JP2719442B2 - 放射線の検出及び測定のための方法 - Google Patents

放射線の検出及び測定のための方法

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JP2719442B2 JP3501038A JP50103890A JP2719442B2 JP 2719442 B2 JP2719442 B2 JP 2719442B2 JP 3501038 A JP3501038 A JP 3501038A JP 50103890 A JP50103890 A JP 50103890A JP 2719442 B2 JP2719442 B2 JP 2719442B2
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Description

【発明の詳細な説明】 政府契約との関係 本発明は、米国エネルギ省によって付与された、契約
第DE-AC06-76RLO 1830号に基づく政府支援を受けて行っ
たものである。米国政府は、本発明におけるある種の権
利を有するものである。
発明の背景 固体結晶について、これを電離放射線に露出した時、
いくつかの吸収バンドが、レーザが次第に高くなる放射
線損傷を現す。(1)アルカリハロゲン化物の場合、その
Fバンド(F-band)が、検出可能な吸収バンドを生成す
る放射線損傷センタの内の最初のものである。このFセ
ンタ(F-center)は、ある放射線露出に対して最大濃度
の損傷センタ(damage center)になるものであるが、
その物理的特性のため、このセンタは、ルミネセンス技
術を用いた電離放射線露出の定量化には、用いることが
できない。このFセンタのそのルミネセンスは、室温以
下で熱的に消光する。
放射線露出の増大に伴い、第2の損傷センタがその吸
収スペクトルにできる。この第2損傷センタは、Mセン
タ(M-center)として知られており、これは、互いに隣
接した2つのFセンタ(2)(3)から成るものと、一般に考
えられている。しかしながら、Fセンタとは違って、室
温にてより長い波長のMセンタ吸収バンドへ励起する
と、ルミネセンスが生じる(4)。このMセンタ・ルミネ
センスには、ストークス・シフト(Stokes′ shift)が
関係しており、これにより、励起用の波長とはかなり異
なった波長においてそのルミネセンスが観察できるよう
になっている。
長い間、光学的窓として高純度のフッ化リチウム(Li
F)の結晶が用いられている。光学等級のLiFは、深紫外
(deep ultraviolet)から赤外までの優れた透過性で知
られているものである。これまでは、放射線線量測定の
応用は、分光光度計で測定する放射線誘起型の吸収ピー
クを用いた、高レベル・メガラド(Mega-Rad)ガンマ線
量測定に制限されていた。しかしながら、吸収測定法
は、上記の放射線損傷センタを測定するには非常に感度
の悪い方法である。
発明の概要 吸収測定法よりも感度の良い放射線損傷測定方法は、
上記のMセンタ・ルミネセンスを測定することにより得
ることができる。LiF結晶を442nmのHe-Cdレーザで励起
すると、LiFのMセンタのルミネセンス収量が大幅に増
加する、ということが分かった。そのHe-Cdレーザは、L
iFにおける吸収測定からMセンタ吸収のピークが443nm
で生じることが示されたので、励起レーザとして採択し
た。このレーザによる刺激によって、励起された状態の
Mセンタが生じ、そしてこれが、非常に強いストークス
・シフトを受けることになる。Mセンタ放出スペクトル
(M-center emission spectrum)のそのピークは、665n
mで生じる(半値幅は0.36ev)。これらの励起波長は、
その放出波長とは大きく異なるので、その励起と同時に
深赤(deep red)放出の測定を行うことができる。従っ
て、光学的濾波によって、Mセンタ吸収バンドへのレー
ザ励起と同時にMセンタ・ルミネセンスを測定する手段
を与えることができる。Mセンタの集団(polulation)
は、放射線損傷の増大と共に成長し、従って、Mセンタ
・ルミネセンスは、放射線線量測定のための基礎を与え
るものとなる。上記LiFからの読み取りは、1秒以下以
内で行うことができる。
アルカリハロゲン化物族の全メンバが、Mセンタ・ル
ミネセンス線量測定の候補となるが、フッ化リチウム
(LiF)を多くの理由から選択した。その理由の第1
は、この結晶が、光学的窓の材料として用いられている
ため、商業的に大量に入手可能であることである。第2
に、LiFは、光子に対するそのエネルギ応答においてほ
ぼ組織等価であって、種々雑多なフィールドの線量測定
応用にとって適した材料となるからである。最後に、Li
Fは、低価格の市販された青色光レーザにて励起させる
