JP2717864B2 - ラッチブロック付コネクタ及びコネクタ用ラッチブロック - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はラッチブロック付コネクタ及びコネクタ用ラ
ッチブロック、特に相互に嵌合する一対の電気コネクタ
をラッチ固定する取外し可能なラッチブロックに関す
る。

〔従来技術とその問題点〕

電気コネクタ（以下単にコネクタという）を相互に確
実な嵌合状態にする、即ち嵌合すると嵌合されたコネク
タの一方又は両方に、ラッチ機構がない場合には両コネ
クタの嵌合を解除してしまうが、ラッチ機構により両コ
ネクタを嵌合状態に維持する力が作用するようにするの
が好ましい。

コネクタのフランジの開口にボルトを挿入して固定す
るラッチブロックは周知である。これらラッチブロック
はコネクタのフランジにて固定する為にボルト及びナッ
トを必要とするかネジ穴を用いてコネクタのフランジに
ボルト締めする。従って、簡単な構成で取外し可能なコ
ネクタ用ラッチの開発が待たれていた。

〔発明の概要〕

本発明はコネクタ用取外し可能なラッチブロック装置
（システム）に関し、コネクタのスロット又はキー溝に
配置され保持される取外し可能なラッチブロックを提供
する。この取外し可能なラッチブロックは挿入方向に保
持される。本発明のコネクタによると、ハウジングを有
するコネクタはチャンネルを有する。このチャンネルは
幅が広い第１部分と狭い第２部分を有し、第２部分は第
１部分とハウジングの外表面に開口している。ラッチ部
と保持部とを有するラッチブロックがチャンネル内に保
持されるよう構成されている。ラッチブロックのラッチ
部は保持部に面するラッチ肩部を有する。保持部はチャ
ンネルの幅広い第１部分内に摺動的に収納される拡大す
る第１保持部を有する。また、保持部は狭い第２保持部
を有し、これは拡大した第１保持部からチャンネルの狭
い第２部へ延び、拡大した第１保持部とラッチ部とを相
互接続する。ラッチブロックをチャンネル内に保持する
手段が設けられている。

〔実施例〕

第１図に本発明のケーブル・ケーブル間相互接続用コ
ネクタを示し、プラグ型コネクタ10とリセプタクル型コ
ネクタ12とが相互に嵌合しており、各背面シェルを除い
て全体の構成が見えるようにしている。しかし、両コネ
クタの一方をパネル取付け型にするか基板取付け型とし
他方をケーブル型コネクタとし、或いは両コネクタを基
板取付け型としてもよいこと勿論である。この種のコネ
クタは米国特許第4,781,615号公報等に開示されてい
る。コネクタ10は回動可能に取付けられた一対のラッチ
アーム14を有する。ラッチアーム14の第１端16は軸18方
向に押圧されているので、ばね20は圧縮され第２ラッチ
端22は軸18から遠ざかる方向に回転され、取外し可能な
ラッチブロック24から解放し、両コネクタ10及び12の嵌
合解除を可能にする。ラッチアーム14の第１端16が解除
されると、ばね20はラッチアーム14を逆方向に回動さ
せ、最初の状態に戻る。

第２図に示す如く、リセプタクル型コネクタ12の下方
後部シェル26は上部側面30の略反対側から延びる一対の
同様のスロット又はキー溝28を含んでいる。好適実施例
におけるスロット28はコネクタのコンタクトの嵌合部の
軸に垂直である。よって、スロット28もまたコネクタ1
0,12の嵌合方向に垂直であり、これは両コネクタ10,12
の嵌合を外す力の方向と垂直方向である。カバー32は典
型的にはネジ（図示せず）により後部シェル26に固定さ
れる。カバー32は突起34を有し、第３図に示す如くカバ
ー32を後部シェル26内に取付けるとき突起34がスロット
28内に収まるよう構成されている。

第４図に最も良く示す如く、スロット28は幅の広い部
分と狭い部分とを有する。好適実施例では、スロット28
は上方から見ると略Ｔ次状をしており、幅広部として拡
大した第１スロット部36及び幅狭部として縮小した第２
スロット部38を含む。スロット部36はスロット部38より
幅広であると共に深く、スロット部38はスロット部36と
漣通し且つ下方後部シェル26の前端面40にも漣通してい
る。第２図及び第３図に示す如く、前端40から見ると、
スロット部36,38は略矩形状である。スロット部36,38の
側壁は上面30から内方にテーパを有する夫々第１上部側
壁44,46及び略平行である第２下部側壁部48,50を含んで
いる。

