期は、マニュアル操作によっても、また、タイマ
ー等による自動操作でもよい。
【0023】図10は、本発明の第7実施例に係るNa
/S電池の構成図である。本実施例も第6実施例(図
9)と同様に自己作動型でない温度検知機能及びスイッ
チ機能を備える。集電極40は、Naを使わずに、銅を
表面にコーティングした導体を用いている。集電極40
の上端部には負極端子10の接続された負極容器4にま
で延在する負極接点44が設けられている。電池製作時
には、負極容器4と負極接点44とは離間しており、電
磁石45の吸引力にて負極接点44を負極容器4に接触
(符号43で示す位置)させたとき、Na極が導通状態
となる。この導通は、電磁石をマニュアルにて操作した
とき或いはタイマー等の自動操作で行う。図11は、本
発明の第8実施例に係るNa/S電池の構成図である。
本実施例では、固体電解質管1の内側に電池の正極活物
質5及び補助導電材を入れ、その外側且つ負極容器4内
に負極活物質7を充填している。そして、正極活物質5
内に挿入されている集電極40の上端部と正極容器3と
を接続するバイメタルを設け、電池作動温度以下のとき
はバイメタル先端の接点18は集電極40から離間して
点線17の位置にあり、温度が上昇して作動温度に達す
ると実線16で示す位置に移動して正極端子9と集電極
40とが電気的に接続されるようになっている。
【0024】図12は、図1に示したNa/S電池30
を複数個直列及び並列に接続して、電力貯蔵システム
(第1実施例)を形成した例である。電池群は恒温槽3
3内に配列され、外部の負荷28と電気的に接続され
る。電池温度は、加熱用ヒータ35で加熱された加熱ガ
ス34で昇温される。恒温槽33内は、撹拌扇32にて
撹拌され、槽内の温度は恒に一様に維持される。温度
は、熱電対式温度計31にて計測する。本実施例のシス
テムに於いて、仮に、電池接続のための母線36が他の
電池と接触したり、温度計測線が複数の電池と接触して
も、電池作動温度以下であれば、電池内に短絡電流が流
れることはない。従って、固体電解質が損傷を受けるこ
とはなく、電池群を安全に維持できる。本実施例によれ
ば、電池作動温度以下でどのような電気的取扱をして
も、電池内が絶縁されているので安全で、多数本の電池
集合体の製作、組立て、分解等の取扱や電気配線の電気
絶縁チェックも飛躍的に容易になり、信頼性が高まるば
かりでなく、作業性が向上しコスト低減につながる電力
貯蔵システムが得られる。図13は、本発明の第2実施
例に係る電力貯蔵システムの構成図である。本実施例で
は、図2に示した電池37を複数個直列及び並列に接続
してある。電池群は恒温槽33内に配列され、各直列電
池群の両端には温度検出とスイッチ機能を持つたスイッ
チ素子38が2個ずつ設けられ、外部の負荷28と電気
的に接続される。スイッチ素子38の構成を図14に示
す。このスイッチ素子38は、図1に示すNa/S電池
のNaの熱膨張による負極端子10との接続部分を取り
出した構造である。勿論、図3から図6に示すスイッチ
部分を利用することも可能である。電池温度は加熱用ヒ
ータ35で加熱された加熱ガス34で昇温される。恒温
槽33内は撹拌扇32にて、撹拌され槽内の温度は恒に
一様に維持される。温度は熱電対式温度計31にて計測
する。本実施例のシステムに於いて、仮に、電池接続の
ための母線36が他の電池や筐体と接触しても、電池作
動温度以下であれば、2個のスイッチ素子が電池の短絡
を防止し、短絡電流が電池内を流れることはない。従っ
て、固体電解質が損傷を受けることはなく、電池群を安
全に維持できる。本実施例によれば、電池作動温度以下
で電池群が短絡しても、電池回路が一部絶縁されている
ので安全で、多数本の電池集合体の製作、組立て、分解
等の取扱や電気配線の電気絶縁チェックも飛躍的に容易
な電力貯蔵システムが得られる。図13の電力貯蔵シス
テムは、直列接続された電池群を2つのスイッチ素子3
8で挟み、他の直列接続された電池群への悪影響を阻止
するものである。図15の電力貯蔵システム(第3実施
例)では、直並列された個々の電池対応にスイッチ素子
38を設けている。この実施例では、スイッチ素子38
の数が多くなるが、個々の電池での短絡が他の電池に悪
影響を及ぼさないという利点がある。
【0025】図16は、電力貯蔵システムの第4実施例
