JP2722847B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP2722847B2
JP2722847B2 JP3094253A JP9425391A JP2722847B2 JP 2722847 B2 JP2722847 B2 JP 2722847B2 JP 3094253 A JP3094253 A JP 3094253A JP 9425391 A JP9425391 A JP 9425391A JP 2722847 B2 JP2722847 B2 JP 2722847B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/60Inputs being a function of ambient conditions
    • F16H59/66Road conditions, e.g. slope, slippery

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の変
速制御装置に関し、特に、車両降坂時の変速段をファジ
ィ推論により自動的に選択する変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその解決すべき課題】従来の車両用
自動変速機は、スロットル開度(エンジン負荷)と車速
とに応じて予めシフトパターンを設定しておき、このシ
フトパターンを使用して検出したスロットル開度と車速
とに応じて変速段を設定し、変速シフトを自動的に実行
している。従来の自動変速制御方法は、市街走行のよう
な平坦路での変速シフトには特に大きな問題はなく、変
速もスムーズで違和感がない。しかし、山間での走行に
は、直線の登坂路もあれば頻繁に屈曲する登坂路もあ
り、強いエンジンブレーキを必要とする下り坂もあれ
ば、緩やかな長い下り坂もある。そして、下り坂で急加
速をし、コーナ突入直前で強いブレーキング操作を行な
う運転者もいる。このような山間走行時において、車両
運転状態、運転者の運転意図、道路状態等に最適な変速
段を選択することはなかなか難しく、山間走行時におい
ても運転操作が簡単で、車両の運動性能がよく、より好
ましい運転フィーリングを得ることが要請されている。
【0003】このような要請に対して、所謂「ファジィ
制御」を行なって、上述の車両運転状態等に応じた最適
の変速段を選択する変速制御方法が、例えば、特開平63
-246546 号公報、特開平02-3738 号公報等により知られ
ている。これらの従来の変速制御方法は、市街走行およ
び山間走行の全てのシフト位置をファジィ推論で推定し
て最適な変速段を決定しようとするものである。このた
め、従来の「ファジィ制御」による変速制御方法は、ル
ール数が多く、メンバシップ関数の形状が複雑になる等
の欠点を備えており、実用に供するには大容量のコンピ
ュータを必要とする。そして、ルール数が多く、メンバ
シップ関数の形状が複雑であるために、チューニングが
難しく、従って、多機種への展開も難しいという問題が
ある。
【0004】また、「ファジィ制御」による変速制御方
法を新たに採用すると、従来の自動変速制御方法により
市街走行等の通常の平坦路の走行に慣れ親しんでいる運
転者に、従来変速シフトが起こらないような状況の下
で、小突起を乗り越したり、少しのアクセルの踏込み等
の、小さい運転状態の変化により変速シフトが実行され
て違和感を与えるという問題が生じる。
【0005】一方、特開平2-212655号公報では、車両の
走行状態を表す各種パラメータを検出し、この検出信号
と予め設定されたメンバシップ関数とに基づいてファジ
ィ推論を行って走行抵抗の大きさの度合いを評価し、走
行抵抗値が所定値より大きい場合に、通常走行用変速マ
ップに代えて高負荷走行用変速マップを選択し、この高
負荷走行用変速マップにより変速段を決定する変速制御
方法が提案されている。しかしがら、この提案の変速制
御方法では、直線登坂路も頻繁に屈曲する登坂路も同じ
変速マップを使用することになり、上述した山間の種々
の道路状況や運転意図等に対して木目の細かい変速制御
が充分にできないという問題がある。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、大容量のコンピュータを必要とせ
ず、しかも、下り坂を降坂する場合における運転者の車
両加速意図に適合する最適な変速段を選択して、シフト
ハンチングや下り坂の頻繁なブレーキ操作を回避して運
転操作の容易化(イージードライブ化)を図った車両用
自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明によれば、車速とエンジン負荷とをパラ
メータとした変速パターンに応じて変速段を決定するノ
ーマルモードを備えた車両用自動変速機の変速制御装置
において、変速段決定モードとして、変速段を第1の低
速段に固定する第1ホールドモードと、変速段を上記第
1の低速段よりも低速段の第2の低速段に固定する第2
ホールドモードとを有し、車両が走行する道路の勾配抵
抗を演算して道路勾配状態を判定する勾配判定手段と、
運転者の加速意思を検出するアクセル開度状態検出手段
と、上記各モードを切え換えるモード切換手段とを備え
た車両用自動変速機の変速制御装置が提供される。 本発
明の変速制御装置のモード切換手段は、ノーマルモード
選択中に、勾配判定手段により車両が第1の道路勾配以
上の下り坂を下っていることが判定され且つアクセル開
度状態検出手段によりアクセル開度が第1の所定値未満
であることが検出されたとき、ノーマルモードから第
ホールドモードに切り換え、第1ホールドモード選択中
、勾配判定手段により車両が上記第1の道路勾配より
急な第2の道路勾配以上の下り坂を下っていることが判
定され且つアクセル開度状態検出手段によりアクセル開
が第1の所定値未満であることが検出されたとき、第
1ホールドモードから第2ホールドモードに切り換える
と共に、第1ホールドモード選択中に、アクセル開度状
態検出手段によりアクセル開度が第1の所定値以上且つ
第1の所定値よりも大きい第2の所定値未満であること
が検出されたとき、第1のホールドモードからノーマル
モードに切り換え、第1ホールドモード選択中に、アク
セル開度状態検出手段によりアクセル開度が第2の所定
値以上であるとき、第1ホールドモードから上記ノーマ
ルモードへの切り換えを禁止することを特徴としてい
る。
【0008】
【作用】少なくともアクセル開度は、運転者の車両加速
意図を表すパラメータであり、アクセル開度により運転
者の車両加速意図を判定することができる。例えば、
クセル開度により、運転者が下り坂で加速を意図してい
ない場合には、適度のエンジンブレーキが効く変速段
(第1及び第2ホールドモード)に、中程度の加速を意
図している場合には、自動的にシフトアップして加速に
好適な変速段(ノーマルモード)に、強い加速を意図し
ている場合には、エンジンブレーキを効かせていた変速
(第1ホールドモード保持)にそれぞれ設定すればよ
い。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。本発明の基本概念 実施例の説明に先立ち、本発明の基本的な概念を図1を
参照して説明すると、変速制御モードを、例えば5つの
モードに分け、市街地等の平坦走行路用に使用するノー
マルモード(MODE0)、山間の頻繁に屈曲する上り
坂で使用する登坂コーナモード(MODE1)、緩い下
り坂で弱いエンジンブレーキを必要する走行路で使用す
る降坂弱エンジンブレーキモード(MODE2)、急な
下り坂、或いは屈曲度の大きい下り坂で強いエンジンブ
レーキを必要する走行路で使用する降坂強エンジンブレ
ーキモード(MODE3)、長い直線の上り坂で使用す
る直線登坂路モード(MODE4)の各制御モードが準
備されている。
【0010】ノーマルモード0では、市街地等の平坦路
走行用のシフトパターンが予め準備されおり、この平坦
路走行用のシフトパターンを使用し、アクセル開度(エ
ンジン負荷)と車速とに応じて最適な変速段を設定する
方法は、従来の変速制御方法と何ら変わるところがな
い。そして、このモード0が選択されると、別途準備さ
れている変速制御プログラムにより変速段が設定され
る。
【0011】登坂コーナモード1では、登坂屈曲路走行
用に、平坦路走行用シフトパターンとは別のシフトパタ
ーンが準備されており(詳細は後述する)、コーナ突入
時にアクセル開度を戻しても、シフトアップの変速シフ
トが起こり難いようなシフトパターンに設定され、シフ
トハンチングが防止される。降坂弱エンジンブレーキモ
ード2および降坂強エンジンブレーキモード3では、強
制的に3速段、2速段がそれぞれ設定され、適度なエン
ジンブレーキを自動で効かし、下り坂のコーナ部でのオ
ーバースピード進入を防止すると共に、ブレーキ操作を
減少させる。
【0012】直線登坂路モード4では、現在のシフト位
置から1段低い変速段に設定され、必要な駆動力が確保
される。この直線登坂路モード4では、自動的にシフト
ダウン操作が行なわれるので、必要な駆動力が確保さ
れ、シフトハンチングが防止される。このモード4によ
る変速制御は、特に小排気量の車両で有効である。本発
明の変速制御方法では、これらの制御モードは、車両運
転状態、運転者の運転意図、および道路状態を表す各種
ファジィ入力変数と、メンバシップ関数(クリプス集合
とする)とに基づいてファジィ推論を行って選択され、
選択された制御モードに基づいてファジィシフト位置が
設定される。従って、市街走行および山間走行の全ての
シフト位置を直接ファジィ推論で推定して変速段を設定
するものでないから、制御モードを選択するためのルー
ル数も少なくて済み、メンバシップ関数も簡単になる。
【0013】なお、図1に示す、制御モード間の矢印
は、詳細は後述するが、現在の制御モードから切り換え
られることができる制御モードの方向を示している。例
えば、現在のモードが登坂コーナモード(MODE1)
であるとすると、このモード1からノーマルモード0に
戻ることが出来ると共に、降坂弱エンジンブレーキモー
ド2に直接切り換えることができるが、直線登坂路モー
ド4には直接切り換えることはできない。ノーマルモー
ド0からモード3の降坂強エンジンブレーキモードには
直接切り換えることが出来ず、必ずモード2を経由して
切り換えなければならない。
【0014】自動変速機の変速制御装置のハード構成 図2は、本発明方法が適用される自動変速機の変速制御
装置の概略を示し、車両に搭載される内燃エンジン(E
/G)1の出力側には、トルクコンバータ2を介して歯
車変速機(T/M)3が接続されている。この変速機3
は、例えば、前進4段後進1段の変速段を有し、図示し
ないブレーキやクラッチを係合または係合解除すること
により所望の変速段を確立することができる。変速制御
装置には作動油圧制御装置4を備えており、後述する電
子制御装置(ECU)5からの制御信号に応答して前述
したブレーキやクラッチに供給される作動油圧を制御す
る。なお、本発明方法が適用される変速機や作動油圧制
御装置は、その形式や変速シフトのための油圧制御等は
種々のものが考えられ、特に限定されるものではない。
【0015】電子制御装置5は、車両運転状態等に最適
の変速段を設定し、前述した作動油圧制御装置4に設定
した変速段に対応する制御信号を出力するものである。
電子制御装置5の出力側には作動油圧制御装置4が接続
され、入力側には図示しない種々のセンサが接続されて
いる。これらのセンサは、電子制御装置5に運転者の運
転意図、エンジン1を含む車両の作動状態、および道路
状態に関連する検出信号を供給する。これらの入力信号
(入力変数)としては、運転者のアクセルペタル踏込
量、すなわち、アクセルポジション(開度)APS、図
示しないシフトレバーのシフトポジションSPOS、4
速段を選択するODスイッチのオンオフ信号OD、運転
者のブレーキペタルの踏込みによりオンオフするブレー
キスイッチのオンオフ信号BRK、車速V0や車両に作
用する前後加速度Gxを演算するための車輪速度信号、
エンジン1のエンジン回転数Ne、エンジン1の1吸気
行程当たりの吸気量信号A/N、トルクコンバータ2の
トルコン速度比(スリップ率)e、電子制御装置5から
作動油圧制御装置4に出力されている指令変速段信号S
HIF0、モード0のシフトパターンーンから判別され
るマップ上の演算変速段信号SHIF1、運転者のハン