第４図に最も良く示す如く、好ましくは亜鉛ダイキャ
スト製である取外し可能なラッチブロック24は保持部52
及びラッチ部54を含んでいる。保持部52はコネクタ内に
延びスロット28内に受容され、拡大した第１保持部56及
び縮小した第２保持部58を含んでいる。ラッチ部54はラ
ッチ肩60とテーパ面62を有し、前面40を超えてスロット
28外に突出する。この突出部は相補（相手）コネクタの
ラッチアーム14の第２端22と協働して嵌合された両コネ
クタを一体にラッチ保持する。テーパ面62はラッチ肩60
近傍から、スロット28の外方に延びる末端方向に傾斜し
ている。

取外し可能なラッチブロック24の拡大した第１保持部
56は断面が多角形であるのが好ましく、スロット28の拡
大された第１スロット部36内に受容される。好適実施例
では、多角形は矩形である。保持部56が多角形である
と、スロット28内に予め選択した方向に挿入されると、
その方向を維持する。

第２保持部58は任意形状でよく、ラッチ部54と拡大し
た第１保持部56とを相互結合するよう形成され、且つ第
２スロット部38内に受容されるよう構成されている。取
外し可能なラッチブロック24とスロット28の方向は第２
スロット部38に密着して受容される第２保持部56の形状
により維持される。例えば第２保持部58が多角形の断面
を有するとき、第２スロット部38は略平行な側壁を有す
る。

また、取外し可能なラッチブロック24はフランジ64を
含み、このフランジ64は前端面40及び下側後部シェル26
に当接する。また、フランジ64は取外し可能なラッチブ
ロック24を補強する働きをする。

スロット28と取外し可能なラッチブロック24の保持部
24は、ラッチブロック24がスロット28内に比較的緊密に
嵌合する寸法に形成され、スロット28内にラッチブロッ
ク24を挿入すると、長手方向又は横方向に殆ど移動しな
いようにする。スロット28のテーパ付き上壁部44,46は
ラッチブロック24をスロット28内に挿入し易くする作用
をする。更に、拡大した第１スロット部36のコーナー66
と保持部56,58間のラッチブロック24のコーナー68は少
し丸くして、取外し可能なラッチブロック24がスロット
28内に挿入されるとき、このラッチブロック24を後方に
押してラッチブロック24の位置決めを支援する。

取外し可能なラッチブロック24がスロット28と位置合
せされて挿入される前にラッチブロック24を回転してラ
ッチ部54が所定方向を向くようにする。ラッチブロック
24を選択された向きにスロット28内に挿入後、ラッチブ
ロック24の多角形の拡大した第１保持部56の対向面は拡
大した第１スロット部36の平行下側壁部48と平行してお
り、且つ両者間が極めて緊密に嵌合して取外し可能なラ
ッチブロック24がその後スロット28内で殆ど回動しない
ようにする。これにより、拡大した第１保持部56がスロ
ット部36の下側壁部と協働してラッチブロック24の回動
を阻止するように構成されている。同様に、特定形状の
第２保持部58の対向側面は第２下側壁部50間に受容さ
れ、取外し可能なラッチブロック24がスロット28内で過
度に回動するのを阻止する。これにより、第２保持部58
は第２スロット部38の下側壁部と協働してラッチブロッ
ク24が回動するのを阻止する。よって、ラッチブロック
24がスロット28内に挿入されると、ラッチブロック24は
スロット28内の正しい位置に保持されスロット28内で縦
又は横方向に回転又は移動することを阻止する。