ことが可能であり、またそのMセンタ・ルミネセンス
が、可視スペクトル内で相当発生するからである。可視
光スペクトルに対し感度をもつ光電管は容易に入手でき
るので、この特徴により、光検出を簡単化することがで
きる。Mセンタの線量測定特性を記述するデータ並びに
このMセンタに関するその他の一般的物理データについ
ては、以下の詳細な説明にて示すが、それは、LiFにお
けるMセンタ線量測定の可能性をも説明するものであ
る。
Mセンタ・ルミネセンスは、現在人工的に成長させる
ことのできる殆ど全ての固体結晶において存在するもの
であって、上記アルカリハロゲン化物群に限定されるも
のではない。各結晶は、特徴的なMセンタ吸収バンドを
有しており、これは、大きな放射線露出(ほぼ1メガラ
ド)後に測定することができる。レーザ光でMセンタ吸
収バンド内へ照射することで、励起用レーザ光ビームと
は大きく異なる波長で生じるMセンタ・ルミネセンスを
刺激することになる。これの分離及び検出は、励起光を
吸収しMセンタ・ルミネセンスを透過させる光学的フィ
ルタを用いることによって、励起用の光と同時に、容易
に可能である。
図面の簡単な説明 図1は、Mセンタ・ルミネセンス読取システムの図で
ある。これのHe-Cdレーザは、1mmのビーム径で442nmに
て70mWを生成する。この読取装置は、LiF結晶の挿入及
び除去のためのサンプル引き出しを備えた光密(light
tight)の金属ボックスから成るものである。このチャ
ンバの表面は、迷光を拒絶し遮蔽するために黒色プラス
チックで作ってある。上記レーザ光を拒絶しそしてMセ
ンタ・ルミネセンスを透過させるため、広帯域光干渉フ
ィルタを備えたRCA8852光電管を用いている。また、パ
ーソナルコンピュータには、50MHzの能力をもった光子
カウントのための多チャンネル・スケーリング・ボード
を内蔵している。
図2は、トラコーノーザン(Tracor Northern)社製
の光多チャンネル分析器を用いて測定したLiF Mセンタ
・ルミネセンスの光放出スペクトルを示す。このMセン
タ・ルミネセンス放出は、442nmのHe-Cdレーザによって
励起したものである。また、そのLiF結晶には、60Co源
を用いて2.6C/Kgの露出を与えた。このルミネセンス・
スペクトルのピークは、665nmで、その半値幅は0.36ev
である。
図3は、260C/Kgに露出したLiF結晶に対する光吸収ス
ペクトルを示す図である。LiF結晶の光路長は6mmであっ
た。この光吸収スペクトルは、ヒューレット・パッカー
ド(Hewlett Packard)社のダイオードアレイ分光計を
用いて得た。この吸収スペクトルのピークは、測定によ
り443nmであった。
図4は、上記結晶に入射する時の442nm He-Cdレーザ
エネルギの関数としての、Mセンタ・ルミネセンスの光
学的脱色率(optical bleaching rate)を示す。この図
で用いた結晶は、26mC/kgに露出したものである。この
光学的脱色の時定数は、32sであることが分かった。M
センタ・ルミネセンス強度の総合的な減少は、30Jの送
出エネルギに対して20%であった。
図5は、LiF結晶に基づいた人員線量測定器の概略図
である。
詳細な説明 Mセンタ測定のため、光学等級のLiF単結晶(6mm×6m
m×6mm)を選択した。商業的に入手可能な結晶には、M
センタのかなりの集団があるので、それらセンタは、熱
処理で消去する。このMセンタバックグラウンドを除去
するには、空気中で873Kで1時間の熱処理で十分である
ことが分かった。この熱処理の後、それら結晶の内のい
くつかのものは、対照標準として保ち、残りのものは、
60Co源から、0.26mC/kg、2.6mC/kg、26mC/kg及び260mC/
kgに露出を行った。この放射後、それら結晶を紙製の包
みに収納し、好ましくない露光を防止した。
図1に示したように、読取装置は、3つの異なる機能
ユニツトから成っている。これらは、70mWでHe-Cdの442
nmレーザ2と、サンプルチャンバ6と光電管8とを内蔵
した光密ボックス4と、そして光子カウントシステム10
とである。He-Cdレーザビームは、結晶の表面で1mm径と
なるように合焦させ、そしてその結晶をこの立体の2つ
の対向した面の中心で透過させた。結晶にレーザ励起光
を与えるため、そのレーザビーム路及びサンプルチャン
バは、室内迷光及びレーザの散乱を遮蔽するのに役立つ
黒色プラスチックで作った。650nmを中心とする広帯域
干渉フィルタ12を選択して、442nmHe-Cdレーザ光が光電
管8に達するの防ぎ、またMセンタ・ルミネセンスを透
過させるようにした。このフィルタは、50%の650nmピ
ーク透過でかつ70nmのバンド幅を示した。散乱した442n
mHe-Cdレーザ光の透過は、このフィルタ12によって、0.