ドル操作量を示すハンドル角情報θw等が含まれる。
【0016】上述の種々のセンサからの情報は、変速制
御のために特別に設けたセンサにより検出するようにし
てもよいが、そのようにしなくても、それらの多くの情
報は、エンジン1に所要量の燃料を噴射供給する燃料供
給制御、制動時のアンチロックブレーキング制御(AB
S制御)、エンジン1の出力を制御するトラクションコ
ントロール等でも必要であるので、それらの制御装置か
ら必要な情報を得るようにしてもよい。
【0017】電子制御装置5は、図示しない入出力装
置、記憶装置(RAM,ROM等)、中央演算処理装置
(CPU)等から構成され、入出力装置は、上述した種
々のセンサからの検出信号を取り込み、フィルタリン
グ、増幅、A/D変換等を行なうと共に、中央演算処理
装置で演算した結果に基づいて、前述の制御信号を作動
油圧制御装置4に出力する。中央演算処理装置は、記憶
装置に記憶されている変速制御プログラムに従って、車
両運転状態、運転者の運転意図、道路状態等を判断して
制御モードを決定し、決定した制御モードに基づいて確
立すべき変速段を演算するもので、その詳細は後述す
る。
【0018】変速制御プログラム 次に、上述した変速制御装置においてファジィ変速位置
を演算し、その演算結果に基づいてファジィ変速制御を
行なう手順を、図3以下に示すフローチャートを参照し
て説明する。なお、ファジィ変速制御によりノーマルモ
ード0が選択された場合には、このノーマルモード0に
よる変速制御は、別途準備されているノーマルモード用
変速制御プログラムにより実行される。
【0019】メインルーチン 先ず、図3に示すファジィ変速制御プログラムのメイン
ルーチン(ゼネラルフロー)から説明する。このプログ
ラムは、制御変数値や種々の記憶値が初期値に設定され
るイニシャル処理ルーチン、各種センサ等から入力変数
の入力および演算を行なうルーチン、入力または演算し
た入力変数からファジィ入力変数を演算するルーチン、
入力変数から種々のファジィ入力スイッチの値を設定す
るルーチン、ファジィルールが成立したか否かを判別す
るルーチン、現在実行されている制御モードに応じて準
備され、成立したファジィルールに基づきファジィシフ
ト位置を設定するためのルーチン、設定されたファジィ
シフト位置等に基づき、シフト位置を出力するルーチン
から構成される。
【0020】イニシャル処理ルーチンは、このメインプ
ログラムが実行される最初の1回だけ、例えば、イグニ
ッションキースイッチ(図示せず)がオンにされた直後
に1回だけ実行される。そして、このイニシャル処理ル
ーチンの実行が終了すると、以後、後続の各ルーチンが
所定の周期(例えば、50msec)で繰り返し実行されるこ
とになる。
【0021】入力変数の入力・演算ルーチン このルーチンは、前述した各種センサ、あるいは燃料制
御装置等から変速制御に必要な入力変数を入力する。入
力変数には、センサから直接入力した検出信号をフィル
タリングやA/D変換するだけで良いものもあるが、入
力した入力変数から演算により求めるものもある。ま
た、必要に応じ入力変数値に上下限値を設け、上下限値
の範囲を超えるものには、それらの上下限値に制限して
いる。変速制御に必要な入力変数は、表1に示される。
【0022】
【表1】
【0023】表1に示される入力変数の内の2,3のも
のについて以下に説明すと、車速V0 は、例えば、車輪
速センサが検出する車輪速から演算される。変速制御の
場合、各車輪のスリップ量を殆ど考慮する必要がないの
で、車速V0 は、各輪の車輪速の平均値から演算しても
よいし、各輪の車輪速の内の一つの値から演算してもよ
い。また、車輪速から求めるのでなく、変速機の出力軸
の回転数から演算するようにしてもよい。前後加速度G
x は、車速V0 の時間変化から演算して求められる。こ
の前後加速度Gx の検出精度は、後述する重量・勾配抵
抗値の演算精度に大きく影響するので、充分なフィルタ
処理をしてノイズを除去する必要がある。
【0024】ハンドル角θwは、その絶対値が所定上限
値(例えば、360°)を超える場合には、その上限値
に、下限値(例えば、10°)以下の場合には、0°に
設定される。横加速度Gy は、車速V0 が所定値(例え
ば、10km/hr)以下の場合には、値0に、所定上限値を
超える場合には、その上限値に規制される。横加速度G
y は、次式(A1)に基づき演算される。
【0025】 Gy =(θw/ρ)/{Lw ・(A+1/V02)}×C1 ・・・(A1) ここに、ρはハンドル等価ギア比、Lw はホィールベー
ス(m)、Aはスタビリティファクタ、C1は定数であ
る。なお、横加速度Gy は、本実施例では上式(A1)によ
り車速V0 とハンドル角θwに基づき演算されるが、加
速度センサを車体に取り付けてこのセンサにより直接検
出するようにしてもよい。
【0026】エンジントルクETRQは、エンジン回転
数Neと吸気量A/Nとに応じて予め設定されているト
ルクマップから、例えば、公知の補間法を用いて読み出
される。このとき、トルクマップから同一エンジン回転
数Neに対し、吸気量A/Nを変化させて得られる最大
発生トルクMXETRQも同時に求めて記録しておく。
【0027】ファジィ入力変数の演算 次に、表2に示す、ファジィ推論に必要な11個のファ
ジィ入力変数FV(0)〜FV(10)を演算する。こ
れらのファジィ入力変数FV(0)〜FV(10)は、
表2に示すように、運転者の運転意図情報、車両の作動
状態情報、および道路情報に分類される。なお、道路情
報のハンドル角情報は運転者の運転意図情報でもある
が、ハンドル角情報から道路の屈曲度が判定され、道路
情報として扱われる。また、道路情報の横加速度情報は
車両作動情報でもあるが、この情報からも道路の屈曲度
を判定することができ、道路情報として扱われる。
【0028】
【表2】
【0029】表2に示すファジィ入力変数の内、ハンド
ル操作量FV(2)は、ハンドル角と横加速度Gy の積
の実効値であり、この実効値の演算を所定時間毎(例え
ば、1秒毎)に行ない、過去所定期間(例えば、20秒
間)の実効値の平均値をもってハンドル操作の忙しさを
示すパラメータとする。このハンドル操作量の演算手順
を図4を参照して説明する。
【0030】先ず、プログラム制御変数N1を値1だけ
インクリメントする(ステップS10)。そして、この
変数値N1が所定時間(例えば、1秒)に対応する所定
値(20)に到達したか否かを判別し(ステップS1
2)、所定値に到達するまでステップS10およびステ
ップS12を繰り返し実行する。変数値N1が所定値に
到達したら変数値N1の値0に戻して(ステップS1
4)、ステップS16を実行する。すなわち、ステップ
S16は所定時間(1秒)毎に実行されることになる。
【0031】ステップS16では、次式(A2),(A3) によ
りハンドル操作量FV(2)の演算が行なわれる。
【0032】
【数1】
【0033】上式(A2),(A3) の演算は、実際には、所定
時間(1秒)毎に検出されるハンドル角θwと横加速度
Gy の各自乗値の積を、20個のデータが入るリングバ
ッファに順次格納すると共に、順次消去していき、格納
さたデータの平均値を求めてその平方根を演算すると、
容易にハンドル角と横加速度Gy の積の実効値が求ま
る。
【0034】このハンドル操作量FV(2)は、ハンド
ル角と横加速度のファクタが両方とも考慮されるため、
同一のコーナを旋回する場合では車速が高い方が大きな
値となり、同一車速ではコーナR径が小さい方が大きな
値となる。また、ハンドル角が同じ場合では、車速が高
い方が横加速度が大となり、ハンドル操作量FV(2)
は大きな値となる。このように、ハンドル操作量FV
(2)は、ハンドル操作の頻繁さやドライバの緊張度を
含む指数と見做せることができる。
【0035】1秒毎の20個のサンプルから求められる
ハンドル操作量FV(2)につき、標準的な市街地走
行、中速屈曲路走行、およびつづら折りの屈曲路走行時
に得られる値を比較すると、市街地走行時には3.0(g
・deg)、中速屈曲路走行時には10〜30(g・deg)、つ
づら折りの屈曲路走行時には40(g・deg)以上であり、
これらの道路走行時におけるハンドル操作量FV(2)
に顕著な差が見られるので、これらの道路での走行を判
別することができるのである。
【0036】例えば、市街地において、例えば、突起の
乗り越し、別のファジィ入力変数により、登坂路や降坂
路を判別するルールが成立しても、このハンドル操作量
FV(2)が上述の値3.0(g・deg)以下であれば、市
街地走行であると確実に判断することができる。表2の
4番目のファジィ入力変数であるブレーキ減速幅FV
(3)は、1回のブレーキ操作で車速V0 を何km/h
r落としたかを表すものである。なお、ブレーキスイッ
チオフ直後には、ブレーキ装置のブレーキシューとキャ
リパとの摩擦係合解除に時間が係る等の理由で正確にブ
レーキ減速幅FV(3)の演算が出来ない虞がある。従
って、ブレーキング終了直後には、ブレーキ減速幅FV
(3)の演算は、所定時間(例えば、0.3秒)に亘っ
て禁止される。図5のフローチャートは、ブレーキ減速
幅を演算すると共に、ブレーキスイッチオフ後にはその
演算を禁止する手順を示すものである。
【0037】先ず、電子制御装置5はブレーキスイッチ
BRKが値1であるか否かを判別する(ステップS2
0)。運転者がブレーキペタルを踏込んでブレーキング
操作を行うとBRK値は1であり、ブレーキペタルから
足を離すとBRK値は0である。運転者が何らブレーキ
ング操作を行わなければステップS20の判別結果は否
定(No)であり、この場合には後述するステップS2
2の判別を行なった後、ステップS24に進み、今回検
出した車速V0 を変数値VSTとして記憶する。変数値
VSTは、ブレーキング操作が行なわれなければ毎回更
新されることになり、ブレーキング直前の車速をこの変
数VSTによって記憶することになる。
【0038】運転者がブレーキペタルを踏込むと、ステ
ップS20の判別結果が肯定(Yes)となり、ステッ
プS26に進んでタイマフラグBFLGに所定値XB
(例えば、0.3秒に対応する値)がセットされると共
に、ブレーキ減速幅FV(3)を次式(A4)により演算す
る。なお、タイマフラグBFLGは、ブレーキスイッチ
オフ後から所定時間を計時するためのタイマである。
【0039】 FV(3)=VST−FV(0) ・・・(A4) ここに、VSTはブレーキング操作開始直前に記憶した
車速であり、FV(0)は、今回演算された車速のファ
ジィ入力変数値である。従って、ブレーキング操作が継
続する限り、ステップS26が繰り返し実行され、ブレ
ーキング操作で減速されたブレーキ減速幅FV(3)が
更新されていくことになる。なお、ステップS26での
演算において、VST<FV(0)の場合には、ブレー
キ減速幅FV(3)には値0がセットされる。
【0040】運転者がブレーキペタルから足を離すと、
再びステップS20の判別結果は否定となり、ステップ
S22においてタイマフラグBFLGが0より大である
か否か判別される。運転者がブレーキペタルから足を離
した直後では、BFLG値が所定値XBに設定されてい
るから、ステップS22の判別は肯定であり、ステップ
S28に進んで、フラグ値BFLGを値1だけデクリメ
ントすると共に、ブレーキ減速幅FV(3)を値0にリ
セットする。そして、このフラグ値BFLGが値1宛減
算されて値0になるまで、すなわち、所定時間(0.3
秒)が経過するまで、ステップS28が繰り返し実行さ
れ、この間、ブレーキ減速幅FV(3)は、値0が設定
されることによってその演算が禁止されることになる。
【0041】所定時間(0.3秒)が経過すると、ステ
ップS22の判別結果は否定となり、前述したステップ
S24が実行されて変数値VSTの更新が繰り返される
ことになる。アクセル踏込速度FV(5)は、所定時間
(例えば、0.25秒)毎に検出されるアクセル開度F
V(4)の差分を、1秒間に対する差分に換算して求め
る。実施例では0.25秒毎に求めた差分を4倍するこ
とにより、アクセル踏込速度FV(5)を求めている。
図6に示すフローチャートはこのアクセル踏込速度FV
(5)を求め手順を示しており、電子制御装置5は、先
ず、ステップS30においてプログラム変数N2を値1
だけインクリメントする。このプログラム変数N2は、
アップカウンタとして使用され、インクリメントした
後、その変数値N2が判別され(ステップS32)、変