この好適実施例では、取外し可能なラッチブロック24
はカバー32が下方後部シェル26に取付けられた際にスロ
ット28内の所定位置に保持される。第２図乃至第４図に
示す如く、カバー32はその下面から下方に突出する一対
の突起34を有する。カバー32を後部シェル26に取付ける
と、突起34はスロット28内に挿入され、その先端は第３
図に示す如くラッチブロック24の第２保持部58に当接し
てラッチブロック24をスロット28内に保持し、このラッ
チブロック24がスロット28内で上下動するのを阻止す
る。ラッチブロック24のフランジ64と拡大した第１保持
部56間に延びることにより、突起34は取外し可能なラッ
チブロック24がスロット28内で長手方向に移動するのを
阻止する働きをする。このラッチブロック24をスロット
28内に保持する他の手段も勿論本発明の範囲内である。
拡大している第１保持部56又は第２保持部58はスロット
28の夫々の部分に締りばめされる。或いは、第１保持部
56又は第２保持部58をスロット28の夫々の部分からスロ
ット28内に保持されたラッチブロック24へ通過させるこ
ともできる。

コネクタ10及び12を嵌合する為に位置合せをすると、
ラッチアーム14の第１端16のテーパ付ラッチ耳76は取外
し可能なラッチブロック24の傾斜面62と係合する。コネ
クタ10及び12が嵌合すると、第１端16は第２ラッチ端22
が押圧される程度に応じて面62に沿って滑動する。面62
と第１端16間の反発力により、第５図に示す如く、ラッ
チアーム14を第１方向に回動してばね20を圧縮する。ラ
ッチ耳76がラッチ肩60を超すと、ラッチ耳76はラッチ肩
60に沿って横且つ内側方向に移動してラッチアーム14を
第２、即ち逆回動方向に回動させて両コネクタ10,12を
ラッチ固定する。

また、第５図はラッチアーム14及び取外し可能なラッ
チブロック24がプラグ型コネクタ10又はリセプタクル型
コネクタ12のいずれの側に取付けてもよいことを示す。
第1A図に示す如く、コネクタ10は絶縁刺通型コンタクト
78を有し、ケーブル82の導体80を圧接成端する。一方、
コネクタ12は絶縁刺通型コンタクト84を有し、ケーブル
88の導体86を圧接成端する。コンタクト78,84の嵌合部
はコネクタ10,12の嵌合方向に軸方向に位置合せされ
る。ケーブル82及び88には従来のストレンリリーフ90が
設けられてもよい。

〔発明の効果〕

以上の説明から理解される如く、本発明によるとラッ
チブロック24を有するので、２個の嵌合コネクタを相互
にラッチして両コネクタの嵌合が外れるのを確実に阻止
する。キーを使用するよう設計されたコネクタはこのラ
ッチブロックに置換して両コネクタをラッチすることが
できる。また、この取外し可能なラッチブロック24は一
対のコネクタのいずれの側にも取付けることが可能であ
り、その取付け取外しもカバー32を外すことにより簡単
に実行できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるラッチブロック14を使用するプラ
グ及びリセプタクル型コネクタの嵌合状態を示す上面
図、第1A図は両コネクタのコンタクト部の拡大詳細図、 第２図はカバーを分離した第１図のコネクタの下側後部
シェルの前端面図、 第３図はカバーの突起をスロットに挿入して取外し可能
なラッチブロックを保持する第２図の後部シェルの断面
図、 第４図は第１図のコネクタの要部を示す拡大分解斜視
図、 第５図はプラグ型コネクタ側にラッチブロックを取付け
た第１図のコネクタの一部を示す上面図である。 10,12……コネクタ、14……ラッチアーム 24……ラッチブロック、28……キー溝 52……保持部、54……ラッチ部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】相互に嵌合する一対のコネクタの少なくと
   も一方の嵌合面近傍に上記コネクタの嵌合方向に対して
   略直角に形成された複数のキー溝と、 該キー溝内に摺動的に挿入固定される保持部及び該保持
   部に固定されたラッチ部を有する複数のラッチブロック
   と、 上記一対のコネクタのうち上記ラッチブロックが固定さ
   れない方のコネクタに取付けられ上記ラッチブロックの
   上記ラッチ部と弾性係合する複数のラッチアームと を具えることを特徴とするラッチブロック付コネクタ。
2. 【請求項２】相互に嵌合する一対のコネクタの嵌合面近
   傍に形成された複数のキー溝に摺動的に固定れる保持部
   と、 該保持部に一体的に固定されたラッチ部と を具え、上記保持部を上記コネクタの上記キー溝に選択
   的に挿入固定するようにしたことを特徴とするコネクタ
   用ラッチブロック。