に係る構成図である。本実施例は図10に示す自己作動
型でない電池を多数直並列に接続することで構成されて
いる。本実施例では、充放電回路に開閉器46を設け、
充電あるいは放電する場合に開閉器46を閉状態にした
ときのみ、電磁石45が作動して各電池が導通状態とな
る。尚、タイマーを設け、加熱用ヒータに電力を供給し
てから一定時間後に電磁石45が作動して各電池を導通
状態にする構成でもよい。
【0026】図17は、電力貯蔵システムの第5実施例
に係る構成図である。電池を加熱するために加熱した不
活性ガス34を恒温槽33内に導入したとき、ガス検知
器47がガス導入を検知して、自己作動型でない各電池
例えば図10の電池30を導通状態にする。不活性ガス
として窒素やアルゴンガスを使用した場合、ガス検知器
47としては恒温槽33内の酸素濃度の低下を検出する
ことで相対的にこれらの不活性ガスの濃度増加を検知で
きる。従って、酸素検出器を使用可能である。図18
は、化学電池の他の実施例に係る構成図である。本実施
例の化学電池はマンガン乾電池である。乾電池の中心軸
上に配された正極電極57は2分割(図示の例では外部
に突出した正極部分で2分割してあり、分割正極間に空
間60が形成されている。)されている。そして、正極
57の外部突出部分を覆う正極端子48の空間60回り
にはベロー部58が形成されている。このため、この乾
電池は、正極回路が断線状態となっている。この乾電池
を使用する場合には、正極端子48を矢印59方向に圧
迫してベロー部58を押し潰して前記空間60を無く
し、上下の正極を短絡する。これにより、正極回路が接
続状態となる。この正極の圧迫動作は、乾電池を作動さ
せるための回路にて自動的(使用者がスイッチを投入す
ることで)に行われるようにすることも可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、電池作動温度以下でど
のような電気的取扱をしても、電池内が絶縁されている
ので、安全である。また、モジュール電池のような多数
本の電池集合体の製作,組立て,分解等の取り扱いや電
気配線の電気絶縁チェックも飛躍的に容易になり、信頼
性が高まるばかりでなく、作業性が向上しコスト低減に
つながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るNa/S電池の構成
図である。
【図2】一般的なNa/S電池の構成図である。
【図3】本発明の第2実施例に係るNa/S電池の構成
図である。
【図4】本発明の第3実施例に係るNa/S電池の構成
図である。
【図5】本発明の第4実施例に係るNa/S電池の構成
図である。
【図6】本発明の第5実施例に係るNa/S電池の構成
図である。
【図7】Naデンドライト生成説明図である。
【図8】本発明と従来のNa/S電池の内部抵抗を示す
グラフである。
【図9】本発明の第6実施例に係るNa/S電池の構成
図である。
【図10】本発明の第7実施例に係るNa/S電池の構
成図である。
【図11】本発明の第8実施例に係るNa/S電池の構
成図である。
【図12】本発明の電池を用いた電力貯蔵システムの第
1実施例の構成図である。
【図13】本発明の電池を用いた電力貯蔵システムの第
2実施例の構成図である。
【図14】スイッチ素子の構成図である。
【図15】本発明の電池を用いた電力貯蔵システムの第
3実施例の構成図である。
【図16】本発明の電池を用いた電力貯蔵システムの第
4実施例の構成図である。
【図17】本発明の電池を用いた電力貯蔵システムの第
5実施例の構成図である。
【図18】本発明の別の実施例に係る乾電池の構成図で
ある。
【符号の説明】
1…固体電解質管(β"−アルミナ等)、2…電気絶縁
材(α−アルミナ等)、3…正極容器、4…負極容器、
5…正極活物質(S+Na2Sx)、6…補助導電材
(グラファイトフェルト)、7…負極活物質(Na)、
8…Na注入管兼集電管、9…正極端子、10…負極端
子、11…Na供給孔、12…電池運転温度以下でのN
a液位、13…電池運転温度以上でのNa液位、14…
放電初期のNa液位、15…放電末期のNa液位、16
…バイメタル(電池作動時)、17…バイメタル(電池
作動温度以下時)、18…接点、19…形状記憶合金
(電池作動時)、20…形状記憶合金(電池作動温度以