数値N2が所定値XN2(0.25秒に対応する値)に
到達する毎に、ステップS34およびステップS36が
実行される。
【0042】ステップS34では、プログラム変数値N
2は値0にリセットされ、ステップS36では、上述し
た方法によりアクセル踏込速度FV(5)が演算され
る。すなわち、先ず、次式(A5)により0.25秒間に変
化したアクセル開度の変化量が演算される。 FV(5)=FV(4)−APSO ・・・(A5) ここで、FV(4)は、今回検出されたアクセル開度A
PSを用いて、その値をそのまま設定したものである。
変数APSOは、後述する通り、0.25秒前に検出し
たアクセル開度である。次に、上述のようにして求め
た、0.25秒間に変化したアクセル開度の変化量を4
倍して、1秒間の変化量に換算し、これをアクセル踏込
速度FV(5)として設定し直す。
【0043】 FV(5)=FV(5)×4 ・・・(A6) 次いで、今回設定されたファジィ入力変数であるアクセ
ル開度FV(4)を変数値APSOとして更新記憶す
る。 APSO=FV(4) ・・・(A7) この記憶値APSOは、0.25秒後にアクセル開度の
変化量の演算に使用される。
【0044】次に、表2に示すファジィ入力変数である
重量・勾配抵抗FV(6)の演算方法を、図7を参照し
て説明する。先ず、電子制御装置5は、車速FV(0)
が所定値CFV0(例えば、10km/hr)以下であるか否
かを判別し(ステップS40)、車速FV(0)が所定
値CFV0以下の場合には重量・勾配抵抗FV(6)を
値0に設定すべく、重量・勾配抵抗の今回演算値XRに
値0.0 を設定し(ステップS41)、後述するステップ
S46に進む。
【0045】ステップS40において、車速FV(0)
が所定値CFV0より大であると判別されると、ステッ
プS42に進み、ブレーキング中およびその終了時点か
ら所定時間(0.3 秒)が経過したか否かを判別する。こ
の判別は、前述したブレーキ減速幅FV(3)の演算ル
ーチンで使用したタイマフラグBFLGがこのルーチン
でも使用しされ、タイマフラグBFLGが0より大か否
かにより判別される。タイマフラグBFLGは、前述し
た通り、ブレーキング中には常に初期値XB(0.3 秒に
対応する値)にリセットされ、ブレーキング終了時点か
ら値0になるまで(所定時間が経過するまで)値1宛デ
クリメントされていくものである。ステップS42の判
別結果が肯定の場合、すなわち、ブレーキング中或いは
ブレーキング終了時点から所定時間(0.3 秒)が未だ経
過していない場合には、重量・勾配抵抗FV(6)の演
算が出来ないので、この場合には、今回演算値XRとし
て前回値をそのまま保持して、その値を使用する(ステ
ップS43)。一方、ブレーキング中でもなく、かつ、
ブレーキング後所定時間が経過した場合には、ステップ
S44に進み、重量・勾配抵抗FV(6)の今回演算値
XRを以下のようにして演算する。
【0046】重量・勾配抵抗は、エンジン駆動力から空
力抵抗、転がり抵抗および加速抵抗を減算することによ
り求められ、次式(A8)で表される。 XR=エンジン駆動力−空力抵抗−転がり抵抗−加速抵抗 ・・・(A8) 重量・勾配抵抗は、上述した通り、ブレーキング中等に
はこれを求めることは出来ないが、車両旋回中において
は、転がり抵抗に、コーナリングフォースによる抵抗を
含めることにより正確に演算することができる。上式(A
8)におけるエンジン駆動力は次式(A9)により演算され
る。 エンジン駆動力=TE ( ηE ) ・t(e)・η・iT ・iF /r ・・・(A9) ここに、TE ( ηE ) は、排気損失を差し引いた後のエ
ンジントルク(kg・m)であり、t(e)は、トルクコン
バータ2のトルク比であり、トルコン速度比eの関数と
して、予め記憶さているトルク比テーブルから読み出さ
れる。ηは、変速機3の伝達効率、iF は、ディファレ
ンシャルのギア比であり、これらの値は定数として与え
られる。iT は変速機3のギア比であり、入力変数であ
る指令変速段SHIF0に対応する所定ギア比が使用さ
れる。rは、タイヤの動半径(m)であり、所定値が用
いられる。
【0047】式(A8)における空力抵抗は次式(A10) によ
り演算される。 空力抵抗=ρa・S・Cd・V0 2 /2 =C2・V0 2 ・・・(A10) ここに、ρaは空気密度であり、外気温度が一定とする
と定数で与えられる。Sは車両前面投影面積、Cdは抗
力係数であり、これらの値も定数である。従って、空力
抵抗は、式(A10) のように、C2を定数とすると、車速
V0のみの関数として演算することができる。
【0048】式(A8)における転がり抵抗は次式(A11) に
より演算される。 転がり抵抗=R0 +(CF2 /CP) ・・・(A11) ここに、R0 は自由転動時の転がり抵抗であり、CFは
コーナリングフォース、CPはコーナリングパワーであ
る。上式の右辺第2項は横滑り角が小である場合のコー
ナリング抵抗による寄与項である。自由転動時の転がり
抵抗R0は、次式(A12) で演算される。
【0049】 R0 =μr ・W ・・・(A12) ここに、μr は転がり抵抗係数であり、Wは車両重量で
ある。前後輪の荷重分担比を一定(例えば、前後比で
0.6:0.4)であり、前後輪のコーナリングパワー
をそれぞれCPf 、CPr(一定値) と仮定し、2輪モデ
ルで考えると、式(A11) のコーナリング抵抗は、次式(A
13) により演算することができる。
【0050】
【数2】
【0051】ここに、C3は定数である。このように、
転がり抵抗に、コーナリング抵抗を含ませるようにした
ので、ハンドルを大きく切った時の重量・勾配抵抗を正
確に演算することができる。すなわち、コーナリング抵
抗を含ませない場合には、下り屈曲路ではコーナリング
中の勾配が実際より小さく演算され、平坦路でも旋回時
に登坂と推定されてしまうことがあり、コーナリング抵
抗を含ませることにより、これらが解消される。
【0052】式(A8)における加速抵抗は次式(A14) によ
り演算される。 加速抵抗=(W+ΔW)・Gx ・・・(A14) ここに、Wは上述の車両重量、ΔWは回転部分相当重量
である。そして、回転部分相当重量ΔWは次式(A15) に
より演算される。 ΔW=W0 ×{Ec +Fc (iT ・iF 2 } ・・・(A15) ここに、W0 は空車重量、Ec はタイヤ回転部分相当重
量比率、Fc はエンジン回転部分相当重量比率であり、
T およびiF は前述した変速機3のギア比およびディ
ファレンシャルのギア比である。
【0053】上述のようにして今回演算値XRの演算が
終了すると、求めた演算値XRにデジタルフィルタ処理
をしてノイズの除去を行い(ステップS46)、これを
ファジィ入力変数FV(6)として記憶する(ステップ
S48)。表2に示すファジィ入力変数であるエンジン
トルク余裕FV(7)は、次式(A16) に基づき演算され
る。
【0054】 FV(7)=MXETRQ−ETRQ ・・・(A16) ここに、MXETRQおよびETRQは、入力変数の入
力・演算ルーチンにおいて、トルクマップから読み出さ
れたエンジントルクおよび最大エンジントルクである。
次に、表2に示すファジィ入力変数である車速の2秒差
分FV(8)の演算方法を、図8を参照して説明する。
制御周期(50msec)で車速が検出される毎に、検出し
た車速データをリングバッファに収め、車速を検出する
毎に、車速の2秒差分FV(8)を演算することが好ま
しいが、リングバッファの容量に制限がある場合には、
例えば、0.25秒毎に差分を求めるようにしてもよく、図
8に示すフローチャートは、0.25秒毎に車速の2秒差分
FV(8)を求めるようにしたものである。
【0055】電子制御装置5は、先ず、ステップS50
においてプログラム制御変数K1を値1だけインクリメ
ントしてこの変数値K1が所定値XK1(例えば、0.25
秒に対応する値)に到達したか否かを判別する(ステッ
プS52)。プログラム制御変数K1は所定時間(この
実施例では0.25秒に亘る期間)を計時するためのアップ
カウンタであり、所定値XK1に達するまではステップ
S50およびステップS52が繰り返し実行され、所定
時間(0.2 秒) の経過を待つ。
【0056】変数値K1が所定値XK1に到達するとス
テップS54を実行し、変数値K1を0にリセットす
る。そして、ステップS56において今回検出された車
速V0をリングバッファ(図示せず)に格納した後、リ
ングバッファから最新の車速データと2秒前の車速デー
タを取り出して車速の2秒差分FV(8)を求める(ス
テップS58)。
【0057】 FV(8)=V0 n −V0 n-7 ・・・(A17) ここに、V0 n およびV0 n-7 はそれぞれ今回および2
秒前に検出された車速である。従って、車速の2秒差分
FV(8)は、所定時間(0.25秒間)に亘り同じ値が保
持されることになる。ファジィ入力スイッチの演算ファ
ジィ入力スイッチSW(0)〜SW(8)は、ファジィ
ルールを判断する際に、ファジィ入力変数のメンバシッ
プ関数と同様に適合度が計算されるものであるが、デジ
タル値で表すので、スイッチ入力としてファジィ入力変
数と分離したものである。表3はこれらファジィ入力ス
イッチを示す。
【0058】
【表3】
【0059】ファジィ入力スイッチSW(0)は、選択
された制御モードを表すものであり、後述する各モード
処理でその値が設定される。ファジィ入力スイッチSW
(1)は、重量・勾配抵抗が所定期間(例えば、5秒
間)に所定値CFV61以上である状態が所定時間(例
えば、2.5 秒) に亘り連続した場合に、車両が登り勾配
を登坂していると判定し、スイッチSW(1)に値1を
設定して勾配抵抗大状態を記憶するものである。このフ
ァジィ入力スイッチ値SW(1)の設定手順を、図9を
参照して説明する。
【0060】電子制御装置5は、先ず、ステップS60
において重量・勾配抵抗値FV(6)が、道路の所定の
勾配度合に対応する所定値CFV61より小であるか否
かを判別する。ステップS60の判別結果が肯定の場
合、すなわち道路の勾配が小さい場合には2.5 秒カウン
タCNTSW1を値0にリセットし(ステップS6
1)、ステップS64に進む。勾配の小さい道路を継続
して走行している場合には、このステップS64で、後
述する5 秒カウンタCNT5Sが値0以下であることを
確認した後、ステップS65に進み、ファジィ入力スイ
ッチSW(1)に値0をセットして当該ルーチンを終了
する。
【0061】重量・勾配抵抗値FV(6)が所定値CF
V61以上で、勾配が大きい登坂路を走行していると判
別した場合、ステップS62において2.5 秒カウンタC
NTSW1を値1だけインクリメントした後、このカウ
ンタ値CNTSW1が所定値XCN1(2.5 秒に対応す
る値) 以上に到達したか否かを判別する(ステップS6
3)。カウンタ値CNTSW1が所定値XCN1より
小、すなわち所定時間(2.5 秒) が経過していなけれ
ば、ステップS64において5秒カウンタCNT5Sが
0より大であるか否かを判別する。この5秒カウンタC
NT5Sは、所定期間(例えば、5秒)の経過を計時す
るダウンカンウタであり、ステップS64の判別が肯
定、すなわち、所定期間(5秒)が経過していなけれ
ば、ステップS66において、5秒カウンタCNT5S
を値1だけデクリメントして当該ルーチンを終了する。
所定期間(5秒)内に重量・勾配抵抗値FV(6)が連
続して所定値CFV61以上であれば、2.5 秒カウンタ
CNTSW1は順次インクリメントされていくが、所定
時間(2.5 秒) に亘って重量・勾配抵抗値FV(6)が
連続して所定値CFV61以上でなく、途中で所定値C
FV61より小になると、2.5 秒カウンタCNTSW1
はリセットされるが(ステップS61)、5秒カウンタ
CNT5Sは引続きデクリメントされていく(ステップ
S66)。
【0062】所定期間(5秒)内に重量・勾配抵抗値F
V(6)が連続して所定値CFV61以上である状態が
所定時間(2.5 秒) に亘って継続すると、ステップS6
3における判別結果が肯定となり、ステップS67が実
行される。このステップでは、2.5 秒カウンタCNTS
W1が初期値0に、5秒カウンタCNT5Sが初期値X
CN2(5秒に対応する値)にそれぞれリセットされる
と共に、ファジィ入力スイッチSW(1)に値1をセッ
トして当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチ
SW(1)に値1をセットすることにより、車両が勾配
抵抗大の登坂路を登っている状態を記憶するのである。
【0063】ファジィ入力スイッチSW(2)は、重量
・勾配抵抗が負の所定値(−CFV62)より大である
状態が所定時間(例えば、2.5 秒) に亘り連続した場合
に、車両が下り勾配の走行状態から復帰したと判定し、
スイッチSW(2)に値1を設定して勾配抵抗非負状態
を記憶するものである。このファジィ入力スイッチ値S
W(2)の設定手順を図10を参照して説明する。
【0064】電子制御装置5は、先ず、ステップS70
において重量・勾配抵抗値FV(6)が、道路の所定の
勾配度合に対応する負の所定値(−CFV62)より小
であるか否かを判別する。ステップS70の判別結果が
肯定の場合、すなわち道路の勾配がいまだ負の場合には
ステップS72に進み、2.5 秒カウンタCNTSW2を
値0にリセットすると共に、ファジィ入力スイッチSW
(2)に値0をセットして当該ルーチンを終了する。
【0065】一方、重量・勾配抵抗値FV(6)が負の
所定値(−CFV62)以上で、勾配が負でない(非
負)と判別した場合、ステップS74において2.5 秒カ
ウンタCNTSW2を値1だけインクリメントした後、
このカウンタ値CNTSW2が所定値XCN3(2.5 秒
に対応する値) 以上に到達したか否かを判別する(ステ
ップS76)。カウンタ値CNTSW2が所定値XCN
3より小、すなわち所定時間(2.5 秒) が経過していな
ければ、なにもせずに当該ルーチンを終了する。
【0066】ステップS70において、重量・勾配抵抗
値FV(6)が負の所定値(−CFV62)以上で、勾
配が非負状態であると判別され、かつ、ステップS76
においてカウンタ値CNTSW2が所定値XCN3に到
達したと判別された場合、ステップS78が実行され、
2.5 秒カウンタCNTSW2が初期値0にリセットされ
ると共に、ファジィ入力スイッチSW(2)に値1をセ
ットして当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッ
チSW(2)に値1をセットすることにより、車両が勾
配抵抗非負状態の走行路に復帰したことを記憶するので
ある。
【0067】ファジィ入力スイッチSW(3)は、重量
・勾配抵抗が所定値(CFV63)以下の状態が所定時
間(例えば、5秒) に亘り連続した場合に、車両が登り
勾配の走行状態から脱したと判定し、スイッチSW
(3)に値1を設定して勾配抵抗非大状態を記憶するも
のである。以下に、このファジィ入力スイッチ値SW
(3)の設定手順を図11を参照して説明する。
【0068】電子制御装置5は、先ず、ステップS80
において重量・勾配抵抗値FV(6)が、道路の所定の
勾配度合に対応する所定値(CFV63)より大である
か否かを判別する。ステップS80の判別結果が肯定の
場合、すなわち道路の勾配がいまだ大である場合にはス
テップS82に進み、5秒カウンタCNTSW3を値0
にリセットすると共に、ファジィ入力スイッチSW
(3)に値0をセットして当該ルーチンを終了する。
【0069】一方、重量・勾配抵抗値FV(6)が所定
値(CFV63)以下で、勾配が大である状態を脱した
と判別した場合、すなわち非大状態と判別した場合、ス
テップS84において5秒カウンタCNTSW3を値1
だけインクリメントした後、このカウンタ値CNTSW
3が所定値XCN4(5秒に対応する値) 以上に到達し
たか否かを判別する(ステップS86)。カウンタ値C
NTSW3が所定値XCN4より小、すなわち所定時間
(5秒) が経過していなければ、なにもせずに当該ルー
チンを終了する。
【0070】ステップS80において、重量・勾配抵抗
値FV(6)が所定値(CFV63)以下で、勾配が非
大状態であると判別され、かつ、カウンタ値CNTSW
3が所定値XCN4に到達したと判別された場合、ステ
ップS88が実行され、5秒カウンタCNTSW3が初
期値0にリセットされると共に、ファジィ入力スイッチ
SW(3)に値1をセットして当該ルーチンを終了す
る。ファジィ入力スイッチSW(3)に値1をセットす
ることにより、車両が勾配抵抗非大状態の走行路に復帰
したこと(登り勾配の終了)を記憶するのである。
【0071】ファジィ入力スイッチSW(4)は、ハン
ドル操作量FV(2)が所定値(CFV21)以上の状
態が所定時間(例えば、5秒) に亘り連続した場合に、
車両がつづら折り道路を走行していると判定し、スイッ
チSW(4)に値1を設定してこの状態を記憶するもの
である。なお、車両がつづら折り道路から脱したことを
判別する場合には、上述の所定値(CFV21)より小
さい所定値(CFV22)を用いてハンドル操作量FV
(2)が小になったことを判別するようにしている。す
なわち、つづら折り道路であるか否かの判別にヒステリ
シス特性を持たせている。以下に、このファジィ入力ス
イッチ値SW(4)の設定手順を図12および図13を
参照して説明する。
【0072】電子制御装置5は、先ず、ステップS90
においてファジィ入力スイッチSW(4)が値0あるか
否かを判別する。このファジィ入力スイッチSW(4)
に値0が設定されている場合にはステップS91へ、値
1が設定さている場合には図13のステップS96へ進
む。ファジィ入力スイッチ値SW(4)が0で、ステッ
プS90の判別結果が肯定の場合には、電子制御装置5
は、ステップS91を実行し、ハンドル操作量FV
(2)が、ハンドル操作量が大であることを表す所定値
(CFV21)より小であるか否かを判別する。ステッ
プS91の判別結果が肯定の場合、すなわちハンドル操
作量が大でない場合にはステップS92に進み、5秒カ
ウンタCNTSW4を値0にリセットして当該ルーチン
を終了する。
【0073】一方、ハンドル操作量FV(2)が所定値
(CFV21)以上でハンドル操作量が大であると判別
した場合、ステップS93において5秒カウンタCNT
SW4を値1だけインクリメントした後、このカウンタ
値CNTSW4が所定値XCN5(5秒に対応する値)
以上に到達したか否かを判別する(ステップS94)。
カウンタ値CNTSW4が所定値XCN5より小、すな
わち所定時間(5秒)が経過していなければ、なにもせ
ずに当該ルーチンを終了する。
【0074】ステップS91において、ハンドル操作量
FV(2)が所定値(CFV21)以上で、ハンドル操
作量が大であると判別され、かつ、カウンタ値CNTS
W4が所定値XCN5に到達したと判別された場合、ス
テップS95が実行され、5秒カウンタCNTSW4が
初期値0にリセットされると共に、ファジィ入力スイッ
チSW(4)に値1をセットして当該ルーチンを終了す
る。ファジィ入力スイッチSW(4)に値1をセットす
ることにより、車両がつづら折り道路を走行しているこ
とを記憶するのである。
【0075】ファジィ入力スイッチSW(4)が値1に
設定されると、ステップS90の判別結果は否定にな
り、この場合には電子制御装置5は、図13のステップ
S96を実行する。ステップS96では、ハンドル操作
量FV(2)が、前述の所定値(CFV21)より小さ
い値に設定されている所定値(CFV22)より大であ
るか否かを判別する。ステップS96の判別結果が肯定
の場合、すなわち車両はいまだつづら折り道路を走行中
であると判定してステップS97に進み、前述の5秒カ
ウンタCNTSW4を値0にリセットして当該ルーチン
を終了する。
【0076】一方、ハンドル操作量FV(2)が所定値
(CFV22)より小になり、ハンドル操作量が小であ
ると判別した場合、ステップS98において5秒カウン
タCNTSW4を値1だけインクリメントした後、この
カウンタ値CNTSW4が所定値XCN5(5秒に対応
する値) に到達したか否かを判別する(ステップS9
9)。カウンタ値CNTSW4が所定値XCN5より
小、すなわち所定時間(5秒) が経過していなければ、
なにもせずに当該ルーチンを終了する。
【0077】ステップS96において、ハンドル操作量
FV(2)が所定値(CFV21)より小で、ハンドル
操作量が小であると判別され、かつ、ステップS99に
おいてカウンタ値CNTSW4が所定値XCN5に到達
したと判別された場合、ステップS100が実行され、
5秒カウンタCNTSW4が初期値0にリセットされる
と共に、ファジィ入力スイッチSW(4)に値0をセッ
トして当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチ
SW(4)に値0をセットすることにより、車両がつづ
ら折り道路を脱したことを記憶する。
【0078】ファジィ入力スイッチSW(5)は、アク
セル開度FV(4)が所定値CFV41(例えば、25
%)より大の状態が所定時間(例えば、0.6秒) に亘り
連続した場合に、アクセル開度が大の状態と判定し、ス
イッチSW(5)に値1を設定してアクセル開度大状態
を記憶するものである。以下に、このファジィ入力スイ
ッチ値SW(5)の設定手順を図14を参照して説明す
る。
【0079】電子制御装置5は、先ず、ステップS10
1においてアクセル開度FV(4)が所定値(CFV4
1)より小であるか否かを判別する。ステップS101
の判別結果が肯定の場合、すなわちアクセル開度が所定
値(CFV41)より小である場合にはステップS10
2に進み、カウンタCNTSW5を値0にリセットする
と共に、ファジィ入力スイッチSW(5)およびファジ
ィ入力スイッチSW(7)にそれぞれ値0をセットして
当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチSW
(7)は、3速エンジンブレーキ時アクセル強フラグで
あり、詳細は後述するように、ファジィ入力スイッチS
W(5)がこのルーチンで値1にセットされた直後に、
アクセル開度FV(4)が所定開度CFV43(例え
ば、40%)以上のときに値1に設定され(図26のル
ーチン)、運転者が下り坂で強加速の意図を有している
ことを記憶する。
【0080】一方、ステップS101においてアクセル
開度FV(4)が所定値(CFV41)以上であると判
別した場合、ステップS104においてカウンタCNT
SW5を値1だけインクリメントした後、このカウンタ
値CNTSW5が所定値XCN6(0.6 秒に対応する
値) 以上に到達したか否かを判別する(ステップS10
6)。カウンタ値CNTSW5が所定値XCN6より
小、すなわち所定時間(0.6 秒) が経過していなけれ
ば、なにもせずに当該ルーチンを終了する。
【0081】ステップS101において、アクセル開度
FV(4)が所定値(CFV41)以上で、かつ、カウ
ンタ値CNTSW5が所定値XCN6に到達したと判別
された場合、ステップS108が実行され、カウンタC
NTSW5が初期値0にリセットされると共に、ファジ
ィ入力スイッチSW(5)に値1をセットして当該ルー
チンを終了する。ファジィ入力スイッチSW(5)に値
1をセットすることにより、アクセル開度大状態を記憶
するのである。
【0082】ファジィ入力スイッチSW(6)は、アク
セル開度FV(4)が、前述した所定値CFV41(2
5%)より小さい値に設定されている所定値CFV42
(例えば、15%)より大の状態が所定時間(例えば、
0.6 秒) に亘り連続した場合に、アクセル開度が中の状
態と判定し、スイッチSW(6)に値1を設定してアク
セル開度中状態を記憶するものである。以下に、このフ
ァジィ入力スイッチ値SW(6)の設定手順を図15を
参照して説明する。
【0083】電子制御装置5は、先ず、ステップS11
0においてアクセル開度FV(4)が所定値(CFV4
2)より小であるか否かを判別する。ステップS110
の判別結果が肯定の場合、すなわちアクセル開度が所定
値(CFV42)より小である場合にはステップS11
2に進み、カウンタCNTSW6を値0にリセットする
と共に、ファジィ入力スイッチSW(6)およびファジ
ィ入力スイッチSW(8)にそれぞれ値0をセットして
当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチSW
(8)は、2速エンジンブレーキ時アクセル強フラグで
あり、詳細は後述するように、ファジィ入力スイッチS
W(6)がこのルーチンで値1にセットされた直後に、
アクセル開度FV(4)が前述の所定開度CFV43
(例えば、40%)以上のときに値1に設定され(図2