01%に減少させた。また、1mmのアパーチャをその光フ
ィルタと結晶との間に配置し、Mセンタ・ルミネセンス
に伴うバックグラウンド光のいくらかを拒絶する一助と
した。この実験用に選択した光電管8は、赤色拡張型の
多アルカリ光電陰極をもつRCA8852であり、これは、レ
ーザビームの軸から90度にて取り付けた。この光電管
は、その光子カウントに対するその適合性及びその優れ
た赤色応答のために選択したものである。また、上記カ
ウントシステムは、前置増幅器、増幅器、弁別器、及び
パーソナルコンピュータ内に収容した多チャンネル・ス
ケーリング・ボードで構成した。このカウントシステム
は、50MHzの速度でカウントする能力がある。
読み取りは、70mWのレーザビームをサンプルチャンバ
に通してLiF結晶中へと達するようにし、そしてこれと
同時に、コンピュータ内の多チャンネル・スケーリング
・ボードを用いて光子をカウントすることから成ってい
る。400チャンネル(各チャンネルは50msの時間幅を有
する)からなるものを、対象領域として選択した。この
400チャンネル対象領域(これは20sの時間の間持続)に
わたって、積分を行った。
図2は、トラコーノーザン社製の光多チャンネル分析
器を用いて測定したLiF Mセンタ・ルミネセンスの光放
出スペクトルを示す。LiF結晶は、60Co源を用いて2.6C/
Kgの露出を行った。この放出スペクトルのピークは、66
5nmで、0.36evの半値幅である。この結果を用いて、M
センタ・ルミネセンス読取装置に使用する最適な干渉フ
ィルタを決めた。また、多量に露出を行ったLiF結晶の
光吸収スペクトルを、ヒューレット・パッカードのダイ
オードアレイ分光器を使って測定した。この吸収スペク
トルは、図3に示す。この吸収スペクトルの露出レベル
は、260C/kgであった。このMセンタ吸収曲線を十分に
分解するには、その260C/kgが使用し得る最小限の露出
である、ということが分かった。この吸収曲線は、443n
mで最大となり、これは、He-Cdレーザの443nm線と合致
する。
以下の表は、0.26,2.6,26,及び260mC/kgの60Coガンマ
露出の関数として、Mセンタ応答を示したものである。
70mWの全レーザ出力を用いた260mc/kg露出のカウント
飽和に因り、2つのレーザ出力レベルを用いた。実験の
不確定さの範囲内で、上記応答は、線形関係に従ってい
る。0.26mC/kgに露出を行った結晶は、積分応答を示
し、これは露出を受けなかった結晶の2倍の高さであっ
た。
図4は、Mセンタ・ルミネセンスの脱色率を時間の関
数としてプロットしたものである。結晶は、26mC/kgに
露出を行い、送出したレーザ出力は、70mWで600s間であ
った。この脱色プロセスに対する時定数は、32sである
と分かり、またこれは、その時間中一定のままである。
Mセンタ・ルミネセンスを監視した全時間の間、脱色に
起因する全減少は、わずか20%であった。
励起したMセンタの減衰に関連する時定数は、簡単な
方法で測定した。先の測定に用いたのと同一の読取装置
を、この時定数測定に用いた。窒素ポンプ式(nitrogen
-pumped)色素レーザを用いて、照射したLiF結晶を読取
装置内で励起し、そしてその信号を、ヒューレット・パ
ッカード社のデジタル化高速ストレージ・オシロスコー
プに供給した。このオシロスコープにより、滑らかなデ
ータ群が得られるまで、そのMセンタ減衰信号の平均を
とることができた。その測定した時定数は、70nsであっ
た。これは、他の著者の測定値と一貫性があるものと思
われる(5)(6)
LiF内のそのMセンタ・ルミネセンスは、70nsの桁の
ある時定数で発生する。この測定を基にすると、LiF内
の各Mセンタは、飽和時で1秒間に107個近くの光子を
生成する能力があるはずである。LiF内のMセンタの発
振器強度を基にした単純な計算では、40kw及び442nmの
レーザビームでMセンタ・ルミネセンスが飽和すること
が予測される。本実験で用いたレーザは70mWなので、例
えば、高い強度のアルゴンレーザを用いて励起力を大き
くすることにより、Mセンタ・ルミネセンス信号におけ
る大きな利得を得ることができる。
Mセンタ・ルミネセンスを記録する光電管は、人員監
視のできる感度のよい線量計を実現しようとするなら
ば、赤−赤外放出スペクトルに対して非常に敏感でなけ
ればならない。不幸にして、単一の光子をカウント可能
な赤色拡張型光電管は、熱電子放出に関連する大きな暗
カウント(dark count)を特性として有している。商業
的に入手可能な色素レーザは、高い暗カウントの問題に
対する素晴らしい解決法を提供するものであり、更に、
Mセンタ・ルミネセンスの飽和を得るための大ピーク出
力の要求も満足するものである。色素レーザは代表的に
は非常に短いパルス長を有しているので、色素レーザパ