下時)、21…固定接点、22…可動接点(電池作動
時)、23,26…可動接点(電池作動温度以下時)、
24…スプリング、25…部材、27…ベロー付き膨張
容器、28…負荷、29…Naデンドライト、30,3
7…Na/S電池、31…温度計、32…撹拌扇、33
…恒温槽、34…加熱ガス、35…加熱用ヒータ、36
…母線、38…スイッチ素子、39…電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 綿引 直久 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所 エネルギー研究所内 (72)発明者 下屋敷 重広 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所 エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−254337(JP,A) 実開 昭62−37166(JP,U)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器と、容器内の正極活物質を充填した
    正極領域と、容器内の負極活物質を充填した負極領域
    と、前記正極領域及び前記負極領域との間に配置された
    固体電解質と、前記各領域に接続される正極端子及び負
    極端子とを備える化学電池において、前記負極端子と前
    記負極活物質とを電池内部で接続/遮断するスイッチ機
    構であって可動接点部分が温度変化を受けて自動的に変
    位し前記負極活物質の融点以上の温度になったとき前記
    負極端子と該負極活物質とを電気的に接続するスイッチ
    機構を備えることを特徴とする化学電池。
  2. 【請求項2】 容器と、容器内の正極活物質を充填した
    正極領域と、容器内の負極活物質を充填した負極領域
    と、前記正極領域及び前記負極領域との間に配置された
    固体電解質と、前記各領域に接続される正極端子及び負
    極端子とを備える化学電池において、前記負極端子と前
    記負極活物質とを電池内部で接続/遮断するスイッチ機
    構であって可動接点部分が温度変化を受けて自動的に変
    位し前記負極活物質が固体の状態となる温度のときは前
    負極端子と前記負極活物質とを電気的に遮断するスイ
    ッチ機構を備えることを特徴とする化学電池。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、熱膨
    張して上昇する負極活物質の液面を利用して前記スイッ
    チ機構の可動接点部分を構成したことを特徴とする化学
    電池。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、熱膨
    張するガス圧を利用して前記可動接点部分を変位させる
    構成にしたことを特徴とする化学電池。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2において、前記
    スイッチ機構をバイメタルで構成したことを特徴とする
    化学電池。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2において、前記
    スイッチ機構を形状記憶合金で構成したことを特徴とす
    る化学電池。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2において、前記
    スイッチ機構の可動接点部分を永久磁石のキュリー点を
    利用して変位させる構成にしたことを特徴とする化学電
    池。
  8. 【請求項8】 容器内に充填された物質の化学反応にて
    容器外に電気を取り出す化学電池において、途中に空隙
    を有し使用時にこの空隙を押し潰すことで電 気的導通を
    図る電極を備えることを特徴とする化学電池。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    の化学電池を複数接続して構成したことを特徴とする電
    力貯蔵システム
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