7のルーチン)、運転者が下り坂で強加速の意図を有し
ていることを記憶する。
【0084】一方、ステップS110においてアクセル
開度FV(4)が所定値(CFV42)以上であると判
別した場合、ステップS114においてカウンタCNT
SW6を値1だけインクリメントした後、このカウンタ
値CNTSW6が所定値XCN7(0.6 秒に対応する
値) 以上に到達したか否かを判別する(ステップS11
6)。カウンタ値CNTSW6が所定値XCN7より
小、すなわち所定時間(0.6 秒) が経過していなけれ
ば、なにもせずに当該ルーチンを終了する。
【0085】ステップS110において、アクセル開度
FV(4)が所定値(CFV42)以上で、かつ、ステ
ップS116においてカウンタ値CNTSW6が所定値
XCN7に到達したと判別された場合、ステップS11
8が実行され、カウンタCNTSW6が初期値0にリセ
ットされると共に、ファジィ入力スイッチSW(6)に
値1をセットして当該ルーチンを終了する。ファジィ入
力スイッチSW(6)に値1をセットすることにより、
アクセル開度中状態を記憶するのである。
【0086】ルール成立の判別 本発明の変速制御方法では、以下に示す各ファジィルー
ルの成立を判別し、成立したルールに対応する制御モー
ドを選択する。各ファジィルールが成立しているか否か
は以下の条件が全て満足していることが必要である。 (1) 当該ルールに関与するファジィ入力スイッチが全て
成立値と等しいこと。
【0087】(2) 当該ルールに関与するファジィ入力変
数が全て指定したメンバシップ関数の範囲内に含まれる
こと。 (3) ルールの適合回数が連続して所定回数以上であるこ
と。表4は各ファジィルールに関与するファジィ入力ス
イッチとその成立値を示す。また、表5は各ファジィル
ールに関与するファジィ入力変数と各ルールの概要を示
す。メンバシップ関数は、この実施例ではクリスプ集合
とし、ファジィ入力変数値が各メンバシップ関数の所定
範囲値内にあるか否かによって、ファジィ推論を行な
う。そして、各ファジィルールの成立が確認された場合
に選択される制御モードを表6に示す。
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】図16は、上述したファジィルールの成立
を判別する手順を示し、先ず、ルール適合判別ルーチン
において、各ルールのそれぞれについて各ルールが適合
するか否かを判別し、その後、適合したルールのチェッ
クルーチンにおいて、適合したルールの適合回数が連続
して所定回数以上であることを確かめる。図17は、ル
ール適合判別のより具体的な手順を示し、このルーチン
が実行されると電子制御装置5は、先ず、ステップS1
20においてプログラム制御変数nを値0にリセットす
る。次いで、ルールnのファジィ入力スイッチの全てが
適合しているか否かを判別する(ステップS121)。
例えば、ルール0では、表4からファジィ入力スイッチ
SW(1)が成立値1と等しいか否かを判別することに
なる。例えば、ルール8では、ファジィ入力スイッチS
W(0)およびファジィ入力スイッチSW(4)がそれ
ぞれ成立値2および1と等しいか否かを判別し、これら
が全て成立しているか否かを判別することになる。
【0092】ステップS121において、ルールnに関
与する全てのファジィ入力スイッチの一つでも適合して
いなければ、ステップS123に進み、制御変数TEK
I(n)に値0をセットする。一方、ステップS121
において、ルールnに関与する全てのファジィ入力スイ
ッチが適合していると、ステップS122に進み、今度
は、ルールnに関与する全てのファジィ入力変数が適合
するか、すなわち、ファジィ入力変数が指定したメンバ
シップ関数の所定範囲内に含まれるかを判別する。
【0093】例えば、表5に示されるように、ルール0
では5個のファジィ入力変数の適合が判別され、ルール
4では4個のファジィ入力変数の適合が判別される。フ
ァジィ入力変数FV(0)が小、すなわち、車速が小で
あるか否かの命題は、このファジィ入力変数に対応して
準備される第0メンバシップ関数から、ファジィ入力変
数FV(0)が所定上下限値範囲内(例えば、10km/h
r 以上、かつ、55km/hr 以下の範囲内)の値であるか
否かによって推論される。同様に、ファジィ入力変数F
V(0)が中、すなわち、車速が中であるか否かの命題
は、このファジィ入力変数に対応して準備される第1メ
ンバシップ関数から、ファジィ入力変数FV(0)が所
定上下限値範囲内(例えば、30km/hr 以上、かつ、1
00km/hr 以下の範囲内)の値であるか否かによって推
論される。このような命題とメンバシップ関数との関係
を表7に示す。
【0094】
【表7】
【0095】ステップS122の判別結果が否定である
場合には、前述のステップS123に進み、制御変数T
EKI(n)に値0をセットする一方、肯定の場合、す
なわち、ルールnのファジィ入力スイッチの全てが適合
し、かつ、ルールnのファジィ入力変数の全てが適合す
る場合、制御変数TEKI(n)に値1をセットし、当
該ルールnが適合したことを記憶する。
【0096】一つのルールの適合判別が終了すると、ス
テップS126においてプログラム制御変数nを値1だ
けインクリメントした後、変数値nが所定値CRUL
(ルールの数に対応する値)に等しいか否かを判別し
て、変数値nが所定値CRULになるまで、上述のステ
ップS121以下のステップを繰り返し実行し、全ての
ルールの適合を判別する。全てのルールの適合判別が終
了し、ステップS128における判別結果が肯定になる
と、当該ルーチンは終了する。
【0097】図18は、適合したルールが所定回数に亘
って連続して適合したと判別されたか否かをチェックす
るためのルーチンであり、電子制御装置5は、先ず、ス
テップS130においてプログラム制御変数nを値0に
リセットする。次いで、ステップS131において、ス
テップS130で指定されたルールnに対応する制御変
数TEKI(n)が値0であるか否かを判別する。ステ
ップS131において、当該制御変数TEKI(n)が
値0であれば、そのルールnは適合していないことにな
り、ステップS132に進み、ルールn用のカウンタC
NT(n)を値0にリセットすると共に、ルールnの成
立を記憶する制御変数SRT(n)に値0をセットして
後述するステップS136に進む。
【0098】一方、ステップS131の判別結果が否定
で、ルールnに対応する制御変数TEKI(n)が値0
でなければ、ステップS133に進み、カウンタ値CN
T(n)を値1だけインクリメントした後、このカウン
タ値CNT(n)が当該ルールnに対応して設定されて
いる所定値XCMAX(n)に到達したか否かを判別す
る(ステップS134)。カウンタ値CNT(n)が所
定値XCMAX(n)に到達していなければ、変数値S
RT(n)に変更を加えずにステップS136に進む。
所定値XCMAX(n)は、制御モード実行の緊急度や
ノイズ等によるルール成立判別の影響度等を考慮して適
宜値に設定される。
【0099】一つの適合ルールチェックが終了すると、
ステップS136においてプログラム制御変数nを値1
だけインクリメントした後、変数値nが所定値CRUL
(ルールの数に対応する値)に等しいか否かを判別し
(ステップS138)、変数値nが所定値CRULにな
るまで、上述のステップS131以下のステップを繰り
返し実行して、全てのルールの適合ルールチェックを行
なう。全てのルールの適合ルールチェックが終了し、ス
テップS138における判別結果が肯定になると、当該
ルーチンを終了する。
【0100】このように、当該ルーチンが繰り返されて
特定のルールnに対応する制御変数TEKI(n)が連
続して値1に設定されていると、カウンタ値CNT
(n)は当該ルーチンが実行される毎にインイクリメン
トされ、遂には所定値XCMAX(n)に到達すること
になる。ステップS134の判別結果が肯定になると、
ステップS135が実行され、カウンタCNT(n)を
値0にリセットすると共に、ルールnの成立を記憶する
制御変数SRT(n)に値1をセットすることになる。
【0101】各モード処理 上述のようにして成立したルールを判別すると、次に、
電子制御装置5は、図19に示す手順により各モード処
理を行なう。より具体的には、先ず、ステップS140
においてプログラム変数Xに、ファジィ入力スイッチS
W(0)の値を設定する。すなわち、現在の制御モード
を特定するのである。そして、現在の制御モードXに対
応する処理ルーチンを実行する(ステップS142)。
【0102】現在モード0処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード0(ノーマルモード0)で
行われている場合、図20および図21のフローチャー
トに従って、ファジィシフト位置SHIFFが設定され
る。なお、制御モード0は、前述した通り、通常の平坦
路走行用のシフトパターンを使用して変速段を設定する
ものであり、この制御モードからは、図1に示す通り、
モード1,モード2,およびモード4への移行が可能で
ある。
【0103】電子制御装置5は、先ず、ステップS15
0において、ルールの成立を記憶する制御変数SRT
(2),SRT(3),SRT(4)の何れかが値1で
あるか否かを判別する。これらの変数は、それぞれルー
ル2,3,4の成立を記憶するもので、表6に示すよう
にこれらのルールの何れか一つが成立すると、モード2
に進入すべきことを示している。従って、ステップS1
50の判別結果が肯定の場合には、ステップS151に
進み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値2に設定す
ると共に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値3を
セットして当該ルーチンを終了する。モード2は、前述
した通り、降坂を強制的に3速段でエンジンブレーキを
効かせながら下らせるモードである。
【0104】制御変数SRT(2),SRT(3),S
RT(4)の何れもが値1でなく、ステップS150の
判別結果が否定の場合、ステップS152を実行し、変
数SRT(0)およびSRT(1)の何れか一方が値1
であるか否かを判別する。これらの変数は、それぞれル
ール0,1の成立を記憶するもので、表6に示すように
これらのルールの何れか一つが成立すると、モード1に
進入すべきことを示している。従って、ステップS15
2の判別結果が肯定の場合には、図21のステップS1
54に進み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値1に
設定する。そして、ステップS155に進み、前述した
モード0において使用するシフトパターンにより決定さ
れるシフト位置(モード0の演算変速段)を表す変数S
HIF1が、4速段を示す値4であるか否かを判別す
る。この判別の答が肯定であれば、強制的に変速段を3
速段にシフトダウンをさせるために、ファジィシフト位
置変数SHIFFに値3をセットして当該ルーチンを終
了する。一方、ステップS155での判別結果が否定で
あれば、ステップS156に進み、ファジィシフト位置
変数SHIFFに変数値SHIF1をセットして当該ル
ーチンを終了する。なお、モード1は、図1に示すよう
に登坂コーナモードであり、後述する2,3速段で運転
される領域が広がったシフトパターンを使用して変速段
が決定される。モード0からモード1の移行時には、4
速段で運転されている場合には強制的に3速段にシフト
ダウンを指令し、このシフトダウンの変速操作時にノー
マルモードのシフトパターンから登坂コーナモード用の
シフトパターンに切り換えられる。4速段以外の変速段
で運転されている場合には、その変速段を維持した状態
でシフトパターンの切り換えが行なわれる。
【0105】制御変数SRT(0)およびSRT(1)
の何れもが値1でなく、ステップS152の判別結果が
否定の場合、ステップS160に進み、制御変数SRT
(5)が値1であるか否かを判別する。この変数は、ル
ール5の成立を記憶するもので、表6に示すようにこの
ルールが成立すると、モード4に進入すべきことを示し
ている。従って、ステップS160の判別結果が肯定の
場合には、ステップS162に進み、モード0において
使用するシフトパターンにより決定されるシフト位置変
数SHIF1が、4速段を示す値4であるか否かを判別