ルスの持続期間内の赤色拡張型光電管の暗カウントは、
無視し得るものとなる。励起したMセンタの減衰に対す
る時定数より何桁も大きな10〜100μsの時定数で、巨
大なピーク出力を生成するために、フラッシュランプ・
ポンプ型(flashlamp-pumped)色素レーザを作ることが
できる。従って、そのフラッシュランプ・ポンプ型色素
レーザを用いることによって、飽和を生成し、一方Mセ
ンタの減衰定数よりかなり長い時間内でルミネセンスの
サンプリングを可能にすることによって、Mセンタ・ル
ミネセンスを最大化することができる。この条件によ
り、よりよい統計的結果を得ることができる。幸い、飽
和時のMセンタ・ルミネセンス収量は、無視できる程度
の暗カウントを生じる上記の同じレーザで、理論的に最
適化することができる。
LiFにおけるこのMセンタ・ルミネセンス技法で最も
限定的な面は、大きな蛍光バックグラウンドである。こ
の望ましくないバックグラウンドは、直接の及び散乱し
たレーザ光によって刺激されて、多くの発生源から発す
るものである。このような発生源の第1のものは、チャ
ンバ表面内にレーザ光散乱から生ずる蛍光である。幾何
形状並びに材料の双方の選択において注意深くチュンバ
を設計することによって、この望ましくない光の発生源
を大幅に減少させることができる。第2の発生源は、結
晶の表面から発する蛍光である。この表面蛍光は、適当
な条件下で人間の目ではっきり見ることが可能なもので
あり、望ましくない光の最も大きな発生源である。この
表面蛍光は、表面の蛍光種(fluorescing species)の
性質に依存する。望ましくない光の第3の発生源は、結
晶の塊(バルク)からのものである。レーザ光によって
励起された結晶内の不純物が、所望の信号を妨害する光
を生成するのである。このバルク結晶効果をマスクする
上記の大きな蛍光信号のため、現時点ではこの光源をま
だ観測するに至っていない。バックグラウンド光の第4
の発生源は、レーザをコンディショニングしまた迷光が
光電管に到達するのを阻止するのに用いるところの光フ
ィルタの漏洩によるものである。この光電管は、励起用
レーザ波長に対し非常に感度が高いので、適切なフィル
タ処理が必須である。高性能フィルタ及び多重フィルタ
を用いることによって、このバックグラウンド発生源が
重大な問題の原因となるのを防止することができる。こ
のバックグラウンド光の内最後の発生源が、おそらく最
も厄介なものとなる。
線量計の応用において、線量計が再使用可能であるこ
とが望ましく、このことは、Mセンタを除くように結晶
をアニールする必要性があることを意味している。前に
示したように、Mセンタを除去するために熱処理を用い
ることができる。しかしながら、その熱処理のある点
で、Mセンタが平衡レベルに達し、そしてこの点から
は、それ以上のMセンタ濃度の減少は困難となる。後
は、この濃度レベルが、適当な人員放射線監視を行うの
に適切な程に低いかを確かめる必要がある。
上述のことを基に、60Coガンマ源を用いたLiFにおけ
るMセンタ・ルミネセンスが、0.026から260mC/kgの範
囲の露出に対して有用な線量計となる、ということが示
されたと理解できよう。Mセンタ・ルミネセンス線量測
法用にLiFを用いる際の最大の困難は、Mセンタ・ルミ
ネセンス信号に伴う大きなバックグラウンドの蛍光であ
る。赤外線域で放出を行う安価なダイオードレーザが現
在入手可能であり、このダイオードレーザは、Mセンタ
吸収バンドが赤外線域にあるようなそれらの結晶を励起
するのに用いることができる。
多くのアルカリハロゲン化物は、そのMセンタ・ルミ
ネセンス吸収バンドを赤外線域に有している。高価でな
い赤外線検出器を用いて、その赤外ルミネセンスを検出
することができ、これにより、安価なレーザ及び検出シ
ステムが技術的に実現可能となっている。このように、
Mセンタ・ルミネセンスを、人員または環境の線量測定
手段として用いることができる。小型の赤外線ダイオー
ドレーザを赤外線検出器及び適切な光フィルタに結合す
れば、この組み合わせは、リアルタイムでの分析を可能
とする放射線監視器となる。図5は、そのような線量計
を例示しており、これは、結晶20、これに取り付けたダ
イオードレーザ22、結晶20のMセンタ・ルミネセンスを
検出するための検出器24、及びレーザ光を阻止し結晶の
Mセンタ・ルミネセンスを透過させる光フィルタ26から
構成してある。
光刺激型のルミネセンスは、共に係属中の米国特許出
願第07/213245号(今は、米国特許第4954707号)、及び
第07/420293号に記載されており、その内容は、この言
及により本開示に含めるものとする。
理解されるように、本発明は、以上に説明した特定の
実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に