する。この判別の答が肯定であれば、ファジィ入力スイ
ッチSW(0)を値4に設定すると共に、現在の変速段
により強制的に1段だけシフトダウンさせるために、フ
ァジィシフト位置変数SHIFFに値3をセットして当
該ルーチンを終了する。一方、ステップS162での判
別結果が否定であれば、ステップS165に進み、シフ
ト位置変数(モード0演算変速段)SHIF1が、3速
段を示す値3であるか否かを判別する。この判別の答が
肯定であれば、ファジィ入力スイッチSW(0)を値4
に設定すると共に、強制的に変速段を2速段にシフトダ
ウンをさせるために、ファジィシフト位置変数SHIF
Fに値2をセットして当該ルーチンを終了する。このよ
うに、直線登坂モードであるモード4では、ノーマルモ
ード0で使用するシフトパターンにより設定される変速
段が4速段であるなら3速段に、3速段であるなら2速
段に強制的にシフトダウンさせるものである。
【0106】一方、シフト位置変数SHIF1が、4速
段でも3速段でもない場合には、ステップS168に進
み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0のままに保
持すると共に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値
5を設定して当該ルーチンを終了する。ファジィシフト
位置変数SHIFFが値5に設定されることは、変速段
を5速段に変速させることを意味するが、実際には変速
機3に5速段は存在しないので、ファジィシフト位置変
数SHIFFによる変速指令は無視されて、ノーマルモ
ード0による変速制御が実行されることになる。
【0107】制御変数SRT(5)が値1でなく、ステ
ップS160における判別結果が否定の場合、前述のス
テップS168に進み、ファジィ入力スイッチSW
(0)を値0のままに保持すると共に、ファジィシフト
位置変数SHIFFに値5を設定してノーマルモード0
を引き続き実行する。現在モード1処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード1で行われている場合、図
22および図23のフローチャートに従って、変速段が
設定される。なお、制御モード1は、前述した通り、登
坂コーナモード用のシフトパターンを使用して変速段を
設定するものであり、この制御モードからは、図1に示
す通り、モード0およびモード2への移行が可能であ
る。
【0108】電子制御装置5は、先ず、ステップS17
0において、車速FV(0)が所定値CFV0(例え
ば、10km/hr)より小であるか否かを判別する。この判
別結果が肯定の場合、ステップS171に進み、ファジ
ィ入力スイッチSW(0)を値0に設定すると共に、フ
ァジィシフト位置変数SHIFFに値5を設定してノー
マルモード0に移行させる。車速が低い場合には無条件
でノーマルモード0を実行してもなんら差し支えない。
【0109】車速FV(0)が所定値CFV0より大
で、ステップS170の判別結果が否定の場合には、ス
テップS172に進み、登坂コーナモードのシフトパタ
ーンを使用して、検出した車速V0 およびアクセル開度
(スロットル開度)APSとにより現在のシフト位置N
を演算する。図24は、2速から3速段へ、および3速
から4速段へのシフトアップ用のシフトパターンを示
し、ノーマルモード0から登坂コーナモード1に制御モ
ードが移行する場合には、アップシフト線が図中矢印で
示すように変更され、2速段または3速段での運転領域
が広げられている。より詳細に説明すれば、ノーマルモ
ード0の2速から3速段へのアップシフト線(実線で示
す)は車速V230 一定の線で2つの変速領域を区画して
いるが、この車速一定線が登坂コーナモード1のアップ
シフト線(破線で示す)では、前記車速V230 より大き
い車速V231 一定線に移行し、2速段領域が拡大されて
いる。同様に、ノーマルモード0の3速から4速段への
アップシフト線(実線で示す)は車速V340 一定の線で
2つの変速領域を区画しているが、この車速一定線が登
坂コーナモード1のアップシフト線(破線で示す)では
前記車速V340 より大きい車速V341 一定線に移行し、
3速段領域が拡大されている。ステップS172におけ
るシフト位置Nの演算は、図24において破線のアップ
シフト線で示すシフトパターンを用いて行なわれる。ま
た、ノーマルモードから登坂コーナモードに移行するこ
とにより、2速または3速段領域が拡大する様子は、図
25の斜線領域Aで示されている。
【0110】次に、電子制御装置5は、図24に実線で
示す、ノーマルモード0の通常シフトパターンを使用
し、検出した車速V0 およびアクセル開度(スロットル
開度)APSよりシフト位置を演算したとき、2速から
3速段へ、または3速から4速段へのシフトアップが生
じるか否かを判別し、シフトアップが生じる場合には変
数FLGYNに値1を設定しておく(ステップS17
3)。モード1による変速制御では、前述した通り、フ
ァジィ入力スイッチSW(0)に値1が設定されると共
に、ファジィシフト位置変数SHIFFを用いて、3速
段またはそれ以下の変速段に強制的に変速指令してい
る。変数FLGYNに値1を設定することは、変数SH
IFFによる指令がなければシフトアップが実行される
ようなシフト位置の変化があったことを示す。これを図
25により説明すると、シフト位置の変化により、新た
なシフト位置がノーマルモード0のアップシフト線(実
線)とモード1のアップシフト線(破線)で囲まれる領
域(斜線で示すA領域)に突入したことを意味する。こ
のシフト位置の移行は、図25において矢印TR1で示
すように、運転者がアクセルペタルから足を離し、アク
セル開度APSが小となって領域Aに突入する場合もあ
るし、矢印TR2で示すように、車速V0 が増加して領
域Aに突入する場合もある。
【0111】このように、ステップS172においてシ
フト位置Nを演算したり、ステップS173において変
数FLGYNによりシフトアップが生じたか否かを記憶
するのは、制御モード1から他のモードに移行させるタ
イミングとして、アップシフト線を横切ったときを選ん
で行なうようにするためであり、このようなタイミング
で制御モードを変更することにより、運転者に違和感を
与えることを防止する。
【0112】次に、電子制御装置5は、ファジィ入力ス
イッチSW(3)が値1であり、かつ、ハンドル角FV
(9)が所定値CFV9(例えば、50°)より小であ
り、かつ、横加速度FV(10)が所定CFV10より
小であるか否かを判別する(ステップS174)。つま
り、登り勾配が終了し、かつ、道路が屈曲していない状
態であるか否かを判別するのである。この判別が否定の
場合には、後述する図23のステップS180に進む。
一方、ステップS174の判別結果が肯定の場合には、
ステップS175に進み、登坂コーナモード1のシフト
パターンで求めたシフト位置Nがファジィシフト位置変
数値SHIFFより大であるか、または、アップシフト
が生じたことを示すフラグFLGYNが値1であるか否
かを判別する。これらの判別のいずれもが否定であれ
ば、後述するステップS180に進み、何れか一方が成
立するとステップS176に進む。
【0113】ステップS176では、ルールの成立を記
憶する制御変数SRT(2),SRT(3),SRT
(4)の何れかが値1であるか否かを判別する。これら
の変数は、前述した通り、それぞれルール2,3,4の
成立を記憶するもので、表6に示すようにこれらのルー
ルの何れか一つが成立すると、モード2に進入すべきこ
とを示している。従って、ステップS176の判別結果
が肯定の場合には、ステップS177に進み、ファジィ
入力スイッチSW(0)を値2に設定すると共に、ファ
ジィシフト位置変数SHIFFに値3をセットして当該
ルーチンを終了する。モード2は、前述した通り、降坂
を強制的に3速段で下らせるモードである。
【0114】制御変数SRT(2),SRT(3),S
RT(4)の何れもが値1でなく、ステップS176の
判別結果が否定の場合、ステップS178を実行し、フ
ァジィ入力スイッチSW(0)を値0に設定すると共
に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値5を設定し
て当該ルーチンを終了する。この場合、制御モードを登
坂コーナモード1からノーマルモード0に移行させるの
である。
【0115】ステップS174およびステップS175
のいずれかでその判別結果が否定の場合に実行される、
図23のステップS180においては、先ず、前述のス
テップS172において演算されたシフト位置Nが3以
上であるか否かを判別する。この判別が否定の場合に
は、後述するステップS184に、肯定の場合にはステ
ップS181に進む。ステップS181では、制御変数
SRT(2),SRT(3),SRT(4)の何れかが
値1であるか否かを判別する。これらの変数は、前述し
た通り、それぞれルール2,3,4の成立を記憶するも
ので、これらのルールの何れか一つが成立すると、モー
ド2に進入すべきことを示している。従って、ステップ
S180およびステップS181の判別結果が共に肯定
の場合には、ステップS182に進み、ファジィ入力ス
イッチSW(0)を値2に設定すると共に、ファジィシ
フト位置変数SHIFFに値3をセットして当該ルーチ
ンを終了する。これにより制御モード2が実行されるの
である。
【0116】ステップS180およびステップS181
のいずれかの判別結果が否定の場合、登坂コーナモード
1を継続させることを意味するが、この場合、ステップ
S184およびステップS185において、前述のシフ
ト位置Nが4に等しく、かつ、変数SRT(0)および
SRT(1)の何れか一方が値1であるか否かを判別す
る。変数SRT(0)およびSRT(1)は、前述した
通り、それぞれルール0,1の成立を記憶するもので、
これらのルールの何れか一つが成立すると、モード1を
実行すべきことを示す。登坂コーナモード1用のシフト
パターンにより演算されるシフト位置が4速段でなく、
あるいは、変数SRT(0)およびSRT(1)のいず
れもが値1でない場合、すなわち、ステップS184お
よびステップS185のいずれか一方の判別結果が否定
である場合には、ステップS186に進み、ファジィシ
フト位置変数SHIFFに値Nを設定して当該ルーチン
を終了する。
【0117】シフト位置Nが4であり、かつ、変数SR
T(0)およびSRT(1)の何れか一方が値1である
場合には、同一モード1内で改めて登坂コーナモードの
変速制御を実行して、ファジィシフト位置変数SHIF
Fに値3を設定し、4速段から3速段にダウンシフトさ
せる。登坂コーナモードの変速制御が実行されると、登
坂路のコーナ部に突入する際に、たとえアクセル開度を
戻しても、シフトアップ操作が実行され難いようにアッ
プシフト線が移行する。これを図25を参照して説明す
ると、モード0からモード1に変速制御が移行すると、
斜線Aで示す変速領域が拡大される。頻繁に屈曲する登
坂路では、運転者のアクセルペタル操作と車速とで示さ
れる作動線は、サークルを描き、このサークルは図25
に示される斜線A領域で生じることが多い。この結果、
登坂屈曲路が連続する場合であっても、アップシフトの
実行回数が低減し、シフトハンチングが生じ難くなるの
である。
【0118】現在モード2処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード2で行われている場合、図
26のフローチャートに従って、変速段が設定される。
なお、制御モード2は、前述した通り、下り坂を3速段
をホールドして下っていく降坂弱エンジンブレーキモー
ドであるが、アクセルペタルの踏込加減によっては、1
〜4速段にシフトされることがある。この制御モード2
からは、図1に示す通り、モード0およびモード3への
移行が可能である。
【0119】電子制御装置5は、先ず、ステップS19
0において、制御変数SRT(9)が値1であること、
ファジィ入力スイッチSW(5)が値1であること、お
よび車速FV(0)が所定値CFV0(例えば、10km
/hr)より小であることのいずれかが成立するか否かを判
別する。制御変数SRT(9)は、ルール9の成立を記
憶するものであり、表6に示すように、このルール9が
成立したらモード0に移行すべきことを示している。フ
ァジィ入力スイッチSW(5)は、アクセル開度が大状