定めた本発明の範囲並びにそれの均等物を逸脱せずに、
種々の変更が可能である。
参考文献 1.マクローリン外(McLaughlin et al)、“LiFにおけ
る放射線誘起型色センタを用いた電子及びガンマ線線量
測定(Electron and gamma-ray dosimetry using radia
tion-induced color centers in LiF)”、Radiat.Phy
s.Chem.14、467-480頁(1979年)。
2.セイツ(Seitz)、“アルカリハロゲン化物の結晶に
おける色センタ(Color centers in alkali halide cry
stals)”、Rev.Mod.Physics 18、348頁(1846年)。
3.ノックス(Knox)、“Mセンタの反転対称(Inversio
n symmetry of the M-center)”、Phys.Rev.Letters 2
(3)、87頁(1959年)。
4.クリック(Klick)、“アルカリハロゲン化物におけ
る色センタのルミネセンス(Luminescence of color ce
nters in alkali halides)”、Phys.Rev.79、894頁(1
950年)。
5.ボシ外(Bosi et al)、“マグネシウムをドープした
NaFにおいて励起した(F2+)*及びMセンタに関する
寿命研究(Lifetime studies on excited(F2+)* an
d M centers in NaF doped with magnesium)”、Phys.
Stat.Sol.(b)140、355-360頁(1987年)。
6.ボシ外(Bosi et al)、“NaCl:CdCl2における摂動及
び非摂動のMセンタの減衰特性に関する新たな結果(Ne
w results on the decay properties of perturbed and
unperturbed M-centers in NaCl:CdCl2)”、Phys.Sta
t.Sol.(b)123、519-524頁(1984)。
この各参考文献の開示内容は、この言及により本文に
含めるものとする。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線量を測定する方法であって、 Mセンタ吸収を呈する純粋な結晶物質の本体(20)を電
    離放射線に露出するステップと、 前記物質のピークMセンタ吸収波長の近傍にある第1の
    波長の光放射線で前記物質を励起するステップと、及び 前記第1波長より長い第2の波長のルミネセンスによっ
    て前記物質から放出される光学的エネルギを測定するス
    テップと、 から成る放射線量測定方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、前記物質
    (20)は、アルカリハロゲン化物であること、を特徴と
    する放射線量測定方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の方法において、前記アル
    カリハロゲン化物は、光学的窓品質のフッ化リチウムで
    あること、を特徴とする放射線量測定方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法において、前記第1
    波長のコヒーレントな光学的放射線で前記物質(20)を
    励起すること、を含むことを特徴とする放射線量測定方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の方法において、スペクト
    ルの可視領域内のルミネセンスによって放出された光学
    的エネルギを測定すること、を含むことを特徴とする放
    射線量測定方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の方法において、前記物質
    (20)は光学的窓品質のフッ化リチウムであって、該物
    質は、光学的スペクトルの青色領域内のある波長のレー
    ザ光によって励起し、そしてルミネセンスによって放出
    された光学的エネルギを、スペクトルの赤色領域内で測
    定すること、を特徴とする放射線量測定方法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の方法において、前記第1
    波長で約70mWの出力レベルにて光を放出するレーザ光源
    を用いて、前記物質(20)を励起すること、を含むこと
    を特徴とする放射線量測定方法。
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