態であることを記憶するものである。ステップS190
の判別条件が一つでも成立すれば、ステップS191を
実行し、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0に設定
すると共に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値5
を設定して当該ルーチンを終了する。この場合、制御モ
ードを降坂弱エンジンブレーキモード2からノーマルモ
ード0に移行させるのである。
【0120】ステップS190の判別結果が否定の場
合、ステップS192に進み、ファジィ入力スイッチS
W(5)が値1であること、アクセル開度FV(4)が
所定値CFV43(例えば、40%)より小であるこ
と、およびファジィ入力スイッチSW(7)が値0であ
ることの各条件が全て成立するか否かを判別する。ファ
ジィ入力スイッチSW(5)は上述した通り、アクセル
開度が大状態であることを記憶するものである。また、
ファジィ入力スイッチSW(7)は、3速段エンジンブ
レーキ時にアクセルを強く踏み込んだ場合に、値1に設
定してその状態を記憶するものである。従って、ファジ
ィ入力スイッチSW(7)が0あることは、アクセルの
強い踏込みがなかったことを意味する。すなわち、ステ
ップS192では運転者の中程度の加速意思を判別する
ものである。この判別結果が肯定の場合には、前述のス
テップS191に進み、ファジィ入力スイッチSW
(0)を値0に設定すると共に、ファジィシフト位置変
数SHIFFに値5を設定してノーマルモード0に移行
させる。この場合、移行させたノーマルモードのシフト
マップを使用して変速段が決定されることになるので、
アクセル開度および車速に応じて3速段に保持される
か、4速段にシフトアップされる。4速段にシフトアッ
プされると、アクセルの踏込み量が少なくて済み、下り
坂における運転者の加速意思に適合した加速感が得られ
ることになる。
【0121】ステップS192の判別結果が否定の場合
にはステップS193に進み、今度は、ファジィ入力ス
イッチSW(5)が値1であり、かつ、アクセル開度F
V(4)が前述の所定値CFV43(40%)より大で
あるか否かを判別する。運転者の強加速意思を判別する
ものである。この判別結果が肯定の場合には、ステップ
S194を実行してファジィ入力スイッチSW(7)に
値1を設定して当該ルーチンを終了する。この場合に
は、3速段が維持され、モード2の変速制御が継続さ
れ、下り坂における強加速が行なわれる。また、モード
2は、緩い坂道を弱いエンジンブレーキを効かせながら
下る場合の変速制御モードである。このような運転時に
運転者が車両を強加速した場合、その後にコーナに突入
する場合には強い制動を必要とすることが予測される。
ファジィ入力スイッチSW(7)は、強加速後に来る強
制動時に強エンジンブレーキを指令するためのフラグと
して使用される。すなわち、このファジィ入力スイッチ
SW(7)に値1を設定することにより、ファジィ入力
スイッチSW(5)によりアクセル開度が大状態であ
り、かつ、アクセル開度が所定値CFV43(40%)
より小である場合であっても、前述のステップS192
の判別結果が否定となって、ステップS191のノーマ
ルモード0による変速制御が実行されることがなく、後
述するように、現在制御モードの降坂弱エンジンブレー
キモード2または降坂強エンジンブレーキモード3が実
行さることになり、ブレーキ操作の回数を減らすことが
できる。
【0122】ステップS193の判別結果が否定の場
合、ステップS196を実行してルールの成立を記憶す
る制御変数SRT(6),SRT(7),SRT(8)
の何れかが値1であるか否かを判別する。これらの変数
は、前述した通り、それぞれルール6,7,8の成立を
記憶するもので、表6に示すようにこれらのルールの何
れか一つが成立すると、モード3に進入すべきことを示
している。従って、ステップS196の判別結果が肯定
の場合には、ステップS198に進み、ファジィ入力ス
イッチSW(0)を値3に設定すると共に、ファジィシ
フト位置変数SHIFFに値2をセットして当該ルーチ
ンを終了する。モード3は、前述した通り、降坂を強制
的に2速段で下らせるモードである。
【0123】制御変数SRT(6),SRT(7),S
RT(8)の何れもが値1でなく、ステップS196の
判別結果が否定の場合、なにもせずに当該ルーチンを終
了する。すなわち、現在制御モード2の変速制御が継続
して実行され、無駄なシフトチェンジを防止することが
できる。現在モード3処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード3で行われている場合、図
27のフローチャートに従って、変速段が設定される。
なお、制御モード3は、前述した通り、下り坂を2速段
をホールドして下っていく降坂強エンジンブレーキモー
ドである。この制御モード3からは、図1に示す通り、
モード0およびモード2への移行が可能である。
【0124】電子制御装置5は、先ず、ステップS20
0において、車速FV(0)が所定値CFV0(10km
/hr)より小であるか否かを判別する。車速FV(0)が
所定値CFV0より小であれば、無条件にステップS2
01を実行し、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0
に設定すると共に、ファジィシフト位置変数SHIFF
に値5を設定して当該ルーチンを終了する。この場合、
制御モードを降坂強エンジンブレーキモード3からノー
マルモード0に直接移行させるのである。
【0125】ステップS200の判別結果が否定の場
合、ステップS202に進み、ファジィ入力スイッチS
W(2)が値1であり、かつ、アクセル開度FV(4)
が所定値CFV44(例えば、3%)以上であか否かを
判別する。ファジィ入力スイッチSW(2)は前述した
通り、重量・勾配抵抗が非負状態であることを記憶する
ものである。すなわち、ステップS202では、下り勾
配から復帰し僅かにアクセルペタルが踏み込まれている
状態であるか否かを判別するものであり、この判別の答
が肯定の場合には、ステップS205に進み、ファジィ
入力スイッチSW(0)に値2を、ファジィ入力スイッ
チSW(5)に値0をそれぞれ設定すると共に、ファジ
ィシフト位置変数SHIFFに値3を設定して降坂弱エ
ンジンブレーキモード2に移行させる。
【0126】ステップS202の判別結果が否定の場合
にはステップS204に進み、今度は、ファジィ入力ス
イッチSW(6)が値1であり、かつ、アクセル開度F
V(4)が所定値CFV45(例えば、40%)より小
であり、かつ、ファジィ入力スイッチSW(8)が値0
であるか否かを判別する。ファジィ入力スイッチSW
(6)は前述した通り、アクセル開度が中状態を記憶す
るものであり、ファジィ入力スイッチSW(8)は、後
述するように2速エンジンブレーキ時のアクセル強踏込
を記憶するものである。従って、この判別は、運転者の
中程度の加速意思を判別するものであり、判別結果が肯
定の場合には、前述したステップS205に進み、ファ
ジィ入力スイッチSW(0)を値2に、ファジィ入力ス
イッチSW(5)に値0をそれぞれ設定すると共に、フ
ァジィシフト位置変数SHIFFに値3を設定して降坂
弱エンジンブレーキモード2に移行させる。すなわち、
変速段が2速段から3速段にシフトアップされ、アクセ
ル踏込み量が2速段の場合により軽減され、下り坂にお
ける運転者の加速意図に適合した加速感が得られる。
【0127】ステップS204の判別結果が否定の場合
には、ファジィ入力スイッチSW(6)が値1であり、
かつ、アクセル開度FV(4)が前述の所定値CFV4
5(40%)より大であるか否かを判別する。このステ
ップは、運転者の強加速意思を判別するものである。こ
の判別結果が肯定の場合には、ステップS208を実行
してファジィ入力スイッチSW(8)に値1を設定して
当該ルーチンを終了する。この場合には、2速段が維持
され、モード3の変速制御が継続される。これにより、
下り坂における運転者の強加速意思に応じた高出力が得
られる。また、モード3は、急な坂道を強いエンジンブ
レーキを効かせながら下る場合の変速制御モードであ
る。このような運転時に運転者が車両を強加速した場
合、その後にコーナに突入する場合には強い制動を必要
とすることが予測される。ファジィ入力スイッチSW
(8)は、強加速後に来る強制動時に強エンジンブレー
キを指令するためのフラグとしても使用される。すなわ
ち、このファジィ入力スイッチSW(8)に値1を設定
することにより、アクセル開度が所定値CFV45(4
0%)より小の中状態である場合であっても、前述のス
テップS204の判別結果が否定となって、必ず現在の
制御モードである降坂強エンジンブレーキモード3が継
続して実行されることになり、2速段による強エンジン
ブレーキが効くことになる。
【0128】前述のステップS206の判別結果が否定
の場合には、ファジィ入力スイッチSW(8)に値1を
設定することなく、当該ルーチンを終了する。この場合
には、2速段が維持され、モード3の変速制御が継続さ
れて無駄なシフトチェンジを防止することができる。現在モード4処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード4で行われている場合、図
28のフローチャートに従って、変速段が設定される。
なお、制御モード4は、前述した通り、直線登坂路モー
ドであり、ノーマルモード0のシフトパターンで設定さ
れたシフト位置が4速段であれば3速段に、3速段であ
れば2速段にそれぞれダウンシフトして所要の駆動力を
得るものである。この制御モード4からは、図1に示す
通り、モード0への移行のみが可能である。
【0129】電子制御装置5は、先ず、ステップS21
0において、アクセル開度FV(4)が所定値CFV4
5(例えば、10%)より小であるか否かを判別する。
アクセル開度FV(4)が所定値CFV45より小であ
れば、ステップS212を実行し、ファジィ入力スイッ
チSW(0)を値0に設定すると共に、ファジィシフト
位置変数SHIFFに値5を設定して当該ルーチンを終
了する。この場合、制御モードを直線登坂路モード4か
らノーマルモード0に移行させるのである。
【0130】ステップS210の判別結果が否定の場
合、ステップS214に進み、アクセル開度FV(4)
が所定値CFV46(例えば、25%)より小であり、
かつ、アクセル踏込速度FV(5)が負の所定値(−C
FV5)より小であるか否かを判別する。何れの条件も
同時に満足するのであれば、前述のステップS212に
進み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0に、ファ
ジィシフト位置変数SHIFFに値5をそれぞれ設定し
てノーマルモード0に移行させる。
【0131】ステップS214の判別結果が否定の場合
には、何もせずに当該ルーチンを終了する。この場合に
は、現在の制御モード4がそのまま維持される。シフト位置出力処理 上述のように、各モード処理が終了すると、今度は設定
されたシフト位置に基づいて制御信号を作動油圧制御装
置4に出力することになる。図29および図30のフロ
ーチャートはシフト位置制御信号を出力する手順を示
す。このフローチャートによるシフト位置制御信号の出
力手順の概略は、上述のようにしてファジィ判断されて
現在のシフト位置を変化させる必要が生じたときにのみ
制御信号を出力することにし、しかも、実際にシフト操
作を行なう条件として、更に、前回のシフト変化から所
定時間(例えば、0.5 秒) が経過していること、ハンド
ル角の絶対値が所定値以下であること、横加速度の絶対
値が所定値以下であることが必要であり、これらの条件
の一つでも満足しなければシフト位置の変更を行わない
ようにしている。
【0132】これをより具体的に説明すると、電子制御
装置5は、先ず、ステップS220において、0.5 秒カ
ウンタ値SFLGが0より大であるか否かを判別する。
0.5秒カウンタSFLGは、前回シフト操作された時点
から所定時間(0.5 秒)が経過したか否かを判別するた
めのダウンカウンタであり、シフト操作された時点に初
期値にリセットされる。従って、ステップS220にお
ける判別結果が肯定の場合には、前回のシフト操作から
未だ所定時間(0.5 秒)が経過しておらず、このような
場合には、ステップS221においてカウンタ値SFL
Gを値1だけデクリメントして当該ルーチンを終了す
る。カウンタ値SFLGが0にカウントダウンされない
間に新たなシフト位置が設定されてもそのシフト位置へ
のシフト操作は実行されないことになる。
【0133】前回シフト操作から所定時間が経過してス
テップS220の判別結果が否定の場合、ステップS2
22に進み、ファジィ入力スイッチSW(0)が値0以
外の値であるか否かを判別する。スイッチSW(0)が
値0以外の値でなく、値0であれば、モード0による変
速制御を意味し、この場合、なにもせずに当該ルーチン
を終了する。ノーマルモード0の場合、通常の変速制御
であるから、ファジィ判断による割り込みシフト制御を
行なう必要がなく、前述したように別に準備されている
通常の変速制御用のプログラムによってシフト位置制御
信号が作動油圧制御装置4に出力される。
【0134】ファジィ入力スイッチSW(0)が値0以
外の値であると判断され、ステップS222の判別結果
が肯定の場合、ステップS224に進み、ファジィシフ
ト位置SHIFFと、ノーマルモード0のシフトパター
ンから設定される変速段SHIF1の小さい方を選択
し、これをシフト位置指令値として変数Nに設定する。
ファジィ制御中においても、ノーマルモード0において
使用するシフトパターンで決定される変速段SHIF1
の方が小の場合には、その変速段が優先して選択され
る。次いで、選択したシフト位置指令変数Nの値が現在
指令されている変速段SHIF0と等しいか否かを判別
する(ステップS226)。等しい場合にはシフト操作
を行なう必要がなく、当該ルーチンを終了する。
【0135】一方、ステップS226の判別結果が否定
の場合には、シフト位置指令変数Nが現在の指令変速段
SHIF0より大であるか、ハンドル角絶対値FV
(9)が所定値CFV9より大であるか、および、横加
速度絶対値FV(10)が所定値CFV10より大であ
るか、の何れかの条件が成立しているか否かを判別する
(ステップS228)。何れかの条件が成立していると
ステップS228の判別結果が肯定となり、この場合に
はシフト位置の変更、すなわち変速を行なうことなく当
該ルーチンを終了する。すなわちシフト位置指令変数N
によりシフトアップ指令が行なわれることになる場合、
ハンドル角が所定値より大である場合、或いは、横加速
度絶対値が所定値より大である場合には、シフト操作が
禁止される。
【0136】ステップS228の何れの条件も成立せ
ず、判別結果が否定の場合には、図30のステップS2
30が実行される。ステップS230では、シフト位置
指令変数Nが現在の指令変速段SHIF0より1段高い
値より大きいか、すなわち今回のシフト位置指令変数N
により一度に2速以上シフトアップされることになるの
か否かを判別する。今回のシフト位置指令変数Nにより
一度に2速以上シフトアップされることになるのであれ
ば、ステップS232において、今回のシフトアップ操
作を、現在の指令変速段SHIF0より1段だけ高い変
速段に制限するために、指令変数値Nを値(SHIF0
+1)に設定し直した後、後述するステップS240に
進む。
【0137】一方、ステップS230の判別結果が否定
の場合には、ステップS234に進み、今度は、シフト
位置指令変数Nが現在の指令変速段SHIF0より1段
低い値より小さいか、すなわち今回のシフト位置指令変
数Nにより一度に2速以上シフトダウンされることにな
るのか否かを判別する。今回のシフト位置指令変数Nに
より一度に2速以上シフトダウンされることになるので
あれば、ステップS236において、今回のシフトアッ
プ操作を、現在の指令変速段SHIF0より1段だけ低
い変速段に制限するために、指令変数値Nを値(SHI
F0−1)に設定し直した後、後述するステップS24
0に進む。
【0138】ステップS234の判別結果が否定であれ
ば、シフト位置指令変数Nの値をそのまま保持してステ
ップS240に進む。ステップS240では、0.5 秒カ
ウンタSFLGの値を所定値XT1(0.5 秒に対応する
値)にリセットした後、ステップS242を実行して、
シフト位置指令変数Nに応じたシフト位置制御信号を作
動油圧制御装置4に出力して当該ルーチンを終了する。
ステップS240で出力されるシフト位置制御信号は、
ファジィ制御に基づくものであり、この信号はノーマル
モード0に基づき出力されるシフト位置制御信号より優
先順位が高く、ノーマルモード0に基づくシフト位置制
御信号に対して割り込み実行される。
【0139】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
車両用自動変速機の変速制御装置によれば、ノーマルモ
ード選択中に、車両が第1の道路勾配以上の下り坂を下
っていることが判定され且つアクセル開度が第1の所定
値未満であることが検出されたとき、ノーマルモードか
ら第1ホールドモードに切り換えて第1の低速段に固定
、第1ホールドモード選択中に、車両が第1の道路勾
配より急な第2の道路勾配以上の下り坂を下っているこ
とが判定され且つアクセル開度が第1の所定値未満であ
ることが検出されたとき、第1ホールドモードから第2
ホールドモードに切り換えて第1の低速段よりも低速段
の第2の低速段に固定し、第1ホールドモード選択中
に、アクセル開度が第1の所定値以上且つ第1の所定値
よりも大きい第2の所定値未満であることが検出された
とき、第1のホールドモードからノーマルモードに切り
換え、第1ホールドモード選択中に、アクセル開度が第
2の所定値以上であるとき、第1ホールドモードからノ
ーマルモードへの切り換えを禁止するようにしたもので
ある。
【0140】従って、下り坂を下る場合、走行中の道路
勾配とアクセル開度とに適合した最適な変速段に自動的
に固定することができ、エンジンブレーキを効果的に効
かせることができ、下り坂の頻繁なブレーキ操作が回避
できて運転操作の容易化(イージードライブ化)を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用自動変速機の変速制御方法によ
り実行される各制御モードの相互関係を示す図である。
【図2】本発明の車両用自動変速機の変速制御方法が適
用される変速制御装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図3】図2に示す電子制御装置(ECU)が実行する
ファジィ変速制御の手順を示すメインルーチンのフロー
チャートである。
【図4】ファジィ変速制御に用いるハンドル操作量FV
(2)の演算手順を示すフローチャートである。
【図5】ファジィ変速制御に用いるブレーキ減速幅FV
(3)の演算手順を示すフローチャートである。
【図6】ファジィ変速制御に用いるアクセル踏込速度F
V(5)の演算手順を示すフローチャートである。
【図7】ファジィ変速制御に用いる重量・勾配抵抗FV
(6)の演算手順を示すフローチャートである。
【図8】ファジィ変速制御に用いる車速の2秒差分FV
(8)の演算手順を示すフローチャートである。
【図9】ファジィ変速制御に用いる、勾配抵抗大状態を
記憶するファジィ入力スイッチSW(1)の設定手順を
示すフローチャートである。
【図10】ファジィ変速制御に用いる、勾配抵抗非負状
態を記憶するファジィ入力スイッチSW(2)の設定手
順を示すフローチャートである。
【図11】ファジィ変速制御に用いる、勾配抵抗非大状
態を記憶するファジィ入力スイッチSW(3)の設定手
順を示すフローチャートである。
【図12】ファジィ変速制御に用いる、道路のつづら折
り状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(4)の設
定手順の一部を示すフローチャートである。
【図13】ファジィ変速制御に用いる、道路のつづら折
り状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(4)の設
定手順の残部を示すフローチャートである。
【図14】ファジィ変速制御に用いる、アクセル開度大
状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(5)の設定
手順を示すフローチャートである。
【図15】ファジィ変速制御に用いる、アクセル開度中
状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(6)の設定
手順を示すフローチャートである。
【図16】ファジィ変速制御におけるルール成立判別ル
ーチンのフローチャートである。
【図17】ルール成立判別におけるルール適合判別の手
順を示すフローチャートである。
【図18】ルール成立判別における適合したルールのチ
ェックの手順を示すフローチャートである。
【図19】各モード処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図20】現在制御モードが0である場合の処理手順の
一部を示すフローチャートである。
【図21】現在制御モードが0である場合の処理手順の
残部を示すフローチャートである。
【図22】現在制御モードが1である場合の処理手順の
一部を示すフローチャートである。
【図23】現在制御モードが1である場合の処理手順の
残部を示すフローチャートである。
【図24】スロットル開度および車速に応じて変速領域
を区画する、制御モード0および1のアップシフト線を
示すグラフである。
【図25】制御モード0から制御モード1に移行に伴っ
て拡大する変速領域を説明するためのグラフである。
【図26】現在制御モードが2である場合の処理手順を
示すフローチャートである。
【図27】現在制御モードが3である場合の処理手順を
示すフローチャートである。
【図28】現在制御モードが4である場合の処理手順を
示すフローチャートである。
【図29】シフト位置制御信号の出力手順の一部を示す
フローチャートである。
【図30】シフト位置制御信号の出力手順の残部を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃エンジン 2 トルクコンバータ 3 歯車変速機 4 作動油圧制御装置 5 電子制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速とエンジン負荷とをパラメータとし
    た変速パターンに応じて変速段を決定するノーマルモー
    ドを備えた車両用自動変速機の変速制御装置において、 変速段決定モードとして、変速段を第1の低速段に固定
    する第1ホールドモードと、変速段を上記第1の低速段
    よりも低速段の第2の低速段に固定する第2ホールドモ
    ードとを有し、 車両が走行する道路の勾配抵抗を演算して道路勾配状態
    を判定する勾配判定手段と、 運転者の加速意思を検出するアクセル開度状態検出手段
    と、 上記各モードを切え換えるモード切換手段とを備え、 同モード切換手段は、 上記ノーマルモード選択中に、上記勾配判定手段により
    車両が第1の道路勾配以上の下り坂を下っていることが
    判定され且つ上記アクセル開度状態検出手段によりアク
    セル開度が第1の所定値未満であることが検出されたと
    き、上記ノーマルモードから上記第1ホールドモードに
    切り換え、 上記第1ホールドモード選択中に、上記勾配判定手段に
    より車両が上記第1の道路勾配より急な第2の道路勾配
    以上の下り坂を下っていることが判定され且つ上記アク
    セル開度状態検出手段によりアクセル開度が上記第1の
    所定値未満であることが検出されたとき、上記第1ホー
    ルドモードから上記第2ホールドモードに切り換える
    共に、 上記第1ホールドモード選択中に、上記アクセル開度状
    態検出手段によりアクセル開度が上記第1の所定値以上
    且つ同第1の所定値よりも大きい第2の所定値未満であ
    ることが検出されたとき、上記第1のホールドモードか
    ら上記ノーマルモードに切り換え、 上記第1ホールドモード選択中に、上記アクセル開度状
    態検出手段によりアクセル開度が上記第2の所定値以上
    であるとき、上記第1ホールドモードから上記ノーマル
    モードへの切り換えを禁止する ことを特徴とする車両用
    自動変速機の変速制御装置。
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